JP4719726B2 - 多層フィルム及び多層フィルムを用いた薬剤容器 - Google Patents

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本発明は、多層フィルム及び多層フィルムを用いた薬剤容器に関する。
医療分野における薬剤容器には、従来ガラス瓶やアンプルが用いられてきた。しかし、近年では薬剤容器の軽量化、取扱性の向上を目的として、医薬的に許容されたプラスチックからなる薬剤容器が用いられている。そのようなプラスチックとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが知られている。
しかし、ある種の薬剤は、ポリエチレンやポリプロピレンに吸着されやすく、薬剤容器に保存されている薬剤の濃度低下が問題となっている。
前記の問題を解決するため、特許文献1及び2には薬剤の吸着を抑制することを目的として、環状オレフィン系樹脂を用いた薬剤容器が開示されている。
環状オレフィン系樹脂は、耐熱性、耐滅菌性、及び耐薬品性に優れ、薬剤溶液の吸収が少ないほか、蒸気透過率が低くガスバリア性に優れており、薬剤容器の多層フィルムにおいて、ガスの出入りを防ぐバリア層での使用が注目されている。
特開平5−293159号公報 特表2005−525952号公報
しかしながら、環状オレフィン系樹脂は他の樹脂との相溶性や接着性に乏しく、多層フィルムを成形した際に層間剥離が生じ、容器の強度が低下するという問題がある。また、環状オレフィン系樹脂と他の樹脂を接着性樹脂によって接着させた場合には、薬剤容器の溶液中に接着性樹脂が溶出する可能性があり、薬剤容器として好適でない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、層間剥離に代表される強度、ガスバリア性、柔軟性、耐熱性、及び医療材料としての適合性に優れ、且つ薬剤吸着抑制性能を付与した多層フィルムと、該多層フィルムを用いた薬剤容器を提供することを目的とする。
本発明の多層フィルムは、バリア層と、シール層との間に接着層を有しており、前記バリア層が、環状オレフィン系樹脂系樹脂60〜85質量%と、熱可塑性エラストマー15〜40質量%とを含む、厚さ10〜80μmの層であり、前記接着層が、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、熱可塑性エラストマー30〜95質量%とを含む、厚さ10〜80μmの層であり、前記シール層が、オレフィン系樹脂をからなる、厚さ5〜80μmの層であることを特徴とする。
また本発明の薬剤容器は、前記多層フィルムを用いて、そのシール層が最内面となるように形成されたものである。
本発明によれば、層間剥離に代表される強度、ガスバリア性、柔軟性、耐熱性、及び医療材料としての適合性に優れ、且つ薬剤吸着抑制性能を付与した多層フィルム、及び該多層フィルムを用いた薬剤容器が提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の多層フィルム4は、図1に示すように、バリア層3と、シール層1との間に、接着層2を少なくとも有する多層フィルムである。
また、該多層フィルムは、上記シール層を、最内面とした、医療容器の形成に使用され、薬液等を封入することが好ましい。
〔バリア層〕
バリア層3は、環状オレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマーとを含む混合樹脂を用いてなるものである。
環状オレフィン系樹脂は、環状構造を有するポリオレフィン樹脂であり、α−オレフィンと二重結合を有する脂環式化合物(環状オレフィン)との共重合体が挙げられる。前記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等が挙げられ、前記脂環式化合物としては、シクロヘキサン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等があげられる。
また、環状オレフィン樹脂の市販品として、ティコナ社製の「TOPAS(登録商標)」等が挙げられる。
また、環状オレフィン系樹脂の含有率は60〜85質量%である。環状オレフィンの含有率が60質量%以上であると、バリア性、及び薬剤吸着抑制効果を得ることができる。一方、環状オレフィン系樹脂の含有率が85質量%以下であると、フィルムの成膜性が良くバリア性を得られるだけでなく、多層フィルム全体における柔軟性、及びバリア層3と他の層との接着性も良好となる。
熱可塑性エラストマーには、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等があり、また、スチレン系エラストマーの中にも、水素添加を行ったものと、行わないものが挙げられる。
中でも、水素添加をしたポリスチレン系エラストマーである、水素添加スチレン−ブタジエンエラストマーや、水素添加スチレン−イソプレンエラストマー等は、柔軟性、接着性、透明性、上記した環状オレフィン系樹脂への分散性、耐薬品性などに優れており、本発明での使用が好ましい。
また、熱可塑性エラストマーの含有率は15〜40質量%である。熱可塑性エラストマーの含有率が15質量%以上であるとバリア層3と他の層との接着性が得られる。更に、熱可塑性エラストマーの含有率が40質量%以下であるとき、期待する薬剤吸着抑制効果を得ることができる。
バリア層3の厚みは、薬剤吸着抑制効果、多層フィルム全体の柔軟性等を考慮し、10〜80μmである。バリア層の厚みが10μm以上では、製膜時のピンホールの発生を抑制することができ、一方、厚みが80μm以下であると、柔軟性が良好となる。
〔接着層〕
接着層2は、環状オレフィン系樹脂と、熱可塑性エラストマーとを含む混合樹脂を用いてなるものである。
接着層2に用いられる環状オレフィン系樹脂は、前記バリア層3に用いられる環状オレフィン系樹脂と同様であることが好ましい。
該接着層2においては、環状オレフィン系樹脂の含有率が5〜70質量%である。環状オレフィンの含有率が5質量%以上であると、シール層との密着性が良好であり、また70質量%以下であると、医療容器製造過程において行われる121℃高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こさない。更に、環状オレフィン系樹脂の含有率が60質量%以上であると、環状オレフィン系樹脂の有するバリア性能が確保される。従って、接着層2における環状オレフィン系樹脂の含有率は特に60質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
接着層2に用いられる熱可塑性エラストマーは、接着性の観点から、前記バリア層3に用いられる熱可塑性エラストマーと同様であることが好ましい。
該接着層2においては、熱可塑性エラストマーの含有率は30〜95質量%である。熱可塑性エラストマーの含有率が30質量%以上であると接着層としての好適な接着性を得ることができ、含有率が95質量%以下であれば、バリア層と接着層との親和性を失うことなく、接着が可能である。特に、環状オレフィン系樹脂との関係を考慮すると、熱可塑性エラストマーの含有率は30〜40質量%であることが好ましい。
接着層の厚みは薬剤吸着抑制効果、多層フィルム全体の柔軟性等を考慮し、10〜80μmである。接着層の厚みが10μm以上では、製膜時のピンホールの発生を抑制することができ、一方、厚みが80μm以下であると、柔軟性が良好となる。
〔シール層〕
シール層1は、オレフィン系樹脂を用いてなるものである。
シール層1に使用されるオレフィン系樹脂としては、医薬的に認可されており、薬剤との接触時に溶出する成分を含有しないこと、高温での滅菌操作に耐えうる耐ブロッキング性を有すること等の観点より、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとの共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド等を使用することが好ましい。
シール層1の厚みにおいては、シール性と薬剤吸着抑制性能を考慮する必要性がある。本発明においては、両者のバランスを考慮し、シール層1の厚さを5〜80μmとする。
シール層の厚みが5μm以上であるとシール層として好適なシール性を得られ、80μm以下であると、薬剤がシール層1に吸着される量が抑制され、多層フィルムにおいての薬剤吸着抑制性能を維持することが可能である。
〔多層フィルムの成形〕
多層フィルムは、共押出しインフレーション法、共押出しTダイ法等、公知の方法を採用して成形することができる。
また、本発明における多層フィルムは、輸液バッグ等を代表とする、プラスチック製の薬剤容器に用いられることから、柔軟性や耐熱性、遮光性等の付加価値を付与するため、前記バリア層より外側に他の樹脂やアルミの層等を配置することが可能である。
〔薬剤容器の製造〕
本発明の薬剤容器は、前記多層フィルムにより製造され、多層フィルムにおけるオレフィン系樹脂からなるシール層が最内面に配置されているものである。
一例を図2に示す。薬剤容器5は、本発明の多層フィルム2枚を通常の方法で断裁し、それぞれのシール層が最内面となるように重ね合わせて、その周縁部6をヒートシールにより接着し、その際、該周縁部6に口部材7をヒートシール等の手段を用いて取り付けることにより、製造される。
本発明の薬剤容器の製造法は、前記の方法に限定するものではなく、例えば、多層フィルムのシール層を最内面としたチューブ状フィルムを成形した上で、周縁部6をヒートシールすることで製造することも可能である。
本発明の多層フィルムは、バリア層と接着層に同様の材料を使用することで、各層に親和性を持たせ、且つ、熱可塑性エラストマー含有率を増加させた接着層を用いて、環状オレフィン系樹脂を主成分とするバリア層と、オレフィン系樹脂からなるシール層を接着させ、両層間における層間剥離を防ぐことを可能とした。
また、バリア層及び接着層に、環状オレフィン系樹脂を使用することで、各層に薬剤吸着抑制効果が得られるだけでなく、高いガスバリア性を発現し、且つ、熱可塑性エラストマーを使用することで、各層に柔軟性を付与した。
更に、薬剤容器において最内面に配置され、溶液等に触れるシール層には、耐熱性に優れ、医薬的に認可されているオレフィン系樹脂を使用しており、耐熱性及び医療材料としての適合性にも優れている。
なお、本発明の多層フィルムは、所望の物性を付与するために、柔軟層、耐熱層等、別の層を追加することもできる。例えば、柔軟層であれば、オレフィン系樹脂とエラストマーとを主成分とし、耐熱層であれば、融点が110℃以上のオレフィン系樹脂を主成分とするのが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、各実施例、比較例での諸物性の測定は次の方法による。
〔接着性〕
高圧蒸気滅菌前、及び後の多層フィルムから25mm×150mmの短冊状に切り出し、両面に同じ大きさの二軸延伸PETフィルム(厚さ50μm)を接着したものをサンプルとした。引張試験機を用い、サンプルを常温にて300mm/分のスピードで180°剥離し、引張応力と剥離面の目視観察により、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力1kgf/25mm以上、かつ、剥離面が凝集剥離している。
×:最大引張応力1kgf/25mm未満、又は、剥離面が界面剥離している。
―:測定不能
なお、高圧蒸気滅菌はオートクレーブを使用し、121℃で20分加熱することにより行った。但し、加熱時間はオートクレーブ中が121℃に達してからの時間である。
〔バリア性〕
多層フィルムを袋状にヒートシールし、内部に酢酸を封止して、更にアルミバッグに封入した。常温で1カ月間放置した後アルミバッグを開封して、酢酸臭の有無を官能試験にて確認し、以下の基準で判定した。
○:酢酸臭を感じなかった。
×:刺激的な酢酸臭を感じた。
〔薬剤吸収抑制性〕
特開2001−327575号公報記載の方法に倣って行った。
まず、多層フィルムシートをヒートシールして貼り合わせ、袋状の容器を作成した。
次に、酢酸ブロムヘキシン0.2%、パラオキシ安息香酸メチル(安定剤)0.15%、プロピレングリコール(溶解補助剤)3.0%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油−60(界面活性剤)0.1%を混合して製剤をつくり、クエン酸を用いて、pHを2.5又は3.0に調整し、0.45μmのフィルターで濾過して、市販の塩酸ブロムヘキシン吸入液剤と同様の液剤を調製した。
上記で作成した容器に、各々塩酸ブロムヘキシン含有液剤を2mLずつ封入し、40℃で3週間保存した。これら各サンプル中における塩酸ブロムヘキシンの含量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLCは以下の測定条件で行った。
検出器 ・・・紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム ・・・Develosil Packed Column ODS−HG−5(4.6×150mm)
カラム温度 ・・・40℃付近の一定温度
移動相 ・・・25mMリン酸−ナトリウム緩衝溶液(リン酸でpH2.5に調整。5mMラウリル酸ナトリウムを含む):アセトニトリル(1:1)
移動相流量 ・・・1.0mL/min
内部標準物質 ・・・パラオキシ安息香酸ブチル
○:塩酸ブロムヘキシン含量が95%以上
×:塩酸ブロムヘキシン含量が95%以下
下記の実施例、及び比較例において、多層フィルムの成形に用いた樹脂を以下に示す。
樹脂(A):環状オレフィン系樹脂系樹脂「TOPAS(ティコナ社製)」(Tg80℃、密度1.02g/cm、メルトフローレート(MFR)32g/10mim(260℃))
樹脂(B):水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー(Tg80℃、密度0.89g/cm、MFR3.5g/10min(230℃))
樹脂(C):線状低密度ポリエチレン樹脂(MP115℃、密度0.921g/cm、MFR2.5g/min(190℃))
樹脂(D):プロピレン−αオレフィン樹脂「ゼラス7023(三菱化学製)」(密度0.89g/cm、MFR2g/min(230℃))
また、各実施例、比較例における多層フィルムは、バリア層20μm、接着層10μm、シール層10μmを有した、厚さ40μmのものとする。
〔実施例1〕
バリア層として、樹脂(A)と樹脂(B)が、樹脂(A)80質量%、樹脂(B)20質量%の割合で含有される混合樹脂を用い、接着層として、樹脂(A)と樹脂(B)が、樹脂(A)10質量%、樹脂(B)90質量%の割合で含有される混合樹脂を用い、シール層として、樹脂(D)を用い、以上の樹脂を押出機を用いて溶融させ、インフレーション装置を用いて、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔実施例2〕
実施例1において、接着層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を樹脂(A)60質量%、樹脂(B)40質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔実施例3〕
実施例2において、バリア層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)60質量%、樹脂(B)40質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔比較例1〕
実施例1において、バリア層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)80質量%、樹脂(B)20質量%の割合とし、接着層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)80質量%、樹脂(B)20質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔比較例2〕
実施例1において、バリア層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)90質量%、樹脂(B)10質量%の割合とし、接着層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)60質量%、樹脂(B)40質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔比較例3〕
実施例1において、バリア層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)50質量%、樹脂(B)50質量%の割合とし、接着層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)50質量%、樹脂(B)50質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔比較例4〕
実施例1において、バリア層に使用する樹脂を、樹脂(A)と樹脂(C)とし、その混合率を、樹脂(A)80質量%、樹脂(C)20質量%の割合とし、接着層における、樹脂(A)と樹脂(B)の混合率を、樹脂(A)60質量%、樹脂(B)40質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
〔比較例5〕
比較例4において、バリア層に使用する樹脂を、樹脂(A)と樹脂(D)とし、その混合率を、樹脂(A)80質量%、樹脂(D)20質量%に変えた他は同様にして、多層フィルムを成形し、評価を行った。
Figure 0004719726
表1に示されたように、実施例1〜3では、蒸気滅菌による接着性や、バリア性の低下が抑制され、薬剤吸着抑制性効果が得られており、接着性、バリア性、及び薬剤吸着抑制性において優れた多層フィルムが得られた。
一方、接着層における樹脂(A)の含有率を増加させた比較例1では、接着性の低下、及び薬剤吸着抑制効果の低下が見られた。バリア層における樹脂(A)の含有率を増加させた比較例2では、製膜の際、ゲルが多く製膜性が低下し、バリア性、薬剤吸着抑制効果の低下が見られた。バリア層において樹脂(A)の含有率を減少させた比較例3でも、樹脂(A)の減少に伴い、バリア性、薬剤吸着抑制効果の低下が見られた。
また、比較例4及び5の様に、バリア層における樹脂の組成物をポリプロピレンやポリエチレンに変えたところ、環状オレフィン系樹脂とポリエチレンによる混合樹脂は、両物質の相溶性は良好であるが、シール層との接着性が悪く、環状オレフィン系樹脂とポリプロピレンによる混合樹脂は、両物質の相溶性が悪く、ゲル化をして成膜不能であった。
本発明の多層フィルムを示すものである。 本発明の多層フィルムにより製造される医療容器を示すものである。
符号の説明
1:シール層
2:接着層
3:バリア層
4:多層フィルム
5:薬剤容器
6:周縁部
7:口部材

Claims (2)

  1. バリア層と、シール層との間に接着層を有する多層フィルムにおいて、
    前記バリア層が、環状オレフィン系樹脂60〜85質量%と、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーから選択される少なくとも1種の熱可塑性エラストマー15〜40質量%とを含む、厚さ10〜80μmの層であり、
    前記接着層が、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーから選択される少なくとも1種の熱可塑性エラストマー30〜95質量%とを含む、厚さ10〜80μmの層であり、
    前記シール層が、オレフィン系樹脂からなる、厚さ5〜80μmの層であることを特徴とする、多層フィルム。
  2. 前記シール層が最内面となるように、請求項1記載の多層フィルムを用いて形成した薬剤容器。
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