JPS6339912B2 - - Google Patents

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JPS6339912B2
JPS6339912B2 JP5263779A JP5263779A JPS6339912B2 JP S6339912 B2 JPS6339912 B2 JP S6339912B2 JP 5263779 A JP5263779 A JP 5263779A JP 5263779 A JP5263779 A JP 5263779A JP S6339912 B2 JPS6339912 B2 JP S6339912B2
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JP
Japan
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roller
resin film
synthetic resin
fixing device
fine
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JP5263779A
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Michiro Shigenobu
Tsukasa Kuge
Takashi Saito
Masaaki Sakurai
Hiroyuki Adachi
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Canon Inc
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Publication of JPS6339912B2 publication Critical patent/JPS6339912B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトナー像の定着装置用塗布装置に関す
る。
電子写真等、トナー像を扱う分野に於いては、
トナー像をその支持材に定着する為の装置とし
て、少なくとも一方が内部又は外部から加熱され
るローラ対によりトナー像支持材を挾持搬送し、
これによつてトナーを加熱溶融して支持材に定着
させるように構成された装置が多用されている
が、その際、トナーのオフセツトや支持材のロー
ラへの巻き付きを防止する為に、通常上記支持体
のトナー像面が圧接される側の定着ローラにオフ
セツト防止液(普通シリコーンオイルが使われ
る)を塗布することはよく知られている。
上述のオフセツト防止液を定着ローラに塗布す
る方法として現在実用に供されているのは、シリ
コーンオイルを毛管現象で吸収保持したフエルト
を定着ローラに直接当接させるか、又は定着ロー
ラに当接して回転する塗布ローラ若しくは塗布ロ
ーラ列中のローラに当接させるかして、シリコー
ンオイルを定着ローラに供給塗布する方法である
が、斯様な方法に於いては、オイル塗布量が多量
に過ぎる傾向があり、その為トナー像支持材がオ
イルで汚れたり、後で支持材にインキで筆記する
場合にインキののりが悪くなつたりするばかり
か、定着、加圧ローラ間にスリツプが生じてトナ
ー像を乱したりする。そうでなくてもオイル消費
量に必要以上の無駄が生じて不経済であるし、オ
イル補充或いはオイル供給カートリツジ等の交換
頻度が高くなつて保守が面倒であつた。そこで米
国特許第3718116号明細書、同第3745972号明細
書、実公昭53−51168公報に、繊維密度の疎なフ
エルトと密なフエルトを層合した2層構成のフエ
ルトを使用し、上記密なフエルトをローラに当接
させてオイル塗布量を少なくするよう試みた装置
が開示されている。しかしこの装置に於いてもま
だ塗布量は多く、オフセツト防止や支持材のロー
ラの巻き付き防止等に必要以上の量が塗布されて
しまう。そして如上の各種装置では室温で50〜
350cs程度の低粘度のオイルは当初比較的均一に
塗布できるものの、高粘度のオフセツト防止液を
塗布する場合、如上の従来方法、特に前記刊行物
に記載のものの如く繊維の密なフエルトをローラ
に当接させた装置では、筋状に塗布むらが生じや
すく、少量均一に塗布することは極めて困難であ
る。
高粘度のオフセツト防止液は、保守点検時等の
扱いが容易であること、装置の休止中等に液がロ
ーラ上に多量に溜つたり、或いはフエルトから滴
下したりせず保持が確実である。また、特に、シ
リコーンゴム被覆を有するローラを使用する場
合、ローラが膨潤しにくい等の点から有用であ
り、この有用な高粘度のオフセツト防止液で塗布
むらが生じることは大きな問題である。
そしてフエルトをローラに当接させてオフセツ
ト防止液を塗布する如上の各種装置の別の重大な
欠点は、トナーや紙粉、或いはトナー像を形成す
る潜像現像剤中に含まれていたキヤリア粒子等が
上記フエルトに目詰まりすることであり、これに
よつて縷々塗布にむらが生ずることである。この
塗布むらが生ずると部分的にトナーのオフセツト
が生じ、また像支持材がローラに巻き付いたりす
るばかりか、定着ローラや加圧ローラがシリコー
ンゴムで被覆されている場合上記塗布むらがロー
ラの膨潤量差を招来し、トナー像支持材に皺が生
じやすくなるという不都合もある。更に上記フエ
ルトに多量にトナーが付着して行くと、これはロ
ーラを損傷し、上述の塗布むらを一層促進し、更
に種々の定着不良の原因となる。
一方、シリコーンオイルをゴム組織内に浸潤さ
せたシリコーンゴムローラやシリコーンオイル
を、収容した孔あきパイプをシリコーンゴムで被
覆したローラを定着ローラに当接させ、ゴム組織
を通してオフセツト防止液を定着ローラに塗布す
る方法も公知である。斯様な方法によれば、微量
均一塗布はできるものの、あまりに微量過ぎて現
在の複写装置に使用される定着装置の如く、A4
紙で1分間に7、8枚以上定着処理しなければな
らない装置には全く不適である。そしてこの方法
に於いては液が高粘度になる程塗布量は一層低下
してしまう。
上述した各種の不都合を解決できる糸口を与え
るものとして特開昭52−110049号公報、同54−
37752号公報に記載の定着装置がある。この両公
報に記載の定着装置は微細な連続気孔を有する非
繊維質の高分子合成樹脂膜、即ちフエルト等のよ
うに繊維をからませたり、スポンジのように気泡
や単泡が膜内に多量に分散しているものではな
く、膜の表面から裏面まで貫通した微細孔を多数
存在せしめた高分子合成樹脂膜によつて定着ロー
ラへのシリコーンオイル塗布量を制御するように
構成されている。如上の膜状体としてはGORE−
TEX JOINT SEALANT(W.L.GORE &
ASSOCIATES、INC.製、商品名)やフロロポ
ア(住友電気工業株式会社製、商品名)等の連続
気孔を有する4弗化エチレン樹脂膜が好ましい。
斯様な膜を使用した上記2つの公報の装置では、
膜の微細連続気孔にトナーや紙粉等が詰まること
もなく、従つて経時的に塗布量が減少して行き、
更には塗布むらが生じ始める不都合等はない。し
かしながら、本発明者の確認した所によると、上
記2つの公報に記載の装置のようにローラの母線
方向で同じ量だけ膜からオフセツト防止液が滲出
した場合、ローラの両端部、特に像支持材の通過
しない部分にオフセツト防止液が多く貯まるとい
う問題があつた。これは、膜を、その裏面に当接
させた液吸収保持部材としてのフエルト等と一体
的に、塗布装置の自重によつて、或いは更にばね
力を併用してローラの母線方向で同じ押圧力でロ
ーラに押圧させた時、上記膜から滲出したオフセ
ツト防止液は全方向に広がるが、ローラ母線方向
で液を塗布するためローラ母線方向端部への液移
動量が多く、特に像支持材が通過しない部分では
液が像支持材に運ばれないためローラ上での塗布
量が多くなると考えられる。いずれにせよ上記膜
のローラ母線方向に関する端部側でローラへの液
塗布量が多いと、これは定着、加圧ローラ間のス
リツプやシリコーンゴムローラの膨潤むら、トナ
ー像支持材の液汚損等の原因となり、加えて必要
量以上に液を消費してまことに不経済である。
そこで本発明の主な目的は以上の各種不都合を
簡単に解決できる定着装置塗布装置を提供するこ
とにある。
上記目的を達成する本発明は第1と第2のロー
ラを有する定着装置の第1ローラに、微細連続気
孔を有する高分子合成樹脂膜を当接し、該高分子
合成樹脂膜を介して上記第1ローラにオフセツト
防止液を供給する定着装置用塗布装置において、 上記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
は、上記第1ローラにオフセツト防止液を供給す
るための開領域と、この開領域に隣接し、且つ、
少なくとも上記第1ローラの母線方向に関する両
端部に設けられ、上記微細連続気孔の一部乃至全
部を潰すか又は塞いで上記第1ローラにオフセツ
ト防止液を供給しないか、わずかに供給するため
の閉領域と、を有し、上記開領域の母線方向の長
さは、第1ローラの通紙対応領域幅以上か、また
は、わずかに小さく設けられていることを特徴と
するものである。更には、第1と第2のローラ
と、第1のローラにオフセツト防止液を供給する
ための供給用回転体とを有する定着装置の供給用
回転体に、微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
膜を当接し、該高分子合成樹脂膜および該供給用
回転体を介して上記第1ローラにオフセツト防止
液を供給する定着装置用塗布装置において、上記
微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜は、上記
供給用回転体にオフセツト防止液を供給するため
の開領域と、この開領域に隣接し、且つ、少なく
とも上記供給用回転体の母線方向に関する両端部
に設けられ、微細連続気孔の一部乃至全部を潰す
か又は塞いで上記供給用回転体にオフセツト防止
液を供給しないか、わずかに供給するための閉領
域と、を有し、上記開領域の母線方向の長さは、
第1ローラの通紙対応領域幅以上か、または、わ
ずかに小さく設けられていることを特徴とするも
のである。
以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
第1図は本発明の一実施例の正面図、第2図第
3図は夫々第1図のX−X断面図、Y−Y断面図
である。図に於いて、1は定着ローラであり、金
属中空パイプ2にシリコーンゴムや4弗化エチレ
ン樹脂等、オフセツト防止性材料の薄い被覆3を
施して成り、中空中にヒータ4が配置されていて
このヒータにより周面がトナーを溶融定着できる
温度(通常150〜200℃)に加熱されている。5は
加圧ローラで芯金ロール6にオフセツト防止性の
柔軟な弾性材、例えばシリコーンゴムの厚い被覆
7が施されている。加圧ローラ5は定着ローラ1
に圧接され、図の如く圧接部で弾性変形してトナ
ー像支持材を挾持するニツプ部を形成する。ロー
ラ1,5の一方は不図示のモータで回転駆動さ
れ、他方はこの駆動ローラとの摩擦力で従動回転
する。即ち、ローラ1,5は夫々矢印方向に回転
し、トナー像支持紙Pを上記ニツプ部で挾持搬送
する。その際トナー像Tは熱溶融されて紙pに粘
着し、定着されるものである。紙pのトナー像支
持面は定着ローラ1に圧接される。尚、紙pはガ
イド板8に案内されて上記ニツプ部に送り込ま
れ、ニツプ通過後ローラ1,5に夫々軽く当接さ
れた爪様部材9,10によつてローラから分離さ
れる。
さて、11は前述の如くスポンジのような気泡
ではなく、微細な、かつ外径がそろつた連続気孔
を有する非繊維質の高分子合成樹脂膜である。斯
様な膜の材質としては、耐熱性、耐摩耗性、耐油
性に優れ、更に表面がなめらかでかつすべりがよ
く、柔軟でしなやかさに富み、溶融したトナーが
付着しにくい所謂オフセツト防止性に優れている
処から一般に弗素樹脂が適しているが、その中で
も如上の諸特性が秀でている4弗化エチレン樹脂
が現在の所最適である。そして4弗化エチレン樹
脂の微細な連続気孔を有する膜としては、前述し
た如くフロロポア、GORE−TEX
JOINTSEALANT等の商品名で販売されている
(この膜の製造法は特公昭48−3068号公報に詳し
い)ものがあるが、勿論これに限られるものでな
く、膜11には微細な連続気孔を有する加工が施
されているものであれば他の弗素樹脂膜、塩化ビ
ニル樹脂膜等が使用できる。斯様な膜の微細な連
続気孔径は非常によくそろつていて、その径の分
布は平均径の周囲の極く狭い所に略100%集中し、
デルタ関数状を呈している。
図に戻つて、微細な連続気孔を有する高分子合
成樹脂膜11は、プレス加工等によつて、ローラ
1の母線方向に長くローラ1の回転方向に幅狭
の、細長く比較的浅い袋状に形成されており、そ
の袋の開口部部分が支持枠12に固定されてい
る。膜11の上記袋中にはシリコーンオイルを吸
収保持させた耐熱性フエルト13が詰められてお
り、一方蓋14がねじ等により枠12に取り付け
られている。斯様にして構成された塗布器Cはガ
イドレール15に沿つて引き抜くことによつて定
着装置外に取り外され、蓋14を開けてフエルト
13にシリコーンオイルを注入補給でき、補給を
終了した塗布器Cは再びガイドレール15に沿つ
て差し込むことにより定着装置にセツトされる。
或いは塗布器Cをカセツト式にしておき、フエル
ト13中のオイルの消費され尽したものを定着装
置から上述の如くして引き抜き、フエルト13中
にオイルを飽和含浸させてある別の塗布器を差し
込みセツトするようにしてもよい。いずれにせ
よ、塗布器Cが定着装置にセツトされている時、
微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜11の袋
の底面は塗布器Cの自重によつて、或いは更に蓋
14を押すように設けられたばね16のばね力を
加えて、定着ローラ1に押圧される。フロロポア
等の高分子合成樹脂膜11はしなやかな可撓性を
有しており、またフエルト13も弾性変形するか
ら、上記押圧によつて膜11の底面はローラ1の
周面に沿う形にたやすく変形し、かくして膜11
は図の如くローラ1に均一に面接触する。かくし
てフエルト13に含浸されていたシリコーンオイ
ルは膜11の微細な連続気孔を通つて膜表面に滲
み出し、ローラ1に塗布される。
前述の如くフロロポア等の膜11はすべり性が
良く、且つ、気孔がとても微細であるため微細連
続気孔にはトナーや紙粉が詰まることはなく、フ
エルトを使用した場合に見られる経時的にオイル
塗布量が低下して行くといつた不都合や筋状の塗
布むらが生ずるといつた不都合等はないものの、
上述のように塗布器Cをローラ1に押し付けた
時、膜11の袋中に収容されたフエルト13中の
オイルは、膜11のローラ母線方向に関する中央
部より端部でより多く膜表面に滲出しようとする
傾向を有する。従つて何の工夫もこらさないなら
ばローラ1の母線方向中央部と両端部とではオイ
ル塗布量が相違し、後者の方により多量に塗布さ
れて前述の不都合を生ずる。
そこで第1,2,3図実施例では、第1図に破
線で示した領域A、即ち膜11の両端部(ローラ
1の母線方向、従つて膜11の袋の長手方向に関
する)に於いて、この膜11の内面(ローラ1に
当接する側の面の裏面)にシリコーンシーラント
等の目塗り剤のしなやかな可撓性を有する薄膜1
7を塗布し、膜11の両端部の連続気孔を塞い
だ。従つてこの目塗り剤17を塗布した領域Aに
於いてはフエルト13中のシリコーンオイルは膜
11の表面に滲出しない。一方、第1図のBの領
域、即ち目塗り剤の塗布されていない膜領域に於
いては膜11表面にシリコーンオイルが微細連続
気孔を通つて滲出し、ローラ1に塗布されるが、
この領域Bに於いてはフエルト13から膜11の
微細連続気孔を通つて膜表面に滲出するオイル量
はローラ母線方向に関して均一である。
尚、膜11の領域Bの部分がローラ1の通紙対
応領域に当接せしめられるものであることは言う
までもない。その際、領域Bの両端(ローラ母線
方向に関する)が上記通紙対応領域の両端(ロー
ラ母線方向に関する)より夫々僅かに外方に位置
するように、領域Bローラ母線方向長さを設定す
るのを最良とするが、上記領域Bの両端が夫々上
記通紙対応領域の両端に一致せしめられたり、或
いは通紙対応領域より僅かに内側に位置せしめら
れるのも可である。これは領域Bから供給された
オイルが外側へ向かつて広がつていくためであ
る。第1の場合の通紙対応領域をa、第2の場
合、第3の場合のそれを夫々b、cとして、第1
図でd1の距離、即ち領域aの端と領域Bの端のロ
ーラ母線方向距離d1は一般に1乃至10mm程度が更
に適当で、またd2の距離、即ち領域Cの端と領域
Bの端の距離ローラ母線方向d2は一般に1乃至15
mm程度が更に適当である。そして領域Aの母線方
向長さd、即ち領域Bの上記端と膜11の上記端
間の距離dは一般に2乃至25mm程度が適当であ
る。勿論上記d、d1、d2の値は、膜11の袋の容
積、ローラ母線方向への長さ、ローラ1との接触
面積、接触圧、連続気孔の平均径、気孔率、等の
諸因子によつて最適値が異なつて来るものである
が、電子写真装置等に使用される通常の定着装置
では一般に上述の値の範囲で決定される。そして
d、d1、d2については以下の実施例についても上
述したことがあてはまるものである。
尚、上にローラ等の通紙対応領域という言葉を
使用したが、これはトナー像支持材が接するロー
ラの周囲領域、或いはトナー像支持材が接するロ
ーラの周囲領域に直接又は間接的に接する他のロ
ーラ等(例えば定着ローラや後述の塗布ローラ
等)の周囲領域を指す。
以上の実施例では領域Aをシリコーンシーラン
ト等の目塗り剤を塗布して連続気孔を塞いだが、
領域Aに於いて連続気孔を有する膜11に非孔性
の、従つてシリコーンオイルを滲透させない、し
なやかな可撓性を有する高分子合成樹脂膜を接合
して上記気孔を塞いでもよい。例えば第4図に示
す如く、フロロポア膜(融点約320℃)に11に
4弗化エチレン−6弗化プロピレン共重合体樹脂
(融点約260℃)の膜17′を重ね、更にその上に
4弗化エチレン樹脂(融点約320℃)の膜17″を
重ね、加熱加圧してラミネートすればよい。その
時の加熱温度は膜11,17″の融点より小で膜
17′の融点以上が好ましい。尚、膜17′,1
7″は非孔性でありシリコーンオイルを全く滲透
させないものである。いずれにせよ融けやすい膜
を中間層として使用すれば良好なラミネート状態
が得られるが、層17′だけ、又は層17″だけを
膜11にラミネートしてもよい。或いはまた領域
Aに於いて連続気孔を有する膜11に、更に同じ
く微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜17
を接合してもよい。(第5図)この時第4図に於
ける中間層17′等を介してラミネートするも可
であるが、膜17を加熱加圧処理によつて直接
膜11に接合させてもよい。この後者の場合、膜
11の連続気孔の一部が膜17の連続気孔の一
部と連通し、フエルト13中のオイルが極く僅か
膜11の表面に滲出する。しかし上記連通する気
孔は一部であり、膜11の他の連続気孔は膜17
の気孔非開口面によつて塞がれるので、領域A
に於いて滲出するオイル量は領域Bに於けるそれ
よりはるかに小である。依つて斯様な気孔閉塞法
によつても、何の処置もとらない場合に比べて十
分な効果を奏する。尚、膜17の材質は膜11
の材質と同一であることを良とするが、異なつて
もよい。
尚、以上のように膜11の領域Aに目塗り材を
塗布したり、気孔閉塞用膜を接合したりする場
合、それは膜11の裏面、即ちローラ1に当接す
る側の面の裏面に施すのがよい。表面に施した場
合は領域A、Bの境界部で膜11のローラへの当
接状態が他の部分とは多少異なることとなり、従
つて上記境界部で塗布むらが生ずるからである。
最も塗布膜や気孔閉塞膜が十分薄い場合は、それ
を膜11の表面に施すも可である。
更に、目塗り剤や閉塞膜を施す方法とは別に、
膜11の領域Aを加熱加圧してその領域の連続気
孔の一部乃至全部を潰す処理を施しておくことも
可である。この場合、一部のみを潰しただけで
は、第5図と同様極く僅かのオイルが膜11表面
に滲出するけれども、領域Bに比べてはその量は
僅かであり、何の処理を施さない場合に比べては
るかに効果がある。そこで、本明細書では上述し
た領域Aの如く、膜11の連続気孔を潰したり塞
いだりしてオフセツト防止液を全く滲出させない
か、或いは滲出してもその量を領域Bより低減さ
せる処理を施した領域を便宜上閉領域と呼び、逆
にB領域を便宜上開領域と呼ぶことにする。
さて、第1,2,3図に示した実施例では、ロ
ーラ1の母線方向に関する膜11の端部に於い
て、それがローラ1に当接する部分だけでなく、
外気に接する部分にもオイル不滲又はオイル滲透
最低減処理を施したが、膜11の上記端部のロー
ラ1に当接する領域にのみ如上の各種処理を施し
てもよい。しかし膜11の外気に触れる領域から
滲出したシリコーンオイルは流下してローラ1に
塗布されることとなる。それ故、オイル消費量も
増大し、オフセツト防止やローラへの紙Pの巻き
付きに必要な量以上のオイルを消費して不経済で
ある。このような傾向はオイルの粘度が低くなる
程増大して行く。そしてこれは膜の端部のみなら
ず、中央部についても言えることである。そこで
第6図実施例では如上の不都合を解決した。(尚、
以下の実施例で第1図乃至第5図と同一の機能を
有する部材、手段には同一符号を付け、特に必要
ない限り説明は省く。) 第6図は第1図のY−Y断面に対応する部分の
断面図で、この実施例の第1図X−X断面に対応
する部分の断面図は第2図と同じである。第6図
実施例では、膜11の端部(ローラ母線方向に関
する)は勿論、中央部であつても表面がローラ1
に当接せず外気に接する部分の裏面には、前述の
如く目塗り剤17を塗布したり、非孔性の高分子
合成樹脂膜17′,17″を接合したり(第4図)、
微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜17を
接合したり(第5図)、或いは膜11の端部は勿
論、中央部であつてもローラ1に当接せず外気に
触れる部分の連続気孔の一部乃至全部を加熱加圧
によつて潰す処理を施した。従つて、第7,8,
9,10図に示すように、膜11の開領域Bは、
シリコーンオイルが膜表面に滲出しない。或いは
滲出量の著しく低減された閉領域Aで周囲を囲ま
れることになる。そして開領域Bがローラ1に当
接せしめられることは言う迄もない。
第7,8,9,10図は、夫々膜11の袋を平
面に展開した図である。第7図に於いては開領域
Bは長い矩形状に構成されている。(以下いずれ
も領域Bの長手方向とローラの母線方向とは一致
しているものである。)斯様な矩形状開領域Bを
有するものは、定着処理すべき紙Pの幅(ローラ
母線方向についての)がただ一種の寸法しかない
場合に適している。しかし異なつた幅寸法の紙P
を定着処理する装置にあつては、領域Bの中央部
が接するローラ面と、領域Bの少なくとも一方の
端部が接するローラ面とで消費されるオイル量が
異なる。即ち、前者のローラ面にはどの幅サイズ
の紙Pも接するが、後者のローラ面には幅サイズ
の広い紙Pしか接しないからである。従つて第8
図例では、ローラ1の最大幅サイズの紙のみが接
する周囲領域に当接せしめられる部分B1に於け
る開領域Bの幅(ローラ回転方向についての)
は、最小幅サイズの紙も最大幅サイズの紙も共通
に接して通過するローラ周面領域に当接せしめら
れる部分B2に於ける開領域Bの幅より狭く、B1
部分でのオイル塗布量をB2部分でのそれより小
にしている。尚、第8図例の膜11は、どの幅サ
イズの紙も、その幅方向の一端が定着ローラ1の
一端側に設定された1つの共通基準線に一致され
た状態で搬送されるように構成された定着装置に
使用され、開領域Bの、図で左端側部分が基準線
部に於いて定着ローラ1に当接される。尚、第8
図ではB1部分に於ける開領域Bの幅はローラ母
線方向につき外方に向けて暫減しているが、破線
で示した如く、B2部分と同様矩形状にしてもよ
い。このことは以下の例についても同様に言え
る。要は、膜11の開領域Bの幅をローラ母線方
向についての中央部、詳しくはローラのどの幅サ
イズの紙にも共通な通紙対応領域に当接する部分
よりも、ローラ母線方向についての少なくとも一
方の端部、詳しくはローラの最大幅サイズの紙に
ついてのみの通紙対応領域に当接する部分で、小
にすることである。
第9図は第8図例の改良例である。即ち、第8
図では前記共通基準線側での領域Bの幅は中央部
の幅と等しい。この場合ローラを最大幅サイズの
紙幅より十分に長くし、従つてまた膜11のロー
ラ母線方向の長さも十分に長くして閉領域Aのロ
ーラ母線方向長さを十分に長くした場合は開領域
Bからのオイル滲出量はローラ母線方向について
B2部分の端から端まで非常に均一なものとでき
るが、しかし一般には上述した長さには自から限
界がある。それ故開領域Bに於いてもその前記基
準線側端部では中央部より若干オイル滲出量が多
い。そこで第9図実施例では開領域Bの前記基通
基準線部に当接せしめられる端部側部分B′の幅
を中央部より若干狭くして上記不都合を防止して
いる。尚、B′の部分の左端の幅はB1部分の右端
の幅よりも広い。このようなB′の部分は、第7
図の領域Bの両端部に設けてもよい。
第10図は異なつた幅サイズの紙の幅方向中心
がいずれもローラの母線方向中心を通るように構
成された定着装置に使用される膜であり、開領域
Bの両端部の、ローラの大サイズ幅紙端部の通紙
対応領域に当接する部分B1′は中央部B2より幅狭
になつている。そして開領域Bは長手方向中心線
に関して対称形をなしている。この第10図側は
言うまでもなく第9図例について述べた効果も備
えているものである。
尚、第7〜10図の領域Aに前述の如く目塗り
剤を塗布したり他の膜をラミネート接合したりす
ると、これらが裏打ち材として作用し、膜を丈夫
にする作用もなす。
ここで第7図の膜を使用した実験例のデータを
挙げておく。膜11としては厚さ0.2mmのフロロ
ポア膜を使用した。連続気孔の平均径は1μ(孔径
分布はこの1μを中心に±0.4μの範囲に100%集中
している)気孔率は80%である。開領域Bの寸法
は長さ300mm、幅7mmであり、開領域B全面がロ
ーラに当接された。当接圧力は約1g/mm2であ
る。そして膜11の袋の端部での閉領域のローラ
母線方向長さ(第1図を借りて言えばd)は5mm
であつた。使用したシリコーンオイルの粘度は
10000CS(室温)であつた。ローラ1の温度は190
乃至200℃であり、周速は120mm/secである。閉
領域はシリコーンシーラントを塗布して連続気孔
を塞ぐことで形成し、この領域の気孔率は見掛け
上0とした。
以上の装置でオイル消費量はB4枚1枚当り
0.00005〜0.0001CC程度である。そしてローラ1
には均一にオイルが塗布され、端部側で塗布量が
増大してローラのゴム層が中央部より膨潤してし
まうというような不都合、紙がオイルで汚れると
いうような不都合、ローラ1,5間にスリツプが
生じてトナー像が乱れるというような不都合は、
10万枚のB4紙定着処理を通じて一回も生じなか
つた。勿論トナーオフセツトや紙のローラへの巻
き付きも生じなかつた。そして10万枚のB4紙定
着処理後も、膜11の連続気孔はトナーや紙粉で
目詰まりしておらず、更に続けて使用できる状態
にあつた。
参考までに閉領域Aの部分も液が滲出す領域と
してオイル塗布をした時のオイル消費量を挙げる
と、B4紙1枚当り0.0001〜0.0003CC消費された
が、これは上記実施例でのそれの約3倍にものぼ
る。
第11図は本発明の他の実施例の説明図であ
る。第11図で、18は塗布ローラで金属芯ロー
ル19に4弗化エチレン樹脂の薄層20を被覆し
たものである。塗布ローラ18はシリコーンゴム
の薄い被覆3を有する定着ローラ1に接触して矢
印方向に回転する。フロロポアの袋状に形成され
た膜11は枠12に固定されているが、膜11に
は前述した各種方法により、前述の如き閉領域が
形成されており、ローラ18の通紙対応領域が膜
11の開領域に当接せしめられている。ローラ1
8の通紙対応領域とは、ローラ1のトナー像支持
材に接する周面領域に接するところのローラ18
の周面領域のことを言い、膜11の開領域のロー
ラ18に対する当接位置関係について第1図、第
7乃至10図をもとに述べたことは第11図実施
例に対しても同様に当てはまるものである。
さて、膜11の開領域の微細連続気孔を滲み出
したフエルト13中のシリコーンオイルはまずロ
ーラ18に塗布され、次にこのローラ18の回転
に従つて定着ローラ1に塗布される。ローラ18
はローラ1との間の摩擦力で従動回転するローラ
でもよいが、不図示のモータにより回転駆動する
こともできる。この場合ローラ18は矢示と逆向
きにも回転させ得るが、いずれにせよローラ18
を、その周速をローラ1の周速より低速になるよ
うに回転駆動すれば、ローラ1へのオイル塗布量
をより少なくすることができる。(この時層3も
摩耗しにくい4弗化エチレン樹脂にすることが好
ましい)これはシリコーンオイルが室温で50〜
400CS程度の低粘度である場合に好都合である。
というのは、そのような低粘度オイルの膜11の
孔からの滲出量は高粘度オイルに比べて相対的に
多く、低速の定着装置等ではローラ18をローラ
1の周速と同じにするとオフセツト防止やローラ
へのトナー像支持材の巻き付きに必要な量以上の
オイルが消費されやすいからである。勿論斯様な
場合でも、紙Pの汚れやローラ1,5のスリツプ
が生ずる程多量には塗布されない。尚、ローラ1
と膜11との間に順に当接して回転する多段の塗
布ローラ列を設けてもよく、また塗布ローラの代
りに回転無端ベルトを使用してもよい。尚、第1
1図実施例では部材13に予めシリコーンオイル
を含浸させておくのではなく、オイルパン21か
ら部材13にシリコーンオイルを供給するように
なつている。即ち、22は下端がパン21のオイ
ル中に浸漬されたフエルト、23は蓋14に設け
られた孔を貫通してフエルト13に下端が当接さ
れたフエルトであり、両フエルト22,23にフ
エルト24が接離される。即ち、フエルト24は
ローラ1,2,18が回転中は図の如くフエルト
22,23に当接せしめられて、パン21中のオ
イルはフエルト22,24,23の順に毛管現象
により伝送されフエルト13に供給され、ローラ
1,2,18が回転停止中、即ち定着装置の作動
休止中はフエルト24はフエルト22,23から
離間され、上記オイル伝送供給が停止する。この
ようにすれば定着装置の作動休止が極めて長期間
に及んでも膜11とローラ1との当接部に過剰の
オイルが溜ることが避けられる。もつともフエル
ト24はフエルト22,23に常時当接させてお
いてもよい。このようにオイルパンからオイルを
供給する方法は前の実施例にも適用できる。
尚、前述の微細連続気孔を有する高分子合成樹
脂膜に関し、次の事実が判明した。即ち、如上の
樹脂膜を定着ローラ、又はこの定着ローラに当接
して回転する塗布ローラ等に当接させる際、その
樹脂膜の方向によつてはオフセツト防止液塗布量
が過多になり、そして定着、及び、又は加圧ロー
ラを加熱してトナーを熱溶融定着する装置の場合
塗布量が過多になるばかりか上記樹脂膜がローラ
回転方向に延び切つてしまい破れたり、或いは破
れないまでも永久変形を起してしまうことがある
ことである。
上記事実は次の事に起因する。即ち前述した商
品名で販売されているような連続気孔を有する高
分子合成樹脂膜は一つの方向には力を加えること
によつて伸長しやすい(特に加熱時にはこの伸び
は甚だしくなる)が、これを直行する方向には伸
長しにくい性質を有しているものであつた。詳し
くみると、前述の膜を構成する高分子は伸長しに
くい方向に揃つて指向しており、従つてこの方向
には膜は伸長しにくいが、これと直行する方向に
は膜は容易に伸長してしまう。そして斯様に分子
方向が一方向に揃つてしまうのは前述の膜の製造
時、高分子樹脂膜材の塊りを延伸することによ
る。この延伸方向に分子が揃い、そしてこの方向
に対して膜は耐伸長特性を有するものである。こ
のような理由で高分子合成樹脂膜の伸長しにくい
方向を本明細書では延伸方向と呼び、それと直角
方向の伸長しやすい方向を非延伸方向と呼ぶこと
にするが、もとよりこのような呼称は便宜的なも
のであり、前述した連続気孔を有する高分子合成
樹脂膜には一般的に機械的に伸びやすい方向と機
械的に伸びにくい方向が存在するということが重
要である。(例えば前記商品名の膜の場合、同一
の力に対して非延伸方向には延伸方向の3〜10倍
伸長する。)いずれにせよ、前述した如く微細連
続気孔を有する高分子合成樹脂膜を、ローラの回
転方向と伸びやすい方向とを一致させた状態でロ
ーラに当接させた場合、膜11はローラ1、又は
18との間の摩擦力によつてローラ1、又は18
の回転して行く方向に伸長し、ローラ1へのオイ
ル塗布量が過多になる。特に前述の装置の如く膜
11が150〜200℃もの温度に加熱される場合上記
伸長は甚だしく、弾性変形限界を越えてすぐに伸
び切つてしまい、ローラを停止しても元に復さな
くなるばかりか、破れてしまうことも多々ある。
そこで本発明を適用した装置に於いては、膜11
は、その延伸方向、即ち伸びにくい方向を、膜1
1とローラ1、又は18との当接部に於いて、ロ
ーラ1、又は18の回転方向に一致せしめ、従つ
て非延伸方向、即ち伸びやすい方向をローラ1、
又は18の母線方向に一致せしめるように配置す
ることが望ましい。これによつて膜11は、上述
の如く熱が加わるにもかかわらず、ローラ1、又
は18の回転によつても全く、或いは殆んど伸長
せず、ローラ1には適量のシリコーンオイルが均
一に塗布されるのである。また以上の装置で使用
する膜状体11の連続気孔の径、気孔率、膜の厚
さ、オフセツト防止液の粘度は、即ち、膜状体1
1の連続気孔を滲出させてローラに供給できる液
量を決定するこれら各種の条件は、トナーが溶融
した際の粘度やトナー像支持材の腰の強さ、定着
ローラの表面張力等によつて決められる、オフセ
ツトの防止、トナー像支持材の定着ローラへの巻
き付き防止の為にトナー像支持材の単位面積当り
最低限必要なオフセツト防止液の量や定着処理速
度、即ち定着ローラの回転速度等の要因を勘案し
て定められるべきものである。しかし電子写真や
他の静電印刷等の分野で使用されるトナー像定着
装置に於いては、一般に膜状体11の(開領域に
於ける)連続気孔は平均径が0.1乃至5μ、気孔率
が20乃至95%、膜厚は0.05乃至1mmでよく、オフ
セツト防止液の粘度は室温で100乃至100000csと
いう極めて広範囲で選択できる。塗布量を多くす
るには、オフセツト防止液の粘度を低いものと
し、及び、又は膜状体11の連続気孔の平均径を
大にし、及び、又はその気孔率を大にし、及び、
又は膜厚を大にすればよく、塗布量を少なくする
には上記と逆にすればよい。また以上の実施例で
は、膜11の袋で包む液保持部材としてフエルト
13を示したが、これはスポンジ(即ち海面状
体)や、不織布、或いは織布を折り重ねたりまる
めたりしたもの等、要するにオフセト防止液を吸
収保持できる吸液性の部材なら他のものに代えら
れる。
また以上の実施例では膜11を有する塗布装置
Cにより直接定着ローラにオフセツト防止液を供
給したが、塗布装置Cによりまず加圧ローラにオ
フセツト防止液を塗布し、次に加圧ローラから定
着ローラに同液を供給するようにしてもよい。
更にまた、以上の実施例ではトナーを加熱溶融
して定着する装置を示したが、本発明はロール対
でトナー像支持材を強く挟圧して搬送し、圧力に
よつてトナー像支持材を強く挟圧して搬送し、圧
力によつてトナー像を支持材に定着する圧力定着
装置にも使用できる。
尚、図示した実施例に於いて、25は弗素ゴム
等で作られたブレードであり、ローラ1に当接せ
しめられている。ブレード25は膜11又はロー
ラ18を通り抜けたトナーや紙粉をローラ周面か
ら取り除き、ニツプ部にてそれらが紙Pに付着す
るのを防止する。もつともローラに1に付着した
トナーや紙粉の大半は、ローラ回転方向に関し、
膜11とローラとの当接開始部にせきとめられ、
膜11の前面に溜まる。この膜の前面に溜まつた
トナーや紙粉は布等で簡単に拭き取ることができ
る。即ち膜11は、ローラ表面にオフセツト防止
液を塗布し、それをしごく作用の他クリーナーと
しても作用する。
いずれにせよ、本発明によれば微細連続気孔を
有する高分子合成樹脂膜によつてオフセツト防止
液をローラに塗布するから、トナー等の目詰まり
による経時的な塗布量減少、塗布むら、ローラ損
傷等が防止でき、その際膜面に閉領域を設けたか
ら、無駄な液消費を防止できるばかりか、高粘度
液でも、低粘度液でも、適量のオフセツト防止液
を通紙対応領域に均一に塗布することができ、ロ
ーラ端部に過剰のオフセツト防止液が付着する不
都合を防止できる等、種々有用な効果を奏する。
上述したように、本願発明は微細連続気孔を有
する高分子合成樹脂膜(以下、単に膜と呼ぶ)の
ローラ(又は供給用回転体)の母線方向に関する
端部領域の微細連続気孔の一部乃至全部を潰すか
又は塞いだ閉領域を有することに大きな特徴を有
し、この特徴により、本願発明は膜のローラ(又
は供給用回転体)に対する当接状態を安定化せし
め、オフセツト防止液の上記端部領域における塗
布ムラという問題を解決して上記母線方向にわた
つてオフセツト防止液をより均等に供給できる。
これは閉領域自体の母体が開領域と同じ上記膜で
あるため、オフセツト防止液をローラ(又は供給
用回転体)に与える上記膜の開領域がローラ(又
は供給用回転体)の回転による摩擦力を受けた時
でも、閉領域の膜が開領域の膜と共に移動変化し
て、その摩擦力を吸収し膜の耐久性を向上できる
という優れた効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図は本発明の第1実施
例、第4図、第5図は閉領域の形成法、第6図は
本発明の第2実施例、第7図、第8図、第9図、
第10図は第2実施例に於ける膜11、第11図
は本発明の第3実施例、を夫々説明する為の図に
して、1は定着ローラ、5は加圧ローラ、11は
微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜、13は
オイル保持部材、17は気孔閉塞用被膜、Aは閉
領域、Bは開領域である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第1と第2のローラを有する定着装置の第1
    ローラに、微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜を当接し、該高分子合成樹脂膜を介して上記第
    1ローラにオフセツト防止液を供給する定着装置
    用塗布装置において、 上記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    は、上記第1ローラにオフセツト防止液を供給す
    るための開領域と、この開領域に隣接し、且つ、
    少なくとも上記第1ローラの母線方向に関する両
    端部に設けられ、上記微細連続気孔の一部乃至全
    部を潰すか又は塞いで上記第1ローラにオフセツ
    ト防止液を供給しないか、わずかに供給するため
    の閉領域と、を有し、上記開領域の母線方向の長
    さは、第1ローラの通紙対応領域幅以上か、また
    は、わずかに小さく設けられていることを特徴と
    する定着装置用塗布装置。 2 前記定着装置用塗布装置は、更に第1ローラ
    の母線方向と直交する方向の端部にも微細連続気
    孔の一部乃至全部を潰すか又は塞いだ閉領域を有
    し、前記開領域は、これらの閉領域により囲まれ
    ている特許請求の範囲第1項記載の定着装置用塗
    布装置。 3 前記開領域の前記第1のローラの回転方向に
    関する幅は、前記第1のローラの母線方向に関す
    る中央部より、少なくとも一方の端部で狭くなつ
    ている特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    定着装置用塗布装置。 4 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    の前記閉領域には目塗り剤が塗布されている特許
    請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の定
    着装置用塗布装置。 5 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    の前記閉領域には非孔材が接合されている特許請
    求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の定着
    装置用塗布装置。 6 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    の前記閉領域には連続気孔を有する高分子合成樹
    脂膜が更に接合され、この閉領域形成用の高分子
    樹脂膜が前記微細連続気孔を有する高分子合成樹
    脂膜の少なくとも一部を塞いでいる特許請求の範
    囲第1項乃至第3項いずれかに記載の定着装置用
    塗布装置。 7 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    の前記閉領域は前記微細連続気孔の一部乃至全部
    を加熱加圧によつて潰す処理を受けている特許請
    求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の定着
    装置用塗布装置。 8 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    は微細連続気孔を有する弗素樹脂膜である特許請
    求の範囲第1項乃至第7項いずれかに記載の定着
    装置用塗布装置。 9 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    は微細連続気孔を有する4弗化エチレン樹脂膜で
    ある特許請求の範囲第8項記載の定着装置用塗布
    装置。 10 第1と第2のローラと、第1のローラにオ
    フセツト防止液を供給するための供給用回転体と
    を有する定着装置の供給用回転体に、微細連続気
    孔を有する高分子合成樹脂膜を当接し、該高分子
    合成樹脂膜および該供給用回転体を介して上記第
    1ローラにオフセツト防止液を供給する定着装置
    用塗布装置において、 上記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂膜
    は、上記供給用回転体にオフセツト防止液を供給
    するための開領域と、この開領域に隣接し、且
    つ、少なくとも上記供給用回転体の母線方向に関
    する両端部に設けられ、微細連続気孔の一部乃至
    全部を潰すか又は塞いで上記供給用回転体にオフ
    セツト防止液を供給しないか、わずかに供給する
    ための閉領域と、を有し、上記開領域の母線方向
    の長さは、第1ローラの通紙対応領域幅以上か、
    または、わずかに小さく設けられていることを特
    徴とする定着装置用塗布装置。 11 前記定着装置用塗布装置は、更に供給用回
    転体の母線方向と直交する方向の端部にも微細連
    続気孔の一部乃至全部を潰すか又は塞いだ閉領域
    を有し、前記開領域は、これらの閉領域により囲
    まれている特許請求の範囲第10項記載の定着装
    置用塗布装置。 12 前記開領域の前記供給用回転体の回転方向
    に関する幅は、前記供給用回転体の母線方向に関
    する中央部より、少なくとも一方の端部で狭くな
    つている特許請求の範囲第10項又は第11項に
    記載の定着装置用塗布装置。 13 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜の前記閉領域には目塗り剤が塗布されている特
    許請求の範囲第10項乃至第12項いずれかに記
    載の定着装置用塗布装置。 14 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜の前記閉領域には非孔材が接合されている特許
    請求の範囲第10項乃至第12項いずれかに記載
    の定着装置用塗布装置。 15 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜の前記閉領域には連続気孔を有する高分子合成
    樹脂膜が更に接合され、この閉領域形成用の高分
    子樹脂膜が前記微細連続気孔を有する高分子合成
    樹脂膜の少なくとも一部を塞いでいる特許請求の
    範囲第10項乃至第12項いずれかに記載の定着
    装置用塗布装置。 16 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜の前記閉領域は前記微細連続気孔の一部乃至全
    部を加熱加圧によつて潰す処理を受けている特許
    請求の範囲第10項乃至第12項いずれかに記載
    の定着装置用塗布装置。 17 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜は微細連続気孔を有する弗素樹脂膜である特許
    請求の範囲第10項乃至第16項いずれかに記載
    の定着装置用塗布装置。 18 前記微細連続気孔を有する高分子合成樹脂
    膜は微細連続気孔を有する4弗化エチレン樹脂膜
    である特許請求の範囲第17項記載の定着装置用
    塗布装置。
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