JP2007261630A - 袋状容器用注出具 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたガスバリア性を損なうことなく、ガスバリア性中間層の露出が確実に防止され、ガスバリア性中間層を形成しているガスバリア性樹脂と容器内容物との接触や溶出が確実に防止された袋状容器用注出具を提供する。
【解決手段】内部に注出用貫通路を有し且つ外面に袋状容器との容器接着部10を有している筒状体1からなる袋状容器用注出具において、筒状体1は、ガスバリア性中間層27が設けられた積層構造を有しており、該ガスバリア性中間層27は、筒状体1の上端面に露出していると共に、筒状体1の上端面には、ガスバリア性中間層27の露出端部を覆うように、リング形状を有する保護層3が接着固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパウトと呼ばれる袋状容器用注出具に関するものである。
プラスチックフィルムやアルミ箔などから形成された袋状容器は、古くから各種用途に使用されている。このような袋状容器は、従来は、袋の端部を引き裂くことにより開口を形成し、この開口を通して内容物を取り出すように構成されていることが多かったが、最近では、このような袋状容器には、スパウトと呼ばれるプラスチック製の注出具が設けられて使用されるようになってきた。即ち、この注出具は、両端開口の筒状体からなり、その上端部(口部)をアルミ箔などのシール部材でシールし、下方部分には、袋状容器の口部がシールされた構造を有している。このような注出具を用いた場合には、袋状の容器を引き裂くことなく、スパウトの開口をシールしているシール部材を引き剥がすことにより、内容物注出用の開口が形成されるため、直接内容液を喫飲することができるようになり、各種飲料などの用途に好適となる。また、開口部に着脱自在に蓋を設けておけば、シール部材を引き剥がした後もリシールすることが可能となり、このため、各種調味料などの容器や各種薬液、輸液などを収容した医療用容器としても使用することが可能である。
上記のような袋状容器用の注出具における筒状体は、一般に、ポリオレフィン樹脂などから形成されるが、そのガスバリア性を高めるために、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH樹脂)などのガスバリア性樹脂からなる中間層を設けた積層構造とすることが知られている。
しかしながら、上記のようなガスバリア性樹脂からなる中間層を設けた場合には、筒状体の上端面に該中間層が露出し、この結果、ガスバリア性樹脂が袋状容器の内容物に接触してしまったり、またレトルト殺菌などの熱処理を行ったときには、ガスバリア性樹脂が内容物中に溶出してしまったり、或いはガスバリア性が低下するなどの問題がある。このような問題を回避するために、特許文献1や2には、ガスバリア性中間層の上端が、筒状体の上端面から露出しないように位置している注出具が提案されている。
特開2001−213455号 特開2005−231638号
特許文献1の注出具は、ガスバリア性樹脂の中間層(ガスバリア性中間層)の上端が、筒状体の内外層を形成している樹脂によって覆われているものであるが、ガスバリア性中間層と筒状体上端面との間隔が小さく、筒状体の内部にガスバリア性中間層が浅く埋め込まれた形態となっているため、ガスバリア性中間層の上端を筒状体を形成する樹脂で確実に覆うことはかなり困難である。即ち、ガスバリア性中間層を設けた筒状体は、インサート成形、2色成形などの成形方法によって成形されるが、何れにしろ、ガスバリア性中間層の上端と金型との隙間の上に、内外層を形成する樹脂が流れ込み、このように流れ込んだ樹脂により、ガスバリア性中間層の上端が覆われることとなる。特許文献1の注出具では、ガスバリア性中間層の上端と金型との隙間をかなり小さくしなければならず、この結果、樹脂の流れ込み量が不十分となり易く、ガスバリア性中間層上端の露出を確実に防止することができないのである。
一方、特許文献2の注出具は、ガスバリア性中間層と筒状体上端面との間隔が大きく、筒状体の内部にガスバリア性中間層が深く埋め込まれた形態となっている。従って、成形時における樹脂の流れ込み不足の問題は少なく、ガスバリア性中間層上端の露出を防止しやすくなる。しかしながら、このような場合には、ガスバリア性中間層の上端と筒状体の上端との間の部分、即ち、ガスバリア性中間層が存在していない部分の厚みが大きくなっているため、このような上端部分でのガスバリア性が低下してしまうという別の問題を生じる。
従って、本発明の目的は、優れたガスバリア性を損なうことなく、ガスバリア性中間層の露出が確実に防止され、ガスバリア性中間層を形成しているガスバリア性樹脂と容器内容物との接触や溶出が確実に防止された袋状容器用注出具を提供することにある。
本発明の他の目的は、シール部材を有する場合において、シール部材が引き剥がされたときにも、ガスバリア性樹脂と内容物との接触が有効に防止された衛生性の高い袋状容器用注出具を提供することにある。
本発明によれば、内部に注出用貫通路を有し且つ外面に袋状容器との容器接着部を有している筒状体からなる袋状容器用注出具において、
前記筒状体は、ガスバリア性中間層が設けられた積層構造を有しており、該ガスバリア性中間層は、該筒状体の上端面に露出しているが下端面には露出しておらず、少なくとも前記容器接着部の上端に対応する部分には該ガスバリア性中間層が存在していると共に、
前記筒状体の上端面には、前記ガスバリア性中間層の露出端部を覆うように、リング形状を有する保護層が接着固定されていることを特徴とする袋状容器用注出具が提供される。
本発明の袋状容器用注出具においては、
(1)前記保護層の厚みが170μm以下であること、
(2)前記筒状体の外面の容器接着部よりも上方の部分に、螺子キャップとの螺子係合用螺子部が形成されており、該螺子キャップを装着したときに、該螺子キャップが注出用貫通路を閉じることにより袋状容器の口部がシールされること、
が好ましい。
また、本発明の注出具においては、前記筒状体の上端には、前記保護層を介してアルミ箔等のシール部材を接着固定することもでき、このような場合には、
(3)前記保護層と前記筒状体の上端面との接着界面は、該保護層と前記シール部材との接着界面に比して強接着に形成されていること、
が好適である。
本発明によれば、筒状体の上端面に露出しているガスバリア性中間層の端部は、リング形状の保護層により覆われているため、ガスバリア性中間層を形成するガスバリア性樹脂が袋状容器の内容物と接触することがなく、またレトルト殺菌等の熱処理が行われた場合にも、袋状容器の内容物中にガスバリア性樹脂が溶出したり、接触したりすることがなく、衛生性に極めて優れ、ガスバリア性の低下も防止できる。しかも、この保護層は、筒状体の上端面に接着固定されるものであるため、特許文献1のように成形時における樹脂の流れ込み不足などによりガスバリア性中間層の上端が露出してしまうなどの不都合を生じることがなく、確実にガスバリア性中間層の上端露出を防止することができ、さらには、保護層の厚みを薄く(例えば170μm以下)することができるため、保護層によるガスバリア性の低下を有効に防止することができ、ガスの透過による内容物の品質の劣化を有効に抑制することができる。
本発明を、以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の袋状容器用注出具の側断面図であり、
図2は、図1の袋状容器用注出具の上面図であり、
図3は、図1の袋状容器用注出具の要部を拡大して示す側断面図であり、
図4は、筒状体の上端にシール部材を設けた態様の袋状容器用注出具の側断面図であり、
図5は、図4の袋状容器用注出具の上面図であり、
図6は、図4の袋状容器用注出具の要部を拡大して示す側断面図であり、
図7は、図4の袋状容器用注出具からシール箔を引き剥がす途中の状態を示す側断面図であり、
図8は、プラスチックフィルムをシール箔として用いたときのシール箔の層構成を示す図であり、
図9は、本発明において、好適なシール箔の形状を示す図である。
図1乃至図3を参照して、本発明の袋状容器用注出具は、全体として1で示す筒状体と、この筒状体1の上端に接着固定されたリング形状の保護層3とから形成されている。
筒状体1は、内部に注出用貫通路5を有しており、さらに、筒状体1の外面の下方部分には、接着部10が形成されている。即ち、注出用貫通路5は、これを介して50で示されている袋状容器(図1参照)の内容物の注ぎ出しが行われるものであり、接着部10には、袋状容器50の開口部がヒートシールにより固定される。
また、筒状体1の外面には、上記接着部10の上方に、この注出具を把持するためのサポートリング11が形成されている。即ち、サポートリング11は、この注出具或いはこの注出具がセットされた袋状容器50を搬送する際に把持するためのものである。
さらに、筒状体1の外面には、上記サポートリング11のさらに上方部分に螺条13が形成されており、螺条13の下側(螺条13とサポートリング11との間)には、バンド係止用顎部15が形成されている。即ち、図示されていないが、この注出具は、通常、容器蓋が被せられた状態で使用に供せられ、内容物の取り出しは、容器蓋を取り外した状態で行われる。螺条13は、このような容器蓋を螺子係合により着脱自在に保持するためのものである。また、容器蓋には、一般に、開封履歴を証明するためのタンパーエビデンドバンド(TEバンド)が、破断可能なブリッジにより容器蓋に連結されている。このようなTEバンドは、容器蓋の開栓に際して、上記のバンド係止用顎部15と係合し、これにより、その上昇が制限され、TEバンドと係止してTEバンドの上昇を制限し、TEバンドを容器蓋から切り離すことができる。
上記の注出具において、接着部10は、筒状体1の外面から張り出しており、且つ上下に間隔をおいて形成されている複数の張り出し板10a,10b,10cから形成されている。これらの張り出し板10a〜10cは、図1に示されているように、その周縁部に袋状容器50の開口部が接着固定されるため、通常、互いに同一の大きさを有しており、また、その外周端面は、フラットな面となっている。
上記の接着部10を形成している張り出し板10a〜10cの上には、さらに保護板17が設けられている。この保護板17は、接着部10の保護部材として機能するものであり、このため、接着部10を構成する張り出し板10a〜10cよりもやや大きな形状を有している。
上記のような接着部10を形成する張り出し板10a〜10c及び保護部材として機能する保護板17は、強度を高めるために、ブリッジ19で互いに連結されており、さらに、最上部に位置している保護板17の外周縁には、リブ20が形成されている。さらに最下方に位置する張り出し板10cの下面の外周縁部は厚肉に形成され、袋状容器50の開口部との接着面積の増大が図られている。
上記のような構造の袋状容器用注出具において、基部となる筒状体1は、内層23と外層25との間にガスバリア性中間層27が設けられた積層構造を有している。
内層23及び外層25の形成に用いる樹脂としては、成形性や袋状容器50との接着性(ヒートシール性)などの観点から、各種のオレフィン樹脂、例えば低−、中−、或いは高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)などを使用することができる。また、水蒸気などに対するバリア性が良好な点で、オレフィンと環状オレフィン(ノルボルネン、テトラシクロドデセンなどのビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物)との共重合体も使用することができる。さらには、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂を用いて内外層23,25を形成することもできる。本発明においては、特に熱接着性、ヒートシール性が優れていることから、MFR(ASTM D−1238、190℃)が0.001〜2g/10分のポリエチレンや、MFR(230℃)が0.05〜50g/10分のポリプロピレンが内外層23,25の形成に好適に使用される。
また、ガスバリア性中間層27は、酸素に対する遮断性に優れたガスバリア性樹脂から形成されるものである。このようなガスバリア性樹脂は公知であり、その代表的なものが、エチレン−ビニルアルコール共重合体である。このエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、エチレン含量が20〜60モル%、特に25〜50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(ケン化度;96モル%以上、特に99モル%以上)が好適である。また、このようなエチレン−ビニルアルコール共重合体は、フィルムを形成するに足る分子量を有しているべきであり、通常、フェノール・水混合溶媒(85:15の重量比)中、30℃で測定して、0.01g/dl以上、特に0.051g/dl以上の固有粘度を有しているものが使用される。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体以外のガスバリア性樹脂も知られており、例えば各種のポリアミド、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、ヘキサメチレンテレフタラミド/イソフタラミド共重合体、及びこれらのブレンド物などをガスバリア性樹脂として、前記中間層27の形成に使用することができる。このようなポリアミドもフィルムを形成するに足る分子量を有しているべきであり、例えば濃硫酸中、30℃の温度で測定した固有粘度が1.1g/dl以上、特に1.5g/dl以上であることが好ましい。
さらに、内層23或いは外層25とガスバリア性中間層27との間に、必要により接着剤層を設けることも可能であり、このような接着剤としては、酸変性オレフィン樹脂が好適である。かかる酸変性オレフィン樹脂は、前述したオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合させたものである。
グラフトさせる不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、アクリル酸、メタクリル酸などを例示することができ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、これら不飽和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等を挙げることができる。最も好適なものはマレイン酸、ナジック酸及びこれらの酸無水物である。
上記のような筒状体1の積層構造において、外層25は、図1等から理解されるように、接着部10の各種部材を形成するものであり、適度な強度が確保される限り、その厚みは特に制限されないが、内層23は、一般に、600μm以上の厚みを有していることが、成形不良などによるガスバリア性中間層27の内表面への露出を確実に防止するために好適である。さらに、ガスバリア性中間層27は、その優れた酸素バリア性を発揮させるため、通常、20μm以上の厚みを有していることが好ましい。
上記のような積層構造を有する筒状体1は、内外層23,25及びガスバリア性中間層27を形成する樹脂との共射出成形により成形される。このため、樹脂流路を確保するという観点から、ガスバリア性中間層27の一方側の端部は露出することとなる。さらに、ガスバリア性中間層27を形成するエチレン−ビニルアルコール共重合体に代表されるガスバリア性樹脂は、衛生的見地から、容器内容物と接触しないようにしなければならない。従って、図1から理解されるように、ガスバリア性中間層27は、その下端は封止されているが、上端27aは、筒状体1の上端面に露出している。下端を露出させると、必ず容器内容物に接触してしまうからである。
従って、ガスバリア性中間層27は、筒状体1の上端面から下方に延びているものとなるが、その下端位置は、少なくとも袋状容器50の開口部が接着固定される接着部10にまで延びていることが必要である。即ち、接着部10の上端に位置する部分(張り出し板10aに対応する位置)には、ガスバリア性中間層27が存在していなければならない。ガスバリア性中間層27の下端部が接着部10よりも上方に位置していると、その下端と接着部10との間の領域でのガス(酸素)の透過を抑制することができないからである。
ところで、上記のようにガスバリア性中間層27が筒状体1の上端面に露出していると、この中間層27を形成しているエチレン−ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂が容器内容物に接触してしまうという衛生上の問題がある。また、この注出具は、通常、前述した容器蓋で閉じられるが、このような場合、レトルト殺菌などの加熱処理等によって高温に保持されたときには、ガスバリア性樹脂が容器内容物中に溶出してしまうこともある。さらに、筒状体1の上端にアルミ箔等のシール部材を設けた上で容器蓋を設けることもできるが、シール部材を引き剥がした後には、中間層27の上端が露出しているため、リシール時などでは、ガスバリア性樹脂と容器内容物との接触を防止することができない。
しかるに本発明では、筒状体1の上端面にリング形状の保護層3を接着固定することにより、該上端面に露出しているガスバリア性中間層27を被覆し、これにより、ガスバリア性樹脂の溶出を確実に防止することができるのである。
このようなリング形状の保護層3は、容器内容物と接触しても衛生上の問題を生ぜず、筒状体1の上端面にヒートシール等によって接着可能であれば、種々の材料で形成されていてよく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの内外層23,25を形成しているオレフィン系樹脂や、先に述べた接着剤樹脂などにより形成することができる。また、リング形状のアルミ箔などの金属箔により保護層3を形成することもできる。このような場合には、リング形状の金属箔の内面に、上記で例示したオレフィン系樹脂や接着剤樹脂などからなる樹脂層を形成しておくことが、保護層3を強固に筒状体1の上端面に接着固定させ得る点で好ましい。
また、上記の保護層3は薄層であることも必要であり、例えば、その厚みが170μm以下、特に50μm以下の範囲にあるのがよい。即ち、この厚み部分には、ガスバリア性の層が存在しておらず、このため、シール箔や容器蓋で開口をシールした場合においても、この厚み部分が厚いと、該厚み部分を通してガス(酸素)の透過が無視し得ない程度に発生し、容器内容物の酸化劣化やフレーバー性の低下が生じてしまう。一方、しかるに、保護層3を上記のような厚みの薄層とすることにより、該保護層3でのガスの透過を有効に抑制することが可能となる。尚、この保護層3の厚みの下限は特に制限されないが、フィルム成形性の観点から、一般には5μm以上である。
上記のような厚みの薄い保護層3は、例えば、所定の樹脂を用いて、インフレーション成形などのフィルム成形によってリング形状の薄いフィルムを作製し、これをヒートシールにより筒状体1の上端面に接着固定することにより設けることができる。また、保護層3をアルミ箔などの金属箔により形成する場合には、リング形状の金属箔の内面に、例えば前述した保護層をコーティング等により形成し、これをヒートシールにより筒状体1の上端面に接着固定すればよい。
上述した構造を有する本発明の注出具は、筒状体1の上端面にガスバリア性中間層27の上端部が露出していないため、注出用貫通路5を閉じるようなシール部材を設けることなく、そのまま袋状容器50の開口部に接着固定し、容器蓋を被せて容器としての使用に供することができる。この場合には、容器蓋を開封した後に、シール部材の引き剥がしなどを行わずに直ちに内容物の注出をでき、シール部材の引き剥がしという手間が省けるという利点がある。
また、袋状容器50内への内容物の充填は、袋状容器50の底部等を開放状態にした状態で、口部に相当する部分に容器蓋が被せられた注出具を接着固定し、次いで、底部などの開放状態の部分から内容物を充填し、この後に開放状態の部分をヒートシールにより貼り付けることによって行うことができる。また、袋状容器50の開口部に注出具を接着固定した後に、注出具の注出用貫通路5から内容物を袋状容器50内に充填し、その後、容器蓋を装着することによりシールすることもできる。
また、本発明の注出具は、この開口部を覆うようにシール箔を貼り付けて用いることもできる。このようなシール箔が貼り付けられた本発明の注出具を、図4乃至図7に示した。(図4は側断面図、図5は上面図、図6は要部拡大図、及び図7は、シール箔の引き剥がし工程を袋状容器とともに示す図である。)
図4乃至図6において、この注出具は、筒状体1の上端部開口にシール箔30が設けられている点を除けば、前述した図1〜3に示す構造の注出具と基本的には同じ構造を有している。
即ち、図5〜7において、シール箔30は、アルミ箔などの金属箔の少なくとも下面に、オレフィン系樹脂などのヒートシール性樹脂層(図示せず)が形成されたものであり、円形状の基部30aと摘み片30bとからなっており、円形状の基部30aの周縁部は、前述した筒状体1の上端面に、保護層3を間に挟んでヒートシールにより接着固定されている。
このようなシール箔30が設けられた注出具においては、図6の要部拡大図に示されているように、保護層3と筒状体1の上端面との接着界面Xを、シール箔30と保護層3との接着界面Yに比して相対的に強接着とすることが重要である。このように接着界面X,Yでの接着強度に差を持たせることにより、シール箔30を引き剥がした後においても、保護層3が筒状体1の上端に残存し、従ってガスバリア性樹脂と容器内容物との接着を確実に防止することが可能となる。
即ち、図7に示されているように、シール箔30は、その摘み片30bを手で引っ張り上げることにより引き剥がされ、これにより注出具の開口部が開放され、容器内容物の注出が行われるが、このときに、上記のように接着界面X、Yで接着強度に差があるため、シール箔30と保護層3との接着界面Yで剥離を生じ、従って、保護層3は、シール箔30が引き剥がされた状態においても筒状体1の上端面に残存することとなる。従って、シール箔30が引き剥がされた後においても、筒状体1の上端に露出しているガスバリア性中間層1は保護層3により覆われており、容器内容物の注ぎ出し時、或いは容器蓋をリシールしたときにおいても、ガスバリア性樹脂の溶出もしくはガスバリア性樹脂と容器内容物との接触を確実に防止することができ、極めて優れた衛生性を確保することができるのである。
このような本発明において、保護層3と筒状体1の上端面との接着界面Xを、シール箔30と保護層3との接着界面Yに比して相対的に強接着とするには、例えば以下のような手段を採用することができる。
即ち、保護層3は、筒状体1の内外層23,25を構成するオレフィン系樹脂と強接着するように、内外層23,25と同種のオレフィン系樹脂などで形成し、シール箔30の下面には、例えばシリコン樹脂や各種ワックスなどの離型剤をオレフィン系樹脂などに分散された樹脂組成物からなる弱接着性樹脂層を形成しておき、このようなシール箔30をヒートシールにより保護層3に接着すればよい。勿論、弱接着性の樹脂層をシール箔30の下面に設けると同時に、保護層3の上面に弱接着性の樹脂層を設けておくこともできる。このような弱接着性樹脂層を保護層3上に設けた場合には、ガスバリア性の低下を回避するために、この弱接着性樹脂層を含めたトータル厚みが、前述した範囲内の薄層となるように、保護層3の厚みが設定されることが必要である。
また、本発明においては、前述したシール箔30としてアルミ箔などの金属箔を用いる代わりに、プラスチックフィルムを用いることもできる。但し、このようなプラスチックフィルムをシール箔30として用いた場合には、ガスバリア性樹脂を用いた積層構造とすることが必要である。即ち、図8に示すように、下層33及び上層35の間にガスバリア性樹脂からなる中間層37を設け、ガスバリア性を確保するとともに、ガスバリア性樹脂と容器内容物との接触を防止する。かかる層構成は、前述した筒状体1の層構成と実質的に同じであり、例えば下層33及び上層35を形成する樹脂としては、前述した内外層23,25を形成するようなオレフィン系樹脂が使用され、さらに、中間層37を形成するガスバリア性樹脂としては前述したものが使用される。このような場合においても、保護層3の表面に弱接着性樹脂層を形成しておくことにより、シール箔30(下層33)と保護層3との界面Yを、保護層3と筒状体1の上端との界面Xよりも弱接着とすることができる。
さらに、本発明においては、上述したシール箔30は、図9に示すように、中央部を厚肉部39とし、保護層3の内周縁を、この厚肉部39の外周縁で封止することが好ましい。これにより、高温での加熱処理時における筒状体1の上端面からのガスバリア性樹脂の溶出を確実に防止することができる。
尚、上記のような形状のシール箔30は、例えばアルミ箔などの金属箔を用いたものでは、シール箔30の下面の中央部分にオレフィン系樹脂などの層を、コーティングなどにより設ければよく、また、プラスチックフィルムをシール箔30として用いる場合には、下層33により、上記のような厚肉部を形成すればよい。
上述した本発明の注出具は、ガスバリア性に優れ、また、常にガスバリア性樹脂と容器内容物との接触が確実に防止でき、例えばレトルト殺菌などの高温熱処理が行われたときにもガスバリア性樹脂の容器内容物への溶出が確実に防止できる。従って、本発明の注出具は、高温熱処理が必要とされる各種食品類や医薬品などの内容物が充填された袋状容器に極めて有用である。
本発明の袋状容器用注出具の側断面図。 図1の袋状容器用注出具の上面図。 図1の袋状容器用注出具の要部を拡大して示す側断面図。 筒状体の上端にシール部材を設けた態様の袋状容器用注出具の側断面図。 図4の袋状容器用注出具の上面図。 図4の袋状容器用注出具の要部を拡大して示す側断面図。 図4の袋状容器用注出具からシール箔を引き剥がす途中の状態を示す側断面図。 プラスチックフィルムをシール箔として用いたときのシール箔の層構成を示す図。 本発明において好適なシール箔の形状を示す図。
符号の説明
1:筒状体
3:保護層
23:内層
25:外層
27:ガスバリア性中間層
30:シール箔

Claims (4)

  1. 内部に注出用貫通路を有し且つ外面に袋状容器との容器接着部を有している筒状体からなる袋状容器用注出具において、
    前記筒状体は、ガスバリア性中間層が設けられた積層構造を有しており、該ガスバリア性中間層は、該筒状体の上端面に露出しているが下端面には露出しておらず、少なくとも前記容器接着部の上端に対応する部分には該ガスバリア性中間層が存在していると共に、
    前記筒状体の上端面には、前記ガスバリア性中間層の露出端部を覆うように、リング形状を有する保護層が接着固定されていることを特徴とする袋状容器用注出具。
  2. 前記保護層の厚みが170μm以下である請求項1に記載の袋状容器用注出具。
  3. 前記筒状体の外面の容器接着部よりも上方の部分に、螺子キャップとの螺子係合用螺子部が形成されており、該螺子キャップを装着したときに、該螺子キャップが注出用貫通路を閉じることにより袋状容器の口部がシールされる請求項1または2に記載の袋状容器用注出具。
  4. 前記筒状体の上端には、前記保護層を介してシール部材が接着固定されており、該シール部材によって前記注出用貫通路が閉じられているとともに、
    前記保護層と前記筒状体の上端面との接着界面は、該保護層と前記シール部材との接着界面に比して強接着に形成されている請求項1または2に記載の袋状容器用注出具。
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