JP2010059129A - 新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 - Google Patents
新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010059129A JP2010059129A JP2008228602A JP2008228602A JP2010059129A JP 2010059129 A JP2010059129 A JP 2010059129A JP 2008228602 A JP2008228602 A JP 2008228602A JP 2008228602 A JP2008228602 A JP 2008228602A JP 2010059129 A JP2010059129 A JP 2010059129A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- formula
- integer
- atom
- aromatic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 C*c1ccccc1 Chemical compound C*c1ccccc1 0.000 description 2
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polyethers (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
Description
ランチポリマーを提案している。
従来より提案されていたプロトン伝導膜では、低湿度条件下におけるプロトン伝導度が必ずしも高くないという問題を有している。
そこで、本発明者らは、親水・疎水の差をより明確として、親水性ユニットに多くのスルホン酸を有するポリマーを使用することによって、スルホン酸が局所的かつ高密度に存在することにより、保水力が高まり低湿度条件下におけるプロトン伝導度の改善が期待されると考えた。
[1]下記式(1)で表されることを特徴とする芳香族化合物。
たは、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−から
なる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Ar1は芳香族基を示す。Xは、−CO−または−SO2−を示す。))
[2]下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを反応させる工程
、および、得られた反応生成物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させる工程を含むことを特徴とする[1]の芳香族化合物の製造方法。
基を示す。)
[3]下記一般式(I)で表されるスルホン酸構造単位を有することを特徴とするポリアリーレンエーテル。
合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−
からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Ar2はスルホン酸基を有する芳香
族基を示す。Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CF2)l
−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示
す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。R1〜R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。sは0〜4の整数を示す。)
[4]前記式(I)で表される構造単位とともに、下上記一般式(II)で表される構造を有する[3]のポリアリーレンエーテル。
、−SO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハ
ロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
てもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
[5]下記式(1)で表される芳香族化合物と、式(2-1)および(2-2)で表される化合物とを
反応させたのち、スルホン化することを特徴とするポリアリーレンエーテルの製造方法。
[6]前記[3]〜[4]のポリアリーレンエーテルを含有することを特徴とするプロトン伝導
膜。
<新規芳香族化合物>
本発明の芳香族化合物は、下記式(1)で表される(以下「モノマー(1)」ともいう)
。
でも、酸素原子が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−
O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。これらのなかでも、直接結合が好ましい。
どであり、これらの芳香族基は、水素原子が、メチル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。Ar1としては、フェニル基が好ましい。
製造方法
上記新規芳香族化合物は、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを反応させる工程(工程(i))、および、
得られた反応生成物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させる工程(工程(ii))から製造することができる。
工程(i):式(2)と(3)で表される化合物との反応工程
。)
-BRaの置換位置は特に制限されないが、通常、YHに対するp位が好ましい。
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン等の反応溶媒中、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、あるいは、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などのアルカリ金属化合物(以下、これらを総称して「アルカリ金属等」という。)の存在下で行われる。具体的には、炭酸カリウムが好適に使用される。
。このため、反応条件として、具体的には、60〜120℃で、6〜12時間、反応させることが望ましい。
得られた生成物は、式(5)で表される。
工程(ii):式(5)の反応生成物と式(4)化合物との反応
この式(5)で表される反応生成物を、式(4)で表される化合物と反応させる。
いが、通常、YHに対するo位が好ましい。
この反応は、芳香族求核置換反応であり、通常、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(
DMI)やトルエンなどの溶媒の存在下に行われる。また、塩基としては、前記同様にK2CO3などのアルカリ金属等が使用される。前記アルカリ金属等は、YH基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.8倍当量で用いられる。このとき、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの水と共沸する溶媒を共存させて、反応によって生成する水を系外へ除去しながら反応を行うことが好ましい。この反応は、式(4)の
化合物による立体障害を受けるため、比較的高温で長時間かけて行うことが好ましく、具体的には、200〜240℃で、36〜48時間、反応させることが望ましい。
芳香族化合物は、1H-NMR、13-C-NMRおよびIRスペクトルなどの公知の方法によって同
定される。
<ポリアリーレンエーテル>
本発明に係るポリアリーレンエーテルは、上記モノマー(1)から導かれる下記式(I
)で表される構造単位を有する共重合体であり、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−
O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。
フチル、スルホフェナンチル等が挙げられる。また、芳香族基はスルホン酸基を2個以上
有していてもよい。なお、スルホン酸基の結合位置は特に制限されない。
〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(
R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造の具体的な例として、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−C
R’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示
す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
R1〜R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
。
また、本発明では、前記式(I)で表される構造単位とともに、上記一般式(II)で表
される構造を有することが好ましい。このように、(II)で表される構造単位を有することで、親水・疎水の差がより明確となり、スルホン酸が局所的かつ高密度に存在することになるため、保水力が高まり低湿度条件下におけるプロトン伝導性を高くすることができる。
O−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化
炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造
の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
上記式(II)で表される構造単位として具体的には、以下のものが挙げられる。
本発明に係るポリアリーレンエーテルは、上記一般式(I)で表される構造単位が10〜
30モル%、一般式(II)で表される構造単位が70〜90モル%の比率で含有することが好ましく、より好ましくは、(I)で表される構造単位が18〜28モル%、(II)で表され
る構造単位が72〜82モル%の割合で含有することが望ましい。
強度や、耐湿性や耐熱性、耐薬品性などの化学的安定性にも優れたプロトン伝導膜を作製
できる。
製造方法
本発明にかかるポリアリーレンエーテルは、上記式(1)で表される芳香族化合物と、下
記式(2-1)および(2-2)で表される化合物とを反応させたのち、スルホン化することによって製造される。
化合物(2-1)として、具体的には、下記式(2-1-1)が挙げられ、化合物(2-2)として、具
体的には、下記式(2-2-1)が挙げられる。
この反応は、スルホラン、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、シクロヘキサン等の反応溶媒中、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、あるいは、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などのアルカリ金属化合物(以下、これらを総称して「アルカリ金属等」という。)の存在下で行われる。具体的には、炭酸カリウムが好適に使用される。
上記重合反応における反応温度は10〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃であり、反応時間は0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜18時間である。
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンエーテル系共重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p
.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.4
2,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Jap
an,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
<用途>
本発明に係るプロトン伝導膜は、スルホン酸基を有するポリアリーレンエーテルを含有する。また、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤などを含んでもよい。
クトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチ
ルイミダゾリジノン、アセトニトリル等の非プロトン系極性溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γーブチルラクトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、溶解性および溶液粘度の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう)が好ましい。
内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエ
リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシ
アヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)
などを挙げることができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各種物性は以下のようにして測定した。
<イオン交換容量>
プロトン伝導膜を十分に水洗して乾燥した後、所定量を秤量して水に投入した。次に、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
<プロトン伝導度>
1cm幅の短冊状のプロトン伝導膜を恒温恒湿装置中に試料を保持し、5Hzから100kHzの周波数で、白金線間の電気化学的インピーダンス測定(Hioki3532-80)から求めた。すなわち、2つの白金平板電極を有するtwo-point-probe伝導率セルを組立て、かかる、セ
ルを恒温恒湿装置に配置しインピーダンスを測定した。電極間距離(d)、膜厚(Ls)、膜
幅(Ws)および、測定された抵抗値から、下記式によって、プロトン伝導度(σ)を算
出した。
プロトン伝導度(σ)=d/(Ls・Ws・R)
湿度依存性の評価
プロトン伝導度の湿度依存性を評価するために、相対湿度を50%、70%、95%として、評価した。
<吸水率>
3cm四方の正方形のプロトン伝導膜を室温で24時間水中に浸漬したのち、膜を取り出し、すぐに水分を拭き取った後、重さを秤量して、重量変化から算出した。
(Wsは浸漬後の重量、Wdは浸漬前の乾燥重量)
湿度依存性の評価
吸水率の湿度依存性を評価するために、相対湿度を50%、70%、95%として、評価した。
同様に、プロトン伝導膜を室温で24時間水中に浸漬したのち、取り出し、水浸漬に伴う寸法変化(厚さと直径)を以下のようにして評価した。
Δl(直径)=(l-ls)/ls (lは浸漬後、lsは浸漬前の乾燥状態)
<酸化安定性>
3cm四方の正方形に加工した、プロトン伝導膜サンプルを、フェントン試薬(2ppmのFeSO4を含む3%過酸化水素水溶液)に80℃で1時間浸漬し、サンプルの重量および見かけの変化を評価した。
<分子量>
スルホン酸基含有ポリアリーレンエーテルの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、1.0mL/minの流速で、溶剤として臭化リチウム(0.01mol/L)を含むジメチルホルムアミド(DMF)を溶離液として使用し、2本のポリスチレンゲルカラムを供えたJASCO PU-2080Plusを用いたGPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
<熱分析>
Seiko EXSTAR 6000 TG/DTA 6300 サーマルアナライザーを用いて、10℃/minで示差熱-熱重量(TGおよびDTA)を測定し、Seiko EXSTAR 6000 DSC 6200 サーマルアナライザー
を用いて、10℃/minで窒素下、示差走査熱量(DSC)を測定した。
〔実施例1〕
4-メトキシフェノールとヘキサフルオロベンゼンとから合成した1,2,4,5-テトラフルオロ-3,6-ビス(4-メトキシフェノキシ)ベンゼン(以後化合物(1)という)およびカルシウムハイドライドで蒸留したジクロロメタンとN-メチル-2-ピロリドンを用意した。
1,2,4,5-テトラキス([1,1'-ビフェニル]-2-イロキシ)-3,6-ビス(4-メトキシフェノキシ)
ベンゼン(以後化合物(2)という)の合成
(2mmol)、2−フェニルフェノール2.04g(12mmol)、炭酸カリウム1.66g(12mmol)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン 8mLおよびトルエン5mLをはかりとった。窒素置換後、反応混合物を150℃で2時間加熱した。その後、トルエンを留去し、反応混合物を220℃で48時間加熱した。反応終了後、室温(28℃)に冷却し、反応混合
物を10%NaOH水溶液中に注いだ。沈殿物を濾過し、ジメチルホルムアミドに溶解させ、得られた溶液を、再度10%NaOH水溶液中に注いだ。生成した固形物を取り出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)によって、白色固体が得られるまで精製した。
IR (KBr, n, cm-1); 1250 (-O-), 2939 (-CH3).
1H NMR (CDCl3, d, ppm): 3.67 (s, 6 H), 6.38-6.49 (m, 8 H), 6.57 (d,
J = 8.0 Hz, 4 H), 6.87-6.97 (m, 12 H), 6.99-7.17 (m, 20 H).
13C NMR (CDCl3, d, ppm): 55.77, 114.13, 114.47, 117.18, 122.68, 126.65, 127.70, 128.06, 129.55, 130.70, 130.98, 137.62, 139.29, 140.18, 151.65, 154.01, 155.00.
組成式:(C68H50O8)であり、計算上C, 82.07 %、H, 5.06 %であり、元素分析では、C, 81.73 %、H, 5.25 %であった。
1,2,4,5-テトラキス([1,1'-ビフェニル]-2-イロキシ)-3,6-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン(以後化合物(3)という)の合成
水中で洗浄、MgSO4上で乾燥したのち、真空中で濃縮した。得られた固体を、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって、白色固体が得られるまで精製した。
IR (KBr, n, ); 1250 (-O-), 3417 (-OH).
1H NMR (CDCl3, d, ppm): 4.44 (s, 2 H), 6.32-6.42 (m, 8 H), 6.56 (d, J = 8.0 Hz, 4 H), 6.86-6.97 (m, 12 H), 6.98-7.19 (m, 20 H).
13C NMR (CDCl3, d, ppm): 114.48, 115.56, 117.38, 122.72, 126.66, 127.72, 128.06, 129.54, 130.70, 130.98, 137.60, 139.28, 140.15, 150.77, 151.71, 153.99.
組成式はC66H46O8であり、計算上C, 81.97 %; H, 4.79 %であり、元素分析では、C, 82.15 %; H, 5.06 %であった。
ポリエーテルエーテルスルホンの合成
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.40g(1.2 mmol)およびK2CO3 を0.62 g(4.5 mmol) 供給し、窒素置換後N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)3 mLおよびシクロヘキ
サン(3 mL)を添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。シクロヘキサンを除去し
たのち、反応温度を165℃ に上げ、さらに16時間反応を継続した。室温に冷却後、混合物をメタノールに注いだ。得られた繊維状ポリマーは、濾過したのち水および熱メタノール
で洗浄した。得られたポリマーは、100℃で8時間真空乾燥して、ポリエーテルエーテルスルホンを調製した。収率は、0.96 g (95 %)であった。
IRスペクトルおよび1H−NMRスペクトルから、得られたポリマーは、上記式で表さ
れる構造単位を有するものであることを確認した。
IR (KBr, n, cm-1); 1250 (-O-), 1327 (-SO2-).
ポリマーのスルホン化
拌した。反応終了後、混合物はヘキサンに注入した。得られたポリマーは、DMAcに溶解し、数滴の水およびトリメチルアミンを溶液に添加した。かかる溶液は室温で2時間攪拌し
たのち、2 M H2SO4 水溶液に注入した。得られたポリマーは、2 M H2SO4 水溶液および水で洗浄した。その後、ポリマーは、100℃で10時間真空乾燥した。得られたポリマーのI
Rスペクトルデータは以下のとおりであり、1H−NMRスペクトルを図2に示す。IR
スペクトルおよび1H−NMRスペクトルから、得られたポリマーは、上記式で表される
構造単位を有するものであることを確認した。IRスペクトルからは1119 cm-1にスルホン
酸由来の吸収が観測され、スルホン化の進行が確認された。
IR (KBr, n, cm-1); 1250 (-O-), 1327 (-SO2-), 1119 (-SO3H).
プロトン伝導膜の作製
得られたスルホン化ポリマーをNMPに溶解したのち、得られた溶液を濾過し、該溶液を
ガラス平板上に塗布し、60℃で3時間、80℃で3時間、100℃で3時間、120℃で1時間加熱した。その後、得られたフィルムを100℃で12時間真空乾燥した。
こうして作製されたプロトン伝導膜について、プロトン伝導度、吸水率、酸化安定性、熱分析評価を行った。結果を表1、図3および4に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、4,4'-ジクロロジフェニルスルホンの代りに、4,4'-ジフルオロジフェニルケトン0.33g(1.5mmol)使用した以外は、実施例1と同様にして、スルホン化ポリマーを作製した。
〔実施例3〕
実施例1において、上記化合物3を0.25g(0.26mmol)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを0.42g(1.24mmol)とした以外は、実施例1と同様にして、ス
ルホン化ポリマーを作製した。
〔実施例4〕
実施例2において、上記化合物3を0.36g(0.38mmol)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを0.38g(1.12mmol)とした以外は、実施例2と同様にして、ス
ルホン化ポリマーを作製した。
られた。同様に寸法変化に関しても同程度のIECで比較した場合、実施例1および3の方
が高い値を示し、IECの高いものが大きな寸法変化を示した。
が低下するに従って吸水率の減少が見られた。また、表1の結果と同様に実施例1および3のポリエーテルスルホンを有するものの方が高い吸水率を示した。
いずれも実施例も従来より使用されていたNafion117と同程度ないしそれ以上のプロトン
伝導度を有しており、特に実施例1および4は、50%から95%の広い相対湿度範囲で、Nafion117と同等の優れたプロトン伝導性が発揮された。
Claims (6)
- 下記一般式(I)で表されるスルホン酸構造単位を有することを特徴とするポリアリー
レンエーテル。
合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−
からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Ar2はスルホン酸基を有する芳香
族基を示す。Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CF2)l
−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示
す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。R1〜R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。sは0〜4の整数を示す。) - 前記式(I)で表される構造単位とともに、下記一般式(II)で表される構造を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のポリアリーレンエーテル。
、−SO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハ
ロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
s、tは0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示す。) - 請求項3〜4のいずれかに記載のポリアリーレンエーテルを含有することを特徴とするプロトン伝導膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008228602A JP2010059129A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008228602A JP2010059129A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010059129A true JP2010059129A (ja) | 2010-03-18 |
Family
ID=42186373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008228602A Pending JP2010059129A (ja) | 2008-09-05 | 2008-09-05 | 新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010059129A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103030808A (zh) * | 2011-09-29 | 2013-04-10 | 现代自动车株式会社 | 质子传导聚合物及其用途 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000082507A (ja) * | 1998-09-07 | 2000-03-21 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光電気化学電池 |
-
2008
- 2008-09-05 JP JP2008228602A patent/JP2010059129A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000082507A (ja) * | 1998-09-07 | 2000-03-21 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光電気化学電池 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6013042322; Macromolecules Vol.42, No.4, 2009, p.1161-6 * |
JPN6013042325; 第57回高分子討論会予稿集 Vol.57, No.2, 20080909, Disk1 * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103030808A (zh) * | 2011-09-29 | 2013-04-10 | 现代自动车株式会社 | 质子传导聚合物及其用途 |
KR101272940B1 (ko) | 2011-09-29 | 2013-06-12 | 주식회사 동진쎄미켐 | 양성자 전도성 고분자 및 이의 용도 |
DE102011089286B4 (de) * | 2011-09-29 | 2021-06-17 | Hyundai Motor Company | Protonenleitendes Polymer und dessen Verwendungen |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4131216B2 (ja) | ポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜 | |
JP4428181B2 (ja) | ニトリル型疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 | |
JP4600191B2 (ja) | 新規芳香族化合物、スルホン化ポリアリーレンおよびその用途 | |
JP2007291242A (ja) | 芳香族化合物及びスルホン化ポリアリーレン系重合体 | |
JP4356547B2 (ja) | スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 | |
JP4379130B2 (ja) | 直接メタノール型燃料電池用プロトン伝導膜およびその製造方法 | |
JP2007109472A (ja) | 燃料電池用膜−電極接合体 | |
JP4356546B2 (ja) | スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 | |
JP5417863B2 (ja) | ポリアリーレン系共重合体および固体高分子電解質 | |
JP4139967B2 (ja) | ポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜 | |
JP5597924B2 (ja) | 芳香族化合物およびスルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体、ならびにその用途 | |
JP2005154578A (ja) | 架橋型高分子電解質およびプロトン伝導膜 | |
JP4665396B2 (ja) | ミクロ相分離構造によりメタノール透過抑制が改良されたプロトン伝導膜 | |
JP4940549B2 (ja) | 新規スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその用途 | |
JP2010202866A (ja) | スルホン化ポリマー及びそれを用いたプロトン伝導膜 | |
JP2007332334A (ja) | ハイパーブランチ芳香族ポリマー | |
JP2010059129A (ja) | 新規芳香族化合物およびその製造方法、ポリアリーレンエーテルおよびプロトン伝導膜 | |
Zhang et al. | Synthesis and characterization of a new type of sulfonated poly (ether ether ketone ketone) s for proton exchange membranes | |
JP2006176665A (ja) | 新規スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその用途 | |
JP2006176682A (ja) | アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー | |
JP5262227B2 (ja) | 芳香族化合物、分岐状ポリアリーレン系共重合体およびそれを用いた固体高分子電解質膜 | |
JP2005112985A (ja) | 疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 | |
JP2005220193A (ja) | 重合体組成物およびプロトン伝導膜 | |
JP2005135652A (ja) | 高分子電解質組成物およびプロトン伝導膜 | |
JP2005239833A (ja) | スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびそれからなるプロトン伝導膜ならびにスルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110809 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110809 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130827 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130829 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131224 |