JP2010015904A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗を維持しつつ高い耐久性を有する二次電池用正極およびこれを用いた非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質と導電剤と結着剤とを含む二次電池用正極およびこれを用いた非水電解質二次電池に関する。そして、前記結着剤の量が前記正極活物質100質量部に対して10質量部以下であり、電極の空隙率が30%以上50%以下であり、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は二次電池用正極およびこれを用いた非水電解液二次電池に関する。更に詳細には従来の二次電池では実現が困難であった高出力特性と耐久性とを共に発現させ得る二次電池用正極およびこれを用いた非水電解液二次電池に関する。
近年、自動車用の二次電池においてはより高出力の特性が求められており、急速に開発が進められている。これまでに、二次電池を高出力化する手法として、BET比表面積が3m/g以上のスピネル構造マンガン酸化物を正極に使用することや、比表面積が4m/g以上である電極を使用することなどが提案されている。
また、単に活物質の比表面積を大きくするだけではなく、電極構成材料の粒子サイズを極めて小さくすることにより、サイクル特性および出力特性を向上させた高出力電池が得られることも提案されている。
かかる技術で採用する電極構成材料の粒子サイズ、特に正極活物質の平均粒子径の下限は多くの場合5μm以上であった。この理由として、分散性といったプロセス面での課題のみならず、活物質の小粒子化に伴って結着剤などの活物質以外の固形分の含有量が増加し、単位質量あたりの活物質量、すなわち容量密度が減少してしまうということが主な背景にあると考えられる。
しかし、自動車や電動工具などの用途においては容量密度を多少犠牲にしても高出力を適用する必要性がある。例えば、特許文献1では電極構成材料の活物質の粒子径を5μ以下に小さくし電極の構造を制御することで、出力密度を有意に向上することが確認されている。
さらに、電極構成材料である活物質の粒子径を極めて小さくした場合、比表面積が大きくなるため、粒子間をつなぐ導電パスを形成し、その効果を十分引き出すために多量の導電剤が必要となることが確認されている。
特開2002−151055号公報
しかし、出力を高めるための電極の低抵抗化にとって粒子径の小さい活物質を利用するだけでは不十分であり、粒子径の小さい活物質の利用によって発揮される特性を引き出す適切な導電パスの形成が必要である。
同一導電剤量においても電極密度により形成される導電パスは異なる場合がある。電極の密度が低下すると電極構成要素である活物質や導電剤といった構成材料間の距離が空き、導電パスが分断されて短いものが多くなり、使用期間の増加に伴い次第に抵抗が上昇する要因となりうる。一方、電極密度が高すぎると電極を構成する固形分の充填、空隙の減少による拡散の阻害が生じるため抵抗が高くなる。このように、電極密度も電極の抵抗に影響を与える要素の一つであり、高出力化のためには導電剤量の調整だけでなく電極密度の最適化が必要となる。
他にも抵抗に影響を与える要素がある。その一つに二次電池に使用される結着剤は活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持するという重要な役割を担うが、そのほとんどが絶縁物質であるため結着剤量が増加するほど電極体積あたりの抵抗が増加するという点がある。上記のような高出力化のための活物質の小粒子径化や必要に応じた導電剤量の増加は、電極内において結着剤の増量を不可避的に伴うため、電極全体の抵抗が増加するという問題を生じうる。
一方、極めて少ない量の結着剤で電極を作製した場合、電極構造の保持能力は極めて弱く、電解液の含浸や充放電に伴う活物質の膨張収縮などによる電極層の剥離が容易に発生する。電極層の剥離が生じると、電子の流れを切断することになり、電気抵抗が増加しやすい状況となる。このような電極は、長期間にわたって抵抗の増加を抑制しかつ高い入出力特性を発現させる必要がある電池の用途、例えば自動車用電池用途において要求される耐久性を満足しないという問題が生じうる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は活物質の小粒子径化による高出力化の効果を最大限引き出しつつ、抵抗上昇率が抑制された高い耐久性を有する二次電池用正極およびこれを用いた非水電解液二次電池を提供することにある。また、さらなる目的はこれにより高出力を保持する機能を保有した自動車用二次電池を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、二次電池用正極の活物質として小さい粒子を用いる際に電極層内の結着性および電極密度を改善することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の二次電池用正極は正極活物質と導電剤と結着剤とを含む。そして、本発明の二次電池用正極は、前記結着剤の量が前記正極活物質100質量部に対して10質量部以下であり、電極の空隙率が30%以上50%以下であり、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下である。
本発明によれば、高出力特性と耐久性を兼ね備えた非水電解液二次電池が得られる。その結果、高出力で耐久性に優れた自動車用二次電池が得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(正極の構成)
本発明の代表的な一実施形態は正極活物質と導電剤と結着剤とを含む二次電池用正極に関する。そして、本発明の二次電池用正極は、前記結着剤の量が前記正極活物質100質量部に対して10質量部以下であり、電極の空隙率が30%以上50%以下であり、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下である。かような形態によれば、電極内の抵抗が低減され、高出力特性を有し、優れた耐久性を有する二次電池用正極を得ることができる。
図1は、本発明の二次電池用正極を表す模式図である。電極層2には、正極活物質3、導電剤4、結着剤5、および空隙6が含まれる。そして、電極層2は集電体1の上に形成されている。
上述のように、本発明の二次電池用正極は、電極構成材料として活物質と導電剤と結着剤を含む。以下、本発明の二次電池用正極について詳細に説明する。
[空隙率]
本発明の二次電池用正極は、電極の空隙率が30%以上50%以下、好ましくは30%以上45%以下であることを特徴とする。本発明において「空隙率」とは電極層の体積に対する、電極層内部に存在する空隙部(細孔)の総体積の割合を意味する。空隙率の算出方法は特に制限されないが、例えば、電極層の電極密度および電極層を構成する構成材料の真密度から下記式を用いて算出することができる。ここで、「電極密度」とは電極層内の細孔を考慮した密度をいい、電極層と集電体からなる電極のうち、電極層の固形分の平均的な充填度合い、すなわち電極層内の固形分の平均密度をいう。また、「真密度」とは電極層を構成する固形分の、細孔を考慮しない理論密度をいう。
Figure 2010015904
電極密度は、例えば電極および集電体について質量および厚さを測定し、測定した質量および厚さの値から下記関係式を用いて算出することができる。
Figure 2010015904
正極活物質、導電剤、および結着剤の配合比がx:y:zである場合に、正極活物質、導電剤、および結着剤からなる固形分の真密度は下記式により求めることができる。
Figure 2010015904
また、水銀圧入法による細孔分布測定などにより電極層内部に存在する空隙(細孔)の体積を測定し、電極層の体積に対する割合として空隙率を求めてもよい。水銀圧入法とは、どれくらいの圧力をかけたときに、どれくらいの大きさの孔に水銀が入っていくかを、理論的に計算する方法である。かける圧力を連続的に増加させながら、水銀液面の表面の変化(つまり細孔への水銀侵入量)を検出することにより、試料表面の細孔の大きさとその体積を測定することができる。
Figure 2010015904
なお、測定に用いられる装置については特に制限されないが、0.01mg程度の測定能を有する精密天秤および数μm程度、よりこの好ましくは0.1μm程度の測定能を有する膜厚計を用いることが好ましい。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池の充放電は、活物質のリチウムイオンが電極層内の空隙部を満たした電解質中に出入りし、同時に電子が導電剤を通して移動することによってなされる。このため、電極の抵抗は電解質に満たされた空隙内部および活物質界面におけるリチウムイオンの移動性ならびに活物質と導電剤の界面における電子の移動性が大きく影響すると考えられる。一般に、電子の移動速度よりもイオンの移動速度のほうが遅いため、リチウムイオン二次電池の充放電においては、リチウムイオンの拡散性の制御が低抵抗化にとって重要である。このため、活物質の比表面積を大きくし、そしてリチウムイオンの拡散に十分な空隙領域を確保することでリチウムイオンの輸送を良好なものとでき、電極全体の抵抗を抑制することができる。一方で、十分なリチウムイオンの拡散領域を確保しても、電子の伝導パスが弱い場合には活物質本来の性能を十分に引き出すことができず、電極の抵抗が上昇する要因となる。
本発明では上記範囲の空隙率を採用することによって、リチウムイオンが拡散する空隙領域を十分に広く確保し、固形分によるリチウムイオンの拡散の阻害を軽減することが可能となるため、抵抗上昇率を抑制することができる。空隙率が50%を超えるとエネルギー密度が低下するとともに、導電パスが弱まり、使用期間の増加に伴い次第に抵抗が上昇するため好ましくない。また、空隙率が30%未満である場合には固形分の充填によるリチウムイオンの拡散の阻害が生じ、抵抗が上昇するため好ましくない。
[細孔径]
本発明の二次電池正極は、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下、好ましくは0.1μm以上0.25μm以下であることを特徴とする。本発明において「細孔径」とは電極構造内部に存在する空隙部(細孔)の細孔直径の平均値をいう。細孔径の測定方法は特に制限されないが、例えば水銀圧入法による細孔分布測定によって求まる。
電極層において、活物質等が結着剤によって結着された固形分以外の空隙部分は細孔状となっていると考えられ、電解質の満たされたこれらの細孔部をリチウムイオンが拡散する。このリチウムイオンの拡散が充放電反応を担うため、リチウムイオンの拡散に適切な大きさの細孔径を確保することによって、電極全体の抵抗を抑制することが可能となる。
本発明では上記範囲の細孔径を有する電極を用いることで、空隙部への電解質の含浸が良好なものとなり、リチウムイオンの拡散が良好となって電極の抵抗を抑制することができるため好ましい。細孔径が0.30μmを超えると導電パスが弱まり、抵抗上昇を招くおそれがある。また、細孔径が0.09μm未満である場合にはリチウムイオンが拡散する空隙領域が狭いため、リチウムイオンの拡散の阻害が生じやすい。
このように、本発明の二次電池正極は空隙率および細孔径を制御することによって、強固な導電パスの確保とリチウムイオンの拡散の阻害の軽減を実現し、抵抗上昇率の抑制を可能とするものである。
[正極活物質]
本発明の二次電池用正極に用いられる正極活物質は、平均粒子径が0.1〜10μmのものを用いることが好ましく、0.5〜7μmのものを用いることがより好ましく、1〜5μmのものを用いることが特に好ましい。かかる範囲の平均粒子径を有する活物質を用いることにより、電極の反応抵抗の低下と電池の容量密度の増大が図れ、高出力の電極を作製することができる。なお、本発明において、平均粒子径は、レーザー回折散乱法を用いて得られたD50値(メディアン径)を採用するものとする。
上記正極活物質は、以下に制限されることはないが、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガンニッケルコバルト酸リチウムおよびオリビン型燐酸鉄からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。これらを用いると、平均粒子径を上記範囲に容易に調整することが可能である。
[正極側の結着剤]
本発明の二次電池用正極において、結着剤の量は上述した正極活物質100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましく、4〜8質量部であることが特に好ましい。また、上記の結着剤の量は、導電剤100質量部に対して90質量部以下であることが好ましく、40〜90質量部であることがより好ましく、50〜80質量部であることが特に好ましい。結着剤の量が正極活物質100質量部に対して10質量部を超えると、電極全体の抵抗が上昇する場合がある。結着剤の量を上記範囲とすることで、粒子径の変化に伴い変動しうる結着剤量を常に少量に抑制し、結着剤による電極内の空隙の充填および活物質および導電剤等の固形分の被覆を抑制することが可能となる。
本発明の結着剤は、フッ素系樹脂を主成分として含むことが好ましい。かかる場合に、耐薬品性(耐電解液性)を良好に維持できるという優れた効果がある。ここで言う「主成分」とは、前記結着剤の成分の中で最も配合比の高い成分を意味する。フッ素系樹脂の含有量は本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されないが、前記結着剤中に20質量%以上含まれることが好ましく、50質量%以上含まれることがより好ましく、80質量%以上含まれることが特に好ましい。
上記のフッ素樹脂としては、以下に制限されることはないが、例えばフッ化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフロロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、およびこれらの少なくとも一種を主成分とする共重合体、ならびにビニリデンフルオロライド系フッ素ゴム、プロピレン/テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム、およびテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル系フッ素ゴムなどのフッ素ゴムなどが挙げられる。
中でも好ましくはフッ化ビニリデン系樹脂であり、より好ましくは極性を有する官能基を含有するフッ化ビニリデン系樹脂である。フッ化ビニリデン系樹脂を結着剤として用いることにより、活物質を細粒化しても均一分散が可能であり、製造の際にはスラリーを容易に調製できるという利点がある。さらに、上記結着剤は活物質および導電剤の被覆防止の観点から繊維状であることが好ましい。
フッ化ビニリデン系樹脂に含有される官能基としては以下に限定されることはないが、例えば既知のカルボキシル基、エポキシ基、水酸基等の極性基を用いることができる。かかる極性基を含有するフッ素樹脂は、すなわちフッ素樹脂の変性品(以下、「変性処理したフッ素系樹脂」とも称する)であり、かかる極性基を有しない「未変性品」に比して一層結着性を向上させることができる。なお、本明細書において、上述の「変性処理」とは、ポリマーに対して極性を有する官能基を導入することを意味する。
また、結着剤として上記の未変性のフッ素系樹脂または変性処理したフッ素系樹脂を単独で用いても、両方を含有してもよい。
上記変性処理の方法として、フッ化ビニリデン樹脂の変性方法については特定の方法に限定されるものではない。例えば、(a)フッ化ビニリデン系単量体と官能基を有する単量体とを共重合させる方法;(b)フッ化ビニリデン系樹脂を溶解または膨潤する溶媒中で変性剤と反応させる方法;(c)放射線を照射してグラフト処理を行うことにより変性処理する方法などがある。中でも、(a)フッ化ビニリデン系単量体と官能基を有する単量体とを共重合させる方法によるものが好ましい。以下、上記(a)〜(c)の変性処理の方法を詳細に述べる。
(a)フッ化ビニリデン系単量体と極性基を有する単量体との共重合(特開平6−172452号公報(以下、「文献1」とも称する)に記載の方法)
本変性処理の方法で使用されるフッ化ビニリデンは、フッ化ビニリデン単独であっても、またはフッ化ビニリデンと他の単量体との混合物であってもよい。前記他の単量体の例としては、フッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体、またはエチレン、プロピレン等の炭化水素系単量体が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体の例としては、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、またはフルオロアルキルビニルエ−テルなどが挙げられる。これらフッ化ビニリデンと共重合可能な他の単量体の量は、得られる共重合体の溶剤溶解性と耐溶剤性とのバランスを考慮して、フッ化ビニリデンと他の単量体との総量の20質量%未満であることが好ましい。
上記したフッ化ビニリデンを主構成成分とする単量体(以下、「フッ化ビニリデン系単量体」とも称する)と共重合させる単量体としては、炭素数5〜8の不飽和二塩基酸のモノエステルが好ましい。具体的には、例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、またはシトラコン酸モノエチルエステルなどを挙げることができる。より好ましくは、マレイン酸モノメチルエステルまたはシトラコン酸モノメチルエステルである。
フッ化ビニリデン系単量体と、不飽和二塩基酸のモノエステル(以下、「極性単量体」とも称する)との共重合においては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などの方法が採用できる。中でも、後処理の容易さ等の点から水系の懸濁重合、または乳化重合が好ましく、水系懸濁重合がより好ましい。
前記水系懸濁重合で用いられる懸濁剤の種類と使用量、重合開始剤の種類と使用量、連鎖移動剤の種類と使用量、単量体の仕込み量、重合温度、および重合時間などの重合条件は、文献1に記載の条件を参照して、適宜採用することができる。
フッ化ビニリデン系単量体と共重合させる極性単量体(すなわち不飽和二塩基酸のモノエステル)の仕込み量は、フッ化ビニリデン系単量体100質量部に対して好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜2質量部である。0.1質量部未満では、得られる共重合体の金属等の基材との接着性等の極性基導入効果が乏しい場合がある。他方、3質量部を超えると、得られる共重合体の耐薬品性が低下する傾向がある。同様の理由により、得られるフッ化ビニリデン系共重合体は、1×10−5〜5×10−4モル/gのカルボニル基を含有することが好ましい。
(b)フッ化ビニリデン系樹脂を溶解または膨潤する溶媒中で変性剤と反応させる方法(特開平6−93025号公報(以下、「文献2」とも称する)に記載の方法)
本変性処理の方法では、フッ化ビニリデン系樹脂と変性剤とを反応させて、フッ化ビニリデン系樹脂を変性する。ここで、変性剤としては、フッ化ビニリデン系樹脂と反応しうる基および加水分解性基を有するシラン系カップリング剤およびチタネート系カップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種などを好適に用いることができる。
本変性処理に用いられるフッ化ビニリデン系樹脂としては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等により得られるフッ化ビニリデンホモポリマー、またはフッ化ビニリデンと不飽和二重結合を有するフッ化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系単量体や、エチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸等の非フッ素系単量体を挙げることができる。中でも、溶剤溶解性、耐薬品性の観点から、フッ化ビニリデンホモポリマーまたはフッ化ビニリデンとフッ素系単量体の共重合体が好ましい。共重合体の場合、フッ化ビニリデンが得られる共重合体の80モル%以上となる量で共重合させることが好ましい。重合形式としては、特に限定されないが、高純度の樹脂が得られる点で、懸濁重合が好ましい。
本変性処理の方法で用いられるシラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤は、フッ化ビニリデン系樹脂と反応しうる基と加水分解性基とを有することが必要である。
フッ化ビニリデン系樹脂と反応しうる基(反応性基)の例としては、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、またはこれらの基を含む基がある。アミノ基、メルカプト基、またはウレイド基を含む基の例としては、例えば、β−アミノエチル基、γ−アミノプロピル基、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、またはγ−ウレイドプロピル基などが挙げられる。また、系内または大気中の水分と反応してアミノ基を生成するイソシアネート基のように、潜在的にフッ化ビニリデン系樹脂と反応し得る能力を有する、前記反応性基の前駆体基も、本変性処理の方法においては同様な効果をもたらす。
前記加水分解性基の例としては、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基などのアシルオキシ基、−ON=C(CH基、−ON=C(CH)C基のオキシモ基などが挙げられる。より好ましくはアルコキシ基である。
本変性処理の方法で使用されるシラン系カップリング剤およびチタネート系カップリング剤の好ましい具体例としては、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、もしくはN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、もしくはγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネートシラン、またはイソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどのアミノチタネートなどが挙げられる。これらは、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。より好ましくは、γ−アミノプロピルトリエトキシシランまたはγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。
本変性処理の方法は、前記フッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解または膨潤させたものに、上記カップリング剤の少なくとも1種を添加、混合することによって行われる。このとき、フッ化ビニリデン系樹脂とカップリング剤とが反応し、カップリング剤が付加的にフッ化ビニリデン系樹脂に結合する。
前記溶媒の例としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。また、フッ化ビニリデン系樹脂を膨潤させる溶媒の例としては、2−ブタノン、アセトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、またはテトラヒドロフランなどを挙げることができ、これら溶媒は単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
カップリング剤の量としては、シラン系カップリング剤中のシリコンまたはチタネート系カップリング剤中のチタンの質量がフッ化ビニリデン系樹脂の質量に対して100〜8000ppmとなるようにすることが好ましい。なお、シラン系カップリング剤とチタネート系カップリング剤とを併用する場合は両カップリング剤中のシリコンとチタンとの合計量を上記範囲内とすることが好ましい。100ppm未満では、変性後のポリマーを結着剤または接着剤等として使用した場合、基材あるいは充填剤への接着力が不十分となる場合がある。8000ppmを超えると、基材等との接着力が添加量の増大に比してほとんど増大しないか、むしろ低下する場合がある。
その他、反応温度などの反応条件は、文献2に記載の反応条件を参照して、適宜採用することができる。
(c)放射線を照射してグラフト処理を行うことにより変性処理する方法(特開2005−47275号公報(以下、「文献3」とも称する)に記載の方法)
本変性処理の方法は、下記(1)〜(4)の工程を経て行われる。
(1)フッ化ビニリデン系樹脂と不飽和モノマーとを溶融混合する。
(2)(1)で得られた混合物をフィルム、シート、顆粒または粉末の形にする。
(3)(2)の工程で得られた生成物に空気の非存在下で、光子(γ)または電子(β)を線量1〜15Mradで照射する。
(4)必要な場合には、さらに(3)で得られた生成物を処理してフッ化ビニリデン系樹脂にグラフトしていない不飽和モノマーの全部または一部を除去する。
本変性処理の方法で用いられるフッ化ビニリデン系樹脂は、上述の(b)の変性処理の方法の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
前記不飽和モノマーの具体例としては、カルボン酸とその誘導体、酸塩化物、イソシアネート、オキサゾリン、エポキシド、アミンまたはヒドロキシドなどが挙げられる。前記カルボン酸は2〜20個の炭素原子を含むものが好ましい。これらのカルボン酸の誘導体の例としては、例えば、不飽和カルボン酸の無水物、エステル誘導体、アミド誘導体、イミド誘導体および金属塩(アルカリ金属塩など)がある。
これらの中でも、好ましい不飽和モノマーは、4〜10個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸とその誘導体、またはその無水物である。具体例としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリル琥珀酸、4−シクロヘキシ−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキシ−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、x−メチルビシクロ[2,2,1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、または無水マレイン酸などが挙げられる。
また、不飽和モノマーの他の例としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イソコン酸モノメチル、イソコン酸ジエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸のモノアミド、マレイン酸のジアミド、マレイン酸のN−モノエチルアミド、マレイン酸のN,N−ジエチルアミド、マレイン酸のN−モノブチルアミド、マレイン酸のN,N−ジブチルアミド、フマル酸のモノアミド、フマル酸のジアミド、フマル酸のN−モノエチルアミド、フマル酸のN,N−ジエチルアミド、フマル酸のN−モノブチルアミド、フマル酸のN,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、またはメタクリル酸カリウムが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸がより好ましい。
前記の工程(1)〜(4)の実施条件は、文献3に記載の実施条件を参照して、適宜採用することができる。
以上のような(a)〜(c)の変性処理の方法のうち、特に、(a)フッ化ビニリデン系単量体と極性基を有する他の単量体との共重合による変性処理の方法が好ましい。
前記結着剤の重量平均分子量は、変性品の場合、35万〜100万であることが好ましく、45万〜70万であることがより好ましい。一方、未変性品の場合、50万〜100万であることが好ましく、50万〜70万であることがより好ましい。重量平均分子量が35万以上である場合には電極構造の保持に十分な剥離強度を確保できる。一方、重量平均分子量が100万以下であれば電極スラリーの粘度調整が比較的容易であり、電極の塗布を容易に行うことができる。本発明の分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)によって測定する。
このように、結着剤の重要な要素は、種類、添加量および分子量である。前記種類については、一般に、変性品の方が未変性品よりも結着性に優れる。前記添加量については、多くなるほど電池の容量密度は低下する反面、結着性が向上する。前記分子量については、一般に、分子量の大きい方が結着性に優れる。
本発明の結着剤は従来と比較して有意に少ない量で結着剤の量の増加による電極の抵抗の増加を伴うことなく、電極構造の保持および出力特性を向上することができ、さらに容量密度を高く維持することもできる。
[正極側の導電剤]
本発明の二次電池用正極に用いられる導電剤としては、黒鉛、無定形炭素および繊維状炭素からなる群より選択される少なくとも1種の炭素材料であることが好ましい。このような炭素材料を用いることにより、上述のような小さい粒子径の活物質を使用しても電極内の導電性を確保することができ、正極の低抵抗化および二次電池の高出力化が可能となる。
前記黒鉛としては、例えば燐片状や繊維状等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、前記無定形炭素としては以下に限定されることはないが、例えばカーボンブラック、より具体的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどが挙げられ、これらは天然由来のものでもよく、人造のものでもよい。前記繊維状炭素は、直径が10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。また、長さは1〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。前記繊維状炭素がかかる範囲にある場合、導電性が付与されるという効果を奏する。具体的には、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
[正極側の集電体]
本発明の二次電池用正極に用いられる集電体としては、非水電解液二次電池に使用されている各種公知の材料を用いることができる。具体的には、アルミニウム箔、ニッケル箔、鉄箔、チタン箔、ステンレス箔、もしくは銅箔などの金属箔、または前記金属箔を物理的な表面処理もしくは化学的な表面処理を行ったものが好ましく挙げられる。正極で使用するという観点から、アルミニウム箔、または物理的な表面処理もしくは化学的な表面処理を行ったアルミニウム箔がより好ましい。アルミニウム箔を用いることにより、耐食性に優れた正極を得ることができる。前記物理的な表面処理の例としては、例えば、パンチング、または凹凸を付けるために型ロールと受ロールとで加工する方法などが挙げられる。また、前記化学的な表面処理の例としては、例えば、メッキ処理、接着剤塗布、合金化、または防錆処理などが挙げられる。
前記集電体の厚さは5〜20μmであることが好ましく、10〜15μmであることがより好ましい。
以上のような集電体を用いることにより、アンカー効果による集電体と電極層とのより強固な機械的結合の形成、集電体と電極層との物理的相互作用、または結着剤を用いる際の集電体と電極層とのより強固な化学的結合の形成などを得ることができる。したがって、小粒径の正極活物質であっても良好な結着状態を示す正極を製造することができる。
本発明に用いられる集電体の製造方法としては、特に制限されることはないが、例えば圧延製箔製法などが挙げられる。
[その他]
また、前記電極層には、必要であれば、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマーなどが含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミドリチウム(LiBETI)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記ポリマーは、本発明の電極が採用された電池の電解質層において用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
本発明の二次電池用正極の電極層に含まれる上記成分の配合比は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池などの二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
正極側の電極層の厚さについても特に制限はなく、リチウムイオン二次電池などの二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、正極側の電極層の厚さは、好ましくは10〜100μm程度であり、より好ましくは20〜50μmである。電極層の厚さが10μm程度以上であれば、電池容量が充分に確保されうる。一方、電極層の厚さが100μm程度以下であれば、電極深部(集電体側)にリチウムイオンなどが拡散しにくくなることに伴う内部抵抗の増大という問題の発生が抑制されうる。なお、負極および電解質層については、下記で詳述する。
本発明の二次電池用正極は、下記(1)〜(3)の段階を含む方法により得られうる。
(1)上記の正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質スラリーを調製する段階
(2)集電体に前記正極活物質スラリーを塗布し乾燥する段階
(3)得られた乾燥物をプレスすることによって空隙率を調整する段階
上記で述べた通り、前記結着剤の量が前記正極活物質100質量部に対して10質量部以下であり、電極の空隙率が30%以上50%以下であり、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下であることを特徴とする。
本発明の二次電池用正極は、従来公知の方法により製造することができる。その具体的な例としては、例えば、下記(1)〜(3)の段階を含む製造方法が挙げられる。
(1)前記正極活物質、前記導電剤および前記結着剤の混合物をスラリー粘度調製溶媒に分散して正極活物質スラリーを調製する段階
(2)前記集電体の表面に前記正極活物質スラリーを塗布し乾燥する段階
(3)得られた乾燥物をプレスすることによって空隙率を調整する段階
二次電池用正極の構成要素のうち、活物質、導電剤および結着剤については、上記に記載した内容と同様であるので、ここでは説明を省略する。
前記スラリー粘度調製溶媒は、特に制限されることはないが、例えば、NMPなどが挙げられる。スラリーはホモジナイザーまたは混練装置などを用いて溶媒および固形分よりインク化される。スラリーを集電体に塗布するための塗布手段も特に限定されないが、例えば、自走型コータ、ドクターブレード法、スプレー法などの一般に用いられる手段が採用されうる。
その後、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、加熱処理が例示される。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、スラリーの塗布量やスラリー粘度調製溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。
本発明の二次電池用正極は電極の空隙率が30%以上50%以下であり、細孔径が0.09μm以上0.30μm以下であることを特徴とする。この空隙率は、正極活物質スラリーを集電体に塗布し乾燥した後のプレス段階において、荷重およびギャップを調整することによって上記のような所望の範囲に調整することができる。ここで、ギャップとは電極とプレスロール間の隙間をいう。
また、本発明の二次電池用正極は細孔径が0.09μm以上0.30μm以下であることを特徴とする。細孔径は、活物質の粒子径や形状、電極層内の空隙率、および導電助剤や結着剤の種類や量を調整することによって上記のような所望の範囲に調整することができる。当業者であれば、水銀圧入法等を用いて、所望の細孔径になったかどうかを確認することができるため、活物質の粒子径と電極層内の空隙率とを調整することにより所望の細孔径に制御できる。
本発明の二次電池用正極は非水電解液二次電池に用いられうる。本発明による正極の構成は、積層型電池にも双極型電池にも適用することができる。以下に、本発明の非水電解液二次電池に用いられる負極および本発明の非水電解質二次電池の構造について説明する。
(電池の構造)
本発明の非水電解液二次電池は、上記の二次電池用正極によって構成される。本実施形態の非水電解液二次電池によれば、非水電解液二次電池を構成する二次電池用正極が出力特性に優れることから、出力特性に優れる非水電解液二次電池が提供されうる。
(負極の構成)
本発明の非水電解液二次電池に用いられる負極の構成は、従来公知の構成を採用することができる。
負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、黒鉛、非晶質炭素難、および難黒鉛化性炭素などのカーボン、金属材料、並びにリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金およびリチウムケイ素合金などのリチウム合金が挙げられる。これらの中でも、容量および出力特性に優れた電池を構成できる観点から、好ましくはカーボンである。場合によっては、2種以上の活物質が併用されてもよい。
前記負極活物質の平均粒子径および含有量は特に限定されず、リチウム二次電池等の二次電池についての公知の知見が適宜参照されうる。
また、必要であれば、導電剤、結着剤、支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマーなどが含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
導電剤の例としては、以下に制限されることはないが、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイトなどのカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF;登録商標)などの種々の炭素繊維などが挙げられる。前記導電剤の含有量は特に限定されず、リチウム二次電池等の二次電池についての公知の知見が適宜参照されうる。
結着剤の例としては、以下に制限されることはないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミドおよびユリア樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、並びにブチルゴムおよびスチレン系ゴムなどのゴム系材料が挙げられる。
支持塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー、重合開始剤については、上記実施形態と同様であり、ここでは説明を省略する。これらの成分の配合比は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池などの二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
負極側の集電体は導電性の材料から構成される。特に限定されることはないが、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔などが挙げられる。負極側の集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
負極側の電極層の厚さについても、従来公知の知見が適宜参照されうる。
(積層型電池)
本発明の電池は、積層型の非水電解液二次電池(以下、「積層型電池」とも称する)でありうる。
一の集電体の両面とそれぞれ電気的に結合した正極活物質層を有する正極と、他の集電体の両面とそれぞれ電気的に結合した負極活物質層を有する負極と、前記正極および前記負極の間に配置された電解質層と、が交互に積層されてなる非水電解液二次電池である。前記正極は、上記実施形態の非水電解液二次電池用正極である。
図2は、本発明の積層型の非水電解液二次電池の概要を示す断面図である。以下、図2に示す積層型電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図2に示す本実施形態の積層型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素17が、外装であるラミネートシート22の内部に封止された構造を有する。
図2に示すように、本実施形態の積層型電池10の電池要素17は、複数の単電池層16を含む。単電池層16は、電解質層13と、電解質層13の一方の面に形成された正極活物質層12と、電解質層13の他方の面に形成された負極活物質層15と、から構成される。そして、各正極活物質層12間には正極集電体11が配置され、各負極活物質層15間には負極集電体14が配置される。すなわち、電池要素17は、複数の単電池層16および複数の各集電体(正極集電体11および負極集電体14)から構成される。
そして、正極集電体11および負極集電体14は、それぞれ正極タブ18および負極タブ19に電気的に接続される。そして電池要素17は、これらの正極タブ18および負極タブ19が外部に導出するように、外装であるラミネートシート22により封止されている。
なお、図2に示す積層型電池10においては、正極活物質層12が負極活物質層15よりも一回り大きいが、かような形態のみには制限されない。負極活物質層15と同じかまたは一回り小さい正極活物質層13もまた、用いられうる。
以下、本実施形態の積層型電池10を構成する部材について簡単に説明する。ただし、電極を構成する成分については上記で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[電解質層]
電解質層13は、電解質を含む層である。電解質層13に含まれる電解質(具体的には、リチウム塩)は、充放電時に正負極間を移動するリチウムイオンのキャリアーとしての機能を有する。電解質としては特に限定されないが、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiBETI、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲルポリマー電解質(ゲル電解質)と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、特に限定されない。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロピレン(HFP)のポリマー、PAN、PMMAおよびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。また、可塑剤としては、通常リチウムイオン電池などの非水電解液二次電池に用いられる電解液を用いることが可能である。
なお、電解質層13が液体電解質やゲルポリマー電解質から構成される場合には、電解質層13にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。従って、電解質層13が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲルポリマー電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
[タブ]
積層型電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層正極集電体(11a)に電気的に接続されたタブ(正極タブ18および負極タブ19)が外装であるラミネートシート22の外部に取り出される。具体的には、正極集電体11に電気的に接続された正極タブ18と、負極集電体14に電気的に接続された負極タブ19とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ18および負極タブ19)を構成する材料は特に制限されず、積層型電池用のタブとして従来用いられている公知の材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極タブ18と負極タブ19とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。また、本実施形態のように、別途準備したタブ(18、19)を集電体(11、14)に接続してもよいし、集電体を延長することによりタブとしてもよい。
[外装]
積層型電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素17は、ラミネートシート22などの外装内に収容されることが好ましい。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
また、上述の通り、本発明の二次電池用正極を用いることにより、高出力で耐久性に優れた二次電池を得ることができるが、特に、形状の自由度の高いアルミラミネートの外装体を用いることが好ましい。本発明において、「アルミラミネート」とはアルミニウムを含む積層物をいう。アルミラミネートの外装体を用いると、本発明の非水電解質二次電池の耐久性を一層向上させることが可能となる。この理由は、ラミネートセルは金属製の円筒型や角型セルのように構造的な圧力が加わり、電極と箔の接触を保持できない構造であるため、結着剤による電極との接着力の大小がより重要となると考えられるためである。アルミラミネートの具体的な形態としては、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等が挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
図2に示す積層型電池10によれば、本発明の二次電池用正極が採用されているため、出力特性に優れる非水電解液二次電池が提供されうる。
上述したような本発明の作用効果は、高出力条件下において用いられる二次電池において特に顕著に発現しうる。従って、本発明の二次電池は、高出力条件下において用いられることが好ましい。具体的には、本発明の二次電池は、好ましくは20C以上、より好ましくは50C以上、さらに好ましくは100C以上の出力を必要とする条件下において用いられる。
(双極型電池)
本発明の電池は、双極型の非水電解液二次電池(以下、「双極型電池」とも称する)でありうる。
集電体の一方の面と電気的に結合した正極活物質を有する正極と、前記集電体のもう一方の面と電気的に結合した負極活物質を有する負極と、正極および負極の間に配置された電解質層と、が交互に積層されてなる非水電解液二次電池である。前記正極は、上述した本発明の非水電解液二次電池用正極である。双極型電池を採用することにより、積層型電池に比して一層の高出力密度および高電圧を有しうる利点がある。
参考までに、図3に、双極型の非水電解液二次電池30の概要を示す断面図を示す。
(組電池)
本発明の二次電池の複数個を、並列および/または直列に接続して、組電池としてもよい。
図3は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図3に示すように、組電池300は、上記の実施形態に記載の積層型電池10が複数個接続されることにより構成される。各積層型電池10の正極タブ18および負極タブ19がバスバーを用いて接続されることにより、各積層型電池10が接続されている。組電池300の一の側面には、組電池300全体の電極として、電極ターミナル(320、330)が設けられている。
組電池300を構成する複数個の積層型電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池300の長期信頼性が向上しうる。
本発明の組電池300によれば、組電池300を構成する個々の積層型電池10が出力特性に優れることから、出力特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池300を構成する積層型電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。これにより、容量および電圧を自由に調節することが可能となる。
(車両)
本発明の電池は、上述した積層型電池10、または組電池300をモータ駆動用電源として車両に搭載されうる。積層型電池10または組電池300をモータ用電源として用いる車両としては車輪をモータによって駆動する自動車、および他の車両(例えば電車)が挙げられる。上記の自動車としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などがある。これにより、従来に比して高寿命で信頼性の高い車両を製造することが可能となる。
参考までに、図4に、組電池を搭載する自動車の概略図を示す。自動車400に搭載される組電池300は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池300を搭載する自動車400は出力特性に優れるとともに、高寿命で信頼性の高い車両となる。
以上、本発明の好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。
以下、本発明による二次電池用正極の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、活物質の平均粒子径および電極密度は、以下に記載の方法でそれぞれ測定した。
(平均粒子径の測定)
方法:レーザー回折散乱法による累積の50%粒子径(D50)を測定した。
装置:日機装株式会社製 マイクロトラック X−100
(電極密度の測定)
方法:電極を直径16mmの円盤に切り出し、切り出した電極と集電体について質量および厚さを測定した。測定した質量および厚さの値から上記関係式(2)を用いて電極密度を算出した。なお、質量の測定には精密天秤(約0.01mgの測定能)を用い、厚さの測定には定圧膜厚計(数μmの測定能)を用いた。このデータを3回採取し、その平均値を電極密度とした。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質として、平均粒子径D50が2.0μmのマンガン酸リチウムを用いた。また、導電剤としてアセチレンブラックを、結着剤として重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンのカルボン酸変性品をそれぞれ用いた。結着剤は、活物質100質量部に対して7.1質量部となり、かつ導電剤100質量部に対して60質量部となる量を供試した。これらを混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるNMPに分散して、正極活物質スラリーを調製した。
集電体として、厚さ20μmのアルミニウム箔を用意し、集電体の一方の面に上記で作製したスラリーを塗布し、乾燥後プレスすることで厚み61μmの正極を作製した。プレス後の電極密度は2.10g/cmであり、空隙率は42.9%であった。
(負極の作製)
負極活物質として難黒鉛化性炭素、導電剤としてアセチレンブラック、および結着剤としてPVDFを混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるNMPに分散して、負極活物質スラリーを調製した。結着剤は、活物質100質量部に対して12質量部となり、かつ導電剤100質量部に対して200質量部となる量を供試した。
さらに、負極側の集電体として厚さ10μmの銅箔を用意し、集電体の一方の面に上記のスラリーを塗布、乾燥後プレスすることで負極を作製した。
(評価用セルの作製)
上記で作製した正極および負極を縦10cm、横10cmの大きさに切り出し、厚さ20μmのポリエチレン製セパレータを介して対向させるように積層して評価用電池要素を作製した。なお、負極にはニッケル製タブリードを、正極にはアルミニウム製タブリードを超音波溶接にて接続させた。次いで、前記の評価用電池要素を1対のラミネート外装の内部に設置し、電解液を1ml注入後真空封止して評価用セルを作製した。なお、電解液は、1MLiPFをPC:EC=1:1(体積比)の溶媒に溶解させたものを使用した。
[実施例2]
正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の厚みを59μmとし、電極密度を2.57g/cm、空隙率を34.7%としたこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例3]
正極活物質として平均粒子径D50が1.5μmのマンガン酸リチウムを用い、正極の結着剤として重量平均分子量が35万のポリフッ化ビニリデンのカルボン酸変性品を用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を33.5%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例4]
正極活物質として平均粒子径D50が1.5μmのマンガン酸リチウムを用い、正極の結着剤として重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンの未変性品を用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を33.5%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例5]
正極の結着剤として重量平均分子量が70万のポリフッ化ビニリデンの未変性品を用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を33.5%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例4と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例6]
正極の結着剤として重量平均分子量が100万のポリフッ化ビニリデンの未変性品を用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を31.9%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例4と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例7]
正極の結着剤として重量平均分子量が50万のポリフッ化ビニリデンのカルボン酸変性品を用いた。結着剤は、活物質100質量部に対して4.65質量部となり、かつ導電剤100質量部に対して40質量部となる量を供試した。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を31.5%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例4と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例8]
正極活物質として平均粒子径D50が7.0μmのマンガン酸リチウムを用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を30.3%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[実施例9]
正極活物質として平均粒子径D50が10.0μmのマンガン酸リチウムを用いた。正極の作製時にプレスの条件を変更することによりプレス後の電極密度を2.60g/cm、空隙率を31.9%とした。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[比較例1]
正極活物質として、平均粒子径D50が2.0μmのマンガン酸リチウムを用いた。また、導電剤としてアセチレンブラックを、結着剤として重量平均分子量35万のポリフッ化ビニリデンの未変性品をそれぞれ用いた。結着剤は、活物質100質量部に対して12.5質量部となり、かつ導電剤100質量部に対して100質量部となる量を供試した。これらを混合し、次いでスラリー粘度調製溶媒であるNMPに分散して、正極活物質スラリーを調製した。プレス後の電極密度は2.58g/cm、空隙率は31.8%であった。上記のように正極を作製したこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
[比較例2]
正極の作製時にプレス後の電極密度を2.07g/cm、空隙率を39.3%としたこと以外は、比較例1と同様にして評価用セルを作製した。
[比較例3]
正極の作製時にプレス後の電極密度を2.87g/cm、空隙率を25.0%としたこと以外は、比較例1と同様にして評価用セルを作製した。
[比較例4]
正極の作製時にプレス後の電極密度を1.50g/cm、空隙率を56.2%としたこと以外は、実施例1と同様にして評価用セルを作製した。
(評価)
(空隙率・細孔径の測定)
上記で作製した正極について、水銀圧入法により、φ10〜0.003μm範囲で細孔分布および電極層内部に存在する細孔の体積(空隙の体積)を測定した(評価装置:島津製作所製、オートポアIV 9510型、測定細孔径範囲:約φ420μm〜3nm)。そして、電極層全体の体積に対する空隙の体積の割合を空隙率として算出した。測定結果を表1に示す。なお、表中の細孔径は細孔の直径(メディアン径)を表す。また、参考までに実施例1で作成した正極についての細孔分布測定により得られた細孔分布図を図6に示す。
(IV抵抗の測定)
上記記載の評価用セルを用い、初回充放電後SOC50%の状態から測定を開始した。測定条件は測定温度25℃、電流値3C、放電時間10秒であった(評価装置:北斗電工株式会社製、HJ−1001SM8)。
各評価セルについてのIV抵抗の評価結果を、下記の表1に示す。IV抵抗が低いほど、電気抵抗が低減されることを示す。
(レート特性の測定)
上記で作製した評価用セルについて、放電レート20Cにおける放電容量と放電レート1Cにおける放電容量との比(20Cでの放電容量/1Cでの放電容量)をレート特性として求めた。結果を表1に示す。
(抵抗上昇率)
上記で作製し、一連の試験を行った後の評価用セルを、55℃で3月間保存した後のIV抵抗値を各々測定した。そして、初期のIV抵抗値に対する抵抗値の上昇率(抵抗上昇率)を求めた。抵抗上昇率が低いほど、電池の耐久性が向上したことを意味する。各評価セルについての3月間保存した後のIV抵抗値および抵抗上昇率の評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 2010015904
表1より、結着剤の量、空隙率、細孔径が本発明の所望の範囲にある実施例1〜9の正極を用いると、これらの少なくとも1つが本発明の所望の範囲を外れる比較例1〜4の正極を用いた場合に比べて電極内の電気抵抗および抵抗上昇率が抑制されることがわかった。
結着剤の量が正極活物質100質量部に対して10質量部を超える比較例1〜3の正極を用いた場合には、電極内の電気抵抗および抵抗上昇率が大きくなった。比較例1〜3では、結着剤による活物質等の被覆や空隙の充填が生じ、抵抗が上昇したと考えられる。
空隙率が30%未満であり、細孔径が0.30μmを超える比較例3の正極を用いた場合には、電極内の電気抵抗および抵抗上昇率が大きかった。比較例3では、リチウムイオンの拡散が阻害され、電極の抵抗が上昇したと考えられる。
また、空隙率が50%を超える正極においては、導電パスが弱いため、抵抗が上昇したと考えられる。空隙率が50%を超える比較例4の正極を用いた場合、IV抵抗および抵抗上昇率が非常に大きい値となった。空隙率が50%を超える正極においては、導電パスが弱いため、抵抗が上昇したと考えられる。
これに対し、実施例1〜9の正極は、強固な導電パスが確保されるとともに、リチウムイオンの拡散の阻害を抑制でき、電極内の抵抗が低減されていることが示される。
また、実施例1〜9および比較例1〜4の比較から、本願発明の二次電池用正極を用いるとレート特性が概ね向上しうることが示される。
以上から、空隙率が30〜50%、細孔径が0.09〜0.30μm、結着剤の量が正極活物質100質量部に対して10質量部以下である場合に、電極層内の高い結着性を維持しつつ、IV抵抗と抵抗上昇率とを所望の関係に調節できることがわかった。
上記のように、本発明の二次電池用正極によれば、電極層内の結着性を高めて、電気抵抗を低減させることができる。更に、より小さな平均粒子径の活物質およびより少量の結着剤を用い、かつリチウムイオンの良好な拡散が得られる空隙を確保することにより、従来よりも高い結着性、容量密度および耐久性を兼ね備えた二次電池が得られる。
本発明の一実施形態による二次電池用正極を示す模式図である。 本発明の一実施形態による積層型電池を示す断面図である。 本発明の一実施形態による双極型電池を示す断面図である。 本発明の一実施形態による積層型電池を複数個接続して得られる組電池を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による組電池を搭載する自動車の概略図である。 水銀圧入法による細孔分布測定により得られた、実施例1の正極についての空孔径分布図である。
符号の説明
1 集電体、
2 電極層、
3 正極活物質、
4 導電剤、
5 結着剤、
6 空隙、
10 積層型電池、
11 正極集電体、
11a 最外層正極集電体、
12、32 正極活物質層、
13、35 電解質層、
14 負極集電体、
15、33 負極活物質層、
16、36 単電池層、
17、37 電池要素、
18、38 正極タブ(端子)、
19、39 負極タブ(端子)、
20、40 正極端子リード、
21、41 負極端子リード、
22、42 ラミネートシート、
30 双極型電池、
31 集電体、
31a 正極側の最外層集電体、
31b 負極側の最外層集電体、
34 双極型電極、
34a、34b 最外層に位置する電極、
43 絶縁層、
300 組電池、
320、330 電極ターミナル、
400 自動車。

Claims (10)

  1. 正極活物質と導電剤と結着剤とを含む二次電池用正極であって、
    前記結着剤の量が前記正極活物質100質量部に対して10質量部以下であり、
    電極の空隙率が30%以上50%以下であり、
    細孔径が0.09μm以上0.30μm以下である、二次電池用正極。
  2. 前記結着剤が主成分として変性処理したフッ素系樹脂を含む、請求項1に記載の二次電池用正極。
  3. 前記結着剤が35万〜100万の重量平均分子量を有するフッ素系樹脂である、請求項1または2に記載の二次電池用正極。
  4. 前記正極活物質がマンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガンニッケルコバルト酸リチウム、およびオリビン型燐酸鉄からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用正極。
  5. 前記導電剤が黒鉛、無定形炭素、および繊維状炭素からなる群より選択される少なくとも1種の炭素材料を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用正極。
  6. 正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質スラリーを調製する段階と、集電体に前記正極活物質スラリーを塗布し乾燥する段階と、得られた乾燥物をプレスすることによって電極密度を調整する段階と、を含む方法により得られうる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用正極。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池用正極によって構成される、非水電解液二次電池。
  8. 外装体としてアルミラミネートを用いる、請求項7に記載の非水電解液二次電池。
  9. 請求項7または8に記載の非水電解液二次電池の複数個を、並列および/または直列に複数個接続して構成される、組電池。
  10. 請求項7もしくは8に記載の非水電解液二次電池または請求項9に記載の組電池を駆動用電源として搭載した、車両。
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