JP6133122B2 - 蔓性植物の這い上がり防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地面上に立設された電柱を支持する支線などの索条体に沿って、地面側から蔓性植物が這い上がることを防止する蔓性植物の這い上がり防止装置に関するものである。
上記蔓性植物の這い上がり防止装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、這い上がり防止装置は、地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備えている。この被覆体の軸心周りの一部は、この被覆体の軸方向の全体にわたり切断されて切割りが形成される。そして、この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部が挿入可能とされている。また、上記切割りを形成する上記被覆体の両切断部分同士を締結して、上記切割りを閉じる締結具が設けられる。
上記索条体の中途部に対し上記這い上がり防止装置の取り付け作業をする場合には、まず、上記被覆体の切割りを通しこの被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入する。次に、上記被覆体の両切断部分同士を締結具により締結すれば、上記索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付けができるようになっている。そして、この後は、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは上記這い上がり防止装置により防止される。
特開平11−95号公報
ところで、上記従来の技術において、対象となる蔓性植物が這い上がりに勢いがあるような場合には、上記索条体の中途部に取り付けられる被覆体の径寸法をある程度大きくしたとしても、這い上がり防止装置を乗り越えて、蔓性植物が索条体に沿って這い上がるおそれがある。
一方、上記したように索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業は、上記切割りを通し上記被覆体の内部に索条体の中途部を挿入した後、上記被覆体の両切断部分同士を締結具により締結する、というものであるが、このような締結作業は煩雑である。よって、その分、上記索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業が煩雑になるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、索条体の中途部に取り付けた這い上がり防止装置により、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることを、より確実に防止できるようにし、かつ、上記索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業が、より容易にできるようにすることである。
請求項1の発明は、地面上に張設される索条体2の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体2の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体5を備え、この被覆体5は、その軸心6周りの一部をこの被覆体5の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割り7をし、この切割り7を通し上記被覆体5の内部に上記索条体2の中途部を挿入可能蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記切割り7を形成する上記被覆体5の両切断部分13,13を互いに圧接させる圧接体26,27が設けられており、上記被覆体5の軸心6周りの外面に蔓性植物の忌避材10されていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置である。
請求項2の発明は、地面上に張設される索条体2の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体2の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体5を備え、この被覆体5は、その軸心6周りの一部をこの被覆体5の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割り7を有し、この切割り7を通し上記被覆体5の内部に上記索条体2の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記被覆体5の軸心6周りの外面および上記切割り7を形成する上記被覆体5の両切断部分13,13で互いに対向する両対向面に蔓性植物の忌避材10が施されていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置である。
請求項3の発明は、地面上に張設される索条体2の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体2の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体5を備え、この被覆体5は、その軸心6周りの一部をこの被覆体5の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割り7を有し、この切割り7を通し上記被覆体5の内部に上記索条体2の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記被覆体5の軸心6周りの外面に蔓性植物の忌避材10が施されており、上記被覆体5の軸方向の一端部側には、上記忌避材10eが内面に施された凹部34が形成されており、上記被覆体5の軸方向に列設する他の被覆体5’の端部のうち、上記被覆体5の軸方向の一端部に対向する端部が、上記被覆体5の凹部34に嵌入可能な構成となっていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置である。
請求項の発明は、上記被覆体5弾性材で構成され、この被覆体5の弾性変形により上記切割り7が拡開されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蔓性植物の這い上がり防止装置である。
請求項の発明は、上記被覆体5が、上記切割り7を通し上記索条体2の中途部を遊嵌状に挿入させる筒形状の被覆体本体16と、この被覆体本体16に固着され、この被覆体本体16に挿入された索条体2の中途部に上記被覆体5の弾性力により圧接してこの被覆体5を索条体2に支持させる支持体17,18とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蔓性植物の這い上がり防止装置である。
請求項の発明は、上記被覆体5の他端部の端面に上記忌避材10fされたことを特徴とする請求項に記載の蔓性植物の這い上がり防止装置である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りをし、この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記切割りを形成する上記被覆体の両切断部分を互いに圧接させる圧接体が設けられており、上記被覆体の軸心周りの外面に蔓性植物の忌避材されている。
このため、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、この索条体の中途部に取り付けられた被覆体に加え、この被覆体の外面に施された忌避材によって、より確実に防止される。しかも、上記切割りは、上記圧接体によって、より確実に閉じられることから、索条体に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が上記切割りを通して上記被覆体の内部に入り込むことは、より確実に防止される。よって、蔓性植物が這い上がり防止装置を越えて這い上がることは、より確実に防止される。
また、上記の場合、両切断部分を互いに圧接させるときの上記圧接体の動作に連動して前記した支持体が索条体の中途部に対しより強く圧接するようにしてやれば、索条体への這い上がり防止装置の取り付け強度の向上は、上記圧接体を利用した分、より簡単な構成で達成される。
請求項2の発明は、地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りを有し、この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記被覆体の軸心周りの外面および上記切割りを形成する上記被覆体の両切断部分で互いに対向する両対向面に蔓性植物の忌避材が施されている。
このため、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、この索条体の中途部に取り付けられた被覆体に加え、この被覆体の外面に施された忌避材によって、より確実に防止される。しかも、上記索条体に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が上記切割りを通して上記被覆体の内部に入り込むことは、上記忌避材によって、更に確実に防止される。よって、蔓性植物が這い上がり防止装置を越えて這い上がることは、更に確実に防止される。
請求項3の発明は、地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りを有し、この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
上記被覆体の軸心周りの外面に蔓性植物の忌避材が施されており、上記被覆体の軸方向の一端部側には、上記忌避材が内面に施された凹部が形成されており、上記被覆体の軸方向に列設する他の被覆体の端部のうち、上記被覆体の軸方向の一端部に対向する端部が、上記被覆体の凹部に嵌入可能な構成となっている。
このため、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、この索条体の中途部に取り付けられた被覆体に加え、この被覆体の外面に施された忌避材によって、より確実に防止される。
しかも、上記索条体の中途部への被覆体の取り付けに加えて、上記索条体の中途部に隣接する他の中途部へ他の被覆体を取り付ける場合、上記被覆体の凹部に他の被覆体の端部を嵌入させることができる。
上記のようにすれば、第1に、索条体に対し上記被覆体に連なるよう他の被覆体を取り付けるとき、上記被覆体に対する他の被覆体の精度のよい位置決めが容易にでき、その分、この他の被覆体の取り付け作業が、より容易にできる。また、第2に、上記索条体に対し、その長手方向に沿って複数の被覆体を隙間なく連続的に取り付けることができる。よって、この這い上がり防止装置によれば、索条体に沿っての蔓性植物の這い上がりを更に確実に防止できる。
その上、上記索条体に対し、その長手方向に沿って複数の被覆体を連続的に取り付けた場合に、索条体に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が索条体の長手方向で隣り合う両被覆体の間の凹部に入り込むことは、上記忌避材によって、より確実に防止される。また、索条体に対し単体の被覆体を取り付けた場合も、その凹部に蔓性植物が入り込むことは、上記忌避材によって防止される。よって、蔓性植物が、この這い上がり防止装置を越えて這い上がることは、より確実に防止される。
請求項の発明は、上記被覆体弾性材で構成され、この被覆体の弾性変形により上記切割りが拡開されるように構成されている。
このため、上記索条体の中途部に対し這い上がり防止装置の取り付け作業をする場合には、まず、上記切割りを拡開させるよう上記被覆体を弾性変形させる。そして、このように拡開させた上記切割りを通し上記被覆体の内部に索条体の中途部を挿入する。次に、上記被覆体の弾性変形を解除すれば、上記被覆体は元の状態に戻って上記切割りが閉じられる。これにより、索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業が終る。
よって、上記索条体の中途部に対し這い上がり防止装置の取り付け作業をする場合、作業が煩雑な締結作業は不要であり、その分、這い上がり防止装置の取り付け作業は、より容易にできる。
請求項の発明は、上記被覆体が、上記切割りを通し上記索条体の中途部を遊嵌状に挿入させる筒形状の被覆体本体と、この被覆体本体に固着され、この被覆体本体に挿入された索条体の中途部に上記被覆体の弾性力により圧接してこの被覆体を索条体に支持させる支持体とを備えている。
このため、前記した索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業において、まず、上記被覆体の弾性変形により拡開させた切割りを通し上記被覆体の内部に索条体の中途部を挿入させ、次に、上記被覆体の弾性変形を解除させれば、このときの被覆体の弾性力により、上記支持体は索条体の中途部に自動的に圧接してこの索条体に上記被覆体が支持され、索条体に這い上がり防止装置が取り付けられることとなる。よって、索条体の長手方向の所望位置への這い上がり防止装置の取り付けは容易な作業によって強固にできることから、この這い上がり防止装置によれば、蔓性植物の這い上がりは更に確実に防止される。
請求項の発明は、上記被覆体の他端部の端面に上記忌避材されている。
このため、特に、上記被覆体の一端部よりも他端部を、下側(地面側)に位置させるよう索条体の中途部に取り付けてやれば、索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、上記忌避材によって、より確実に未然に防止される。
本発明装置の側面部分破断部分断面図である。 (a)は、図1のII−II線矢視断面図で、(b)は、(a)の作用説明図である。 (a)は、図1のIII−III線矢視部分破断図で、(b)は、(a)の作用説明図である。 図1で示したものの斜視図である。
本発明の蔓性植物の這い上がり防止装置に関し、索条体の中途部に取り付けた這い上がり防止装置により、上記索条体に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることを、より確実に防止できるようにし、かつ、上記索条体の中途部への這い上がり防止装置の取り付け作業が、より容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、蔓性植物の這い上がり防止装置は、地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備える。この被覆体の軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断して切割りが形成される。この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部が挿入可能とされる。上記被覆体の軸心周りの外面に蔓性植物の忌避材が施される。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1,2(a),3(a),4において、符号1は、蔓性植物の這い上がり防止装置である。例えば、電柱を支持するよう地面上に支線が張設されている場合において、上記這い上がり防止装置1は、上記支線などの索条体2に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることを防止するためのものである。上記索条体2は、地面側から垂直上方、もしくは斜め上方に延びている。
上記這い上がり防止装置1は、索条体2の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体2の中途部に取り付けられる円筒形状の被覆体5を備えている。この被覆体5の軸心6周りの一部がこの被覆体5の軸方向の全体にわたり切断されて切割り7が形成される。そして、この切割り7を通し上記被覆体5の内部に索条体2の中途部が挿入可能とされる。
上記被覆体5の軸心6周りの外面に蔓性植物の忌避材10が施される。この忌避材10は、樹脂製繊維による織編物製や不織布製の可撓性基材と、この基材に被覆されたり含浸されたりする可撓性樹脂材と、この樹脂材に含有されたり塗布などにより付着されたりして植物の生長を阻害する忌避剤とを備えている。また、上記忌避材10には、上記基材、樹脂材、および/もしくは忌避剤に耐候性が含浸されたり含有されたりする。
上記切割り7を形成している上記被覆体5の両切断部分13,13は、この被覆体5の自由状態で互いに当接(圧接含む)しているが、わずかな隙間があってもよい。上記被覆体5は全体的に弾性材で構成される。
そして、図2(b),3(b)で示すように、上記被覆体5の両切断部分13,13が互いに離反するようこれら各切断部分13に外力Fを与えれば、上記被覆体5の弾性変形により上記切割り7が拡開されるようになっている。そして、このように拡開した切割り7を通して上記被覆体5の内部に上記索条体2の中途部が離脱可能に挿入可能とされる。
上記外力Fを解除すれば、上記被覆体5は、その弾性力により、図1,2(a),3(a),4で示すように、元の状態(自由状態)に戻る。この状態において、上記被覆体5は、上記切割り7を通し索条体2の中途部を遊嵌状に挿入させる円筒形状の被覆体本体16と、この被覆体本体16の軸方向の一端部と他端部とに固着され、この被覆体本体16に挿入された索条体2の中途部に上記被覆体5の弾性力により圧接して、この被覆体5を索条体2に支持させる一対の支持体17,18とを備えている。
上記被覆体本体16は発泡スチロール製で、全体として弾性を有している。この被覆体本体16における両切断部分13,13は、上記軸心6周りで互いに対向している。上記被覆体本体16の上記軸心6周りの外面には、上記忌避材10のうちの一部である第1忌避材10aが施される。また、上記両切断部分13,13において互いに対向する両対向面には、それぞれ第2忌避材10bが施される。
上記各支持体17,18は、それぞれゴム製で、全体として弾性を有し、互いに同形同大とされる。これら各支持体17,18は、それぞれ上記被覆体本体16の軸方向の端部に内嵌されてこの被覆体本体16の端部内面に接着などにより固着される円環状の環状体21と、この環状体21の内面から上記軸心6側に向かって一体的に突出する複数(3つ)の突起22と、これら各突起22の突出端に一体的に形成される複数(4つ)の舌片23とを備えている。
上記各支持体17,18の各突起22は、上記軸心6に沿った視線で見て(図2(a),3(a))、山形状をなし、かつ、軸心6周りで等間隔に配置される。上記各支持体17,18において、軸心6周りで互いに隣接する両突起22,22間の環状体21の部分にそれぞれ上記切割り7が形成される。
上記被覆体本体16の軸方向の一端部と他端部とに対し、その各外面に上記第1忌避材10aを介し圧接するよう外嵌され、上記被覆体5の両切断部分13,13を互いに圧接させると共に、上記各支持体17,18をそれぞれ上記索条体2の中途部に、より強く圧接させる一対の圧接体26,27が設けられる。
上記各圧接体26,27は互いに同形同大とされる。これら各圧接体26,27は、上記被覆体本体16の軸方向の一端部と他端部とに外嵌される樹脂製で可撓性の帯状体30と、この帯状体30の一端部に形成される係止孔31と、上記帯状体30の他端部に一体的に突設され、上記被覆体本体16の外面に対し上記帯状体30が圧接した状態で、上記係止孔31の孔縁部に離脱可能に係止される係止突起32とを有している。この場合、帯状体30の外面に第3忌避材10cが施される。
上記被覆体5の軸方向で、この被覆体5に対し、この被覆体5と同形同大の他の被覆体5’を列設するとき、上記被覆体5の軸方向の一端部側にこの一端部に対向する上記他の被覆体5’の端部を嵌入可能とさせる凹部34が形成される。この場合、上記被覆体5の一端部に、この一端部の軸方向の外方に向かって開く容器35が形成され、この容器35の内面が上記凹部34とされる。
具体的には、上記容器35は、上記被覆体5の一端部側における上記圧接体26の帯状体30に一体的に形成され、この圧接体26から上記被覆体5の軸方向外方に向かって径寸法が漸増するよう延出する円錐台筒形状の拡大部36と、この拡大部36の径小側の内周面に一体的に形成される円形の環状部37と、上記拡大部36の延出端部に一体的に形成される円形の筒状部38とを有し、上記拡大部36、環状部37、および筒状部38はそれぞれ上記軸心6上に位置している。
上記容器35の軸心6周りの一部に上記切割り7が形成される。この場合、上記容器35の拡大部36と環状部37とは上記切割り7によりそれぞれ二部品に分断される。一方、上記筒状部38において、上記軸心6を基準とした上記切割り7の径方向の対称位置に薄肉部が形成され、これがヒンジ部39とされる。そして、このヒンジ部39を挟む上記筒状部38の二部品同士は、上記拡大部36と環状部37との各二部品と共に、上記ヒンジ部39を中心として互いに相対回動可能とされる。
上記容器35の外、内面に跨るように第4、第5忌避材10d,10eが施される。また、上記被覆体5の他端部の端面にも第6忌避材10fが施される。
上記索条体2の中途部に対し這い上がり防止装置1の取り付け作業をする場合には、まず、この這い上がり防止装置1の上記被覆体5の両切断部分13,13に手の指を掛けたり、上記這い上がり防止装置1を索条体2に押し付けたりするなどして、上記両切断部分13,13が互いに離反するようこれら各切断部分13に外力Fを与える。すると、上記被覆体5の被覆体本体16、および各支持体17,18のそれぞれの弾性変形により上記切割り7が拡開される(図2中(b))。また、これと共に、上記ヒンジ部39を中心として拡大部36、環状部37、および筒状部38の各二部材が互いに離反するよう回動し、上記切割り7が拡開される(図3中(b))。
次に、上記被覆体5を索条体2の中途部に、より接近させて、上記切割り7を通し上記被覆体5の内部に索条体2の中途部を挿入する(図2(b),3(b)中二点鎖線)。そして、この状態から上記外力Fを解除する。すると、上記被覆体5は、その弾性力により、元の状態に戻る(図1,2(a),3(a),4)。この際、この弾性力により、上記被覆体5は上記切割り7を閉じると共に、上記被覆体本体16内に挿入された索条体2の中途部に上記各支持体17,18が圧接して、この索条体2に上記被覆体5が支持される。
これにより、索条体2の中途部への這い上がり防止装置1の取り付け作業が終る。また、索条体2の他の中途部に対し他の被覆体5’を取り付ける場合には、上記被覆体5の取り付け作業と同様の作業をすればよい。
なお、上記被覆体5の軸方向の一端部と他端部とは、いずれを下側(地面側)に位置させてもよい。また、この被覆体5は多角形の筒形状であってもよい。
上記構成によれば、被覆体5の軸心6周りの外面に蔓性植物の忌避材10を施している。
このため、上記索条体2に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、この索条体2の中途部に取り付けられた被覆体5に加え、この被覆体5の外面に施された忌避材10によって、より確実に防止される。
また、前記したように、被覆体5を弾性材で構成し、この被覆体5の弾性変形により切割り7が拡開されるようにしている。
このため、上記索条体2の中途部に対し這い上がり防止装置1の取り付け作業をする場合には、まず、上記切割り7を拡開させるよう上記被覆体5を弾性変形させる(図2(b),3(b)中実線)。そして、このように拡開させた上記切割り7を通し上記被覆体5の内部に索条体2の中途部を挿入する(図2(b),3(b)中二点鎖線)。次に、上記被覆体5の弾性変形を解除すれば、上記被覆体5は元の状態に戻り(図1,2(a),3(a),4)、これにより、索条体2の中途部への這い上がり防止装置1の取り付け作業が終る。
よって、上記索条体2の中途部に対し這い上がり防止装置1の取り付け作業をする場合、作業が煩雑な締結作業は不要であり、その分、這い上がり防止装置1の取り付け作業は、より容易にできる。
また、前記したように、被覆体5が、切割り7を通し索条体2の中途部を遊嵌状に挿入させる筒形状の被覆体本体16と、この被覆体本体16に固着され、この被覆体本体16に挿入された索条体2の中途部に上記被覆体5の弾性力により圧接してこの被覆体5を索条体2に支持させる支持体17,18とを備えている。
このため、前記した索条体2の中途部への這い上がり防止装置1の取り付け作業において、まず、上記被覆体5の弾性変形により拡開させた切割り7を通し上記被覆体5の内部に索条体2の中途部を挿入させ、次に、上記被覆体5の弾性変形を解除させれば、このときの被覆体5の弾性力により、上記各支持体17,18は索条体2の中途部に自動的に圧接してこの索条体2に上記被覆体5が支持され、索条体2に這い上がり防止装置1が取り付けられる。よって、索条体2の長手方向の所望位置への這い上がり防止装置1の取り付けは容易な作業によって強固にできることから、この這い上がり防止装置1によれば、蔓性植物の這い上がりは更に確実に防止される。
また、前記したように、切割り7を形成している被覆体5の両切断部分13,13を互いに圧接させる圧接体26,27を設けている。
このため、上記切割り7は、上記各圧接体26,27によって、より確実に閉じられることから、索条体2に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が上記切割り7を通して上記被覆体5の内部に入り込むことは、より確実に防止される。よって、蔓性植物が這い上がり防止装置1を越えて這い上がることは、より確実に防止される。
また、上記の場合、両切断部分13,13を互いに圧接させるときの上記各圧接体26,27の動作に連動して前記した各支持体17,18が索条体2の中途部に圧接するようにしてやれば、索条体2への這い上がり防止装置1の取り付け強度の向上は、上記各圧接体26,27を利用した分、より簡単な構成で達成される。
また、前記したように、切割り7を形成する上記被覆体5の両切断部分13,13で互いに対向する両対向面に上記第3忌避材10cを施している。
このため、上記索条体2に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が上記切割り7を通して上記被覆体5の内部に入り込むことは、上記第3忌避材10cによって、更に確実に防止される。よって、蔓性植物が這い上がり防止装置1を越えて這い上がることは、更に確実に防止される。
また、前記したように、被覆体5の軸方向で、この被覆体5に対し他の被覆体5’を列設するとき、上記被覆体5の軸方向の一端部側にこの一端部に対向する上記他の被覆体5’の端部を嵌入可能とする凹部34を形成している。
このため、上記索条体2の中途部への被覆体5の取り付けに加えて、上記索条体2の中途部に隣接する他の中途部への他の被覆体5’を取り付ける場合、上記被覆体5の凹部34に他の被覆体5’の端部を嵌入させることができる。
上記のようにすれば、第1に、索条体2に対し上記被覆体5に連なるよう他の被覆体5’を取り付けるとき、上記被覆体5に対する他の被覆体5’の精度のよい位置決めが容易にでき、その分、この他の被覆体5’の取り付け作業が、より容易にできる。また、第2に、上記索条体2に対し、その長手方向に沿って複数の被覆体5,5’を隙間なく連続的に取り付けることができる。よって、この這い上がり防止装置1によれば、索条体2に沿っての蔓性植物の這い上がりを更に確実に防止できる。
また、前記したように、凹部34の内面に上記第5忌避材10eを施している。
このため、上記索条体2に対し、その長手方向に沿って複数の被覆体5,5’を連続的に取り付けた場合に、索条体2に沿って地面側から這い上がってきた蔓性植物が索条体2の長手方向で隣り合う両被覆体5,5’の間の凹部34に入り込むことは、上記第5忌避材10eによって、より確実に防止される。また、索条体2に対し単体の被覆体5を取り付けた場合も、その凹部34に蔓性植物が入り込むことは、上記忌避材によって防止される。よって、蔓性植物が、この這い上がり防止装置1を越えて這い上がることは、より確実に防止される。
また、前記したように、被覆体5の他端部の端面に上記第6忌避材10fを施している。
このため、特に、上記被覆体5の一端部よりも他端部を、下側(地面側)に位置させるよう索条体2の中途部に取り付けてやれば、索条体2に沿って地面側から蔓性植物が這い上がることは、上記第6忌避材10fによって、より確実に未然に防止される。
1 這い上がり防止装置
2 索条体
5 被覆体
5’ 被覆体
6 軸心
7 切割り
10 忌避材
10a 第1忌避材
10b 第2忌避材
10c 第3忌避材
10d 第4忌避材
10e 第5忌避材
10f 第6忌避材
13 切断部分
16 被覆体本体
17 支持体
18 支持体
21 環状体
22 突起
23 舌片
26 圧接体
27 圧接体
30 帯状体
31 係止孔
32 係止突起
34 凹部
35 容器
F 外力

Claims (6)

  1. 地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、
    この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りをし、
    この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能蔓性植物の這い上がり防止装置において、
    上記切割りを形成する上記被覆体の両切断部分を互いに圧接させる圧接体が設けられており、
    上記被覆体の軸心周りの外面に蔓性植物の忌避材されていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置。
  2. 地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、
    この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りを有し、
    この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
    上記被覆体の軸心周りの外面および上記切割りを形成する上記被覆体の両切断部分で互いに対向する両対向面に蔓性植物の忌避材が施されていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置。
  3. 地面上に張設される索条体の長手方向の中途部を覆うよう、この索条体の中途部に取り付けられる筒形状の被覆体を備え、
    この被覆体は、その軸心周りの一部をこの被覆体の軸方向の全体にわたり切断した構成の切割りを有し、
    この切割りを通し上記被覆体の内部に上記索条体の中途部を挿入可能な蔓性植物の這い上がり防止装置において、
    上記被覆体の軸心周りの外面に蔓性植物の忌避材が施されており、
    上記被覆体の軸方向の一端部側には、上記忌避材が内面に施された凹部が形成されており、
    上記被覆体の軸方向に列設する他の被覆体の端部のうち、上記被覆体の軸方向の一端部に対向する端部が、上記被覆体の凹部に嵌入可能な構成となっていることを特徴とする蔓性植物の這い上がり防止装置。
  4. 上記被覆体弾性材で構成され、この被覆体の弾性変形により上記切割りが拡開されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蔓性植物の這い上がり防止装置。
  5. 上記被覆体が、上記切割りを通し上記索条体の中途部を遊嵌状に挿入させる筒形状の被覆体本体と、この被覆体本体に固着され、この被覆体本体に挿入された索条体の中途部に上記被覆体の弾性力により圧接してこの被覆体を索条体に支持させる支持体とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蔓性植物の這い上がり防止装置。
  6. 上記被覆体の他端部の端面に上記忌避材されたことを特徴とする請求項に記載の蔓性植物の這い上がり防止装置。
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