JP2023023035A - 成形品および容器 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023023035000001
【課題】高温滅菌処理においても耐熱性に優れ、かつ、高強度を有する排出口とすることが可能な成形品、およびこの成形品を備える容器を提供する。
【解決手段】排出口13を有する成形品10であって、排出口13の排出路14に交差する断面が、排出路14を形成する最内層15と、排出口13の外周部を形成する表層16とを有し、最内層15が環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成され、最内層15の一部が表層16の側に露出されており、表層16の主要部18が、少なくともポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂から形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形品および容器に関する。
従来、医薬品等の薬剤をプラスチック樹脂等で成形された容器に充填したソフトバッグが知られている。特許文献1には、薬剤の吸着性及び透過性がない材料として、多層フィルムからなる容器のシーラントおよび排出口の排出路を形成する最内層等に環状オレフィン系樹脂層を有する多層液体容器が記載されている。
また、特許文献2には、環状オレフィン系樹脂層と、接着層と、ポリプロピレン系樹脂層とが、この順序で積層された、少なくとも3層以上の積層体(シート)において、接着層が、直鎖状低密度ポリエチレンとスチレン系エラストマーとポリプロピレン系樹脂とからなる樹脂成分を含むことが記載されている。
特開2010-36954号公報 特開2019-18482号公報
特許文献1に記載の容器は、最内層が環状オレフィン系樹脂、表層の主要部がメタロセン系ポリエチレンを主成分として、かつ、表層の一部分に環状オレフィンが露出した排出口を有する。さらに、特許文献1に記載の容器では、排出口が、環状オレフィン系樹脂を主成分とするシーラントに溶着されている。これにより、排出口を形成する樹脂への吸着を防止しつつ、高温蒸気滅菌が可能であり、高い溶着強度を有する。さらに、特許文献1の段落0033には、HDPE(高密度ポリエチレン)の配合等により、高温滅菌処理の温度を121℃以上とすることが可能であるとしている。しかし、一般的なHDPEの配合は溶着部の脆弱化、落下強度の低下につながるという課題がある。
また、特許文献2には、環状オレフィン系樹脂層と、接着層と、ポリプロピレン系樹脂層とを備える積層体(シート)が記載されている。しかし、この積層体(シート)から形成される包装袋に設けられる注出口に関しては、特段の示唆がない(特許文献2の段落0051参照)。このように、高温滅菌処理の温度を121℃以上とするオーバーキル滅菌への適性が高く、かつ高強度を有する排出口が、これまで知られていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温滅菌処理においても耐熱性に優れ、かつ、高強度を有する排出口とすることが可能な成形品、およびこの成形品を備える容器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、排出口を有する成形品であって、前記排出口の排出路に交差する断面が、前記排出路を形成する最内層と、前記排出口の外周部を形成する表層とを有し、前記最内層が環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成され、前記最内層の一部が前記表層の側に露出されており、前記表層の主要部が、少なくともポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂から形成されていることを特徴とする成形品を提供する。
前記表層の主要部を形成する樹脂が、前記ポリプロピレン系樹脂を60~80重量%の割合で含有してもよい。
前記表層の主要部を形成する樹脂が、前記ポリエチレン系樹脂を10~30重量%の割合で含有してもよい。
前記表層の主要部を形成する樹脂が、さらにスチレン系エラストマーを5~20重量%の割合で含有してもよい。
また、本発明は、前記成形品の前記表層に、積層体から形成された液体収容部が接合された容器であって、前記積層体は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成されたシーラントを有し、前記シーラントが、前記成形品に対して、前記表層の側に露出された前記最内層に接合されていることを特徴とする容器を提供する。
本発明によれば、高温滅菌処理においても耐熱性に優れ、かつ、高強度を有する排出口とすることが可能な成形品、およびこの成形品を備える容器を提供することができる。
実施形態の成形品および容器の一例を示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
図1に示すように、実施形態の成形品10は、排出口13を有する。排出口13の排出路14に交差する断面が、排出路14を形成する最内層15と、排出口13の外周部を形成する表層16とを有する。
最内層15は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成されている。この最内層15の一部は、表層16の側に露出されている。すなわち、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂からなる第1層11が、最内層15の全部と、表層16の一部である従属部17とを形成している。
表層16のうち、従属部17を除く主要部18は、少なくともポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂から形成されている。すなわち、少なくともポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂からなる第2層12が、表層16の主要部18を形成している。表層16の主要部18を形成する樹脂は、さらに、スチレン系エラストマーを含有してもよい。
成形品10の表層16には、積層体23から形成された液体収容部20が接合されている。実施形態の容器30は、成形品10と液体収容部20とを備えている。積層体23は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成されたシーラント21を有する。積層体23は、フィルム状、シート状、チューブ状等であってもよい。
シーラント21は、成形品10に対して、表層16の側に露出された最内層15に接合されている。すなわち、少なくとも表層16の従属部17において、成形品10の第1層11と液体収容部20のシーラント21とが接合されている。積層体23は、基材22を有してもよい。シーラント21は、基材22の片面に形成されている。シーラント21と接合される従属部17の幅は、特に限定されないが、例えば、1~20mmであり、好ましくは2~15mm、より好ましくは3~10mmの範囲である。
実施形態の成形品10において、表層16の主要部18を形成する樹脂は、ポリプロピレン(PP)系樹脂を含有する。ポリプロピレン系樹脂は比較的高融点であるため、表層16の主要部18の耐熱性を高めることにより、成形品10全体の耐熱性を向上することができる。ポリプロピレン系樹脂は、融点がより高い樹脂、あるいは、メルトフローレート(MFR)がより低い樹脂を選択することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の場合、MFRの測定条件としては、例えば試験温度230℃、公称荷重2.16kgが挙げられる。
実施形態の成形品10において、表層16の主要部18を形成する樹脂は、ポリエチレン系樹脂を含有する。ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられ、特に、LLDPE等のエチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、分子骨格が直鎖状であり、しかも、適度にα-オレフィンの側鎖が導入されている。このため、環状オレフィン系樹脂が環状炭化水素基による嵩高い分子構造を有していても、互いの分子鎖のからみ合いを構築しやすくなる。エチレン・α-オレフィン共重合体の直鎖部分は、環状オレフィン系樹脂の環状炭化水素基と干渉しにくく、さらに、エチレン・α-オレフィン共重合体の側鎖部分は、環状オレフィン系樹脂の環状炭化水素基の間に入り込みやすい。これにより、第1層11と第2層12との間に、強固な溶着強度を得ることが可能になる。
実施形態の成形品10において、表層16の主要部18を形成する樹脂は、スチレン系エラストマーを含有する。これにより、表層16の主要部18の柔軟性、変形性が改善され、第1層11と第2層12との溶着強度、成形品10の落下強度等を向上することができる。
表層16の主要部18を形成する樹脂が、ポリプロピレン系樹脂を60~80重量%の割合で含有してもよい。表層16の主要部18を形成する樹脂が、ポリエチレン系樹脂を10~30重量%の割合で含有してもよい。表層16の主要部18を形成する樹脂が、スチレン系エラストマーを5~20重量%の割合で含有してもよい。これらの割合は、樹脂成分の合計を100重量%としてもよく、添加剤を含む組成物全体の合計を100重量%としてもよい。
表層16の主要部18に含まれる樹脂成分は、実質的に、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とスチレン系エラストマーとの3成分から構成されてもよい。表層16の主要部18は、樹脂成分以外に、添加剤成分を含んでもよい。
表層16の主要部18において、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とスチレン系エラストマーとからなる樹脂3種の合計は、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、100重量%でもよい。表層16の主要部18は、前記樹脂3種以外の樹脂成分または添加剤成分を含んでもよいが、その割合は、表層16の主要部18全体の10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
表層16の主要部18に含まれるポリプロピレン(PP)系樹脂としては、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとエチレンまたは炭素数4~8のα-オレフィンの少なくとも1種以上との共重合体であってもよい。PP系樹脂が、シングルサイト系触媒を用いて重合されたプロピレン系共重合体であってもよい。PP系樹脂に共重合されるコモノマーの具体例としては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。PP系樹脂は、ランダム共重合体でもよいし、ブロック共重合体でもよい。表層16の主要部18は、1種のPP系樹脂を含有してもよく、2種以上のPP系樹脂を含有してもよい。
表層16の主要部18に含まれるポリエチレン系樹脂は、炭素数4以上のα-オレフィンを共重合させ、短鎖の分岐を導入することで、長鎖の分岐が少なく、直鎖状の分子構造を付与することができる。ポリエチレン系樹脂に共重合されるα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂にα-オレフィン以外のオレフィン類が共重合されてもよい。表層16の主要部18は、1種のポリエチレン系樹脂を含有してもよく、2種以上のポリエチレン系樹脂を含有してもよい。
表層16の主要部18に含まれるポリエチレン系樹脂の種類としては、チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合された樹脂、シングルサイト系触媒を用いて重合された樹脂等が挙げられる。シングルサイト系触媒を用いて重合されたポリエチレン系樹脂は、分子量分布が狭く、機械的特性に優れるので好ましい。シングルサイト系触媒としては、メタロセン系触媒が挙げられる。メタロセン系触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含み、金属がジルコニウム、ハフニウム等であるメタロセン化合物を含む触媒が挙げられる。
表層16の主要部18に含まれるスチレン系エラストマーとしては、スチレンと脂肪族オレフィンとの共重合体が挙げられる。スチレン系エラストマーの分子中において、スチレンを含むブロックがハードブロックを構成し、脂肪族オレフィンを含むブロックがソフトブロックを構成する。分子中のスチレン含有量が高いほど強固な接着強度を発現することができる。しかし、スチレン含有量が高すぎると、柔軟性が損なわれるおそれがある。スチレン系エラストマーにおけるスチレン含有量は、例えば、10~50重量%が好ましく、10~30重量%がより好ましく、10~20重量%が更に好ましい。
表層16の主要部18に含まれるスチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン-エチレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、水添スチレン-ブタジエンゴム(HSBR)、等の1種または2種以上が挙げられる。
スチレン系エラストマーの中でも、SEBS、SEPS、SEBC、HSBRから選択される1種以上が好ましく、特にSEBSが好ましい。なお、SEBSは、一般的には、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加(水添)で、ブタジエンユニットをエチレンユニット2つまたはブチレンユニットに変換して得られるものであるが、変性や選択的水素添加等がなされたものでもよい。
最内層15および表層16の従属部17を形成する第1層11と、積層体23のシーラント21は、いずれも、環状オレフィン系樹脂を含む環状オレフィン系樹脂層から形成されることが好ましい。環状オレフィン系樹脂は、1種以上のオレフィンモノマーからなる重合体またはその二重結合が水素化された重合体であって、オレフィンモノマーのうち少なくとも1種が環状オレフィン系モノマーである。環状オレフィン系モノマーは、環状炭化水素骨格を有する。
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン系モノマー1種の重合体であってもよく、環状オレフィン系モノマー2種以上の共重合体でもよく、環状オレフィン系モノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよく、これらの重合体または共重合体の水素添加物であってもよい。中でも、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等は、環状オレフィン系樹脂として好適である。
環状オレフィン系モノマーとしては、二環性シクロオレフィン、三環性シクロオレフィン、四環性シクロオレフィン、五環性シクロオレフィン、六環性シクロオレフィンなどが挙げられる。二環性シクロオレフィンとしては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、これらの置換体等が挙げられる。三環性シクロオレフィンとしては、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、これらの置換体等が挙げられる。四環性シクロオレフィンとしては、ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、テトラシクロドデセン、これらの置換体等が挙げられる。五環性シクロオレフィンとしては、トリシクロペンタジエン、ペンタシクロペンタデセン、これらの置換体等が挙げられる。六環性シクロオレフィンとしては、ヘキサシクロヘプタデセンやその置換体等が挙げられる。上述の化合物の置換体としては、1つ以上のアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール等の置換が挙げられる。
環状オレフィン系モノマーの少なくとも1種が、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン(ノルボルネン系モノマー)であることが好ましい。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ジヒドロジシクロペンタジエン、またはこれらの環状化合物に1分子以上のシクロペンタジエンがディールス・アルダー反応により付加した化合物、これらの水素添加物、二重結合の位置が異なる異性体、アルキル置換体等が挙げられる。
ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン化合物の開環メタセシス重合の後、残った二重結合を水素化した重合体、2種以上のノルボルネン系モノマーからなる付加重合体、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとを共重合した付加重合体などを包含する。ノルボルネン系モノマーと共重合される他のモノマーは、ノルボルネン系モノマー以外の環状オレフィン系モノマーでもよく、エチレン、プロピレン、α-オレフィン等の非環状オレフィン系モノマーでもよく、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の極性モノマーでもよい。
環状オレフィン系樹脂の製造方法としては、ノルボルネン化合物の開環メタセシス重合体を水素化する方法、2種以上の環状オレフィンモノマーの共重合反応による方法、環状オレフィンモノマーとα-オレフィンの共重合反応による方法が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の市販品としては、日本ゼオン株式会社製の「ZEONEX(登録商標)」や「ZEONOR(登録商標)」、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(登録商標)」、三井化学株式会社製の「アペル(登録商標)」、JSR株式会社製の「アートン(登録商標)」等が挙げられる。これらの環状オレフィン系樹脂は、バリア性に優れ、入手も容易である。
第1層11およびシーラント21を形成する環状オレフィン系樹脂層は、主成分として、環状オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。例えば、環状オレフィン系樹脂の少なくとも1種の合計が、50重量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。環状オレフィン系樹脂層は、環状オレフィン系樹脂以外に、他の樹脂成分を含有してもよい。
環状オレフィン系樹脂層に含まれてもよい他の樹脂成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、シラン系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
前記スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン系エラストマー等が挙げられる。なかでも、特にスチレンブタジエンブロック共重合体、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体、スチレンイソプレンブロック共重合体、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、これらの水素添加物(例えばSEBS、SEPS等)、スチレンブタジエンランダム共重合体等が好ましい。
環状オレフィン系樹脂層に含有される他の樹脂成分は、1種または2種以上の合計で0.05~20質量%の範囲内であることが好ましい。環状オレフィン系樹脂層が他の樹脂成分を含有する場合、容器の低温での耐衝撃性や高圧蒸気滅菌処理直後の透明性の維持、柔軟性の向上など、容器として所望の性能の向上を図ることが可能である。環状オレフィン系樹脂層は、樹脂成分以外に、添加剤成分を含んでもよい。
環状オレフィン系樹脂層は、環状オレフィン系樹脂のみを樹脂成分としてもよい。環状オレフィン系樹脂層に含まれる樹脂成分が、実質的に、1種または2種以上の環状オレフィン系樹脂であってもよい。環状オレフィン系樹脂層が、環状オレフィン系樹脂以外に添加剤を含有してもよく、添加剤を含まない環状オレフィン系樹脂から形成されてもよい。
シーラント21を形成する環状オレフィン系樹脂層の組成は、成形品10の第1層11を形成する環状オレフィン系樹脂層の組成と同一でもよいし、異なってもよい。シーラント21に使用される環状オレフィン系樹脂が、成形品10の第1層11に使用される環状オレフィン系樹脂と同一でもよいし、異なってもよい。溶着性の観点からは、第1層11およびシーラント21が同一の環状オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
成形品10または液体収容部20を形成する各層、すなわち、第1層11、第2層12、シーラント21、基材22等を形成する材料には、外観の向上、品質の安定化、その他必要とされる性能を付与するために、安全衛生性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等の各種添加剤等を含有してもよい。
成形品10は、最内層15を含む第1層11と、表層16の主要部18を形成する第2層12との間に、他の層を有してもよい。他の層としては、樹脂層、接着剤等が挙げられる。他の層を介することなく、第1層11と第2層12とが直接接合されていてもよい。成形品10の製造方法は特に限定されず、成形方法は従来公知の方法を採用することが可能である。例えば、2層以上の樹脂を同時に成形する二色成形または多色成形でもよく、1層ずつ順次成形するインサート成形でもよい。インサート成形の場合は、最内層15を含む第1層11を成形した後に、表層16の主要部18を成形してもよく、表層16の主要部18を成形した後に、最内層15を含む第1層11を成形してもよい。
液体収容部20を形成する積層体23は、シーラント21と基材22の2層構成でもよく、必要に応じて他の層を積層した構成でもよい。積層体23の各層間には接着剤層またはアンカー剤層を介しても良いし、層間が直接接するように積層されていても良い。他の層としては、補強層、バリア層、遮光層、印刷層等の1種または2種以上が挙げられる。
シーラント21は、積層体23のヒートシールに用いられる層であり、包装材料としては内容品に接する最内層に配置される。シーラント21は、積層体23と成形品10との接合に使用される。積層体23がフィルム、シート等である場合は、シーラント21が積層体23同士の接合に使用されてもよい。ヒートシールは、シーラント21を溶融させることにより接着させる方法である。シール方法には特に制約はなく、熱板シール、超音波シール、高周波シール、インパルスシール等が挙げられる。上述したように、シーラント21が環状オレフィン系樹脂であることが好ましい。
積層体23の基材22としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂などから形成されるフィルムが挙げられる。積層体23が基材22を1層のみ有してもよい。積層体23が2種または2層以上の基材22を有してもよい。基材22は、積層体23のうちシーラント21とは反対側である最外面でもよい。積層体23が、基材22より外側の他の層を有してもよい。
積層体23のバリア層は、酸素バリア性、水蒸気バリア性等のバリア性を付与する層である。バリア層として、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、メタキシレンジアミン(MXDA)を多価カルボン酸と重縮合させたナイロン、フッ素系樹脂、アルミナ、シリカ等のバリア性材料を使用することができる。バリア性材料が樹脂である場合は、バリア性フィルムでもよく、バリア性コーティングであってもよい。バリア性材料が無機化合物である場合は、樹脂フィルムに無機化合物を蒸着した蒸着フィルムであってもよい。バリア性材料が金属である場合は、樹脂フィルムに金属を蒸着した蒸着フィルムでもよく、金属箔でもよい。
積層体23の製造方法としては、特に限定されることなく、押出ラミネート工法、ドライラミネート工法、共押出工法等、または、2以上の工法の併用が挙げられる。共押出工法は、多層Tダイキャスト成形でもよく、多層インフレーション成形でもよい。
積層体23の全体の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、50~400μmが挙げられる。シーラント21の厚みは、例えば、5~150μmが好ましく、15~100μmがより好ましい。
液体収容部20を形成する容器としては、包装袋(パウチ)、チューブ包装等が挙げられる。液体収容部20は、排出口13を有する成形品10が少なくとも1つ設けられる。排出口13は、充填口、空気口等に用いることも可能である。積層体23から液体収容部20を形成する方法は特に限定されないが、ヒートシール、ブロー成形等が挙げられる。
積層体23を成形品10にヒートシールする場合、シーラント21を内側として積層体23を重ね合わせた間に成形品10を挿入してヒートシールしてもよい。2枚の積層体23を重ね合わせた間に成形品10を挿入する場合は、排出路14を挟んだ両側に突出する舟形の融着基部を設けてもよい。これにより、成形品10を挿入していない箇所で2枚の積層体23が互いにヒールシールされるまで、2枚の積層体23が舟形の融着基部に沿って徐々に接近することができる。成形品10の端部にフランジ状の融着基部を設け、このフランジ状の融着基部を積層体23に設けた穴の周囲とヒートシールしてもよい。
排出口13の先端部は、成形品10を液体収容部20と接合した段階では、開口していてもよい。液体収容部20に内容物を充填した後で、排出口13に中栓、キャップ等を装着してもよい。液体収容部20の周縁部に形成されるヒートシールの一部を省略し、未シール部から内容物を充填した後で、未シール部をヒートシールにより閉鎖してもよい。排出口13を内容物の充填に使用しない場合は、成形品10を液体収容部20と接合する前から、排出口13が中栓、キャップ等により閉鎖されていてもよい。
本実施形態の容器30は、薬剤、飲食物、化粧品等を収容するための容器として好適に利用できる。薬剤は、ニトログリセリン、アルブミン、ビタミン類、微量元素、ラジカル捕捉剤等、一般の樹脂に対する吸着性または透過性が高い物質でもよい。容器30は、医療用の液体の収納に好適に使用することができる。容器30を用いることにより、好ましくは105℃以上、より好ましくは115℃以上、特に好ましくは121℃以上の高温滅菌処理にも適用することが可能である。
液体収容部20を形成する包装袋の形態は、三方袋、四方袋、合掌貼り袋、ガゼット袋、自立袋等の小型包装袋(パウチ)のほか、例えばバッグインボックス用の内袋やドラム缶内装袋などの大型の袋等、特に限定なく適用可能である。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(成形品の製造)
表1~表2に示す樹脂を使用して、表層の主要部を形成する樹脂を調製し、最内層の環状オレフィン系樹脂とともに、2色成形により、排出口を有する成形品を製造した。表層の主要部に使用した樹脂は、次のとおりである。
(ポリプロピレン系樹脂)
「WMG03」:日本ポリプロ株式会社の商品名:ウィンテック(登録商標)WMG03、MFR(JISK7210):30.0g/10min、密度0.900g/cm、曲げ弾性率1250MPa、引張弾性率1300MPa、引張降伏応力30MPa、引張伸び200%以上、融点142℃。
「7055」:三菱ケミカル株式会社の商品名:ZELAS(登録商標)7055、MFR(230℃、21N):7.0g/10min、密度0.890g/cm、曲げ弾性率550MPa、引張強度40MPa、引張伸び650%、融点162℃。
「MC642」:三菱ケミカル株式会社の商品名:MC642、MFR20.0g/10min、密度0.890g/cm、曲げ弾性560MPa、引張強度29MPa、引張伸び680%、融点134℃。
「AR244M」:住友化学株式会社の商品名:エクセレン(登録商標)AR244M、MFR25.0g/10min、密度0.895g/cm、曲げ弾性率1300MPa、引張降伏応力32MPa、引張伸び350%、融点157℃。
(ポリエチレン系樹脂)
「140HK」:宇部丸善ポリエチレン株式会社の商品名:ユメリット(登録商標)140HK、MFR(JISK7210):3.5g/10min、密度0.937g/cm、曲げ弾性率760MPa、引張強度37MPa、引張伸び780%、融点126℃。
「FY11」:東ソー株式会社の商品名:ニポロン(登録商標)Z FY11、MFR1.1g/10min、密度0.930g/cm、曲げ弾性率360MPa、引張弾性率390MPa、引張降伏応力13MPa、引張強度21MPa、引張伸び460%、融点130℃。
「FY13」:東ソー株式会社の商品名:ニポロン(登録商標)Z FY13、MFR1.1g/10min、密度0.950g/cm、曲げ弾性率783MPa、引張弾性率826MPa、引張降伏応力22MPa、引張強度15MPa、引張伸び250%、融点133℃。
(スチレン系エラストマー)
「G1657MS」:クレイトンポリマー社の商品名:クレイトン(登録商標)G1657MS、スチレン系エラストマー(SEBS)。
(容器の製造)
環状オレフィン系樹脂をシーラントとするシートを用いて液体収容部を作製し、上述のように製造した成形品をヒートシールして、容器を製造した。内容物として試験用の水溶液を充填した容器を密閉し、温度121℃で25分間、滅菌処理を実施した。
(シール強度の測定)
滅菌処理前の容器と滅菌処理後の容器について、成形品と液体収容部のシートとの間のシール強度(N/15mm)を測定した。シール強度の測定値は、同種のサンプルごとに、滅菌処理前および滅菌処理後の容器を複数準備し、n=6の平均値を採用した。
(滅菌処理による成形品の変形の評価)
滅菌処理後の成形品の変形を目視で確認し、「○」(変形なし)、「△」(少し変形)、「×」(大きく変形)の3通りで評価した。
以上の結果を表1~表2に示す。表1~表2のAはポリプロピレン系樹脂(PP成分)、Bはポリエチレン系樹脂(PE成分)、Cはスチレン系エラストマーである。A:B:Cの比率は、重量比(%)である。「滅菌前」および「滅菌後」は、それぞれ成形品と液体収容部との間のシール強度(N/15mm)である。「シール強度比」は、(滅菌後シール強度/滅菌前シール強度)×100%で算出される比率である。
Figure 2023023035000002
Figure 2023023035000003
実施例1~6(A:B:Cの重量比が同一)の対比から、PE成分が同一でも、PP成分が異なると、成形品の性能に影響することが分かった。例えば、実施例2~4のように、PP成分の融点が150~170℃、PP成分のMFRが5~10g/min程度が好ましいと考えられる。
また、実施例4と実施例7~11の対比から、A:B:Cの重量比が異なると、成形品の性能に影響することが分かった。例えば、実施例4、7、8、11のように、スチレン系エラストマーを5~20重量%程度の割合で含有することが好ましいと考えられる。
10…成形品、11…第1層、12…第2層、13…排出口、14…排出路、15…最内層、16…表層、17…表層の従属部、18…表層の主要部、20…液体収容部、21…シーラント、22…基材、23…積層体、30…容器。

Claims (5)

  1. 排出口を有する成形品であって、
    前記排出口の排出路に交差する断面が、前記排出路を形成する最内層と、前記排出口の外周部を形成する表層とを有し、
    前記最内層が環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成され、前記最内層の一部が前記表層の側に露出されており、
    前記表層の主要部が、少なくともポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とを含む樹脂から形成されていることを特徴とする成形品。
  2. 前記表層の主要部を形成する樹脂が、前記ポリプロピレン系樹脂を60~80重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載の成形品。
  3. 前記表層の主要部を形成する樹脂が、前記ポリエチレン系樹脂を10~30重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載の成形品。
  4. 前記表層の主要部を形成する樹脂が、さらに、スチレン系エラストマーを5~20重量%の割合で含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の成形品。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の成形品の前記表層に、積層体から形成された液体収容部が接合された容器であって、
    前記積層体は、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂から形成されたシーラントを有し、
    前記シーラントが、前記成形品に対して、前記表層の側に露出された前記最内層に接合されていることを特徴とする容器。
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