JP2799129B2 - 定着装置用オイル塗布ロール - Google Patents
定着装置用オイル塗布ロールInfo
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Description
ールに関し、更に詳しくは定着ロールに付着したトナー
を拭い取ると共にこれに離型油を塗布するためのロール
に関する。
着装置として、乾式定着装置、すなわち紙等の画像支持
体上に転写された未定着粉末トナー画像を非粘着性の加
熱ロールと弾性の加圧ロールとの間で熱圧して溶融定着
させるようにした装置が多用されている。このような定
着装置において、加熱ロールの表面にトナーが付着して
残留するとオフセット現象によって複写画像が汚れるか
ら、運転中に加熱ロールの表面にシリコーンオイルなど
の離型油を含浸させたオイル塗布部材と接触させて、残
留トナーを除去すると共に離型油を塗布することにより
加熱ロールの離型性を高め、加熱ロールの表面を清浄に
維持するようにしている。
写真複写機やファクシミリなどは、それぞれ用途によっ
て使用頻度が大幅に異なるものである。そのうち高速で
大量の画像処理を必要とする装置においては、オイル塗
布部材として油含浸性表面層を有するオイル塗布ロール
を用い、別途に用意した油タンクからオイル塗布ロール
の表面に少しずつ離型油を供給するようにしたものがあ
る。そして更に定着装置の構造を簡素化するために、中
空な芯金内に離型油を充填し、芯金の壁面に設けた多数
の細孔を通じて内側から油含浸性表面層に少しずつ離型
油を供給するようにしたオイル塗布ロールも用いられて
いる。その一方で、低速で画像処理量が少なくてよい装
置では、オイル塗布部材として離型油を含浸した不織布
製のパッドなどを使用するものがあり、能力的にはこれ
でも充分とされていた。
ても処理速度が高い装置が要求されるようになり、この
ような場合のオイル塗布部材としては、離型油含浸パッ
ドでは能力が不足するため使用できない。そこで厚めの
油含浸性表面層を有するオイル塗布ロールにあらかじめ
離型油を含浸させておいて離型油が消耗するまで使用す
る、いわゆる使い捨てのオイル塗布部材を利用する方法
が採用されるに至っている。
は、図3に示すように、芯金(1) 上に油保持シート(2)
などを巻き付けた上に、離型油の浸出速度を調整するた
めに所望の油透過性を有する油透過抑制性シート(3) な
どを巻き付けてその末端部を接着固定し、これをタンク
に入れたシリコーンオイルなどの離型油中に浸漬して充
分に離型油を含浸吸収させ、表面などに余分に付着した
離型油を除去することにより製造されていた。
い捨てオイル塗布ロールは、油保持層の上に設けた油透
過抑制層によって離型油の浸出速度を抑制するようにし
ていたので、定着装置の運転が高速化するに従って離型
油の塗布量が次第に少なくなり、クリーニング性能も劣
化するという問題があった。
着を高速で実施しても離型油の浸出量の変化が少なく
て、長期間にわたって安定したクリーニング効果を発揮
することができる、使い捨て用の定着装置用オイル塗布
ロールを提供することを目的とした。
的は、芯金の周囲に、油透過率が6g/cm2 hr以上であ
る油透過性シートと油保持率が0.4g/cm3 以上であ
る油保持シートとの重合層を複数回積層巻回した上に表
面層として前記の油透過率が15mg/cm2 hr以下である
油透過抑制性シートの層を設けてなる含油層を形成した
ことを特徴とする定着装置用オイル塗布ロールによって
達成される。
る油透過性シートとしては、圧力1kPa の下での動粘度
1000cSt のシリコーンオイルの透過速度として定義
される油透過率が、6g/cm2 hr以上であるような油透
過性シートが用いられ、例えば耐熱性及び耐油性を有す
る合成樹脂繊維から形成された厚さが0.04〜0.1
mmの不織シートなどを用いることができるが、適当な強
度と耐久性とを備えた多孔質シートであれば特に制限な
く使用することができる。
の周囲に複数回積層巻回される油保持シートとしては、
油含浸性を有しかつ動粘度1000cSt の油中に浸漬し
たのち垂直に吊るして24時間以上放置したときの流下
せずに残留した油量として定義される油保持率が0.4
g/cm3 以上であるような油保持シートが用いられ、例
えば耐熱性及び耐油性を有する繊維から形成された厚さ
が0.1〜0.4mmの不織布や吸油性の紙なども好まし
く用いることができる。
性シートと油保持シートとの重合層の上には、前記の定
義による油透過率が15mg/cm2 hr以下である油透過抑
制性シートの層を設けるが、かかる油透過抑制性シート
は定着装置の性能に対応した油の浸出速度が得られるよ
うに調節するためのもので、例えば耐熱性及び耐油性を
有する合成樹脂繊維から形成された厚さが0.1〜0.
3mmの不織シートなどを用いることができる。
れる離型油としては、定着ロールの離型油として利用で
きるものであれば特に制限なく使用することができ、そ
れぞれ組み付ける定着装置に応じた適当な粘度、例えば
1000〜30000cSt 程度の粘度を有するシリコー
ンオイルなどを選択して用いるのが好ましい。
使用されている定着装置用オイル塗布ロールにそのまま
置き換えて組み付け使用することができ、高速で複数枚
の複写を実施するときでも定着ロールに対して離型油を
均一に塗布することが可能となる。
0mmの円柱状の鋼製芯金(1) の上に、油保持シート(2)
として厚さ0.22mm、幅263mm、長さ700mmのロ
ックウール紙(商品名:APペーパー、ユニチカ社)の
先端を接着テープ(4) で接着したのち多数回巻き付け、
更に油透過抑制性シート(3) として厚さ0.13mm、幅
263mmのアラミド繊維紙(商品名:ノーメックス紙、
T−411、デュポンジャパン社)を2回巻き付けたの
ちそのの末端をシリコーン系接着剤(5) で接着固定して
外径16.5mmのロールを形成し、続いて離型油として
粘度5000cSt のシリコーンオイル中に1ヶ月浸漬放
置して、シリコーンオイルが22g含浸した比較例1の
オイル塗布ロールAを得た。
00cSt のシリコーンオイルの中に浸漬して含浸させた
のち130℃の環境中に垂直に吊るして5時間保持し、
さらに常温に24時間放置した後のシートの体積当たり
の残留含浸シリコーンオイル重量の割合、すなわち油保
持率が0.7g/cm3 のものであった。また、アラミド
繊維紙は、粘度1000cSt のシリコーンオイルの1kP
a の加圧下で測定した透過速度、すなわち油透過率が
0.45mg/cm2 hrのものであった。
較例と同様の鋼製芯金(1) の上に、油透過性シート(6)
として厚さ0.05mm、幅263mm、長さ650mmのポ
リアミド・ポリエステル混抄紙(商品名:ノーメックス
紙、商品番号:NX6027、油透過率:16.5g/
cm2 hr、クレハテック社)の先端を接着テープ(4) で接
着したのち1回巻き付け、続いてその上に油保持シート
(2) として長さ520mmである他は比較例と同様のロッ
クウール紙を重ねて2重巻きに巻き付け、更に油透過抑
制性シート(3) として比較例と同様のアラミド繊維紙の
みを2回巻き付けたのち、その末端をシリコーン系接着
剤(5) で接着固定して外径16.5mmのロールを形成
し、続いて粘度5000cSt のシリコーンオイル中に1
ヶ月浸漬して、シリコーンオイルが21g含浸した実施
例1のオイル塗布ロールBを得た。
布ロールAと実施例1のオイル塗布ロールBとをそれぞ
れ電子写真複写機(ミノルタカメラ社、EP−210
0)の定着装置に組み込んで、10枚/分の早さでA4
判縦方向の画像複写を50枚行ったのち55分間休止す
る運転を8回反復し(合計400枚)、これを毎日繰り
返して実施した。そして毎日の運転終了直後のオイル塗
布ロールの重量変化を測定して、A4判複写用紙1枚当
たりのシリコーンオイルの塗布量(mg/枚)の推移を調
べたところ、表1に示すような結果が得られた。
ックウール紙にあらかじめ粘度5000cSt のシリコー
ンオイル20gを含浸しておいて巻き付けた他は実施例
1と全く同様にして、シリコーンオイルが含浸した外径
16.5mmの実施例1のオイル塗布ロールCを得た。こ
のオイル塗布ロールCを試験例と同様に電子写真複写機
の定着装置に組み込んで複写定着運転の試験を行ったと
ころ、実施例1のオイル塗布ロールBと殆ど同様な結果
が得られた。
(2) として、実施例1で用いた油保持率が0.7g/cm
3 のロックウール紙に代えて、油保持率がそれぞれ0.
3g/cm3 及び0.9g/cm3 である和紙を用いた他は
実施例1と全く同様にしてロールを形成し、更に同様に
シリコーンオイルを含浸して、シリコーンオイルをそれ
ぞれ8g及び26g含有した比較例2のオイル塗布ロー
ルD及び実施例3のオイル塗布ロールEを得た。
と同様に電子写真複写機の定着装置に組み込んで複写定
着運転の試験を行ったところ、比較例2のオイル塗布ロ
ールDは離型油の含浸量が少ないために実施例1のオイ
ル塗布ロールBに比べて短期間に離型油が消耗してしま
い、ロール寿命が約3分の1となった。また実施例3の
オイル塗布ロールEは実施例1のオイル塗布ロールBに
比べてロール寿命が約27%ほど延びた。
(6) として、油透過率が16.5g/cm2 hrのポリアミ
ド・ポリエステル混抄紙に代えて、油透過率がそれぞれ
4及び8g/cm2 hrであるポリアミド・ポリエステル混
抄紙を用いた他は、実施例1と全く同様にしてロールを
形成し、更に同様にシリコーンオイルを含浸して比較例
3のオイル塗布ロールF及び実施例4のオイル塗布ロー
ルGを得た。
と同様に電子写真複写機の定着装置に組み込んで複写定
着運転の試験を行ったところ、比較例3のオイル塗布ロ
ールFは複写枚数が増えるに従ってオイル塗布量が減少
したが、実施例4のオイル塗布ロールGは実施例1のオ
イル塗布ロールBに比べてオイル塗布量が少なかった
が、複写枚数の増加に伴うオイル塗布量の減少度合いは
僅かであった。
ート(3) として、油透過率が0.45mg/cm2 hrのアラ
ミド繊維紙に代えて油透過率がそれぞれ5及び20mg/
cm2 hrであるアラミド繊維紙を用いた他は、実施例2と
全く同様にして実施例5のオイル塗布ロールH及び比較
例4のオイル塗布ロールIを得た。
と同様に電子写真複写機の定着装置に組み込んで複写定
着運転の試験を行ったところ、実施例5のオイル塗布ロ
ールHは実施例2のオイル塗布ロールCに比べてオイル
塗布量が約8倍であった。また比較例4のオイル塗布ロ
ールIはオイル塗布量が多過ぎて正常な複写運転が不可
能であった。
は、離型油の浸出速度が長期間にわたって殆ど変化せ
ず、優れたクリーニング効果が維持されるほか、定着ロ
ールへのオイル塗布量を所望の値に任意に調整できる効
果がある。
ロールの例の構造を示す説明図である。
程を示す説明図である。
を示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 芯金の周囲に、油透過率が6g/cm2 hr
以上である油透過性シートと油保持率が0.4g/cm3
以上である油保持シートとの重合層を複数回積層巻回し
た上に表面層として前記の油透過率が15mg/cm2 hr以
下である油透過抑制性シートの層を設けてなる含油層を
形成したことを特徴とする定着装置用オイル塗布ロー
ル。 - 【請求項2】 油としてシリコーンオイルを用いてなる
請求項1記載の定着装置用オイル塗布ロール。 - 【請求項3】 油透過性シートとして耐熱性合成繊維紙
を用いてなる請求項1記載の定着装置用オイル塗布ロー
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13565593A JP2799129B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 定着装置用オイル塗布ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13565593A JP2799129B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 定着装置用オイル塗布ロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06348166A JPH06348166A (ja) | 1994-12-22 |
JP2799129B2 true JP2799129B2 (ja) | 1998-09-17 |
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ID=15156865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13565593A Expired - Fee Related JP2799129B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 定着装置用オイル塗布ロール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2799129B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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JP2009300700A (ja) * | 2008-06-12 | 2009-12-24 | Synztec Co Ltd | オイル塗布ロール |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13565593A patent/JP2799129B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06348166A (ja) | 1994-12-22 |
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