JP3411121B2 - 定着ロール用クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニング装置 - Google Patents

定着ロール用クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニング装置

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JP3411121B2
JP3411121B2 JP7724095A JP7724095A JP3411121B2 JP 3411121 B2 JP3411121 B2 JP 3411121B2 JP 7724095 A JP7724095 A JP 7724095A JP 7724095 A JP7724095 A JP 7724095A JP 3411121 B2 JP3411121 B2 JP 3411121B2
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正博 中島
広志 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写機、レーザービーム
プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置などの定着
ロール表面に残留したトナーを除去できる定着ロール用
クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真装置などの定着装置
における、定着ロール表面に残留したトナーを除去する
クリーニングシートとして、芳香族ポリアミド繊維を未
延伸ポリエチレンテレフタレート繊維で固定した不織布
や、この不織布にオイルを含有させたものが使用されて
きた。しかしながら、例えば、近年開発されたカラー複
写機においては、多種多様のトナーを多量に使用してい
るため、従来のクリーニングシートよりも、よりクリー
ニング性に優れたクリーニングシートの出現が待ち望ま
れていた。
【0003】また、このクリーニングシートにオイルを
含有させて、定着ロールのクリーニングと同時にオイル
塗布を行うクリーニングシートにおいては、トナー除去
性を向上させるため、複写速度を速くするため、或いは
クリーニングシートの使用寿命を長くするために、多量
のオイルを塗布できるのが好ましいが、実際には、定着
ロールに塗布されずにクリーニングシートに残留するオ
イルが多く、多量のオイルを塗布することが困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、第1の目的はよ
りクリーニング性に優れたクリーニングシート、クリー
ニング材、及びクリーニング装置を提供することにあ
り、第2の目的はクリーニング性、オイル塗布性のいず
れにも優れたクリーニングシート、クリーニング材、及
びクリーニング装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の定着ロール用ク
リーニングシートは、繊維長1〜30mmの耐熱性繊維を
み、湿式法によって形成された短繊維層と、繊維長3
0〜110mmの耐熱性繊維を含み、乾式法によって形成
された長繊維層とを含む不織布からなり、この短繊維層
がこの不織布の少なくとも片表面に位置したものであ
る。また、このクリーニングシートが、常温で粘度10
0〜50,000センチストークスのオイルを5〜10
0g/m2量含有していると、クリーニング性、オイル塗布
性のいずれにも優れている。
【0006】本発明のクリーニング材は、上記クリーニ
ングシートがシャフトに巻回されており、かつ、クリー
ニングシートの他端が別のシャフトに固定されたもの、
又は、上記クリーニングシートを、ロール状物の少なく
とも表面に有するものであり、本発明のクリーニング装
置は、前者のクリーニング材のクリーニングシートをシ
ャフトから巻き出して、クリーニングシートの短繊維層
を定着ロールに接触させた後、別のシャフトで巻き取る
機構を有するものである。
【0007】
【作用】本発明のクリーニングシートは湿式法によって
形成された短繊維層と乾式法によって形成された長繊維
層とを含む不織布からなり、この短繊維層が不織布の少
なくとも片表面に位置しているため、この短繊維層を定
着ロールに接触させて使用できる、クリーニング性に優
れたものである。つまり、短繊維層を構成する耐熱性繊
維の繊維長が短いため、長繊維層よりも短繊維が均一に
分散しており、しかも繊維長が短く、繊維の自由度が高
いため、クリーニングシート表面の短繊維のみではな
く、クリーニングシート内部の短繊維もクリーニングに
関与できるので、クリーニング性に優れている。また、
本発明のクリーニングシートは長繊維層も有しており、
この長繊維層によりクリーニングシートに強度が付与さ
れるため、クリーニングシートをより高い圧力で定着ロ
ールに押圧しても、クリーニングシートを破断すること
なく使用できるので、よりクリーニング性に優れてい
る。
【0008】本発明のクリーニングシートは前述のよう
に、優れたクリーニング性を有するものであるが、この
クリーニングシートにオイルを含有させると、オイルは
長繊維層よりも緻密で均一に短繊維の分散した短繊維層
に保持されやすいため、この短繊維層を定着ロールに接
触させると、多量のオイルを塗布することができ、しか
も、この短繊維層からオイルが塗布され、短繊維層のオ
イル量が減少しても長繊維層からオイルが供給されるた
め、より多量のオイルを塗布することが可能になる、と
いう優れた性能を発揮する。そのため、以下、オイルを
含有するクリーニングシートを中心に説明する。
【0009】本発明のクリーニングシートは表面温度1
70〜200℃程度の定着ロールに接触して、トナーを
除去するため、短繊維層及び長繊維層を構成する耐熱性
繊維として、200℃以下の温度で溶融又は分解しない
繊維、例えば、オルト系又はパラ系芳香族ポリアミド系
繊維、未延伸又は延伸ポリフェニレンサルファイド繊
維、未延伸又は延伸ポリエチレンテレフタレート繊維、
ポリブチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリ
塩化ビニル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、6ナイロ
ン繊維や66ナイロン繊維などのポリアミド繊維、ポリ
アミドイミド繊維、フェノール繊維などを使用できる。
これらの中でも、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊
維は接着剤として使用できるため好適に使用でき、オル
ト系又はパラ系芳香族ポリアミド系繊維は適度の剛性が
あり、クリーニング性に優れているため好適に使用でき
る。また、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維は定着
ロールと接触した際の熱によって軟化し、定着ロールと
の接触面積が広くなり、クリーニング性が向上するため
好適に使用でき、クリーニングシートがオイルを含有し
ている場合には、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維
の軟化による変形により、オイルを塗布しやすくなるの
で、好適に使用できる。そのため、本発明における最も
好ましい実施態様は、短繊維層を構成する耐熱性繊維と
して、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維40〜5
0重量%を接着剤として使用し、残りの60〜50重量
%を、芳香族ポリアミド繊維及び/又は延伸ポリエチレ
ンテレフタレート繊維を使用して、クリーニング性及び
オイル塗布性を向上させる。
【0010】これら耐熱性繊維の繊度としては、短繊維
層と長繊維層を構成する耐熱性繊維の間に差を設けるこ
とにより、よりオイルを短繊維層に保持させやすくでき
るので、短繊維層を構成する最も小さい耐熱性繊維の繊
度と、長繊維層を構成する最も小さい耐熱性繊維の繊度
との比を、1:0.5〜10とするのが好ましく、より
好ましくは1:1〜10とする。短繊維層を構成する最
も小さい耐熱性繊維の繊度としては、クリーニング性、
オイル塗布性などの点から、3デニール以下であるのが
好ましく、より好ましくは1デニール以下で、特に、短
繊維層中に繊度1デニール以下の耐熱性繊維を5〜50
重量%含んでいるのが好ましい。このように、短繊維層
を構成する最も小さい耐熱性繊維として、3デニール以
下のものを使用するのが好ましいため、長繊維層を構成
する最も小さい耐熱性繊維として、30デニール以下で
あるのが好ましく、繊維の分散性の点から7デニール以
下であるのがより好ましい。
【0011】本発明の耐熱性繊維の長さは、短繊維層は
1〜30mm、長繊維層は30〜110mmのものを使用す
る。短繊維層の繊維長が1mm未満であると、均一な繊維
ウエブを形成することが困難であり、30mmを越える
と、緻密な繊維ウエブを構成することが困難になるため
で、より好ましくは5〜20mmである。また、長繊維層
の繊維長が30mm未満でも、110mmを越えても、均一
な繊維ウエブを形成することが困難なためで、より好ま
しくは35〜70mmである。
【0012】以上のような繊維長の異なる耐熱性繊維を
使用して、短繊維層となる短繊維ウエブと、長繊維ウエ
ブ層となる長繊維ウエブとを形成し、少なくとも片表面
が短繊維ウエブとなるように積層した後に結合して、不
織布からなるクリーニングシートを得る。本発明の短繊
維ウエブの形成方法は湿式法により、長繊維ウエブの形
成方法はエアレイ法やカード法などの乾式法によってお
こなう。
【0013】この隣接する短繊維ウエブと長繊維ウエブ
との重量比を1:0.5〜6とすることにより、結果と
して隣接する短繊維層と長繊維層との重量比を1:0.
5〜6とするのが好ましい。このように、短繊維層と長
繊維層との間に重量差を設けることにより、短繊維層の
比率を少なくして、短繊維層によるオイル保持性を弱く
して、定着ロールへのオイル塗布性をより向上させるこ
とができる。より好ましくは、隣接する短繊維ウエブと
長繊維ウエブとの重量比を1:2〜5とする。この短繊
維層の目付としては5〜20g/m2であるのが好ましく、
5g/m2未満であると、定着ロールに接触する前のオイル
保持性が悪くなり、20g/m2を越えると、オイル保持性
が高くなりすぎて、定着ロールへのオイル塗布性が低下
するためで、より好ましくは7〜15g/m2である。その
ため、長繊維ウエブの目付は2.5〜120g/m2とする
のが好ましく、より好ましくは10〜75g/m2である。
【0014】この短繊維ウエブと長繊維ウエブとの積層
は、少なくとも片表面に短繊維ウエブが位置するように
積層すれば良く、例えば、短繊維ウエブと長繊維ウエブ
の積層(2層)、短繊維ウエブで長繊維ウエブを挟むよ
うに積層(3層)すれば良い。
【0015】次いで、積層した繊維ウエブを結合する
が、結合させる際に取り扱いやすいように、予めニード
ルパンチや水流によって絡合し、ある程度の強度を付与
しても良い。本発明の積層した繊維ウエブの結合方法と
しては、例えば、短繊維ウエブ及び長繊維ウエブに、接
着剤として未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維や未
延伸ポリフェニレンサルファイド繊維を混合しておき、
熱カレンダーロール間を通して接着する方法がある。
【0016】このようにして得られるクリーニングシー
ト1の目付、厚みは特に限定するものではないが、電子
写真装置のケーシングに納まり易く、しかもトナーの除
去性が良く、長期間使用できるように、目付は10〜4
0g/m2、より好ましくは20〜30g/m2で、厚みは30
〜120μm、より好ましくは40〜75μmとする。
【0017】このようにして得たクリーニングシートに
オイルを含有させると、クリーニングとオイル塗布を同
時に行うことのできるクリーニングシートとすることが
できる。このオイルとしては、トナーの離型性に優れる
シリコーンオイルが好適であり、常温(25℃)での粘
度が100〜50,000センチストークスであるのが
好適である。また、オイル含有量は5〜100g/m2量で
あるのが好ましく、5g/m2未満ではオイル塗布量が少な
くなり、100g/m2を越えると、定着ロールに塗布され
ないオイル量が多くなるためで、より好ましくは10〜
60g/m2である。
【0018】本発明のクリーニング材はこのクリーニン
グシートをシャフトに巻回し、かつ、クリーニングシー
トの他端を別のシャフトに固定したものであり、このよ
うな構造とすることにより、クリーニングシートを順次
巻き出すことにより、常に新しいクリーニングシートを
定着ロールに接触させることができるので、クリーニン
グ性に優れている。また、クリーニングシートがオイル
を含有している場合には、クリーニングシートを巻き出
す際に、含有しているオイル量に近い量のオイルを含有
して巻き出すことができるため、クリーニングシート全
体を通して均一にオイル塗布できるクリーニング材であ
る。このことを図1をもとに説明すると、従来のクリー
ニング材は、クリーニングシートを巻き出した際に形成
されるクリーニングシート1と、未だ巻き出されていな
いクリーニングシート2との界面には、巻き出したクリ
ーニングシート1から移動したオイル3が凝集しやすい
ものであったが、本発明のクリーニングシートは短繊維
層を有しているため、巻き出したクリーニングシート1
の短繊維層によってオイル3が保持され、オイル3の凝
集自体が生じにくく、また、オイル3の凝集が生じたと
しても、未だ巻き出されていないクリーニングシート2
の短繊維層がオイル3を保持しやすく、オイル3が未だ
巻き出されていないクリーニングシート2の長繊維層に
拡散しにくいため、巻き出されたクリーニングシート1
がオイル3を保持した状態で巻き出されるため、クリー
ニングシート全体を通して均一にオイル塗布できるもの
である。
【0019】また、クリーニング材が、発泡又は未発泡
のシリコーン樹脂などからなる弾性体や、オイルを貯蔵
できるように中空で、このオイルを滲み出して定着ロー
ルに塗布できるように多孔性のパイプや、シャフトなど
のロール状物の、少なくとも表面に前記クリーニングシ
ートを有するロール状クリーニング材であっても、クリ
ーニング性に優れている。なお、前記クリーニングシー
トを、ブレードの定着ロールとの接触箇所に相当する部
分に設置したブレード状クリーニング材であっても良
い。
【0020】本発明の最も好ましいクリーニング装置
は、前記クリーニング材を使用したもので、クリーニン
グシートをシャフトから巻き出して、クリーニングシー
トの短繊維層を定着ロールに接触させた後、別のシャフ
トで巻き取る機構を有するものである。そのため、常に
新しいクリーニングシートを定着ロールに接触させるこ
とができるので、クリーニング性に優れている。また、
クリーニングシートがオイルを含有している場合には、
オイルを多量に含んでいる短繊維層が接触すること、及
び定着ロール表面に接触しているため、オイルの粘度が
低下して流動性が生じるので、多量のオイルを塗布でき
る装置である。また、ロール状クリーニング材を定着ロ
ールに接触できるクリーニング装置であっても良いし、
ブレード状クリーニング材を定着ロールに接触できるク
リーニング装置であっても良い。
【0021】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0022】
【実施例】(実施例1)メタ系芳香族ポリアミド繊維
(1.5デニール×38mm)50重量%と、未延伸ポリ
エチレンテレフタレート繊維(5デニール×38mm)5
0重量%とを混綿した後、カード機により開繊し、目付
15g/m2で一方向性の長繊維ウエブを形成した。他方、
メタ系芳香族ポリアミド繊維(0.8デニール×8mm)
30重量%と、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維
(2デニール×15mm)20重量%と、未延伸ポリエチ
レンテレフタレート繊維(2デニール×15mm)50重
量%の繊維から、湿式法により、目付15g/m2の短繊維
ウエブを形成した。次いで、この長繊維ウエブと短繊維
ウエブとを積層した後、温度210℃、線圧70kg/cm
のカレンダーロール間を通し、未延伸ポリエチレンテレ
フタレート繊維の接着によって結合した、目付30g/
m2、厚さ60μmのクリーニングシートを得た。次い
で、このクリーニングシートに粘度10,000センチ
ストークスのシリコーンオイルを23g/m2量含浸した。
【0023】(実施例2)長繊維ウエブの目付を23g/
m2にしたこと、及び短繊維ウエブの目付を7g/m2にした
こと以外は、実施例1と全く同様にして得た、目付30
g/m2、厚さ60μmのクリーニングシートに、実施例1
と同じシリコーンオイルを同量含浸した。
【0024】(実施例3)短繊維ウエブ構成繊維をメタ
系芳香族ポリアミド繊維(0.8デニール×8mm)50
重量%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(2
デニール×15mm)50重量%としたこと以外は、実施
例2と全く同様にして得た、目付30g/m2、厚さ60μ
mのクリーニングシートに実施例1と同じシリコーンオ
イルを同量含浸した。
【0025】(実施例4)短繊維ウエブ構成繊維をメタ
系芳香族ポリアミド繊維(0.8デニール×8mm)10
重量%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(2
デニール×15mm)50重量%と、延伸ポリエチレンテ
レフタレート繊維(2デニール×15mm)20重量%
と、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(1デニール
×15mm)20重量%としたこと以外は、実施例2と全
く同様にして得た、目付30g/m2、厚さ60μmのクリ
ーニングシートに実施例1と同じシリコーンオイルを同
量含浸した。
【0026】(実施例5)短繊維ウエブ構成繊維をメタ
系芳香族ポリアミド繊維(0.5デニール×8mm)30
重量%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(2
デニール×15mm)50重量%と、延伸ポリエチレンテ
レフタレート繊維(2デニール×15mm)20重量%と
したこと以外は、実施例2と全く同様にして得た、目付
30g/m2、厚さ60μmのクリーニングシートに実施例
1と同じシリコーンオイルを同量含浸した。
【0027】(比較例1)実施例1の長繊維ウエブと同
じ繊維組成からなる、目付30g/m2で一方向性の長繊維
ウエブのみで形成した以外は、実施例1と全く同様にし
て得た、目付30g/m2、厚さ60μmのクリーニングシ
ートに実施例1と同じシリコーンオイルを同量含浸し
た。
【0028】(比較例2)実施例1の短繊維ウエブと同
じ繊維組成からなる、目付30g/m2の短繊維ウエブのみ
で形成した以外は、実施例1と全く同様にして得た、目
付30g/m2、厚さ60μmのクリーニングシートに実施
例1と同じシリコーンオイルを同量含浸した。
【0029】(オイル移行性試験)直径50mm、回転速
度18.8m/分、表面温度190℃の定着装置(キヤ
ノン(株)製、NP−5020)に、実施例1〜5及び
比較例1〜2のクリーニングシート(幅310mm×長さ
15m)をアルミシャフトに巻回したクリーニング材か
ら、クリーニングシートを各々速度0.2mm/秒で巻き
出し、発泡シリコーンゴムからなる押圧ロールにより、
圧力0.11kg/cm2で定着ロールに押圧し、クリーニン
グすると同時にシリコーンオイルを定着ロールに塗布し
た。この時、定着ロールとクリーニングシートとが接触
した後に、クリーニングシートから塗布されたシリコー
ンオイルを除去するために、目付780g/m2、厚み5.
5mmの耐熱フェルト(2×32cm)を押しあて、この耐
熱フェルトの重量変化を測定することにより、定着ロー
ルに移行したシリコーンオイル量を算出し、含浸オイル
量に対する移行シリコーンオイル量の百分率を計算し
た。なお、この耐熱フェルトの重量は、温度20℃、湿
度65%の恒温恒湿室に24時間放置した後に測定し、
クリーニングシートを約2m巻き出す毎に交換した。こ
の結果は表1に示すが、本発明のクリーニングシートは
オイル移行性に優れていることがわかる。
【0030】
【表1】 A:巻きだしたクリーニングシート中のシリコーンオイ
ル量 B:いまだ巻き出されていないクリーニングシート中の
シリコーンオイル量
【0031】(オイル保持率の測定)実施例1〜5及び
比較例1〜2のクリーニングシートをアルミシャフトに
巻回したクリーニング材から、クリーニングシートを速
度0.2mm/秒で4m巻き出した後、巻き出したクリー
ニングシートと未だ巻き出されていないクリーニングシ
ートとの界面から2m分の巻き出したクリーニングシー
トと、巻き出したクリーニングシートと未だ巻き出され
ていないクリーニングシートとの界面から2m分の未だ
巻き出されていないクリーニングシートとを採取した。
そして、各々のクリーニングシートの含有するシリコー
ンオイル量を、トリクロロエチレンで抽出して測定し
た。この操作を5回繰り返して、各々のクリーニングシ
ートのシリコーンオイルの平均含有量を求めた。この結
果も表1に示すが、本発明のクリーニングシートは、巻
き出したクリーニングシートと未だ巻き出されていない
クリーニングシートとのオイル保持量の差が小さいた
め、均一にシリコーンオイルを塗布できるものである。
【0032】
【発明の効果】本発明の定着ロール用クリーニングシー
トは、繊維長1〜30mmの耐熱性繊維を含む短繊維層
と、繊維長30〜110mmの耐熱性繊維を含む長繊維層
とを含む不織布からなり、この短繊維層がこの不織布の
少なくとも片表面に位置しているため、クリーニング性
に優れたものである。また、このクリーニングシート
が、常温で粘度100〜50,000センチストークス
のオイルを5〜100g/m2量含有していると、クリーニ
ング性及びオイル塗布性に優れている。
【0033】本発明のクリーニング材の1つは、クリー
ニングシートがシャフトに巻回されており、かつ、クリ
ーニングシートの他端が別のシャフトに固定されている
ため、常に新しいクリーニングシートを供給できるもの
で、他のクリーニング材は、クリーニングシートをロー
ル状物の少なくとも表面に有するため、クリーニング性
に優れている。
【0034】本発明のクリーニング装置は、前者のクリ
ーニング材のクリーニングシートをシャフトから巻き出
して、クリーニングシートの短繊維層を定着ロールに接
触させた後、別のシャフトで巻き取る機構を有するた
め、常に新しいクリーニングシートを定着ロールに接触
させることができるので、クリーニング性に優れ、しか
も定着ロール表面に接触しており、オイルの粘度が低下
しやすいため、多量のオイルを塗布できる装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クリーニング材の部分拡大断面図
【符号の説明】
1 巻き出したクリーニングシート 2 未だ巻き出されていないクリーニングシート 3 オイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 D04H 1/40 - 1/56 D04H 5/00 - 5/08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維長1〜30mmの耐熱性繊維を含み、
    湿式法によって形成された短繊維層と、繊維長30〜1
    10mmの耐熱性繊維を含み、乾式法によって形成された
    長繊維層とを含む不織布からなり、該短繊維層が該不織
    布の少なくとも片表面に位置していることを特徴とする
    定着ロール用クリーニングシート。
  2. 【請求項2】 常温で粘度100〜50,000センチス
    トークスのオイルを、5〜100g/m2量含有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の定着ロール用クリーニ
    ングシート。
  3. 【請求項3】 隣接する短繊維層と長繊維層との重量比
    が1:0.5〜6であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の定着ロール用クリーニングシート。
  4. 【請求項4】 短繊維層の目付が5〜20g/m2であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    定着ロール用クリーニングシート。
  5. 【請求項5】 短繊維層を構成する最も小さい耐熱性繊
    維の繊度と、長繊維層を構成する最も小さい耐熱性繊維
    の繊度との比が、1:0.5〜10であることを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着ロール
    用クリーニングシート。
  6. 【請求項6】 短繊維層を構成する最も小さい耐熱性繊
    維の繊度が3デニール以下であることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれかに記載の定着ロール用クリー
    ニングシート。
  7. 【請求項7】 短繊維層が繊度1デニール以下の耐熱性
    繊維を5〜50重量%含むことを特徴とする請求項1〜
    請求項6のいずれかに記載の定着ロール用クリーニング
    シート。
  8. 【請求項8】 短繊維層を構成する耐熱性繊維が、未延
    伸ポリエチレンテレフタレート繊維40〜50重量%
    と、芳香族ポリアミド繊維及び/又は延伸ポリエチレン
    テレフタレート繊維60〜50重量%とからなることを
    特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着
    ロール用クリーニングシート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    クリーニングシートがシャフトに巻回されており、か
    つ、該クリーニングシートの他端が別のシャフトに固定
    されていることを特徴とするクリーニング材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載
    のクリーニングシートを、ロール状物の少なくとも表面
    に有することを特徴とするクリーニング材。
  11. 【請求項11】 請求項9記載のクリーニング材のクリ
    ーニングシートをシャフトから巻き出して、該クリーニ
    ングシートの短繊維層を定着ロールに接触させた後、別
    のシャフトで巻き取る機構を有することを特徴とするク
    リーニング装置。
JP7724095A 1995-03-08 1995-03-08 定着ロール用クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニング装置 Expired - Lifetime JP3411121B2 (ja)

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