JP2011232921A - 非接触icカードおよびそのリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の解決しようとする課題は、カード本体として特殊な材料を使用することなく、またカード本体に大きな物理的な負荷をかけることもなく、容易にリサイクルが可能な非接触ICカードとそのリサイクル方法を提案するものである。
【解決手段】ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、該センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカードである。
【選択図】図1
【解決手段】ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、該センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカードである。
【選択図】図1
Description
本発明は、不要となった段階で簡単な処理により再生使用が可能となる非接触ICカードおよびそのリサイクル方法に関する。
ICチップを内蔵し、外部とのデータのやりとりが可能なICカードは、従来のクレジットカード用途に加え、キャッシュカードや交通カード、さらには電子マネー等さまざまな用途に広く用いられるようになってきた。
従来、使用済みのカードは、セキュリティ保護の観点から、切断して廃棄することが推奨されてきたが、物理的にはまだ使用可能なカードを廃棄することは、省資源の面から見れば好ましいことではない。
例えばイベントの入場登録カードのように、使用期間もごく限られたものであって、セキュリティ上も大きな問題がない場合、再生して再使用できるカードがあれば、省資源の観点からは、好ましいものであると言える。また長期間使用したカードであっても、セキュリティの問題が保証され、カードの品質上も問題がなければ、再使用することは可能である。
カードを再生して再使用する技術については既にいくつかの方法が提案されている。特許文献1に記載されたリサイクルされたカードは、カードのデータを消去し、カード面印刷を機械的に削って除去した後、アンダーコートを施し、印刷し、データを書き込んでなるリサイクルされたカードである。特許文献1に記載されたカードは、従来の磁気ストライプカードを対象としたものであるが、技術的にはICカードに応用することも可能である。
特許文献2に記載された表面印刷画像書換えカードは、カード基材に熱溶融性接着剤を介してフィルムを貼り合わせ、フィルム表面の記録層に画像を印刷したカードである。このカードは、加熱することによって接着剤を軟化させてフィルムを剥離除去し、フィルムを貼り替えることによって再使用を可能としたものである。
特許文献3に記載されたリサイクル可能なカードは、カード本体に、剥離可能な接着剤を介してオーバーフィルムを貼り付けたリサイクル可能なカードである。剥離可能な接着剤としては、結晶性ポリマーと粘着性ポリマーを含有する熱剥離容易性接着剤組成物や、放射線照射によって剥離強度が低下する放射線硬化性接着剤組成物を用いることにより、使用済みカードのオーバーフィルムを剥離してカード本体を再利用するものである。
特許文献1に記載されたリサイクルされたカードは、絵柄までの厚さによっては、不要な部分を研磨して除去するのに要する時間が長くなり、再生に必要なコストが高くなる。
また、研磨作業によってカード本体の再利用部分であるコアシートに傷や劣化が生じることも考えられる。その結果、リサイクル回数が制限されたり、表面印刷加工での不良が生じるといった問題が懸念される。
また、研磨作業によってカード本体の再利用部分であるコアシートに傷や劣化が生じることも考えられる。その結果、リサイクル回数が制限されたり、表面印刷加工での不良が生じるといった問題が懸念される。
特許文献2に記載された表面印刷画像書換えカードは、印刷面であるオーバーフィルムが熱溶融性接着剤によって強固に貼り付けられているため、再利用の際の剥離作業が容易ではない。また再利用を容易にするため接着剤の強度を弱くすると使用中に高温に晒された時に剥がれが生じる危険性があり、実際上この両者のバランスをうまく取るのは困難である。
特許文献3に記載されたリサイクル可能なカードは、不要となったオーバーフィルムを剥離するために、加熱あるいは放射線照射といった物理的な負荷をトリガーとしてカード本体にかける必要があるが、これらの負荷は、通常カードが使用される環境において想定される負荷を当然上回るものであるから、カード本体中のアンテナコイルやICチップにダメージを与える可能性がある。その結果、リサイクル回数が制限されたり、カード本来の機能が失われてしまうような不具合が発生することも予想される。また一般にカード材料は再生を考慮して熱可塑性樹脂で構成されているが、加熱によってオーバーフィルムの剥離強度を下げる機構を採用した場合、使用可能なカード材料としては、加熱温度以上の耐熱温度を有する特殊な、従って高価な材料に限定されてしまうという問題もある。
本発明の解決しようとする課題は、カード本体として特殊な材料を使用することなく、またカード本体に大きな物理的な負荷をかけることもなく、容易にリサイクルが可能な非接触ICカードとそのリサイクル方法を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、該センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカードである。
また、請求項2に記載の発明は、前記水溶紙層の外側に、外装シートを積層したことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカードである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の非接触ICカードを水に浸漬し、水溶性接着剤層より外側の層を除去した後、除去した面に水溶性接着剤を介して水溶紙層を有する層を積層することを特徴とする非接触ICカードのリサイクル方法である。
本発明に係る非接触ICカードは、ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、このセンターコアのみで基本的なICカードとしての機能を備えているので、センターコアの外側の層を貼り替えることにより、繰り返し使用することができる。
またセンターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有するので、使用済みのICカードを再生するためには、水に浸漬するだけの簡単な方法で水溶性接着剤層より外側の部分を完全に溶解除去することができる。
カードの再生に当たっては、水に浸漬することで不要部分の分離が可能であるため、加熱や加重を加える必要がない。また、アンテナコイルやICチップ部分はプラスチック製
のコアシートで保護されているため、直接水に触れる心配がない。このため再利用時にカード本体の機能を損なうことが限りなく少ない。
のコアシートで保護されているため、直接水に触れる心配がない。このため再利用時にカード本体の機能を損なうことが限りなく少ない。
また水溶性接着剤層と水溶紙層を組み合わせたので、水に浸漬した場合、水溶性接着剤層は水に溶解するため基材コアシート側に糊残りに起因する凹凸が残らない。これにより再生加工した際のカード表面に凹凸が生じることがなく、不良の発生を低減できる。
また水溶紙層の外側に水を透過しない外装シート層が存在した場合であっても、水に浸漬することによりカードの端面から容易に水が浸透して、水溶性接着剤層が溶解するため、リサイクル処理が短時間にできる。
水溶紙層の外側に、外装シートを積層した場合には、外装シートに精密な印刷を施すことができる他、外装シートを耐水性の材質とすることにより、カードを多少の水濡れから保護する効果を発揮させることができる。
水溶紙層は、片面(表または裏)のみの構成とすることも可能であるため、表面のみを剥離または裏面のみを剥離することも可能である。例えば表面に個人情報があり、裏面は変更の必要のない文言といった場合には、表面のみを水溶紙を含む構成とし、裏面は通常の外装シートのみの構成とすることで表面のみの剥離、再利用が可能となる。
水溶紙に直接印刷を行うことにより、外装シートを設けることが不要となる場合もある。この場合、材料費の低減になると共に、再利用時の外装シートの回収作業が不要となることから、作業の簡略化を図ることができる。
本発明に係るICカードは、上記の特性により、カードコア基材に物理的な負荷を掛けることなく非接触ICカードの機能を維持したまま容易に再利用が可能である。従って入退室用のIDカードやイベントの入場証など、使用期間が短い場合であっても本カードを用いることにより、低コストで別のカードとして再利用することが可能である。
以下図面に従って、本発明に係る非接触ICカードおよびそのリサイクル方法について詳細に説明する。図1〜図6は、本発明に係る非接触ICカードの実施態様の例を示した断面模式図である。また図7は、図1に示した非接触ICカードを構成する各層を積層する状態を示した断面説明図である。
本発明1に係る非接触ICカードは、ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカードである。また本発明2に係る非接触ICカードは、前記水溶紙層の外側に、外装シートを積層したことを特徴とする非接触ICカードである。
本発明1に係る非接触ICカードは、ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカードである。また本発明2に係る非接触ICカードは、前記水溶紙層の外側に、外装シートを積層したことを特徴とする非接触ICカードである。
図1に示した実施態様は、センターコア13の表裏面に水溶紙層3、11と外装シート2、12を備えた例である。外装シート2、12の表面には、必要な印刷を施すことができる。外装シートが透明の場合には、水溶紙層の表面あるいは、外装シートの裏面に印刷を施すこともできる。印刷は、公知のオフセット印刷法やスクリーン印刷法による。
センターコア13は、樹脂シート上にアンテナ8を形成したアンテナシートにICチップ7を実装し、電気的に接続したインレット6を複数枚のコアシート5a、5bで挟んで加熱圧締し、一体に熱融着して積層してなる。コアシートは図1では5a、5bの2枚であるが、それぞれがさらに複数枚のシートから構成されていてもよい。
コアシートが複数枚から構成される場合には、ICチップに接触するコアシートのICチップが当たる部分に、予め抜き加工によって孔をあけておくことにより、平滑なセンターコアが得られる。片側のコアシートが1枚の場合には、ICチップに接触するコアシートのICチップが当たる部分に、予め、ざぐり加工によって穴を掘っておくことにより、平滑なセンターコアが得られる。なおセンターコアの成形は、量産性を考慮してインレットを10枚〜30枚程度の多面付けで行うことが望ましい。
インレット6の基材となる樹脂シートとしては、エポキシ樹脂含浸ガラス繊維シート(ガラスエポキシ)や、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂およびこれらをアロイ化した樹脂をシート状に加工したものが使用できる。
アンテナ8としては、銅、アルミニウム等の金属箔をエッチングして形成した導体箔アンテナが使用できる。アンテナシートは、予め樹脂シート上に積層した金属箔をエッチングして形成するのが一般的である。
封止樹脂9は、ICチップやセンサー、抵抗、コンデンサ、ダイオード等の電子部品をラミネート加工時や使用時の衝撃や点圧から保護する目的で設けられ、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびこれらの混合若しくは変性樹脂等を用いる。
本発明に係るカードのコアシート5a、5bおよび外装シート2、12の材質としては、通常磁気カードやICカードに使用される材料を使用することができる。具体的には、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂や、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体樹脂(PETG)、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体樹脂等のポリエステル系共重合体樹脂、およびこれらポリエステル系共重合体樹脂とポリカーボネートおよびまたはポリアリレートとのポリマーアロイからなる非晶質ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等を使用することができるが、この限りではなく、JIS X6301の規格を満たすものであれば使用することができる。
カードを構成するコアシートや外装シートとしては、上記の樹脂に必要に応じて顔料(酸化チタン、カーボンブラック、着色顔料)、充填剤(炭酸カルシウム、シリカ)、ワックス、場合によっては改質剤としてブタジエン系、スチレンブタジエン系、イソプレン系に代表される合成ゴム系の添加剤等を適宜添加してなる樹脂組成物をカレンダーや押出し成形法によってシート状に成形したものが使用される。
水溶紙層3、11としては、特開2007-237634号公報に記載された情報記録用紙に代表されるような水解性を有する紙基材であり、特定の繊維ディメンションと保水性を有する水分散性繊維からなる水解層を少なくとも1層以上有する単層または2層以上の層状構造からなる紙基材を用いることができる。ここで用いる水分散性繊維は、本質的に水に対する分散性を有する繊維素材であり、一般的に製紙用として用いられるものである。例えば針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、溶解パルプなどの木材パルプ繊維、ケナフパルプ、亜麻パルプ、リンターなどの非木材系植物繊維から選択されるものであり、水分散性繊維の平均繊維長は、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.8〜2mmである。水溶紙層3、11の厚さとしては、再生時のカード基材の分離に要する時間を考慮すると、100〜200μm程度が望ましい。
水溶性接着剤層4、10としては、水溶性または水再分散性を有する粘着剤や接着剤、特にアクリル系粘着剤が好適に用いられる。水溶性アクリル系粘着剤の例としては、アクリル酸アルコキシアルキルとスチレンスルホン酸塩と他の共重合性単量体とからなる共重合体や、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体と水酸基含有単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。
また水再分散性アクリル系接着剤の例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有ビニル系単量体とアルコキシ基を有するビニル系単量体と場合により用いられる共重合可能な他の単量体との共重合体や、カルボキシル化ロジンエステル含有ビニル系単量体とカルボキシル基含有ビニル系単量体と水溶性ビニル系単量体が共重合されてなる共重合体をベースポリマーとして含有するものなどを挙げることができる。
なおこれらの共重合体のカルボキシル基は、必要に応じ一部または全部がアルカリにより中和された塩型であってもよく、アルカリ金属塩、アミン塩、アルカノールアミン塩が好適に用いられる。
なおこれらの共重合体のカルボキシル基は、必要に応じ一部または全部がアルカリにより中和された塩型であってもよく、アルカリ金属塩、アミン塩、アルカノールアミン塩が好適に用いられる。
これらの接着剤を基紙である水溶紙に塗布することによって水溶性接着剤層4、10を設ける。水溶紙に設けられる水溶性接着剤層の塗工量は、固形分として3〜60g/m2程度が適当である。図1に示した実施態様においては、水溶紙3、11のそれぞれ両面に水溶性接着剤層4、10をそれぞれ設けている。
上記の各層を積層した後、加熱加圧して熱ラミネート加工を行う。図7は、図1に示した非接触ICカードを構成する各層を積層する状態を示した断面説明図である。
下から順に、裏面外装シート12、水溶性接着剤層10、水溶紙11、水溶性接着剤層10、コアシート5b、インレット6、コアシート5a、水溶性接着剤層4、水溶紙3、水溶性接着剤層4、表面外装シート2が積層されている。コアシート5aには、予めICチップ7が収納されるざぐり穴14が設けてある。熱ラミネート時の加熱温度は110℃〜190℃の間の設定が好ましく、使用するカード基材により昇温または降温のプログラムを適宜設定することができる。また、圧力は0.1MPa〜3.0MPaの範囲が好ましく、十分にカード基材が熱せられた後に加圧されるのが好ましい。熱ラミネートされた多面付のカード基材に抜き加工を施すことによってカード形状へと加工し、本発明の非接触ICカードを得る。
下から順に、裏面外装シート12、水溶性接着剤層10、水溶紙11、水溶性接着剤層10、コアシート5b、インレット6、コアシート5a、水溶性接着剤層4、水溶紙3、水溶性接着剤層4、表面外装シート2が積層されている。コアシート5aには、予めICチップ7が収納されるざぐり穴14が設けてある。熱ラミネート時の加熱温度は110℃〜190℃の間の設定が好ましく、使用するカード基材により昇温または降温のプログラムを適宜設定することができる。また、圧力は0.1MPa〜3.0MPaの範囲が好ましく、十分にカード基材が熱せられた後に加圧されるのが好ましい。熱ラミネートされた多面付のカード基材に抜き加工を施すことによってカード形状へと加工し、本発明の非接触ICカードを得る。
図2は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に下から順に水溶性接着剤層4、水溶紙層3、水溶性接着剤層4、外装シート2を、裏面側に外装シート12のみを配置した例である。
図3は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に外装シート2のみを、裏面側に上から順に水溶性接着剤層10、水溶紙層11、水溶性接着剤層10、外装シート12を配置した例である。
このように、本発明に係る非接触ICカード1においては、センターコア13の片面側だけに水溶性接着剤層と水性紙層を設けることもできる。このような構成は、片面だけを再利用面とし、他の面は繰り返し使用することができるような用途に用いられる。
図3は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に外装シート2のみを、裏面側に上から順に水溶性接着剤層10、水溶紙層11、水溶性接着剤層10、外装シート12を配置した例である。
このように、本発明に係る非接触ICカード1においては、センターコア13の片面側だけに水溶性接着剤層と水性紙層を設けることもできる。このような構成は、片面だけを再利用面とし、他の面は繰り返し使用することができるような用途に用いられる。
図4は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表裏面に水溶性接着剤層4、10と水溶紙層3、11を配置し、外装シートを用いない例である。
図5は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に水溶性接着剤層4と水溶紙層3を、裏面側に外装シート12を配置した例である。
図6は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に外装シート2を、裏面側に水溶性接着剤層10と水溶紙層11を配置した例である。
図5は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に水溶性接着剤層4と水溶紙層3を、裏面側に外装シート12を配置した例である。
図6は、本発明に係る非接触ICカードの他の実施態様を示した断面模式図であり、センターコア13の表面側に外装シート2を、裏面側に水溶性接着剤層10と水溶紙層11を配置した例である。
このように、外装シートを用いない場合には、水溶紙に直接必要な印刷を行って、使用するが、再生時における水浸漬による再生のし易さは、外装シートを用いる場合に比較して格段に向上する。ただし、水に濡れる可能性がある用途には適していない。
一方、外装シートを用いる場合は、多少の水濡れに対しては、何ら問題なく使用することができ、長時間水に浸漬しない限り、外装シートが剥離したりすることはない。
一方、外装シートを用いる場合は、多少の水濡れに対しては、何ら問題なく使用することができ、長時間水に浸漬しない限り、外装シートが剥離したりすることはない。
本発明に係る非接触ICカードは、以上説明したように、さまざまな層構成をとることができるが、構成する各層の厚さを適宜設定することにより仕上がりの厚さを調節することができる。
本発明に係る非接触ICカードを再生使用するためには、カードを水に浸漬し、水溶性接着剤層より外側の層を膨潤させて除去した後、除去した面に再度水溶性接着剤を介して水溶紙層を有する層を積層することによって達成される。
本発明に係る非接触ICカードは、水溶性接着剤層と水溶紙層が水を吸収して膨潤することによって容易にコアシートと外装シートの間で分離することができる。使用する水溶紙の厚さによって分離するまでの時間に違いはあるが、200μmの水溶紙を使用した場合の分離に要する時間は20分程度である。水解した水溶紙は、フィルターで回収することも可能であり、そのまま廃棄処分とすることも可能である。
本発明に係る非接触ICカードは、水溶性接着剤層と水溶紙層が水を吸収して膨潤することによって容易にコアシートと外装シートの間で分離することができる。使用する水溶紙の厚さによって分離するまでの時間に違いはあるが、200μmの水溶紙を使用した場合の分離に要する時間は20分程度である。水解した水溶紙は、フィルターで回収することも可能であり、そのまま廃棄処分とすることも可能である。
回収されたセンターコア部は、洗浄し、乾燥した後、水溶性接着剤層、水溶紙層、外装シート等を積層し、再度熱ラミネートを行うことにより、再び非接触ICカードとして再生される。再生されたICカードは、必要に応じて、イニシャライズやデータの書き込みを行って、新品のICカードと全く同様に使用することができる。
以下に、本発明に係る非接触型ICカードについて、具体的に実施例を挙げて、さらに詳
しく説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
以下に、本発明に係る非接触型ICカードについて、具体的に実施例を挙げて、さらに詳
しく説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
厚さが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる樹脂シートの表面上に、銅箔にエッチングにより形成したアンテナパターンを配置したアンテナシートを積層し、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップ(ソニー社製、RC−S915)を装着した。前記ICチップはエポキシ系のモールド樹脂で封止し、該ICチップ上にはステンレス補強板(SUS板)を載置した。これを加熱硬化させてインレットとした。前記インレットを挟み込むようにPETからなる厚さ125μmのコアシートを配置し、前記インレットのICチップ、および補強板の位置には、貫通孔を形成してセンターコアを作成した。
次に、別工程で厚さが195μmである水溶紙(日本製紙パピリア株式会社製、商品名「120MDP」)に対し水溶性接着剤層を設けた。水溶性接着剤層としては、水溶性のエマルジョン型アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業株式会社製、商品名「ニカゾールHS−002」)を固形分として30g/m2を水溶紙の両面に塗布し、乾燥して水溶性接着剤層とした。
さらに別工程で厚さが67μmのPETからなる基材に印刷を施し、表面外装シート、裏面外装シートをそれぞれ作成した。
これらの表面外装シートと裏面外装シート、ならびに水溶紙を前記センターコアの表裏にそれぞれ配置して、温度120℃、圧力1.96MPaのプレス条件で12分間プレスラミネートを行い、圧着開放後、シートを所定のカードサイズに打ち抜き、図1に示したような層構成を有する非接触ICカードを得た。
得られたICカードは、使用後、50℃の温水に浸漬すると20分程度でセンターコアとそれ以外の部分が解離した。センターコアは、再利用が可能であり、それ以外の部分は、外装シートと、パルプ繊維に容易に分別することができた。分別した外装シートは、PET廃材として、またパルプ繊維は古紙原料としてリサイクルすることができた。
1・・・非接触ICカード
2・・・表面外装シート
3・・・水溶紙層
4・・・水溶性接着剤層
5a、5b・・・コアシート
6・・・インレット
7・・・ICチップ
8・・・アンテナ
9・・・封止樹脂
10・・・水溶性接着剤層
11・・・水溶紙層
12・・・裏面外装シート
13・・・センターコア
14・・・ざぐり穴
2・・・表面外装シート
3・・・水溶紙層
4・・・水溶性接着剤層
5a、5b・・・コアシート
6・・・インレット
7・・・ICチップ
8・・・アンテナ
9・・・封止樹脂
10・・・水溶性接着剤層
11・・・水溶紙層
12・・・裏面外装シート
13・・・センターコア
14・・・ざぐり穴
Claims (3)
- ICチップとアンテナを有するインレットを複数枚のコアシートで挟んで積層してなるセンターコアを有し、該センターコアの少なくとも1面に水溶性接着剤層を介して積層した水溶紙層を有することを特徴とする非接触ICカード。
- 前記水溶紙層の外側に、外装シートを積層したことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
- 請求項1または2に記載の非接触ICカードを水に浸漬し、水溶性接着剤層より外側の層を除去した後、除去した面に水溶性接着剤を介して水溶紙層を有する層を積層することを特徴とする非接触ICカードのリサイクル方法。
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