JP2016114745A - 定着部用クリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリーニング性に更に優れる、定着ロール又は加圧ロールなどの定着部に対して適用できるクリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置を提供すること。【解決手段】 本発明の定着部用クリーニングシートは、繊維長1〜20mmの短繊維からなる短繊維層と、繊維長30〜110mmの長繊維からなる長繊維層とを含む不織布からなり、前記短繊維層が不織布の片表面を構成する定着部用クリーニングシートであり、前記短繊維層面における平均孔径が20μm以下である。本発明の定着部用クリーニング材及び定着部用クリーニング装置は前記定着部用クリーニングシートを使用したものである。【選択図】 図1
Description
本発明は複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真装置などの定着ロール表面又は加圧ロール表面に残留したトナーを除去できる定着部用クリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置に関する。
従来から、電子写真装置などの定着装置における、定着ロール表面又は加圧ロール表面に残留したトナーを除去するクリーニングシートとして、芳香族ポリアミド繊維を未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維で固定した不織布や、この不織布にオイルを含有させたものが使用されてきた。しかしながら、カラー複写機においては、多種多様のトナーを多量に使用しているため、従来のクリーニングシートよりも、クリーニング性により優れたクリーニングシートの出現が待ち望まれていた。
そのため、本願出願人は、「繊維長1〜30mmの耐熱性繊維を含む短繊維層と、繊維長30〜110mmの耐熱性繊維を含む長繊維層とを含む不織布からなり、該短繊維層が該不織布の少なくとも片表面に位置していることを特徴とする定着ロール用クリーニングシート。」を提案した。このクリーニングシートは、短繊維層を構成する耐熱性繊維の繊維長が短いため、長繊維層よりも短繊維が均一に分散しており、しかも繊維長が短く、繊維の自由度が高いため、クリーニングシート表面の短繊維だけではなく、クリーニングシート内部の短繊維もクリーニングに関与できるので、クリーニング性に優れるものであった。また、このクリーニングシートは長繊維層も有しており、この長繊維層によりクリーニングシートに強度が付与されているため、クリーニングシートをより高い圧力で定着ロールに押圧しても、クリーニングシートが破断することなく使用できる点からもクリーニング性に優れるものであった。しかしながら、それでもなお、クリーニング性が不十分な場合があった。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、クリーニング性に更に優れる、定着ロール又は加圧ロールなどの定着部に対して適用できるクリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は「繊維長1〜20mmの短繊維からなる短繊維層と、繊維長30〜110mmの長繊維からなる長繊維層とを含む不織布からなり、前記短繊維層が不織布の片表面を構成する定着部用クリーニングシートであり、前記短繊維層面における平均孔径が20μm以下であることを特徴とする、定着部用クリーニングシート。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は「短繊維層は延伸短繊維を未延伸短繊維で固定した層であり、前記延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の50mass%を超える量の繊維が、繊度1.1dtex以下の細短繊維であることを特徴とする、請求項1記載の定着部用クリーニングシート。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は「請求項1又は請求項2に記載の定着部用クリーニングシートの一端から巻出しシャフトに巻回されており、他端が巻取りシャフトに固定されていることを特徴とする定着部用クリーニング材。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は「請求項3記載の定着部用クリーニング材の定着部用クリーニングシートを巻出しシャフトから巻き出し、定着部用クリーニングシートの短繊維層面を定着部に接触させた後、巻取りシャフトで巻き取る機構を有することを特徴とする定着部用クリーニング装置。」である。
本発明の請求項1にかかる定着部用クリーニングシート(以下、単に「クリーニングシート」と表記することがある)は、長繊維層も有しており、この長繊維層により強度的に優れているため、クリーニングシートを高い圧力で定着ロール等の定着部に押圧しても破断しにくいため、クリーニング性に優れていることに加えて、短繊維層面における平均孔径が20μm以下と、繊維が均一に分散した緻密な構造を有するため、クリーニング性に優れている。
本発明の請求項2にかかる定着部用クリーニングシートは、繊度1.1dtex以下の細短繊維を、延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の50mass%を超える量で含み、トナーのかき取り性に優れているため、クリーニング性に優れている。
本発明の請求項3にかかる定着部用クリーニング材は、前記定着部用クリーニングシートを使用しているため、クリーニング性に優れている。
本発明の請求項4にかかる定着部用クリーニング装置は、前記クリーニング材におけるクリーニングシートの短繊維層面を定着部に接触させるため、クリーニング性に優れている。
本発明のクリーニングシートは短繊維層と長繊維層とを含む不織布からなり、前記短繊維層が不織布の片表面を構成しているため、この短繊維層を定着ロール等の定着部に接触させて使用できる。この短繊維層面は平均孔径が20μm以下と、繊維が均一に分散した緻密な構造を有するため、クリーニング性に優れている。この平均孔径が小さければ小さい程、繊維が均一に分散し、緻密な構造であることを意味するため、平均孔径は18μm以下であるのが好ましく、16μm以下であるのがより好ましく、14μm以下であるのが更に好ましく、12μm以下であるのが更に好ましく、10μm以下であるのが更に好ましい。なお、平均孔径の下限は特に限定するものではないが、トナーを細孔内に保持しやすいように、一般的なトナーの粒径と同等以上の5μm以上であるのが好ましい。
この「平均孔径」は、ASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Perm Polometer、PMI社製)を用い、ミーンフローポイント法により測定することができる。なお、「短繊維層面における平均孔径」は、液体を短繊維層側から圧入し、長繊維層側から押し出す、前記方法により測定することができる。
本発明の短繊維層は前述の通り、繊維が均一に分散できるように、繊維長1〜20mmの短繊維からなる。この短繊維層は定着部と接触して、トナーを払拭するため、繊維が毛羽立ったり、繊維が脱落しにくいように、また、均一に分散しやすいように、繊維長は3〜15mmであるのが好ましく、5〜10mmであるのがより好ましい。本発明における「繊維長」は、JIS L 1015:2010の8.4.1(直接法(C法))に規定する方法で測定した平均繊維長をいう。
本発明の短繊維層は定着部と接触させて使用できるが、定着部と接触しても繊維形態を維持し、トナーを払拭できるように、200℃以下の温度で溶融又は分解しない短繊維であるのが好ましい。このような短繊維として、例えば、未延伸ポリフェニレンサルファイド短繊維、未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維などの未延伸短繊維を含んでいると、接着繊維として作用できるため好適である。
また、オルト系又はパラ系芳香族ポリアミド系短繊維;全芳香族ポリエステル短繊維;延伸ポリフェニレンサルファイド短繊維;延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維やポリブチレンテレフタレート短繊維などのポリエステル系短繊維;ビニロン短繊維;ポリ塩化ビニル短繊維;6ナイロン短繊維や66ナイロン短繊維などのポリアミド短繊維;ポリアミドイミド短繊維;フェノール短繊維などの延伸短繊維を含んでいると、適度の剛性を有し、トナーの払拭性に優れているため好適である。
本発明の短繊維層は、トナーの払拭性という点からは、延伸短繊維量が多いのが好ましいが、延伸短繊維のみでは、短繊維層の形態安定性が悪く、トナーの払拭性が悪い傾向があるため、延伸短繊維と未延伸短繊維を含んでいるのが好ましい。延伸短繊維と未延伸短繊維とを含んでいる場合、その質量比率は特に限定するものではないが、80:20〜20:80であるのが好ましく、70:30〜30:70であるのがより好ましく、60:40〜40:60であるのが更に好ましい。
なお、本発明の短繊維は短繊維層面における繊維本数が多くなり、平均孔径が20μm以下と小さくなるとともに、孔径分布も小さくなり、トナーの払拭性に優れているように、繊度が1.1dtex以下の細短繊維を含んでいるのが好ましく、0.9dtex以下の細短繊維を含んでいるのがより好ましく、0.7dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましく、0.5dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましく、0.4dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましい。細短繊維の繊度の下限は特に限定するものではないが、0.01dtex以上であるのが好ましい。
本発明の短繊維層は前述の通り、延伸短繊維と未延伸短繊維とを含み、未延伸短繊維で接着し、固定しているのが好ましいが、延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の50mass%を超える量の繊維が、繊度1.1dtex以下の細短繊維であるのが好ましい。短繊維層面における平均孔径が小さく、また、トナーの払拭性に優れているためである。より好ましくは延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の60mass%以上の繊維が細短繊維であり、更に好ましくは70mass%以上の繊維が細短繊維であり、更に好ましくは80mass%以上の繊維が細短繊維であり、更に好ましくは90mass%以上の繊維が細短繊維であり、100mass%細短繊維であるのが最も好ましい。なお、この細短繊維は延伸短繊維と未延伸短繊維のいずれであっても良いが、トナーの払拭に関与しやすい延伸短繊維と、未延伸短繊維の接着によって払拭性を阻害しにくいように、延伸短繊維と未延伸短繊維の両方が細短繊維であるのが好ましい。また、本発明における「繊度」は、JIS L 1015:2010、8.5.1(正量繊度)に規定されているA法により得られる値を意味する。
一方、本発明の不織布(クリーニングシート)は、強度的に優れ、高い圧力で定着部に押圧しても破断しにくいように、繊維長30〜110mmの長繊維からなる長繊維層を含む。この長繊維の繊維長は長い方が強度的に優れ、また、長繊維が均一に分散した繊維層であるように、30〜80mmであるのが好ましく、30〜65mmであるのがより好ましく、35〜55mmであるのが更に好ましい。
この長繊維層は定着部と直接接触する訳ではないが、耐熱性がないと、クリーニングシートの強度を維持することができないため、短繊維と同様に、200℃以下の温度で溶融又は分解しない長繊維であるのが好ましい。このような長繊維として、短繊維と同様の樹脂組成からなる未延伸長繊維と、短繊維と同様の樹脂組成からなる延伸長繊維(特に、ポリエステル系長繊維)を含んでいるのが好ましい。このように、延伸長繊維と未延伸長繊維とを含んでいる場合、その質量比率は、80:20〜20:80であるのが好ましく、70:30〜30:70であるのがより好ましく、60:40〜40:60であるのが更に好ましい。
なお、本発明の長繊維は長繊維層の強度が優れているように、未延伸長繊維の繊度は1.1dtex以上であるのが好ましく、2.2dtex以上であるのがより好ましく、3.3dtex以上であるのが更に好ましい。一方で、未延伸長繊維の繊度が大き過ぎると、未延伸長繊維の分散性が悪くなり、また、長繊維層の凹凸が短繊維層面に反映されてしまい、トナーの払拭性が悪くなる傾向があるため15dtex以下であるのが好ましく、10dtex以下であるのがより好ましく、6dtex以下であるのが更に好ましい。
また、延伸長繊維の繊度は強度的に優れているとともに、長繊維層の凹凸が短繊維層面に反映されてしまい、トナーの払拭性が悪くなることがないように、0.1〜15dtexであるのが好ましく、0.4〜6.6dtexであるのがより好ましく、0.8〜3.3dtexであるのが更に好ましい。
本発明の不織布(クリーニングシート)は前述のような短繊維層と長繊維層とを含み、短繊維層が不織布の片表面層を構成するものである。そのため、短繊維層を定着部に当接させれば、トナーを払拭することができる。このように、本発明の不織布は、短繊維層が不織布の片表面層を構成している限り、短繊維層と長繊維層との組合せは自由である。例えば、短繊維層と長繊維層の2層であっても、短繊維層/長繊維層/短繊維層の3層であっても良い。
このような本発明の不織布(クリーニングシート)の目付、厚さは特に限定するものではないが、電子写真装置のケーシングに納まりやすく、また、長期間使用できるように、目付は10〜40g/m2であるのが好ましく、20〜30g/m2であるのがより好ましい。また、厚さは20〜120μmであるのが好ましく、30〜75μmであるのがより好ましく、30〜60μmであるのが更に好ましい。
本発明のクリーニングシートは前述のような不織布からなるが、トナーの離型剤としてのオイルを含有していることができる。このようにオイルを含有している場合、より緻密な構造を有する短繊維層にオイルが保持されやすいため、短繊維層面を定着部に当接させることによって、効率的にオイルを塗布し、トナーの離型性を高めることができる。また、長繊維層は比較的構造が粗く、空隙も多いため、多量のオイルを保持することができ、短繊維層がオイルを消費した場合に、オイルを供給することができる。
このオイルとしては、トナーの離型性に優れるシリコーンオイルが好適であり、常温(25℃)での粘度が100〜50,000センチストークスであるのが好ましい。また、オイル含有量は1〜100g/m2であるのが好ましい。1g/m2未満ではオイル塗布量が少なくなり、100g/m2を越えると、塗布されないオイル量が多くなる傾向があるためで、5〜60g/m2であるのがより好ましい。
本発明の不織布(クリーニングシート)は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前述のような繊維長1〜20mmの短繊維と、繊維長30〜110mmの長繊維とを用意する。好ましくは、短繊維として、未延伸短繊維と延伸短繊維を用意し、長繊維として、未延伸長繊維と延伸長繊維を用意する。また、短繊維層面における平均孔径が20μm以下の不織布を製造しやすいように、繊度が1.1dtex以下の細短繊維を含んでいるのが好ましく、0.9dtex以下の細短繊維を含んでいるのがより好ましく、0.7dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましく、0.5dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましく、0.4dtex以下の細短繊維を含んでいるのが更に好ましい。
次いで、短繊維層となる短繊維ウエブと、長繊維層となる長繊維ウエブとを形成する。なお、短繊維ウエブの形成方法としては湿式法があり、長繊維ウエブの形成方法としてはエアレイ法やカード法などの乾式法がある。
なお、平均孔径が20μm以下である短繊維層面を形成しやすいように、繊度1.1dtex以下の細短繊維量が、延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の50mass%を超える量(より好ましくは60mass%以上、更に好ましくは70mass%以上、更に好ましくは80mass%以上、更に好ましくは90mass%以上、更に好ましくは100mass)であるように配合して、短繊維ウエブを形成するのが好ましい。
そして、少なくとも片表面が短繊維ウエブとなるように、短繊維ウエブと長繊維ウエブとを積層した後に結合して、不織布からなるクリーニングシートを製造することができる。
なお、短繊維ウエブと長繊維ウエブの積層方法は、少なくとも片表面が短繊維ウエブとなるように積層すれば良く、特に限定するものではないが、例えば、短繊維ウエブと長繊維ウエブの2層、短繊維ウエブ/長繊維ウエブ/短繊維ウエブの3層に積層することができる。
また、短繊維ウエブと長繊維ウエブとの結合は、例えば、短繊維ウエブ及び/又は長繊維ウエブに、接着繊維として、未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維や未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維などの未延伸繊維を混合しておき、熱カレンダーロールなどを用い、加熱加圧し、未延伸繊維によって接着することができる。なお、未延伸繊維によって接着する前に、ニードルパンチや水流によって絡合することもできる。このように絡合することによって、繊維ウエブに、ある程度の強度が付与されるため、取り扱い性を向上させることができる。
以上のような製造方法により、本発明の不織布(クリーニングシート)を製造することができるが、クリーニングシートがオイルを含有している場合には、不織布にオイルを付与する。このオイルの不織布への付与方法は、特に限定するものではないが、例えば、オイル浴に不織布を浸漬する方法、不織布にオイルを塗布する方法、不織布にオイルを散布する方法、などを挙げることができる。
本発明のクリーニング材は前述のような本発明のクリーニングシートの一端から巻出しシャフトに巻回されており、かつ、クリーニングシートの他端が巻取りシャフトに固定されている。本発明のクリーニング材はこのような構造であるため、巻出しシャフトからクリーニングシートを順次巻き出すことにより、常に新しいクリーニングシートを定着部に接触させることができるので、クリーニング性に優れている。また、クリーニングシートがオイルを含有している場合には、同時に定着部にオイルを塗布し、トナーの離型性を高めることができる。なお、本発明のクリーニング材は、本発明の前記クリーニングシートを使用していること以外は、従来のクリーニング材と全く同様であることができる。
本発明のクリーニング装置は、前記クリーニング材を使用したもので、クリーニングシートを巻出しシャフトから巻き出し、クリーニングシートの短繊維層面を定着部に接触させた後、巻取りシャフトで巻き取る機構を有するものである。そのため、常に新しいクリーニングシートを定着部に接触させることができるため、クリーニング性に優れている。また、クリーニングシートがオイルを含有している場合には、同時に定着部にオイルを塗布し、トナーの離型性を高めることができる。なお、本発明のクリーニング装置は、本発明の前記クリーニング材を使用していること以外は、従来のクリーニング装置と全く同様であることができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)60mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維(繊度:4dtex、繊維長:38mm)40mass%とを混綿した後、カード機により開繊し、目付10g/m2で一方向性の長繊維ウエブを形成した。
延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維(繊度:1.1dtex、繊維長:38mm)60mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維(繊度:4dtex、繊維長:38mm)40mass%とを混綿した後、カード機により開繊し、目付10g/m2で一方向性の長繊維ウエブを形成した。
他方、延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.3dtex、繊維長:5mm)50mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.2dtex、繊維長:5mm)50mass%とを混合したスラリーを形成し、湿式法により、目付10g/m2の短繊維ウエブを形成した。
次いで、この長繊維ウエブと短繊維ウエブとを積層した後、温度210℃、線圧70kg/cmのカレンダーロール間を通し、未延伸ポリエチレンテレフタレート長繊維及び未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維で接着固定して、短繊維層と長繊維層とを有する、目付20g/m2、厚さ40μmで二層構造の不織布を形成した。この不織布の短繊維層は繊度0.3dtex以下の細短繊維100%からなり、短繊維層面における平均孔径は9.1μmと小さく、短繊維層面は繊維が均一に分散した緻密な構造を有していた。なお、この不織布の孔径分布は図1に示す通り、孔径分布の狭いものであった。
次いで、この不織布に、粘度10,000センチストークスのシリコーンオイルを含浸し、オイルを保持(保持量:5g/m2)させ、本発明のクリーニングシートを製造した。
(実施例2)
延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.3dtex、繊維長:5mm)35mass%と、延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.6dtex、繊維長:5mm)15mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度:0.2dtex、繊維長:5mm)50mass%とを混合したスラリーを形成し、湿式法により、目付10g/m2の短繊維ウエブを形成し、この短繊維ウエブを使用したこと以外は、実施例1と同様に、繊維ウエブの積層、接着固定して、短繊維層と長繊維層とを有する、目付20g/m2、厚さ40μmで二層構造の不織布を形成した後、実施例1と同様にオイルを保持させ、本発明のクリーニングシートを製造した。この不織布の短繊維層は繊度0.6dtex以下の細短繊維100%からなり、短繊維層面における平均孔径は15.3μmと小さく、短繊維層面は繊維が均一に分散した緻密な構造を有していた。なお、不織布の孔径分布は図2に示す通り、実施例1の不織布よりは広いものの、比較的孔径分布の狭いものであった。
延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.3dtex、繊維長:5mm)35mass%と、延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.6dtex、繊維長:5mm)15mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度:0.2dtex、繊維長:5mm)50mass%とを混合したスラリーを形成し、湿式法により、目付10g/m2の短繊維ウエブを形成し、この短繊維ウエブを使用したこと以外は、実施例1と同様に、繊維ウエブの積層、接着固定して、短繊維層と長繊維層とを有する、目付20g/m2、厚さ40μmで二層構造の不織布を形成した後、実施例1と同様にオイルを保持させ、本発明のクリーニングシートを製造した。この不織布の短繊維層は繊度0.6dtex以下の細短繊維100%からなり、短繊維層面における平均孔径は15.3μmと小さく、短繊維層面は繊維が均一に分散した緻密な構造を有していた。なお、不織布の孔径分布は図2に示す通り、実施例1の不織布よりは広いものの、比較的孔径分布の狭いものであった。
(比較例1)
延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.6dtex、繊維長:5mm)50mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度:1.2dtex、繊維長:5mm)50mass%とを混合したスラリーを形成し、湿式法により、目付10g/m2の短繊維ウエブを形成し、この短繊維ウエブを使用したこと以外は、実施例1と同様に、繊維ウエブの積層、接着固定して、短繊維層と長繊維層とを有する、目付20g/m2、厚さ40μmで、二層構造の不織布を形成した後、実施例1と同様にオイルを保持させ、比較用のクリーニングシートを製造した。この不織布の短繊維層は繊度1.2dtexの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を含み、短繊維層面における平均孔径は22.8μmと大きく、短繊維層面は繊維の分散性に劣り、比較的粗い構造を有していた。なお、不織布の孔径分布は図3に示す通り、実施例1、2の不織布よりも孔径分布の広いものであった。
延伸ポリエチレンテレフタレート細短繊維(繊度:0.6dtex、繊維長:5mm)50mass%と、未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維(繊度:1.2dtex、繊維長:5mm)50mass%とを混合したスラリーを形成し、湿式法により、目付10g/m2の短繊維ウエブを形成し、この短繊維ウエブを使用したこと以外は、実施例1と同様に、繊維ウエブの積層、接着固定して、短繊維層と長繊維層とを有する、目付20g/m2、厚さ40μmで、二層構造の不織布を形成した後、実施例1と同様にオイルを保持させ、比較用のクリーニングシートを製造した。この不織布の短繊維層は繊度1.2dtexの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を含み、短繊維層面における平均孔径は22.8μmと大きく、短繊維層面は繊維の分散性に劣り、比較的粗い構造を有していた。なお、不織布の孔径分布は図3に示す通り、実施例1、2の不織布よりも孔径分布の広いものであった。
<クリ−ニング性の評価>
プリンター(キヤノン(株)製、品番:LBP8630)を用いて、未定着トナーをポリエステルフィルム(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)S−10)上に、均一に付着させた。
プリンター(キヤノン(株)製、品番:LBP8630)を用いて、未定着トナーをポリエステルフィルム(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)S−10)上に、均一に付着させた。
その後、回転体に前記ポリエステルフィルムを貼り付けた後、ポリエステルフィルムのトナー付着面に対して、一定荷重(27N)で、各クリーニングシートの短繊維層面を押し付けた状態で、前記回転体を速度1m/min.で回転させ、トナーを拭き取った。
そして、フィルム表面を目視により観察し、次の評価基準でクリーニング性を評価した。この結果は表1に示す通りであった。
<評価基準>
トナーの拭き残しなし : ○
トナーの拭き残し少しあり : △
トナーの拭き残しあり : ×
トナーの拭き残しなし : ○
トナーの拭き残し少しあり : △
トナーの拭き残しあり : ×
表1から、平均孔径が20μm以下の短繊維層面を備えていることによって、クリーニング性に優れていることがわかった。
本発明のクリーニングシートは複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真装置における、定着ロール、加圧ロールなどの定着部表面に残留したトナーを除去するクリーニングシートとして好適に使用できる。
Claims (4)
- 繊維長1〜20mmの短繊維からなる短繊維層と、繊維長30〜110mmの長繊維からなる長繊維層とを含む不織布からなり、前記短繊維層が不織布の片表面を構成する定着部用クリーニングシートであり、前記短繊維層面における平均孔径が20μm以下であることを特徴とする、定着部用クリーニングシート。
- 短繊維層は延伸短繊維を未延伸短繊維で固定した層であり、前記延伸短繊維と未延伸短繊維の総量の50mass%を超える量の繊維が、繊度1.1dtex以下の細短繊維であることを特徴とする、請求項1記載の定着部用クリーニングシート。
- 請求項1又は請求項2に記載の定着部用クリーニングシートの一端から巻出しシャフトに巻回されており、他端が巻取りシャフトに固定されていることを特徴とする定着部用クリーニング材。
- 請求項3記載の定着部用クリーニング材の定着部用クリーニングシートを巻出しシャフトから巻き出し、定着部用クリーニングシートの短繊維層面を定着部に接触させた後、巻取りシャフトで巻き取る機構を有することを特徴とする定着部用クリーニング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014252859A JP2016114745A (ja) | 2014-12-15 | 2014-12-15 | 定着部用クリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置 |
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JP (1) | JP2016114745A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020137896A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 花王株式会社 | 洗浄用部材及びその製造方法 |
JP7452621B2 (ja) | 2021-01-22 | 2024-03-19 | 東レ株式会社 | 湿式不織布シート |
-
2014
- 2014-12-15 JP JP2014252859A patent/JP2016114745A/ja active Pending
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