JP2021133650A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に配慮しつつ、ラベル等に加工しやすい粘着フィルムを提供する。【解決手段】積層体1は、剥離ライナー20と、剥離ライナー20の両側に設けられた第1の粘着フィルム3及び第2の粘着フィルム7とを備えている。剥離ライナー20は、第1の主面2及び第2の主面4を有する芯材5と、第1の主面2に設けられた第1の離型剤層10と、第2の主面4に設けられた第2の離型剤層12とを有している。第1の粘着フィルム3は、第1の離型剤層10に接して設けられた第1の粘着剤層13と、第1の基材11とを有している。第2の粘着フィルム7は、第2の離型剤層12に接して設けられた第2の粘着剤層15と、第2の基材17とを有している。【選択図】図2
Description
本明細書に開示された技術は、ラベル等の印刷物を作製するために用いられる積層体に関する。
印刷が施された種々の粘着フィルムが製造及び販売されている。国内の粘着フィルム市場は、2016年の時点で5110億円であり、販売量は約14億m2となっている(ラベル新聞社「日本のラベル市場2017」より)。特許文献1には、基材、粘着剤層、剥離処理層及びコート層が設けられた剥離材をこの順に備えた粘着フィルムが記載されている。
近年、エコロジーに対する意識の高まりから、粘着フィルムについて生分解性を有する基材やインクを用いる等、環境負荷を低減するための取り組みが進められている。特許文献1に記載された粘着フィルムでは、当該粘着フィルムと幅及び長さが同じ剥離ライナーが使用後に廃棄される。これに対し、特許文献2には、ライナーレスラベルを用いることで、廃棄物を低減できることが記載されている。
しかしながら、ロール状のライナーレスラベルを用いてラベルを作製する場合、粘着剤層がラベル発行装置の部材に付着するのを防ぐために、特殊な構成を追加する等の対策が必要となる。このため、ラベルの加工コストが高くなる場合がある。
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、環境に配慮しつつ、ラベル等に加工しやすい粘着フィルムを提供することにある。
本明細書に開示された積層体は、第1の主面及び第2の主面を有する芯材と、前記第1の主面に設けられた第1の離型剤層と、前記第2の主面に設けられた第2の離型剤層とを有する剥離ライナーと、前記第1の離型剤層に接して設けられた第1の粘着剤層及び前記第1の粘着剤層の前記剥離ライナーとは反対側に位置する面に接する第1の基材とを有する第1の粘着フィルムと、前記第2の離型剤層に接して設けられた第2の粘着剤層及び前記第2の粘着剤層の前記剥離ライナーとは反対側の面に接する第2の基材とを有する第2の粘着フィルムとを備えている。
本明細書に開示された積層体の一例によれば、一般的な粘着フィルムに比べて使用時に廃棄される剥離ライナーの量を半減させるとともに、加工コストの大幅な増加を抑えることができる。
(実施形態)
−積層体の構成−
図1は、本明細書に開示されたロール状の積層体1の一例を示す側面図であり、図2は、図1に示す積層体1を、流れ方向に平行な厚み方向に切断した場合の断面図である。
−積層体の構成−
図1は、本明細書に開示されたロール状の積層体1の一例を示す側面図であり、図2は、図1に示す積層体1を、流れ方向に平行な厚み方向に切断した場合の断面図である。
本実施形態の積層体1は、剥離ライナー20と、第1の粘着フィルム3と、第2の粘着フィルム7とを備えている。
剥離ライナー20は、第1の主面2及び第2の主面4を有する芯材5と、芯材5の第1の主面2に設けられた第1の離型剤層10と、芯材5の第2の主面4に設けられた第2の離型剤層12とを有している。
第1の粘着フィルム3は、第1の離型剤層10に接して設けられた第1の粘着剤層13と、第1の粘着剤層13の剥離ライナー20とは反対側に位置する面に接する第1の基材11とを有している。第2の粘着フィルム7は、第2の離型剤層12に接して設けられた第2の粘着剤層15と、第2の粘着剤層15の剥離ライナー20とは反対側に位置する面に接する第2の基材17とを有している。
第1の基材11の少なくとも第1の粘着剤層13とは反対側に位置する面、及び第2の基材17の少なくとも第2の粘着剤層15とは反対側に位置する面には、それぞれ公知の易接着処理が施されており、凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷やインクジェットプリンター等各種の方法で印刷層を形成することが可能となっている。
図1、2に示す例では、第1の基材11の剥離ライナー20とは反対側に位置する面に第1の印刷領域23が形成された第1の印刷層6が設けられ、第2の基材17の剥離ライナー20とは反対側に位置する面に第2の印刷領域25が形成された第2の印刷層8が設けられている。第1の印刷領域23の外縁では、第1の粘着フィルム3を貫通して剥離ライナー20に達する第1の切断部28が形成されている。第2の印刷領域25の外縁では、第2の粘着フィルム7を貫通して剥離ライナー20に達する第2の切断部30が形成されている。
第1の印刷領域23及び第2の印刷領域25には、それぞれ文字、記号、マーク及び模様のうちのいずれか1つ又は2つ以上を組み合わせた図柄が印刷されている。第1の印刷領域23に印刷された図柄と第2の印刷領域25に印刷された図柄とは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。この構成により、第1の粘着フィルム3及び第2の粘着フィルム7は、それぞれがラベルやステッカー用のフィルムとして使用可能となっている。
本実施形態の積層体1は、図1に示すように、紙管21の周囲に巻き取られたロール状であってもよいし、スリット加工及び断裁加工された平判の状態で提供されてもよい。
積層体1においては上述のように、剥離ライナー20の一方に第1の離型剤層10が設けられ、他方に第2の離型剤層12が設けられているので、第1の粘着フィルム3と第2の粘着フィルム7とで剥離ライナー20を共用することができる。このため、第1の粘着フィルム3と第2の粘着フィルム7にそれぞれ別個に剥離ライナーを設ける場合に比べて、使用後に廃棄する剥離ライナーの量を半減させることができる。ステッカーやラベル用途の粘着フィルムの市場規模は非常に大きいので、本実施形態の積層体1を用いることにより、剥離ライナーの量を大きく削減することができる。
第1の離型剤層10及び第2の離型剤層12の形成に使用される離型剤としては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン系等の公知の離型剤が挙げられる。離型剤は生分解性を有していてもよい。上記離型剤は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。第1の離型剤層10及び第2の離型剤層12の厚みは、0.1μm以上10μm以下程度であってもよく、0.1μm以上4μm以下であれば好ましい。
第1の粘着フィルム3を剥離ライナー20から剥離させるのに要する第1の剥離力は、第2の粘着フィルム7を剥離ライナー20から剥離させるのに要する第2の剥離力よりも大きくしてもよいが、第1の剥離力と第2の剥離力がほぼ同等であってもよい。
本実施形態の積層体1においては、最初に一方の粘着フィルムを剥離ライナー20から剥がす際に剥離ライナー20側に他方の粘着フィルムが残るので、第1の剥離力と第2の剥離力との間に差を設けなくても粘着フィルムの剥離がしやすくなっている。第1の剥離力及び第2の剥離力は特に限定されないが、共に0.5N/50mm以下であってもよく、0.3N/50mm以下であれば各粘着フィルムの剥離がより容易になるので好ましい。第1の剥離力及び第2の剥離力は、離型剤層に使用される離型剤の種類や離型剤層の厚みによって容易に調節することができる。
剥離ライナー20の芯材5の材料としては、上質紙、グラシン紙、合成紙又は樹脂フィルム等を用いることができる。芯材5の材料として上質紙又はグラシン紙を用いる場合には、離型剤が基材に浸透するのを防ぐために、第1の主面2及び第2の主面4にポリエチレン層や、クレーコート層等の目止め層が設けられていてもよい。芯材5を紙製とし、生分解性を有する離型剤層と組み合わせることにより、廃棄された場合の環境負荷をより一層低減することができる。
樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等や、ポリ乳酸、酢酸セルロース、澱粉等の生分解性材料により構成された樹脂フィルム、又はこれら樹脂をリサイクルすることで得られた樹脂により構成されたフィルムを用いることができる。芯材5が紙、生分解性を有する樹脂フィルム又はリサイクル材料を含む樹脂フィルムにより形成されていれば、自然環境への負荷をさらに小さくすることができるので、好ましい。
剥離ライナー20の膜厚は特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下であってもよく、20μm以上250μm以下であれば好ましく、30μm以上200μm以下であればさらに好ましい。剥離ライナー20が薄過ぎると使用時に第1の粘着フィルム3又は第2の粘着フィルム7から剥がしにくくなり、剥離ライナー20が厚過ぎるとコストが増加する上、結果として省資源化を達成しにくくなる。剥離ライナー20の膜厚が30μm以上200μm以下であればハンドリングがより容易になる上、積層体1の使用後に廃棄される剥離ライナー20の量をより小さく抑えることができる。
剥離ライナー20の第1の粘着フィルム3と接する面、及び第2の粘着フィルム7と接する面は平坦であってもよいが、いずれか一方又は両方の面に例えば格子状の凸部や散点状の凹部等が形成されていてもよい。剥離ライナー20にこのような凸部又は凹部を形成することにより、これら凹凸に対応した溝又は凸部を粘着剤層に形成できるので、粘着フィルムを被着体に貼り付ける際に、空気を噛み込みにくくしたり、ガス浮きを生じにくくしたりすることができる。上述の凹凸は、エンボス加工や樹脂や離型剤の堆積等の公知の方法によって形成することができる。
第1の基材11、第2の基材17としては、樹脂フィルム、紙、不織布又はこれらの組み合わせ等、公知の材料を用いることができる。樹脂フィルムの構成材料としては、例えばPET、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、ポリスチレン(PS)等の化学合成樹脂や、ポリ乳酸等の生分解性樹脂、生物由来の材料、上記材料のリサイクルにより得られた樹脂等、公知の材料を用いることができる。第1の基材11と第2の基材17の構成材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層15は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系等、公知の粘着剤の硬化物により形成されていてもよい。第1の粘着剤層13及び第2の粘着剤層15を形成するために用いられる粘着剤は、光照射により硬化されるものであってもよいし、熱硬化型であってもよい。第1の粘着剤層13及び第2の粘着剤層15を形成するために用いられる粘着剤は、互いに異なっていてもよいが、両粘着剤が同一であってもよい。これらの粘着剤は環境に配慮して水性粘着剤又はエマルション型粘着剤であってもよいが、有機溶剤で適宜希釈される溶剤系の粘着剤であってもよい。
第1の粘着剤層13及び第2の粘着剤層15の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以上80μm以下程度であってもよい。第1の粘着剤層13の組成と第2の粘着剤層15の組成とを同一にする場合、第1の粘着剤層13の厚みと第2の粘着剤層15の厚みとを同一にすることで、第1の粘着剤層13と第2の粘着剤層15の被着体に対する粘着力等の特性を揃えることができる。
なお、積層体1が所定サイズのシート状に裁断されて提供される場合、第1の粘着フィルム3の構成と第2の粘着フィルム7の構成を互いに同じにすることで、カールの発生を抑えることが可能となる。
図3は、本明細書に開示された積層体の一例を、第2の粘着フィルム7側から見た平面図である。
積層体1において、第1の印刷領域23に形成された図柄と第2の印刷領域25に形成された図柄とは、互いに同じであってもよいが、図3に示すように、互いに異なっていてもよい。また、第1の印刷層6を構成するインクの種類と第2の印刷層8を構成するインクの種類とは互いに同じであってもよいが、互いに異なっていてもよい。例えば、第1の印刷層6を単色のインクにより構成し、第2の印刷層8を多色のインクにより構成するなど、使用するラベル発行装置の仕様に合わせてインクの種類や色数を選定することで、既存のラベル発行装置を用いて積層体1の印刷及び抜き加工をすることがより容易となる。
積層体1において、第1の印刷領域23に形成された図柄と第2の印刷領域25に形成された図柄とは、互いに同じであってもよいが、図3に示すように、互いに異なっていてもよい。また、第1の印刷層6を構成するインクの種類と第2の印刷層8を構成するインクの種類とは互いに同じであってもよいが、互いに異なっていてもよい。例えば、第1の印刷層6を単色のインクにより構成し、第2の印刷層8を多色のインクにより構成するなど、使用するラベル発行装置の仕様に合わせてインクの種類や色数を選定することで、既存のラベル発行装置を用いて積層体1の印刷及び抜き加工をすることがより容易となる。
−積層体の製造及び加工方法−
本実施形態に係る積層体1を作製する際には、例えば両面にポリエチレンからなる目止め層が形成されたロール状の芯材5を準備する。次に、芯材5の両面に例えば公知の離型剤を塗布して乾燥させることにより、第1の主面2に第1の離型剤層10を、第2の主面4に第2の離型剤層12を、それぞれ有する剥離ライナー20を作製する。
本実施形態に係る積層体1を作製する際には、例えば両面にポリエチレンからなる目止め層が形成されたロール状の芯材5を準備する。次に、芯材5の両面に例えば公知の離型剤を塗布して乾燥させることにより、第1の主面2に第1の離型剤層10を、第2の主面4に第2の離型剤層12を、それぞれ有する剥離ライナー20を作製する。
次に、公知のコンマ型コーター等を用いて第1の基材11の一方の面に粘着剤を塗工し、当該粘着剤の熱硬化及び乾燥を行って第1の粘着剤層13を形成させてから、剥離ライナー20を貼り合わせる。また、第2の基材17の一方の面に粘着剤を塗工し、熱硬化及び乾燥を行って第2の粘着剤層15を形成させてから、この第2の粘着剤層15と剥離ライナー20の露出面とを貼り合わせる。
以上のようにして、第1の粘着フィルム3と第2の粘着フィルム7とを有するロール状の積層体1を作製することができる。なお、第1の基材11及び第2の基材17の一方の面には、公知の凸版印刷等によってあらかじめ第1の印刷層6及び第2の印刷層8が形成されていてもよいし、積層体1を形成した後で印刷層を形成してもよい。
次に、積層体1を適宜スリッター又は断裁機を用いて適切な幅及び長さに加工した後、第1の主面2側から第1の粘着フィルム3を貫通し、剥離ライナー20は貫通しないように抜き加工を行い、第1の切断部28を形成する。次いで、第2の主面4側から第2の粘着フィルム7を貫通し、剥離ライナー20は貫通しないように抜き加工を行い、第2の切断部30を形成する。第1の切断部28と第2の切断部30とは、平面視において少なくとも一部が重複しないように互いにずれた位置に形成されていてもよい。このようにすれば、第1の切断部28と第2の切断部30とが平面視において重複する部分を少なくできるので、抜き加工の精度が高くない場合でも積層体1から切断部に囲まれた部分(個々のラベル等)が脱落する可能性を低減することができる。以上のようにして、積層体1を作製することができる。積層体1は、既存のラベル発行装置を用いて印刷及び加工できるので、製造コストの大幅な増加を抑えることができる。
なお、剥離ライナー20の一方の面に第1の粘着剤層13を形成した後に第1の基材11を貼り合わせ、続いて剥離ライナー20の他方の面に第2の粘着剤層15を形成した後に第2の基材17を貼り合わせる方法によって積層体1を作製してもよい。
なお、以上で説明した積層体1の構成や、積層体1の製造及び加工手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
−積層体の作製−
70g/m2のグラシン紙(芯材)の両面に互いに同一組成で同じ厚みのシリコーン系離型剤層(第1の離型剤層及び第2の離型剤層)を形成することで、剥離ライナーを作製した。次いで、上述の方法によって剥離ライナーの一方の面に第1の粘着フィルムを、他方の面に第2の粘着フィルムをそれぞれ貼り合わせた。第1の基材としては厚みが50μmで印刷面に易接着層が形成された白色PETフィルムを用い、第2の基材としては、第2の粘着剤層と接する面にアルミニウム蒸着層を設け、他方の面に易接着層が設けられた厚さ50μmのPETフィルムを用いた。第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層の形成には互いに同じアクリル系粘着剤を用い、両粘着剤層の厚みは共に18μmとした。
70g/m2のグラシン紙(芯材)の両面に互いに同一組成で同じ厚みのシリコーン系離型剤層(第1の離型剤層及び第2の離型剤層)を形成することで、剥離ライナーを作製した。次いで、上述の方法によって剥離ライナーの一方の面に第1の粘着フィルムを、他方の面に第2の粘着フィルムをそれぞれ貼り合わせた。第1の基材としては厚みが50μmで印刷面に易接着層が形成された白色PETフィルムを用い、第2の基材としては、第2の粘着剤層と接する面にアルミニウム蒸着層を設け、他方の面に易接着層が設けられた厚さ50μmのPETフィルムを用いた。第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層の形成には互いに同じアクリル系粘着剤を用い、両粘着剤層の厚みは共に18μmとした。
以上の方法によって作製されたロール状の積層体を、両面印刷が可能な公知の間欠輪転機(ラベル発行装置)に掛け、第2の粘着フィルム7上に第2の印刷層8を形成した後、汎用のロータリー刃を用いて抜き加工を行い、剥離ライナーの一部まで達する第2の切断部を形成した。次いで、第1の粘着フィルム3上に第1の印刷層6を形成した後、汎用のロータリー刃を用いて抜き加工を行い、剥離ライナーの一部まで達する第1の切断部を形成した。
個々のラベルが形成された第1の印刷領域と第2の印刷領域(図2参照)の形状と大きさは互いに同一とした。ここで、実施例1として、第1の切断部と第2の切断部とが平面視において完全に重複する積層体を作製し、実施例2として、第1の切断部と第2の切断部とが平面視において互いにずれた位置に形成された積層体を作製した。
−剥離力の測定−
印刷層が形成されていない積層体の第2の粘着フィルム側を、両面テープによって樹脂板上に固定した。次いで、積層体を23℃、湿度50%の環境に置き、剥離角度180°、引張速度0.3m/分の条件で、第1の粘着フィルムから剥離ライナーを剥がし、剥離に要する力(剥離力A(N/50mm))を上記の万能材料試験機を用いて測定した。測定には、(株)オリエンテック製の万能材料試験機(テンシロンRTC−1150A)を用いた。
印刷層が形成されていない積層体の第2の粘着フィルム側を、両面テープによって樹脂板上に固定した。次いで、積層体を23℃、湿度50%の環境に置き、剥離角度180°、引張速度0.3m/分の条件で、第1の粘着フィルムから剥離ライナーを剥がし、剥離に要する力(剥離力A(N/50mm))を上記の万能材料試験機を用いて測定した。測定には、(株)オリエンテック製の万能材料試験機(テンシロンRTC−1150A)を用いた。
また、積層体の第1の粘着フィルム側を、両面テープによって樹脂板上に固定した。次いで、上述したのと同様の条件で第2の粘着フィルムから剥離ライナーを剥がし、剥離に要する力(剥離力B(N/50mm))を上記の万能材料試験機を用いて測定した。
−印刷加工の評価−
実施例1及び実施例2として作製した積層体において、抜き加工が適切に行われているか否かを評価した。抜き加工後に各印刷領域に形成されたラベルを適切に剥がすことができた場合には「優」と判断し、抜き加工が不十分である部分、又は第1の切断部と第2の切断部とが連結してしまった部分があるものの、ラベルの剥離に問題がなかった場合には「良」と判断し、抜き加工が不十分でラベルが剥離できない場合や、ラベルが積層体から脱落した場合は「不良」と判断した。この評価結果も表1に示す。
実施例1及び実施例2として作製した積層体において、抜き加工が適切に行われているか否かを評価した。抜き加工後に各印刷領域に形成されたラベルを適切に剥がすことができた場合には「優」と判断し、抜き加工が不十分である部分、又は第1の切断部と第2の切断部とが連結してしまった部分があるものの、ラベルの剥離に問題がなかった場合には「良」と判断し、抜き加工が不十分でラベルが剥離できない場合や、ラベルが積層体から脱落した場合は「不良」と判断した。この評価結果も表1に示す。
−評価結果−
表1に示すように、実施例1、実施例2の積層体において、第1の粘着フィルムを剥離ライナーから剥がす際の剥離力と第2の粘着フィルムを剥離ライナーから剥がす際の剥離力とは同じであり、いずれも0.1N/50mmであった。また、実施例1においては、積層体の一部で第1の切断部と第2の切断部とがつながる箇所が見られたが、ラベルの剥離自体には問題が見られなかった。また、実施例2においては、特に加工上の問題は見られなかった。実施例1、2の結果から、本明細書に開示された積層体によれば、廃棄される剥離ライナーの量を大幅に削減できる上、汎用のラベル発行装置を用いて印刷及び抜き加工ができることが分かった。
表1に示すように、実施例1、実施例2の積層体において、第1の粘着フィルムを剥離ライナーから剥がす際の剥離力と第2の粘着フィルムを剥離ライナーから剥がす際の剥離力とは同じであり、いずれも0.1N/50mmであった。また、実施例1においては、積層体の一部で第1の切断部と第2の切断部とがつながる箇所が見られたが、ラベルの剥離自体には問題が見られなかった。また、実施例2においては、特に加工上の問題は見られなかった。実施例1、2の結果から、本明細書に開示された積層体によれば、廃棄される剥離ライナーの量を大幅に削減できる上、汎用のラベル発行装置を用いて印刷及び抜き加工ができることが分かった。
本明細書に開示された積層体は、ステッカーやラベル等、種々の印刷物の作製に用いることができる。
1 積層体
2 第1の主面
3 第1の粘着フィルム
4 第2の主面
5 芯材
6 第1の印刷層
7 第2の粘着フィルム
8 第2の印刷層
10 第1の離型剤層
11 第1の基材
12 第2の離型剤層
13 第1の粘着剤層
15 第2の粘着剤層
17 第2の基材
20 剥離ライナー
21 紙管
23 第1の印刷領域
25 第2の印刷領域
28 第1の切断部
30 第2の切断部
2 第1の主面
3 第1の粘着フィルム
4 第2の主面
5 芯材
6 第1の印刷層
7 第2の粘着フィルム
8 第2の印刷層
10 第1の離型剤層
11 第1の基材
12 第2の離型剤層
13 第1の粘着剤層
15 第2の粘着剤層
17 第2の基材
20 剥離ライナー
21 紙管
23 第1の印刷領域
25 第2の印刷領域
28 第1の切断部
30 第2の切断部
Claims (7)
- 第1の主面及び第2の主面を有する芯材と、前記第1の主面に設けられた第1の離型剤層と、前記第2の主面に設けられた第2の離型剤層とを有する剥離ライナーと、
前記第1の離型剤層に接して設けられた第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層の前記剥離ライナーとは反対側に位置する面に接する第1の基材とを有する第1の粘着フィルムと、
前記第2の離型剤層に接して設けられた第2の粘着剤層と、前記第2の粘着剤層の前記剥離ライナーとは反対側の面に接する第2の基材とを有する第2の粘着フィルムと
を備えている積層体。 - 請求項1に記載の積層体において、
前記第1の基材の前記剥離ライナーと反対側に位置する面、及び前記第2の基材の前記剥離ライナーとは反対側に位置する面には、それぞれ易接着処理が施されている積層体。 - 請求項1又は2に記載の積層体において、
前記第1の基材の前記剥離ライナーとは反対側に位置する面に設けられ、少なくとも1つの第1の印刷領域が形成された第1の印刷層と、
前記第2の基材の前記剥離ライナーとは反対側に位置する面に設けられ、少なくとも1つの第2の印刷領域が形成された第2の印刷層と
をさらに備えている積層体。 - 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の積層体において、
前記第1の印刷領域の外縁では、前記第1の粘着フィルムを貫通して前記剥離ライナーに達する第1の切断部が形成されており、
前記第2の印刷領域の外縁では、前記第2の粘着フィルムを貫通して前記剥離ライナーに達する第2の切断部が形成されており、
前記第1の切断部と前記第2の切断部とは、平面視において少なくとも一部が重複しないように互いにずれた位置に形成されている積層体。 - 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の積層体において、
前記第1の粘着フィルムを前記剥離ライナーから剥離させるのに要する第1の剥離力と、前記第2の粘着フィルムを前記剥離ライナーから剥離させるのに要する第2の剥離力とは共に0.3N/50mm以下である積層体。 - 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の積層体において、
前記芯材は、紙、生分解性を有する樹脂フィルム又はリサイクル材料を含む樹脂フィルムにより形成されている積層体。 - 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の積層体において、
前記剥離ライナーの膜厚は10μm以上300μm以下である積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020033420A JP2021133650A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020033420A JP2021133650A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021133650A true JP2021133650A (ja) | 2021-09-13 |
Family
ID=77659833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020033420A Pending JP2021133650A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021133650A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7557453B2 (ja) | 2021-10-28 | 2024-09-27 | 王子ホールディングス株式会社 | ダンボール箱 |
-
2020
- 2020-02-28 JP JP2020033420A patent/JP2021133650A/ja active Pending
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JP7557453B2 (ja) | 2021-10-28 | 2024-09-27 | 王子ホールディングス株式会社 | ダンボール箱 |
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