JP2010010016A - 鳥害防止ポリマー碍子及びポリマー型避雷器 - Google Patents

鳥害防止ポリマー碍子及びポリマー型避雷器 Download PDF

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Abstract

【課題】鳥の啄ばみによる損傷が発生し難く、碍子としての電気絶縁性能も確保できる鳥害防止ポリマー碍子を提供する。
【解決手段】棒状(又は筒状)の芯体2の外周に、笠部4と胴部5を交互に有するゴム製の被覆体3を形成してなるポリマー碍子において、前記被覆体3の少なくとも笠部4の周縁部分を、ゴム材料に絶縁性補強繊維、絶縁性補強シート又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料7で形成したことを特徴とする。鳥が啄ばみやすい笠部4の周辺部分の強度が高まるので、鳥が啄ばめなくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鳥の啄ばみによる損傷を防止した鳥害防止ポリマー碍子及びポリマー型避雷器に関するものである。
ポリマー碍子は、FRP(繊維強化プラスチック)製の棒状又は筒状の芯体の外周に、笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を一体に形成したものである。このポリマー碍子は、被覆体がゴム製で強度的に弱いため、鳥(野生化したインコやカラス等)に啄まれて(特に笠部がつつかれやすい)、被覆体が損傷を受けるという問題が生じている。
上記の問題を解決するため、ポリマー碍子の被覆体の表面に鳥類忌避剤を塗布したり、被覆体のゴム材料に鳥類忌避剤を混合したりして、鳥が啄ばむのを防止した鳥害防止ポリマー碍子が提案されている(特許文献1)
なお、鳥の啄ばみによる損傷は、筒状の芯体の外周に笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を一体に形成し、前記筒状の芯体の中に限流素子ユニットを収容したポリマー型避雷器(特許文献2)においても同様に生じ得る。
特開2005−142106号公報 特開平8−148311号公報
従来提案されている鳥害防止ポリマー碍子は、鳥類忌避剤として、唐辛子、生姜、わさび又はこれらから抽出される辛味成分、あるいはセンブリ、ニガキ、クララ又はこれらから抽出される苦味成分を使用するものである。つまり、従来の解決策は、鳥がポリマー碍子の被覆体を啄んでみて、辛味又は苦味を感じると、その後その鳥は被覆体を啄まなくなるという鳥の学習能力を利用するものである。したがって、どの鳥もいったんは被覆体を啄ばんでみることになるので、啄ばみによる損傷(痕跡)を生じさせなくすることは困難である。
また、従来の鳥害防止ポリマー碍子は、鳥類忌避剤として辛味又は苦味のある植物(ゴムより電気絶縁性が低い)を使用するものであるから、碍子としての電気絶縁性能の低下が懸念される。
本発明の目的は、鳥の啄ばみによる損傷がより発生し難く、碍子としての電気絶縁性能も確保できる鳥害防止ポリマー碍子及び鳥害防止ポリマー型避雷器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子は、棒状又は筒状の芯体の外周に、笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を形成してなるポリマー碍子において、前記被覆体の少なくとも笠部の周縁部分を、ゴム材料に絶縁性補強繊維、絶縁性補強シート又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料で形成したことを特徴とするものである。
また、本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子は、棒状又は筒状のFRP製芯体の外周に、笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を形成してなるポリマー碍子において、前記被覆体の少なくとも笠部の周縁部分に、ゴム材料に絶縁性補強繊維、絶縁性補強シート又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料を被覆した構成とすることもできる。
また、本発明において、ゴム材料に混合する絶縁性補強繊維又は絶縁性補強シートは、ゴム材料との接着性を向上させるための表面処理を施したものであることが好ましい。
また、本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子は、前記被覆体の笠部の周辺部分の上面及び/又は下面に突起を形成したものであることが好ましい。
また、本発明に係る鳥害防止ポリマー型避雷器は、筒状の芯体を有する上記の鳥害防止ポリマー碍子の、前記筒状の芯体内に限流素子ユニットが収容されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ポリマー碍子の被覆体の少なくとも笠部の周辺部分が絶縁性補強繊維等で強化された強化ゴム材料で形成されているので、被覆体の少なくとも笠部の周辺部分の機械的強度が高く、鳥が啄ばめないので、鳥の啄ばみによる損傷を防止することができる。また、絶縁性補強繊維等で強化された強化ゴム材料は、被覆体のゴム材料と同等の電気絶縁性能を有するので、碍子としての電気絶縁性能も確保できる。
また、被覆体の少なくとも笠部の周辺部分に、絶縁性補強繊維等で強化された強化ゴム材料を被覆した構成としても、同様の効果を得ることができる。
また、ゴム材料に混合する絶縁性補強繊維等に、ゴム材料との接着性を向上させるための表面処理を施しておけば、ゴム材料と絶縁性補強繊維等との接着性が高まり、より機械的強度を向上させることができる。
また、被覆体の笠部の周辺部分の上面及び/又は下面に突起を形成しておけば、鳥が嘴を開いて笠部の周辺部分に噛み付こうとしても突起が邪魔で噛み付き難くなるので、笠部の周辺部分の損傷をより確実に防止することができる。
また、本発明によれば、ゴム製の被覆体を有するポリマー型避雷器においても、上記と同様の効果を得ることができる。
<実施形態1> 図1は本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子の一実施形態を示す。図において、1はポリマー碍子、2Aは棒状のFRP製芯体、3はその芯体2Aの外周に一体に形成されたゴム製(例えばシリコーンゴム製)の被覆体である。被覆体3は通常の碍子のように笠部4と胴部5を交互に有するものである。芯体2Aの両端には連結用の端末金具6が固定されている。
このポリマー碍子1の特徴は、被覆体3の笠部4の周縁部分を、ゴム材料に絶縁性補強繊維(ガラス繊維、ポリエステル繊維又はポリアミド繊維等)、絶縁性補強シート(ガラス繊維、ポリエステル繊維又はポリアミド繊維等で作られたシート)又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料7で形成したことである。被覆体3の笠部4の周縁部分は、最も鳥が啄ばみやすい部分であり、この部分を強化ゴム材料7で形成すると、その部分が硬く、千切れにくくなるため、鳥が啄ばめなくなり、鳥の啄ばみによる損傷を防止できる。笠部4の周縁部分に形成する強化ゴム材料7の幅は5〜15mm程度にするとよい。
ゴム材料に混合する絶縁性補強繊維、絶縁性補強シートには、ゴム材料との接着性を向上させるための表面処理(例えばシリカカップリング)を施しておくことが好ましい。このようにすると、ゴム材料と絶縁性補強繊維又は絶縁性補強シートとの接着性が向上し、強化ゴム材料7の強度がより高まるので、鳥の啄ばみによる損傷をより確実に防止することができる。
なお、この実施形態では、被覆体3の笠部4の周縁部分を強化ゴム材料で形成したが、被覆体3全体を強化ゴム材料で形成してもよい。このようにすると、被覆体3全体を鳥の啄ばみから保護することができ、損傷防止効果がより確実になる。
また、この実施形態では、棒状の芯体2Aを使用した場合を説明したが、この実施形態は芯体が筒状である場合にも同様に適用可能である。
<実施形態2> 図2は本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子の他の実施形態を示す。図において、1はポリマー碍子、2Bは棒状のFRP製芯体、3はその芯体2Bの外周に一体に形成されたゴム製(例えばシリコーンゴム製)の被覆体である。被覆体3は通常の碍子のように笠部4と胴部5を交互に有するものである。芯体2Bの両端の端末金具6は図示を省略してある。
このポリマー碍子1の特徴は、被覆体3の笠部4の周縁部分に、ゴム材料に絶縁性補強繊維(ガラス繊維、ポリエステル繊維又はポリアミド繊維等)、絶縁性補強シート(ガラス繊維、ポリエステル繊維又はポリアミド繊維等で作られたシート)又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料7を被覆したことである。被覆体3の笠部4の周縁部分は、最も鳥が啄ばみやすい部分であり、この部分に強化ゴム材料7を被覆すると、その部分の表面が硬く、千切れにくくなるため、鳥が啄ばめなくなり、鳥の啄ばみによる損傷を防止できる。笠部4の周縁部分に被覆する強化ゴム材料7の幅は5〜15mm程度にするとよい。
ゴム材料に混合する絶縁性補強繊維、絶縁性補強シートには、ゴム材料との接着性を向上させるための表面処理(例えばシリカカップリング)を施しておくことが好ましい。このようにすると、ゴム材料と絶縁性補強繊維又は絶縁性補強シートとの接着性が向上し、強化ゴム材料7の強度がより高まるので、鳥の啄ばみによる損傷をより確実に防止することができる。
なお、この実施形態では、被覆体3の笠部4の周縁部分に強化ゴム材料7を被覆したが、被覆体3全体に強化ゴム材料を被覆してもよい。このようにすると、被覆体3全体を鳥の啄ばみから保護することができ、損傷防止効果がより確実になる。
また、この実施形態では、筒状の芯体2Bを使用した場合を説明したが、この実施形態は芯体が棒状である場合にも同様に適用可能である。
<実施形態3> 図3は本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子のさらに他の実施形態を示す。図3(A)、(B)は図1(B)、(C)に対応する図面で、図3では図1(A)に対応する図面は省略してある。この実施形態が、先に説明した実施形態1と異なる点は、強化ゴム材料7で形成された笠部4の周辺部分の上面に、周方向に適当な間隔をあけて、多数の突起8を形成したことである。それ以外の構成は、実施形態1と同じであるので、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
上記のような突起8を形成すると、鳥が嘴を開いて笠部4の周辺部分に噛み付こうとしても突起8が邪魔で噛み付き難くなるので、笠部4の周辺部分の損傷をより確実に防止することができる。突起8の間隔は鳥(オウムやカラスなどの比較的大型の鳥)の嘴の幅より狭くすることが好ましい。
突起8を形成する場合には、電気絶縁性能上、突起8の上端とその上の笠部4との間隔を20mm以上あけることが好ましい。
この実施形態では、突起8を笠部4の周辺部分の上面に形成したが、突起は笠部4の周辺部分の下面に形成してもよく、上面と下面の両方に形成してもよい。
また、この実施形態は、実施形態2のように、芯体が筒状である場合にも、また強化ゴム材料が笠部の周辺部分に被覆されている場合にも、同様に適用可能である。
<実施形態4> 図4は本発明に係る鳥害防止ポリマー型避雷器の一実施形態を示す。この鳥害防止ポリマー型避雷器11は、図2のような筒状の芯体2Bを有する鳥害防止ポリマー碍子1の、筒状の芯体2B内に避雷器の限流素子ユニット12を収容したものである。13は限流素子ユニット12の両端に設置された電極、14は限流素子ユニット12を加圧するバネである。ポリマー碍子1の構成は、図2に示したポリマー碍子1と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
ポリマー碍子内に限流素子ユニットを収容したポリマー型避雷器においても、鳥の啄ばみによるポリマー碍子の損傷は起こり得るので、ポリマー碍子1の被覆体3の少なくとも笠部4の周辺部分に強化ゴム材料7を被覆しておけば(あるいは少なくとも笠部4の周辺部分を強化ゴム材料7で形成しておけば)、鳥の啄ばみによるポリマー碍子の損傷を防止できる。
本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子の一実施形態を示す、(A)は一部切開正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)のC−C線断面図。 本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子の他の実施形態を示す、(A)は一部切開正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(B)のC−C線断面図。 本発明に係る鳥害防止ポリマー碍子のさらに他の実施形態を示す、(A)は横断面図、(B)は(A)のB−B線断面図。 本発明に係る鳥害防止ポリマー型避雷器の一実施形態を示す一部切開正面図。
符号の説明
1:鳥害防止ポリマー碍子 2A:棒状の芯体 2B:筒状の芯体 3:被覆体
4:笠部 5:胴部 6:端末金具 7:強化ゴム材料 8:突起
11:鳥害防止ポリマー型避雷器 12:限流素子ユニット 13:電極
14:バネ

Claims (5)

  1. 棒状又は筒状の芯体の外周に、笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を形成してなるポリマー碍子において、前記被覆体の少なくとも笠部の周縁部分を、ゴム材料に絶縁性補強繊維、絶縁性補強シート又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料で形成したことを特徴とする鳥害防止ポリマー碍子。
  2. 棒状又は筒状のFRP製芯体の外周に、笠部と胴部を交互に有するゴム製の被覆体を形成してなるポリマー碍子において、前記被覆体の少なくとも笠部の周縁部分に、ゴム材料に絶縁性補強繊維、絶縁性補強シート又はエポキシ樹脂を1種又は2種以上混合してなる強化ゴム材料を被覆したことを特徴とする鳥害防止ポリマー碍子。
  3. ゴム材料に混合する絶縁性補強繊維又は絶縁性補強シートは、ゴム材料との接着性を向上させるための表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の鳥害防止ポリマー碍子。
  4. 前記被覆体の笠部の周辺部分の上面及び/又は下面に突起を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鳥害防止ポリマー碍子。
  5. 筒状の芯体を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の鳥害防止ポリマー碍子の、前記筒状の芯体内に限流素子ユニットが収容されていることを特徴とする鳥害防止ポリマー型避雷器。
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