JP3142167U - 鳥害防止具 - Google Patents

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栄一 村上
哲生 黒井
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名伸電機株式会社
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Abstract

【課題】ケーブルの太さに左右されることなく、しかも屈曲状に張られたケーブルにも簡単に装着できると共に、軽量化され、風圧による負荷も軽減される鳥害防止具を提供する。
【解決手段】帯状材2が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブ1と、該帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体4とからなり、該帯状材をケーブル10aの外周に巻き付けることにより該棒状体が放射状に配設される。また、スパイラルチューブ1は、帯状材2に螺旋状の巻き癖が付けられたものとする。
【選択図】図5

Description

本考案は電線等の架空ケーブルに野鳥が留まることで糞の散乱や短絡事故等が引き起こされるのを防止するための鳥害防止具に関するものである。
電線等の架空ケーブルに適宜間隔で多数の棒状体を配設することで、カラス,鳩等の野鳥が該棒状体が障害となって寄り付けなくし、糞が散乱したり短絡事故を引き起こす等の鳥害を未然に防止できるようにする鳥害防止具は、従来から種々の形態のものが知られている。例えば下記特許文献1に示された鳥獣害防止具は、軸方向に沿って切り裂き可能な切れ目が下側面に形成され該切れ目を開閉することにより電線等の外周に装着可能にしたポリエチレン製の筒状体と、目立たない色で筒状体の外周に螺旋を描くように植設した多数の例えばポリプロピレン製の可撓性突起(以下、棒状体という)とからなり、該棒状体はその幹部に筒状体の軸方向に向かって突出する枝部が形成されていることから、少ない本数の棒状体により鳥を近づけないようにでき、軽量化により架空ケーブルに掛かる負荷が軽減されるようにするものである。
特開平9−248118号公報
ところが上記鳥害防止具は、筒状体に棒状体が起立状に植設されなければならないので、該筒状体をある程度の剛性を有する厚手に成形する必要がある。このため筒状体自体の重量が軽減されないと共に、筒状体の下側面に切れ目を開閉するために一体に成形されたフランジ部に風圧を受け易いので、依然として架空ケーブルにかなりの負荷を掛けるものであった。
また、上記筒状体は剛性であって十分にフレキシブルでないので、例えば高圧電線の縁廻し部等の屈曲状に張られたケーブルに沿って屈曲させて装着することが困難であった。
また、ケーブルの太さは様々であるが、上記筒状体はケーブルの太さに合わせて内径の異なるものを夫々成形しないと装着できないのでコストが掛かり、しかも、どの太さのケーブルにもそれにあった筒状体が装着されるので、架空ケーブル全体がその分太くなり余計に目立って周囲の景観を損なうといった欠点があった。
本考案は上記課題を解決しようとするもので、請求項1に記載した鳥害防止具は、帯状材が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブと、該帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体とからなり、該帯状材をケーブルの外周に巻き付けることにより該棒状体が放射状に配設されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載した考案は上記鳥害防止具において、帯状材の長手方向に適宜間隔にて透孔を開設し、棒状体を該透孔に貫挿することによって該帯状材に固植したことを特徴とする。
また、請求項3に記載した考案は請求項2に記載した鳥害防止具において、棒状体の基部に該棒状体の基端部側から順に透孔より大径のフランジ部と、透孔と略々同径の括れ部と、透孔よりも大径の拡径用リブを一体に成形し、該棒状体を帯状材の内側から透孔に圧入することで該括れ部が該透孔に合着し該棒状体が帯状材に起立状に固植されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載した考案は請求項1記載の鳥害防止具において、帯状材と棒状体とを弾性合成樹脂により一体に成形したことを特徴とする。
なお、ここでケーブルとは、電線だけでなく電話線、光ファイバー、テレビケーブル等の屋外に張設され得る種々の架空ケーブルを総称する。
請求項1に記載した鳥害防止具は、軽量であると共に風圧を受け難く架空ケーブルの負荷が軽減される。また自由に屈曲できるので屈曲状に張られたケーブルにも自由に装着できる。また、ケーブルの太さに左右されることなく装着できると共に、格別の工具を要することなく簡単に装着できるので、鳥害防止に要するコストが軽減される。
請求項2および3に記載した鳥害防止具では、棒状体が帯状材から起立するように確実に組み立てられる。
請求項4に記載した鳥害防止具では、組立の手間を要さず製造コストがより軽減される。
以下、本考案に係る鳥害防止具の実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。図1は複数本の電線を束ね保護するときに従来から電線の外周に巻き付けて使用されているポリエチレンまたは塩化ビニル等の弾性合成樹脂により螺旋状の巻き癖が付くように成形されたスパイラルチューブを示す。該スパイラルチューブ1は、押出成形されたチューブに螺旋状の切れ目を入れることにより帯状材2を螺旋状に形成したものである。なお、該スパイラルチューブ1はこのように螺旋状の切れ目を入れる方法のほか、一定幅の弾性合成樹脂製の帯状材を螺旋状に巻回して加熱し螺旋状に付形することにより製造することもできる。いずれにしても螺旋状の巻き癖が付いた帯状材2は、弾性により電線の外周に自然と巻き付き状態に保持されることから複数本の電線を簡単に束ねることができる。なお、この実施形態に示す帯状材2は、幅12mm、厚さ1mm程度のものである。
そして図2に示したように該帯状材2の長手方向に適宜間隔(20mm程度の間隔)にて直径3mm程度の丸い透孔3を開設する。4はポリエチレンまたは塩化ビニル等の弾性合成樹脂により全体として細長(長さ64mm程度)の略円錐形に成形された棒状体で、該棒状体には、基端部側から順に前記透孔3より大径の円板状のフランジ部5と、透孔3と略々同径の円軸状の括れ部6と、透孔よりも少し大径の拡径用リブ7が一体に成形されている。該拡径用リブ7は棒状体の外周に4つが該括れ部6に向かって次第に透孔3よりもやや大径となるようにテーパ状に成形されたものである。なお、作業者の手袋の破損を防ぎまた鳥を傷付けないようにするため、各棒状体4の先端部には先鋭にならないように小球状部8が一体に成形されている。
そこで該棒状体4を帯状材2の内側から透孔3に貫挿し圧入すると、該透孔3は周囲の4つの拡径用リブ7によって弾性的に拡径された後、括れ部6に該透孔3が合着し、該棒状体4を帯状材2に対し起立状に固植することができる。このようにして多数の棒状体4を帯状材2に固植することにより図3に示した鳥害防止具が組み立てられる。なお、図4はこの鳥害防止具の横断面図である。このように構成された鳥害防止具は、スパイラルチューブ1をケーブルの長さに合わせて適宜長に切断して鳥害が発生しそうな屋外の架空ケーブルの外周にその帯状材2を巻き付けることにより装着される。
図5〜図7は、太さの違うケーブル10a〜10cの外周に装着した例を示すが、このように螺旋状に形成された帯状材2はケーブル10a〜10cの外周に巻き付けたとき螺旋状への弾性復元力が働くことから、太さの違うケーブル10a〜10cの外周にも常に密着させることができる。そして帯状材2がケーブル10a〜10cの外周に密着した状態では円板状のフランジ部5がケーブル10a〜10cの外周に密着されることから棒状体4がしっかりと起立状態に保持される。また、仮にケーブル10a〜10cがその中心軸線に対して直交する面内で回転したとしても、棒状体4が放射状に固植されている関係から、常にいずれかの棒状体4が上方を向くことになる。このように鳥害防止具を装着することにより、複数の棒状体4がケーブル10a〜10cの外周に放射状に配設されることから、該棒状体4が邪魔となって野鳥が寄り付くことができなくなり、野鳥の糞が散らばったり、野鳥が短絡事故を引き起こす等の鳥害を未然に防止することができる。しかも、いずれの場合も、ケーブル10a〜10cに間隔を開けて螺旋状に帯状材2を巻き付けるようにすれば、ケーブル10a〜10cが露出し太く見えないことから、目立ち難く周囲の景観を損なうおそれも少ない。
また、この鳥害防止具では帯状材2をケーブル10a〜10cの長手方向に引っ張ることにより螺旋間の隙間gが適当になるように装着することができるので、多数の棒状体4の間隔もこれによって自由に調節することができる。このため多数の棒状体4の間隔を野鳥を近づけないための必要十分なものに調整することができ、常に適当な本数の棒状体を設定することができ軽量化が可能となる。しかも、帯状材2は螺旋状であることから軽くでき、風圧も受け難いので、この点からも架空ケーブルの負荷を大幅に軽減することができる。
なお、11は帯状材2の移動を防ぐため該帯状材2の一端の透孔3に通しケーブル10a〜10cの外周を縛ったバインド線である。また、図示しないが、前記バインド線以外に例えばインシュロック機構を備えたバンドを使用しても良く、または透孔3を使用せず帯状材2の両端部にテープを巻くようにしても良い。この鳥害防止具では上記のように帯状材2の弾性復元力が働いてケーブルの外周に密着するようになるので、このような移動防止手段は必ずしも設けなくてもよい。
図8はこの鳥害防止具を電柱20から住宅21への架空引込線10dに装着した例を示すが、このように本考案の鳥害防止具は、架空引込線10d、或いは電柱間に張設された電線等に装着するに際し特別の工具を必要とすることなく簡単に装着することができる。このため高所での取付工事も安全に短時間に完了できるようになる。
また、図9はこの鳥害防止具の他の使用例を示したもので、この場合、電柱22に高圧直付金具23が取り付けられ、該金具に一端が係止されたガイシ24,25を介してクランプカバー26,27が設けられ、該クランプカバー間に架設された高圧電線の屈曲状の縁廻し部10eにこの鳥害防止具を装着している。なお、29は該縁廻し部の真中を支持する中実ガイシである。このように本考案の鳥害防止具は従来の筒状体と異なり十分にフレキシブルであるので、ケーブルの形状に沿うよう自由に屈曲し難なく装着することができる。
なお、本考案は上記実施形態に限定されることなく、種々の設計変更が可能である。例えば、帯状材2に棒状体4を固植する手段としてはこの実施形態に示したような透孔に棒状体を貫挿するものに限らず、熱融着、係合、或いは接着剤による接着、或いはこれらを組み合わせた適宜手段を採ることができる。また、図示しないが、棒状体4の周囲に半径方向に突出する複数本の枝部を放射状に形成することにより、1本の棒状体で野鳥が近寄り難くできる範囲がより広くなるようにすることもできる。
また、以上の実施形態では帯状材2と棒状体4とを別体として成形したが、本考案ではこれらを弾性合成樹脂により予め一体成形することも可能である。図10はこれを射出成形により一体成形する際の形状を示すもので、分離用の肉薄線部30を隔てて複数本平行に成形される各帯状材2の上面に長手方向に適宜間隔にて複数の棒状体4が一体に成形され、この各帯状材2を肉薄線部30から1本ずつに分離した後、丸軸状の治具(図示せず)の外周面に螺旋状に巻回して加熱し、該帯状材2を螺旋状に付形する。これにより帯状材2と棒状体4とが一体成形された鳥害防止具を製造することができ、この製造方法によれば帯状材2に棒状体4をいちいち固植する組立の手間を要しない利点がある。
本考案に係るスパイラルチューブの斜視図。 本考案に係る鳥害防止具の分解斜視図。 本考案に係る鳥害防止具の外観斜視図。 図3の鳥害防止具の横断面図。 本考案に係る鳥害防止具のケーブルへの装着状態を示す側面図。 本考案に係る鳥害防止具のケーブルへの装着状態を示す側面図。 本考案に係る鳥害防止具のケーブルへの装着状態を示す側面図。 本考案に係る鳥害防止具の使用例を示す側面図。 本考案に係る鳥害防止具の使用例を示す側面図。 本考案に係る鳥害防止具の帯状材と棒状体とを一体成形する際の成形品の斜視図。
符号の説明
1 スパイラルチューブ
2 帯状材
3 透孔
4 棒状体
5 フランジ部
6 括れ部
7 拡径用リブ
10a〜10e ケーブル

Claims (4)

  1. 帯状材が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブと、前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体とからなり、
    前記帯状材をケーブルの外周に巻き付けることにより前記棒状体が放射状に配設されるようにしたことを特徴とする鳥害防止具。
  2. 帯状材が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブと、前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体とからなり、
    前記棒状体は前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて開設した透孔に貫設され、
    前記帯状材をケーブルの外周に巻き付けることにより前記棒状体が放射状に配設されるようにしたことを特徴とする鳥害防止具。
  3. 帯状材が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブと、前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体とからなり、
    前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて透孔を開設し、前記棒状体はその基部に該棒状体の基端部側から順に前記透孔より大径のフランジ部と、前記透孔と略々同径の括れ部と、前記透孔よりも大径の拡径用リブが一体に成形され、前記棒状体を前記帯状材の内側から前記透孔に圧入することで前記括れ部が該透孔に合着して該棒状体が帯状材に起立状に設けられ、
    前記帯状材をケーブルの外周に巻き付けることにより前記棒状体が放射状に配設されるようにしたことを特徴とする鳥害防止具。
  4. 帯状材が螺旋状に形成されてなる弾性合成樹脂製のスパイラルチューブと、前記帯状材の長手方向に適宜間隔にて固植された多数の棒状体とからなり、
    前記帯状材と前記棒状体とは弾性合成樹脂により一体に成形され、
    前記帯状材をケーブルの外周に巻き付けることにより前記棒状体が放射状に配設されるようにしたことを特徴とする鳥害防止具。
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JP2021013321A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 中国電力株式会社 鳥害防止器具

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