JP2010022270A - 食品用日持ち向上剤および日持ち向上方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品に不要な酸味を付与することがなく、野菜類の変色抑制効果を有する食品用日持ち向上剤、日持ち向上方法を提供する
【解決手段】トレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を含有することを特徴とする食品用日持ち向上剤、並びに本発明の食品用日持ち向上剤を食品へ含有させることを特徴とする、食品の日持ち向上方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品用日持ち向上剤および日持ち向上方法に関する。
従来から食品分野では、食品の保存性改善を目的として様々な対策が採られてきた。その中でも冷凍保存やpH調整剤の添加による保存は代表的な方法として知られ、様々な食品に採用されている。しかしながら、冷凍保存は解凍後に食品の物性が変化する、所謂冷凍変性が避けられなかった。また、pH調整剤の添加による保存では、十分な保存性が確保できる程度にpHを低下させると食品が不自然な酸味を呈するという問題があった。さらに、生野菜、温野菜、サラダ等の野菜類に使用した場合には、その色調が変色するという問題があった。
そのため最近では保存性改善効果以外に冷凍変性抑制効果、酸味抑制効果、変色抑制効果等の品質保持効果を併せ持つ製剤や方法が求められている。このような背景から、これまでにも保存性改善効果と品質保持効果を併せ持つ製剤や方法が提案されている。
特許文献1には、有機酸、有機酸塩、及び水溶液中で炭酸イオンを発生しうる食品添加物が配合された水溶液のpHを5.0〜5.7に調整した低酸味性鮮度保持剤が提案されている。このような鮮度保持剤は酸味は抑制されるものの、水溶液中では炭酸ガスの発生により気泡が生じ易く、対象となる食品表面に気泡が付着した場合、気泡付着部分と薬剤との接触が不十分となるため、目的の鮮度保持効果が得られないことがあった。
特開平9−140365号公報
本発明の目的は、食品に不要な酸味を付与することがなく、さらに野菜類の変色抑制効果を有する食品用日持ち向上剤、日持ち向上方法を提供することにある。
本発明者らは、食品に対してトレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を併用することにより、冷凍変性が抑制され、酸味が生じにくく、さらに野菜類の変色が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、トレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を含有することを特徴とする食品用日持ち向上剤に関する。また、本発明は、トレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を食品に含有させることを特徴とする食品の日持ち向上方法も提供する。
本発明の食品用日持ち向上剤は、十分な日持ち向上作用を示す一方、食品に不要な酸味を付与することなく、また野菜の変色抑制効果を有する。更に本発明の食品用日持ち向上剤はケーキングしにくく、保存、取り扱いが容易であるという効果も有する。
本発明の日持ち向上剤に用いるトレハロースは市販のトレハロースであればよく、α,α−トレハロース、α,β−トレハロースおよびβ,β−トレハロースのいずれも使用可能であり、2種以上を併用してもよい。市販のトレハロースとしては、トレハ(登録商標)(林原生物科学研究所)が挙げられる。
本発明の日持ち向上剤に使用されるアジピン酸は食品添加物として市販されているものを用いればよい。また、本願発明の目的に反しない限り、アジピン酸が配合された食品添加用の製剤等を配合してもよい。
本発明の日持ち向上剤におけるアジピン酸の割合は、トレハロース1重量部に対し、0.1〜2重量部であるものが好ましく、0.2〜1.8重量部であるものがより好ましく、0.5〜1.5重量部であるものがさらに好ましい。
本発明の日持ち向上剤は上記トレハロースとアジピン酸に加えてpH調整剤を含有するものである。pH調整剤としては食品添加物として使用可能であることが確認されているものであって、炭酸塩でなければいずれを用いてもよい。好ましいpH調整剤としては酢酸、クエン酸、フマル酸、DL−リンゴ酸、コハク酸等の有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。その中でも酢酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウムが日持ち向上効果および食品の味質に与える影響の少なさの点で特に好ましく、両者の併用がさらに好ましい。
pH調整作用を有する炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が知られているが、本発明でいうpH調整剤にはこれらの炭酸塩は含まれない。
本発明の日持ち向上剤におけるpH調整剤の割合は、トレハロース1重量部に対し、0.1〜10重量部であるものが好ましく、1〜8重量部であるものがより好ましく、2〜6重量部であるものがさらに好ましい。
pH調整剤として酢酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムの2種類を配合した日持ち向上剤が特に好ましく、この場合の酢酸ナトリウムの割合はトレハロース1重量部に対し0.08〜8重量部、好ましくは0.8〜6.5重量部、より好ましくは1.5〜5重量部であり、クエン酸三ナトリウムの割合はトレハロース1重量部に対し0.02〜2重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部、より好ましくは0.5〜1重量部である。
本発明の日持ち向上剤は、さらにカルシウム塩を含有するものである。カルシウム塩としては食品添加用に市販されているものであればよく、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、焼成カルシウム、未焼成カルシウム等が挙げられる。その中でも食品の味質への影響の少なさ、および固結防止作用に優れる点で炭酸カルシウムが好ましい。尚、炭酸カルシウムにはpH調整作用がなく、前記pH調整剤から除かれる炭酸塩とは区別されるものである。
本発明の日持ち向上剤におけるカルシウム塩の割合は、トレハロース1重量部に対し、0.05〜1重量部であるものが好ましく、0.07〜0.5重量部であるものがより好ましく、0.1〜0.3重量部であるものがさらに好ましい。
本発明の日持ち向上剤の調製には特別な操作は必要なく、上記各成分を混合すればよい。本発明の日持ち向上剤には食品の味質や風味に影響を与えない範囲で更にアミノ酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、塩基性蛋白・ペプチド、チアミンラウリル硫酸塩、カンゾウ油性抽出物等の成分を含有させてもよい。アミノ酸としてはグリシン、アラニン等が挙げられる。脂肪酸としてはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の炭素原子数6〜18の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。塩基性蛋白・ペプチドとしてはプロタミン、リゾチーム、ε−ポリリジン、キトサン、ペクチン分解物、ナイシン等が挙げられる。これらの成分は2種以上を使用してもよい。
本発明の日持ち向上剤は、デキストリン等の賦形剤と混合しても、またはこれら賦形剤と共に顆粒や錠剤としてもよい。本発明の日持ち向上剤は、使用時に適当な溶媒あるいは食品調味液に溶解して用いてもよいし、食品材料に直接混合してもよい。日持ち向上剤を溶媒に溶解して使用する場合の好ましい溶媒としては、水および水とエタノールの混合液が例示される。また、調味料として対象とする食品を調味するための物質と混合して用いてもよい。本発明の日持ち向上剤としては、上記各成分を適当な溶媒あるいは調味液へ溶解させた溶液剤として提供されるものも包含する。
本発明の日持ち向上剤を食品に含有させることにより、酸味を抑制しつつ食品の日持ちが改善される。また、本発明の日持ち向上剤を含有させた食品は、冷凍保存中にタンパク質の変性が起きにくく、解凍後も食品本来の形態や味質を維持することが可能となる。さらに、本発明の日持ち向上剤を生野菜、ボイル野菜、カット野菜、サラダ等に使用した場合、野菜類本来の色調を維持することが可能となる。
本発明はまた、本発明の日持ち向上剤を食品へ含有させることを特徴とする、食品の日持ち向上方法を提供する。本発明の日持ち向上剤を食品へ含有させる態様としては、原材料に配合して共に混合する、日持ち向上剤を適当な溶媒へ溶解した溶液、あるいは溶液剤として提供される日持ち向上剤を、食品に塗布、噴霧する、あるいは該溶液へ食品を浸漬する、などが挙げられる。
また、核酸系液体調味料、醤油系液体調味料等の調味料を含有する調味液に日持ち向上剤を溶解させて食品の調味と共に日持ち向上剤を適用してもよい。例えば、和え物やサラダ類のように野菜類と調味液を混合することによって製造される食品の場合には、使用する調味液に日持ち向上剤を溶解させた後、野菜類と混合すればよい。
本発明の日持ち向上剤を調味液に溶解して使用する場合、食品の味質に与える影響を考慮して、液性をpH5.8〜7.5、好ましくはpH5.85〜6.5に調製するのが好ましい。調味液にて食品を調味する方法は特に限定的ではなく、食品の種類や目的に応じて使用者が適宜選択できる。
本発明の日持ち向上剤を溶媒へ溶解し、ここへ食品を浸漬する態様で用いる場合、使用時の日持ち向上剤溶液中、トレハロースが0.05〜3重量%、アジピン酸が0.005〜6重量%、pH調整剤が0.005〜30重量%、カルシウム塩が0.005〜1重量%となるように添加するのが好ましく、トレハロースが0.1〜2重量%、アジピン酸が0.02〜3.6重量%、pH調整剤が0.1〜16重量%、カルシウム塩が0.03〜0.5重量%となるように添加するのがより好ましく、トレハロースが0.2〜1重量%、アジピン酸が0.1〜1.5重量%、pH調整剤が0.4〜6重量%、カルシウム塩が0.01〜0.3重量%となるように添加するのがさらに好ましい。
使用時の日持ち向上剤中のトレハロースの量が0.05重量%未満の場合、冷凍変性抑制効果が低下する傾向にあり、アジピン酸が0.005重量%未満あるいはpH調整剤の割合が0.005重量%未満の場合、十分な日持ち向上効果が得られない傾向があり、カルシウム塩の割合が0.005重量%未満の場合、野菜類の変色抑制効果が低下する傾向がある。また、トレハロースが3重量%を超える場合、食品の甘味が強くなり過ぎる傾向にあり、アジピン酸が6重量%を超える、あるいはpH調整剤が30重量%を超える場合には、食品の風味に悪影響を及ぼす傾向があり、カルシウム塩が1重量%を超える場合、溶媒の種類によっては溶け残りが生じる傾向がある。
本発明の方法は上記「日持ち向上剤」として先に調製したものを食品へ含有させる態様に加えて、トレハロース、アジピン酸、pH調整剤およびカルシウム塩の割合が上記範囲となるように個別に食品へ適用する態様も含むものとする。
この態様においては食品全量に対し、トレハロースの割合が、0.03〜5重量%、アジピン酸の割合が0.003〜10重量%、pH調整剤の割合が0.003〜50重量%、カルシウム塩が0.003〜2重量%となるように添加するのが好ましく、トレハロースの割合が0.1〜4重量%、アジピン酸の割合が0.02〜7.2重量%、pH調整剤の割合が0.1〜32重量%、カルシウム塩が0.01〜1.5重量%となるように添加するのがより好ましく、トレハロースの割合が0.5〜3重量%、アジピン酸の割合が0.25〜4.5重量%、pH調整剤の割合が1〜18重量%、カルシウム塩が0.05〜1重量%となるように添加するのがさらに好ましい。
食品中のトレハロースの量が0.03重量%未満の場合、冷凍変性抑制効果が低下する傾向にあり、アジピン酸の割合が0.003重量%未満あるいはpH調整剤の割合が0.003重量%未満の場合、十分な日持ち向上効果が得られない傾向があり、カルシウム塩の割合が0.003重量%未満の場合、野菜類の変色抑制効果が低下する傾向がある。また、トレハロースの割合が5重量%を超える場合、食品の甘味が強くなり過ぎる傾向にあり、アジピン酸の割合が10重量%を超える、あるいはpH調整剤の割合が50重量%を超える場合には食品の風味に悪影響を及ぼす傾向があり、カルシウム塩の割合が2重量%を超える場合、溶媒の種類によっては溶け残りが生じる場合がある。
本発明の日持ち向上剤が使用可能な食品としては、特に限定されるものではなく、非加熱の食品、加熱工程を含む食品のいずれにも適用可能であり、タラコ、数の子等の魚卵加工品、浅漬けなどの漬物、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ、塩辛などの水産製品、コロッケ、トンカツ、フライドチキン、魚フライ、唐揚げなどのフライ製品、ハンバーグ、肉団子、餃子、シュウマイ、ソーセージなどの食肉惣菜、カステラ、スポンジケーキ、饅頭等の和・洋菓子、果汁、ジャムなどの果実加工品等に幅広く使用可能である。
本発明の日持ち向上剤は一般細菌および大腸菌群に対する抗菌力が高く、冷凍変性を抑制することから、非加熱かつ冷凍される食品、例えば魚卵加工品、塩辛などの加熱せずに調理される食品に適する。また、本発明の日持ち向上剤は野菜類の変色抑制効果を有することから、野菜類を用いた食品、例えば生野菜、カット野菜、サラダ、ボイル野菜、和え物等に特に優れた効果を発揮する。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明する。
実施例1および比較例1
小松菜白和えの保存試験
方法:小松菜約300g、厚揚げ豆腐約420g、薄口醤油約35g、みりん約35g、塩約0.5gを用いて小松菜白和えを製造した。
製造した小松菜白和え192gに表1に示す薬剤を1.92g添加し(1%相当)、十分に混合した後、15gづつ滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れて密封し、サンプルとした。サンプルを10℃の恒温器内で保存し、経時的にサンプリングを行い、一般細菌および大腸菌群の菌数を計測した。
また、対照として薬剤を添加しない小松菜白和えを用いた以外は上記と同様にして保存試験を実施した。
結果:本発明の日持ち向上剤が添加された小松菜白和えは、一般細菌および大腸菌群の増殖が抑制されていた。結果を表2および表3に示す。
Figure 2010022270
一般細菌(使用培地:標準寒天培地)
Figure 2010022270
大腸菌群(使用培地:デゾキシコレート培地)
Figure 2010022270
実施例2および比較例2
ポテトサラダの保存試験
方法:じゃがいも約900g、ハム約60g、きゅうり約360g、玉ねぎ約120g、塩約0.5g、砂糖約30g、マヨネーズ約90g、ドレッシング約30gを用いてポテトサラダを製造した。
製造したポテトサラダ796gに表1に示す薬剤を8g添加し(約1%相当)、十分に混合した後、10gづつ滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れて密封し、サンプルとした。サンプルを20℃の恒温器内で保存し、経時的にサンプリングを行い、一般細菌および大腸菌群の菌数を計測した。
また、対照として薬剤を添加しないポテトサラダを用いた以外は上記と同様にして保存試験を実施した。
結果:本発明の日持ち向上剤が添加されたポテトサラダは、一般細菌および大腸菌群の増殖が抑制されていた。結果を表4および表5に示す。
一般細菌(使用培地:標準寒天培地)
Figure 2010022270
大腸菌群(使用培地:デゾキシコレート培地)
Figure 2010022270
実施例3および比較例3
カット野菜の保存および変色抑制試験
方法:表1に示す薬剤40gを脱イオン水2000gに溶解して浸漬液を調製した。得られた浸漬液に約5cm×約5cmにカットしたレタス200gを60分間浸漬した後、浸漬液から取り出し、10gづつ滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れて密封し、サンプルとした。また、サンプルを10℃の恒温器内で保存し、経時的にサンプリングを行い、一般細菌および大腸菌群の菌数を測定した。また、経時的に色調の変化も目視で観察した。対照として薬剤を添加しない脱イオン水を用いた試験区も同様にして変色抑制試験を行った。
結果:本発明の日持ち向上剤を添加した浸漬液で処理したレタスは色調に変化が見られなかったが、脱イオン水に浸漬したレタスは24時間経過後、切断面が褐色に変化していた。観察結果を表6に示す。また、本発明の日持ち向上剤に浸漬したレタスは一般細菌および大腸菌群の増殖が抑制されていた。結果を表7および表8に示す。
Figure 2010022270
一般細菌(使用培地:標準寒天培地)
Figure 2010022270
大腸菌群(使用培地:デゾキシコレート培地)
Figure 2010022270
実施例4および比較例4
ボイル野菜の変色抑制試験
方法:表1に示す薬剤20gを脱イオン水2000gに溶解して薬剤水溶液を調製した。得られた薬剤水溶液1500mlを鍋に入れ加熱し、沸騰した後、ブロッコリー約300gを投入し、3分間ボイルした後、液切りし、色差計(Color Meter ZE2000:日本電色工業株式会社)により色調を測定し、経時的な色調の変化を目視で観察した。また、対照として比較例区も同様にして変色抑制試験を行った。
結果:本発明の日持ち向上剤が添加された薬剤水溶液で処理したブロッコリーは緑色の色調を保持していたが、比較例4で処理したブロッコリーは黄色に変色していた。ボイル直後の色差計による測定結果を表10に、外観による観察結果を表11に示す。
Figure 2010022270
Figure 2010022270
L値:明度
a値:緑味(−の数値が大きいほど緑味が強い)
b値:黄味(+の数値が大きいほど黄味が強い)
YI値:黄色度
Figure 2010022270
実施例5〜8および比較例5〜6
ケーキング試験
方法:表12に示す製剤を調製し、200ml容のガラス瓶に各々90gずつ入れて密封し、25℃、30℃および45℃の恒温器内で1ヶ月間保管した。保管中は1週間後、2週間後、4週間後にサンプリングし、下記の評価基準に基づいてケーキングの有無を確認した。
Figure 2010022270
(評価基準)
− :ガラス瓶を傾けると崩れる(製剤調製直後とほぼ同じ状態)。
+ :ガラス瓶を指で軽く叩くと崩れる。
++ :ガラス瓶を手のひらで強く叩くと崩れる。
+++:ガラス瓶を木槌で叩くと崩れる。
結果:本発明の日持ち向上剤は、25℃の保管温度では4週間経過後もケーキングは発生せず、いずれの保管温度でもガラス瓶を指で叩くと崩れる程度のケーキングしか発生しなかったのに対し、比較例の製剤は2週間経過した時点でガラス瓶を木槌で叩かないと崩れない程度に強固なケーキングが発生していた。結果を25℃の試験結果を表13に、30℃の試験結果を表14に、45℃の試験結果を表15に示す。
(保管温度:25℃)
Figure 2010022270
(保管温度:30℃)
Figure 2010022270
(保管温度:45℃)
Figure 2010022270
実施例9
小松菜おひたしの官能試験
方法:冷凍小松菜約100gを室温にて解凍し、解凍後の小松菜に調味液約10gと白ごま約2gを加えて小松菜おひたしを製造した。調味液には表16に示す製剤を0.784g添加(0.7%相当)したものを使用した。
Figure 2010022270
製造した小松菜おひたしの酸味および酸臭の強弱を、従来から用いられている一般的な日持ち向上剤である対照製剤を添加した場合と比較して14名のパネラーにより評価した。評価は下記基準より行った。
Figure 2010022270
結果:
結果を表17に示す。本発明の日持ち向上剤が添加された小松菜おひたしは、酸味において14名中12名が酸味が弱いと判定し、酸臭において14名中11名が酸臭が弱いと判定している。即ち、本発明の日持ち向上剤が食品の味質に与える影響が少ないことがわかる。
Figure 2010022270

Claims (9)

  1. トレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を含有することを特徴とする食品用日持ち向上剤。
  2. トレハロース1重量部に対し、アジピン酸を0.1〜2重量部、pH調整剤を0.1〜10重量部、カルシウム塩を0.05〜1重量部含有することを特徴とする請求項1記載の日持ち向上剤。
  3. pH調整剤が酢酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムであり、カルシウム塩が炭酸カルシウムである請求項1または2記載の日持ち向上剤。
  4. トレハロース1重量部に対し、アジピン酸を0.1〜2重量部、酢酸ナトリウムを0.08〜8重量部、クエン酸三ナトリウムを0.02〜2重量部および炭酸カルシウムを0.05〜1重量部含有する請求項1〜3いずれかに記載の日持ち向上剤。
  5. トレハロース、アジピン酸、pH調整剤(但し、炭酸塩を除く)およびカルシウム塩を食品に含有させることを特徴とする食品の日持ち向上方法。
  6. トレハロース、アジピン酸、pH調整剤およびカルシウム塩を液体調味料に溶解させ、pH5.8〜7.5の液体組成物とした後、食品に含有させる請求項5記載の方法。
  7. pH調整剤が酢酸ナトリウムおよびクエン酸三ナトリウムであり、カルシウム塩が炭酸カルシウムである請求項5または6記載の方法。
  8. トレハロース0.05〜3重量%、アジピン酸0.005〜6重量%、酢酸ナトリウム0.004〜24重量%、クエン酸三ナトリウム0.001〜6重量%および炭酸カルシウム0.005〜1重量%を含有する液体を食品へ添加、噴霧、塗布または該液体へ食品を浸漬することに特徴付けられる請求項5〜7いずれかに記載の方法。
  9. 食品がサラダ、和え物、ボイル野菜、生野菜である請求項5〜8いずれかに記載の方法。
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