JP4737617B2 - 鑑識用粘着シートおよびその製造方法、ならびに痕跡採取方法 - Google Patents

鑑識用粘着シートおよびその製造方法、ならびに痕跡採取方法 Download PDF

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本発明は、指紋や足跡、タイヤ跡等の採取に使用するための鑑識用粘着シートおよびその製造方法、ならびに痕跡採取方法に関し、特に、指紋・足跡等を採取した後に、証拠となる鑑識用粘着シートの改ざんを防止するための技術に関する。
従来、指紋や足跡、タイヤ跡等の採取に使用するための鑑識用粘着シートとしては、たとえば透明支持フィルムの片面にウレタン系粘着剤を塗布したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この粘着シートを用いて指紋を採取するためには、まず、採取対象面に粉末を刷毛などで少しずつ塗布し、穂先で軽く払うようにして指紋隆線の部分だけに粉末を付着させて指紋を浮き上がらせる。次いで、粘着シートの一端から剥離紙を兼ねた台紙を剥離して粘着面を採取対象面に当接し、さらに台紙を剥離しながら浮き上がらせた指紋を粘着面に転写させ、その後台紙を再び粘着面に貼り合わせる。最後に、台紙に採取時、採取場所等の必要事項を、台紙の裏面の情報記入欄に記入して、指紋採取を完了する。
しかしながら、台紙は粘着シートから容易に剥離、再貼付できるものであり、保管時に粘着シートあるいは台紙を意図的に貼り変えることができる。また、台紙が粘着シートから自然に剥離し、粘着シートと台紙とが入り乱れる可能性もあった。
この際、ステープラなどで台紙と粘着シートとを固定してもよいが、この場合にもステープラ針の針穴を合わせて、粘着シートもしくは台紙をすり変えることができる。また、台紙と粘着シートを貼り合わせた状態で他の固定用テープにより両者を固定した場合には、低速で固定用シートを剥離したり、ドライヤー等の熱源を用いて粘着剤を軟化させ剥離することにより、台紙の表面を傷つけることなく、しかも剥離した粘着シートを再貼付可能な状態で剥離することができるため、台紙と粘着シートとが同一に使用されたものであることの証明が困難な場合もあった。
このため、指紋・足跡等を採取した後に、再度台紙が剥離され貼り変えられたことを直ちに判別可能にして、鑑識用粘着シートの証拠能力を高める必要があった。そこで、支持体の片面に粘着剤層を備えた粘着シート層とこれに再貼付可能に貼り合わせられた台紙層とからなる鑑識用粘着シート本体と、前記粘着シート層と前記台紙層とを貼り合わせた状態で両者を貼着固定する剥離判別用粘着テープとを備えたことを特徴とする鑑識用粘着シートが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。また、剥離判別用粘着テープとして、支持体の片面に形成された皮膜層およびその皮膜層を覆う粘着剤層が備えられ、剥離判別用粘着テープを鑑識用粘着シート本体から剥離した場合に、前記皮膜層および/または粘着剤層が剥離判別用粘着テープの支持体から剥離されるものが開示されている。
しかしながら、上述のように剥離判別用粘着テープを鑑識用粘着シート本体に貼着固定する方法では、剥離判別用粘着テープの製造コストの増加に加え、その貼着工程の煩雑さやコスト増加の問題があった。また、指紋等を採取する際に、台紙層から粘着シート層を剥離しても、剥離判別用粘着テープを介して両者が連結されており、剥離判別用粘着テープの存在によって粘着シート層の取扱いに慎重を要するといった使用上の制約があった。
特開2001−40299号公報 特開2003−89776号公報
本発明は、このような事情に照らし、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有することにより、粘着剤層との間に採取した痕跡を保存することで、コストをほとんど増加させずに信頼性の高い証拠の改ざん防止機能を付与できる鑑識用粘着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記鑑識用粘着シートを用いた、採取した痕跡の改ざんを防止して証拠としての信頼性をより向上させた痕跡採取方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す鑑識用粘着シートにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
前記痕跡採取部(A)は前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)を備えたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層の片方の面に印刷層を備え、もう一方の面に離型層を備えたものであって、前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記離型層とを貼り合せることができることを特徴とする。
また、本発明の第2発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
前記痕跡採取部(A)は前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)およびセパレーターを備えたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層上に印刷層を備えたものであって、前記セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せることができることを特徴とする。
さらに、本発明の第3発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
前記鑑識用粘着シートが、透明基材層、粘着剤層およびセパレーターが積層されたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層にさらに印刷層を備えたものであって、前記セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の粘着剤層(b)とを貼り合せることができることを特徴とする。
本発明の鑑識用粘着シートは、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する構成とすることにより、信頼性の高い証拠の改ざん防止機能を付与することができる。これは、上記痕跡採取部(A)および上記台紙部(B)が同一の透明基材層に分離不可能な構成となっているため、上記痕跡採取部(A)と上記台紙部(B)の物理的分離を伴わずには貼りなおしや交換ができなくなるためである。そして上記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と上記台紙部(B)とを貼り合せる方式をとるため、採取した痕跡を簡易に保存できる。また、その取り扱いに慎重を要するような改ざん判別機能を有する部位が必要なく、コストをほとんど増加させずに信頼性の高い証拠の改ざん防止機能を付与できる。
また、上記粘着剤層(a)および上記粘着剤層(b)が、ポリエステル系粘着剤により形成されていることが好ましい。上記ポリエステル系粘着剤を用いることにより、空気をかみ込みにくく自着性が強いためより一度貼り合せると採取した痕跡に破損等を与えることなく再剥離することが非常に困難となるため、特に上記粘着剤層(a)および上記粘着剤層(b)を貼り合せて痕跡を保存する場合は好ましい。
また、上記透明基材層が透明支持フィルムであることが好ましい。上記透明基材層が指紋等の痕跡の判別が可能な程度の透明性を有することにより、上記痕跡採取部(A)で痕跡を採取する際に痕跡の位置等を確認しながらできるために、痕跡の採取がより簡易となる。
さらに、上記粘着剤層(a)の厚みが50〜500μmであることが好ましい。この範囲であると、採取対象面に凹凸が有る場合でも、凹凸への追従性が良好になる。
一方、本発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)を積層して前記痕跡採取部(A)を形成する工程、
前記透明基材層の片方の面に印刷層を積層し、もう一方の面に離型層を積層して前記台紙部(B)を形成する工程、ならびに、
前記粘着剤層(a)と前記離型層とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
また、本発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有し、セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
前記透明基材層の片方の面に前記粘着剤層(a)および前記セパレーターを積層して前記痕跡採取部(A)を形成する工程、ならびに、
前記透明基材層上に印刷層を積層して前記台紙部(B)を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
さらに、本発明は、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有し、セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の粘着剤層(b)とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
透明基材層、粘着剤層およびセパレーターを積層して粘着シートを形成する工程、ならびに、
前記粘着シートの一部の透明基材層上に印刷層を積層して台紙部(B)を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
上述のいずれかの製造方法を用い、同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する構成とすることにより、信頼性の高い証拠の改ざん防止機能を付与することができる。これは、上記痕跡採取部(A)および上記台紙部(B)が同一の透明基材層に分離不可能な構成となっているため、上記痕跡採取部(A)と上記台紙部(B)の物理的分離を伴わずには貼りなおしや交換ができなくなるためである。そして上記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と上記台紙部(B)とを貼り合せる方式をとるため、採取した痕跡を簡易に保存できる。また、その取り扱いに慎重を要するような改ざん判別機能を有する部位が必要なく、コストをほとんど増加させずに信頼性の高い証拠の改ざん防止機能を簡便に付与できる。
他方、本発明は、上記第1発明の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の離型層とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記第2発明の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
前記シート上部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
さらに、本発明は、上記第3発明の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
前記シート上部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記粘着剤層(b)とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
上述の工程を有する本発明の痕跡採取方法を用いることにより、採取した痕跡の改ざんを防止して証拠としての信頼性をより向上させた痕跡の採取をより簡便に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図7は、本発明の鑑識用粘着シートの第1実施形態〜第4実施形態を示す断面図である。
本発明の鑑識用粘着テープ本体1は、図1〜図3、図5および図6に例として示すように、同一の透明基材層10に痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30を備えている。本発明の鑑識用粘着シートは、採取対象面から浮き上がらせた指紋など、視覚化された痕跡を痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)22(または24)の表面に転写して採取するものである。
本発明における痕跡採取部(A)20は、図1〜図3、図5および図6に例として示すように、透明基材層10上に粘着剤層(a)22(または24)が積層された構成を有するものである。感圧性の粘着剤層(a)22(または24)は透明基材層10の片面側に形成される。特に、痕跡採取部(A)20は、図3および図5に例として示すように、粘着剤層(a)22(または24)の透明基材層10に面する側とは異なるもう一方の面にセパレーター(a)42(または44)を貼り合せた構成とすることができる。このとき、粘着剤層(a)22(または24)と透明基材層10との間にはプライマー層などを設けてもよい。
透明基材層10は、指紋等の痕跡の判別が可能な程度の透明性を有することが必要であり、本発明においては上述のように指紋等の痕跡の判別が可能であれば、透明基材層10には半透明のものも含まれる。上記透明基材層10としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ならびにこれらの複数を積層したものなどが用いられる。透明基材層10は、特に限定されるものでは無いが、この透明基材層10の粘着塗工面には、投錨性を向上させるために必要に応じてコロナ処理等を施す事が出来る。
透明基材層10の厚みは、採取作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常20〜500μm、好ましくは50〜200μm程度である。
透明基材層10には、必要に応じて、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
粘着剤層(a)22は、痕跡等の採取が可能であって、透明基材層10または離型層40との接着性を有するものであれば適宜用いることができる。粘着剤層(a)22を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあげられる。また、粘着剤層(a)22としては、たとえば、タックが低くいにもかかわらず指紋等の凹凸に良好に追従して正確に痕跡の採取が行える観点から、ウレタン系粘着剤を用いたものが好ましい。また、粘着剤層(a)22は、指紋等の判別が可能な程度の透明性を有していればよいが、透明性が高いほど、指紋等の判別性が向上するため好ましい。
また、粘着剤層(a)24は、痕跡等の採取が可能であって、粘着剤層(b)26との接着性を有するものであれば適宜用いることができる。粘着剤層(a)24を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあげられる。また、たとえば、タックが低くいにもかかわらず指紋等の凹凸に良好に追従して正確に痕跡の採取が行える観点から、ウレタン系粘着剤を用いたものが好ましい。また、粘着剤層(a)24は、指紋等の判別が可能な程度の透明性を有していればよいが、透明性が高いほど、指紋等の判別性が向上するため好ましい。さらに、粘着剤層(a)24は、粘着剤層(b)26とともに、ポリエステル系粘着剤など自着性がより強いものにより形成されていることが特に好まししい。これは、一度粘着剤層(a)24と粘着剤層(b)26とを貼り合せた状態からの、粘着剤層や採取した痕跡の破壊や損傷等のない剥離が非常に困難となることから、改ざん防止の観点からは特に好ましいものとなる。
上記ポリエステル系粘着剤としては、たとえば、特開平9−263749号に記載されているポリカーボネートジオールと炭素数が2〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸成分とから合成される重量平均分子量1万以上のポリエステルを含む粘着剤などが使用できる。
また、粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、架橋剤、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
粘着剤層(a)22の厚みは、特に限定されるものでは無いが、通常50〜500μm、好ましくは100〜300μm程度である。
粘着剤層(a)24の厚みは、粘着剤層(b)26との貼り合せが良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常50〜500μm、好ましくは100〜300μm程度である。
本発明におけるセパレーター(a)42(および44)は、粘着剤層が剥離可能な程度の剥離性を有するものであれば特に限定されない。本発明の鑑識用粘着シートにおいては、図3および図5に例として示すように、セパレーター(a)42(および44)は、その片面に粘着剤層(a)22(または24)が貼り合わされた構成で用いられる。セパレーター(a)42(および44)は、使用時に粘着剤層(a)22(または24)から剥離・除去される。また、セパレーター(a)42(および44)の片面または両面には離型剤による離型処理や塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施してもよい。
上記離型剤としては、たとえば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤などをあげることができる。
セパレーター(a)42(および44)の厚みは、剥離作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜200μm程度である。
また、痕跡採取部(A)20は、図2に例として示すように、台紙部(B)30に離型層40を備えた構成を有する場合は、離型層40が粘着剤層(a)22の表面を使用時まで保護できるため、セパレーターを用いない構成とすることができる。また、離型層40を備えた構成の場合であっても、粘着剤層(a)22の表面をセパレーターで使用時まで必要に応じて、適宜保護してもよい。
本発明における台紙部(B)30は、図1〜図3、図5および図6に例として示すように、透明基材層10上に印刷層(a)32および印刷層(b)34(および印刷層(c)36)が積層された構成を有するものである。印刷層(a)32および印刷層(b)34(および印刷層(c)36)は透明基材層10の片面側に形成されるが、上記印刷層が形成される面は痕跡採取部(A)20の粘着剤層22(または24)が積層されている面とは反対の面である。特に、台紙部(B)30は、図1および図2に例として示すように、透明基材層10の印刷層が形成された面とは異なるもう一方の面に離型層40を備えた構成とすることができる。また、透明基材層10と印刷層(b)34との間や、透明基材層10と離型層40との間には、それぞれプライマー層などを設けてもよい。
印刷層(a)32には、表面に事件番号記入欄や採取日時の記入欄、立会人氏名記入欄等を印刷した層を用いることができる。印刷層(a)32は、マジックインキやボールペン、鉛筆などで直接筆記が可能な層とすることが好ましい。
印刷層(b)34には、黒色または白色の印刷層を用いることができる。たとえば、上述のように黒色または白色の層を設けることにより、指紋等の痕跡採取後の判別性が向上するため好ましい。また、印刷層(b)34として、黒色または白色のプラスチックフィルムを用いてもよい。
さらに、印刷層(c)36により台紙部(B)30の表面に採取日時や採取場所などを記入できる記入欄や枠等を形成することにより、より採取現場での作業性、保管性を向上させることができる。
また、図2に例として示すように、台紙部(B)30に離型層40を設ける場合には、離型層40は粘着剤層(a)22が剥離可能な程度の剥離性を有するものであれば特に限定されない。上記鑑識用粘着シートにおいては、離型層40は、その片面に粘着剤層(a)22が貼り合わされた構成で用いられる。離型層40を備える場合には、粘着剤層(a)22は通常痕跡採取時に離型層40から剥離される。また、離型層40の片面には離型剤による離型処理や塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施してもよい。
上記離型剤としては、たとえば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤などをあげることができる。
また、図3に例として示すように、台紙部(B)30に離型層40を設けない構成とすることができる。この形態の場合、粘着剤層(a)22は通常痕跡採取時にセパレーター(a)42を剥離・除去し、痕跡採取後に図4に例として示すように、粘着剤層(a)22は透明基材層10の印刷層が積層されている面とは反対面に貼り合せられることで採取した痕跡を保存できる。
さらに、図5に例として示すように、台紙部(B)30に粘着剤層(b)26を設ける構成とすることができる。この形態の場合、粘着剤層(a)24は通常痕跡採取時にセパレーター(a)44を剥離・除去し、痕跡採取後に図7に例として示すように、粘着剤層(a)24を粘着剤層(b)26に貼り合せられることで採取した痕跡を保存できる。また、粘着剤層(b)26の表面にはセパレーター(b)46が貼り合わされていてもよく、この場合、セパレーター(a)44とセパレーター(b)46の剥離・除去する順序は問わない。さらに、図6に例として示すように、セパレーター(c)48の両面に粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26をそれぞれ貼り合せた構成としてもよい。
粘着剤層(b)26は、粘着剤層(a)24との接着性を有するものであれば適宜用いることができる。粘着剤層(b)26を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などがあげられる。また、粘着剤層(b)26は、粘着剤層(a)24とともに、ポリエステル系粘着剤など自着性がより強いものにより形成されていることが特に好まししい。これは、一度粘着剤層(a)24と粘着剤層(b)26とを貼り合せた状態からの、粘着剤層や採取した痕跡の破壊や損傷等のない剥離が非常に困難となることから、改ざん防止の観点からは特に好ましいものとなる。
上記ポリエステル系粘着剤としては、たとえば、特開平9−263749号に記載されているポリカーボネートジオールと炭素数が2〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸成分とから合成される重量平均分子量1万以上のポリエステルを含む粘着剤などが使用できる。
また、粘着剤には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、架橋剤、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
粘着剤層(b)26の厚みは、特に限定されるものでは無いが、通常50〜500μm、好ましくは100〜300μm程度である。
粘着剤層(b)26の厚みは、粘着剤層(a)24との貼り合せが良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜300μm程度である。
セパレーター(b)46を備える構成とする場合には、セパレーター(b)46は、粘着剤層が剥離可能な程度の剥離性を有するものであれば特に限定されない。本発明の鑑識用粘着シートにおいては、図5に例として示すように、セパレーター(b)46は、粘着剤層(b)26に貼り合わされた構成で用いられる。セパレーター(b)46は、使用時に粘着剤層(b)26から剥離・除去されるが、セパレーター(a)44の剥離・除去の工程に対しての順序は問わない。また、セパレーター(b)46の片面または両面には離型剤による離型処理や塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施してもよい。
また、セパレーター(a)44およびセパレーター(b)46に替えて、セパレーター(a)44とセパレーター(b)46を一体とする一枚のセパレーターを粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26の表面保護に用いてもよい。セパレーター(a)44とセパレーター(b)46を一体とすることにより、製造工程の簡略化やコスト面から特に好ましいものとなる。また、この場合、上記セパレーターにはセパレーター(a)44とセパレーター(b)46の境界部にカットを設けたり、折り目やミシン目を設けてもよい。なお、折り目の場合には、痕跡採取時に痕跡採取部の部分のみ剥がし、痕跡採取後に残りの部分を剥がすこともできる。
セパレーター(c)48を備える構成とする場合には、セパレーター(c)48は、その両面が、粘着剤層が剥離可能な程度の剥離性を有するものであれば特に限定されない。本発明の鑑識用粘着シートにおいては、図6に例として示すように、セパレーター(c)48は、その両面に粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26が貼り合わされた構成で用いられる。セパレーター(c)48は、使用時に粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26から剥離・除去され、その剥離・除去の工程の順序は問わないが、痕跡採取時に先に粘着剤層(a)24をセパレーター(c)から剥離し、痕跡を粘着剤層(a)24の表面に転写した後に、次いで粘着剤層(b)26からセパレーター(c)を剥離・除去する順序で行うことが好ましい。また、セパレーター(c)48の片面または両面には離型剤による離型処理や塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施してもよい。
上記離型剤としては、たとえば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤などをあげることができる。
セパレーター(b)46およびセパレーター(c)48の厚みは、剥離作業性が良好であれば特に限定されるものでは無いが、通常10〜500μm、好ましくは20〜200μm程度である。
また、痕跡採取部(A)と台紙部(B)30の間には、図1に例として示すように、透明基材層10を折り曲げてより貼り付けやすくするために、透明基材層10からなる折り曲げ部12を必要に応じて設けてもよい。
一方、本発明は、同一の透明基材層10に痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30を有する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
前記透明基材層10の片方の面に粘着剤層(a)22を積層して前記痕跡採取部(A)20を形成する工程、
前記透明基材層10の片方の面に印刷層を積層し、もう一方の面に離型層40を積層して前記台紙部(B)30を形成する工程、ならびに、
前記粘着剤層(a)22と前記離型層40とを貼り合せる工程、
を含むことを特徴とする。
また、本発明は、同一の透明基材層10に痕跡採取部(A)20および台紙部(B)を有し、セパレーター(a)42を除去して前記透明基材層10を折り曲げることにより粘着剤層(a)22と前記台紙部(B)30の透明基材層10とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
前記透明基材層10の片方の面に前記粘着剤層(a)22および前記セパレーター(a)42を積層して前記痕跡採取部(A)20を形成する工程、ならびに、
前記透明基材層10上に印刷層を積層して前記台紙部(B)30形成する工程、
を含むことを特徴とする。
さらに、本発明は、同一の透明基材層10に痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30を有し、セパレーターを除去して前記透明基材層10を折り曲げることにより前記痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)24と前記台紙部(B)30の粘着剤層(b)26とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
透明基材層10、粘着剤層およびセパレーターを積層して粘着シートを形成する工程、ならびに、
前記粘着シートの一部の透明基材層10上に印刷層を積層して台紙部(B)30を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
印刷層(a)32、印刷層(b)34および印刷層(c)36は、たとえば、当該印刷層が面する層にあらかじめ積層されていてもよく、その他のすべての層または一部の層が積層された段階で積層されてもよい。印刷層の形成には公知の手法を適宜用いることができる。
粘着剤層(a)22は、たとえば、透明基材層10上またはセパレーター(a)42上に直接粘着剤を塗布乾燥させて形成することができるが、他の支持体上で粘着剤層を形成した後、透明基材層10上またはセパレーター(a)42上に転写することも可能である。
粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26は、たとえば、透明基材層10上またはセパレーター(a)44またはセパレーター(b)46上に直接粘着剤を塗布乾燥させて形成することができるが、他の支持体上で粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26を形成した後、透明基材層10上またはセパレーター(a)44またはセパレーター(b)46上に転写することも可能である。また、粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26は同一の粘着剤を用いて一度に形成してもよい。
上記鑑識用粘着シートは、たとえば、図2に例として示す構成とする場合、痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30をそれぞれ形成した後に、透明基材層10を折り曲げることにより粘着剤層(a)と離型層40とを貼り合せて製造することができるが、透明基材層10を折り曲げることにより粘着剤層(a)と離型層40とを貼り合せた後に印刷層を積層してもよい。
また、上記鑑識用粘着シートは、たとえば、図3に例として示す構成とする場合、痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30をそれぞれ順に形成することができるが、痕跡採取部(A)20または台紙部(B)30の一方が完成する前に他方の積層工程を適宜行ってもよい。
さらに、上記鑑識用粘着シートは、たとえば、図5に例として示す構成とする場合、痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30をそれぞれ別途形成してもよいが、粘着剤層(a)24および粘着剤層(b)26に同一の粘着剤を用い、セパレーター(a)44とセパレーター(b)46を一体とする一枚のセパレーターとすることにより、製造工程の簡略化やコスト面から特に好ましいものとなる。この場合、まず透明基材層10、粘着剤層(a)(および粘着剤層(b))ならびにセパレーター(a)44(およびセパレーター(b)46)を積層して粘着シートを形成し、次いで前記粘着シートの一部の透明基材層10上に印刷層を積層して台紙部(B)30を形成し、セパレーターにはセパレーター(a)44とセパレーター(b)46の境界部にカットを設けたり、折り目やミシン目を設ける工程を行ってもよい。
また、上記粘着剤層(a)22(および24)および粘着剤層(b)26の形成方法としては、粘着シートの製造に用いられる公知の方法が適宜用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
本発明の鑑識用粘着シートは、上述のように、透明基材層10を折り曲げることにより、同一透明基材層10に設けられた前記痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)と前記台紙部(B)30とを貼り合せることができることを特徴とするものである。
一方、採取対象の痕跡としては、特に視覚化された痕跡をあげることができる。視覚化される痕跡としては、鑑識の対象となる、指紋、足跡、タイヤ痕跡等があげられる。視覚化の方法としては、微粉末等を用いた乾式法、湿式法いずれによるものでもよい。
乾式法としては、たとえば、アルミの微粉末を痕跡部分に刷毛等で塗布した後、痕跡部以外の粉末は風等で吹き除ける方法や、その他、アルミの代わりに、磁性粉末等を使用する方法などがあげられる。
湿式法としては、たとえば、四三酸化鉄の微粉末と界面活性剤を水で溶かした分散液を痕跡部分に塗布した後、水洗する方法や、その他、四三酸化鉄の代わりに、雲母類や真珠粉などの微粉末を使用する方法などがあげられる。
以下、この構成に関して、本発明の好ましい実施形態として順に説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図2に示すように、同一の透明基材層10に痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30を有し、透明基材層10を折り曲げることにより粘着剤層(a)22と離型層40とが貼り合わされた構成を有している。また、台紙部30の透明基材層10上には印刷層(a)32および印刷層(b)34が積層されている。この場合、印刷層(a)32が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、印刷層(b)34が白色または黒色の印刷層またはプラスチックフィルムであることが採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。
指紋等の痕跡の採取は、まず図1に示すように粘着剤層(a)22を離型層40から剥がして折り曲げていた透明基材層10を広げ、痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)22の表面に痕跡を転写し、次いで当該表面と台紙部(B)30の離型層40の表面とを貼り合せておこなうものである。図1に示す構成では、痕跡採取部(A)20および台紙部(B)30の間には透明基材層10からなる折り曲げ部があり、透明基材層10の折り曲げがより容易となり、痕跡採取の作業性が向上するものである。また、透明基材層10は、痕跡採取の作業性の面から、透明性が高いものを用いることが好ましい。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図3に示すように、同一の透明基材層10に、透明基材層10とは反対の面にセパレーター(a)42が貼り合わされた粘着剤層(a)22が積層された痕跡採取部(A)20と、印刷層(a)32および印刷層(b)34が積層された台紙部(B)30とを備える構成を有している。この場合、印刷層(a)32が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、印刷層(b)34が白色または黒色の印刷層またはプラスチックフィルムであることが採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。
指紋等の痕跡の採取は、まず痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)22からセパレーター(a)42を剥離・除去し、粘着剤層(a)22の表面に痕跡を転写し、次いで当該表面と台紙部(B)30の透明基材層10の表面とを、透明基材層10を折り曲げることにより、図4に示すように貼り合せておこなうものである。また、透明基材層10は、痕跡採取の作業性の面から、透明性が高いものを用いることが好ましい。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態に係わる鑑識用粘着シートは、図5に示すように、同一の透明基材層10に、透明基材層10とは反対の面にセパレーター(a)44が貼り合わされた粘着剤層(a)24が積層された痕跡採取部(A)20と、透明基材層10とは反対の面にセパレーター(b)46が貼り合わされた粘着剤層(b)26が積層された台紙部(B)30とを備える構成を有している。また、台紙部30の透明基材層10の、粘着剤層(b)26とは反対の10上には面に、印刷層(a)32、印刷層(b)34および印刷層(c)36が積層されている。この場合、印刷層(a)32が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、印刷層(b)34が白色または黒色の印刷層またはプラスチックフィルムであることが採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。さらに、印刷層(c)36により台紙部(B)30の表面に採取日時や採取場所などを記入できる記入欄や枠等を形成することにより、より採取現場での作業性、保管性を向上させることができる。
指紋等の痕跡の採取は、まず痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)24からセパレーター(a)44を剥離・除去し、粘着剤層(a)24の表面に痕跡を転写し、次いで当該表面とセパレーター(b)46を剥離・除去した粘着剤層(b)26の表面とを、透明基材層10を折り曲げることにより、図7に示すように貼り合せておこなうものである。また、透明基材層10は、痕跡採取の作業性の面から、透明性が高いものを用いることが好ましい。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態に係わる鑑識用粘着シートとして、図6に示すように、同一の透明基材層10に、粘着剤層(a)24が積層された痕跡採取部(A)20と、透明基材層10とは反対の面にセパレーター(c)46が貼り合わされた粘着剤層(b)26が積層された台紙部(B)30とを備え、かつ、透明基材層10を折り曲げることにより、粘着剤層(a)24と粘着剤層(b)26とがセパレーター(c)48を介して積層された構成を有している。また、台紙部30の透明基材層10の、粘着剤層(b)26とは反対の面に、印刷層(a)32、印刷層(b)34および印刷層(c)36が積層されている。この場合、印刷層(a)32が筆記可能な層であることが実用上好ましい。また、印刷層(b)34が白色または黒色の印刷層またはプラスチックフィルムであることが採取した痕跡の判別性向上の観点からは好ましい。さらに、印刷層(c)36により台紙部(B)30の表面に採取日時や採取場所などを記入できる記入欄や枠等を形成することにより、より採取現場での作業性、保管性を向上させることができる。
指紋等の痕跡の採取は、まずセパレーター(c)48から痕跡採取部(A)20の粘着剤層(a)24を剥離し、粘着剤層(a)24の表面に痕跡を転写し、次いで当該表面と、セパレーター(c)48を剥離・除去した粘着剤層(b)26の表面とを、透明基材層10を折り曲げることにより、図7に示すように貼り合せておこなうものである。また、透明基材層10は、痕跡採取の作業性の面から、透明性が高いものを用いることが好ましい。
本発明の鑑識用粘着シートの第1実施形態における痕跡採取時の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第1実施形態における痕跡採取前または痕跡採取後の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第2実施形態における痕跡採取前の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第2実施形態における痕跡採取後の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第3実施形態における痕跡採取前の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第4実施形態における痕跡採取前の形態例を示す断面図 本発明の鑑識用粘着シートの第3実施形態および第4実施形態における痕跡採取後の形態例を示す断面図
符号の説明
1 鑑識用粘着シート本体
10 透明基材層
12 折り曲げ部
20 痕跡採取部(A)
22 粘着剤層(a)
24 粘着剤層(a)
26 粘着剤層(b)
30 台紙部(B)
32 印刷層(a)
34 印刷層(b)
36 印刷層(c)
40 離型層
42 セパレーター(a)
44 セパレーター(a)
46 セパレーター(b)
48 セパレーター(c)

Claims (12)

  1. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
    前記痕跡採取部(A)は前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)を備えたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層の片方の面に印刷層を備え、もう一方の面に離型層を備えたものであって、前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記離型層とを貼り合せることができることを特徴とする鑑識用粘着シート。
  2. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
    前記痕跡採取部(A)は前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)およびセパレーターを備えたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層上に印刷層を備えたものであって、前記セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せることができることを特徴とする鑑識用粘着シート。
  3. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートであって、
    前記鑑識用粘着シートが、透明基材層、粘着剤層およびセパレーターが積層されたものであり、前記台紙部(B)は前記透明基材層にさらに印刷層を備えたものであって、前記セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の粘着剤層(b)とを貼り合せることができることを特徴とする鑑識用粘着シート。
  4. 前記粘着剤層(a)および前記粘着剤層(b)が、ポリエステル系粘着剤により形成されている請求項3に記載の鑑識用粘着シート。
  5. 前記粘着剤層(a)の厚みが50〜500μmである請求項1〜4のいずれかに記載の鑑識用粘着シート。
  6. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有する鑑識用粘着シートの製造方法であって、
    前記透明基材層の片方の面に粘着剤層(a)を積層して前記痕跡採取部(A)を形成する工程、
    前記透明基材層の片方の面に印刷層を積層し、もう一方の面に離型層を積層して前記台紙部(B)を形成する工程、ならびに、
    前記粘着剤層(a)と前記離型層とを貼り合せる工程、
    を含むことを特徴とする鑑識用粘着シートの製造方法。
  7. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有し、セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
    前記透明基材層の片方の面に前記粘着剤層(a)および前記セパレーターを積層して前記痕跡採取部(A)を形成する工程、ならびに、
    前記透明基材層上に印刷層を積層して前記台紙部(B)を形成する工程、
    を含むことを特徴とする鑑識用粘着シートの製造方法。
  8. 同一の透明基材層に痕跡採取部(A)および台紙部(B)を有し、セパレーターを除去して前記透明基材層を折り曲げることにより前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の粘着剤層(b)とを貼り合せることができる鑑識用粘着シートの製造方法であって、
    透明基材層、粘着剤層およびセパレーターを積層して粘着シートを形成する工程、ならびに、
    前記粘着シートの一部の透明基材層上に印刷層を積層して台紙部(B)を形成する工程、
    を含むことを特徴とする鑑識用粘着シートの製造方法。
  9. 前記粘着剤層(a)および前記粘着剤層(b)が、ポリエステル系粘着剤により形成されている請求項8に記載の鑑識用粘着シートの製造方法。
  10. 請求項1または5に記載の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
    前記痕跡採取部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
    前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の離型層とを貼り合せる工程、
    を含むことを特徴とする痕跡採取方法。
  11. 請求項2または5に記載の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
    前記シート上部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
    前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記台紙部(B)の透明基材層とを貼り合せる工程、
    を含むことを特徴とする痕跡採取方法。
  12. 請求項3〜5のいずれかに記載の鑑識用粘着シートを用いて視覚化された痕跡を採取する痕跡採取方法であって、
    前記シート上部(A)の粘着剤層(a)の表面に前記痕跡を転写する工程、および、
    前記透明基材層を折り曲げることにより前記粘着剤層(a)と前記粘着剤層(b)とを貼り合せる工程、
    を含むことを特徴とする痕跡採取方法。
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