JP2010036954A - 多層液体容器 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】最内層が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成され、かつ表層の主要部が特定のポリエチレンを主成分とする樹脂で構成される排出口が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂からなるシーラントに特定の条件で溶着された多層液体容器。
【効果】本発明によれば、内容液の有効成分が容器本体のみならず、排出口を構成する樹脂に対しても吸着や透過することを防止し、かつ高温滅菌処理することが可能であり、しかも排出口の高い溶着強度及び落下強度を有する多層液体容器を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、排出口を有する樹脂製の多層液体容器に関し、より詳細には、内容液の有効成分が容器本体のみならず、排出口を構成する樹脂に対しても吸着や透過することを防止し、かつ高温滅菌処理することが可能であり、しかも排出口の高い溶着強度及び落下強度を有する多層液体容器に関する。
近年、点滴静注用の製剤として注射用の薬剤を予め希釈調製し、プラスチック製などの可撓性を有する容器に充填したソフトバッグ製剤が開発され、当該ソフトバック製剤は、使用時の利便性や迅速性に加え、ガラス製の瓶やアンプルと比べて廃棄性に優れることからも有用であるとされている。
しかし、ニトログリセリン、アルブミン、ホルモンなどの蛋白質含有製剤、ヒアルロン酸製剤、ビタミン類、微量元素、インシュリン、抗がん剤、ラジカル捕捉製剤等を始めとする一部の薬物は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの通常のポリオレフィン系樹脂(PO樹脂)や塩化ビニル等の医薬容器の基材に吸着あるいは透過することが知られており、内容液の有効成分が吸着されたり、基材に含まれる添加物や低分子成分と内容液との相互作用が起こるなど、ソフトバッグ製剤を開発する上での課題となっていた。
この様な観点から、例えば、特開2004−298220号公報(特許文献1)に示されているように、薬物の吸着や透過がない樹脂として環状ポリオレフィン系樹脂(COP樹脂)を用いることが提案されている。
また、特開2008−29829号公報(特許文献2)には、従来からプレフィルドシリンジ容器に使用されていたCOP樹脂をソフトバッグに応用展開したことが開示されている。
この容器は、最内層をポリエチレン系樹脂(PE樹脂)で構成することにより、容器としての落下衝撃強度を強くし、液体保存容器として十分な強度を保ちながら、同時に成分吸着や内容液との相互作用を低減化する一定の効果が認められる。しかし、最内層がポリエチレン系樹脂であるために、従来のガラス製容器に比べて成分吸着や内容液との相互作用を防止する効果は劣り、充分な問題解決には至っていない。
COP樹脂は、低密度ポリエチレン等と比較し、分子量も大きく、より直鎖状であり、分子骨格に環状炭化水素基による嵩高い分子構造を有するため、分子主鎖の熱運動が制限される。その結果、フィルムに成形した場合、硬くて脆いフィルムとなりやすい。そのため、ソフトバッグの基材フィルムとするためにはPE樹脂などの柔軟性に富むPO樹脂と積層するのが一般的である。
例えば、特開2005−254508号公報(特許文献3)には、外層にPO樹脂を、内層にCOP樹脂を有する積層フィルムからなる包装袋が開示され、高圧蒸気滅菌処理が可能なことや成分吸着性が抑えられることから、吸着されやすい注射製剤への使用に適していることが記載されている。
また、特開2006−081898号公報(特許文献4)にはCOP樹脂、又はCOP樹脂を含む樹脂からなる層とポリエステル系樹脂やPO樹脂を積層したソフトバッグが記載されている。
ところで、これらの多層フィルムを用いたソフトバッグは、成分吸着性の観点から、最内層を、COP樹脂層とするのが良いとされている。一方、これらのソフトバッグにおいては、通常、薬液の排出を行うための排出口(ポート)が設けられる。排出口部材としては、バッグの最内層のCOP樹脂との溶着性から、同じくCOP樹脂で形成された排出口部材を使用する必要があるとされている。
しかし、PO樹脂に比較して非常に高価なCOP樹脂のみで排出口部材を成形すると使用される樹脂量が多く、コスト面で劣ることになる。また、上述したようにCOP樹脂自身が硬く脆いので、COP樹脂同士の溶着部は、溶着強度が高くても外部からの衝撃や屈曲に脆く、落下時に排出口周辺部にて破損しやすいなどの問題がある。さらに、ゴム栓部の脱落を防止するためにゴム栓部を覆うキャップを溶着する際にも同様なキャップのコストや溶着部の脆性の問題があった。またキャップ自体もCOPであると落下した場合にキャップ部に衝撃が集中した結果、破損する危険性が高い。したがって、薬物の吸着や透過がなく、かつ落下などの衝撃においても破損しくいソフトバッグの開発が望まれていた。
排出口自身の脆さについては、COP樹脂に熱可塑性エラストマーを配合して柔軟性を付与することが特開2005−254508号公報(特許文献3)に記載されている。また、特開2005−254508号公報(特許文献3)では、最内層にCOP樹脂を使用し、最外層に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用した二色成形ポートを用いてもよい旨の記載がある。しかし、具体的な樹脂の性状や溶着態様については、まったく開示されていない。特に、フィルムと排出口との溶着態様について、実施例では、二色成形ポートを用いておらず、フィルムと排出口との溶着強度について具体的な開示はない。
特開2008−18063号公報(特許文献5)でも、容器のフィルムの最内層がCOP樹脂で構成され、排出口もシングルサイト系触媒を用いて製造されたLLDPE、COP樹脂やそれらの多層で構成される排出口を用いてもよい旨が記載されている。しかし、溶着強度試験では、容器の周縁部のフィルム同士の溶着強度のみが開示され、フィルムと排出口との溶着強度に関しての開示は一切ない。
特開2004−298220号公報 特開2008−29829号公報 特開2005−254508号公報 特開2006−081898号公報 特開2008−18063号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、内容液の有効成分が容器本体のみならず、排出口を構成する樹脂に対しても吸着や透過することを防止し、かつ高温滅菌処理することが可能であり、しかも排出口の高い溶着強度及び落下強度を有する多層液体容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行なった結果、最内層が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成され、かつ表層の主要部が特定のポリエチレンを主成分とする樹脂で構成される排出口が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂からなるシーラントに特定の条件で溶着された多層液体容器は、内容液の有効成分が容器本体のみならず、排出口を構成する樹脂に対しても吸着や透過することを防止し、かつ高温滅菌処理することが可能であり、しかも排出口の高い溶着強度及び落下強度を有することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記多層液体容器を提供する。
請求項1:
環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂のシーラントが一面に積層された多層フィルムからなる容器の一部に、排出路に直交する断面が積層構造を有する排出口が少なくとも1つ以上溶着された多層液体容器であって、
前記排出口の排出路を形成する最内層が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成され、かつ表層の主要部がメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂で構成されるとともに、
前記排出口が前記シーラントと溶着される溶着部において、 前記排出口の最内層の環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の一部が前記排出口の表層に前記多層フィルムの端縁に沿う帯状に露出して、表層の従属部となった環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の少なくとも一部と表層の主要部のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂との双方が前記シーラントと帯状に溶着されてなることを特徴とする多層液体容器。
請求項2:
前記排出口の前記溶着部側の端部の表層に、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が存在しないことを特徴とする請求項1記載の多層液体容器。
請求項3:
前記溶着部において、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂による溶着幅と環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂とによる溶着幅の比率が、95:5〜5:95である請求項1又は2記載の多層液体容器。
請求項4:
前記メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンが、直鎖状のポリエチレンであって、その密度が880〜970kg/m3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層液体容器。
請求項5:
前記排出口のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレン単独、又はメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンと、環状オレフィン系樹脂、中密度ポリエチレンもしくは高密度ポリエチレンとの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層液体容器。
請求項6:
前記排出口のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が、密度935〜970kg/m3の高密度ポリエチレンを40質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項5記載の多層液体容器。
請求項7:
前記排出口の最内層の、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂が、トルエンを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の数平均分子量3,000以下の樹脂成分含有量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層液体容器。
請求項8:
前記排出口の最内層の、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の環状オレフィン系樹脂が、次の一般式(1)及び/又は(2)で示される請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層液体容器。
Figure 2010036954
(式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、R1とR2、及び/又はR3とR4は互いに環を形成していてもよい。m、pは0又は1以上の整数を示す。l、nは1以上の整数を示す。)
請求項9:
前記排出口の積層構造において、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂層側に凹部及び/又は凸部が形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層液体容器。
請求項10:
前記排出口にゴム栓を備えるキャップが溶着された請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層液体容器。
請求項11:
前記容器が105℃以上の高温滅菌処理が可能である請求項1〜10のいずれか1項に記載の多層液体容器。
本発明によれば、内容液の有効成分が容器本体のみならず、排出口を構成する樹脂に対しても吸着や透過することを防止し、かつ高温滅菌処理することが可能であり、しかも、排出口の溶着部に2種類の溶着部が存在するので、排出口の高い溶着強度及び落下強度を有する多層液体容器を提供することができる。
以下、本発明について図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明の多層液体容器1の平面図である。
図2及び3は、本発明の多層液体容器1の第1の形態例の排出口近傍の断面図である。
本発明の多層液体容器1は、排出口2が少なくとも1つ以上溶着された、フィルムやチューブの周辺を溶着した袋状容器、あるいはブロー成形した容器である。
なお、本明細書においては、フィルムもシートも区別することなくフィルムと呼ぶものとにする。また、「主成分」とは、50質量%以上含む成分を意味する。
多層液体容器1が袋状容器である場合は、多層液体容器1の多層フィルム11,12は、シーラント111,121が、ともにCOP樹脂を主成分とする樹脂で構成される。そして、その外側には、通常は、柔軟性を確保するためにPO樹脂等が積層される。但し、後述する他の樹脂層を積層してもよい。多層フィルム11,12は、同じであってもよいし、異なってもよい。シーラント111,121は、同じであってもよいし、異なってもよいが、溶着性の観点からは、同一のCOP樹脂を主成分とする樹脂で構成されることが好ましい。
多層フィルム11,12の積層方法は、通常の容器の製造方法として公知の方法を採用することができる。例えば、多層インフレーション成形、多層Tダイキャスト成形などの共押出成形、あるいは溶融樹脂を直接積層する押出ラミネートや接着剤を用いるドライラミネートなどのラミネート法により積層することができる。
また、COP樹脂とPO樹脂等とを共押出成形で積層する場合は、これらを直接積層してもよいが、三井化学社製のアドマー、三菱化学社製のモディックなどに代表される接着性樹脂を用いることもできる。
PO樹脂としては、従来公知の高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリプロピレン(PP)及びこれらの熱可塑性エラストマーやこれらのブレンドを挙げることができる。これらのPO樹脂を使用すると容器に耐熱性と柔軟性の両方を付与することが可能である。
多層フィルム11,12の全体の厚みとしては、特に制限されないが、70〜400μmが一般的である。
その場合、COP樹脂を主成分とするシーラント111,121は、15〜150μm、より好ましくは50〜100μmである。シーラント111,121の厚みが15μm未満では、排出口2との溶着強度が十分でないことがある。また、排出口2を溶着する時にシーラント111,121が加熱・加圧により薄くなり、ピンホールによる液漏れの原因となることがある。シーラント111,121の厚みは150μmを超えてもよいが、厚くなると容器の柔軟性に劣ることがある。また、コスト的にも好ましくない。
PO樹脂層に代えて、あるいはPO樹脂層とともに積層する他の樹脂層としては、強度を確保するために延伸フィルムなどの基材フィルムやバリア性を付与する層を積層してもよい。
酸素バリア性や水蒸気バリア性などのバリア性を付与する層として、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール又はそのコーティングフィルム、MXDナイロン、ポリ塩化ビニリデン又はそのコーティングフィルム、フッ素系フィルム、アルミナ蒸着ポリエステルやナイロン、シリカ蒸着ポリエステルやナイロンなどの樹脂層を使用することができる。
多層フィルム11,12は、必要箇所を公知の手段で溶着して周縁部を形成したり、排出口2と溶着したりして多層液体容器1となる。
溶着する方法は、ヒートシールが一般的であるが、超音波シールや高周波シールを用いてもよい。多層フィルム11,12は、真空成形や圧空成形で膨らみが形成されていてもよい。
多層液体容器1がブロー成形容器の場合には、例えば、多層の押出ブロー成形が好適に採用される。多層の共押出ブロー成形の方法としては、複数の押出機を有する多層押出機を用いて、COP樹脂及びPO樹脂、必要に応じて接着性樹脂やその他の合成樹脂をそれぞれの押出機で溶融して押出しを行い、空気を吹き込んでブロー成形を行う。ブロー成形に際しては、一旦、プリフォームとしてから、ブロー成形を行ってもよいし、各溶融樹脂層を多層パリソン成形用ダイの内部で管状の多層パリソンとし、ブロー成形するダイレクトブロー成形を行ってもよい。
そして、本発明においては、多層液体容器1の一部に排出口2が少なくとも1つ以上設けられる。排出口2は、充填口なども兼用することが可能である。
排出口2の溶着方法は、多層液体容器1が袋状容器である場合は、多層フィルム11,12のシーラント111,121同士を重ね合わせて、その間に排出口2を挿入してヒートシールで溶着する。
また、多層液体容器1がブロー成形の場合には、成形時に排出口2を金型内に挿入するインサート成形により、多層液体容器1の成形時に溶着する。あるいは開口部を有する多層容器を成形し、あとから開口部に排出口2を挿入してヒートシールで溶着する。
本発明における排出口2は、内溶液の有効成分の吸着や透過を防止するために、その排出路として接液する最内層21がCOP樹脂を主成分とする樹脂で構成される。当該樹脂については後述する。
そして、COP樹脂を主成分とする樹脂の使用量を抑えるため、及び、排出口2の溶着部3の脆性を改良するために、多層液体容器1の多層フィルム11,12と溶着される排出口2の表層22は、密度880〜970kg/m3であるメタロセン系触媒によって重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂で大部分が構成される。一方、溶着部3の溶着性を確保するために、一部は、COP樹脂を主成分とする樹脂で構成される。
即ち、表層の主要部がメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂で構成されるとともに、排出口2が多層フィルム11,12のシーラント111,121と溶着される溶着部3において、COP樹脂を主成分とする樹脂の一部が排出口2の表面に多層フィルム11,12の端縁に沿う帯状に露出する。そして、露出して表層の従属部となったCOP樹脂を主成分とする樹脂の少なくとも一部とメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との双方が前記シーラント11,12と帯状に溶着される。従って、図2及び3においては、COP樹脂を主成分とする樹脂の帯状の部分は、多層液体容器の収納部側(図の下方)に延設されていてもよい。
なお、本明細書においては、排出口の表層について、「主要部」とは、排出口の表層の表面積の50%以上を占める部分を意味し、「従属部」とは、排出口の表層の表面積の50%未満を占める部分を意味する。
溶着部3(幅Iを有する部分)において、排出口2の表層22に、COP樹脂を主成分とする樹脂が表出する部分(幅IIIを有する部分)は、溶着部3の樹脂層がいずれもCOP樹脂となるので、溶着強度が高い。反面、詳細は後述するが、この部分は脆い。
一方、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂の帯状の部分(幅IIを有する部分)が存在すると溶着部3の落下時の衝撃を該樹脂層による溶着部(幅IIを有する部分)が吸収又は分散する。これにより落下時の衝撃に対する強度(落下強度)が向上する。
即ち、本発明は、溶着部3に2種類の溶着部が存在するので、溶着強度が高く、かつ排出口2の溶着部3の破損を防止することが可能となり、液漏れの心配がなくなる。
このメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂からなる層は、多層フィルム11,12に使用したシーラント111,121のCOP樹脂との溶着を、異なる樹脂からなる層同士であるにも関わらず高い強度で溶着を行なうことが可能である。そして、その溶着強度は、30N/15mm以上が得られる。さらに、105℃以上の高温滅菌処理に十分耐えることが可能である。
このように異なる樹脂からなる層同士であるにも関わらず十分な溶着強度が得られるためには、排出口2の表層22が、メタロセン系触媒により重合されたPE樹脂を主成分としていることが重要である。
メタロセン系触媒以外の触媒により重合されたPE樹脂は、分子量分布も広く、低軟化点の成分や低分子量成分が多量に存在する。COP樹脂と溶着を行なうに際し、これらが溶着面にブリードアウトして溶着性に影響するので、溶着性が低下する原因となる。一方、メタロセン系触媒によりPE樹脂を重合すると、該PE樹脂の溶着界面に存在する低軟化点成分や該PE樹脂の表面にブリードアウトして溶着性に影響する低分子量成分が極めて少なくなる。その結果として、直鎖状で、分子骨格に環状炭化水素基による嵩高い分子構造を有するCOP樹脂の分子鎖と該PE樹脂の分子鎖のからみ合いを構築し易くなる。
この時、該PE樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンであると、適度にα−オレフィンの側鎖が導入されているため、分子間にα−オレフィンの側鎖が入り込み易くなるので、より強固な溶着強度を得ることが可能になる。
このような分子鎖のからみ合いが起こる時の条件は、密度が880〜970kg/m3、好ましくは900〜960kg/m3、より好ましくは935〜955kg/m3である。密度が935〜955kg/m3であるとCOP樹脂を主成分とする樹脂との溶着強度が高くなるとともに、耐熱性が一層向上し、高温滅菌処理の温度を115℃以上にすることが可能となりより好ましい。密度が880kg/m3を下回ると耐熱性が十分でない場合があり、高温滅菌時に排出口が変形するなどの不具合が生じることがある。密度が970kg/m3を超える場合には、COP樹脂を主成分とする樹脂との溶着強度が低下するため、使用することは可能であるが実用上の溶着強度が得られない場合がある。
なお、排出口2のCOP樹脂を主成分とする樹脂がトルエンを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の数平均分子量3,000以下の樹脂成分含有量が1質量%以下であると、低分子成分の溶出や薬液の有効成分の吸着がないので好ましい。また、トルエンを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の数平均分子量が10,000〜200,000、好ましくは20,000〜100,000、より好ましくは25,000〜50,000であると機械的強度及び耐熱性に優れるので好ましい。そして、この樹脂と排出口2のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂の界面には、該最内層111,121の樹脂に由来する低軟化点成分や低分子量成分もほとんど存在しなくなるので、このような分子鎖のからみ合いが起きやすく、さらに高い溶着強度を得ることが出来る。
本発明においては、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂には、HDPEや上述したようなCOP樹脂を40質量%以下、好ましくは30質量%以下の範囲で配合すると耐熱性が向上するので、好ましい。ただし、HDPEやCOP樹脂の配合量が多いほど耐熱性が向上する反面、HDPEの配合割合が40質量%を超えると、多層フィルムとの溶着強度が十分ではなくなることがあり、COP樹脂の配合割合が40質量%を超えると、溶着部3が脆くなり落下強度が低下することがある。したがって、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂には、これらを40質量%以下、より好ましくは30質量%以下の範囲で含有していると、直鎖状のポリエチレンを主成分とした樹脂の場合であっても、高温滅菌処理の温度を121℃以上とすることが可能である。
また、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂に含有させるHDPEは、密度が935〜970kg/m3であると、排出口2に適度な硬さと高い耐熱性を付与することが出来るので好ましい。
本発明においては、多層フィルム11,12のシーラント111,121のCOP樹脂と排出口2のCOP樹脂を主成分とする樹脂との溶着となる部分が溶着部3に帯状に露出することから、シーラント111,121との溶着強度も高く安定したものとなる。例えば、融着幅が3mm以上あれば、30N/15mm以上の溶着強度が得られる。この様な観点からは、シーラント111,121の主成分となるCOP樹脂は、排出口2の最内層21の主成分となるCOP樹脂と同一もしくは極めて類似することが好ましいが、フィルムグレードと成形グレードなど多少異なっていてもよい。
ところで、多層フィルム11,12のシーラント111,121と排出口2の表層22をともにCOP樹脂とすると、30N/15mm以上の溶着強度が得られるが、本発明に好適な高温滅菌処理に耐え得る容器に用いるシーラントとしてのCOP樹脂は、一般的に破断伸び3〜60%と小さく、曲げ弾性率2,000〜3,200MPaと硬いため、外部からの衝撃により非常に脆い性質を有する。このため、通常の容器に用いられるPE樹脂のように破断伸び700〜1,000%と十分に伸び、曲げ弾性率100〜700MPaと柔軟な素材により容器のシーラントを構成した場合と比較して、内溶液充填後の輸送時などに排出口2の溶着部3が破壊されやすく、液漏れするおそれがある。この様な状況は、実質的に、実用的な溶着強度で溶着されるとは言い難い。
本発明において排出口2は、多層フィルム11,12と溶着されるCOP樹脂を主成分とする樹脂の一部が排出口2の表層に、多層フィルム11,12の端縁に沿う帯状に露出している。そして、露出した最外層(表面)のCOP樹脂を主成分とする樹脂の少なくとも一部とメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との双方が前記シーラントと帯状に溶着される。
本形態例においては、図2及び3に示すように、排出口2の溶着部3側の端部にメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂が存在しない様に、排出口2が形成される。この様に形成された排出口2が多層フィルム11,12に溶着されると、多層液体容器1の内溶液収納部から排出口2の流路内において、内溶液と排出口2とが、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂と接することがない。つまり、内溶液の接触面がCOP樹脂のみで構成されるので、内容成分が、多層フィルム11,12や排出口2に吸着されたり、多層フィルム11,12や排出口2を透過したりすることがない。したがって、内溶液の成分含有量が低下したり、多層フィルム11,12や排出口2との相互作用等により内容液が劣化や汚染されることがないので好ましい。
本発明の多層容器1は、溶着部3において、COP樹脂を主成分とする樹脂が露出する限り、露出する幅の範囲は、特に制限されないが、COP樹脂を主成分とする樹脂が露出する幅(幅III)の範囲は、1〜20mm、好ましくは2〜15mm、より好ましくは3〜10mmの範囲である。露出する幅の範囲は、1mm未満でもよいが、狭すぎると排出口2の成形に支障をきたす場合がある。また、20mmを超えてもよいが、溶着強度の向上が期待できず、コスト的に好ましくない場合がある。
また、溶着部3において、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂による溶着幅(幅II)とCOP樹脂を主成分とする樹脂による溶着幅(幅III)の比率が95:5〜5:95、好ましくは90:10〜30:70、より好ましくは80:20〜60:40であると、シーラント111,121のCOP樹脂と排出口2のCOP樹脂を主成分とする樹脂との溶着となる部分による高い溶着強度と、多層フィルム11,12の最内層のCOP樹脂と排出口2のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との溶着となる部分による脆性緩和とのバランスが好ましいものとなる。これにより、多層液体容器1排出口2との溶着部3の溶着強度を高く確保したまま、溶着部3の脆性が改善される。つまり、COP樹脂を主成分とする樹脂による30N/15mm以上の溶着強度が反映されて、落下強度に優れる多層液体容器1とすることが可能となる。
そして、本形態例においては、排出口2の多層液体容器1の収納部側の下端表層にメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂が存在せず、COP樹脂を主成分とする樹脂のみとなる。これにより、内容液の有効成分が多層液体容器1に吸着されたり、多層液体容器1を透過したりすることがないので、その成分含有量が低下したり、多層液体容器1との相互作用等により内容液が劣化や汚染されることがない。
図4は、本発明の多層液体容器1の第2の形態例の排出口近傍の断面図である。本形態例が第1の形態例と異なる点は、図4に示す凹凸6が設けられる点のみである。
本発明においては、例えば、表層22の主部に使用されるメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂がHDPE、MDPEやLDPE単独の場合又はその混合割合が高い場合には、排出口2の最内層21とメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層との溶着強度が十分ではなくなることがある。
この様な場合は、最内層21のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層側に凹及び/又は凸部を形成することが好ましい。この凹部や凸部は、図4に示すように、複数の環状の凹部と凸部からなる凹凸6であることが好ましいが、一本の環状の凹部や凸部であってもよい。あるいは、この凹凸6は、環状でなくてもよいし、連続しない単なる凹部と凸部がランダムに設けられていてもよい。また、最内層21のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層側であれば、どこに設けても良い。この凹凸6により、排出口2の最内層21とメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層との接着強度が十分ではない場合であっても、最内層21とメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層とが剥離して脱落することを防止できる。
図5は、本発明の多層液体容器1の第3の形態例の排出口近傍の断面図である。本形態例が第1及び第2形態例と異なる点は、本実施形態の多層液体容器1は、排出口2の溶着部の中間部において、COP樹脂を主成分とする樹脂層による溶着部が存在する点のみである。
本形態例は、多層液体容器1の収納部側の下端表層もメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂とする態様である。この場合は、排出口2の下端部のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層が内溶液に接する可能性があるが、多層液体容器1の多層フィルム11,12が溶着部3で排出口2の下端に密着しているので、実質的にメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂の影響は小さい。しかし、内溶液が充填された多層液体容器の保存期間が長い場合も考慮すると、吸着や透過による影響が大きい成分を含有しない内溶液に対して適用することが好ましい。この様にCOP樹脂を主成分とする樹脂層がメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層からなる表層間に表出すると、COP樹脂を主成分とする樹脂層による溶着部の脆さがメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層により効果的にカバーされる。したがって、落下強度が大幅に向上し、スルーホールの発生を有効に防止することが出来る。
本発明における多層フィルム11,12のシーラント111,121及び排出口2に用いるCOP樹脂としては、例えば、種々の環状オレフィンモノマーの重合体や、環状オレフィンモノマーとエチレンなどの他のモノマーとの共重合体及びそれらの水素添加物などが挙げられる。多層フィルム11,12並びに排出口2に用いるCOP樹脂としては、フィルムグレードと成形グレードの差程度の違いがあっても、ほぼ同一の樹脂であることが好ましいが、溶着が可能であれば、異なっていてもよい。
多層フィルム11,12のシーラント111,121及び排出口2に用いるCOP樹脂として重合される環状オレフィンモノマーとしては、例えばノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミドなどの二環シクロオレフィン;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環シクロオレフィン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの四環シクロオレフィン;トリシクロペンタジエンなどの五環シクロオレフィン;ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環シクロオレフィンなどが挙げられる。また、ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖又はエステル基などで結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体などのノルボルネン環を含む化合物が挙げられる。
これらのうち、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンといった、分子骨格中にノルボルネン骨格を含むノルボルネン系モノマーの1種又は2種以上を重合して得られるポリノルボルネン系樹脂、又はその水素添加物、及びそれらを1種又は2種以上を混合したものが、本発明における多層フィルム11,12のシーラント111,121及び排出口2の最内層21として好適である。
なお、本発明におけるCOP樹脂のモノマー分子の重合方法や重合機構としては、開環重合であっても、付加重合であっても良い。付加重合の場合は、メタロセン系触媒を用いて重合されたものが好ましい。また、複数種のモノマーを併用する場合の重合方法や得られる重合体の構造としては、公知の方法を用いて、公知の重合体とすることができ、モノマー時に配合して共重合を行っても良いし、ある程度重合した後に配合してブロック共重合体としても良い。
本発明におけるシーラント111,121及び排出口2に用いるCOP樹脂として上記に列記したCOP樹脂のうち、下記一般式(1)又は(2)で表される構造式で示すものが好ましい。これらのうち、特に下記一般式(1)で示されるCOP樹脂は、特にフィルム製膜適性に優れ、且つ排出口2の成形を行なう上でより安価に製造することが可能であるので好ましい。一方、一般式(2)で示されるCOP樹脂は、COP樹脂単独で多層フィルム11,12のシーラント111,121を構成したり、排出口2の最内層21を構成することが出来ないので、加工適性を向上する目的でPE樹脂をブレンドして用いる必要がある。この場合は、吸着や透過による影響が大きい成分を含有しない内溶液に対して適用することが好ましい。また、エチレンの含有量が多いと耐熱性が不足する場合がある。
Figure 2010036954
(式中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、R1とR2、及び/又はR3とR4は互いに環を形成していてもよい。m、pは0又は1以上の整数を示す。l、nは1以上の整数を示す。)
上記炭素数1〜20の有機基として、より具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル)、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル等のアルキルシクロアルキル基;アリル、プロペニル、ブテニル、2−ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種を単独で、あるいは2種以上を併用しても良い。
このようなCOP樹脂のガラス転移温度は、上記一般式(1)、(2)中のl、m、n、pの値、あるいは置換基を適宜選択することにより適宜調整することが可能である。上記一般式(1)、(2)以外のCOP樹脂のガラス転移温度についても、用いるモノマー種、モノマー種の配合割合、モノマー配列、置換基の種類などを適宜設定することにより、任意に調整することができる。
上記一般式(1)で示されるCOP樹脂としては市販品を用いることができ、例えば日本ゼオン社製のゼオネックス、ゼオノアを好適に用いることができる。上記一般式(2)で示されるCOP樹脂としては市販品を用いることができ、例えば三井化学社製のアペル、TICONA社製のTOPASを好適に用いることができる。
本発明における多層フィルム11,12のシーラント111,121及び排出口2に用いるCOP樹脂としては、上記一般式(1)で示されるものを用いることが好ましく、上記一般式(1)で示されるCOP樹脂単独で構成され、他の樹脂が含有されないことがより好ましい。
上記一般式(2)で示されるCOP樹脂の場合には、フィルムの製膜時に発生するゲルを防止するために、PE樹脂等を10〜40質量%程度の割合でブレンドして使用することが好ましい。上記一般式(2)で示されるCOP樹脂の場合には、エチレンの含有量が少なく、環状オレフィンの含有量が多いと耐熱性に優れるので好ましい。
排出口2は、二色以上の多色成形又はインサート成形により成形される。成形方法は従来公知の方法を採用することが可能である。排出口2の先端は、ソフトバッグ製造時には開口しており、この開口部23より充填ノズルを挿入して、内容液の充填や窒素置換を行なった後、ゴム栓4を中心に孔を有するキャップ5に事前に勘合したゴム栓体を装着し、超音波シーラー等で溶着して密封する。この時、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂層が排出口2の先端まで延設されて表出していると、キャップ5にメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂を用いることで、溶着が容易、確実でコスト的にも優れ、落下時にもキャップがPEで出来ているため衝撃を緩和することが出来、またキャップ部の破損もなくなるので好ましい。ゴム栓4は、通常使用されるゴム栓であれば、従来公知のものをそのまま使用することが可能である。その様なゴム栓としては、例えば、ブチルゴム、イソプレンゴム、塩素化ブチルゴム、シリコンゴムをそのまま、あるいは、それらにフッ素系樹脂や超高分子量ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、LLDPEなどを被覆したラミネートゴム栓であると、ゴムをシリンジ等の針で刺通した場合に、ゴム栓4の一部が欠けて内容液内に混入することを防止したり、内容液がゴム栓に吸着したり、内溶液と相互作用を起こすなどの問題を防止することが可能でありより好ましい。またゴムに替えて、エラストマー系樹脂を使用してゴム栓4を作成してもよい。この場合には、ゴム栓4の成形工程が短縮され、しかも、内容液の吸着も少ないため、ラミネートの必要がなくなりコスト的にメリットがあり好ましい。
本発明の多層液体容器1は、主に医療用の液体の収納に使用されるため、105℃以上好ましくは115℃以上、より好ましくは121℃以上の高温滅菌処理により多層液体容器1の変形や、破袋がない構成である必要がある。したがって、本発明における多層フィルム11,12のシーラント111,121及び排出口2に使用されるCOP樹脂は、ともにガラス転移温度が100℃以上、好ましくは110℃以上であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
多層フィルム11,12の作成:
三菱化学社製のPP系エラストマーからなる最外層112,122:160μm、三菱化学社製のモディックからなる図示しない接着性樹脂層:30μm、ガラス転移温度102℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオノア70%(質量比)とガラス転移温度136℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオネックス30%(質量比)のブレンドからなるシーラント111,121:60μmを積層した総厚み:250μmの樹脂層を水冷多層インフレーション法により製膜し、図2に示す多層フィルム11,12とした。
排出口2の作成:
ガラス転移温度102℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオノア60%(質量比)とガラス転移温度136℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオネックス40%(質量比)をブレンドし、排出口2の最内層21の樹脂とした。密度935kg/m3のメタロセン系LLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製)を単独で使用し、排出口2の表層22の主要部の樹脂とした。最内層21及び表層22の主要部の樹脂を二色成形法で積層成形し、溶着部3に相当する部分に排出口2の端部側の表層に最内層の樹脂が露出している図2に示す排出口2を作成した。排出口は、全長40mm、溶着部に相当する個所で直径が17mmの略円筒状とした
多層液体容器1の作成:
多層フィルム11,12間に排出口2を1個挟んで周縁部を溶着し、図1に示す幅115mm、長さ170mmの多層液体容器1を作成した。溶着幅は、両側縁で5mm、最も狭いところで、3mmとし、溶着の条件は、排出口2の周辺及びそれ以外とも、260℃で4秒間溶着を行った。排出口2の反対側には、フックに吊るすための孔7を設けた。
溶着部3の構成:
多層フィルム11,12と排出口2の溶着部3は、図2に示す態様とし、溶着部3の全体の幅Iを10mm、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との溶着幅IIを9mm、COP樹脂を主成分とする樹脂との溶着幅IIIを1mmとした(II:III=90:10)。
溶着強度の測定:
多層フィルム11,12と排出口2の溶着部3の溶着強度の測定に際しては、排出口2と多層フィルム11,12とを多層液体容器1から切り出した。多層フィルム11,12の排出口2の中央付近で流路に沿う方向に5mm間隔の切れ目を2本入れて、多層フィルム11,12の5mm幅の自由端を作成した。多層フィルム11,12のそれぞれの5mm幅の自由端を測定機のチャックに固定してフィルム11,12を引っ張り、JIS−Z0238に準拠して測定した。測定値は、15mm幅に換算した。
結果は、45N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁の溶着部についても同様に測定した。但し、側縁の溶着部は、溶着部に直交する方向に15mm幅で切り出して測定した。結果は、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
多層液体容器1に排出口2から100mlの精製水を充填し、115℃にて高温滅菌処理を40分間実施した後、4℃環境下で24時間保管して、その状態で1.5mの高さからコンクリート上に自然落下させて試験を行なった。落下試験は排出口2を下にして常に排出口2からコンクリートに落ちるように実施し、同一の多層液体容器1を繰り返し5回落下させて試験を実施した。結果は、破袋、液漏れはなく、十分な落下強度を有していることが判った。
[実施例2]
多層フィルム11,12の作成:
実施例1と同様とした。
排出口2の作成:
図3に示す排出口2としたこと以外は、実施例1と同様とした。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
溶着部3の全体の幅Iを10mm、メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との溶着幅IIを6mm、最内層であって最外層に表出したCOP樹脂を主成分とする樹脂層21との溶着幅IIIを4mmとした(II:III=60:40)。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、42N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は32N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な落下強度を有していることが判った。
[実施例3]
多層フィルム11,12の作成:
実施例1と同様とした。
排出口2の作成:
実施例1と同様のCOP樹脂で予め肉厚1mmの図2の符号21に示されるCOP樹脂製の円筒状物を射出成型した。密度930kg/m3のメタロセン系LLDPE(東ソー社製)に、密度963kg/m3のHDPE(東ソー社製)を、LLDPE:HDPEが80:20(質量比)の割合となるように配合し、金型に上記円筒状物を配置すると共に、インサート成形法でCOP樹脂製の円筒状物を被覆し、実施例1と同様な図2に示す排出口2を作成した。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、40N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有している。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な落下強度を有していることが判った。
[実施例4]
多層フィルム11,12の作成:
実施例1と同様とした。
排出口2の作成:
図4に示すリング状の脱落防止用凹凸6を最内層21のCOP樹脂を主成分とする樹脂層の表層22側に設けたこと以外は、実施例1と同様に排出口2を作成した。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、35N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
多層フィルム11,12同士の側縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な落下強度を有していることが判った。
[実施例5]
多層フィルム11,12の作成:
実施例1と同様とした。
排出口2の作成:
表層22の主要部の樹脂として、実施例1で用いた密度935kg/m3のメタロセン系LLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製)を用いたこと以外は、実施例3と同様にインサート成形で成形し、図2に示す排出口2を作成した。
多層容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、44N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な強度を有していることが判った。
[実施例6]
多層フィルム11,12の作成:
密度936kg/m3のHDPE(東ソー社製)からなる最外層112,122:15μm、
密度925kg/m3のLLDPE(プライムポリマー社製)からなる最外層112,122に隣接する図示しない第1の中間層:150μm、
密度910kg/m3のLLDPE(日本ポリエチレン社製)からなる図示しない第1の中間層とシーラント111,121とに接する図示しない第2の中間層:25μm、
ガラス転移温度102℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオノア60%(質量比)とガラス転移温度136℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオネックス40%(質量比)のブレンドからなるシーラント111,121:60μmとを積層した総厚み250μmの図2に示す多層フィルム11,12を多層Tダイ共押出法により製膜した。
排出口2の作成:
実施例3と同様とした。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、40N/15mmであり、高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は33N/15mmであった。
落下衝撃試験:
滅菌を121℃、30分間とした以外は、実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な強度を有していることが判った。
[実施例7]
多層フィルム11,12の作成:
実施例6と同様とした。
排出口2の作成:
実施例1と同様とした。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、42N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は33N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な強度を有していることが判った。
[実施例8]
多層フィルム11,12の作成:
密度935kg/m3のLLDPE(東ソー社製)からなる最外層112,122:40μm、密度925kg/m3のLLDPE(プライムポリマー社製)と密度905kg/m3のLLDPE(日本ポリエチレン社製)を9:1(質量比)でブレンドしてなる図示しない中間層:150μm、ガラス転移温度102℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオノア60%(質量比)とガラス転移温度136℃の日本ゼオン社製のCOP樹脂ゼオネックス40%(質量比)のブレンドからなるシーラント111,121:60μmとを積層した総厚み250μmの図5に示す多層フィルム11,12を多層共押出Tダイ法により製膜した。
排出口2の作成:
実施例1と同様とした。
多層液体容器1の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
多層フィルム11,12と排出口2の溶着部3は、図5に示す態様とした。溶着部3の全体の幅Iを10mm、COP樹脂を主成分とする樹脂との溶着部を溶着部3の中間に設け、その幅IIIを3mmとした。メタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との溶着幅IIは、図5に示すように5mmと2mmの上下に分割し、その合計を7mとした(II:III=70:30)。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、45N/15mmであり、極めて高い溶着強度を有していた。
一方、多層フィルム11,12同士の側縁の溶着部についても実施例1と同様に測定したところ、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、破袋、液漏れはなく、十分な落下強度を有していることが判った。
[比較例1]
多層フィルムの作成:
実施例1と同様とした。
排出口の作成:
最内層21のCOP樹脂を主成分とする樹脂が表層22に露出することなく積層されたこと以外は、実施例1の排出口と同様とした。
多層容器の作成:
実施例1と同様とした。
溶着部3の構成:
多層フィルムと排出口の溶着部の全てを最外層22のメタロセン系触媒によって重合されたPEを主成分とする樹脂との溶着としたこと以外は、実施例1と同様とした。
溶着強度の測定:
溶着部3の溶着強度を実施例1と同様に測定した。結果は、21N/15mmであり、溶着強度は低かった。
一方、多層フィルム同士の周縁の溶着部についても同様に測定したところ、溶着強度は30N/15mmであった。
落下衝撃試験:
実施例1と同様の方法で試験を行なった。
結果は、落下1回では破袋、液漏れともなかったが、3回目の落下で排出口周縁部からの液漏れが発生した。
本発明の多層液体容器の平面図である。 本発明の多層液体容器の第1の形態例による排出口近傍の断面図である。 本発明の多層液体容器の第1の形態の別の例による排出口近傍の断面図である。 本発明の多層液体容器の第2の形態例による排出口近傍の断面図である。 本発明の多層液体容器の第3の形態例による排出口近傍の断面図である。
符号の説明
1 多層液体容器
11,12 多層フィルム
111,121 多層フィルムのシーラント
2 排出口
21 排出口の最内層
22 排出口の表層
3 溶着部
4 ゴム栓
5 キャップ
6 凹凸
7 孔

Claims (11)

  1. 環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂のシーラントが一面に積層された多層フィルムからなる容器の一部に、排出路に直交する断面が積層構造を有する排出口が少なくとも1つ以上溶着された多層液体容器であって、
    前記排出口の排出路を形成する最内層が環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂で構成され、かつ表層の主要部がメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂で構成されるとともに、
    前記排出口が前記シーラントと溶着される溶着部において、 前記排出口の最内層の環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の一部が前記排出口の表層に前記多層フィルムの端縁に沿う帯状に露出して、表層の従属部となった環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の少なくとも一部と表層の主要部のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂との双方が前記シーラントと帯状に溶着されてなることを特徴とする多層液体容器。
  2. 前記排出口の前記溶着部側の端部の表層に、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が存在しないことを特徴とする請求項1記載の多層液体容器。
  3. 前記溶着部において、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂による溶着幅と環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂とによる溶着幅の比率が、95:5〜5:95である請求項1又は2記載の多層液体容器。
  4. 前記メタロセン系触媒により重合されたポリエチレンが、直鎖状のポリエチレンであって、その密度が880〜970kg/m3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層液体容器。
  5. 前記排出口のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が、メタロセン系触媒により重合されたポリエチレン単独、又はメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンと、環状オレフィン系樹脂、中密度ポリエチレンもしくは高密度ポリエチレンとの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層液体容器。
  6. 前記排出口のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂が、密度935〜970kg/m3の高密度ポリエチレンを40質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項5記載の多層液体容器。
  7. 前記排出口の最内層の、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂が、トルエンを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の数平均分子量3,000以下の樹脂成分含有量が1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層液体容器。
  8. 前記排出口の最内層の、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂の環状オレフィン系樹脂が、次の一般式(1)及び/又は(2)で示される請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層液体容器。
    Figure 2010036954
    (式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一又は異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、R1とR2、及び/又はR3とR4は互いに環を形成していてもよい。m、pは0又は1以上の整数を示す。l、nは1以上の整数を示す。)
  9. 前記排出口の積層構造において、環状オレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層のメタロセン系触媒により重合されたポリエチレンを主成分とする樹脂層側に凹部及び/又は凸部が形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層液体容器。
  10. 前記排出口にゴム栓を備えるキャップが溶着された請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層液体容器。
  11. 前記容器が105℃以上の高温滅菌処理が可能である請求項1〜10のいずれか1項に記載の多層液体容器。
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