JP2010058395A - 剥離紙及びその製造方法、並びに剥離紙を用いた粘着シート及び粘着シート巻回体 - Google Patents

剥離紙及びその製造方法、並びに剥離紙を用いた粘着シート及び粘着シート巻回体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を得ることができる剥離紙及びその製造方法を提供する。また、両面接着用の粘着シートに適した剥離紙を容易に製造できる剥離紙の製造方法を提供する。さらに、透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を提供する。
【解決手段】剥離紙基材11の一方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層した剥離紙において、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Xを備え、該凹凸構造Xを構成する各凸部Tが窪み部を有さないことを特徴とする剥離紙10。
【選択図】図1

Description

本発明は、剥離紙及びその製造方法、並びに剥離紙を用いた粘着シート及び粘着シート巻回体に関する。
粘着シートは、常温で指圧程度の圧力で簡単に被着体に粘着できるものであり、商業用、事務用、工程管理用、物流管理用、家庭用等の広範囲にわたって、ラベル、シール、ステッカー、ワッペン、配送伝票等の形で使用されている。
粘着シートは一般的に、シート状の粘着シート基材と、該粘着シート基材上に積層された粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された剥離紙から構成されており、被着体に対して一旦粘着させた後に剥がして貼り直しできる再剥離性粘着シートのような弱粘着タイプのものから、強粘着タイプのものまで、粘着力のレベルの異なる種々の粘着シートが開発されている。このような片面接着用の粘着シートの他に、剥離紙の片面に粘着剤層が設けられた両面接着用の粘着シート等も開発されている。両面接着用の粘着シートは、通常、巻き回された状態で保管、使用される。
粘着シートには、被着体に貼付した際に空気(エアー)を巻き込み、被着体と粘着剤層との間にエアー溜まり、いわゆる「膨れ」ができやすく、外観を損ねるという問題がある。この問題は、特に、張り直し困難な強粘着タイプの粘着シートに顕著である。
その「膨れ」の生じる原因の1つとして、粘着剤層表面が通常、平坦であることが考えられている。そのため、この「膨れ」を改善するために、粘着剤層表面に凹凸構造を設けることが提案されている。これは、粘着剤層表面に凹凸構造を設けることにより、該粘着シートを被着体に貼付した際、粘着シートと被着体との間に、外部に通じる連通隙間が形成されるようにしてエアー抜き性を付与したもので、該連通隙間を通って、巻き込まれたエアーが外部に抜けるようになっている。
また、粘着剤層表面に凹凸構造を設けることで、被着体に対する剥離力を弱く調節することもできるようになる。
片面接着用の場合、凹凸構造を有する粘着シートは、一般的に、表面に凹凸構造を設けた剥離紙を使用し、剥離紙の凹凸構造が設けられた表面上に、粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた後に、該粘着剤層と粘着シート基材とを貼り合わすことで製造される。また、別途、粘着シート基材の一方の面上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた粘着シート本体を作製して、剥離紙の凹凸構造が粘着剤層に転写されるように剥離紙と粘着シート本体とを貼り合わすことでも製造できる。一方、両面接着用の粘着シートの場合は、剥離紙の凹凸構造が転写されるように粘着剤を剥離紙に塗布した後、巻き回して巻回体の形態にして製造される。
剥離紙は、紙などの剥離基材上に熱可塑性樹脂等からなる目止め層と、シリコーン等の剥離剤からなる剥離層とが順次積層した積層体となっている。そして、この積層体にエンボス加工を施すことで表面に凹凸構造を有する剥離紙が形成されている。(例えば特許文献1、2参照)。
そして、上述したように、剥離紙の剥離層上に粘着剤を塗布したり、剥離紙と粘着シート本体とを貼り合わせたりすることで、粘着剤層表面に剥離紙の凹凸構造が転写された、凹凸構造を有する粘着シートが得られる。
ところで、剥離紙をエンボス加工する方法としては、例えば雄雌型のエンボスロールで剥離紙を挟み、剥離紙の両面側から加圧することで剥離紙の表面に凹凸構造を形成させる方法が挙げられる。
しかし、雄雌型のエンボスロールでエンボス加工した剥離紙は、樹脂層及び剥離層が積層している側の剥離紙の表面のみならず、剥離紙の他方の面(裏面)にも凹凸構造が形成される。そのため、片面接着用の粘着シートの場合、保管等の目的で粘着シートを作製した後に巻き取ったり積み重ねたりすると、剥離紙の裏面に接する粘着シートの粘着シート基材表面に、剥離紙の裏面の凹凸構造が転写されることがあった。
粘着シート基材表面に凹凸構造が形成されると、粘着シート基材表面に印刷等を施す場合に、鮮明に印字されにくくなる。また、粘着シートを裁断・ダイカット加工する場合に、ダイカット刃の入り方が変わってくるため、切断されている部分と切断されていない部分が生じる、いわゆるダイカット不良が発生しやすかった。
そのため、粘着シート基材表面に剥離紙の裏面の凹凸構造が転写されるのを防ぐために、剥離紙の裏面に、熱可塑性樹脂等を塗布したり、フィルムをラミネートしたりして、剥離紙の裏面を平坦にする必要があった。しかし、樹脂を塗布したりフィルムをラミネートしたりする方法は製造工程数が増えるため、製造コストが上がったり、手間がかかったりしやすかった。
そこで、製造工程数を増やすことなく、剥離紙の裏面を平坦にする方法として、雄型のエンボスロールと表面が平坦な弾性ロールを使用し、樹脂層及び剥離層が積層している側の剥離紙の表面側にエンボスロールが、剥離紙の裏面側に弾性ロールが当接するように、2つのロール間を通過させてエンボス加工する方法(例えば特許文献3参照)や、剥離紙を加熱されたゴムロールとエンボスロールとの間で浮き出し加工し、凹凸構造を備えた剥離紙を製造する方法(例えば特許文献4参照)が提案されている。
実開平6−20043号公報 特開2003−336017号公報 特開平9−141812号公報 特表2002−544364号公報
しかしながら、雄雌型のエンボスロールで剥離紙をエンボス加工する方法や、特許文献3、4に記載のような方法で凹凸構造を形成させた剥離紙を用いた粘着シートは、粘着剤層の透明性が十分に得られにくかった。そのため、透明な粘着シート基材を備えた片面接着用の粘着シートを被着体に貼着した場合や、両面接着用の粘着シートを透明な被着体に貼着した場合、被着体の色や模様等が不鮮明になることがあった。
ところで、両面接着用の粘着シートを作製する場合は、剥離紙の裏面にもエアー抜きの凹凸構造を設ける必要がある。そのような剥離紙には表面と裏面とで粘着剤層に対する剥離力が異なることが求められる。剥離力を調節するには、表面と裏面とで剥離剤の種類、剥離層の厚さ、凹凸構造の形状等を変えることで達成される。
しかし、雄雌型のエンボスロールで剥離紙をエンボス加工する方法の場合、一度で剥離紙の両面に凹凸構造を形成できるものの、表面と裏面とに形成された凹凸構造は鍵と鍵穴の関係にあるため、形状の同じ凹凸構造が形成される。従って、凹凸構造の形状を変えることで剥離力の差異を調節することが困難であった。
また、特許文献3、4に記載のように、表面が平坦な弾性ロールと雄型のエンボスロールとを用いて凹凸構造を形成させる場合は、一旦、剥離紙の表面に凹凸構造を形成させた後に、剥離基材の裏面に同様にして新たな凹凸構造を形成させることは困難である。何故なら、熱可塑性樹脂が固化した樹脂層や、剥離層に凹凸構造を形成させるには、高い圧力(例えば1900N/cm)でエンボスロールを押し当てる必要がある。そのため、剥離紙の裏面に凹凸構造を形成させる際には、先に凹凸構造が形成された表面にも高い圧力で弾性ロールが押し当たることになる。その結果、剥離紙の表面に先に形成された凹凸構造が弾性ロールによって押し潰され、形状を維持することが困難であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を得ることができる剥離紙及びその製造方法を提供することを目的とする。また、両面接着用の粘着シートに適した剥離紙を容易に製造できる剥離紙の製造方法を提供することを目的とする。さらに、透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、粘着剤層の透明性が十分に得られにくくなる原因が、図10に示すように、剥離紙60の表面に形成された凹凸構造Xを構成する凸部Tの周縁の隆起部Rにあることを見出した。言い換えれば、凸部Tが凹み部Hを有することが、粘着剤層の透明性に影響を与えることを見出した。すなわち、凸部Tが凹み部Hを有する剥離紙を用いて粘着シートを作製すると、剥離層上に粘着剤を塗布したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しにくく微小エアー溜りを生じることとなり、その結果、粘着剤層に均一な凹凸構造が転写されにくくなり、粘着剤層の透明性が低下しやすくなる。そこで、凸部Tが凹み部Hを有さない構造とすればよいとの着想に基づき、本発明の剥離紙を完成するに至った。
また、凸部Tの周縁が隆起する原因を検討した結果、雄雌型のエンボスロールで剥離紙をエンボス加工する方法や、特許文献3、4に記載のような方法では、熱可塑性樹脂が固化した樹脂層や、剥離層にエンボスロールを押し当てているので、凹凸が形成するに際して体積の逃げ場がなく、その結果、凸部Tの周縁が隆起することを見出した。そこで、本発明者らは、凸部Tの周縁が隆起することを防ぐ手段を検討した。その結果、熱可塑性樹脂の固化が完了する前に、凹凸構造を形成させればよいとの着想に基づき、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を採用した。
[1]剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層した剥離紙において、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Xを備え、該凹凸構造Xを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする剥離紙。
ただし、凸部Tとは、凹凸構造Xをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、凹凸構造Xの深さ方向を上下方向としたときの最下部から上方向に10μm離れた地点を基準点とし、該基準点を通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線をプラスの傾きで横切る点から、マイナスの傾きで横切る点までの上側部分のことであり、窪み部Hとは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことである。
[2]前記熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面が平坦であることを特徴とする[1]に記載の剥離紙。
[3]前記剥離紙基材の他方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層し、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Yを備え、該凹凸構造Yを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする[1]に記載の剥離紙。
ただし、凸部Tとは、凹凸構造Yをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、凹凸構造Yの深さ方向を上下方向としたときの最下部から上方向に10μm離れた地点を基準点とし、該基準点を通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線をプラスの傾きで横切る点から、マイナスの傾きで横切る点までの上側部分のことであり、窪み部Hとは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことである。
[4][1]または[2]に記載の剥離紙と、粘着シート基材の片面に粘着剤層を備えた粘着シート本体とが、剥離紙の剥離層及び粘着シート本体の粘着剤層を内側にして積層されていることを特徴とする粘着シート。
[5]剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層と剥離層とが順次積層した第1の剥離紙と第2の剥離紙とが、粘着剤層を介して剥離層を内側として積層され、前記第1の剥離紙と第2の剥離紙が[1]または[2]に記載の剥離紙であり、第1の剥離紙と第2の剥離紙の、前記粘着剤層に対する剥離力が異なることを特徴とする粘着シート。
[6][3]に記載の剥離紙と、粘着剤層とからなる粘着シートを有し、該粘着シートが巻き回されていることを特徴とする粘着シート巻回体。
ただし、前記剥離紙の剥離層B側の面における前記粘着剤層に対する剥離力と、剥離層B側の面における前記粘着剤層に対する剥離力とが異なり、剥離力の大きい面の剥離層上に前記粘着剤層が設けられ、剥離力が小さい面の剥離層を外側として巻き回されているものとする。
[7]剥離紙基材の一方の面上に、第1の熱可塑性樹脂を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造X’を有する冷却ロールとの間を、前記第1の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材上に、凹凸構造Xを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する第1の工程と、前記積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Xが形成された表面上に、該凹凸構造Xを保持するように、第1の剥離剤を塗布して剥離層Bを形成する第2の工程とを備えることを特徴とする剥離紙の製造方法。
ただし、前記凹凸構造X’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Xは、前記凹凸構造X’が反転した構造である。
[8]前記凹凸構造Xの最下部から10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)であり、該2n角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、前記第2の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、前記熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Xを形成することを特徴とする[7]に記載の剥離紙の製造方法。
[9]前記第2の工程の後に、剥離紙基材の他方の面上に、さらに第2の熱可塑性樹脂を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造Y’を有する冷却ロールとの間を、前記第2の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材の他方の面上に、凹凸構造Yを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する第3の工程と、前記積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Yが形成された表面上に、該凹凸構造Yを保持するように、第2の剥離剤を塗布して、前記剥離層Bとは剥離力の異なる剥離層Bを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする[7]または[8]に記載の剥離紙の製造方法。
ただし、前記凹凸構造Y’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Yは、前記凹凸構造Y’が反転した構造である。
[10]前記凹凸構造Yの最下部から10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)であり、該2n角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、前記第4の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、前記熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Yを形成することを特徴とする[9]に記載の剥離紙の製造方法。
本発明の剥離紙によれば、透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を得ることができる。
また、本発明の剥離紙の製造方法によれば、上記発明の剥離紙を製造することができる。また、両面接着用の粘着シートに適した剥離紙を容易に製造できる。従って、本発明によれば、片面接着用の粘着シートにも両面接着用の粘着シートにも好適な剥離紙を容易に製造できる。
さらに、本発明の粘着シート、及び粘着シート巻回体は、透明性に優れた粘着剤層を備えたものである。
[剥離紙]
<第1の実施形態>
本発明の剥離紙の一実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、以下の説明で使用する図面の剥離紙基材、熱可塑性樹脂層、剥離層、粘着剤層、及び粘着シート基材の厚さの比率は実際のものと異なる。また、図2〜11において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略することがある。
図1は、本発明の剥離紙の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。この剥離紙10は、剥離紙基材11と、該剥離紙基材11の一方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層している。また、図2は、図1の剥離層Bの表面を実際にレーザー顕微鏡で測定した際の一例を示す断面イメージである。
本実施形態の剥離紙10は、熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の剥離紙10の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Xを備えている。凹凸構造Xは、複数の凸部Tと、これに隣接する複数の凹部Sより構成されている。
本発明において「凸部T」とは、凹凸構造Xをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、以下に示すように定義されるものである。
すなわち、図2に示すように、凹凸構造Xの深さ方向(剥離紙10の全体面と垂直な方向)を上下方向としたときの最下部αから上方向に10μm離れた地点を基準点βとし、該基準点βを通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線Lをプラスの傾きで横切る点LX1から、マイナスの傾きで横切る点LX2までの上側部分(図2の斜線部分)を「凸部T」とする。なお、図2に示すような断面イメージは、後述する最頻深さを求める方法と同様にして得られる。
また、本発明において「凹部S」とは、凸部T以外の領域のことである。凹凸構造Xは複数の凹部Sが各々独立して分散して配置されているものであることが好ましい。その場合、複数の凸部Tに囲まれている領域となる。
凹凸構造Xの最頻ピッチは、図2のピッチP(隣接する凸部T同士の距離)の最頻値に相当する。また、凹凸構造Xの最頻深さは、図2の深さD(剥離紙10の全体面と垂直な方向における、任意の凸部T’の最上部γ’と、該凸部T’に隣接する凹部S’の最下部α’の距離)の最頻値に相当する。
凹凸構造Xの最頻ピッチは、具体的には下記方法により測定される値である。
まず、凹凸構造Xが存在する面において、一辺が5mm程度の正方形の領域を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡で測定したイメージを得る。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、レンズ倍率が200〜2000倍であることが好ましく、測定ピッチが150〜2000μmであることが好ましい。なお、イメージは、剥離紙の面を垂直に見る方向から取得する。
そして、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得る。次いで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求める。こうして求められた距離の逆数がこの領域における最頻ピッチである。このような処理を無作為に選択された合計25カ所の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチを求める。こうして得られた25カ所の領域における各最頻ピッチの平均値が、凹凸構造Xの最頻ピッチである。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、5mm〜1cm離れて選択されることがより好ましい。
凹凸構造Xの最頻ピッチは、100〜2000μmであり、150〜1000μmであることが好ましく、200〜600μmであることがより好ましい。最頻ピッチが100μm以上であることにより、得られる剥離紙を用いて粘着シートを作製した際に、エアー抜き性を確保できると共に、粘着剤の接触面積が増えるため十分な接着力が得られるようになる。また、最頻ピッチが2000μm以下であることにより、凹凸構造Xが肉眼で視認できなくなると共に、必要以上に粘着剤の接触面積が増えるのを防げるので、エアー抜き性を維持できる。
凹凸構造Xの最頻深さは、具体的には下記方法により測定される値である。
まず、剥離紙の面に対して垂直な面で切断して凹凸構造Xの断面を得る。この断面において、5つの凸部Tを観察できるような正方形の領域(一辺が凹凸構造Xの最頻ピッチの5〜10倍となる正方形の領域)を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡で測定した断面イメージを得る。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、最頻ピッチの場合と同様である。
そして、この断面イメージから、図2のようにしてDのデータを5つ読み取る。すなわち、任意の凸部T’の最上部γ’と、該凸部T’に隣接する凹部S’の最下部α’の距離をDとする。同様にして、合計5枚のレーザー顕微鏡のイメージから、各々5つ、全部で25のDのデータを得る。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、5mm〜1cm離れて選択されることがより好ましい。
そして、2次元フーリエ変換像の赤道方向プロファイルを作成し、その一次ピークの逆数から、凹凸構造Xの最頻深さのデータを求める。
凹凸構造Xの最頻深さは、10〜140μmであり、11〜50μmであることが好ましく、15〜40μmであることがより好ましい。最頻深さが10μm以上であることにより、得られる剥離紙を用いて粘着シートを作製した際に、エアー抜き性を確保できる。また、最頻深さが140μm以下であることにより、粘着剤の粘着力の低下を抑制し、被着体への接着後の外観を良好に維持できる。
凹凸構造Xの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状は、正三角形、正四角形、正六角形などの正多角形やその変形(長方形や二等辺三角形など)を選択でき、また円形や楕円形であってもよいが、特に、2n角形(nは正の整数)が好ましい。
なお、凹凸構造Xの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面は、図2に示す基準線Lを含む面である。
本発明の剥離紙10は、凹凸構造Xを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする。
本発明において「窪み部H」とは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことである。以下、図面を用いて具体的に説明する。
例えば特許文献3に記載のような方法でエンボス加工を施すと、図10に示すような剥離紙60が得られる。この剥離紙60の凹凸構造Xをレーザー顕微鏡で測定すると、図11に示すような断面イメージが得られる。この断面イメージにおいて、傾きがマイナスからプラスに転じる点を転化点Cとし、該転化点Cを有する凸部Tの最上部γとの高低差ΔGが5μm以上である転化点C前後の、傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域を窪み部Hとする。
ここで、図10は特許文献3に記載の方法で得られる剥離紙の断面構造の一例を示すための模式的な断面図であり、図11は、図10の剥離層Bの表面を実際にレーザー顕微鏡で測定した際の一例を示す断面イメージである。
窪み部Hは、エンボス加工により凹凸が形成されるに際して、凹部に相当する部分の体積の逃げ場がないために、図10に示すように、凸部Tの周縁が隆起して隆起部Rが形成されることで得られ、隆起部Rに囲まれた内側が窪み部Hに相当する。
窪み部Hを有する剥離紙を用いて粘着シートを作製すると、剥離層上に粘着剤層を形成したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しにくくなり、その結果、粘着剤層に均一な凹凸構造が転写されにくくなり、粘着剤層の透明性が低下し易くなる傾向にある。
しかし、図1に示すように、本発明の剥離紙10であれば、凹凸構造Xを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないので、剥離層上に粘着剤を塗布したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しやすい。従って、粘着剤層に均一な凹凸構造が転写され、粘着剤層の透明性を良好に維持できるものと考えられる。
なお、窪み部Hの有無は、上述した最頻深さの測定方法と同様にしてレーザー顕微鏡で凹凸構造を測定し、得られた断面イメージより確認できる。
本発明の剥離紙10を構成する材料は、剥離紙の用途に応じて適宜選択できる。
剥離紙基材11としては、例えばプラスチックフィルム、紙類を用いることができる。
プラスチックフィルムを構成する材料としては、後述する熱可塑性樹脂層Aを構成する熱可塑性樹脂よりも融点温度が高いものが好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
紙類としては、例えば、キャストコート紙、アート紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙等が挙げられる。
また、剥離紙基材11として、蒸着紙、合成紙、布不織布、金属ホイル等も使用できる。
剥離紙基材11は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の剥離紙基材としては、上述したプラスチックフィルムや紙類に、カール防止剤層や目止め用のアンダーコート層を積層させた積層体が挙げられる。また、多層構造の剥離紙基材の場合、熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側(裏側)の最外層が、熱可塑性樹脂等の樹脂を塗布して形成される樹脂層であることが好ましい。該樹脂層を構成する樹脂と、後述する熱可塑性樹脂層Aを構成する樹脂とは同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
剥離紙基材11の厚さは7〜500μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、50〜170μmであることがさらに好ましい。剥離紙基材11の厚さが7μm以上であれば、最頻ピッチと最頻深さが上記範囲内で最小値となるような最小の凹凸構造Xを形成する場合でも、安定してラミネート加工等を施すことができ、凹凸構造Xを容易に形成することができる。また、厚さが500μm以下であれば、剥離紙を製造する際の加工速度、剥離紙の巻き長さ、樹脂の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
熱可塑性樹脂層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルや、ポリ塩化ビニル等が挙げられるが、特に限定するものではない。
熱可塑性樹脂層Aの厚さは10〜160μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、20〜50μmであることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂層Aの厚さが10μm以上であれば、最頻ピッチと最頻深さが上記範囲内で最小値となるような最小の凹凸構造Xを形成する場合でも、安定してラミネート加工等を施すことができ、凹凸構造Xを容易に形成することができる。また、厚さが160μm以下であれば、剥離紙を製造する際の加工速度、剥離紙の巻き長さ、樹脂の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
剥離層Bを構成する剥離剤としては、例えばシリコーン系樹脂、各種ワックス類、アルキッド樹脂、アルキッド変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フッ素系樹脂、長鎖アルキルペンダント型剥離剤等が挙げられるが、特に限定するものではない。
剥離層Bの厚さは、剥離剤を塗布し、乾燥させたときの質量(乾燥質量)に換算でき、乾燥質量が0.1〜5.0g/mであることが好ましく、0.3〜3.0g/mであることがより好ましく、0.5〜2.0g/mであることがさらに好ましい。乾燥質量が0.1g/m以上であれば、最頻ピッチと最頻深さが上記範囲内で最小値となるような最小の凹凸構造Xを形成する場合でも、安定した剥離力が得られる。また、乾燥質量が5.0g/m以下であれば、剥離剤の塗布スピード、剥離剤の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
図1に示す剥離紙10は、熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面(剥離紙10の裏面)が平坦であることが好ましい。剥離紙10の裏面が平坦であれば、粘着シートを作製し、保管等の目的で巻き取ったり積み重ねたりしても、剥離紙の裏面に接する粘着シート表面を平坦な状態で維持できる。特に、剥離紙基材11の裏側の最外層が樹脂層である剥離紙基材11を用いれば、剥離紙10の裏面をより平坦にしやすい。
本発明において、「平坦」とは、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500)で測定される表面粗さRaが2.5μm以下のことである。また、本発明においては、剥離紙10の裏面が平坦な場合、旭精工社製の「王研式平滑度計(型式KB2S)」で測定される平滑度が300秒以上であることが好ましく、1000秒以上であることがより好ましい。
(剥離紙の製造方法)
図1に示す剥離紙10は、以下のようにして製造できる。ここで、本発明の剥離紙の製造方法の一例を、図3を用いて具体的に説明する。
まず、剥離紙基材11の一方の面上に、第1の熱可塑性樹脂12を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロール13と、表面に凹凸構造X’を有する冷却ロール14との間を、前記第1の熱可塑性樹脂12が塗布された面が冷却ロール14に当接するように通過させることにより、剥離紙基材11上に、凹凸構造Xを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する(以上を第1の工程とする。)。積層体Mは、冷却ロール14の押圧ロール13と反対側に配置された剥離ロール15により、冷却ロール14から引き離される。
凹凸構造X’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Xは、前記凹凸構造X’が反転した構造である。なお、凹凸構造X’の最頻ピッチ及び最頻高さは、凹凸構造Xの最頻ピッチ及び最頻高さと同様にして測定される値である。
次いで、第1の工程で得られた積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Xが形成された表面上に、該凹凸構造Xを保持するように、第1の剥離剤を塗布して剥離層Bを形成し(以上を第2の工程とする。)、剥離紙を得る。
第1の熱可塑性樹脂12を塗布する方法としては、第1の熱可塑性樹脂12を加熱溶融し、剥離紙基材11上に押出してラミネートする方法や、水や有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂を用いる場合はこれらに溶解して、スプレー塗布、バーコーター、グラビアコーター等、公知の方法を採用できるが、図3に示すように、押出機16にて溶融した第1の熱可塑性樹脂12を押出してラミネートする方法が好ましい。
また、第1の剥離剤を塗布する方法としては、スプレー塗布、バーコーター、グラビアコーター、キスコーター、エアーナイフ、ブレードコーター、コンマコーター、ダイコーター、ロールコーター等が挙げられるが、特に限定するものではない。
第1の工程において、押圧ロール13の圧力、樹脂温度、加工速度等の条件は、剥離紙基材の厚さや得られる剥離紙の使用目的に応じて適宜設定される。
圧力条件は、30〜100N/cmが好ましい。
温度条件は、280〜350℃が好ましい。
速度条件は、2〜500m/分が好ましい。
第2の工程において、凹凸構造Xを保持するように第1の剥離剤を塗布できれば、塗布条件については特に制限されないが、第1の剥離剤の塗布量は0.1〜2.0g/mが好ましく、塗布スピードは2〜500m/分が好ましく、10〜300m/分がより好ましく、10〜150m/分がさらに好ましい。
また、凹凸構造Xを保持するように第1の剥離剤を塗布するには、例えば図2に示す凹凸構造Xの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)の場合、図4に示すように、2n角形(四角形)の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、第2の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、第1の工程において、熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Xを形成するのが好ましい。
これにより、凹部S内に均一に剥離剤が浸透しやすくなるので、熱可塑性樹脂層Aの凹凸構造Xを保持しつつ、熱可塑性樹脂層A上に剥離層Bを形成できる。
なお、最外層が樹脂層である多層構造の剥離紙基材を用いる場合は、そのような多層構造の剥離紙基材を準備して剥離紙の製造に用いてもよいし、第1の工程の後に、剥離紙基材の本体となるプラスチックフィルムや紙類の裏側に樹脂を塗布して樹脂層を形成し、最終的にプラスチックフィルムや紙類などの本体と樹脂層からなる剥離紙基材としてもよい。
樹脂層を形成する際は、樹脂を塗布した後、直ちに表面が平坦な押圧ロールと、表面が平坦な冷却ロールとの間を、樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させればよい。
本発明の剥離紙の製造方法であれば、熱可塑性樹脂の固化が完了する前に、凹凸構造を形成できるので、凹部に相当する部分の体積の逃げ場が確保されやすい。従って、凹部の周縁部が隆起しにくく、図1に示すような断面図の凹凸構造を剥離紙の表面に容易に形成できる。
また、このようにして得られた剥離紙は、熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面(剥離紙の裏面)が平坦であるため、粘着シートを作製し、保管等の目的で巻き取ったり積み重ねたりしても、剥離紙の裏面に接する粘着シート表面を平坦な状態で維持できる。従って、本発明の剥離紙は片面接着用の粘着シートに特に適している。また、本発明の剥離紙を2枚用いれば、両面接着用の粘着シートにも好適である。
<第2の実施形態>
図5は、本発明の剥離紙の断面構造の他の例を示すための模式的な断面図である。この例の剥離紙20は、剥離紙基材21と、該剥離紙基材21の一方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層し、剥離紙基材21の他方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層している。また、図6は、図5の剥離層Bの表面を実際にレーザー顕微鏡で測定した際の一例を示す断面イメージである。
図5に示す剥離紙20が、上述した第1の実施形態の剥離紙10と異なるところは、剥離紙基材21の他方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層している点であるので、上述した第1の実施形態の剥離紙10と同じところについての説明を省略し、異なるところのみ説明する。
本実施形態の剥離紙20は、熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の剥離紙20の表面(剥離紙の裏面)に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Yを備えている。凹凸構造Yは、複数の凸部Tと、これに隣接する複数の凹部Sより構成されている。
本発明において「凸部T」とは、凹凸構造Yをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、以下に示すように定義されるものである。
すなわち、図6に示すように、凹凸構造Yの深さ方向(剥離紙20の全体面と垂直な方向)を上下方向としたときの最下部αから上方向に10μm離れた地点を基準点βとし、該基準点βを通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線Lをプラスの傾きで横切る点LY1から、マイナスの傾きで横切る点LY2までの上側部分(図6の斜線部分)を「凸部T」とする。なお、図6に示すような断面イメージは、後述する最頻深さを求める方法と同様にして得られる。
また、本発明において「凹部S」とは、凸部T以外の領域のことである。凹凸構造Yは複数の凹部Sが各々独立して分散して配置されているものであることが好ましい。その場合、複数の凸部Tに囲まれている領域となる。
凹凸構造Yの最頻ピッチは、図6のピッチP(隣接する凸部T同士の距離)の最頻値に相当する。また、凹凸構造Yの最頻深さは、図6の深さD(剥離紙20の全体面と垂直な方向における、任意の凸部T’の最上部γ’と、該凸部T’に隣接する凹部S’の最下部α’の距離)の最頻値に相当する。
凹凸構造Yの最頻ピッチは、具体的には下記方法により測定される値である。
まず、凹凸構造Yが存在する面において、一辺が5mm程度の正方形の領域を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡で測定したイメージを得る。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、レンズ倍率が200〜2000倍であることが好ましく、測定ピッチが150〜2000μmであることが好ましい。なお、イメージは、剥離紙の面を垂直に見る方向から取得する。
そして、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得る。次いで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求める。こうして求められた距離の逆数がこの領域における最頻ピッチである。このような処理を無作為に選択された合計25カ所の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチを求める。こうして得られた25カ所の領域における各最頻ピッチの平均値が、凹凸構造Xの最頻ピッチである。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、5mm〜1cm離れて選択されることがより好ましい。
凹凸構造Yの最頻ピッチは、100〜2000μmであり、150〜1000μmであることが好ましく、200〜600μmであることがより好ましい。最頻ピッチが100μm以上であることにより、得られる剥離紙を用いて粘着シート巻回体を作製した際に、エアー抜き性を確保できると共に、粘着剤の接触面積が増えるため十分な接着力が得られるようになる。また、最頻ピッチが2000μm以下であることにより、凹凸構造Yが肉眼で視認できなくなると共に、必要以上に粘着剤の接触面積が増えるのを防げるので、エアー抜き性を維持できる。
凹凸構造Yの最頻深さは、具体的には下記方法により測定される値である。
まず、剥離紙の面に対して垂直な面で切断して凹凸構造Yの断面を得る。この断面において、5つの凸部Tを観察できるような正方形の領域(一辺が凹凸構造Yの最頻ピッチの5〜10倍となる正方形の領域)を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡で測定した断面イメージを得る。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、最頻ピッチの場合と同様である。
そして、この断面イメージから、図6のようにしてDのデータを5つ読み取る。すなわち、任意の凸部T’の最上部γ’と、該凸部T’に隣接する凹部S’の最下部α’の距離をDとする。同様にして、合計5枚のレーザー顕微鏡のイメージから、各々5つ、全部で25のDのデータを得る。なお、この際、各領域同士は、少なくとも1mm離れて選択されることが好ましく、5mm〜1cm離れて選択されることがより好ましい。
そして、2次元フーリエ変換像の赤道方向プロファイルを作成し、その一次ピークの逆数から、凹凸構造Xの最頻深さのデータを求める。
凹凸構造Yの最頻深さは、10〜140μmであることが好ましく、11〜50μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましい。最頻深さが10μm以上であることにより、得られる剥離紙を用いて粘着シート巻回体を作製した際に、エアー抜き性を確保できる。また、最頻深さが140μm以下であることにより、粘着剤の粘着力の低下を抑制し、被着体への接着後の外観を良好に維持できる。
凹凸構造Yの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状は、正三角形、正四角形、正六角形などの正多角形やその変形(長方形や二等辺三角形など)を選択でき、また円形や楕円形であってもよいが、特に、2n角形(nは正の整数)が好ましい。
なお、凹凸構造Yの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面は、図6に示す基準線Lを含む面である。
本発明の剥離紙10は、凹凸構造Yを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする。
本発明において「窪み部H」とは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことであり、その概念は「窪み部H」と同様である。
本発明の剥離紙20は、凹凸構造Yを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないので、剥離層上に粘着剤を塗布したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しやすい。従って、粘着剤層に均一な凹凸構造が転写され、粘着剤層の透明性を良好に維持できるものと考えられる。
なお、深み部Hの有無は、上述した最頻深さの測定方法と同様にしてレーザー顕微鏡で凹凸構造を測定し、得られた断面イメージより確認できる。
本発明の剥離紙20を構成する材料は、剥離紙の用途に応じて適宜選択できる。
剥離紙基材21、及び熱可塑性樹脂層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、第1の実施形態で説明した剥離紙基材、及び熱可塑性樹脂層Aと同様のものが挙げられる。
また、剥離紙基材21は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の剥離紙基材としては、上述したプラスチックフィルムや紙類に、カール防止剤層や目止め用のアンダーコート層を積層させた積層体が挙げられる。
剥離紙基材21の厚さは7〜500μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、50〜170μmであることがさらに好ましい。剥離紙基材11の厚さが7μm以上であれば、最頻ピッチと最頻深さが上記範囲内で最小値となるような最小の凹凸構造Yを形成する場合でも、安定してラミネート加工等を施すことができ、凹凸構造Yを容易に形成することができる。また、厚さが500μm以下であれば、剥離紙を製造する際の加工速度、剥離紙の巻き長さ、樹脂の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
熱可塑性樹脂層Aの厚さは10〜160μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましく、20〜50μmであることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂層Aの厚さが10μm以上であれば、最頻ピッチと最頻深さが上記範囲内で最小値となるような最小の凹凸構造Yを形成する場合でも、安定してラミネート加工等を施すことができ、凹凸構造Yを容易に形成することができる。また、厚さが160μm以下であれば、剥離紙を製造する際の加工速度、剥離紙の巻き長さ、樹脂の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
剥離層Bを構成する剥離剤としては、第1の実施形態で説明した剥離剤と同様のものが挙げられる。
剥離層Bの厚さは、乾燥質量で0.1〜5.0g/mであることが好ましく、0.3〜3.0g/mであることがより好ましく、0.5〜2.0g/mであることがさらに好ましい。乾燥質量が0.1g/m以上であれば、剥離剤を均一に塗布することができ、適度に剥離力を制御することができる。また、乾燥質量が5.0g/m以下であれば、剥離剤の塗布スピード、剥離剤の塗布量などによるコスト軽減の観点で、効率的に剥離紙を製造できる。
本発明の剥離紙20は、両面に凹凸構造が形成されているため、両面接着用の粘着シートの用途に好適である。特に、粘着シートを構成する粘着剤層に対する、剥離紙20の剥離層B側の面(剥離紙の表面)における剥離力と、剥離層B側の面(剥離紙の裏面)における剥離力とが異なることが好ましい。剥離力の差は、剥離力の大きい方が小さい方の1.2〜10.0倍であることが好ましく、1.5〜3.0倍であることがより好ましい。
剥離力は、剥離剤の種類、剥離層の厚さ、凹凸構造の形状等を変えることで調節できる。
(剥離紙の製造方法)
図5に示す剥離紙20は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、第1の実施形態の剥離紙を製造する場合と同様にして、第1の工程及び第2の工程を実施し、剥離紙基材21の一方の面上に、熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bを形成させる。
次いで、第2の工程の後に、剥離紙基材21の他方の面上に、さらに第2の熱可塑性樹脂を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造Y’を有する冷却ロールとの間を、前記第2の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材21の他方の面上に、凹凸構造Yを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する(以上を第3の工程とする。)。
第3の工程は、図3に示すような第1の工程と同様にして実施すればよい。また、第3の工程において、押圧ロール13の圧力、樹脂温度、加工速度等の条件は、第1の工程の条件と同様である。
凹凸構造Y’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Xは、前記凹凸構造Y’が反転した構造である。なお、凹凸構造Y’の最頻ピッチ及び最頻高さは、凹凸構造Yの最頻ピッチ及び最頻高さと同様にして測定される値である。
次いで、第3の工程で得られた積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Yが形成された表面上に、該凹凸構造Yを保持するように、第2の剥離剤を塗布して剥離層Bを形成し(以上を第4の工程とする。)、剥離紙を得る。
第4の工程において、凹凸構造Yを保持するように第2の剥離剤を塗布できれば、塗布条件については特に制限されないが、第2の剥離剤の塗布量は0.1〜2.0g/mが好ましく、塗布スピードは2〜500m/分が好ましく、10〜300m/分がより好ましく、10〜150m/分がさらに好ましい。
また、第4の工程において、凹凸構造Yを保持するように第2の剥離剤を塗布するには、例えば図6に示す凹凸構造Yの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)の場合、図4に示すように、2n角形(四角形)の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、第4の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、第3の工程において、熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Yを形成するのが好ましい。
これにより、凹部S内に均一に剥離剤が浸透しやすくなるので、熱可塑性樹脂層Aの凹凸構造XY保持しつつ、熱可塑性樹脂層A上に剥離層Bを形成できる。
本発明の剥離紙の製造方法であれば、熱可塑性樹脂の固化が完了する前に、凹凸構造を形成できるので、凹部に相当する部分の体積の逃げ場が確保されやすい。従って、凹部の周縁部が隆起しにくく、図5に示すような断面図の凹凸構造を剥離紙の両面に容易に形成できる。
従って、本発明であれば、両面接着用の粘着シートに適した剥離紙を容易に製造できる。
ところで、雄雌型のエンボスロールで剥離紙をエンボス加工する従来の方法では、表面と裏面とに形成された凹凸構造は鍵と鍵穴の関係にあるため、形状の同じ凹凸構造が形成される。従って、凹凸構造の形状で剥離力を調節することが困難であった。
また、特許文献3、4に記載のように、表面が平坦な弾性ロールと雄型のエンボスロールとを用いて凹凸構造を形成させる方法では、熱可塑性樹脂が固化した樹脂層や、剥離層に凹凸構造を形成させるので、高い圧力でエンボスロールを押し当てる必要がある。そのため、剥離紙の裏面に凹凸構造を形成させる際に、凹凸構造が形成した表面にも高い圧力で弾性ロールが押し当たり、剥離紙の表面に形成された凹凸構造が弾性ロールによって押し潰され、形状が変形するため、剥離紙の両面に凹凸構造を形成させるのが困難であった。
しかし、本発明の剥離紙の製造方法であれば、第1の工程と第3の工程で用いる冷却ロールの表面の凹凸構造X’及びY’の形状(最頻ピッチや最頻高さ等)を変えることで、剥離紙の表面と裏面に形成される凹凸構造を容易に変えることができる。従って、剥離剤の種類や剥離層の厚さを変えることだけでなく、凹凸構造の形状を変えることでも、剥離紙の表面と裏面の剥離力を調節することができる。
また、本発明であれば、熱可塑性樹脂の固化が完了する前に、凹凸構造を形成させるので、第1の工程及び第3の工程での圧力条件を比較的低く設定できる。従って、剥離紙の裏面に凹凸構造Yを形成させる際に、凹凸構造Xが形成した表面に押圧ロールが当接しても凹凸構造Xが押圧ロールによって押し潰されるのを軽減できる。よって、凹凸構造Xの形状が変形するのを防ぐことができるので、十分なエアー抜き性を有する粘着シートが得られる。
[粘着シート]
<第1の実施形態:片面接着用>
本発明の粘着シートの一実施形態について説明する。
図7(a)に、本実施形態の粘着シートの一例を示す。図7(a)は、本発明の粘着シート30の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。この粘着シート30は片面接着用であり、上述した第1の実施形態の剥離紙10と、粘着シート基材31の片面に粘着剤層32を備えた粘着シート本体33とが、剥離紙10の剥離層B、及び粘着シート本体33の粘着剤層32を内側にして積層されている。
粘着シート基材31としては、紙類、フィルム類等の、粘着シート分野で公知の支持体が使用できる。例えば、紙類の支持体としては、グラシン紙、キャストコート紙、アート紙、コート紙、上質紙等が挙げられる。また、フィルム類の支持体としては、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等の各種高分子フィルムが使用可能であり、更には蒸着紙、合成紙、布、不織布、金属ホイル等が目的や用途に応じて適宜選択される。この中でも、耐熱性の点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、これらの支持体の片面または両面に少なくとも一層の塗工層が設けられた積層体も表面基材として使用できる。
粘着シート基材31としては、特に、その少なくとも一部に空隙部を有するものが好ましい。少なくとも一部に空隙部を有する表面基材は、それ自体がクッション性を有するため、例えば表面基材に印刷を施す場合や、被着体の表面が平坦でない場合などにおいて、表面基材の表面に印刷跡などの凸凹ができにくく、粘着シートの外観が平滑性の高い優れたものとなる。
ここで、「少なくとも一部に空隙部を有する表面基材」とは、支持体の全体または一部(例えば内部)、もしくは上記のような積層体の支持体および/または塗工層のうちの少なくとも1層が、発泡部、多孔質部等の空隙部を有するものである。このような空隙部を有する支持体としては、例えば合成紙、発泡PET、発泡PP等が挙げられる。
表面基材の厚さは、5〜400μmの範囲内であることが好ましい。中でも、50μm以上のものが、印刷した場合の印刷跡がほとんどなく好ましい。
粘着剤層32は、粘着剤、及び必要に応じてその他の任意成分によって構成される。
粘着剤層32を構成する粘着剤としては、所望の粘着力及び貯蔵弾性率を得ることのできるものであれば、特に限定するものではなく、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系、ウレタン系等の任意の粘着剤が使用できる。これらの中でも、耐候性、透明性等に優れ、広範な用途に使用できることから、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、UV硬化型、EB硬化型、エマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型等があり、本発明においては、いずれの型のものも使用できるが、透明性、品質面で溶剤型の接着剤が好ましい。
その他の任意成分としては、粘着性微球体、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、防腐防黴剤、顔料、無機充填剤、安定剤、濡れ剤、湿潤剤等を挙げることができる。
さらに、粘着剤層32には、粘着力の引張り速度依存性を変えたり、オレフィン系樹脂に対する接着性を向上させたりするために、タッキファイヤーを含有させることもできる。タッキファイヤーとしては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられるが、ポリオレフィンに対する接着性が良好なため、ロジン系樹脂が好ましい。ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で、洗浄水に対する濡れ(なじみ)を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。
粘着剤層32の厚さは、乾燥質量で、10〜200g/mであることが好ましく、15〜100g/mであることがより好ましく、20〜60g/mであることがさらに好ましい。乾燥質量が10g/m以上であれば、粘着剤層32の粘着性を十分に確保できる。また、乾燥質量が200g/m以下であれば、必要以上に粘着剤層32が厚くならないため、コストを軽減できる。
(製造方法)
図7(a)に示す粘着シート30は、例えば以下のようにして製造できる。
剥離紙10の剥離層B上に粘着剤、及び必要に応じてその他の任意成分や溶媒を含有する塗布液(粘着剤層用塗布液)を塗布し、乾燥させて粘着剤層32を形成させた後に、粘着剤層32と粘着シート基材31とを貼り合わせる方法により、粘着シート30を製造する。
粘着剤層用塗布液の塗布量は、乾燥質量で10〜200g/m程度である。塗布量が10g/m未満では、得られる粘着シートの接着性能が不十分となるおそれがあり、また、塗布量が200g/mを超えると著しく粘着剤のはみ出しが発生したり、コストが高くなったりして好ましくない。
粘着剤層用塗布液を塗布する装置としては、特に限定されず、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、バリオグラビアコーター、カーテンコーター等公知の塗工機が使用できる。
これにより、粘着剤層32の表面に剥離紙10の凹凸構造Xが転写された粘着シート30が得られる。
粘着シート本体33と剥離紙10の貼り合わせは、金属ロールとゴムロールによるNIP方式、ギャップ式カレンダー等を用いて行うことができる。
NIP方式を用いる場合は、ゴムロールとしては耐熱性のあるものが良く、NIP圧としては5〜50N/cm程度が望ましい。
粘着シート30の製造方法は、上述した方法に限定されず、例えば、粘着シート基材31の一方の面上に、粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、粘着剤層33を設け、粘着シート本体33を得る。次いで、粘着シート本体33の粘着剤層32と、本発明の剥離紙10の剥離層Bとが内側になるように、粘着シート本体33と剥離紙10を貼り合わせることで、粘着シート30を製造することもできる。
このようにして得られる粘着シート30は、本発明の剥離紙10を用いているので、剥離層B上に粘着剤を塗布したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しやすい。従って、剥離紙10の表面の凹凸構造Xが粘着剤層32に均一に転写されるので、粘着剤層32の透明性を良好に維持できる。よって、粘着シート基材31として透明なフィルム等を用いて作製した粘着シート30を被着体に貼着しても、被着体の色や模様等が不鮮明になりにくい。
本実施形態の粘着シート30を使用する際は、図7(b)に示すように、剥離紙10の剥離層Bと粘着剤層32との間を剥離して(すなわち、剥離紙10を剥離して)、粘着剤層32の露出面32aを被着体に貼着する。
被着体としては、例えば光学部材(例えば反射防止体、位相差板、拡散板等)、鏡面を有する部材(例えばガラス基板、樹脂基板等)、電気部材、ポスター、ステッカー、自動車内装材、ボード、壁紙基材などが挙げられる。
<第2の実施形態:両面接着用>
図8(a)に、本実施形態の粘着シートの他の例を示す。図8(a)は、本発明の粘着シート40の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。この粘着シート40は両面接着用であり、2つの剥離紙10(上述した第1の実施形態の剥離紙10)と、粘着剤層41を有し、2つの剥離紙10が粘着剤層41を介して剥離層Bを内側として積層されている。ここで、2つの剥離紙10のうち、一方を「第1の剥離紙10」、他方を「第2の剥離紙10’」とする。
また、粘着シート40は、第1の剥離紙10と第2の剥離紙10’の、粘着剤層41に対する剥離力が異なっている。
粘着剤層41は、粘着剤、及び必要に応じてその他の任意成分によって構成される。
粘着剤層41を構成する粘着剤及びその他の任意成分としては、第1の実施形態で説明した粘着剤層32を構成する粘着剤及びその他の任意成分と同様のものが挙げられる。
また、粘着剤層41には、第1の実施形態で説明した粘着剤層32と同様に、タッキファイヤーや界面活性剤を添加してもよい。
さらに、粘着剤層41は、中芯層(図示略)を有してもよい。中芯層は、例えば不織布、フィルム、紙類等が2層以上貼り合わされた構造であり、層間剥離面を備えている。中芯層の厚さは5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
粘着剤層41の厚さは、乾燥質量で、10〜200g/mであることが好ましく、15〜100g/mであることがより好ましく、20〜60g/mであることがさらに好ましい。乾燥質量が10g/m以上であれば、粘着剤層41の粘着性を十分に確保できる。また、乾燥質量が200g/m以下であれば、粘着剤のはみ出しを抑制できる。
(製造方法)
図8(a)に示す粘着シート40は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、第1の剥離紙10の剥離層B上に、粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、粘着剤層41を形成させる。
粘着剤層用塗布液の塗布量は、乾燥質量で10〜200g/m程度である。塗布量が10g/m未満では、得られる粘着シートの接着性能が不十分となるおそれがあり、また、塗布量が200g/mを超えると粘着剤のはみ出しが発生したり、コストが高くなったりして好ましくない。
粘着剤層用塗布液を塗布する装置としては、第1の実施形態で説明した、粘着剤層用塗布液を塗布する装置と同様のものが挙げられる。
なお、粘着剤層41に中芯層を設ける場合は、第1の剥離紙10の剥離層B上に粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥させた後、中芯層を構成する材料を公知のラミネート法や接着剤による貼り合わせ法等を用いて中芯層を貼り合わせ、その後さらに中芯層上に粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥させて、中芯層を有する粘着剤層41を形成する。
次いで、粘着剤層41と第2の剥離紙10’とを、第2の剥離紙10’のB’が粘着剤層41と接するように貼り合わせる。
これにより、粘着剤層41の両面に第1の剥離紙10及び第2の剥離紙10’の凹凸構造Xが転写された粘着シート40が得られる。
粘着剤層41と第2の剥離紙10の貼り合わせは、金属ロールとゴムロールによるNIP方式、ギャップ式カレンダー等を用いて行うことができる。
NIP方式を用いる場合は、ゴムロールとしては耐熱性のあるものが良く、NIP圧としては5〜50N/cm程度が望ましい。
このようにして得られる粘着シート40は、本発明の剥離紙10を用いているので、剥離層B上に粘着剤を塗布したときに粘着剤が凹部Sの中まで均一に浸透しやすい。従って、剥離紙10の表面の凹凸構造Xが粘着剤層41に均一に転写されるので、粘着剤層41の透明性を良好に維持できる。よって、両面接着用の粘着シート40を透明な被着体に貼着しても、被着体の色や模様等が不鮮明になりにくい。
本実施形態の粘着シート40は、以下のようにして使用する。なお、本実施形態では、粘着剤層41に対する剥離力は、第1の剥離紙10が第2の剥離紙10’に比べて小さいものとする。
まず、図8(b)に示すように、第1の剥離紙10の剥離層Bと、粘着剤層41との間を剥離して(すなわち、第1の剥離紙10を剥離して)、粘着剤層41の露出面41aを第1の被着体に貼着する。
次いで、図8(c)に示すように、第1の被着体42に粘着剤層41の露出面41aが貼着した状態で、第2の剥離紙10’の剥離層B’と、粘着剤層41との間を剥離して(すなわち、第2の剥離紙10’を剥離して)、粘着剤層41のもう一方の露出面41bを露出させ、露出面41bに第2の被着体を貼着する。
第1の被着体及び第2の被着体としては、第1の実施形態で説明した被着体と同様のものが挙げられる。
なお、粘着剤層41が中芯層を有する場合、粘着シート40を介して第1の被着体及び第2の被着体を貼り合わせた後、必要に応じて中芯層の剥離面を剥離して、第1の被着体と第2の被着体を剥がすこともできる。
[粘着シート巻回体]
<第3の実施形態:両面接着用>
図9(a)に、本実施形態の粘着シート巻回体の一例を示す。図9(a)は、本発明の粘着シート巻回体50の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。この粘着シート巻回体50は両面接着用であり、上述した第2の実施形態の剥離紙20と、粘着剤層51とからなる粘着シート52を有する。
粘着シート巻回体50を構成する剥離紙20は、剥離層B側の面における粘着剤層51に対する剥離力と、剥離層B側の面における粘着剤層51に対する剥離力とが異なる。なお、本実施形態では、粘着剤層51に対する剥離力は、剥離層B側の面が剥離層B側の面に比べて小さいものとする。
粘着シート巻回体50は、剥離紙20の剥離層Bの、剥離紙基材11と反対側の面上に粘着剤層51が設けられている。
また、粘着シート巻回体50は、粘着シート52が、粘着剤層51が内側になるように巻き回されて、剥離層Bに粘着剤層51が貼着されている。
粘着剤層51は、粘着剤、及び必要に応じてその他の任意成分によって構成される。
粘着剤層51を構成する粘着剤及びその他の任意成分としては、第1の実施形態で説明した粘着剤層32を構成する粘着剤及びその他の任意成分と同様のものが挙げられる。
また、粘着剤層51には、第1の実施形態で説明した粘着剤層32と同様に、タッキファイヤーや界面活性剤、架橋剤、可塑剤などを添加してもよい。
さらに、粘着剤層51は、中芯層(図示略)を有してもよい。中芯層は、第2の実施形態で説明した中芯層と同様のものが挙げられる。中芯層の厚さは5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
粘着剤層51の厚さは、乾燥質量で、10〜200g/mであることが好ましく、15〜100g/mであることがより好ましく、20〜60g/mであることがさらに好ましい。乾燥質量が10g/m以上であれば、粘着剤層51の粘着性を十分に確保できる。また、乾燥質量が200g/m以下であれば、粘着剤のはみ出しを抑制できる。
(製造方法)
図9(a)に示す粘着シート巻回体50は、例えば以下のようにして製造できる。
まず、工程剥離シートに粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥して、粘着剤層51を形成させる。
粘着剤層用塗布液の塗布量は、乾燥質量で10〜200g/m程度である。塗布量が10g/m未満では、得られる粘着シートの接着性能が不十分となるおそれがあり、また、塗布量が200g/mを超えると粘着剤のはみ出しが発生したり、コストが高くなったりして好ましくない。
粘着剤層用塗布液を塗布する装置としては、第1の実施形態で説明した、粘着剤層用塗布液を塗布する装置と同様のものが挙げられる。
なお、粘着剤層51に中芯層を設ける場合は、工程剥離シート上に粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥させた後、中芯層を構成する材料を公知のラミネート法や接着剤による貼り合わせ法等を用いて中芯層を貼り合わせ、その後さらに中芯層上に粘着剤層用塗布液を塗布、乾燥させて、中芯層を有する粘着剤層51を形成する。
次いで、工程剥離紙上の粘着剤層51と剥離紙20の剥離層Bを貼り合わせた後、工程剥離シートを剥離して、剥離紙20の剥離層B側の面上に粘着剤層51を設ける。
これにより、粘着剤層51の表面に剥離紙10の凹凸構造Yが転写された粘着シート52が得られる。
次いで、粘着シート52を、粘着剤層51が剥離紙20より内側になるように巻き回る。
これにより、粘着剤層51の他方の表面に、剥離紙10の凹凸構造Xが転写された粘着シート巻回体50が得られる。
粘着剤層51と剥離紙20の貼り合わせは、金属ロールとゴムロールによるNIP方式、ギャップ式カレンダー等を用いて行うことができる。
NIP方式を用いる場合は、ゴムロールとしては耐熱性のあるものが良く、NIP圧としては5〜50N/cm程度が望ましい。
このようにして得られる粘着シート巻回体50は、本発明の剥離紙20を用いているので、粘着剤が剥離紙の凹部S及びSの中まで均一に浸透しやすい。従って、剥離紙10の表面の凹凸構造X及び凹凸構造Yが粘着剤層51の両面にそれぞれ均一に転写されるので、粘着剤層51の透明性を良好に維持できる。よって、両面接着用の粘着シート巻回体50を透明な被着体に貼着しても、被着体の色や模様等が不鮮明になりにくい。
本実施形態の粘着シート巻回体50は、以下のようにして使用する。
まず、図9(b)に示すように、剥離紙20の剥離層Bと、粘着剤層51との間を剥離して、粘着シート巻回体50より粘着シート52を繰り出し、粘着剤層51の露出面51aを第1の被着体に貼着する。
次いで、図9(c)に示すように、第1の被着体53に粘着剤層51の露出面51aが貼着した状態で、剥離紙20の剥離層Bと、粘着剤層51との間を剥離して(すなわち、剥離紙20を剥離して)、粘着剤層51のもう一方の露出面51bを露出させ、露出面51bに第2の被着体を貼着する。
第1の被着体及び第2の被着体としては、第1の実施形態で説明した被着体と同様のものが挙げられる。
なお、粘着剤層51が中芯層を有する場合、粘着シート巻回体50を介して第1の被着体及び第2の被着体を貼り合わせた後、必要に応じて中芯層の剥離面を剥離して、第1の被着体と第2の被着体を剥がすこともできる。
[実施例1]
<剥離紙の作製>
王子特殊紙社製の「SPE110」(厚さ:118μm)の一方の面上に、第1の熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、「ノバテックLC607K」)をTダイ押出し機によりラミネートし、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造X’(最頻ピッチ:420μm、最頻高さが35μm)を有する水冷型冷却ロールとの間を、前記第1の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させて、剥離紙基材上に、凹凸構造Xを有する熱可塑性樹脂層A(最頻ピッチ:415μm、最頻深さ:30μm)が積層した積層体Mを形成した(第1の工程)。
第1の工程において、押圧ロールの圧力は、40N/cmであり、Tダイ部の樹脂温度は、330℃であり、加工速度は、10m/分であった。
その後、「SPE110」のもう一方の面(裏側)も同様に、第1の熱可塑性樹脂をTダイ押出し機によりラミネートし、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面が平坦な水冷型冷却ロールとの間を、第1の工程の後に第1の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させて、剥離紙基材の裏側に最外層として樹脂層(厚さ:24μm)を形成した。なお、本実施例では、このようにして形成した樹脂層と「SPE110」とを剥離紙基材とした。
樹脂層を形成する際の押圧ロールの圧力は、85N/cmであり、Tダイ部の樹脂温度は、330℃であり、加工速度は、150m/分であった。
次に、別途、第1の剥離剤として、シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC−403A」)を濃度が5質量%になるようにトルエンで希釈した塗布液を用意し、該塗布液を積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Xが形成された表面上に、該凹凸構造Xを保持するように、塗布して、剥離層B(乾燥質量:0.1g/m)を形成し(第2の工程)、図1に示すような剥離紙を得た。
第2の工程において、第1の剥離剤の塗布スピードは2m/分であった。
なお、凹凸構造Xは、図2に示す凹凸構造Xの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が四角形であり、図3に示すように、この四角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、第2の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、第1の工程において熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Xを形成した。
(測定1:最頻ピッチの測定)
まず、凹凸構造Xが存在する面において、一辺が5mm程度の正方形の領域を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、「VK−8500型」)で測定したイメージを得た。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、レンズ倍率が200倍であり、測定ピッチが420μmであった。
次いで、このイメージをフーリエ変換により波形分離し、FFT像(高速フーリエ変換像)を得た。
次いで、FFT像のプロファイルにおける0次ピークから1次ピークまでの距離を求めた。こうして求められた距離の逆数をこの領域における最頻ピッチとした。このような処理を無作為に選択された合計25カ所の同面積の領域について同様に行い、各領域における最頻ピッチを求めた。こうして得られた25カ所の領域における各最頻ピッチの平均値を凹凸構造Xの最頻ピッチとした。結果を表1に示す。
(測定2:最頻深さの測定)
まず、剥離紙の面に対して非接触型で観察可能なレーザー顕微鏡(キーエンス社製、「VK−8500型」)でフーリエ変換した凹凸構造Xの断面を得た。この断面において、5つの凸部Tを観察できるような正方形の領域(一辺が凹凸構造Xの最頻ピッチの5倍となる正方形の領域)を無作為に抽出し、レーザー顕微鏡で測定した断面イメージを得た。レーザー顕微鏡で測定する際の条件は、最頻ピッチの場合と同様にした。
次いで、この断面イメージから、図2のようにしてDのデータを5つ読み取った。すなわち、任意の凸部T’の最上部γ’と、該凸部T’に隣接する凹部S’の最下部α’の距離をDとした。同様にして、合計5枚のレーザー顕微鏡のイメージから、各々5つ、全部で25のDのデータを得た。
そして、2次元フーリエ変換像の赤道方向プロファイルを作成し、その一次ピークの逆数から、凹凸構造Xの最頻深さのデータを求めた。結果を表1に示す。
(測定3:窪み部Hの有無の確認)
まず、測定2と同様にして、レーザー顕微鏡で測定したイメージを得た。
次いで、得られたイメージをプロファイル解析して、断面イメージを得た。得られた断面イメージより、窪み部Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
(測定4:表面粗さRa及び平滑度の測定)
剥離紙の熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面(剥離紙の裏面)について、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、「VK−9500」)を用いて表面粗さRaを測定した。同様にして、平滑度測定器(旭精工社製、「王研式平滑度計、型式KB2S」)を用いて平滑度を測定した。結果を表1に示す。
<粘着シートの作製>
まず、先に得られた剥離紙の剥離層Bの面上に、粘着剤(東洋インキ製造社製、「BPS−8170」)を塗布、乾燥して、粘着剤層を設け、剥離紙付き粘着剤層を得た。塗布液の塗布量は乾燥質量で50g/mであった。
次いで、透明な粘着シート基材(東レ社製、「ルミラーS10」、厚さ:25μm)の一方の面と、剥離紙付き粘着剤層とを、剥離紙が内側になるように貼り合わせ、片面接着用の粘着シートを得た。
(評価1:エアー抜き性の評価)
得られた粘着シート(寸法:10cm×10cm角)の剥離紙を剥がし、粘着シート本体を、高平滑なガラス板(寸法:20×cm×20cm角)に軽く貼り付けた後、エアーを押し出すようにゴムローラー(径:5cm、幅:15cm)で軽く圧着した際のエアー抜けの状態を目視で以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:エアーが残っていなかった。
△:エアーがわずかに残っていたがフクレは見られなかった。
×:エアーが残ってフクレになった。
(評価2:透明性の評価)
得られた粘着シート(寸法:10cm×10cm角)の剥離紙を剥がし、粘着シート本体を被着体(JIS−C−2318のPET基材)に貼り付け、拡散光透明度計((株)村上色彩技術研究所製、「DOT−5」)を用い、規格:ISO5−2に準拠して、粘着シートの透明度を測定し、さらに外観を目視で以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:剥離紙の凹凸構造Xの跡が薄く、透明感がある。
△:剥離紙の凹凸構造Xの跡がマット調に転写されている。
×:剥離紙の凹凸構造Xの跡が転写され、ムラがある。
[実施例2]
<剥離紙の作製>
実施例1と同様にして剥離紙を作製した。これを第1の剥離紙とする。
別途、第2の工程において、第1の剥離剤としてシリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC−450A」を用い、乾燥質量が0.1μmになるよう剥離層Bを形成した以外は、実施例1と同様にして剥離紙を得た。これを第2の剥離紙とする。
(測定)
実施例1と同様にして、得られた第1の剥離紙及び第2の剥離紙の凹凸構造Xについて、最頻ピッチ、最頻深さ、表面粗さRa、及び平滑度を測定し、凹み部Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
<粘着シートの作製>
まず、第1の剥離紙の剥離層B上に、粘着剤(東洋インキ製造社製、「BPS−8170」)を塗布、乾燥して、粘着剤層を形成した。塗布液の塗布量は、乾燥質量で50g/mであった。
次いで、粘着剤層と第2の剥離紙とを、第2の剥離紙のBが粘着剤層と接するように貼り合わせ、両面接着用の粘着シートを得た。
(エアー抜き性の評価)
得られた粘着シート(寸法:10cm×10cm角)の第1の剥離紙を剥がし、粘着剤層の露出面を第1の被着体(JIS−C−2318のPET基材)に軽く貼りつけた。次いで、第2の剥離紙を剥がし、粘着シート本体を第2の被着体(高平滑なガラス板、寸法:20×cm×20cm角)に軽く貼り付けた後、エアーを押し出すようにゴムローラー(径:5cm、幅:15cm)で軽く貼り付けた。その後、エアー抜けの状態を目視で以下のように評価した。なお、第1の被着体側から目視した評価結果を第1の剥離紙側のエアー抜き性の評価とし、第2の被着体側から目視した評価結果を第2の剥離紙側のエアー抜き性の評価とした。結果を表1に示す。
○:エアーが残っていなかった。
△:エアーがわずかに残っていたがフクレは見られなかった。
×:エアーが残ってフクレになった。
(第1の剥離紙側の透明性の評価)
得られた粘着シート(寸法:10cm×10cm角)の第1の剥離紙を剥がし、粘着剤層の露出面を被着体(JIS−C−2318のPET基材)に貼りつけた。次いで、第2の剥離紙を剥がし、粘着剤層のもう一方の露出面(第2の剥離紙側の粘着剤層の露出面)を露出させた状態で、拡散光透明度計((株)村上色彩技術研究所製、「DOT−5」)を用い、規格:ISO5−2に準拠して、粘着シートの透明度を測定し、さらに外観を目視で以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:第1、および第2の剥離紙の凹凸構造Xの跡が薄く、透明感がある。
△:第1、および第2の剥離紙の凹凸構造Xの跡がマット調に転写されている。
×:第1、および第2の剥離紙の凹凸構造Xの跡が転写され、ムラがある。
(第2の剥離紙側の透明性の評価)
得られた粘着シート(寸法:10cm×10cm角)の第1の剥離紙が剥がれないように、第2の剥離紙を剥がし、粘着剤層の露出面を被着体(JIS−C−2318のPET基材)に貼りつけた。次いで、第1の剥離紙を剥がし、粘着剤層のもう一方の露出面(第1の剥離紙側の粘着剤層の露出面)を露出させた状態で、粘着シートの透明度を測定し、さらに外観を評価した。粘着シートの透明度の測定および外観評価は、第1の剥離紙側の透明性の評価と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
<剥離紙の作製>
実施例1と同様にして、第1の工程及び第2の工程を実施し、剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bを形成した。ただし、剥離紙基材の裏側には、最外層として樹脂層は形成させなかった。
次いで、第2の工程の後に、剥離紙基材の他方の面上に、第2の熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、「ノバテックLC607K」)を押出しラミネートし、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造Y’(最頻ピッチ:420μm、最頻高さが35μm)を有する冷却ロールとの間を、前記第2の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材の他方の面上に、凹凸構造Yを有する熱可塑性樹脂層A(最頻ピッチ:415μm、最頻深さ:30μm)が積層した積層体Mを形成した(第3の工程)。
第3の工程において、押圧ロールの圧力は、40N/cmであり、Tダイ部の樹脂温度は、330℃であり、加工速度は、10m/分であった。
別途、第2の剥離剤として、シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC−450A」)を濃度が5質量%になるようにトルエンで希釈した塗布液を用意し、該塗布液を積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Yが形成された表面上に、該凹凸構造Yを保持するように、塗布して、剥離層B(乾燥質量:0.1μm)を形成し(第4の工程)、図5に示すような剥離紙を得た。
第4の工程において、第2の剥離剤の塗布スピードは100m/分であった。
なお、凹凸構造Yは、図6に示す凹凸構造Yの最下部αから10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が四角形であり、図3に示すように、この四角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、第4の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、第3の工程において熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Yを形成した。
(測定)
実施例1と同様にして、得られた剥離紙の凹凸構造X及び凹凸構造Yについて、最頻ピッチ、最頻深さ、表面粗さRa、及び平滑度を測定し、凹み部H、Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
<粘着シート巻回体の作製>
まず、工程剥離シートに粘着剤(東洋インキ製造社製、「BPS−8170」)を塗布、乾燥して、粘着剤層を形成した。塗布液の塗布量は、乾燥質量で50g/m程度であった。
次いで、工程剥離紙上の粘着剤層と剥離紙の剥離層Bを貼り合わせた後、工程剥離シートを剥離して、剥離紙の剥離層B側の面上に粘着剤層を設け、粘着シートを得た。
次いで、粘着シートを、粘着剤層が剥離紙より内側になるように巻き回し、粘着シート巻回体を得た。
(エアー抜き性の評価)
得られた粘着シート巻回体の剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して、粘着シート巻回体より粘着シートを繰り出し、粘着剤層の露出面を第1の被着体(JIS−C−2318のPET基材)に軽く貼りつけた。次いで、剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して(剥離紙を剥がして)、粘着シート本体を第2の被着体(高平滑なガラス板、寸法:20×cm×20cm角)に軽く貼り付けた。その後、エアーを押し出すようにゴムローラー(径:5cm、幅:15cm)で軽く貼り付けた。その後、エアー抜けの状態を目視で以下のように評価した。なお、第1の被着体側から目視した評価結果を凹凸構造X側のエアー抜き性の評価とし、第2の被着体側から目視した評価結果を凹凸構造Y側のエアー抜き性の評価とした。結果を表1に示す。
○:エアーが残っていなかった。
△:エアーがわずかに残っていたがフクレは見られなかった。
×:エアーが残ってフクレになった。
(凹凸構造X側の透明性の評価)
得られた粘着シート巻回体の剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して、粘着シート巻回体より粘着シートを繰り出し、粘着剤層の露出面を被着体(JIS−C−2318のPET基材)に貼りつけた。次いで、剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して(剥離紙を剥がして)、粘着剤層のもう一方の露出面(剥離層B側の粘着剤層の露出面)を露出させた状態で、拡散光透明度計((株)村上色彩技術研究所製、「DOT−5」)を用い、規格:ISO5−2に準拠して、粘着シートの透明度を測定し、さらに外観を目視で以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:剥離紙の凹凸構造X、Yの跡が薄く、透明感がある。
△:剥離紙の凹凸構造X、Yの跡がマット調に転写されている。
×:剥離紙の凹凸構造X、Yの跡が転写され、ムラがある。
(凹凸構造Y側の透明性の評価)
得られた粘着シート巻回体の剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して、粘着シート巻回体より粘着シートを繰り出し、さらに剥離紙の剥離層Bと粘着剤層との間を剥離して(剥離紙を剥がして)、粘着剤層の両面が露出した状態とした。次いで、剥離層B側の粘着剤層の露出面を被着体(JIS−C−2318のPET基材)に貼りつけた。剥離層B側の粘着剤層の露出面を露出させた状態で、粘着シートの透明度を測定し、さらに外観を評価した。粘着シートの透明度の測定および外観評価は、凹凸構造X側の透明性の評価と同様に行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
<剥離紙の作製>
剥離紙基材(王子特殊紙社製、「SPE110」、厚さ:118μm)の一方の面上に、第1の熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、「ノバテックLC607K」)を押出しラミネートして、剥離紙基材上に、第1の熱可塑性樹脂層A(厚さ:24μm)が積層した積層体Mを形成した。
別途、第1の剥離剤として、シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC403−A」)を濃度が8質量%になるようにトルエンで希釈した塗布液を用意し、該塗布液を積層体Mの第1の熱可塑性樹脂層A上に塗布して、剥離層B(乾燥質量:0.7μm)を形成した。
次いで、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造X’(最頻ピッチ:420μm、最頻高さが65μm)を有する金属彫刻ロールとの間を、前記第1の熱可塑性樹脂が塗布された面が金属彫刻ロールに当接するように通過させて、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、凹凸構造Xが形成した剥離紙を得た。
なお、凹凸構造Xを形成する際の、押圧ロールの圧力は、85N/cmであり、樹脂温度は、330℃であり、加工速度は、200m/分であった。
(測定)
実施例1と同様にして、得られた剥離紙の凹凸構造Xについて、最頻ピッチ、最頻深さ、表面粗さRa、及び平滑度を測定し、凹み部Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
<粘着シートの作製>
比較例1で作製した剥離紙を用いた以外は、実施例1と同様にして片面接着用の粘着シートを作製した。得られた粘着シートについて、実施例1と同様にしてエアー抜き性及び透明性について評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
<剥離紙の作製>
比較例1と同様にして作製した剥離紙を作製した。これを第1の剥離紙とする。
別途、第1の剥離剤としてシリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC−450A」を用い、乾燥質量が0.7μmになるよう剥離層Bを形成した以外は、比較例1と同様にして剥離紙を得た。これを第2の剥離紙とする。
(測定)
実施例1と同様にして、得られた第1の剥離紙及び第2の剥離紙の凹凸構造Xについて、最頻ピッチ、最頻深さ、表面粗さRa、及び平滑度を測定し、凹み部Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
<粘着シートの作製>
比較例2で作製した剥離紙を用いた以外は、実施例2と同様にして両面接着用の粘着シートを作製した。得られた粘着シートについて、実施例2と同様にしてエアー抜き性と、第1の剥離紙側および第2の剥離紙側の透明性について評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
<剥離紙の作製>
比較例1と同様にして、剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bを形成し、さらに金属彫刻ロールにて凹凸構造Xを形成した。
次いで、剥離紙基材の他方の面上に、第2の熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂を押出しラミネートして、剥離紙基材上に、第2の熱可塑性樹脂層A(厚さ:24μm)が積層した積層体Mを形成した。
別途、第2の剥離剤として、シリコーン(東レ・ダウコーニング社製、「LTC−450A」)を濃度が8質量%になるようにトルエンで希釈した塗布液を用意し、該塗布液を積層体Mの第2の熱可塑性樹脂層A上に塗布して、剥離層B(乾燥質量:0.7μm)を形成した。
次いで、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造Y’(最頻ピッチ:420μm、最頻高さが65μm)を有する金属彫刻ロールとの間を、前記第2の熱可塑性樹脂が塗布された面が金属彫刻ロールに当接するように通過させて、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、凹凸構造Yが形成した剥離紙を得た。
なお、凹凸構造Yを形成する際の、押圧ロールの圧力は、85N/cmであり、樹脂温度は、330℃であり、加工速度は、100m/分であった。
(測定)
実施例1と同様にして、得られた剥離紙の凹凸構造X及び凹凸構造Yについて、最頻ピッチ、最頻深さ、表面粗さRa、及び平滑度を測定し、凹み部H、Hの有無を確認した。結果を表1に示す。
<粘着シート巻回体の作製>
比較例3で作製した剥離紙を用いた以外は、実施例3と同様にして両面接着用の粘着シートを作製した。得られた粘着シート巻回体について、実施例3と同様にしてエアー抜き性と、凹凸構造X側および凹凸構造Y側の透明性について評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010058395
表1から明らかな通り、各実施例で得られた、窪み部Hを有さない剥離紙は、エアー抜き性を維持し、透明性に優れた粘着剤層を備えた粘着シート、及び粘着シート巻回体を得ることができた。
また、実施例1、2で得られた剥離紙は、熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面(剥離紙の裏面)が平坦であった。そのため、粘着シートを積み重ねても剥離紙の裏面に接する粘着シート表面を平坦な状態で維持できた。
一方、比較例1、2で得られた、窪み部Hを有する剥離紙を用いて作製した粘着シートは、実施例1、2に比べてエアー抜き性が劣っていた。また、粘着剤層の透明度が低く、凹凸構造Xの跡がマット調に転写されていた。さらに、比較例1、2で得られた剥離紙は、熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面(剥離紙の裏面)が平坦ではなかった。そのため、粘着シートを積み重ねると、剥離紙の裏面に接する粘着シート表面に剥離紙の凹凸構造Xが転写されやすかった。
また、比較例3で得られた窪み部H及びHを有する剥離紙は、凹凸構造Yを形成する際に、凹凸構造Xが形成した面に高い圧力で押圧ロールが押し当たったため、凹凸構造Xが押し潰され、形状が変形した。この剥離紙より得られた粘着シート巻回体は、粘着剤層の中にエアーが入りやすく、エアー抜き性が実施例3に比べて劣っていた。また、粘着剤層の透明度が低く、凹凸構造Xの跡がマット調に転写されていた。
本発明の剥離紙の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。 図1の剥離層Bの表面をレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージである。 本発明の剥離紙の製造方法における第1の工程により積層体Mを製造している状態を示す説明図である。 本発明の剥離紙の製造方法における、第2の工程での積層体Mの搬送方向と、凹凸構造Xの水平断面における凹部Sの形状が2n角形のときの、対向する頂点を結ぶ対角線Kの向きとの関係を示す図である。 本発明の剥離紙の断面構造の他の例を示すための模式的な断面図である。 図5の剥離層Bの表面をレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージである。 (a)は本発明の粘着シートの断面構造の一例を示すための模式的な断面図であり、(b)は(a)に示す粘着シートの使用方法を説明する図である。 (a)は本発明の粘着シートの他の例の断面構造の一例を示すための模式的な断面図であり、(b)、(c)は(a)に示す粘着シートの使用方法を説明する図である。 (a)は本発明の粘着シート巻回体の断面構造の一例を示すための模式的な断面図であり、(b)、(c)は(a)に示す粘着シート巻回体の使用方法を説明する図である。 従来の剥離紙の断面構造の一例を示すための模式的な断面図である。 図10の剥離層Bの表面をレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージである。
符号の説明
10,20:剥離紙、11,21:剥離紙基材、13:押圧ロール、14:冷却ロール、30,40,52:粘着シート、31:粘着シート基材、32,41,51:接着剤層、33:粘着シート本体、50:粘着シート巻回体、A,A:熱可塑性樹脂層、B,B:剥離層、T,T:凸部、H,H:窪み部、α,α:最下部、β,β:基準点、L,L:基準線、LX1,LY1:基準線をプラスの傾きで横切る点、LX2,LY2:基準線をマイナスの傾きで横切る点、C:転化点、ΔG,ΔG:高低差、γ,γ:最上部、M,M:積層体、K,K:対角線。

Claims (10)

  1. 剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層した剥離紙において、
    前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Xを備え、該凹凸構造Xを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする剥離紙。
    ただし、凸部Tとは、凹凸構造Xをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、凹凸構造Xの深さ方向を上下方向としたときの最下部から上方向に10μm離れた地点を基準点とし、該基準点を通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線をプラスの傾きで横切る点から、マイナスの傾きで横切る点までの上側部分のことであり、
    窪み部Hとは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことである。
  2. 前記熱可塑性樹脂層Aが積層している側とは反対側の表面が平坦であることを特徴とする請求項1に記載の剥離紙。
  3. 前記剥離紙基材の他方の面上に、熱可塑性樹脂層Aと剥離層Bとが順次積層し、前記熱可塑性樹脂層A及び剥離層Bが積層している側の当該剥離紙の表面に、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻深さが10〜140μmである凹凸構造Yを備え、該凹凸構造Yを構成する各凸部Tが窪み部Hを有さないことを特徴とする請求項1に記載の剥離紙。
    ただし、凸部Tとは、凹凸構造Yをレーザー顕微鏡で測定した際の断面イメージにおいて、凹凸構造Yの深さ方向を上下方向としたときの最下部から上方向に10μm離れた地点を基準点とし、該基準点を通り上下方向に対して垂直方向に引かれた基準線をプラスの傾きで横切る点から、マイナスの傾きで横切る点までの上側部分のことであり、
    窪み部Hとは、傾きがマイナスからプラスに転じる転化点があり、該転化点を有する凸部Tの最上部との高低差ΔGが5μm以上である該転化点前後の、前記傾きがマイナスである部分からプラスである部分までの領域のことである。
  4. 請求項1または2に記載の剥離紙と、粘着シート基材の片面に粘着剤層を備えた粘着シート本体とが、剥離紙の剥離層及び粘着シート本体の粘着剤層を内側にして積層されていることを特徴とする粘着シート。
  5. 剥離紙基材の一方の面上に、熱可塑性樹脂層と剥離層とが順次積層した第1の剥離紙と第2の剥離紙とが、粘着剤層を介して剥離層を内側として積層され、前記第1の剥離紙と第2の剥離紙が請求項1または2に記載の剥離紙であり、第1の剥離紙と第2の剥離紙の、前記粘着剤層に対する剥離力が異なることを特徴とする粘着シート。
  6. 請求項3に記載の剥離紙と、粘着剤層とからなる粘着シートを有し、該粘着シートが巻き回されていることを特徴とする粘着シート巻回体。
    ただし、前記剥離紙の剥離層B側の面における前記粘着剤層に対する剥離力と、剥離層B側の面における前記粘着剤層に対する剥離力とが異なり、剥離力の大きい面の剥離層上に前記粘着剤層が設けられ、剥離力が小さい面の剥離層を外側として巻き回されているものとする。
  7. 剥離紙基材の一方の面上に、第1の熱可塑性樹脂を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造X’を有する冷却ロールとの間を、前記第1の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材上に、凹凸構造Xを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する第1の工程と、前記積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Xが形成された表面上に、該凹凸構造Xを保持するように、第1の剥離剤を塗布して剥離層Bを形成する第2の工程とを備えることを特徴とする剥離紙の製造方法。
    ただし、前記凹凸構造X’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Xは、前記凹凸構造X’が反転した構造である。
  8. 前記凹凸構造Xの最下部から10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)であり、該2n角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、前記第2の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、前記熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Xを形成することを特徴とする請求項7に記載の剥離紙の製造方法。
  9. 前記第2の工程の後に、剥離紙基材の他方の面上に、さらに第2の熱可塑性樹脂を塗布し、直ちに、表面が平坦な押圧ロールと、表面に凹凸構造Y’を有する冷却ロールとの間を、前記第2の熱可塑性樹脂が塗布された面が冷却ロールに当接するように通過させることにより、剥離紙基材の他方の面上に、凹凸構造Yを有する熱可塑性樹脂層Aが積層した積層体Mを形成する第3の工程と、前記積層体Mの熱可塑性樹脂層Aの、凹凸構造Yが形成された表面上に、該凹凸構造Yを保持するように、第2の剥離剤を塗布して、前記剥離層Bとは剥離力の異なる剥離層Bを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする請求項7または8に記載の剥離紙の製造方法。
    ただし、前記凹凸構造Y’は、最頻ピッチが100〜2000μm、最頻高さが10〜140μmの構造であり、前記凹凸構造Yは、前記凹凸構造Y’が反転した構造である。
  10. 前記凹凸構造Yの最下部から10μmの高さで切断した水平断面における凹部Sの形状が2n角形(nは正の整数)であり、該2n角形の対向する頂点を結ぶ対角線Kの1本が、前記第4の工程での積層体Mの搬送方向と平行になるように、前記熱可塑性樹脂層Aの表面に凹凸構造Yを形成することを特徴とする請求項9に記載の剥離紙の製造方法。
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