JPWO2008032699A1 - 非水電解質二次電池用電極、およびこれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極、およびこれを用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明は、電池特性のばらつきの小さい非水電解質二次電池を提供する電極、およびそれを用いた非水電解質二次電池を提供することを目的としている。本発明に係る非水電解質二次電池電極は、充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できる活物質と重合体とを含む合剤、および集電体からなり、前記重合体の応力緩和率(1−σ10/σ0)×100(%)を50〜80%とし、また、60℃の電解液中に72時間浸漬させた時の合剤の厚み変化率を−3〜10%としたことを特徴とする。

Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極、および該電極を用いてなる非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、電力密度が高いため、鉛二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池等の従来の二次電池に代わって、エレクトロニクス用小型二次電池の主役を担っている。そして、さらに自動車用などの動力用二次電池への展開が期待され、より高い電力密度が求められている。このため、電極中での活物質の高充填化、合剤の厚肉化、ならびにセパレータや集電体の薄肉化などの検討が続けられ、1セルあたりの容量は増してきている。
非水電解質二次電池は、携帯電話などにおいて1セルで使用される場合と、ノート型パソコンや、自動車用などの動力用などにおいて複数セルで使用される場合がある。複数セルで使用される場合において、セル間で充電容量や放電容量などの特性(以下、「電池特性」という。)のばらつきが発生すると、一部のセルに多くの充電負荷や放電負荷がかかり、寿命が著しく低下するといった問題を招く。特に、活物質の高充填化のために合剤の空隙率を低くした場合、この問題は顕著となる。
かかる問題を解決するために、あらかじめ電池を繰り返し充放電させることにより電池の調整を行った後、電池特性を測定し、均質なものを選択する必要がある。
特許文献1には、電池に特定の添加剤を使用した後に、高温で調整を行う方法が開示されている。かかる方法を用いれば、調整を短時間に行うこと出来るが、電池特性のばらつきを少なくするのには、充分でなかった。
また、特許文献2には、負極集電体と負極合剤の密着性を上げることにより、高温に電池を放置した場合の電極の膨れ、および電池特性の低下を改善する方法が開示されている。
特開2001−52757(対応出願公報:米国特許明細書第6,268,080号) 特開2005−25991
本発明は、電池特性のばらつきの小さい非水電解質二次電池を提供する電極、およびそれを用いた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意検討した結果、充放電により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できる活物質(本発明では、単に「活物質」という。)と重合体を含む合剤、および集電体からなる非水電解質二次電池用電極であって、合剤の電解液に浸漬する前の厚みに対して電解液に60℃、72時間浸漬した後の合剤の厚みの変化率(以下、「厚み変化率」という。)が−3%〜10%である電極を用いると、電池特性のばらつきの小さい非水電解質二次電池を提供することが可能であることを見出した。そこで、従来の電極の厚み変化率を測定すると、上記範囲から外れていることがわかった。そして、本発明者らは、さらに鋭意検討した結果、そのような範囲の厚み変化率の電極を提供することが、特定の応力緩和率を持つ重合体を用いることにより可能であることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに到った。
かくして本発明の第一によれば、活物質と重合体とを含む合剤、および集電体からなる非水電解質二次電池用電極であって、合剤の厚み変化率が−3〜10%であることを特徴とする非水電解質二次電池用電極が提供される。
前記重合体の応力緩和率(1−σ10/σ)×100(%)は50〜80%であることが好ましい。(但し、σは、重合体のシート状成形物の伸張率20%における初期応力を表わし、σ10は伸張率を20%に保持した10分後の残留応力を表わす。)
前記重合体は軟質重合体であることが好ましい。
前記軟質重合体がアクリル系軟質重合体であることが好ましい。
前記軟質重合体はニトリル基またはスルホン基の少なくとも一方を含有することが好ましい。
前記活物質100質量部に対して、前記重合体を0.1〜7質量部の範囲で有することが好ましい。
本発明の第二によれば、前記非水電解質二次電池用電極を用いた非水電解質二次電池が提供される。
本発明によれば、電池特性のばらつきの小さい非水電解質二次電池を提供する電極、およびそれを用いた非水電解質二次電池が提供される。本発明で提供される電池は、エレクトロニクス用小型二次電池、および自動車用などの動力用二次電池として好適に使用できる。
本発明の電極は、活物質と重合体とを含む合剤、および集電体からなり、合剤の厚み変化率が−3〜10%、さらに好ましくは0〜8%であることを特徴とする。
(合剤の厚み変化率)
本発明において、合剤の厚み変化率は以下の方法で測定する。
電極を直径14±0.2mmの円盤状に打ち抜き、これを試験片とする。試験片の円心部分の厚み(t0)を測定する。この試験片を、水平に電解液に浸漬させ、60±1℃で72±0.3時間静置させる。電解液は、実際に電池を作製する時に使用するものを用いるが、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=1:2(容積比、ただしECは40℃での容積、DECは20℃での容積)で混合してなる混合溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液である。浸漬終了後、露点−54℃の環境下で室温で15分、水平に静置後、この試験片の円心部分の厚み(t1)を測定する。厚み変化率は(t1−t0)/t0×100として求める。
合剤の厚み変化率は、後述の活物質の種類や重合体の分子量、架橋度、結晶化度を制御することで適宜は範囲に調整できる。
例えば、重合体の分子量が高いと合剤の厚み変化率は小さくなり、分子量が低いと大きくなる。好適な重量平均分子量の範囲は、その構造、結晶化度、架橋度などにより異なるが、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定した標準ポリスチレン換算値で1,000〜1,000,000である。
合剤の厚み変化率を適宜な範囲に制御する上では、架橋度は低すぎても高すぎてもよくなく、適切な範囲に調整することが好ましい。好適な範囲は、その構造、結晶化度、分子量などにより異なるが、例えば、溶剤に24時間浸漬した時、溶解または400%以上に膨潤する程度の架橋度が好ましい。また重合体の結晶化度が高いと合剤の厚み変化率が小さくなる。好適な範囲は、その構造、架橋度、分子量などにより異なるが、例えば、X線回折法で測定した場合、40%以下、さらには20%以下である。
(活物質)
本発明で用いる活物質は、電解質中で電位をかける事により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できるものであれば良く、無機化合物でも有機化合物でも用いることが出来る。
正極用の活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFeVO、LixNiyCozMnwO(ただし、x+y+z+w=2である)などのリチウム含有複合金属酸化物;LiFePO、LiMnPO、LiCoPOなどのリチウム含有複合金属オキソ酸化物塩;TiS、TiS、非晶質MoSなどの遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO‐P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物;および、これらの化合物中の遷移金属の一部を他の金属で置換した化合物などが例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリ‐p‐フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。また、これらの表面の一部または全面に、炭素材料や無機化合物を被覆させたものも用いられる。
また、負極用の電極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ピッチ系炭素繊維などの炭素材料、ポリアセン等の導電性高分子などが挙げられる。また、リチウムと合金化可能なSi、Sn、Sb、Al、ZnおよびWなどの金属も挙げられる。電極活物質は、機械的改質法により表面に導電材を付着させたものも使用できる。
これらのうち、高い容量を得やすく、高温で安定であり、リチウムイオンの挿入放出に伴う体積変化が小さく電極厚み変化率を小さくし易いという点から、正極活物質としてリチウム含有複合金属酸化物およびリチウム含有複合金属オキソ酸化物、負極活物質としては炭素材料が好ましい。
活物質の粒子形状は、高充填に適したものとするためには、球形に整粒されたものが好ましい。また、粒子径については体積平均粒子径が0.8μm〜2μmである細かな粒子と体積平均粒子径が3〜8μmである比較的大きな粒子の混合物、および0.5〜8μmにブロードな粒径分布を持つ粒子が好ましい。粒子径が50μm以上の粒子が含まれる場合は、篩い掛けなどによりこれを除去して用いるのが好ましい。電極活物質のタップ密度が正極で2g/cm以上、負極で0.8g/cm以上であればさらに好ましい。
(重合体)
本発明で用いる重合体は、特に限定されないが、重合体のシート状成形物の応力緩和率(1−σ10/σ)×100(%)が50〜80%であるものが好ましく、55〜70%であるものがさらに好ましい。
(応力緩和率)
本発明において、応力緩和率は以下の方法で測定する。
重合体20質量部を100質量部の溶媒に溶解または分散させる。その溶液または分散液をふっ素樹脂板上にキャストして、120℃で24時間真空乾燥させて、厚み1±0.1mmのシート状成形物とする。成形物をJIS K6251に規定されるダンベル状3号形に打ち抜き、これを試験片とする。この試験片を25℃にて試験片の長尺方向に10mm/分の速度で引っ張り、伸張率が20%に到達した時点で引張りを停止し、初期応力σを測定する。次いで、伸張率20%に保持し10分後の残留応力σ10を測定し、応力緩和率(1−σ10/σ)×100(%)を求める。
重合体の応力緩和率を前述の範囲とする方法は、特に限定されないが、例えば、公知の方法により分子量、架橋度、結晶化度などを調整すればよい。分子量を調整する場合、分子量が高すぎると応力緩和率は小さくなり、分子量が低すぎると大きくなる。好適な重量平均分子量の範囲は、その構造、結晶化度、架橋度などにより異なるが、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定した標準ポリスチレン換算値で1,000〜1,000,000である。
架橋度を調整する場合、架橋度は適切な範囲に調整する必要がある。好適な範囲は、その構造、結晶化度、分子量などにより異なるが、例えば、合剤を調製するときの溶剤に24時間浸漬した時、溶解または400%以上に膨潤する程度の架橋度が好ましい。結晶化度を調整する場合は、結晶化度が高いと応力緩和率が小さくなる。好適な範囲は、その構造、架橋度、分子量などにより異なるが、例えば、X線回折法で測定した場合、40%以下、さらには20%以下である。
(軟質重合体)
重合体は軟質重合体が好ましい。本発明において、軟質重合体とは示差走査熱量法により測定したガラス転移温度が30℃以下の重合体を示す。ガラス転移温度が15℃以下のものがさらに好ましく、5℃以下のものが特に好ましい。また、25℃における結晶化度が40%以下のものが好ましく、20%以下のものが特に好ましい。ガラス転移温度および結晶化度が前記範囲であると活物質が集電体から脱落し難く、電池特性のばらつきも小さい。
軟質重合体の具体例としては、例えば、(a)ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;(b)ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などの、イソブチレンの単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、イソブチレン系軟質重合体;(c)ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などの、ジエン化合物の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、ジエン系軟質重合体;(d)ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、などのケイ素含有軟質重合体;(e)液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などの、オレフィン化合物の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、オレフィン系軟質重合体;(f)ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などの不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体またはアセタールからなる軟質重合体;(g)ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどの、エポキシ化合物の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、エポキシ系軟質重合体;(h)フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;(i)天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
さらに、上記軟質重合体の中でも(a)、(b)、(c)の軟質重合体が、特に活物質の保持性に優れ、柔軟性に優れるため好ましく、耐酸化性、還元性に優れる点から特に(a)が好ましい。とりわけ、カルボキシル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、カルボニルオキシカルボニル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン基などの官能基を有したものは、合剤のスラリー分散性に優れ、高密度で均質な合剤を形成し易いので好ましい。この中でもニトリル基、スルホン基の少なくとも一方を含有したものは、前記特徴に加え集電体との密着性に優れるので、特に好ましい。軟質重合体中の上記官能基の含有量は、0.1〜40重量%が好ましい。前記官能基の含有量が少なすぎると密着性に劣り、逆に多すぎると電極が固くなってしまう。上記官能基を有する軟質重合体を得る方法としては、(1)単量体として上記官能基を含む単量体を用いる;(2)重合体を官能基を有する化合物を用いて変性する;(3)官能基を有する重合開始剤を用いる方法が挙げられる。
本発明に用いる重合体の量は、活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜7質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。重合体量が少なすぎると電極から活物質が脱落しやすくなるおそれがあり、逆に多すぎると活物質が重合体に覆い隠されて電池反応が阻害されたり、内部抵抗が増大したりするおそれがある。
本発明で用いられる重合体は、電極を作製するために溶液もしくは分散液として調製される。その時の粘度は、通常1mPa・S〜300,000mPa・Sの範囲、好ましくは50mPa・S〜10,000mPa・Sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。この範囲になるように固形分濃度で調製した時に、8〜13質量%の範囲となる重合体が、均質で高密度な電極を作製することが容易であるため、好ましい。
(合剤)
本発明で用いられる合剤は活物質と重合体とを含むものである。通常、合剤は溶媒に分散させたスラリー(以下、「合剤スラリー」という。)として調製される。溶媒としては、前記重合体を溶解または粒子状に分散するものであればよいが、重合体を溶解するものが好ましい。重合体を溶解する溶媒を用いると、重合体が表面に吸着することにより電極活物質などの分散が安定化する。
合剤スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;が挙げられる。溶媒は、単独、または2種以上を混合して用いることができる。
合剤スラリーの調製方法は特に限定されないが、通常は、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、振盪機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ビーズミルおよび遊星式撹拌機などの混合機を用いる方法である。
合剤スラリーの濃度は、特に限定されないが、不揮発分の体積分率が60質量%〜90質量%のものが好ましい。合剤スラリーの濃度がこの範囲であると、集電体に塗布、乾燥して得られる合剤の空隙率を低くできる。
本発明で用いる合剤は、導電材を含有することが好ましい。導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電材を用いることにより、電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、非水電解質二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。導電材の使用量は、活物質100質量部に対して通常0〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
本発明で用いる合剤は、発明の効果を損なわない範囲で、上記重合体以外の消泡剤、粘度調整剤やカップリング剤などを含有していてもよい。消泡剤としては、金属石鹸類、ポリシロキサン類、ポリエーテル類、高級アルコール類、パーフルオロアルキル類などが用いられる。粘度調整剤としては、各種の界面活性剤やカップリング剤があげられる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤が好ましい。カップリング剤としては、シラン系、アルミネート系、チタネート系、ホウ素系等の各種カップリング剤が挙げられる。これらの粘度調整剤およびカップリング剤としては、スラリー作製に用いる溶媒に可溶なものが活物質や導電材の分散性を高めるため、好ましい。
(集電体)
本発明で用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。中でも、非水電解質二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、合剤の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、合剤の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
(電極の製造方法)
本発明の電極の製造方法は、前記集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に合剤を層状に結着させる方法であればよい。例えば、前記合剤スラリーを集電体に塗布、加熱乾燥して合剤を形成する方法が好ましい。合剤スラリーを集電体へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
次いで、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極の合剤の空隙率を低くすることが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5%〜15%、より好ましくは7%〜13%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難かったり、合剤が剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。さらに、硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
本発明の電極の合剤の厚みは、通常5μm以上300μm以下であり、好ましくは30μm以上250μm以下である。
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の電極と、電解液およびセパレータを有するものである。本発明の電極は、正極あるいは負極のいずれかに用いられればよい。本発明の効果をより良好に奏するためには、正極あるいは負極のいずれか一方の厚い方に用いることが好ましく、正極および負極の両方に用いていることがさらに好ましい。
(電解液)
本発明に用いられる電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiは好適に用いられる。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、また通常は30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。また、電解液に対して、通常0.5〜2.5mo/Lの濃度とされる。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し電池の充電特性、放電特性が低下する。
電解液に使用する溶媒としては、支持電解質を溶解させるものであれば特に限定されないが、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびメチルエチルカーボネート(MEC)などのアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類、1,2−ジメトキシエタン、およびテトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、およびジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。
上記以外の電解液としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質を挙げることができる。
(セパレータ)
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂;など公知のものを用いることができる。
(電池の製造方法)
本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。さらに必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型などいずれであってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例における部および%は、特に断りがない限り質量基準である。
実施例および比較例において得た、バインダー、電極用組成物、電極および電池について、以下の評価方法に従って評価した。
(評価方法)
<合剤の厚み変化率>
作製した電極を直径14mmの円盤状に打ち抜き、これを試験片とし、試験片の円心部分の厚みを測定し、この値とあらかじめ測定した集電体の厚みより、合剤の厚み(t)を算出した。この試験片を、水平に電解液に浸漬させ、60±1℃で72±0.3時間静置させた。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=1:2(容積比、ただしECは40℃での容積、DECは20℃での容積)で混合してなる混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。浸漬終了後、露点−54℃に調節したドライルーム内でシャーレに移し、室温で15分、水平に静置後、この試験片の円心部分の厚みを測定し、この値と集電体の厚みより、浸漬後の厚み(t)を測定した。厚み変化率は(t−t)/t×100として求めた。この試験を10回行い、その単純平均値および標準偏差値を求めた。
<応力緩和率>
重合体20質量部を100質量部のN−メチルピロリドン(以下、「NMP」ということがある。)に溶解させた。その溶液をフッ素樹脂板上にキャストして、120℃24時間真空乾燥させて、厚み1±0.1mmのシート状成形物とした。成形物をJIS K6251に規定されるダンベル状3号形に打ち抜き、これを試験片とする。25℃にて試験片の長尺方向に10mm/分の速度で引っ張り、伸張率が20%に到達した時点で引張りを停止し、初期応力σを測定する。次いで、伸張率20%に保持し10分後の残留応力σ10を測定し、応力緩和率(1−σ10/σ)×100(%)を求めた。この測定を10回行い、その単純平均値および標準偏差値を求めた。
<重合体溶液の濃度>
重合体溶液の濃度はJIS K5400に準じて、150℃、3時間後の加熱残分より求めた。
<重合体のガラス転移温度>
重合体のガラス移転温度は、示差走査熱量法(DSC法)により、5℃/分の昇温速度で測定した。
<重合体の結晶化度>
重合体の結晶化度は、X線回折法により結晶化度を測定した。
<合剤の空隙率>
合剤の空隙率は、以下の方法で求めた。
合剤を構成する材料の密度と配合量から、合剤の理論密度ρを求める。
作製した電極を直径14mmの円盤状に打ち抜き、これを試験片とし、試験片の質量および試験片の円心部分の厚みを測定する。あらかじめ求めた集電体の重さと厚みより、合剤の質量Wと体積Vを求める。
空隙率Pを次式より算出する。
P(%)={(V−W/ρ)/V}×100
<電池作製時の不良率>
電極を捲回する際に電極が割れたり、合剤が剥離したものを不良とした。400セルを作製する際に、発生した不良の個数が3セル未満のものをA、3セル以上5セル未満のものをB、5セル以上10セル未満のものをC、10セル以上15セル未満のものをD、15セル以上のものをEとした。
<電池特性のばらつき>
作製した電池を、60℃の温度で充電は0.5時間率の定電流で4.2Vまで、さらに4.2V定電圧で2時間充電した。その後、0.5時間率の定電流で2.75Vまで放電した。放電した電池を60℃で65時間放置させた後に25℃の温度で0.5時間率の定電流で4.2Vまで、充電を行った後、2時間率の定電流で2.75Vまで放電した。0.5時間率の放電容量に対する2時間率の放電容量の割合を百分率で示し、放電レート特性とした。300セルの電池を作製して同様な試験を行い、この放電レート特性の最も高い数値と低い数値の差が、5%未満のものをA、5%以上7%未満のものをB、7%以上9%未満のものをC、9%以上11%未満のものをD、11%以上のものをEとして評価した。
実施例1
(重合体の作製)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、n−ブチルアクリレート81.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート3.0部、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸0.5部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、ラテックスを得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。このラテックス100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、本発明の非水電解質二次電池電極用重合体であるブチルアクリレート・アクリロニトリル系共重合体(以下、「重合体A」という。この重合体Aは、ニトリル基及びスルホン基を含有する。)NMP溶液を得た。重合体Aの溶液の濃度は9質量%、溶液粘度は250mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Aの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−5℃、結晶化度は0%、真比重は1.05であった。
(正極の作製)
アセチレンブラック20部と、平均粒子径3.8μm、タップ密度2.7g/cmのLiCoO 1,000部をプラネタリーミキサーに入れ、重合体Aの9質量%NMP溶液133部とNMPを加えて固形分濃度を81%とし、60rpmで60分混合した。ついでNMPを徐々に添加して固形分濃度を77%とし、減圧下で脱泡処理して艶のある流動性の良い合剤スラリーを得た。この合剤スラリーをコンマコーターで厚さ20μmのアルミニウム箔上に乾燥厚さ約110μm前後になるように両面に塗布し、120℃で乾燥させた後に合剤の密度が3.6×10kg/m、空隙率が9.4%となるようにロールプレスでプレスさせた。次いで、60℃17時間減圧下で乾燥処理させ正極用電極を得た。この正極用電極の合剤の厚みは85μmであった。合剤の厚みの変化率を評価した結果を表1に示す。
(負極の作製)
負極活物質として粒子径20μm 、比表面積4.2m/gのグラファイトを98部と、バインダーとしてSBRラテックス(日本ゼオン製、BM400B)を固形分で1部と、を混合し、更にカルボキシメチルセルロースを1部加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー状の負極用電極組成物を調製した。この負極用組成物を厚さ0.1mmの銅箔の片面に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして負極電極を得た。
(電池の作製)
得られた正極を幅54mm×長さ480mmに裁断し、片面のみ端部より長さ方向に10mmまで合剤を除去して集電体を露出させた後に正極リード体を取り付けた。また、得られた正極を幅56mm×長さ510mmに裁断し、片面のみ端部より長さ方向に10mmまで合剤を除去して集電体を露出させた後に正極リード体を取り付けた。ついで上記正極と負極を厚さ20μm、多孔度40%の連続多孔体であるポリエチレンセパレータを両極が短絡しないように位置させ直径3.5mmのSUS製巻き芯に捲回させ外径18mmで高さ67mmの有底円筒状のステンレス鋼製電池ケース内に挿入し、正極リード体と正極タブ、負極リード体と負極タブ、をそれぞれ溶接した。ついで、脱気し、電解液を注入した後、封口板を取り付けて筒形リチウムイオン二次電池を作製した。なお、電解液としてはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=1:2(容積比、ただしECは40℃での容積、DECは20℃での容積)で混合してなる混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。得られた電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
実施例2
実施例1においてn−ブチルアクリレートの代わりに2−エチルヘキシルアクリレートを用いたこと、および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタンを0.09部用いたこと以外は実施例1と同様に行い重合体Bを得た。重合体Bの溶液粘度は82mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Bの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−12℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は9.1%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタンを0.02部用いる以外は実施例1と同様に行い重合体Cを得た。重合体Cの溶液粘度は627mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Cの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−5℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は10.1%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタンを用いない以外は実施例1と同様に行い重合体Dを得た。重合体Dの溶液粘度は1,460mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Dの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−5℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は12.8%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において重合体としてPVDF(呉羽化学工業社製、KF1300)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。PVDFの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−40℃、結晶化度は40%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は11.9%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタンを0.15部用い、グリシジルメタクリレート3.0部を用いない以外は実施例1と同様に行い重合体Eを得た。重合体Eの溶液粘度は25mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。
重合体Eの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−5℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は8.5%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、n−ブチルアクリレート81.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート3.0部のかわりに、スチレン27部、イソプレン73部を用いた以外は、実施例1と同様に行い重合体Fを得た。重合体Fの溶液粘度は5,700mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Fの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は−14℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は9.5%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、n−ブチルアクリレート81.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート3.0部のかわりに、スチレン22部、イソプレン66部、アクリロニトリル12部を用いた以外は、実施例1と同様に行い重合体Gを得た。重合体Gの溶液粘度は6,800mPa・S(B型粘度計 25℃ 60rpm)であった。重合体Gの応力緩和率を表1に示す。また、この重合体のガラス転移温度は4℃、結晶化度は0%であった。電極の作製および電池の作製も実施例1と同様に行った。電極合剤の空隙率は10.1%であった。得られた合剤の厚みの変化率および電池特性のばらつきの評価を行った結果を表1に示す。
表1に示した結果によると本発明の電池は電池特性のばらつきが少ないものであった。これに対して、比較例は、電池特性のばらつきが大きく、劣った結果を示した。
Figure 2008032699

Claims (7)

  1. 活物質と、重合体とを含む合剤、および集電体からなる非水電解質二次電池用電極であって、60℃の電解液中に72時間浸漬させた時の合剤の厚み変化率が−3〜10%であることを特徴とする非水電解質二次電池用電極。
  2. 前記重合体の応力緩和率(1−σ10/σ)×100(%)が50〜80%であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用電極。
  3. 前記重合体が軟質重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の非水電解質二次電池用電極。
  4. 前記軟質重合体がアクリル系軟質重合体であることを特徴とする請求項3記載の非水電解質二次電池用電極。
  5. 前記軟質重合体がニトリル基またはスルホン基の少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項3または4記載の非水電解質二次電池用電極。
  6. 前記合剤が、前記活物質100質量部に対して、前記重合体を0.1〜7質量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極を電極として用いてなる非水電解質二次電池。
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