JP5411008B2 - 積層フィルム、および当該積層フィルムを用いて作製される包装容器 - Google Patents
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本実施形態に係る積層フィルム(A)の基材層(3)は、ポリエチレン系樹脂を用いてなるものである。なお、基材層(3)と後述するイージーピール層(2)とを接着させるために、当該基材層(3)は、図1の(b)に示すように、ポリプロピレン系樹脂(31)、接着層(32)とからなるような多層で構成されるものであってもよい。より具体的には、例えば、基材層(3)は、ポリプロピレン系樹脂層(31)およびポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマとからなる接着層(32)の多層で構成されるものであってもよい。
本実施形態に係る積層フィルム(A)のイージーピール層(2)は、環状オレフィンコポリマー、環状オレフィンポリマー、メタロセン系ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を用いてなるものである。なお、以下の説明において、環状オレフィンコポリマーおよび環状オレフィンポリマーを総称して単に環状オレフィン系樹脂と称すことがある。
本実施形態に係る積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)は、環状オレフィンポリマー、ポリプロピレン系樹脂等を用いてなるものである。
まず、本実施形態に係る積層フィルム(A)を作製するにあたり、表1に記載した配合量に従い、実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムにおける、基材層(3)、イージーピール層(2)、および耐熱イージーピール層(1)をそれぞれ作製した。
本実施形態に係る積層フィルムの基材層(3)におけるPP樹脂層(31)は、ポリプロピレン系樹脂(三菱化学株式会社製の商品名ゼラスMC715、密度=0.9g/cm3、MFR=2.3g/10min、融点=161℃)を用い、100重量%になるようにした。
本実施形態に係る積層フィルム(A)のイージーピール層(2)は、表1に示す樹脂を用いてなるものである。以下、表1における実施例1、2および比較例1〜3においてイージーピール層(2)の作製に用いた樹脂を示す。なお、イージーピール層(2)における樹脂のそれぞれの配合量は表1の通りである。
環状オレフィンコポリマー:ポリプラスチック株式会社製の商品名TOPAS6013、密度=1.02g/cm3、ガラス転移温度=138℃
環状オレフィンポリマー:日本ゼオン株式会社製の商品名ZEONOR1020R、密度=1.01g/cm3、ガラス転移温度=102℃
メタロセン系ポリエチレン樹脂:日本ポリエチレン株式会社製の商品名カーネルKM284、密度=0.915g/cm3、ガラス転移温度=103℃
ポリプロピレン系樹脂:三菱化学株式会社製の商品名ゼラス7023、密度=0.89g/cm3、MFR=2g/10min、融点=165℃
本実施形態に係る積層フィルム(A)の耐熱イージーピール層(1)は、表1に示す樹脂を用いてなるものである。以下、表1における実施例1、2および比較例1〜3において耐熱イージーピール層(1)の作製に用いた樹脂を示す。なお、耐熱イージーピール層(1)における樹脂のそれぞれの配合量は表1の通りである。
ポリプロピレン系樹脂:三菱化学株式会社製の商品名ゼラス7023、密度=0.890g/cm3、MFR=2g/10min、融点=165℃
次に、表2に記載した厚さに従い、基材層(3)、イージーピール層(2)、耐熱イージーピール層(1)を用い、実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムを作製した。なお、各実施例および比較例に係る積層フィルムの作製は、公知技術を用いればよく、例えば、共押出しTダイ法、共押出し空冷インフレーション法、共押出し水冷インフレーション法等が挙げられる。
基材層(3):厚みは170μmである。
イージーピール層(2):厚みは25μmである。環状オレフィンコポリマーの含有量は75質量%であり、環状オレフィンポリマーの含有量は10質量%であり、環状オレフィン系樹脂の含有量としては、85質量%である。メタロセン系ポリエチレンの含有量は5質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は10質量%である。
耐熱イージーピール層(1):厚みは5μmである。環状オレフィンポリマーの含有量は90質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は10質量%である。
なお、実施例1に係る積層フィルム(A11)の総厚みは200μmである。
実施例2に係る積層フィルムにおいて、上記実施例1に係る積層フィルムと異なる点は、イージーピール層(2)において、メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量は10質量%であり、ポリプロピレン系樹脂の含有量は5質量%である点である。これは、基材層(3)およびイージーピール層(2)との接着性を向上させる目的で、上述した実施例1に係る積層フィルムに比べてメタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量を多くしている。
比較例1に係る積層フィルムは、上記実施例1および実施例2に係る積層フィルムと異なり、耐熱イージーピール層(1)にポリプロピレン系樹脂が含有されていない。
比較例2に係る積層フィルムは、上記実施例1に係る積層フィルムと異なり、耐熱イージーピール層(1)の厚みは30μmであり、総厚みは225μmである。
比較例3に係る積層フィルムは、上記実施例1に係る積層フィルムと異なり、イージーピール層(2)の厚みは30μmであり、耐熱イージーピール層(1)を有しない。
次に、接着積層フィルム(B)の作製方法について説明する。具体的には、図2に示すように、上述した実施例1、2および比較例1〜3に係る積層フィルムを、以下の方法(ヒートシール条件)により作製した。つまり、例えば、実施例1に係る積層フィルムを例に説明すると、実施例1に係る積層フィルム(A11)の耐熱イージーピール層(1)同士(図2の(a)参照)を以下の方法でヒートシールすることにより、実施例1に係る接着積層フィルム(B11)を得た(図2の(b)参照)。また、実施例2、および比較例1〜3に係る接着積層フィルムについても同様である。
温度(ヒートシール温度):120℃〜190℃
圧力:2kgf/cm2
時間:3.5秒
環境条件:標準温湿度状態2級(温度:23±2℃、相対湿度:50±5%)
次に、実施例1、2および比較例1〜3にそれぞれ係る接着積層フィルムの剥離強度試験を以下の方法により行った。なお、当該剥離強度試験においても、日本工業規格(JIS)の規格名称「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法(JIS Z 0238:1998)」に準拠して行った。
剥離試験機:定速緊張形引張試験機(振り子式)
剥離試験方法:180°剥離試験
剥離速度:300mm/分
試験片寸法:幅15mm、展開長さ100mm
環境条件:標準温湿度状態2級(温度:23±2℃、相対湿度:50±5%)
温度:122℃
時間:122℃に到達後20分間処理
11…界面破壊層
2…イージーピール層
22…凝集剥離層
3…基材層
31…PP樹脂層
32…接着層
321…第1の接着層
322…第2の接着層
Claims (5)
- 少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムであって、
前記第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含み、
前記第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含み、
前記第1の層における前記環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、前記メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%であり、
前記第2の層における前記環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%であり、
前記第1の層の厚みが10μm以上であり、前記第2の層の厚みが2〜10μmであることを特徴とする、積層フィルム。 - 前記第1の層は、ポリプロピレン系樹脂をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記第2の層における前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate、試験温度:230℃、試験荷重:21.2N)は、10g/10min以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記第1の層上に、さらに基材層が形成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の積層フィルム。
- 少なくとも第1の層と第2の層とから形成されてなる積層フィルムを用いて作製される包装容器であって、
前記第1の層は、環状オレフィン系樹脂と、メタロセン系ポリエチレン樹脂とを含み、
前記第2の層は、環状オレフィンポリマーとポリプロピレン系樹脂とを含み、
前記第1の層における前記環状オレフィン系樹脂の含有量が60〜98質量%であり、前記メタロセン系ポリエチレン樹脂の含有量が2〜40質量%であり、
前記第2の層における前記環状オレフィンポリマーの含有量が60〜93質量%であり、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が7〜40質量%であり、
前記第1の層の厚みが10μm以上であり、前記第2の層の厚みが2〜10μmであり、
前記積層フィルムの前記第2の層同士が対向するように重ね合わせた状態で当該積層フィルムの周縁部をヒートシールすることによって作製される包装容器。
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