JP2005318867A - 架空ケーブル用鳥害防止器 - Google Patents
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Abstract
【課題】架空ケーブル長方向に比較的広い間隔に設定しても鳥が止まるのを有効に防止でき、低コストで長区間の鳥害を防止できるとともに、軽量にでき、架空ケーブルに掛かる荷重も軽減される鳥害防止器を提供する。
【解決手段】架空ケーブル3を包囲する絶縁性筒状カバー1の外側面にリブ4,5を一体に形成するとともに、適宜間隔で該リブに開設した小孔7a,7bに絶縁性材料からなる弾性線材8を貫挿することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であって架空ケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなる。
【選択図】図1
【解決手段】架空ケーブル3を包囲する絶縁性筒状カバー1の外側面にリブ4,5を一体に形成するとともに、適宜間隔で該リブに開設した小孔7a,7bに絶縁性材料からなる弾性線材8を貫挿することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であって架空ケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は電力線や通信線などの架空ケーブルに野鳥が止まって糞害をもたらすのを防止する架空ケーブル用鳥害防止器に関するものである。
下記特許文献1に示された架空電線鳥害防止パイプは、パイプ外周面に多数のプラスチック製突出針を放射状に形成することにより、電力線や通信線などの架空ケーブルに多数の野鳥が止まるのを防ぎ、糞害等が防止されるようにするものである。
特開平11−113144号公報
また、建築現場の上空に架設された架空ケーブルや、街路樹が接触するおそれのある架空ケーブルでは、図7に示したように該架空ケーブルaに一時的或いは恒久的に被着する絶縁性筒状カバーbについて、野鳥が止まるのを防止するため該絶縁性筒状カバーの長手方向に定間隔で透孔cを開設して直径10mm程の丸棒状突起dを垂直に樹立させることがなされていた。或いは、図8に示したように、絶縁性筒状カバーb上に支柱eを樹立し、該支柱に釣糸として使用されるような細い透明なナイロン糸fを張ることもあった。
ところが図7に示した鳥害防止対策では、絶縁性筒状カバーに数十mmの間隔で多数の丸棒状突起dを設けねばならず、100mm以上の間隔で設けたのでは野鳥がその状況に慣れてくると効果が薄れるものであったので、長区間に設けることを考慮すると非常にコストが高くなるとともに、重量も増すのでケーブルに掛かる負荷が大きくなりケーブルが垂れ易くなって強風により揺れたり破断する可能性が増す等の問題があった。また、間隔を密に多数の透孔cを開設しなければならないことで該筒状カバーの強度が損なわれるおそれもあった。
また、図8に示した対策では、長期間経るとやがてはナイロン糸fが伸びて垂れてしまい防止効果がなくなるおそれがあった。なお、ナイロン糸に代えて剛性のある線材を張ったのでは、その線材上に鳥が止まり得るので意味をなさない。
また、図8に示した対策では、長期間経るとやがてはナイロン糸fが伸びて垂れてしまい防止効果がなくなるおそれがあった。なお、ナイロン糸に代えて剛性のある線材を張ったのでは、その線材上に鳥が止まり得るので意味をなさない。
本発明は上記課題を解決しようとするもので、請求項1に記載の架空ケーブル用鳥害防止器は、架空ケーブルを包囲する絶縁性筒状カバーの外側面にリブを一体に形成するとともに、適宜間隔で該リブに開設した小孔に絶縁性材料からなる弾性線材を貫挿することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であって架空ケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は上記架空ケーブル用鳥害防止器において、絶縁性筒状カバーの外側面に2条のリブを形成し、該リブに至近距離に開設した2箇所を1組とする小孔を開設し、適宜長さにカットした弾性線材を両端から該小孔に夫々貫挿し、該弾性線材の略中央折曲部を他方のリブに当接させることにより抜け止めし、該弾性線材を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とする。
また請求項3に記載の架空ケーブル用鳥害防止器は、弾性材料により切欠環状体を形成し、該環状体に開設した小孔に絶縁性材料からなる弾性線材を貫挿するとともに、架空ケーブルまたは該架空ケーブルを包囲する絶縁性筒状カバーの外側面に該環状体を跨状に被着することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であってケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は請求項3に記載の架空ケーブル用鳥害防止器において、切欠環状体の略中央に2箇所を1組とする小孔を開設し、適宜長さにカットした弾性線材を該小孔に夫々貫挿し、架空ケーブルまたは絶縁性筒状カバーの外側面に該環状体を被着することにより該弾性線材の略中央折曲部を該カバーの外側面に当接させて該弾性線材を抜け止めすることにより該弾性線材を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とする。
また請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれかに記載の架空ケーブル用鳥害防止器において、弾性線材はガラス繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなるものであることを特徴とする。
また請求項6に記載の発明は請求項1〜4のいずれかに記載の架空ケーブル用鳥害防止器において、弾性線材はポリエチレンテレフタレート繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなるものであることを特徴とする。
弾性線材は風圧によって撓み得るような弾性状であることから、鳥が羽ばたきすることにより該弾性線材が揺れて不規則な動きをして鳥の翼や体に当たるために鳥は止まることを忌諱する。また、弾性線材をケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させるものであるので、弾性線材を設ける間隔を広くでき、コストおよび重量負荷を軽減させる。
次に請求項1および2に記載した架空ケーブル用鳥害防止器の実施例を説明する。図1はこの架空ケーブル用鳥害防止器の斜視図、図2はその横断面図である。絶縁性筒状カバー1はポリプロピレン等のプラスチックの押出成形により筒状に成形され、架空ケーブル3を包囲し得るもので、2,2はその両側縁に一体に形成された包囲端合掌用の鍔部である。また、該絶縁性筒状カバー1と一体でその外側面の一側に数ミリの間隔を置いて2条平行にリブ4,5が形成される。なお、下方のリブ5の先端縁には上向の突提6が一体に形成される。そして、該絶縁性筒状カバー1を押出成形した後に上方のリブ4に小孔7a,7bを間隔Lが300mm〜500mmとなるように該筒状カバー1の長手方向に適宜間隔で開設する。なお、該小孔7a,7bは至近距離(数ミリ)の2箇所に開設したものを1組とするものである。
そして、絶縁性材料からなる弾性線材8を適宜長さにカットし、該弾性線材8の両端をリブ4の下側から小孔7a,7bに貫挿し、該両端を上方に引っ張り上げることにより該弾性線材の略中央折曲部9を下方のリブ5の上面に当接させることにより抜け止めし、該弾性線材8を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなる。
上記弾性線材8はガラス繊維またはポリエチレンテレフタレート繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなる太さ1mm〜2.5mmのもので、風圧によって撓み得るような弾性的性状のもので、このような資材を使用することにより温度変化にも強く耐候性のある弾性線材を得ることができる。また、カーボン繊維やアラミド繊維を線状とした弾性線材を使用することも可能である。
また、上記突提6は弾性線材8の略中央折曲部9が外方に脱落し難いようにするために形成している。
上記弾性線材8はガラス繊維またはポリエチレンテレフタレート繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなる太さ1mm〜2.5mmのもので、風圧によって撓み得るような弾性的性状のもので、このような資材を使用することにより温度変化にも強く耐候性のある弾性線材を得ることができる。また、カーボン繊維やアラミド繊維を線状とした弾性線材を使用することも可能である。
また、上記突提6は弾性線材8の略中央折曲部9が外方に脱落し難いようにするために形成している。
このように構成した鳥害防止器では、弾性線材8の両端が架空ケーブルの両長方向に延びることから、上記間隔Lを300mm〜500mmの広めに設定しても鳥が止まるのを防止でき、低コストで長区間の鳥害を防止することができる。
また、細径の弾性線材により軽量にできるので架空ケーブルに掛かる荷重も軽減される。また、弾性線材8が自然の風または鳥が至近距離で羽ばたきしたときの風によって撓んで揺れ、止まろうとする鳥の翼や体に該弾性線材8が当たることから、鳥はそうした状況に慣れることなく止まることを忌諱する。
また、細径の弾性線材により軽量にできるので架空ケーブルに掛かる荷重も軽減される。また、弾性線材8が自然の風または鳥が至近距離で羽ばたきしたときの風によって撓んで揺れ、止まろうとする鳥の翼や体に該弾性線材8が当たることから、鳥はそうした状況に慣れることなく止まることを忌諱する。
また、弾性線材8を両端から小孔7a,7bに貫挿し、その略中央折曲部9をリブ5に当接し抜け止めとしたことにより、絶縁性筒状カバー1に対する弾性線材8の止着が容易になるとともに、弾性線材8の両端を引っ張るだけで確実に止着できるので作業性もよい。
なお、この実施例では絶縁性筒状カバー1の外側面の一側にのみリブ4,5を形成したが、外側面の両側にリブ4,5を形成してもよいことは勿論である。
なお、この実施例では絶縁性筒状カバー1の外側面の一側にのみリブ4,5を形成したが、外側面の両側にリブ4,5を形成してもよいことは勿論である。
次に請求項3および4に記載した架空ケーブル用鳥害防止器の実施例を説明する。図3はこの架空ケーブル用鳥害防止器の斜視図、図4はその使用状態を示した絶縁性筒状カバーの斜視図である。この実施例ではプラスチック等の弾性材料により略C形の切欠環状体11を形成し、環状体の略中央に2箇所を1組とする小孔12a,12bを開設し、上記実施例と同様に風圧によって撓み得るような弾性状の弾性線材13を適宜長さにカットし、該弾性線材13を該小孔12a,12bに貫挿する。そして図5にも示したように該環状体11の切欠部を弾性的に拡張して絶縁性筒状カバー10の外側面に跨状に被着することにより該弾性線材の略中央折曲部14を該カバー10の外側面に当接させて該弾性線材13を抜け止めし、該弾性線材を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなる。
このように切欠環状体11は絶縁性筒状カバー10に対し上方から差し込むだけで簡単に取り付けることができる。このためこの鳥害防止器は架空ケーブルにすでに取り付けられている絶縁性筒状カバーに対して容易に後付けすることができ、その取付間隔も自由に設定することができる。
そしてこの鳥害防止器の場合も細径の弾性線材により軽量にできるので、架空ケーブルに掛かる荷重が軽減されるとともに弾性線材13が風により撓んで揺れるので鳥が止まるのを忌諱する顕著な効果がある。また、弾性線材13の両端を架空ケーブルの両長方向に延ばすことにより、取付間隔を300mm〜500mmの広めにでき、低コストで長区間の鳥害を防止することができる。
また、弾性線材13を小孔12a,12bに貫挿し、その略中央折曲部14を絶縁性筒状カバー10の外側面に当接させることで該弾性線材を抜け止めすることができるので、該弾性線材13の止着作業も容易となる。
一方、図6に示した鳥害防止器は、弾性線材13が小孔12a,12bに貫挿された切欠環状体11を架空ケーブル3に対し上方から直に差し込んで取り付けたものであるが、請求項3および4に記載した鳥害防止器はこのように架空ケーブル3に直接取り付けることもできる。なお、この図6に示した切欠環状体11では一端部内周に滑り止め用の突起15が一体に成形され、該突起15を架空ケーブル3の表面に圧着させることで該切欠環状体11が取付後に無用に回転しないようにしている。このように本発明の鳥害防止器は架空ケーブルに直接取り付け場合も上記のような所期の効果が期待される。
1 絶縁性筒状カバー
3 架空ケーブル
4,5 リブ
6 突提
7a,7b 小孔
8 弾性線材
9 中央折曲部
11 切欠環状体
12a,12b 小孔
13 弾性線材
14 中央折曲部
3 架空ケーブル
4,5 リブ
6 突提
7a,7b 小孔
8 弾性線材
9 中央折曲部
11 切欠環状体
12a,12b 小孔
13 弾性線材
14 中央折曲部
Claims (6)
- 架空ケーブルを包囲する絶縁性筒状カバーの外側面にリブを一体に形成するとともに、適宜間隔で該リブに開設した小孔に絶縁性材料からなる弾性線材を貫挿することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であって架空ケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とした架空ケーブル用鳥害防止器。
- 絶縁性筒状カバーの外側面に2条平行にリブを形成し、該リブに至近距離に開設した2箇所を1組とする小孔を開設し、適宜長さにカットした弾性線材を両端から該小孔に夫々貫挿し、該弾性線材の略中央折曲部を他方のリブに当接させることにより抜け止めし、該弾性線材を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とした請求項1に記載の架空ケーブル用鳥害防止器。
- 弾性材料により切欠環状体を形成し、該環状体に開設した小孔に絶縁性材料からなる弾性線材を貫挿するとともに、架空ケーブルまたは該架空ケーブルを包囲する絶縁性筒状カバーの外側面に該環状体を跨状に被着することにより該カバー上に該弾性線材を風圧によって撓み得るような弾性状であってケーブル長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とした架空ケーブル用鳥害防止器。
- 切欠環状体の略中央に2箇所を1組とする小孔を開設し、適宜長さにカットした弾性線材を該小孔に夫々貫挿し、架空ケーブルまたは絶縁性筒状カバーの外側面に該環状体を被着することにより該弾性線材の略中央折曲部を該カバーの外側面に当接させて該弾性線材を抜け止めすることにより該弾性線材を架空ケーブルの両長方向に傾斜状態なるように自立させてなることを特徴とする請求項3に記載の架空ケーブル用鳥害防止器。
- 弾性線材はガラス繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の架空ケーブル用鳥害防止器。
- 弾性線材はポリエチレンテレフタレート繊維を多数本束ねて線状としその表面にポリエチレン樹脂を被覆してなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の架空ケーブル用鳥害防止器。
Priority Applications (1)
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JP2004141597A JP2005318867A (ja) | 2004-05-11 | 2004-05-11 | 架空ケーブル用鳥害防止器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011223723A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Sei Optifrontier Co Ltd | 鳥害防止ケーブル |
CN103579983A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-02-12 | 国网安徽省电力公司滁州供电公司 | 输电线路防鸟针板 |
CN103592731A (zh) * | 2013-10-16 | 2014-02-19 | 国网安徽省电力公司铜陵供电公司 | 用于架空光缆的防鼠装置 |
CN104052005A (zh) * | 2014-06-18 | 2014-09-17 | 国网四川省电力公司成都市新都供电分公司 | 一种高压输电线警示驱散装置 |
ES2478716R1 (es) * | 2013-01-18 | 2015-03-09 | Baquedano Juan Antonio Pena | Dispositivo contra el posado de aves |
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2004
- 2004-05-11 JP JP2004141597A patent/JP2005318867A/ja active Pending
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CN103579983B (zh) * | 2013-11-25 | 2017-01-11 | 国家电网公司 | 输电线路防鸟针板 |
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