JP2014090717A - 電気柵用防草シート - Google Patents
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Abstract
【課題】電気柵の裸電線の下方の草の成長を抑えて草刈に要する時間を大幅に削減し、しかも猪などの害獣に有効に衝撃電流を与えることができる電気柵用防草シートを提供する。
【解決手段】化学繊維を織って作られた防草シートに亀甲金網を取り付けて電気柵用防草シートを形成し、電気柵の裸電線の下方の地面にこの電気柵用防草シートを亀甲金網の面を上側にして敷設する。そして亀甲金網と地面との電気的導通を得るために、電気柵用防草シートを固定金具で地面に固定するか、亀甲金網の一部が直接地面に接する構造とする。こうすることにより防草シートによって電気柵の裸電線の下方の草の成長を抑えて草刈に要する時間を大幅に削減でき、かつ亀甲金網と地面との電気的導通が確保できるので、亀甲金網の上に立った猪などの害獣が電気柵の裸電線に触れると害獣に有効に衝撃電流を与えることができる。
【選択図】図4
【解決手段】化学繊維を織って作られた防草シートに亀甲金網を取り付けて電気柵用防草シートを形成し、電気柵の裸電線の下方の地面にこの電気柵用防草シートを亀甲金網の面を上側にして敷設する。そして亀甲金網と地面との電気的導通を得るために、電気柵用防草シートを固定金具で地面に固定するか、亀甲金網の一部が直接地面に接する構造とする。こうすることにより防草シートによって電気柵の裸電線の下方の草の成長を抑えて草刈に要する時間を大幅に削減でき、かつ亀甲金網と地面との電気的導通が確保できるので、亀甲金網の上に立った猪などの害獣が電気柵の裸電線に触れると害獣に有効に衝撃電流を与えることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、猪や鹿の田畑への侵入を防止するために設置される電気柵の裸電線の下方における草の成長を抑えるために、電気柵の裸電線の下方の地面に敷設する電気柵用防草シートに関するものである。
近年山間地域の田畑において猪や鹿の侵入による被害が多発しているため、田畑の作物の周囲に電気柵を設置することが行なわれている。電気柵とは田畑の周囲に裸電線を張設し、その裸電線に衝撃高圧を印加して、侵入しようとする猪や鹿を感電させることによって撃退するものである。
この電気柵は図1に示すように、田畑の周囲に打設された絶縁物の支柱2に金具1により支持された裸電線3を張設し、その裸電線3に衝撃高圧発生装置5より発生する6,000V〜7,000Vの衝撃高圧を印加するものである。
猪6が田畑に侵入しようとしてこの張設された裸電線3に触れると、図1の矢印のように、つまり 衝撃高圧発生装置5→裸電線3→猪6→地面4→アース棒7→衝撃高圧発生装置5 のルートで衝撃電流が流れて猪6は感電する。
しかしながら裸電線3の下の地面4に草8が生えて成長し裸電線3に接触すると、草8を通じて漏れ電流が流れるために裸電線3にかかる衝撃電圧が減少するので、猪6に有効に衝撃電流を流せなくなる。それを防ぐためには裸電線3の下方の草8を刈り取る作業が必要となるが、地面4と裸電線3の距離は20cm程度なので夏のように草の成長が速い季節には2週間毎に草刈をしなければならない。
裸電線3の下方の地面4に草が生えることを防止するのに有効な手段は、図2のように地面4に防草シート9を敷設することである。防草シートとは化学繊維を織って作られたシートであって、成長する草の芽が防草シートを通過し難いことと日光を遮断して草が光合成を行うことを妨害することによって草の成長を抑えることができる。
しかしながらこの防草シート9は化学繊維を織って作られているので、それ自体が電気的絶縁物である。図2のように猪6が防草シート9の上に乗ってしまうと猪6は地面4から絶縁されるので、猪6が裸電線3に触れても裸電線3から地面4に向かって衝撃電流が流れないので猪6は感電しなくなり、電気柵本来の目的が果たせなくなってしまう。
そこで本発明が解決しようとする課題は、猪や鹿などの害獣の田畑への侵入を防止する目的の電気柵において、裸電線の下方の草の成長を抑制して草刈に要する労力を大幅に削減でき、しかも衝撃電圧発生器より発生した衝撃電流が害獣の体内を通り効果的に地中に流れ込んで害獣に衝撃を与えられる電気柵用防草シートを提供することにある。
上記の課題を解決するために本発明では、化学繊維を織って作られた防草シートに亀甲金網を取り付けて電気柵用防草シートを形成し、電気柵の裸電線の下方の地面にこの電気柵用防草シートを亀甲金網の面を上側にして敷設することにした。そして亀甲金網と地面との電気的導通を得るために、電気柵用防草シートを固定金具で地面に固定するか、亀甲金網の一部が直接地面に接する構造とした。
化学繊維を織って作られた防草シートに亀甲金網を取り付けた電気柵用防草シートの構造としては、以下の3種類が考えられる。まず図3−1の断面図のように化学繊維を織って作られた防草シート9と、その防草シート9の幅と同じ幅を有する亀甲金網10を、両者の端を一致させるようにして、ホッチキスやハトメのような止め具11により両者が離反せぬように接合した構造の電気柵用防草シートである。これを以後「同幅型電気柵用防草シート」と呼ぶことにする
次は図3−2の断面図のように、防草シート9よりも亀甲金網10の幅を20cm〜40cm広くして、両者の幅方向の中心線が一致するようにホッチキスやハトメのような止め具11により両者が離反せぬように接合し、亀甲金網10の端が防草シート9の両端より10cm〜20cmはみ出した構造とした電気柵用防草シートである。これを以後「はみ出し型電気柵用防草シート」と呼ぶことにする。
最後は図3−3の断面図のように、はみ出し型電気柵用防草シートに於いて防草シート9の両端から10cm〜20cmはみ出した亀甲金網10を、防草シート9の両端で折り曲げて亀甲金網10で防草シート9を挟み込む構造とした電気柵用防草シートである。これを以後「折り曲げ型電気柵用防草シート」と呼ぶことにする。
以下に図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図4の断面図は、同幅型電気柵用防草シートを電気柵の裸電線3の下方の地面4に敷設した場合の実施例である。同幅型電気柵用防草シートは、固定金具12によって地面4に固定される。固定金具12は地面4に突き刺さっていながら亀甲金網10に接触しているので、この固定金具12を通じて亀甲金網10と地面4との電気的導通が得られる。したがって亀甲金網10の上に立っている猪6が裸電線3に触れると、裸電線3から地面4に向かって衝撃電流が流れるので猪6は感電する。
一例として防草シート9の幅は60cm、亀甲金網10は線径0.4mm〜1mmの亜鉛引き鉄線で作られていて網目の大きさは1cmが適当である。
図4の断面図は、同幅型電気柵用防草シートを電気柵の裸電線3の下方の地面4に敷設した場合の実施例である。同幅型電気柵用防草シートは、固定金具12によって地面4に固定される。固定金具12は地面4に突き刺さっていながら亀甲金網10に接触しているので、この固定金具12を通じて亀甲金網10と地面4との電気的導通が得られる。したがって亀甲金網10の上に立っている猪6が裸電線3に触れると、裸電線3から地面4に向かって衝撃電流が流れるので猪6は感電する。
一例として防草シート9の幅は60cm、亀甲金網10は線径0.4mm〜1mmの亜鉛引き鉄線で作られていて網目の大きさは1cmが適当である。
図4の同幅型電気柵用防草シートの実施例において、電気柵用防草シートを敷設した直後は亀甲金網10と固定金具12の接触状態は良好に保たれるが、経年変化により亀甲金網10と固定金具12の間に隙間ができて良好な接触が維持できなくなる。亀甲金網10と固定金具12の間に隙間ができた場合に、亀甲金網10の上に立っている猪6が裸電線3に触れると、猪6と亀甲金網10の対地電位は裸電線3と同じ6,000V〜7,000Vになる。したがってこの6,000V〜7,000Vの衝撃電圧が、亀甲金網10と固定金具12との隙間にかかることになる。空気の絶縁破壊電圧は1mmの距離につき約3,000Vなので、亀甲金網10と固定金具12との隙間が概ね2mm以内であれば、亀甲金網10と固定金具12との隙間の空気が衝撃電圧によって絶縁破壊を起こすのでこの隙間に電流が流れて猪6は感電してしまう。つまり同幅型電気柵用防草シートを敷設した場合、経年変化により亀甲金網10と固定金具12の間に隙間ができて良好な接触が維持できなくなっても、その隙間が概ね2mm以内の箇所が1箇所でもあれば猪6は感電してしまうので電気柵の機能を損なうことは無い。
図5の断面図は、はみ出し型電気柵用防草シートを電気柵の裸電線3の下方の地面4に敷設した場合の実施例である。同幅型電気柵用防草シートと同様に固定金具12を通じて亀甲金網10と地面4との電気的導通が得られるが、防草シート9の両端から10cm〜20cmはみ出した部分の亀甲金網10が直接地面4に接触するので、亀甲金網10と地面4との電気的導通が更に良好となる。また防草シート9の両端から10cm〜20cmはみ出した部分の亀甲金網10が直接地面4に接触しているので、固定金具12の替わりにプラスチック製の固定具を使うこともできる。
図6の断面図は、折り曲げ型電気柵用防草シートを電気柵の裸電線3の下方の地面4に敷設した場合の実施例である。同幅型電気柵用防草シートと同様に固定金具12を通じて亀甲金網10と地面4の電気的導通が得られるが、防草シート9の両端から防草シート9を挟み込むように折り曲げた10cm〜20cm幅の亀甲金網10が直接地面4に接触するので、亀甲金網10と地面4との電気的導通が更に良好となる。また折り曲げた10cm〜20cm幅の亀甲金網10が直接地面4に接触しているので、固定金具12の替わりにプラスチック製の固定具を使うこともできる。
本発明の防草シートと亀甲金網を組み合わせた電気柵用防草シートを、電気柵の裸電線の下方の地面に亀甲金網の面を上側にして敷設すれば、防草シートにより草の成長は抑えられるので草刈の労力を大幅に削減できる。また電気柵用防草シートを地面に固定する固定金具や、直接地面に接する亀甲金網によって亀甲金網と地面との電気的導通が維持されるので、亀甲金網の上に立った猪などの害獣が電気柵の裸電線に触れると害獣に有効に衝撃電流を与えることができる。
1 金具、2 絶縁物の支柱、3 裸電線、4 地面、5 衝撃高圧発生装置、6 猪、7 アース棒、8 草、9 防草シート、10 亀甲金網、11 止め具、12 固定金具
Claims (3)
- 田畑の周囲に裸電線を張設しこの裸電線に衝撃高圧を印加して、侵入しようとする鹿や猪を感電させることによって撃退する電気柵において、その裸電線の下方の地面に敷設する電気柵用防草シートであって、化学繊維を織って作られた防草シートと、その防草シートの幅と同じ幅を有する亀甲金網を、両者の端を一致させるようにして、ホッチキスやハトメのような止め具により両者が離反せぬように接合した構造を特徴とする電気柵用防草シート
- 防草シートよりも亀甲金網の幅を20cm〜40cm広くして、両者の幅方向の中心線が一致するようにホッチキスやハトメのような止め具により両者が離反せぬように接合し、亀甲金網の端が防草シートの両端より10cm〜20cmはみ出した構造とした電気柵用防草シート
- 請求項2の電気柵用防草シートにおいて、防草シートの両端から10cm〜20cmはみ出した亀甲金網を、防草シートの両端で折り曲げて亀甲金網で防草シートを挟み込む構造とした電気柵用防草シート
Priority Applications (1)
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JP2012254662A JP2014090717A (ja) | 2012-11-02 | 2012-11-02 | 電気柵用防草シート |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180057560A (ko) * | 2016-11-21 | 2018-05-30 | 시라사키 코포레이션 | 야생 동물 침입 방지 네트 |
JP2020120641A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 株式会社白崎コーポレーション | 導電性防草シート |
CN114541872A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-27 | 国网新疆电力有限公司经济技术研究院 | 电力防护装置 |
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2012
- 2012-11-02 JP JP2012254662A patent/JP2014090717A/ja active Pending
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KR102018801B1 (ko) | 2016-11-21 | 2019-09-04 | 시라사키 코포레이션 | 야생 동물 침입 방지 네트 |
JP2020120641A (ja) * | 2019-01-31 | 2020-08-13 | 株式会社白崎コーポレーション | 導電性防草シート |
CN114541872A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-27 | 国网新疆电力有限公司经济技术研究院 | 电力防护装置 |
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