JP3469533B2 - 離型剤供給ローラ - Google Patents

離型剤供給ローラ

Info

Publication number
JP3469533B2
JP3469533B2 JP2000151241A JP2000151241A JP3469533B2 JP 3469533 B2 JP3469533 B2 JP 3469533B2 JP 2000151241 A JP2000151241 A JP 2000151241A JP 2000151241 A JP2000151241 A JP 2000151241A JP 3469533 B2 JP3469533 B2 JP 3469533B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
release agent
rubber layer
sleeve
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000151241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001327902A (ja
Inventor
隆雄 西川
Original Assignee
ミツマ技研株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミツマ技研株式会社 filed Critical ミツマ技研株式会社
Priority to JP2000151241A priority Critical patent/JP3469533B2/ja
Publication of JP2001327902A publication Critical patent/JP2001327902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3469533B2 publication Critical patent/JP3469533B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートロール定着装置の
ヒートロールにシリコンオイルを供給する離型剤供給ロ
ーラ、特にリサイクル可能な離型剤供給ローラに関する
ものである。また、本発明は、ヒートローラにシリコン
オイルを供給する機能を有する加圧ローラにも関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装
置等の電子写真式画像形成装置においては、トナー像を
定着する装置としてヒートロール定着装置が広く用いら
れている。このヒートロール定着装置では、フッ素樹脂
層がコートされたヒートローラの離型性を高めるため、
ヒートローラに隣接して離型剤供給ローラを配置し、こ
の離型剤供給ローラから微量のシリコンオイルをヒート
ロールに連続的に供給している。
【0003】従来の離型剤供給ローラとして、両端にボ
ス部材が結合されたアルミスリーブをシリコンオイルを
収容するタンクとして用い、このアルミスリーブの外周
面に多数の貫通孔を形成すると共に紙及び不織布を巻回
し、アルミパイプの細孔及び不織布の微細孔を経て離型
剤供給ローラの表面までシリコンオイルを滲み出させて
ヒートローラの表面にシリコンオイルを供給する離型剤
供給ローラが既知である。
【0004】別の離型剤供給ローラとして、金属のロー
ラ軸の外周に厚さが数cmの厚いウレタンゴム層を形成
し、その外周に多孔質のフッ素樹脂層が巻回されたオイ
ル供給ローラが既知である。この既知のオイル供給ロー
ラでは、厚いウレタンゴム層の内部空間内にシリコンオ
イルが含浸され、この内部含浸されたシリコンオイルが
フッ素樹脂層の孔を介してヒートローラに供給されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在の複写機やプリン
タの製造者及びユーザにとって、メンテナンスの容易化
及びコストの削減の観点より部品のリサイクルは重要な
課題であり、離型剤供給ローラについてもリサイクルの
必要性が強く要請されている。特に、フルカラー複写機
では、モノクロの複写機よりも一層高い離型性が要求さ
れているため、シリコンオイルの消費量もモノクロの複
写機の約2倍である。従って、ユーザサイドにおいてリ
サイクル可能な離型剤供給ローラが開発されれば、複写
機のメンテナンス費用を大幅に削減することができる。
しかしながら、従来の離型剤供給ローラについてはリサ
イクルの概念が適用されていないため、所定枚数コピー
後にサービスマンにより新品のものに交換され、使用済
みの離型剤供給ローラは廃棄されているのが実情であ
る。すなわち、外周面に不織布が巻回されている離型剤
供給ローラにおいては、コピー枚数が進むにしたがって
不織布自体にトナーが付着し、オイル供給性能が徐々に
低下する不具合が指摘されている。この場合、不織布の
外周面を溶剤等を用いて拭いても、不織布の離型性が低
いため、一旦付着したトナーを除去することができず、
リサイクルには全く不向きなものである。さらに、タン
ク内のシリコンオイルが消費し終わった後、サービスマ
ン及びユーザが最外周の不織布に付着したトナーを除去
できないため、リサイクルは全く不可能なものである。
【0006】さらに、厚いウレタンゴム層にシリコンオ
イルを含浸させたタイプの離型剤供給ローラは、シリコ
ンオイルが消費された場合、シリコンオイルを補給する
ことができず、同様にリサイクル不可能な構成とされて
いる。しかも、ウレタンゴム層内に保持できるシリコン
オイルの量が少ないため、比較的少量のコピー枚数で使
用限界に達してしまい、メンテナンスの観点においても
問題が生じている。さらに、この既知の離型剤供給ロー
ラは、使用開始直後は比較的大量のシリコンオイルが供
給されるが、コピー枚数が進むにしたがってオイル供給
量が減少し、一定量のシリコンオイルを長期間にわたっ
て供給すべき基本性能を十分に達成できない欠点も指摘
されている。
【0007】従って、本発明の目的はリサイクル可能な
離型剤供給ローラを実現することにある。
【0008】さらに、本発明の別の目的は、一定量のシ
リコンオイルを長期間にわたってほぼ均一に供給するこ
とができる離型剤供給ローラを実現することにある。
【0009】さらに、本発明の別の目的は、シリコンオ
イル供給機能を有する加圧ローラを実現することにあ
る。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明による離型剤供給ローラ
は、複数の孔を有する円筒状のスリーブと、このスリー
ブの両端にそれぞれ結合したボス部材と、前記スリーブ
の外周面に設けた多孔質の木材繊維層と、この木材繊維
層の外周面に設けられ、内側表面から外側表面まで連通
する複数の連続気泡を有する弾性スポンジゴム層と、弾
性スポンジゴム層の外周面に設けた多孔質の耐熱性チュ
ーブとを具え、前記弾性スポンジゴム層としてシリコン
が含浸されたウレタンゴムスポンジ層を用いると共に、
前記多孔質の耐熱性チューブとしてフッ素樹脂チューブ
又はシリコンゴムチューブを用い、前記スリーブとボス
部材とによりシリコンオイルを収容するオイルタンクを
形成し、前記ボス部材のいずれか一方のボス部材に前記
オイルタンクと連通する貫通孔を設け、この貫通孔を介
して外部からシリコンオイルをオイルタンク内に補給で
き、リサイクル可能な構造を有することを特徴とする。
【0011】本発明では、スリーブとボス部材とにより
シリコンオイルを収容するオイルタンクを形成する。こ
のオイルタンク内のシリコンオイルは、スリーブの外周
に形成した細孔を経て多孔質の木材繊維層により均一に
拡散されてから弾性スポンジゴム層に到達する。本発明
による弾性スポンジゴム層は多数の連続気泡を有するの
で、オイルタンク側から侵入したシリコンオイルは弾性
スポンジゴム層の内部に形成された多数の微細空間内に
侵入する。一方、弾性スポンジゴム層のヒートローラと
接触する外周面側には多孔質の耐熱チューブが被覆され
ているので、弾性スポンジゴム層の連続気泡内のシリコ
ンオイルは耐熱チューブが遮蔽部材となり、そのままで
はローラの外周面に滲み出すことができず、スポンジゴ
ム層内に保持されることになる。すなわち、離型剤供給
ローラの外周に形成した耐熱チューブは多数の孔を有し
ているが、シリコンオイルは適度な高い粘性を有するた
め、表面張力の作用により耐熱チューブの孔を経て外周
面に滲み出すことができない。従って、最外周の耐熱チ
ューブは、連続気泡を有する弾性スポンジゴム層と共に
シリコンオイルを保持する作用を果たすものである。こ
こで、耐熱チューブとして、微細孔が形成されているフ
ッ素樹脂チューブ及びシリコン樹脂チューブを用いるこ
とができる。
【0012】一方、複写機等の動作時すなわち離型剤供
給ローラがヒートローラと接触し回転する際、離型剤供
給ローラの円周方向の各部位はヒートローラと順次圧接
し、次に解放され、ローラの回転に伴い圧接及び解放の
サイクルを繰り返す。そして、オイル供給されるべきヒ
ートローラと接触する際、離型剤供給ローラの弾性スポ
ンジゴム層が急激に圧縮され、弾性スポンジゴム層の当
該部分の気泡内に保持されているシリコンオイルは弾性
スポンジ層の圧縮により外周面側に滲み出そうとする作
用を受け、耐熱チューブの微細孔を介して外周側に滲み
出し、ヒートローラ側に転移する。この滲み出し効果を
利用することにより、数万センチポイズの高粘度のシリ
コンオイルであっても十分に滲み出させることができ
る。次に、回転によりヒートローラとの接触が解除され
ると、弾性スポンジゴム層が解放され、再び内部の気泡
が拡がり内側よりシリコンオイルが気泡内に供給され
る。このように、離型剤供給ローラの回転に伴い弾性ス
ポンジゴム層が圧縮及び解放のサイクルを交互に繰り返
すことにより、常時一定量のシリコンオイルをオイルタ
ンクからヒートローラ側に連続して供給することがで
き、リサイクルに好適な離型剤供給ローラを実現するこ
とができる。
【0013】リサイクルに当たって、本発明による離型
剤供給ローラは、スリーブの両端に結合したボス部材
に、オイルタンクと連通する貫通孔を設けているので、
オイルタンクが空になった場合ボス部材の貫通孔を介し
てユーザ自身又はサービスマンが容易にシリコンオイル
を補給することができる。特に、オイルタンクに収容で
きるシリコンオイル量とコピー1枚当たりのシリコンオ
イルの消費量との関係から、オイルタンクのシリコンオ
イルが空になるコピー枚数は予め計算により求めること
ができる。従って、予め定めたコピー枚数の終了後にユ
ーザ側において又はサービスマンがオイルタンクにシリ
コンオイルを補給することにより、容易にリサイクルが
可能になる。
【0014】さらに、多数枚コピー後の離型剤供給ロー
ラは、内部に収容したシリコンオイルが消費されると共
に、その外周面にトナーが融着している。従って、リサ
イクル可能とするためには、シリコンオイルが補給でき
ることに加えて、外周面に融着したトナーを容易に除去
できることが要件である。そこで、本発明者がトナーが
融着した種々の材料について実験を行った結果、現在の
離型剤供給ローラに用いられているフェルトや不織布に
融着したトナーは溶剤等を用いても容易に除去すること
ができなかった。これに対して、フッ素樹脂チューブや
シリコン樹脂チューブの外周面に付着したトナーは、各
種溶剤やアルコール類或いはシリコンオイルを用いて拭
くだけで、これらチューブに損傷を与えることなく容易
に除去されることが判明した。従って、弾性スポンジゴ
ム層の外周に設けた多孔質のフッ素樹脂チューブやシリ
コンゴムチューブは、シリコンオイル供給量を制御する
と共に、リサイクル可能とするためにも重要な意義を有
している。すなわち、シリコンオイルを収容するスリー
ブの外周に弾性スポンジゴム層を介してフッ素樹脂チュ
ーブを装着することにより、シリコンオイルの供給特性
が向上すると共にリサイクルも可能になる。従って、シ
リコンオイルが消費し終わったとき、一般のユーザは、
離型剤供給ローラの外周面を拭くことにより離型剤供給
ローラを清浄にすることができると共に、シリコンオイ
ルを補給することもできる。この結果、本発明による離
型剤供給ローラは、一般のユーザにより容易にリサイク
ルすることができ、メンテナンス費用を軽減することが
できる。尚、上記貫通孔は製品として出荷する時にシリ
コンオイルを装填するためにも用いることができ、シリ
コンオイルの充填作業も大幅に軽減される。
【0015】本発明による離型剤供給ローラの好適実施
例は、弾性スポンジゴム層の厚さを1〜3mmに設定し
たことを特徴とする。本発明者が種々の実験及び解析を
行った結果、ヒートローラへのオイル供給量とスポンジ
ゴム層の厚さとの間に対応関係があることを見出した。
すなわち、弾性スポンジゴム層の厚さが厚くなるにした
がってオイル供給量が増加することが判明した。これ
は、スポンジゴム層が圧縮されると、当該部分のスポン
ジゴムの厚さ方向の全体に対して圧縮が生ずるため、ス
ポンジゴム層が厚くなるにしたがって滲み出し作用を受
けるオイル量が増加するためである。従って、弾性スポ
ンジゴム層の厚さが厚くなり過ぎると、ヒートローラと
の1回の接触によりヒートローラ側に転移するオイル量
が多過ぎてしまう。本発明者が実験を行った結果、弾性
スポンジゴム層の厚さは、1〜3mmの範囲が適当であ
ることが判明した。すなわち、厚さが1mm以下の場合
スポンジゴム層に保持されるシリコンオイル量が少な過
ぎると共にヒートローラとの間に形成すべきニップ幅が
小さ過ぎ、ヒートローラへのオイル供給量が少なくなり
過ぎてしまう。すなわち、シリコンオイルは高温側の部
材から低温側の部材へ転移し易い特性があり、離型剤供
給ローラはヒートローラよりも温度が低いため、低温側
の離型剤供給ローラから高温側のヒートローラへシリコ
ンオイルを転移させるためには、ある程度の接触時間す
なわちニップ幅が必要である。そして、ヒートローラと
離型剤供給ローラとの間に形成されるニップ幅は弾性ス
ポンジゴム層の厚さによりほぼ規定されるため、シリコ
ンオイルを適正にヒートローラ側に転移させるために
は、最小でも1mmの厚さが必要である。一方、実験結
果によれば、3mm以上の厚さの場合、スポンジゴム層
の気泡内に保持されるシリコンオイル量が多過ぎ、オイ
ル供給量が多過ぎてしまう。従って、本発明において
は、弾性スポンジゴム層の厚さは1〜3mmに設定する
ことが好ましい。
【0016】本発明による離型剤供給ローラの好適実施
例は、弾性スポンジゴム層をシリコンゴムが含浸された
ウレタンゴムスポンジとしたことを特徴とする。連通性
に優れた弾性ゴム材料として、連続気泡を有する発泡ウ
レタンゴムスポンジが好適である。特に、ウレタンゴム
は引っ張り強度がシリコンゴム等の他のゴム材料よりも
はるかに高いため弾性スポンジゴム層として極めて有益
である。もとより、弾性スポンジゴム層はその内側から
シリコンオイルが供給され、ゴムの骨格の周囲が耐熱性
の高いシリコンオイルで被覆されるため、この使用状態
によりウレタンゴムの耐熱性が高くなり通常の使用に十
分耐えることができる。さらに、高い耐熱性を確保する
上で液状シリコンを含浸した発泡ウレタンゴムが極めて
好適である。すなわち、シリコンを含浸した発泡ウレタ
ンゴムスポンジは、ウレタンゴムの骨格の周囲をシリコ
ン材料で被覆した構造を有しているため、比較的耐熱温
度の低いウレタンゴムの周囲を耐熱温度の高いシリコン
ゴムで被覆することになり、ウレタンゴムの耐熱温度を
一層高くすることができる。この結果、シリコンが含浸
された発泡ウレタンゴムを弾性ゴム層として用いること
により、ウレタンゴムの弾性反発力を有効に発揮でき且
つヒートローラによる熱作用に対しても十分に耐えるこ
とができる離型剤供給ローラを実現することができる。
さらに、シリコン含浸発泡ウレタンゴムは、シリコンオ
イルとの相容性が高いため、シリコンオイルの供給量を
コントロールする作用も果たすことができる。
【0017】本発明による加圧ローラは、ヒートローラ
に離型剤を供給する機能を有する加圧ローラであって、
複数の孔を有する円筒状のスリーブと、このスリーブの
両端にそれぞれ結合したボス部材と、前記スリーブの外
周面に設けた多孔質の木材繊維層と、この木材繊維層の
外周面に設けられ、内側表面から外側表面まで連通する
複数の連続気泡を有する弾性スポンジゴム層と、弾性ス
ポンジゴム層の外周面に設けた多孔質の耐熱性チューブ
とを具え、前記スリーブとボス部材とによりシリコンオ
イルを収容するオイルタンクを形成し、前記ボス部材の
いずれか一方のボス部材に前記オイルタンクと連通する
貫通孔を設け、この貫通孔を介して外部からシリコンオ
イルをオイルタンク内に補給でき、リサイクル可能な構
造を有することを特徴とする。低速の複写機において
は、ヒートロール定着装置を通過する記録紙間には比較
的長い時間期間が設定され、ある記録紙が通過した後次
の記録紙が通過する時間期間中加圧ローラすなわちバッ
クアップローラはヒートローラと直接接触することにな
る。従って、本発明の離型剤供給ローラを加圧ローラと
して用いることにより、加圧ローラからヒートローラに
シリコンオイルを直接供給することができ、離型剤供給
ローラを不要とすることができる。
【0018】さらに、本発明による加圧ローラは、ヒー
トローラに離型剤を供給する機能を有する加圧ローラで
あって、複数の孔を有する円筒状のスリーブと、このス
リーブの両端にそれぞれ結合したボス部材と、前記スリ
ーブの外周面に設けた多孔質の木材繊維層と、この木材
繊維層の外周面に設けられ、シリコンオイルが含浸され
た弾性シリコンゴム層とを具え、前記スリーブとボス部
材とによりシリコンオイルを収容するオイルタンクを形
成し、前記ボス部材のいずれか一方のボス部材に前記オ
イルタンクと連通する貫通孔を設け、この貫通孔を介し
て外部からシリコンオイルをオイルタンク内に補給で
き、リサイクル可能な構造を有することを特徴とする。
弾性シリコンゴム層は、弾性スポンジゴム層とフッ素樹
脂チューブとを組合せものとほぼ等価な作用を発揮する
ことができる。そして、シリコンオイルを含浸したシリ
コンゴム層は、内側から木材繊維層を介してオイルタン
クから供給されるシリコンオイルに対して膨潤作用を果
たすので、ヒートローラに対して十分にオイル供給機能
を発揮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明による離型剤供給ロ
ーラ1の一例の構成を示す線図的断面図である。アルミ
の円筒状のスリーブないしパイプ2を用意する。このア
ルミのスリーブ2の外周面には多数の孔(図示せず)を
形成する。アルミスリーブ2の両端にボス部材3a及び
3bをピン止め又は圧入等により結合する。一方のボス
部材3aにはシリコンオイル供給用及び補給用の貫通孔
4a及び4bを形成する。これら貫通孔4a及び4b
は、その内周にネジ溝を形成し例えばビス(図示せず)
を締結することにより閉じることができる。これらスリ
ーブ2並びにボス部材3a及び3bはシリコンオイルを
収容するオイルタンクを形成する。
【0020】アルミのスリーブ2の外周面に木材繊維層
すなわち紙を複数回巻き付けて木材繊維層5を形成す
る。木材繊維の層5は木材繊維間に多数の微細孔が形成
されているので、スリーブ2の細孔を経て木材繊維層5
に侵入したシリコンオイルはほぼ均一に拡散浸透する。
【0021】木材繊維層5の外周面に厚さが2mmの弾
性スポンジゴム層6を形成する。この弾性スポンジゴム
層6は接着剤を介して木材繊維層5に結合する。この接
着に際し、弾性スポンジゴム側にだけ接着剤層を形成し
て結合する。スポンジゴム層にだけ接着剤を塗布して結
合することにより、弾性スポンジゴム層6と木材繊維層
5との間で部分的に接着剤が存在するため、木材繊維層
に存在するシリコンオイルは自由に弾性スポンジゴム層
側に移動することができる。弾性スポンジゴム層とし
て、連続気泡を有する発泡ウレタンゴムやシリコン含浸
発泡ウレタンゴムを用いることができる。発泡ウレタン
ゴム及びシリコン含浸発泡ウレタンゴムは連続気泡を有
するので、弾性スポンジゴム層6の内側面と外側面との
間で連通する多数の微細な孔を有する。そして、木材繊
維層から侵入してきたシリコンオイルは、スポンジゴム
層の微細な孔の内部に保持されると共にこれらの孔を経
てその外周面側に移動する。
【0022】弾性スポンジゴム層6の外周面に多孔質耐
熱性チューブとして作用する多孔質のフッ素樹脂チュー
ブ7を装着する。フッ素樹脂のチューブは熱収縮性であ
るため、フッ素樹脂チューブを弾性スポンジゴム層の外
周に装填した後、熱処理を行うことにより容易に固定す
ることができる。尚、耐熱性チューブとして、厚さが
0.5〜1mm程度のシリコン樹脂チューブを用いるこ
とも可能である。
【0023】次に、フッ素樹脂チューブ7を被覆した
後、オイルタンク内にシリコンオイルを供給する。この
オイル供給に際し、ボス部材に形成した貫通孔4a又は
4bを介して容器からシリコンオイルを注入することが
できる。その後、貫通孔4a,4bにネジを締結するこ
とによりオイルタンクを密封することができる。
【0024】次に、メンテナンスについて説明する。所
定枚数のコピーが終了した後に離型剤供給ローラ1の外
周面にはトナーが付着しているため、、ユーザ又はサー
ビスマンは離型剤供給ローラ1を装置本体から外し、溶
剤又はアルコール類等或いはシリコンオイルを塗布した
布を用いて離型剤供給ローラの外周面を拭く。本発明の
離型剤供給ローラの外周は高い離型性を有するフッ素樹
脂チューブにより被覆されているので、この拭き取り作
業により付着しているトナーは極めて容易に除去するこ
とができる。その後、図2に示すように、補給用の貫通
孔4a及び4bに締結されているビスを外し、この孔を
介して補給用のシリコンオイルが収容されている補給用
のカートリッジ10から補給用のシリコンオイルを充填
する。その後、ビスを締結して貫通孔を閉じる。このよ
うに、本発明の離型剤供給ローラは外周面に高い離型性
を有するフッ素樹脂チューブで被覆され、しかもオイル
タンクに連通するオイル供給用の貫通孔が形成されてい
るので、極めて簡単な作業によりリサイクルを行うこと
ができる。特に、1〜数万センチポイズの高粘度のシリ
コンオイルを補給する場合でも、補給用の容器にポンプ
作用を有するジャバラ機構を設けることにより容易にオ
イル補給を行うことができる。
【0025】図2は本発明による離型剤供給ローラの変
形例の構成を示す線図的断面図である。本例では、アル
ミのスリーブの代りに円筒状の紙管20を用いる。この
紙管20は、木材繊維のシートである紙を接着剤を部分
的に介在させて複数回巻回したものである。木材繊維の
シートは繊維間に無数の微細孔を有し、これらの微細孔
は互いに連通しているので、繊維間の微細孔を介して内
側から外側にシリコンオイルを移動させることができ
る。また、部分的に接着剤を介して紙を巻回すると、そ
の機械的強度は極めて高いものであり、円筒状のスリー
ブとして十分に機能することができる。このように、ア
ルミスリーブの代わりに紙管を用いることにより、内部
に収容されたシリコンオイルは紙管自体の微細孔を介し
て均一に外周に移動することができる。尚、本例の場
合、多孔質耐熱性チューブとして多孔質のシリコンゴム
層又はチューブを用いることもできる。
【0026】図4は本発明による離型剤供給ローラを加
圧ローラすなわちバックアップローラとして用い、加圧
ローラからヒートローラへ直接シリコンオイルを供給す
るヒートロール定着装置について説明する。尚、図1で
用いた部材と同一の部材には同一符号を付して説明す
る。本発明によるヒートロール定着装置は、ヒートロー
ラ30と加圧ローラ40とを具え、これらのローラは圧
着機構(図示せず)により互いに圧接配置する。ヒート
ローラ30はアルミのスリーブ31を有し、その外周面
にフッ素樹脂層32を形成する。アルミスリーブ31の
内側には加熱用の赤外線ランプ33を配置する。
【0027】加圧ローラ40は、多数の孔が形成されて
いるアルミスリーブ2を具える。加圧ローラとして用い
る場合、圧着によるベンディングを防止する必要がある
ため、アルミスリーブ2は厚さの厚いものを用い、或い
は剛性の高い鉄又はステンレスのスリーブを用いる。ス
リーブ2の外周面に木材繊維層5を形成し、その外周面
に弾性スポンジゴム層6を設ける。弾性スポンジゴム層
6は、ヒートローラ30との間でニップ幅を確保するた
め比較的厚くすることが好ましい。この弾性スポンジゴ
ム層6は、シリコンが含浸されている連続気泡が形成さ
れている発泡ウレタンゴムで構成し、耐熱性を向上させ
ることができる。弾性スポンジゴム層6の外周にフッ素
樹脂チューブ又はシリコンゴムチューブの耐熱性チュー
ブ7を装着する。スリーブ2の両端にはボス部材(図示
せず)を結合し、加圧ローラ40の内部に供給用のシリ
コンオイルを収容するオイルタンク41を形成する。一
方のボス部材にはオイル補給用の孔を形成し、オイルタ
ンク41内に収容されているシリコンオイルが消費し終
わったとき、サービスマン又はユーザ自身が、前述しし
たようにして加圧ローラのオイルタンク内にシリコンオ
イルを補給することができる。同時に、耐熱チューブ7
の外周面に付着したトナーはサービスマン又はユーザ自
身が拭くことにより容易に除去することができる。この
結果、リサイクル可能な加圧ローラを実現することがで
きる。
【0028】ヒートロール定着装置において、トナー像
が形成されている記録紙50は間欠的に搬送されるの
で、各記録紙50が通過する間の時間期間中加圧ローラ
40はヒートローラ30と直接接触する。この場合、低
速機の場合記録紙が通過する間の時間期間が比較的長い
ため、当該時間期間中に加圧ローラ40からヒートロー
ラ30へシリコンオイルを直接供給することができる。
従って、本発明による加圧ローラを用いることにより、
特別な離型剤供給ローラを用いることなく、リサイクル
可能な加圧ローラが実現される。尚、フッ素樹脂チュー
ブはシリコン及びに対して膨潤しないので、ローラ径の
変化が発生せず、適正な紙送りを行うことができる。
【0029】図5は本発明によるリサイクル可能な加圧
ローラの変形例を示す線図的断面図である。本例では、
多数の細孔が形成されているアルミスリーブ2の外周に
木材繊維層5を設け、この木材繊維層5上にシリコンオ
イルが含浸された弾性シリコンゴム層42を設ける。こ
の構成以外の構成は図4に示す加圧ローラと同一であ
る。オイルタンク41に収容されたシリコンオイルは、
スリーブの細孔を経て木材繊維層5により拡散してから
オイル含浸弾性シリコンゴム層42に侵入する。オイル
含浸シリコンゴム層は、内側から供給されるシリコンオ
イルに対して膨潤作用を有しているので、内側からシリ
コンオイルが侵入すると侵入したシリコンオイルを保持
する機能を果たすことになる。一方、当該加圧ローラの
ヒートローラと圧接した部分は、圧接により外周面に滲
み出しヒートローラ側に転移し、圧接が解除されると内
側のシリコンオイルが外周側に移動する。このようにし
て、オイルタンク41内のシリコンオイルがヒートロー
ラ側に順次転移し、シリコンオイル供給機能を有するリ
サイクル可能な加圧ローラが実現される。尚、本例にお
いて用いられるシリコンオイル含浸弾性シリコンゴム層
は、単独気泡を有するシリコンゴムで構成することがで
きる。オイル含浸シリコンゴム層に付着したトナーはサ
ービスマンが拭くことにより容易に除去できるで、オイ
ルタンク内のシリコンオイルが消費し終わった後、オイ
ル補給及び清掃により新品の加圧ローラと同等の機能を
有する加圧ローラに再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による離型剤供給ローラの一例の構成
を示す線図的断面図である。
【図2】 本発明による離型剤供給ローラに補給用のカ
ートリッジからシリコンオイルを補給する状態を示す斜
視図である。
【図3】 本発明による離型剤供給ローラの変形例の構
成を示す線図的断面図である。
【図4】 本発明による離型剤供給機能を有する加圧ロ
ーラの一例の構成を示す線図的断面図である。
【図5】 本発明による離型剤供給機能を有する加圧ロ
ーラの変形例を示す線図的断面図である。
【符号の説明】
1 離型剤供給ローラ 2 スリーブ 3a,3b ボス部材 4a,4b 貫通孔 5 木材繊維層 6 弾性スポンジゴム層 7 フッ素樹脂チューブ 10 補給用のカートリッジ 20 紙管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 1/02 F16C 13/00 G03G 15/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の孔を有する円筒状のスリーブと、
    このスリーブの両端にそれぞれ結合したボス部材と、前
    記スリーブの外周面に設けた多孔質の木材繊維層と、こ
    の木材繊維層の外周面に設けられ、内側表面から外側表
    面まで連通する複数の連続気泡を有する弾性スポンジゴ
    ム層と、弾性スポンジゴム層の外周面に設けた多孔質の
    耐熱性チューブとを具え、前記弾性スポンジゴム層とし
    てシリコンが含浸されたウレタンゴムスポンジ層を用い
    ると共に、前記多孔質の耐熱性チューブとしてフッ素樹
    脂チューブ又はシリコンゴムチューブを用い、前記スリ
    ーブとボス部材とによりシリコンオイルを収容するオイ
    ルタンクを形成し、前記ボス部材のいずれか一方のボス
    部材に前記オイルタンクと連通する貫通孔を設け、この
    貫通孔を介して外部からシリコンオイルをオイルタンク
    内に補給でき、リサイクル可能な構造を有することを特
    徴とする離型剤供給ローラ。
  2. 【請求項2】 前記弾性スポンジゴム層の厚さを1〜3
    mmに設定したことを特徴とする請求項1に記載の離型
    剤供給ローラ。
  3. 【請求項3】 前記円筒状のスリーブを、アルミパイプ
    又は複数の木材繊維層が部分的に接着剤層を介して巻回
    された紙管で構成したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の離型剤供給ローラ。
  4. 【請求項4】 ヒートローラに対して圧接配置され、未
    定着トナー像が形成されている記録紙を搬送する加圧ロ
    ーラであって、 複数の孔を有する円筒状のスリーブと、このスリーブの
    両端にそれぞれ結合したボス部材と、前記スリーブの外
    周面に設けた多孔質の木材繊維層と、この木材繊維層の
    外周面に設けられ、内側表面から外側表面まで連通する
    複数の連続気泡を有する弾性スポンジゴム層と、弾性ス
    ポンジゴム層の外周面に設けた多孔質の耐熱性チューブ
    とを具え、前記弾性スポンジゴム層としてシリコンが含
    浸されたウレタンゴムスポンジ層を用いると共に、前記
    多孔質の耐熱性チューブとしてフッ素樹脂チューブ又は
    シリコンゴムチューブを用い、前記スリーブとボス部材
    とによりシリコンオイルを収容するオイルタンクを形成
    し、前記ボス部材のいずれか一方のボス部材に前記オイ
    ルタンクと連通する貫通孔を設け、この貫通孔を介して
    外部からシリコンオイルをオイルタンク内に補給でき、
    リサイクル可能な構造を有することを特徴とする加圧ロ
    ーラ。
JP2000151241A 2000-05-23 2000-05-23 離型剤供給ローラ Expired - Fee Related JP3469533B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151241A JP3469533B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 離型剤供給ローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000151241A JP3469533B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 離型剤供給ローラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001327902A JP2001327902A (ja) 2001-11-27
JP3469533B2 true JP3469533B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=18656832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000151241A Expired - Fee Related JP3469533B2 (ja) 2000-05-23 2000-05-23 離型剤供給ローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3469533B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3946719B2 (ja) 2004-08-30 2007-07-18 日本航空電子工業株式会社 ヒンジコネクタ、及びヒンジコネクタを備えた電子機器
JP4499144B2 (ja) * 2007-10-30 2010-07-07 ミツマ技研株式会社 ゴムローラの製造方法及び弾性ゴムローラ
JP2020179337A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 国立研究開発法人産業技術総合研究所 流通管内壁の洗浄方法
JP2021045941A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 株式会社寺岡精工 プラテンローラー、ラベル発行装置、ラベル貼付装置、包装装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001327902A (ja) 2001-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0479564B1 (en) Fluid metering and coating device
JP3273151B2 (ja) オイル塗布部材
US3964431A (en) Device for supplying an offset preventing liquid to a fixing roller
US7540600B2 (en) Release agent applicator for imaging members in solid ink jet imaging systems
US6336972B1 (en) Oil coating apparatus
JP3469533B2 (ja) 離型剤供給ローラ
JP3699299B2 (ja) オイル塗布装置
GB2093769A (en) Fixing toner images
JPS63172186A (ja) 離型剤塗布ロ−ラ
JPS5842463B2 (ja) 定着装置
JP2799129B2 (ja) 定着装置用オイル塗布ロール
JPH10171287A (ja) ウェブ状オイル塗布部材
JPS5842465B2 (ja) 定着装置
JPS62111273A (ja) オフセツト防止液供給ロ−ラ
JP4681340B2 (ja) 定着装置
JP3912955B2 (ja) 離型剤塗布ローラ
JPH06250557A (ja) 離型剤塗布クリーニングローラ
JPH08335004A (ja) 定着装置
JPH0429279A (ja) 電子写真印刷装置における定着装置
JPS6339912B2 (ja)
JPS6022160A (ja) ロ−ラ定着装置
JPH0315188B2 (ja)
JPH06289746A (ja) 離型剤供給装置
JPS63195682A (ja) 定着装置
JP2000352894A (ja) 印刷装置における定着装置の離型剤塗布方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees