JP2001112411A - ボイル野菜用日持向上剤 - Google Patents

ボイル野菜用日持向上剤

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JP2001112411A
JP2001112411A JP29159299A JP29159299A JP2001112411A JP 2001112411 A JP2001112411 A JP 2001112411A JP 29159299 A JP29159299 A JP 29159299A JP 29159299 A JP29159299 A JP 29159299A JP 2001112411 A JP2001112411 A JP 2001112411A
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boiled
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vegetables
boiling
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Hideya Kamioka
秀也 上岡
Hiromi Iwasaki
裕美 岩崎
Haruhiko Okuno
晴彦 奥野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイル野菜の日持向上剤、およびボイル野菜
の日持を向上させる方法を提供すること。 【解決手段】 乳酸カルシウムと所定の物質を所定の比
率で混合して日持向上剤を製造する。乳酸カルシウムと
所定の物質を所定の濃度で含有するボイル液でボイルし
た野菜、あるいは、乳酸カルシウムと所定の物質を所定
の濃度で含有する浸漬液に浸漬した後ボイルした野菜
は、食感の低下が少なく、褪色の程度も少ない。また、
保存性も改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイル野菜用日持
向上剤に関する。さらに詳しくは、乳酸カルシウムと特
定の物質とを組合せることにより、野菜の味覚を損なう
ことがなく、ボイルした野菜の軟化、煮崩れ、変色など
が起こらず、かつ保存性にも優れたボイル野菜日持向上
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】食生活の変化および流通方法の進展に伴
い、ボイルした野菜を商品として流通させることが一般
的になってきた。しかし、野菜をボイルすることによ
り、野菜の軟化、煮崩れ、変色、保存性の低下などの問
題が生じるので、これを解決するために種々の検討がな
されている。例えば、特開昭54−107542号公報
には、野菜を水、希酸性水、糖液中で予備加熱すること
により、野菜の軟化、煮崩れを防止する方法が記載され
ている。しかし、この方法では、45〜75℃で10分
〜3時間という高温、長時間の予備加熱が必要とされる
ため、処理に時間を要するとともに、野菜の変色が問題
となる。
【0003】他方で、カルシウムが野菜組織を強化する
ことが知られており(日本食品工業会誌 25巻、21
3頁(1978))、カルシウムで食品の煮崩れを防止
する研究がなされている。例えば、特開昭60−237
957号公報には、カルシウム塩溶液中で野菜類を0〜
15℃で5時間以上浸漬した後、40〜70℃で10分
〜3時間処理する方法が記載されている。しかし、この
方法も高温、長時間の予備加熱が必要とされるため、前
記と同様、処理に時間を要するとともに、野菜の変色が
問題となる。さらに、特開平3−285651号公報に
は、野菜の煮崩れ防止のため、50〜75℃のカルシウ
ム塩を含む水溶液中で1分から15分減圧処理をするこ
とが記載されている。しかし、この方法は、減圧処理を
経るため、コストが高くなり、実用的ではない。
【0004】また、特開平8−140570号公報に
は、野菜を90℃以上の高温で2〜5分処理した後、中
心温度が55〜75℃となるようにカルシウム溶液で1
〜90分処理する方法が記載されている。しかし、この
方法も処理に長時間要する上、野菜が変色するので、緑
色野菜などには適用されにくいという欠点がある。
【0005】さらに、上記いずれの方法においても、保
存性が改良されないため、冷凍などの処理が必要となる
という問題もある。
【0006】また、変色(褪色)防止のために、アスコ
ルビン酸が使用されるが、カルシウム塩と同時に使用す
ると野菜のシャッキリ感が低下するうえ、保存性は向上
しない。また、保存剤として有機酸を使用すると、野菜
のシャッキリ感が低下し、食感の問題が生じる。
【0007】そこで、簡単な方法で、野菜の軟化、煮崩
れ、変色が起こらない野菜のボイル方法、さらには、上
記特徴の他に、保存性にも優れた野菜のボイル方法、お
よびそのために用いられるボイル野菜日持向上剤が望ま
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決すべく行われたものであり、その目的とするところ
は、野菜の味覚を損なうことがなく、ボイルした野菜の
軟化、煮崩れ、変色などが起こらないボイル野菜日持向
上剤、そして、さらには保存性にも優れたボイル野菜日
持向上剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルシウム塩
と、クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウム、乳酸
ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナ
トリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナトリ
ウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸モノグリ
セリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチームおよ
び孟宗竹抽出物からなる群から選択される1種または2
種以上の物質とを含有するボイル野菜日持向上剤に関す
る。
【0010】好ましい実施態様においては、前記ボイル
野菜日持向上剤には、乳酸カルシウムと前記群から選択
される各物質とが重量比1:10〜50:1で混合され
ている。
【0011】本発明はまた、カルシウム塩0.1〜1.
0重量%と、クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウ
ム、乳酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リ
ンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸
1ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸
モノグリセリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチ
ームおよび孟宗竹抽出物からなる群から選択される物質
であって、その1種または2種以上をそれぞれ0.02
〜1.0重量%含有する、ボイル野菜日持向上液に関す
る。
【0012】本発明は、さらに、このボイル野菜日持向
上液を用いて野菜をボイルする工程を含む、ボイル野菜
の日持を向上させる方法に関する。
【0013】本発明は、また、カルシウム塩1〜10重
量%と、クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウム、
乳酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リンゴ
酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸モノ
グリセリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチーム
および孟宗竹抽出物からなる群から選択される物質であ
って、その1種または2種以上をそれぞれ0.2〜10
重量%含有する、ボイル野菜日持向上液に関する。
【0014】さらに、本発明は、ボイル野菜日持向上液
にボイルした野菜を浸漬する工程を含む、ボイル野菜の
日持を向上させる方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のボイル野菜日持向上剤
は、カルシウム塩を必須成分とし、これに、クエン酸3
ナトリウム、クエン酸1カリウム、乳酸ナトリウム、フ
マル酸1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL
−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナトリウム、酢酸ナト
リウム、グリシン、低級脂肪酸モノグリセリド、ε−ポ
リリジン、プロタミン、リゾチームおよび孟宗竹抽出物
からなる群から選択される1種または2種以上の物質が
添加されている。
【0016】カルシウム塩としては、有機酸とカルシウ
ムとの塩(例えば、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムな
ど)、および無機酸とカルシウムとの塩(例えば、硫酸
カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムなど)の
いずれもが使用される。なかでも、乳酸カルシウムが、
溶解性に優れる、味覚に変化を与えないなどの点から、
最も好ましい。
【0017】カルシウム塩と前記物質を1または2以上
組合せることにより、短時間の処理で、野菜の煮崩れ、
褪色を防止し、かつ、保存性も向上させることができる
ボイル野菜日持向上剤が提供される。
【0018】カルシウム塩と前記群から選択される各物
質とは、重量比1:10〜50:1で混合されているこ
とが好ましい。より好ましくは、1:2〜15:1であ
り、さら好ましくは、1:2〜10:1である。このよ
うな混合比で混合されたボイル野菜日持向上剤は、適切
な濃度となるように希釈して、野菜のボイルに使用する
か、ボイルした野菜の浸漬に使用する。
【0019】本発明のボイル野菜日持向上液は、野菜の
ボイルに使用する場合と、ボイルした野菜を浸漬する場
合とでは、含有する成分の濃度は同じでもよく、異なっ
てもよい。一般的には、野菜のボイルに使用する場合の
濃度は、浸漬する場合の濃度より低いことが好ましく、
1/5から1/20程度がより好ましく、1/10程度
がさらに好ましい。
【0020】まず、本発明のボイル野菜日持向上液で野
菜をボイル処理する場合について説明する。ボイル処理
に使用するボイル野菜日持向上液を、以下、ボイル液と
いう。ボイル液中のカルシウム塩の濃度は0.1〜1.
0重量%が好ましく、0.3重量%〜0.7重量%がよ
り好ましく、0.3〜0.5重量%がさらに好ましい。
【0021】クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウ
ム、乳酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リ
ンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸
1ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸
モノグリセリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチ
ーム、および孟宗竹抽出物は、それぞれ0.02〜1.
0重量%含有される。好ましくは、0.05〜0.5重
量%含有される。
【0022】野菜のボイルは、できるだけ短時間で行
い、沸騰したボイル液中に野菜を投入し、再沸騰させ
る。再沸騰開始後、1分間、好ましくは30秒間、処理
する。処理後、流水で冷却し、水切りして、保存、運送
される。保存、運搬の温度は、特に制限がないが、低温
が好ましい。この処理により、野菜の煮崩れ、褪色が防
止され、保存性も向上する。
【0023】次に、本発明のボイル野菜日持向上液で野
菜を浸漬処理した後、ボイルする場合について説明す
る。浸漬処理に使用するボイル野菜日持向上液を、以
下、浸漬液という。浸漬液中のカルシウム塩の濃度は1
〜10重量%が好ましく、3重量%〜7重量%がより好
ましく、3〜5重量%がさらに好ましい。
【0024】クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウ
ム、乳酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リ
ンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸
1ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸
モノグリセリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチ
ーム、および孟宗竹抽出物は、それぞれ0.2〜10重
量%含有される。好ましくは、0.5〜5重量%含有さ
れる。
【0025】上記成分を含有する浸漬液に、野菜を浸漬
する。浸漬は、好ましくは5〜25℃、より好ましくは
10〜20℃で、10分〜60分、好ましくは20分〜
30分間行う。浸漬後、野菜を取り出し、沸騰水に移し
てボイルする。野菜のボイルは、できるだけ短時間で行
う。再沸騰開始後、1分間、好ましくは30秒間、処理
する。処理後、流水で冷却し、水切りして、保存、運送
される。保存、運搬の温度は、特に制限がないが、低温
が好ましい。この処理により、野菜の煮崩れ、褪色が防
止され、保存性も向上する。
【0026】上記ボイル液または浸漬液は、前記のボイ
ル野菜向上剤をそのまま溶解して用いてもよいし、所定
の濃度になるように、それぞれ別途加えて調製してもよ
い。
【0027】本発明に用いられる野菜としては、ボイル
して調理する野菜であれば、特に制限がない。例えば、
ホウレンソウ、ミズナ、ブロッコリー、カリフラワー、
カボチャ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、
サツマイモなどが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこの実施例に限定されない。
【0029】(実施例1〜14、比較例1〜11)ホウ
レンソウをボイル液で沸騰処理する方法について検討し
た。乳酸カルシウムと表1に記載の物質とを、表1に記
載の濃度となるように水に溶解してボイル液を調製し
た。冷凍したホウレンソウを自然解凍し、沸騰したボイ
ル液に投入した。再沸騰後、30秒間熱処理し、ホウレ
ンソウを取り出して流水で冷却し、水切りを行い、10
℃で保存した。比較例として、表2に記載の物質を表2
に記載の濃度となるように水に溶解し、実施例と同様に
処理した。無処理は、乳酸カルシウムなどの物質を含ま
ない水を用いて、同様に処理したことを示す。実施例お
よび比較例の処理液で処理した野菜について、食感、外
観、および保存性を検討した。
【0030】食感は、無処理の場合の食感を5として、
しっかりするほど大きい数値(6以上)で、柔らかくな
るほど小さい数値(4以下)で表した。外観は、ボイル
直後の色を10とし、48時間後の色調を表示した。褪
色が進む程、数値は小さくなる。保存性は、10℃で保
存したホウレンソウ1g当たりの生菌数で表した。実施
例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】乳酸カルシウムのみ、あるいは、乳酸カル
シウムを含まない場合(表2)と比較して、表1の物質
を乳酸カルシウムと組合せた場合、いずれも、シャッキ
リ感があり、軟化、煮崩れもしていないので、食感はあ
まり低下せず、褪色の度合いも小さく、本発明の効果が
得られていることがわかる。
【0034】乳酸カルシウムと有機酸金属塩とを組み合
わせて用いた実施例1〜6、13および14は、それぞ
れ単独で用いた場合と比べて、シャッキリ感があり、軟
化、煮崩れもしていないので、食感も低下せず、また、
褪色の程度も少なかった。相互作用により、食感の低
下、褪色の進行が抑制されたものと考えられる。保存性
は若干の改善が見られた。
【0035】乳酸カルシウムと保存剤として知られてい
る酢酸ナトリウム、ε−ポリリジン、リゾチームとを組
合せた場合(実施例7〜9)も、それぞれ単独で用いた
場合と比べてシャッキリ感があり、軟化、煮崩れもして
いないので食感も低下せず、褪色の程度も少なかった。
この場合も、相互作用により、食感の低下、褪色の進行
が抑制されたものと考えられる。保存性はほとんど変わ
らなかった。
【0036】乳酸カルシウムと有機酸金属塩と保存剤と
の3種類の物質を併用した実施例10〜12は、それぞ
れを単独で用いた場合と比べてシャッキリ感があり、軟
化、煮崩れもしていないので食感も低下せず、褪色の程
度も少なかった。改善の度合いは、乳酸カルシウムと有
機酸金属塩を組合せた場合、あるいは乳酸カルシウムと
保存剤とを組合せた場合よりも大きく、これらの物質の
相剰作用により、食感の低下、褪色の進行が抑制された
ものと考えられる。さらに、保存性も大幅に改善され
た。従って、この3種の組み合わせが最も効果が高かっ
た。
【0037】(実施例15〜28、比較例12〜22)
ホウレンソウを浸漬液で浸漬し、ついで沸騰処理する方
法について検討した。乳酸カルシウムと表3に記載の物
質とを、表3に記載の濃度となるように水に溶解して浸
漬液を調製した。冷凍したホウレンソウを自然解凍し、
15℃の浸漬液に30分間浸漬した。浸漬後、ホウレン
ソウを取り出し、沸騰水に投入した。再沸騰後、30秒
間熱処理し、ホウレンソウを取り出して流水で冷却し、
水切りを行い、10℃で保存した。比較例として、表4
に記載の物質を表4に記載の濃度となるように水に溶解
し、実施例と同様に処理した。無処理は、乳酸カルシウ
ムなどの物質を含まない水を用いて、同様に処理したこ
とを示す。実施例および比較例の処理液で処理した野菜
について、食感、外観、および保存性を、実施例1〜1
4と同様に評価した。結果を表3および表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】表3および4の結果は、浸漬液に浸漬後ボ
イルした場合と、ボイル液でボイルした場合とが、ほと
んど同じ傾向を示したことを示している。
【0041】乳酸カルシウムのみ、あるいは、乳酸カル
シウムを含まない場合(表4)と比較して、表3の物質
を乳酸カルシウムと組合せた場合、いずれも、シャッキ
リ感があり、軟化、煮崩れもしていないので食感はあま
り低下せず、褪色の度合いも小さく、本発明の効果が得
られていることがわかる。
【0042】乳酸カルシウムと有機酸金属塩とを組み合
わせて用いた実施例15〜20、27および28は、そ
れぞれ単独で用いた場合と比べて、シャッキリ感があ
り、軟化、煮崩れもしていないので食感も低下せず、褪
色の程度も少なかった。相互作用により、食感の低下、
褪色の進行が抑制されたものと考えられる。保存性は若
干の改善が見られた。
【0043】乳酸カルシウムと酢酸ナトリウム、ε−ポ
リリジン、リゾチームを組合せた場合(実施例21〜2
3)も、それぞれ単独で用いた場合と比べて、シャッキ
リ感があり、軟化、煮崩れもしていないので食感も低下
せず、褪色の程度も少なかった。この場合も、相互作用
により、食感の低下、褪色の進行が抑制されたものと考
えられる。保存性はほとんど変わらなかった。
【0044】乳酸カルシウムと有機酸金属塩と保存剤と
の3種類の物質を併用した実施例24〜26は、それぞ
れを単独で用いた場合と比べて、シャッキリ感があり、
軟化、煮崩れもしていないので食感も低下せず、褪色の
程度も少なかった。改善の度合いは、乳酸カルシウムと
有機酸金属塩を組合せた場合、あるいは乳酸カルシウム
と保存剤とを組合せた場合よりも大きく、これらの物質
の相剰作用により、食感の低下、褪色の進行が抑制され
たものと考えられる。さらに、保存性も大幅に改善され
た。従って、この3種の組み合わせが最も効果が高かっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の、乳酸カルシウムと所定の物質
を所定の濃度で含有するボイル液でボイルした野菜、あ
るいは、乳酸カルシウムと所定の物質を所定の濃度で含
有する浸漬液に浸漬した後ボイルした野菜は、それぞれ
を単独で用いた場合に比べ、食感の低下が少なく、褪色
の程度も少なかった。また、保存性の改善も認められ
た。本発明により、乳酸カルシウムと所定の物質を所定
の比率で含有するボイル野菜の日持向上剤が提供され
る。また、このボイル野菜の日持向上剤を適切な濃度に
溶解するか、乳酸カルシウムと所定の物質とを所定の濃
度で含有するボイル液あるいは浸漬液を用いて、ボイル
野菜の日持を向上させる方法が提供される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム塩と、クエン酸3ナトリウ
    ム、クエン酸1カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸1
    ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸
    ナトリウム、コハク酸1ナトリウム、酢酸ナトリウム、
    グリシン、低級脂肪酸モノグリセリド、ε−ポリリジ
    ン、プロタミン、リゾチームおよび孟宗竹抽出物からな
    る群から選択される1種または2種以上の物質と、を含
    有するボイル野菜日持向上剤。
  2. 【請求項2】 前記カルシウム塩と前記群から選択され
    る各物質とが重量比1:10〜50:1で混合されてい
    る、請求項1に記載のボイル野菜日持向上剤。
  3. 【請求項3】 カルシウム塩0.1〜1.0重量%と、
    クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウム、乳酸ナト
    リウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリ
    ウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナトリウ
    ム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸モノグリセ
    リド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチームおよび
    孟宗竹抽出物からなる群から選択される物質であって、
    その1種または2種以上をそれぞれ0.02〜1.0重
    量%含有する、ボイル野菜日持向上液。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のボイル野菜日持向上液
    を用いて野菜をボイルする工程を含む、ボイル野菜の日
    持を向上させる方法。
  5. 【請求項5】 カルシウム塩1〜10重量%と、クエン
    酸3ナトリウム、クエン酸1カリウム、乳酸ナトリウ
    ム、フマル酸1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウ
    ム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナトリウム、
    酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸モノグリセリ
    ド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチームおよび孟
    宗竹抽出物からなる群から選択される物質であって、そ
    の1種または2種以上をそれぞれ0.2〜10重量%含
    有する、ボイル野菜日持向上液。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のボイル野菜日持向上液
    にボイルした野菜を浸漬する工程を含む、ボイル野菜の
    日持を向上させる方法。
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