JP2024002582A - 生肉または生肉加工品用品質保持剤および品質保持方法 - Google Patents

生肉または生肉加工品用品質保持剤および品質保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 静菌効果と変色抑制効果を有する、生肉または生肉加工品用品質保持剤、並びに生肉または生肉加工品の品質保持方法を提供する。【解決手段】 酢酸塩、アスコルビン酸類、マグネシウム含有化合物、重炭酸塩およびショ糖脂肪酸エステルを含有する生肉または生肉加工品用品質保持剤を提供する。また、本願の生肉または生肉加工品用品質保持剤を、生肉または生肉加工品へ適用することを含む、生肉または生肉加工品の品質保持方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、静菌効果と変色抑制効果を有する、生肉または生肉加工品用品質保持剤に関する。また、本発明は生肉または生肉加工品に対する静菌効果と変色抑制効果に優れる、生肉または生肉加工品の品質保持方法に関する。
従来から食品分野では、食品の保存性改善(日持ち向上)を目的として様々な対策が採られてきた。その中でもpH調整剤の添加による保存は代表的な方法として知られ、様々な食品に採用されている。しかしながら、pH調整剤の添加による保存では、十分な保存性が確保できる程度にpHを低下させると食品が不自然な酸味を呈するという問題があった。
一方、魚肉や畜肉の生肉においては、時間の経過とともに酸化し、ミオグロビンがメトミオグロビンへと変化するため、色調が褐色へと変化することが知られている。特にマグロやカツオ等の赤身魚肉をミンチ状に加工し、油脂や調味料を添加して製造される、所謂「ネギトロ」やローストビーフ等においては、変色が顕著である。
このような生肉や生肉加工品の変色や退色を防止する手段としては、アスコルビン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を利用した方法が提案されている。
特許文献1には、アスコルビン酸類、プロアントシアニジン、および炭酸水素ナトリウム等の塩からなる魚肉の退色防止用組成物が提案されているが、一定の退色防止効果は認められるものの、保存性改善効果が不十分であった。
特許文献2には、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸またはその塩、炭酸塩、ミョウバンを有効成分とする変色防止用アルカリ組成物が提案されている。しかしながら、この組成物はアルカリ性であることから保存性改善効果が不十分であった。また、ミョウバンには、タンパク質凝固作用があり、生肉等に添加すると食感が変化するなどの課題もあった。
特許文献3には、(a)グルタミン酸ナトリウム及び/又はアスパラギン酸ナトリウム、(b)アスコルビン酸及び/又はそのナトリウム塩、(c)酢酸ナトリウム、からなる群から選択される二つ以上を有効成分とする生肉又は生肉加工品の変色防止用組成物が提案されているが、pH調整作用が弱く、保存性改善効果が不十分であった。
特許文献4には、(1)炭酸水素ナトリウム又はアルカリ金属又はアルカリ土類炭酸塩、(2)酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸を含む有機酸又はそのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を有効成分とする食品変色防止用組成物が提案されているが、この組成物はアルカリ性であることから保存性改善効果が不十分であった。
したがって、生肉または生肉加工品の味質や風味に対する影響が少なく、静菌効果と変色抑制効果を有する品質保持剤が望まれていた。
特開2004-16013号公報 特開2017-40号公報 特開2019-50779号公報 特開2019-140912号公報
本発明の目的は、生肉の味質や風味に対する影響が少なく、静菌効果と変色抑制効果に優れる生肉または生肉加工品用品質保持剤(以下、単に生肉用品質保持剤とも称する。)を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、酢酸塩に、アスコルビン酸類、マグネシウム含有化合物、重炭酸塩および特定の乳化剤を組み合わせることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、酢酸塩、アスコルビン酸類、マグネシウム含有化合物、重炭酸塩およびショ糖脂肪酸エステルを含有する生肉または生肉加工品用品質保持剤を提供する。
本発明はまた、上記生肉または生肉加工品用品質保持剤を生肉または生肉加工品に適用することを特徴とする、生肉または生肉加工品の品質保持方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において「品質保持」とは、添加する対象の日持ち向上と変色抑制の両方が達成されることを意味する。
本発明の生肉用品質保持剤に使用される酢酸塩とアスコルビン酸類は、特に限定されないが、食品添加物として市販されているものを用いればよい。
酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等が例示される。その中でも水に対する溶解性、食品に対する分散性、静菌効果に優れる酢酸ナトリウムが好ましい。
上記酢酸塩は、無水物および水和物のいずれも使用可能であり、2種以上を併用してもよい。
酢酸塩の割合は、生肉用品質保持剤全重量に対し、20~65重量%であるのが好ましく、25~60重量%であるのがより好ましく、30~55重量%であるのがさらに好ましい。酢酸塩の割合が、生肉用品質保持剤全重量に対し、20重量%未満である場合、静菌効果または変色抑制効果が不十分となる傾向があり、65重量%を超える場合、食品の味質への影響が大きくなる傾向がある。
アスコルビン酸類としては、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸カリウム、L-アスコルビン酸アンモニウム、L-アスコルビン酸モノエタノールアミン、L-アスコルビン酸ジエタノールアミン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カルシウム、エリソルビン酸カリウム、エリソルビン酸アンモニウム、エリソルビン酸モノエタノールアミン、エリソルビン酸ジエタノールアミン等が例示される。その中でも、水に対する溶解性、食品に対する分散性、変色抑制効果に優れる、L-アスコルビン酸ナトリウムおよび/またはエリソルビン酸ナトリウムが好ましい。
上記アスコルビン酸類は、無水物および水和物のいずれも使用可能であり、2種以上を併用してもよい。
アスコルビン酸類の割合は、酢酸塩100重量部に対し、2.5~8重量部であるのが好ましく、3~7.5重量部であるのがより好ましく、3.5~7重量部であるのがさらに好ましい。アスコルビン酸類の割合が、酢酸塩100重量部に対し、2.5重量部未満である場合、静菌効果または変色抑制効果が不十分となる傾向があり、8重量部を超える場合、食品の味質への影響が大きくなる傾向がある。
本発明の生肉用品質保持剤に使用されるマグネシウム含有化合物としては、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウムおよびリン酸三マグネシウムからなる群から選択される一種以上が挙げられ、変色抑制効果に優れる点で、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸三マグネシウムが好ましく、炭酸マグネシウム、リン酸三マグネシウムがより好ましく、炭酸マグネシウムがさらに好ましい。
本発明の生肉用品質保持剤に含まれるマグネシウム含有化合物の割合は、酢酸塩100重量部に対して、5~15重量部が好ましく、5.5~14.5重量部がより好ましく、6~14重量部がさらに好ましく、6.5~13.5重量部が特に好ましい。マグネシウム含有化合物の割合が酢酸塩100重量部に対して5重量部未満の場合、十分な変色抑制効果が得られない傾向にあり、酢酸塩100重量部に対して15重量部を超える場合、食品の味質への影響が大きくなる傾向にある。
本発明の生肉用品質保持剤に使用される重炭酸塩は、食品添加物として市販されるものであればよく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム等が例示される。その中でも水に対する溶解性、食品に対する分散性、溶解性に優れる炭酸水素ナトリウムが好ましい。
上記重炭酸塩は、無水物および水和物のいずれも使用可能であり、2種以上を併用してもよい。
重炭酸塩の割合は、酢酸塩100重量部に対し、45~95重量部であるのが好ましく、47.5~92.5重量部であるのがより好ましく、48~92重量部であるのがさらに好ましい。重炭酸塩の割合が、酢酸塩100重量部に対し、45重量部未満である場合、静菌効果または変色抑制効果が不十分となる傾向があり、95重量部を超える場合、食品の味質への影響が大きくなる傾向がある。
本発明の生肉用品質保持剤において用いるショ糖脂肪酸エステルは、食品に対して使用可能なものであれば特に限定されないが、構成脂肪酸の炭素数が10~22であるものが好ましく、12~20であるものがより好ましく、14~18であるものがさらに好ましい。また、ショ糖脂肪酸エステルは、HLB値が5~20であるものが好ましく、10~19であるものがより好ましく、14~18であるものがさらに好ましい。耐熱性菌に対する静菌効果の点でショ糖パルミチン酸エステルが好ましい。
本発明の生肉用品質保持剤において用いるショ糖脂肪酸エステルの割合は、酢酸塩100重量部に対し、2~20重量部であることが好ましく、2.5~18重量部であることがより好ましく、3~17重量部であることがさらに好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの割合が酢酸塩100重量部に対し、2重量部未満の場合、静菌効果が不十分となる傾向があり、酢酸塩100重量部に対し20重量部を超える場合、食品の味質への影響が大きくなる傾向がある。
本発明の生肉用品質保持剤は、さらにpH調整剤を含有してもよい。pH調整剤としては、酢酸塩とアスコルビン酸類以外で食品添加物として使用可能であることが確認されているものであればいずれを用いてもよい。好ましいpH調整剤としては、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、フィチン酸、プロピオン酸、酪酸、リン酸、次亜リン酸および亜リン酸、又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩からなる群から選択される1種以上が挙げられる。その中でも水溶性の高さや食品の味質に与える影響の少なさの点でクエン酸、クエン酸三ナトリウム、フマル酸一ナトリウムおよびリンゴ酸からなる群から選択される1種以上がより好ましく、クエン酸および/またはクエン酸三ナトリウムが特に好ましい。
上記pH調整剤の添加量は、特に限定されないが、1重量%水溶液のpHが8.5~9.5となるように調整するのが好ましく、8.6~9.4がより好ましく、8.7~9.3がさらに好ましい。pH8.5未満では生肉の変色抑制効果が低下する傾向があり、9.5を超えると静菌効果が低下する傾向がある。
本発明の生肉用品質保持剤の調製には特別な操作は必要なく、上記各成分を混合すればよい。また、製剤の物性及び安定性を改善する目的で、デキストリン、プルラン等の賦形剤または微粒二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム等の固結防止剤を含有してもよい。
賦形剤や固結防止剤の割合は、上記酢酸塩、アスコルビン酸類、マグネシウム含有化合物、重炭酸塩およびショ糖脂肪酸エステルの割合に応じて、適宜調整すればよいが、変色抑制効果、静菌効果および生肉の物性に与える影響を少なくするため、その合計量が、生肉用品質保持剤全重量に対し、1~25重量%であるのが好ましく、2~23重量%であるのがより好ましく、2.5~22重量%であるのがさらに好ましい。
本発明の生肉用品質保持剤の包装形態は特に限定されず、調製後、適当な材質の袋や容器等に充填することができる。例えば、包装袋に充填する場合、その材質としては、水蒸気透過性が低いプラスチック製包装材料が好ましく、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよび蒸着フィルム等が例示される。これら包装材料の中でも、ポリエチレン、アルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルムがより好ましい。また、これら包装材料は単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
本発明はまた、本発明の生肉用品質保持剤を生肉または生肉加工品へ適用することを含む、生肉または生肉加工品の品質保持方法を提供する。本発明の生肉用品質保持剤の適用方法としては、例えば、生肉用品質保持剤を溶解させた溶液に、生肉等を浸漬する、生肉用品質保持剤を油脂や調味料に添加して生肉等にまぶす、生肉用品質保持剤を直接生肉等にまぶす、生肉用品質保持剤を溶解させた溶液に、生肉等を浸漬する、当該溶液を生肉等に噴霧する、塗布する等の方法が挙げられる。
本発明の生肉加工品の品質保持方法としては、本発明の生肉用品質保持剤を生肉加工品の原材料と共に混合する方法が挙げられる。生肉用品質保持剤の生肉加工品への添加量としては、生肉加工品の全重量に対し、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.3~3重量%となるように添加する。0.1重量%未満では変色抑制効果および静菌効果が不足するため好ましくなく、5重量%を超えると味質に対する影響が大きくなるため好ましくない。
本発明の生肉用品質保持剤を適用するタイミングは、特に限定されない。例えば、油脂や調味料を含有する魚肉加工品に適用する場合であれば、ミンチ状に加工した赤身魚肉に本発明の生肉用品質保持剤を添加した後、油脂や調味料を添加しても良いし、油脂や調味料を添加した後、本発明の生肉用品質保持剤を添加しても良いし、油脂や調味料と同時に添加してもよい。
本発明の生肉または生肉加工品の品質保持方法の別の態様としては、本発明の生肉用品質保持剤を溶媒に溶解させた溶液に、生肉または生肉加工品を浸漬する方法が挙げられる。浸漬液は溶媒に対して、生肉用品質保持剤を好ましくは2~7重量%、より好ましくは3~5重量%溶解して調製する。2重量%未満では変色抑制効果および静菌効果が不足するため好ましくなく、7重量%を超えると味質に対する影響が大きくなるため好ましくない。
本発明の生肉用品質保持剤を溶解させた溶液を調製する場合、溶媒としては、水、水とエタノールの混合液、核酸系液体調味料、醤油系液体調味料等が例示される。本発明の生肉用品質保持剤としては、上記各成分を適当な溶媒あるいは調味液へ溶解させた溶液剤として提供されるものも包含する。
本発明の生肉用品質保持剤を溶解させた溶液の温度および浸漬時間は特に限定されるものではないが、0~15℃で10~120分間程度が好ましく、0~10℃で30~90分間程度がより好ましい。浸漬液の液量は処理する生肉が浸かる量であれば特に限定されず、目安としては生肉重量の2倍量程度である。
本発明の生肉用品質保持剤にて品質保持を行う対象となる生肉または生肉加工品としては、魚肉または畜肉、およびこれらの非加熱加工品、半加熱加工品が挙げられる。魚肉としては、赤身、すなわちタンパク質100g当たり、ミオグロビン及びヘモグロビンの合計含有量が10mg以上である魚肉が対象となり、マグロ、カツオ、ブリ、アジ、イワシ、サンマ等が挙げられる。畜肉としては、牛肉、豚肉、羊肉、馬肉等が挙げられる。
魚肉又は畜肉としては、魚肉又は畜肉の塊、適当なサイズに切断したもの、捌いたもの、柵、スライス、ミンチ、切り身、すり身など様々な形態で提供されるものを含む。魚肉または畜肉の非加熱加工品としては、上記様々な形態の魚肉または畜肉と油脂、調味料および/または他の食材を混合したものが例示される。半加熱加工品としては、魚肉または畜肉、もしくはこれらの非加熱加工品を乾燥させたもの、あぶる、蒸す、ゆがくなどで表面のみに加熱を施したものが例示される。具体的な魚肉の非加熱加工品または半加熱加工品としてはネギトロ、なめろう、干物、たたき、湯引き、すり身が例示される。畜肉の非加熱加工品または半加熱加工品としては、タルタルステーキ、ユッケ、ジャーキー、ローストビーフ、生ハムが例示される。その中でも、魚肉の非加熱加工品または半加熱加工品へ好適に適用され、魚肉非加熱加工品へより好適に適用される。
魚肉非加熱加工品の代表的なものとしては、ネギトロが挙げられる。ネギトロは、ミンチ状としたまぐろ生肉に油脂、例えばショートニングと調味料を混合して得られる製品である。
本発明の生肉用品質保持剤が任意の方法で適用された生肉または生肉加工品は、そのままで提供されても、あらたに調理および/または調味されて提供されてもよい。そのまま、あるいは調理および/または調味された生肉または生肉加工品を冷凍して、冷凍食品として提供されてもよい。
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1~6および比較例1~10
生肉用品質保持剤の調製
表1~2に示す組成物を調製した。尚、各製剤の調製に用いた材料は、以下のものを使用した。
・無水酢酸ナトリウム(三菱ケミカル株式会社製)
・炭酸水素ナトリウム(旭硝子株式会社製)
・炭酸カリウム(旭硝子株式会社製)
・クエン酸三ナトリウム(磐田化学工業株式会社製)
・ショ糖パルミチン酸エステル(リョートー(登録商標)シュガーエステルP-1670、三菱ケミカル株式会社製、HLB値=約16)
・グリセリンモノラウレート(ポエム(登録商標)M300P、理研ビタミン株式会社製、HLB値=約5.4)
・炭酸マグネシウム(協和化学工業株式会社製)
・炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製)
・クエン酸(昭和化工株式会社製)
・無水L-アスコルビン酸ナトリウム(維生薬業有限公司製)
・エリソルビン酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製)
・グリシン(昭和電工株式会社製)
・ビタミンE製剤(ドライEミックス(登録商標)F-20、理研ビタミン株式会社製、ミックストコフェロール30%含有)
・プルラン(株式会社林原製)
・デキストリン(松谷化学工業株式会社製)
ネギトロの保存試験
冷凍マグロ赤身ブロックを40℃の4%食塩水で1分間解凍した後、冷蔵庫で30分間保管した。サイコロ状に切ったマグロ赤身237.25g、食塩0.25g、表1~3に示す製剤2.5gをフードプロセッサー入れ、粗いミンチ状になるまで撹拌した。次いでショートニング12.5gを加えてミンチ状になるまで撹拌してネギトロを得た。得られたネギトロを滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れ、密封した後、-80℃で2日間保管した。ポリ袋のまま氷水で解凍後、10gを滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れて密封し、サンプルとした。サンプルは15℃の恒温器内で3日間保存し、保存後サンプルの一般細菌数を測定し、下記静菌効果評価基準により評価した。結果を表1~3に示す。
[静菌効果評価基準:一般細菌数]
○:一般細菌数<10(CFU/g)
×:10≦一般細菌数(CFU/g)
ネギトロの変色抑制試験
上記保存試験で用いた保存後サンプルの色調変化を目視で観察し、下記変色抑制効果評価基準(目視)により評価した。また、測色色差計ZE6000(日本電色工業株式会社製)を用いて、製造直後と保存後のネギトロの明度L値、色相a値(緑色⇔赤色)、色相b値(青色⇔黄色)を測定した。製造直後の値をp、保存後の値をqの添え字で示すとき、下式により総合的な色の差であるΔE値を算出した。ΔE値は製造直後と保存後のL値、a値、b値の数値の差を表し、ΔE値の数値が小さいほど、製造直後からの変化が少なく、変色抑制効果が高いことを示す。ΔE値の数値に基づき、下記色差評価基準(ΔE値)により評価した。結果を表1~3に示す。
ΔE=[(Lq-Lp)+(aq-ap)+(bq-bp)1/2
[変色抑制効果評価基準(目視)]
○:保存前サンプルと比べて同等、または僅かに異なる色調
×:保存前サンプルと比べて大きく異なる色調
[色差評価基準(ΔE値)]
◎:4.4以下
〇:4.5~5.4
△:5.5~6.4
×:6.5以上
ネギトロの官能試験
上記保存試験で製造したサンプル(保存前)の味質を製剤無添加のネギトロを対照として、下記評価基準により評価した。
[味質評価基準]
○:対照と同等の味質
×:対照に比べ、塩味、またはえぐみが強い
本発明の生肉用品質保持剤を添加したネギトロは、製剤無添加のネギトロと同等の味質を維持しつつ、保存性に優れ、保存後の変色も抑制されていた。
Figure 2024002582000001
Figure 2024002582000002
Figure 2024002582000003

Claims (13)

  1. 酢酸塩、アスコルビン酸類、マグネシウム含有化合物、重炭酸塩およびショ糖脂肪酸エステルを含有する生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  2. 酢酸塩が、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  3. アスコルビン酸類が、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸カリウム、L-アスコルビン酸アンモニウム、L-アスコルビン酸モノエタノールアミン、L-アスコルビン酸ジエタノールアミン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カルシウム、エリソルビン酸カリウム、エリソルビン酸アンモニウム、エリソルビン酸モノエタノールアミン、エリソルビン酸ジエタノールアミンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  4. マグネシウム含有化合物が、炭酸マグネシウム、リン酸三マグネシウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  5. 重炭酸塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  6. ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖パルミチン酸エステルである、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  7. 酢酸塩100重量部に対して、アスコルビン酸類2.5~8重量部、マグネシウム含有化合物5~15重量部、重炭酸塩45~95重量部、ショ糖脂肪酸エステル2~20重量部を含有する、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  8. さらに、pH調整剤を含有する、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  9. pH調整剤がクエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、フィチン酸、プロピオン酸、酪酸、リン酸、次亜リン酸および亜リン酸、又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上である、請求項8に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  10. 1重量%水溶液を調製した際のpHが8.5~9.5である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  11. 魚肉または魚肉加工品用である、請求項1に記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載の生肉または生肉加工品用品質保持剤を生肉または生肉加工品へ適用することを特徴とする、生肉または生肉加工品の品質保持方法。
  13. 生肉または生肉加工品用品質保持剤を生肉加工品の原材料と混合することを特徴とする、請求項12記載の方法。
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