JP4915983B2 - 鑑識用粘着シートおよびその製造方法、ならびに痕跡採取方法 - Google Patents

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Description

本発明は、指紋や足跡、タイヤ跡等の採取に使用するための鑑識用粘着シートおよびその製造方法、ならびに痕跡採取方法に関し、特に、指紋・足跡等を採取した後に、証拠となる鑑識用粘着シートの改ざんを防止するための技術に関する。
従来、指紋や足跡、タイヤ跡等の採取に使用するための鑑識用粘着シートとしては、たとえば透明支持フィルムの片面にウレタン系粘着剤を塗布したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この粘着シートを用いて指紋を採取するためには、まず、採取対象面に粉末を刷毛などで少しずつ塗布し、穂先で軽く払うようにして指紋隆線の部分だけに粉末を付着させて指紋を浮き上がらせる。次いで、粘着シートの一端から剥離紙を兼ねた台紙を剥離して粘着面を採取対象面に当接し、さらに台紙を剥離しながら浮き上がらせた指紋を粘着面に転写させ、その後台紙を再び粘着面に貼り合わせる。最後に、台紙に採取時、採取場所等の必要事項を、台紙の裏面の情報記入欄に記入して、指紋採取を完了する。そして、このような粘着シートは、採取する対象の大きさに応じて、3分割〜9分割に切断して使用される場合があった。
しかしながら、台紙は粘着シートから容易に剥離、再貼付できるものであり、保管時に粘着シートあるいは台紙を意図的に貼り変えることができる。また、台紙が粘着シートから自然に剥離し、粘着シートと台紙とが入り乱れる可能性もあった。
この際、ステープラなどで台紙と粘着シートとを固定してもよいが、この場合にもステープラ針の針穴を合わせて、粘着シートもしくは台紙をすり変えることができる。また、台紙と粘着シートを貼り合わせた状態で他の固定用テープにより両者を固定した場合には、低速で固定用シートを剥離したり、ドライヤー等の熱源を用いて粘着剤を軟化させ剥離することにより、台紙の表面を傷つけることなく、しかも剥離した粘着シートを再貼付可能な状態で剥離することができるため、台紙と粘着シートとが同一に使用されたものであることの証明が困難な場合もあった。
このため、指紋・足跡等を採取した後に、再度台紙が剥離され貼り変えられたことを直ちに判別可能にして、鑑識用粘着シートの証拠能力を高める必要があった。そこで、支持体の片面に粘着剤層を備えた粘着シート層とこれに再貼付可能に貼り合わせられた台紙層とからなる鑑識用粘着シート本体と、前記粘着シート層と前記台紙層とを貼り合わせた状態で両者を貼着固定する剥離判別用粘着テープとを備えたことを特徴とする鑑識用粘着シートが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。また、剥離判別用粘着テープとして、支持体の片面に形成された皮膜層およびその皮膜層を覆う粘着剤層が備えられ、剥離判別用粘着テープを鑑識用粘着シート本体から剥離した場合に、前記皮膜層および/または粘着剤層が剥離判別用粘着テープの支持体から剥離されるものが開示されている。
しかしながら、上述のように剥離判別用粘着テープを鑑識用粘着シート本体に貼着固定する方法では、剥離判別用粘着テープの製造コストの増加に加え、その貼着工程の煩雑さやコスト増加の問題があった。また、指紋等を採取する際に、台紙層から粘着シート層を剥離しても、剥離判別用粘着テープを介して両者が連結されており、剥離判別用粘着テープの存在によって粘着シート層の取扱いに慎重を要するといった使用上の制約があった。さらに、鑑識用粘着シート本体を分割・切断して使用する場合には、剥離判別用粘着テープの貼着された切断片のみが、改ざん防止機能を有することになり、鑑識用粘着シートの利用効率が低下するという欠点もあった。
特開2001−40299号公報 特開2003−89776号公報
本発明は、このような事情に照らし、粘着剤層の間に採取した痕跡を保存することで、コストをほとんど増加させずに証拠の改ざん防止機能を付与でき、しかもセパレーターから剥離後のシート上部およびシート下部の取扱いの制限がなく、切断使用にも対応することができる鑑識用粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記鑑識用粘着シートを用いた、採取した痕跡の改ざんを防止して証拠としての信頼性をより向上させた痕跡採取方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す鑑識用粘着シートにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、視覚化された痕跡を粘着剤層の表面に転写して採取する鑑識用粘着シートであって、
前記鑑識用粘着シートが、印刷層、基材層および粘着剤層が積層されたシート上部(A)、セパレーター、ならびに、基材層および粘着剤層が積層されたシート下部(B)を備え、かつ、前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とが前記セパレーターを介して積層されていることを特徴とする。
本発明の鑑識用粘着シートは、上記シート上部(A)の粘着剤層とシート下部(B)の粘着剤層との間に採取した痕跡を簡易に保存できる構成であるため、証拠の改ざん防止機能を付与することができる。これは、一度貼り合せた後に再度剥がすと粘着剤層の表面や保存されていた痕跡が損傷や破壊を受けてしまい、その後再度貼り合せたりしても貼りなおしや改ざんしたことが明らかとなるためである。しかも、シート上部(A)およびシート下部(B)を互いに完全に分離できる構成を有するので、セパレーターから剥離後のシート上部(A)およびシート下部(B)の取扱いの制限がない。そして上記シート上部(A)の粘着剤層とシート下部(B)の粘着剤層とを貼り合せる方式をとるため、セパレーターから剥離後のシート上部(A)およびシート下部(B)に別途印刷等する工程やその情報を管理する工程が必要なく、コストをほとんど増加させずに証拠の改ざん防止機能を付与できる。さらに、鑑識用粘着シートを分割・切断して使用する場合でも、分割領域ごとに識別情報を付すだけで、容易に対応できる。
上記鑑識用粘着シートにおいて、上記シート上部(A)が、印刷層、基材層、粘着剤層の順に積層されたものであることが好ましい。上記印刷層として筆記可能な筆記層を含むもしくは筆記可能な層とすることが採取現場での使用上便利である。さらには、上記基材層と粘着剤層の間にさらに他の印刷層を設けることもでき、上記他の印刷層を設けることにより、採取した痕跡を読み取りやすくすることができる。
また、上記シート上部(A)の粘着剤層および/または上記シート下部(B)の粘着剤層が、ポリウレタン系粘着剤により形成されていることが好ましい。
さらに、上記シート上部(A)の粘着剤層および上記シート下部(B)の粘着剤層が、ポリエステル系粘着剤により形成されていることが好ましい。上記ポリエステル系粘着剤を用いることにより、空気をかみ込みにくく自着性が強いためより一度貼り合せると採取した痕跡に破損等を与えることなく再剥離することが非常に困難となるため、特に好ましい。
また、上記シート下部(B)の基材層が透明支持フィルムであることが好ましい。上記シート下部(B)を透明もしくは半透明にすることにより、上記シート下部(B)で痕跡を採取する際に痕跡の位置等を確認しながらできるために、痕跡の採取がより簡易となる。
さらに、上記粘着剤層の厚みが50〜500μmであることが好ましい。この範囲であると、採取対象面に凹凸が有る場合でも、凹凸への追従性が良好になる。
一方、本発明は、視覚化された痕跡を粘着剤層の表面に転写して採取する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
印刷層、基材層および粘着剤層を積層してシート上部(A)を形成する工程、
基材層および粘着剤層を積層してシート下部(B)を形成する工程、ならびに、
前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とが前記セパレーターを介して積層される工程、
を含むことを特徴とする。
上述の工程を有する本発明の製造方法を用い、上記シート上部(A)の粘着剤層とシート下部(B)の粘着剤層との間に採取した痕跡を簡易に保存可能な構成とすることによって、証拠の改ざん防止機能を付与することができる。しかも、シート上部(A)およびシート下部(B)を互いに完全に分離できる構成を有するので、セパレーターから剥離後のシート上部(A)およびシート下部(B)の取扱いの制限がない。そして上記シート上部(A)の粘着剤層とシート下部(B)の粘着剤層とを貼り合せる方式をとるため、セパレーターから剥離後のシート上部(A)およびシート下部(B)に別途印刷等する工程やその情報を管理する工程が必要なく、コストをほとんど増加させずに証拠の改ざん防止機能を付与できる。さらに、鑑識用粘着シートを分割・切断して使用する場合でも、分割領域ごとに識別情報を付すだけで、容易に対応できるようになる。
他方、本発明は、上述の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
前記シート上部(A)の粘着剤層または前記シート下部(B)の粘着剤層の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
上述の工程を有する本発明の痕跡採取方法を用いることにより、採取した痕跡の改ざんを防止して証拠としての信頼性をより向上させた痕跡の採取をより簡便に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、本発明の鑑識用粘着シートの第1実施形態〜第3実施形態を示す断面図である。
本発明の鑑識用粘着テープ本体1は、図1〜図3に例として示すように、シート上部(A)10、セパレーター30およびシート下部(B)20を備えている。本発明の鑑識用粘着シートは、採取対象面から浮き上がらせた指紋など、視覚化された痕跡をシート下部(B)20の粘着剤層22の表面に転写して採取するものである。
本発明におけるシート上部(A)10は、図1〜図3に例として示すように、印刷層12、基材層14および粘着剤層16が積層された構成を有するものである。感圧性の粘着剤層16は基材層14の片面側に形成される。特に、シート上部(A)10は、図1に例として示すように、印刷層12、基材層14、粘着剤層16の順に積層されたものとすることができる。また、シート上部(A)10は、図2に例として示すように、印刷層12、基材層14、印刷層18、粘着剤層16の順に積層されたものとすることができる。さらには、シート上部(A)10は、図3に例として示すように、印刷層15、印刷層12、基材層14、印刷層18、粘着剤層16の順に積層されたものとすることができる。このとき、粘着剤層16と基材層14との間や、印刷層12と基材層24との間には、それぞれプライマー層などを設けてもよい。
印刷層12には、表面に事件番号記入欄や採取日時の記入欄、立会人氏名記入欄等を印刷した層を用いることができる。印刷層12は、マジックインキやボールペン、鉛筆などで直接筆記が可能な層とすることが好ましい。また、印刷層12の裏面に黒色または白色のプラスチックフィルムや黒色または白色の印刷層を貼り合せて印刷層12とすることもできる。また、基材層14と粘着剤層16の間に黒色または白色のプラスチックフィルムを積層してもよい。たとえば、上述のように黒色または白色の層を設けることにより、指紋等の痕跡採取後の判別性が向上するため好ましい。
印刷層18には、黒色または白色の印刷層を用いることができる。たとえば、上述のように黒色または白色の層を設けることにより、指紋等の痕跡採取後の判別性が向上するため好ましい。
基材層14は、たとえば、ポリプロピレン製などの合成紙や上質紙、ケント紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ならびにこれらの複数を積層したものなどが用いられる。基材層14は、特に限定されるものでは無いが、この基材層14の粘着塗工面には、投錨性を向上させるために必要に応じてコロナ処理等を施す事が出来る。
基材層14の厚みは、採取作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜200μm程度である。
基材層14には、必要に応じて、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
粘着剤層16は、粘着剤層22との接着性を有するものであれば適宜用いることができる。粘着剤層16を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあげられる。また、粘着剤層16は、粘着剤層22とともに、ポリエステル系粘着剤など自着性がより強いものにより形成されていることが一度貼り合せた状態からの粘着剤層や採取した痕跡の破壊や損傷等のない剥離が非常に困難となり、改ざん防止の観点からは特に好ましい。
上記ポリエステル系粘着剤としては、たとえば、特開平9−263749号に記載されているポリカーボネートジオールと炭素数が2〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸成分とから合成される重量平均分子量1万以上のポリエステルを含む粘着剤などが使用できる。
また、粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、架橋剤、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
粘着剤層16の厚みは、粘着剤層22との貼り合せが良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μm程度である。
本発明におけるシート下部(B)20は、図1〜図3に例として示すように、基材層24および粘着剤層22が積層された構成を有するものである。粘着剤層22は基材層24の片面側に形成される。このとき、粘着剤層22と基材層24との間には、それぞれプライマー層などを設けてもよい。
粘着剤層22を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあげられる。また、粘着剤層22は、タックが低くいにもかかわらず指紋等の凹凸に良好に追従して正確に痕跡の採取が行える観点から、ウレタン系粘着剤を用いたものが好ましい。さらに、粘着剤層22は、指紋等の判別が可能な程度の透明性を有していればよいが、透明性が高いほど、指紋等の判別性が向上するため好ましい。また、粘着剤層22は、粘着剤層16とともに、ポリエステル系粘着剤など自着性がより強いものにより形成されていることが一度貼り合せた状態からの粘着剤層や採取した痕跡の破壊や損傷等のない剥離が非常に困難となり、改ざん防止の観点からは特に好ましい。
また、粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、架橋剤、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
粘着剤層22の厚みは、採取作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常50〜500μm、好ましくは100〜300μm程度である。
また、本発明の鑑識用粘着シートにおいては、粘着剤層22のステンレス板に対する粘着力が0.1〜5N/20mmであることが好ましく、0.5〜2N/20mmであることがより好ましい。上記粘着力がこの範囲であると、転写・採取を行う際に、剥離の作業性も良好になる。
基材層24は、指紋等の判別が可能な程度の透明性を有していればよいが、透明性が高いほど、指紋等の判別性が向上するため好ましい。基材層24は、特に限定されるものでは無いが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムが使用出来る。また、透明性が高い透明支持フィルムを用いることが好ましい。この基材層24の粘着塗工面には、投錨性を向上させるために必要に応じてコロナ処理等を施す事が出来る。
上記透明支持フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等の延伸または無延伸フィルムを使用でき、なかでも、耐熱性、機械的強度、寸法安定性のいずれにも優れた二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが耐熱性、透明性、経済性の観点より最適である。
基材層24の厚みは、採取作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜200μm程度である。
基材層24には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
本発明におけるセパレーター30は、その両面が、各粘着剤層が剥離可能な程度の剥離性を有するものであれば特に限定されない。本発明の鑑識用粘着シートにおいては、図1〜図3に例として示すように、セパレーター30は、その片面に粘着剤層16が貼り合わされ、もう一方の面に粘着剤層22が貼り合わされた構成で用いられる。セパレーター30は、使用時に粘着剤層16および粘着剤層22から剥離・除去されるが、その剥離・除去の工程の順序は問わない。また、セパレーター30の片面または両面には離型剤による離型処理や塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施してもよい。
上記離型剤としては、たとえば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤などをあげることができる。
セパレーター30の厚みは、剥離作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜200μm程度である。
一方、本発明は、視覚化された痕跡を粘着剤層の表面に転写して採取する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
印刷層12、基材層14および粘着剤層16を積層してシート上部(A)10を形成する工程、
基材層24および粘着剤層22を積層してシート下部(B)20を形成する工程、ならびに、
前記シート上部(A)10の粘着剤層16と前記シート下部(B)20の粘着剤層22とが前記セパレーター30を介して積層される工程、
を含むことを特徴とする。
印刷層12、印刷層15および印刷層18は、たとえば、当該印刷層が面する層にあらかじめ積層されていてもよく、その他のすべての層または一部の層が積層された段階で積層されてもよい。印刷層の形成には公知の手法を適宜用いることができる。
粘着剤層16は、たとえば、基材層14上またはセパレーター30上に直接粘着剤を塗布乾燥させて形成することができるが、他の支持体上で粘着剤層を形成した後、基材層14上またはセパレーター30上に転写することも可能である。
粘着剤層22は、たとえば、基材層24上またはセパレーター30上に直接粘着剤を塗布乾燥させて形成することができるが、他の支持体上で粘着剤層を形成した後、基材層24上またはセパレーター30上に転写することも可能である。
上記鑑識用粘着シートは、たとえば、シート上部(A)10およびシート下部(B)20をそれぞれ形成した後に、それらをセパレーター30を介して積層することにより製造することができるが、その他のすべての層または一部の層が積層された段階で積層されてもよい。
また、上記各粘着剤層の形成方法としては、粘着シートの製造に用いられる公知の方法が適宜用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
本発明は、上述のように、シート上部(A)の粘着剤層とシート下部(B)の粘着剤層とがセパレーターを介して積層されていることを特徴とするものである。
一方、視覚化される痕跡としては、鑑識の対象となる、指紋、足跡、タイヤ痕跡等があげられる。視覚化の方法としては、微粉末等を用いた乾式法、湿式法いずれによるものでもよい。
乾式法としては、たとえば、アルミの微粉末を痕跡部分に刷毛等で塗布した後、痕跡部以外の粉末は風等で吹き除ける方法や、その他、アルミの代わりに、磁性粉末等を使用する方法などがあげられる。
湿式法としては、たとえば、四三酸化鉄の微粉末と界面活性剤を水で溶かした分散液を痕跡部分に塗布した後、水洗する方法や、その他、四三酸化鉄の代わりに、雲母類や真珠粉などの微粉末を使用する方法などがあげられる。
以下、この構成に関して、本発明の好ましい実施形態として順に説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図1に示すように、印刷層12、基材層14、粘着剤層16の順に積層されたシート上部(A)10と、基材層24および粘着剤層22が積層されたシート下部(B)20とがセパレーター30を介して積層されている。この場合、印刷層12が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、基材層14に透明または半透明材料を用いた場合には、印刷層12の基材層14との貼り合せ面を白色または黒色にすることが採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。
指紋等の痕跡の採取は、一般にはシート下部(B)20の粘着剤層22の表面に転写し、次いで当該表面とシート上部(A)10の粘着剤層16の表面とを貼り合せておこなうものであるが、シート上部(A)10の粘着剤層16の表面に採取対象の痕跡を転写してからシート下部(B)20の粘着剤層22の表面に貼り合せてもよい。また、基材層24は、痕跡採取の作業性の面から、透明性が高いものを用いることが好ましい。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図2に示すように、印刷層12、基材層14、印刷層18、粘着剤層16の順に積層されたシート上部(A)10と、基材層24および粘着剤層22が積層されたシート下部(B)20とがセパレーター30を介して積層されている。この場合、印刷層12が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、印刷層18の基材層14との貼り合せ面を白色または黒色にすることが、採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図3に示すように、印刷層15、印刷層12、基材層14、印刷層18、粘着剤層16の順に積層されたシート上部(A)10と、基材層24および粘着剤層22が積層されたシート下部(B)20とがセパレーター30を介して積層されている。この場合、印刷層15によりシート上部(A)10の表面に採取日時や採取場所などを記入できる記入欄や枠等を形成することにより、より採取現場での作業性、保管性を向上させることができる。また、印刷層18の基材層14との貼り合せ面を白色または黒色にすることが、採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。
本発明の鑑識用粘着シートの第1実施形態を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第2実施形態を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第3実施形態を示す断面図
符号の説明
1 鑑識用粘着シート本体
10 シート上部(A)
12 印刷層
14 基材層
15 印刷層
16 粘着剤層
18 印刷層
20 シート下部(B)
22 粘着剤層
24 基材層
30 セパレーター

Claims (10)

  1. 視覚化された痕跡を粘着剤層の表面に転写して採取する鑑識用粘着シートであって、
    前記鑑識用粘着シートが、印刷層、基材層および粘着剤層が積層されたシート上部(A)、セパレーター、ならびに、基材層および粘着剤層が積層されたシート下部(B)を備え、かつ、前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とが前記セパレーターを介して積層されていることを特徴とする鑑識用粘着シート。
  2. 前記シート上部(A)が、印刷層、基材層、粘着剤層の順に積層されたものである請求項1に記載の鑑識用粘着シート。
  3. 前記シート上部(A)の粘着剤層および/または前記シート下部(B)の粘着剤層が、ポリウレタン系粘着剤により形成されている請求項1または2に記載の鑑識用粘着シート。
  4. 前記シート上部(A)の粘着剤層および前記シート下部(B)の粘着剤層が、ポリエステル系粘着剤により形成されている請求項1または2に記載の鑑識用粘着シート。
  5. 前記シート下部(B)の基材層が透明支持フィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の鑑識用粘着シート。
  6. 前記シート下部(B)の粘着剤層の厚みが50〜500μmである請求項1〜5のいずれかに記載の鑑識用粘着シート。
  7. 視覚化された痕跡を粘着剤層の表面に転写して採取する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
    印刷層、基材層および粘着剤層を積層してシート上部(A)を形成する工程、
    基材層および粘着剤層を積層してシート下部(B)を形成する工程、ならびに、
    前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とがセパレーターを介して積層される工程、
    を含むことを特徴とする鑑識用粘着シートの製造方法。
  8. 前記シート上部(A)が、印刷層、基材層、粘着剤層の順に積層されたものである請求項7に記載の鑑識用粘着シートの製造方法。
  9. 前記シート上部(A)の粘着剤層および前記シート下部(B)の粘着剤層が、ポリエステル系粘着剤により形成されている請求項7または8に記載の鑑識用粘着シートの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
    前記シート上部(A)の粘着剤層または前記シート下部(B)の粘着剤層の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
    前記シート上部(A)の粘着剤層と前記シート下部(B)の粘着剤層とを貼り合せる工程、
    を含むことを特徴とする痕跡採取方法。
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