JP5411008B2 - 積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器 - Google Patents

積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器 Download PDF

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Description

本発明は積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器に関する。
従来、複数の原料物質を予め別々に収容し、例えば使用する直前に上記別々に収容されていた物質を混合することのできる樹脂製の包装容器が知られている。特に、原料物質を混合して容器に収容したとき経時変化による変性を生じる物質である場合、原料物質を予め別々に収容しておく。このような包装容器は、医薬品分野や食品分野において普及している。
一般的に、上記包装容器(複室容器と称されることもある)は、原料物質を2つ以上の収容室に隔離して保存し、上記収容室間は、シール部によってシールされている。そして、使用時にいずれかの収容室を人手などによって加圧することで、上記収容室を区画していたシール部が剥離し、上記収容室が連結されるようになっている。なお、使用時にいずれかの収容室を人手などによる適当な加圧によって、上記収容室を区画していたシール部が剥離することをイージーピール性能と称すことがある。
上述したような包装容器に用いられるフィルムの一例として、例えば、特許文献1に開示されている技術がある。
特開2008−150541号公報
上記特許文献1には、基材層、オレフィン系凝集破壊層、ヒートシール層からなるシーラントフィルムが開示されている。上記特許文献1に開示されているオレフィン系凝集破壊層は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等をベースとするものであり、凝集破壊性を有する層である。また、上記特許文献1に開示されているヒートシール層は、低融点ポリプロピレンからなるものである。そして、例えば、上記シーラントフィルムを用いて包装容器を作製した場合、使用時にいずれかの収容室を加圧することで、ヒートシール層の一部が破断し、次いでオレフィン系凝集破壊層の凝集破壊がおこり、良好なピール感で剥離することができるものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載されているシーラントフィルムは、上述したように、主にポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等が用いられている。ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等からなるフィルムは、原料物質によっては当該原料物質を吸着させたり、透過させたりすることがある。そのため、例えば、上記シーラントフィルムを用いて輸液用バックを作製した場合、薬剤の含有量が低下したり、上記シーラントフィルムを用いて食品保存用バックを作製した場合、香り成分等を透過させてしまったりして、長期間の保存は難しい。そのため、原料物質の保存性、ガスバリア性を備えたフィルムが望まれていた。
さらに医薬品分野で用いられることを想定した包装容器を作製するためのフィルムとしては、例えば、蒸気滅菌等における加熱処理をした後においても、安定した接着強度、剥離強度を発揮することも求められていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、滅菌処理等による加熱を経た後でも保存性、ガスバリア性、安定した接着強度および剥離強度を得ることのできる包装容器に用いられる積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器を提供することにある。
上記のような目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有している。すなわち第1の発明は、少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムである。上記積層フィルムにおける第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含み、第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含み、第1の層における環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%であり、第2の層における環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%であり、第1の層の厚みが10μm以上であり、第2の層の厚みが2〜10μmであることを特徴とする。
の発明は、上記第1の発明において、上記第1の層は、ポリプロピレン系樹脂をさらに含むことを特徴とする。
の発明は、上記第1の発明において、上記第2の層における上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate、試験温度:230℃、試験荷重:21.2N)は、10g/10min以下であることを特徴とする。
の発明は、上記第1〜3の何れか1の発明において、上記第1の層上に、さらに基材層が形成されることを特徴とする。
の発明は、少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムを用いて作製される包装容器である。上記包装容器は、包装容器に用いられる積層フィルムの第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含む。第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含む。また、第1の層における環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%である。また、第2の層における環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%である。また、第1の層の厚みが10μm以上であり、第2の層の厚みが2〜10μmである。また、上記積層フィルムの上記第2の層同士が対向するように重ね合わせた状態で当該積層フィルムの周縁部をヒートシールすることによって作製される包装容器。なお、上記積層フィルムを折り曲げて、当該積層フィルムの上記第2の層が対向するように重ね合わせた状態で当該積層フィルムの周縁部をヒートシールして、包装容器を作製してもよいし、複数(例えば2枚)の上記積層フィルムを用いて、当該積層フィルムの上記第2の層同士が対向するように重ね合わせた状態で当該積層フィルムの周縁部をヒートシールして、包装容器を作製してもよい。
本発明によれば、滅菌処理等による加熱を経た後でも保存性、ガスバリア性、安定した接着強度および剥離強度を得ることのできる包装容器などに用いられる積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器を提供することができる。一般的に、医療分野で用いられることを想定した包装容器は、滅菌処理のため120℃〜125℃で蒸気滅菌処理されることが多いが、本発明に係る積層フィルムを用いて包装容器を作製した場合、当該蒸気滅菌処理後でもシール部は人手などでは容易に切断できる程度の剥離強度が得られることになる。また、ヒートシール温度を調整することにより、人手などで容易に切断できない程度の剥離強度を得ることもできる。
一実施形態に係る積層フィルム(A)の断面の一例を示した図 一実施形態に係る積層フィルム(A)を用いて、例えば、包装容器の作製を想定した接着積層フィルム(B)の一例を示した図 基材層(3)の断面の一例を示した図 実施例1に係る接着積層フィルム(B11)のヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図 実施例2に係る接着積層フィルム(B12)のヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図 比較例1に係る接着積層フィルム(B21)のヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図 比較例2に係る接着積層フィルム(B22)のヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図 比較例3に係る接着積層フィルム(B23)のヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図
本出願人は、鋭意検討した結果、それぞれ環状オレフィン系樹脂からなる第1の層と第2の層とを複層化することにより、安定した接着強度および剥離強度を得ることができるようにしたものである。
なお、以下の説明において、樹脂と称すのは、合成した高分子化合物から成り、一定の状態のもとで可塑性を示す物質、つまり合成樹脂のことである。
図1は、一実施形態に係る積層フィルム(A)の断面の一例を示した図である。また、図2は、一実施形態に係る積層フィルム(A)を用いて、包装容器の作製を想定した接着積層フィルム(B)の断面の一例を示した図である。なお、上述したように、包装容器(複室容器と称することもある)とは、複数の原料物質を予め別々に収容し、例えば使用する直前に上記別々に収容されていた物質を混合することのできる容器のことである。一般的に、上記包装容器は、原料物質を2つ以上の収容室に隔離して保存され、上記収容室間は、シール部によりシールされている。そして、使用時にいずれかの収容室を加圧することで、上記収容室を区画していたシール部が剥離し、包装容器内で上記収容室が連結されるようになっている。
図1の説明に戻って、一実施形態に係る積層フィルム(A)は、少なくとも、イージーピール層(2)と耐熱イージーピール層(1)とから形成されている。そして、一実施形態に係る積層フィルム(A)を用いて、図2の(a)に示すように、当該積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)を内側にしてシールすることによって、例えば、上記包装容器を得ることができる。なお、イージーピール層(2)は請求項に記載の第1の層の一例に、耐熱イージーピール層(1)は請求項に記載の第2の層の一例にそれぞれ相当する。
そして、詳細は後述するが、例えば、積層フィルム(A)を用いて上記包装容器の作製を想定して、当該積層フィルム(A)同士をシールした場合、界面剥離層(11)と凝集破壊層(22)とを備える接着積層フィルム(B)を得ることができる(図2の(b)参照)。つまり、接着積層フィルム(B)は、比較的接着強度の強い凝集破壊層(22)と、比較的接着強度の弱い界面剥離層(11)とを備えるものである。
また、以下では、積層フィルム(A)を、例えば原料物質を保存するための容器を作製するためのフィルム、より具体的には、複数の原料物質を予め別々に収容し、例えば使用する直前に上記別々に収容されていた物質を混合することのできる包装容器を作製するためのフィルムであると仮に想定して、当該積層フィルム(A)は、イージーピール層(2)と耐熱イージーピール層(1)とに加えて基材層(3)とから形成されているものとして説明する。
以下、一実施形態に係る積層フィルム(A)の基材層(3)、イージーピール層(2)、耐熱イージーピール層(1)をそれぞれ説明する。なお、以下の説明において、本発明の効果を損なわない量的質的範囲で、配合量等を変更してもよいことは言うまでもない。
(基材層)
本実施形態に係る積層フィルム(A)の基材層(3)は、ポリエチレン系樹脂を用いてなるものである。なお、基材層(3)と後述するイージーピール層(2)とを接着させるために、当該基材層(3)は、図1の(b)に示すように、ポリプロピレン系樹脂(31)、接着層(32)とからなるような多層で構成されるものであってもよい。より具体的には、例えば、基材層(3)は、ポリプロピレン系樹脂層(31)およびポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマとからなる接着層(32)の多層で構成されるものであってもよい。
なお、上記接着層(32)は、基材表面を構成する層とイージーピール層(2)との接着性を向上するために設けるものであり、これから両層に接着性を示す樹脂成分を含有することが好ましい。また、上記両層に接着性を示す樹脂成分が無い場合、接着層(32)を複層とすることも可能である。例えば、基材表面を構成する層がポリプロピレン系樹脂からなり、イージーピール層(2)が環状オレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなる場合、例えば、図3の(b)に示すように、基材表面を構成する層に接する第1の接着層(321)にはポリプロピレン系樹脂を含有し、イージーピール層(2)に接する第2の接着層(322)にはポリエチレン系樹脂を含有する2層構造とすることにより、接着性を向上させることが可能である。
また、基材層(3)は、ポリプロピレン系樹脂に限らず、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂であってもよい。ただし、基材表面を構成する層は、上述した蒸気滅菌処理において変形しない樹脂からなることが望ましい。
(イージーピール層)
本実施形態に係る積層フィルム(A)のイージーピール層(2)は、環状オレフィンコポリマー、環状オレフィンポリマー、メタロセン系ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を用いてなるものである。なお、以下の説明において、環状オレフィンコポリマーおよび環状オレフィンポリマーを総称して単に環状オレフィン系樹脂と称すことがある。
上記環状オレフィンコポリマーとは、環状構造を有するポリオレフィン系樹脂のことである。上記環状オレフィンコポリマーは、環状オレフィン(シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンなど)からなるモノマーとともに、非環状ポリオレフィン系モノマー(エチレン、プロピレンなど)、アクリル系モノマー(メチルメタクリレート、メチルアクリレートなど)等のオレフィン性二重結合を有するモノマーを共重合して得られるポリマーである。
上記環状オレフィンポリマーとは、環状構造を有するポリオレフィン系樹脂のことである。具体的には、上記環状オレフィンポリマーは、環状オレフィンの(共)重合体が挙げられる。上記環状オレフィンとしては、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等が挙げられる。
なお、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂(具体的には、環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー)のガラス転移温度は、60℃〜160℃程度のものが好ましい。これは、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂が上記温度(60℃〜160℃程度)を下回ると耐熱性が不足し、例えば、上記接着積層フィルム(B)が蒸気滅菌処理されることによって、イージーピール性能が変化してしまう虞があるからである。一方、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が上記温度を超えると、接着積層フィルム(B)を作製する際の成形温度が高くなり、他の樹脂と混合する虞があるからである。
また、上記イージーピール層(2)においては、それぞれガラス転移温度が異なる複数の環状オレフィン系樹脂を混合するのが好ましい。ガラス転移温度が異なる複数の環状オレフィン系樹脂を用いることにより、ヒートシール温度を高くするにしたがって、剥離強度が緩やかに上昇するため、ヒートシール温度に多少のずれがあったとしても、所望の剥離強度から大きく逸脱することはない。
なお、上記イージーピール層(2)において、環状オレフィン系樹脂として環状オレフィンポリマーのみを使用する場合、その含有量は60〜100質量%であることが好ましい。これは、60質量%を下回ると、イージーピール層(2)、つまり積層フィルム(A)に必要とされる透明性が損なわれるからである。一方、環状オレフィンコポリマーを配合する場合、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂の総量(環状オレフィンポリマーおよび環状オレフィンコポリマーの混合物の量)としては、60〜98質量%程度とすることが好ましい。これは、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂の含有量が、60質量%を下回ると、イージーピール層(2)、つまり積層フィルム(A)に必要とされる透明性が損なわれる、上記イージーピール層(2)における環状オレフィン系樹脂の含有量が、98質量%を超えると、環状オレフィンコポリマーに由来するゲルがイージーピール層(2)に発生してしまうからである。
上記メタロセン系ポリエチレン樹脂は、メタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂のことであり、イージーピール層(2)における環状オレフィンコポリマーの成形に必須の樹脂である。なお、イージーピール層(2)の成形にメタロセン系ポリエチレン樹脂を環状オレフィンコポリマーとともに用いることにより、当該環状オレフィンコポリマーのゲル化を防ぐことができる。言い換えると、上記イージーピール層(2)におけるメタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が、例えば2質量%を下回ると環状オレフィンコポリマーに由来するゲルがイージーピール層(2)に発生する虞がある。一方、上記イージーピール層(2)におけるメタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が、40質量%を超えると、イージーピール層(2)、つまり積層フィルム(A)に必要とされる透明性が損なわれる。
次に、上記イージーピール層(2)におけるポリプロピレン系樹脂について説明する。上記ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンをモノマーとして重合させることによって得られるものである。例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレンに少量のエチレン、ブテンなどのα−オレフィンを共重合させたプロピレン−α−オレフィンコポリマーなどを挙げることができる。なお、ポリプロピレン系樹脂を1種類単独、または2種類以上を適宜組み合わせてもよい。
また、上記ポリプロピレン系樹脂は、上記基材層(3)のイージーピール層(2)に接する層がポリプロピレン系樹脂を含有する場合に必須となる成分であり、上記基材層(3)がポリエチレン系樹脂であった場合は不要となる。なお、上記イージーピール層(2)におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、38質量%以下が好ましい。
なお、上記積層フィルム(A)における上記イージーピール層(2)の厚さは、10μm以上が好ましい。
(耐熱イージーピール層)
本実施形態に係る積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)は、環状オレフィンポリマー、ポリプロピレン系樹脂等を用いてなるものである。
上記耐熱イージーピール層(1)における環状オレフィンポリマーは、上記イージーピール層(2)に用いられるものが同様に使用できる。当該環状オレフィンポリマーの含有量は60〜93質量%程度が好ましい。これは、環状オレフィンポリマーの含有量が60質量%以上であると、内容物、つまり上記包装容器中の原料物質が耐熱イージーピール層(1)に吸着されるのを抑制する効果を得ることができるからである。
なお、上記耐熱イージーピール層(1)におけるポリプロピレン系樹脂は、上記イージーピール層(2)に用いられるものが同様に使用できる。なお、上記耐熱イージーピール層(1)におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は7〜40質量%程度が好ましい。これは、ポリプロピレン系樹脂の含有量が7質量%を下回ると、上記積層フィルム(A)が蒸気滅菌処理されることによって、当該耐熱イージーピール層(1)同士が接着してしまう可能性があるからである。また、耐熱イージーピール層(1)における当該ポリプロピレン系樹脂と、上述した環状オレフィンポリマーとはそれぞれ光の屈折率が異なるため、例えば、ポリプロピレン系樹脂の含有量が40質量%を超えると耐熱イージーピール層(1)、つまり積層フィルム(A)に必要とされる透明性が損なわれる。さらに、耐熱イージーピール層(1)における当該ポリプロピレン系樹脂のMFR(Melt flow rate:JIS K 7210:1999)の値は、10g/10min以下のものが好ましい。これは、耐熱イージーピール層(1)における当該ポリプロピレン系樹脂のMFRの値が、10g/10minを超えると当該ポリプロピレン系樹脂の流動性が大きくなり、例えば、上記積層フィルム(A)が蒸気滅菌処理されることによって、当該耐熱イージーピール層(1)同士が接着してしまう可能性があるからである。
なお、上記耐熱イージーピール層(1)に上記ポリプロピレン系樹脂が含まれることによって、例えば、環状オレフィンポリマー単独からなる耐熱イージーピール層(1)に比べて、耐熱イージーピール層(積層フィルム)に柔軟性、つまり可撓性を付与することができるといった効果もある。なお、内容物、つまり上記包装容器中の原料物質が耐熱イージーピール層(1)に吸着されるのを抑制するためには、当該耐熱イージーピール層(1)における環状オレフィンポリマーの含有量を増やせばよいし、耐熱イージーピール層(積層フィルム)に柔軟性、つまり可撓性を付与するためは、ポリプロピレン系樹脂の含有量を増やせばよい。つまり、積層フィルム(A)の用途や目的に応じて上述した含有量の範囲内で、耐熱イージーピール層(1)における環状オレフィンポリマーおよびポリプロピレン系樹脂の含有量をそれぞれ調整すればよい。
なお、上記積層フィルム(A)における上記耐熱イージーピール層(1)の厚さは、2〜10μm程度が好ましい。
本発明に係る積層フィルム(A)は、公知技術を用いて製造することができ、その製造方法として、例えば、共押出しTダイ法、共押出し空冷インフィレーション法、共押出し水冷インフレーション法等を挙げることができる。また、耐熱イージーピール層(1)とイージーピール層(2)とからなる積層フィルムおよび/または基材層(3)とを事前に成形し、熱ラミネート法、溶融押出ラミネート法によってラミネートすることも可能である。
さらに、本発明に係る包装容器を作製する場合、上記積層フィルム(A)における耐熱イージーピール層(1)が上記包装容器の最内面に配置される。当該包装容器は、本発明に係る積層フィルム(A)2枚を通常の方法で裁断し、それぞれの耐熱イージーピール層(1)が最内面になるように重ね合わせて、その周縁部をヒートシールにより接着することにより製造される。また、例えば、積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)を最内面としたチューブ状フィルムを成形した上で、上記周縁部をヒートシールすることで製造することも可能である。また、さらに、人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度を有する強シール部によって上記周縁部をヒートシールし、上記包装容器を形成し、人手などで容易に切断できる程度の剥離強度を有する弱シール部によって上記包装容器を複室に分割することもできる。
以下、実施例および比較例に基づき更に詳細に本発明を説明するが、本発明の実施例のみに限定されるのではなく、本発明の効果を損なわない量的質的範囲で、各含有成分の組成の組み合わせや配合量を変更してもよい。また、以下例示する各樹脂は、1種類単独、または2種類以上を適宜組み合わせてもよい。さらに、以下説明する各層に本発明の効果を損なわない量的質的範囲で、紫外線吸収剤や酸素吸収剤等を適宜添加してもよい。
[基材層、イージーピール層、耐熱イージーピール層の作製]
まず、本実施形態に係る積層フィルム(A)を作製するにあたり、表1に記載した配合量に従い、実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムにおける、基材層(3)、イージーピール層(2)、および耐熱イージーピール層(1)をそれぞれ作製した。
Figure 0005411008
(基材層)
本実施形態に係る積層フィルムの基材層(3)におけるPP樹脂層(31)は、ポリプロピレン系樹脂(三菱化学株式会社製の商品名ゼラスMC715、密度=0.9g/cm3、MFR=2.3g/10min、融点=161℃)を用い、100重量%になるようにした。
基材層(3)における第1の接着層(321)、第2の接着層(322)は、ポリプロピレン系樹脂(三菱化学株式会社製の商品名ゼラスMC719、密度=0.890g/cm3、MFR=2.6g/10min、融点=156℃)を用い、それぞれ100重量%になるようにした。
そして、得られたPP樹脂層(31)、第1の接着層(321)、第2の接着層(322)を共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等を用いて3層からなる基材層(3)を得た。
(イージーピール層)
本実施形態に係る積層フィルム(A)のイージーピール層(2)は、表1に示す樹脂を用いてなるものである。以下、表1における実施例1、2および比較例1〜3においてイージーピール層(2)の作製に用いた樹脂を示す。なお、イージーピール層(2)における樹脂のそれぞれの配合量は表1の通りである。
環状オレフィンコポリマー:ポリプラスチック株式会社製の商品名TOPAS8007、密度=1.02g/cm3、ガラス転移温度=78℃
環状オレフィンコポリマー:ポリプラスチック株式会社製の商品名TOPAS6013、密度=1.02g/cm3、ガラス転移温度=138℃
環状オレフィンポリマー:日本ゼオン株式会社製の商品名ZEONOR1020R、密度=1.01g/cm3、ガラス転移温度=102℃
メタロセン系ポリエチレン樹脂:日本ポリエチレン株式会社製の商品名カーネルKM284、密度=0.915g/cm3、ガラス転移温度=103℃
ポリプロピレン系樹脂:三菱化学株式会社製の商品名ゼラス7023、密度=0.89g/cm3、MFR=2g/10min、融点=165℃
(耐熱イージーピール層)
本実施形態に係る積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)は、表1に示す樹脂を用いてなるものである。以下、表1における実施例1、2および比較例1〜3において耐熱イージーピール層(1)の作製に用いた樹脂を示す。なお、耐熱イージーピール層(1)における樹脂のそれぞれの配合量は表1の通りである。
環状オレフィンポリマー:日本ゼオン株式会社製の商品名ZEONOR1020R、密度=1.01g/cm3、ガラス転移温度=102℃
ポリプロピレン系樹脂:三菱化学株式会社製の商品名ゼラス7023、密度=0.890g/cm3、MFR=2g/10min、融点=165℃
[積層フィルムの作製]
次に、表2に記載した厚さに従い、基材層(3)、イージーピール層(2)、耐熱イージーピール層(1)を用い、実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムを作製した。なお、各実施例および比較例に係る積層フィルムの作製は、公知技術を用いればよく、例えば、共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等が挙げられる。
Figure 0005411008
以上、実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムのそれぞれ異なる点をまとめると以下のようになる。
(実施例1に係る積層フィルム(A11))
基材層(3):厚みは170μmである。
イージーピール層(2):厚みは25μmである。環状オレフィンコポリマーの含有量は75質量%であり、環状オレフィンポリマーの含有量は10質量%であり、環状オレフィン系樹脂の含有量としては、85質量%である。メタロセン系ポリエチレンの含有量は5質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は10質量%である。
耐熱イージーピール層(1):厚みは5μmである。環状オレフィンポリマーの含有量は90質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は10質量%である。
なお、実施例1に係る積層フィルム(A11)の総厚みは200μmである。
(実施例2に係る積層フィルム(A12))
実施例2に係る積層フィルムにおいて、上記実施例1に係る積層フィルムと異なる点は、イージーピール層(2)において、メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量は10質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は5質量%である点である。これは、基材層(3)およびイージーピール層(2)との接着性を向上させる目的で、上述した実施例1に係る積層フィルムに比べてメタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量を多くしている。
(比較例1に係る積層フィルム(A21))
比較例1に係る積層フィルムは、上記実施例1および実施例2に係る積層フィルムと異なり、耐熱イージーピール層(1)にポリプロピレン系樹脂が含有されていない。
(比較例2に係る積層フィルム(A22))
比較例2に係る積層フィルムは、上記実施例1に係る積層フィルムと異なり、耐熱イージーピール層(1)の厚みは30μmであり、総厚みは225μmである。
(比較例3に係る積層フィルム(A23))
比較例3に係る積層フィルムは、上記実施例1に係る積層フィルムと異なり、イージーピール層(2)の厚みは30μmであり、耐熱イージーピール層(1)を有しない。
[接着積層フィルムの作製]
次に、接着積層フィルム(B)の作製方法について説明する。具体的には、図2に示すように、上述した実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムを、以下の方法(ヒートシール条件)により作製した。つまり、例えば、実施例1に係る積層フィルムを例に説明すると、実施例1に係る積層フィルム(A11)の耐熱イージーピール層(1)同士(図2の(a)参照)を以下の方法でヒートシールすることにより、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)を得た(図2の(b)参照)。また、実施例2、および比較例1〜3に係る接着積層フィルムについても同様である。
具体的には、以下の通りである。なお、各接着積層フィルムの作製においては、日本工業規格(JIS)の規格名称「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法(JIS Z 0238:1998)」に準拠して行った。
温度(ヒートシール温度):120℃〜190℃
圧力:2kgf/cm2
時間:3.5秒
環境条件:標準温湿度状態2級(温度:23±2℃、相対湿度:50±5%)
[剥離強度試験]
次に、実施例1、2および比較例1〜3にそれぞれ係る接着積層フィルムの剥離強度試験を以下の方法により行った。なお、当該剥離強度試験においても、日本工業規格(JIS)の規格名称「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法(JIS Z 0238:1998)」に準拠して行った。
剥離試験機:定速緊張形引張試験機(振り子式)
剥離試験方法:180°剥離試験
剥離速度:300mm/分
試験片寸法:幅15mm、展開長さ100mm
環境条件:標準温湿度状態2級(温度:23±2℃、相対湿度:50±5%)
なお、実施例1、2および比較例1〜3にそれぞれ係る接着積層フィルムが、例えば医療分野で用いられる包装容器に適用される場合を想定して、実施例1、2および比較例1〜3にそれぞれ係る接着積層フィルムを以下の条件で蒸気滅菌処理した後、上記剥離強度試験も行った。
温度:122℃
時間:122℃に到達後20分間処理
なお、一般的には、人手などで容易に切断できる程度の剥離強度としては、0.2kg/15mm〜0.8kg/15mm程度が好ましい。一方、人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度としては、1.5kg/15mm以上が好ましい。つまり、例えば、複数の原料物質を予め別々に収容し、使用する直前に上記別々に収容されていた物質を混合することのできる包装容器を想定した場合、各収容室間を区画しているシール部の剥離強度は0.2kg/15mm〜0.8kg/15mm程度が好ましい。一方、上記包装容器の周辺(周縁)シール部は、剥離して原料物質が外界に漏れ出さないように、人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度(1.5kg/15mm以上)が好ましい。
以下、図を参照しつつ、実施例1、2および比較例1〜3に係る接着積層フィルムそれぞれについて、ヒートシール温度と剥離強度との関係を説明する。
図4および図5は、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)および実施例2に係る接着積層フィルム(B12)のそれぞれについて、ヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図である。なお、図4および図5において、横軸をヒートシール温度、縦軸を剥離強度として示した。
同様に、図6〜図8は、比較例1〜3に係る接着積層フィルム(B21)〜(B23)のそれぞれについて、ヒートシール温度と剥離強度との関係を示した図である。なお、図6〜図8についても、横軸をヒートシール温度、縦軸を剥離強度として示した。
まず、蒸気滅菌処理前の各接着積層フィルムについてのヒートシール温度と剥離強度との関係(すなわち図4〜図8の破線)について説明する。
図4および図5の破線に見られるように、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)および実施例2に係る接着積層フィルム(B12)の何れも安定した、接着強度、剥離強度を得ることができた。つまり、図4および図5の破線に見られるように、実施例1または実施例2に係る積層フィルムを用いて120℃〜145℃程度のヒートシール温度でヒートシールすると、シール部は人手などで容易に切断できる程度の剥離強度を得ることができる。また、実施例1または実施例2に係る積層フィルムを用いて150℃〜170℃程度のヒートシール温度でヒートシールすると、当該シール部は人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度を得ることができる。
ここで、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)のヒートシール温度と剥離強度との関係について以下のことが考えられる。実施例1に係る積層フィルム(A11)において、シール温度120℃〜140℃程度で、イージーピール層(2)が溶解すると同時に耐熱イージーピール層(1)もやや溶解する。これによって、比較的接着強度の弱い界面剥離層(11)が形成される。そして、シール温度140℃を超えるとイージーピール層(2)および耐熱イージーピール層(1)も溶解し、当該耐熱イージーピール層(1)がイージーピール層(2)と混ざり比較的接着強度の強い凝集破壊層(22)が形成されることになる。
次に、蒸気滅菌処理後の各接着積層フィルムについてのヒートシール温度と剥離強度との関係(すなわち図4〜図8の実線)について説明する。
図4および図5の実線に見られるように、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)および実施例2に係る接着積層フィルム(B12)の何れも安定した接着強度、剥離強度を得ることができた。つまり、図4および図5の実線に見られるように、実施例1または実施例2に係る積層フィルムを用いて120℃〜145℃程度のヒートシール温度でヒートシールすると、当該シール部は人手などで容易に切断できる程度の剥離強度を得ることができる。また、実施例1または実施例2に係る積層フィルムを用いて150℃〜170℃程度のヒートシール温度でヒートシールすると、当該シール部は人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度を得ることになる。
一方、図6〜図8の実線に見られるように、比較例1に係る接着積層フィルム(B21)、比較例2に係る接着積層フィルム(B22)、および比較例3に係る接着積層フィルム(B23)の何れも安定した接着強度、剥離強度を得ることができなかった。つまり、図6〜図8の実線に見られるように、比較例1〜3に係る積層フィルムは、120℃〜170℃程度のヒートシール温度でも、当該シール部は人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度が得られることになる。
一般的に、医療分野で用いられることを想定した包装容器は、滅菌処理のため120℃〜125℃で蒸気滅菌処理されることが多く、例えば、上記包装容器を作製ために比較例1〜3に係る積層フィルムを用いた場合、人手などで容易に切断できる程度の剥離強度を得ることができない可能性がある。
ここで、各実施例および比較例に係る積層フィルムのイージーピール層(2)と耐熱イージーピール層(1)との軟化温度(定形物質が軟らかくなる温度)、つまり樹脂が固体から遷移体に移行するときの温度を比較すると、イージーピール層<耐熱イージーピール層の関係になる(図示せず)。そのため、特に、比較例3(図8)で見られるように、耐熱イージーピール層(1)を有しない場合、蒸気滅菌処理によって比較例3に係る積層フィルム(B23)のイージーピール層(2)同士が接着し、人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度が得られることになったと考えられる。
さらに、比較例1に係る積層フィルムの耐熱イージーピール層(1)の軟化温度は110.2℃である(図示せず)。一般的に、樹脂同士を接着させるには、十分な熱量(十分な加熱時間)が必要である。そのため、上述したヒートシール温度では耐熱イージーピール層(1)同士が十分に接着しなかったのが、上述した蒸気滅菌処理によって耐熱イージーピール層(1)同士が接着し、図6の実線に見られるように、人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度が得られることになったと考えられる。
また、樹脂同士の接着には当該樹脂の体積(厚さ)が影響することが知られており、凝集破壊層を形成するためには樹脂の分子同士が絡みあう必要がある。そのため樹脂層は、ある程度の体積(厚さ)が必要とされる。ここで、実施例1に係る積層フィルム(A11)における耐熱イージーピール層(1)の厚さは5μmであり、比較例2に係る積層フィルム(A22)における耐熱イージーピール層(1)の厚さは30μmである。つまり、比較例2に係る積層フィルム(A22)における耐熱イージーピール層(1)の厚さで容易に凝集破壊層が形成されたと考えられる。一方、実施例1に係る積層フィルム(A11)における耐熱イージーピール層(1)の厚さでは、比較例2に係る積層フィルム(A22)における耐熱イージーピール層(1)と比べて凝集破壊層があまり形成されなかったと考えられる。従って、上述した蒸気滅菌処理による熱量によって、つまり、比較例2に係る積層フィルム(A22)における耐熱イージーピール層(1)の厚さで容易に凝集破壊層が形成され、120℃〜170℃程度のヒートシール温度でも、当該シール部は人手などでは容易に切断できない程度の剥離強度が得られたことになったと考えられる。
本発明に係る積層フィルムは、滅菌処理等による加熱を経た後でも保存性、ガスバリア性、安定した接着強度および剥離強度を得ることのできる包装容器を作製するための積層フィルム等に好適である。
1…耐熱イージーピール層
11…界面破壊層
2…イージーピール層
22…凝集剥離層
3…基材層
31…PP樹脂層
32…接着層
321…第1の接着層
322…第2の接着層

Claims (5)

  1. 少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムであって、
    前記第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含み、
    前記第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含み、
    前記第1の層における前記環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、前記メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%であり、
    前記第2の層における前記環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%であり、
    前記第1の層の厚みが10μm以上であり、前記第2の層の厚みが2〜10μmであることを特徴とする、積層フィルム。
  2. 前記第1の層は、ポリプロピレン系樹脂をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記第2の層における前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate、試験温度:230℃、試験荷重:21.2N)は、10g/10min以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
  4. 前記第1の層上に、さらに基材層が形成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の積層フィルム。
  5. 少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムを用いて作製される包装容器であって、
    前記第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含み、
    前記第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含み、
    前記第1の層における前記環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、前記メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%であり、
    前記第2の層における前記環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%であり、
    前記第1の層の厚みが10μm以上であり、前記第2の層の厚みが2〜10μmであり、
    前記積層フィルムの前記第2の層同士が対向するように重ね合わせた状態で当該積層フィルムの周縁部をヒートシールすることによって作製される包装容器。
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