JP2010001568A - 高強度ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性、曲げ加工性および溶接部靭性に優れた高強度ステンレス鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.020%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.10%以下、Cr:11.0%以上15.0%未満、Ni:0.5%以上3.0%未満、Mo:0.5%以上2.0%未満、B:0.0005〜0.0050%、N:0.020%以下、14.0≦Cr+Mo+1.5Si≦15.0,2.0≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu)≦3.0,Cr+0.5(Ni+Cu)+3.3Mo≧16.0,0.010≦C+N≦0.02を満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で20%以上のマルテンサイト相と残部のフェライト相との混合組織からなる組織とを有する高強度ステンレス鋼板。
【選択図】図1

Description

本発明は、高強度ステンレス鋼板に係わり、とくに耐食性を要求される土木建築構造部材用、あるいは耐食性を要求される、自転車、自動車、鉄道車両等の車両補強用溶接構造部材に用いて好適な高強度ステンレス鋼板に関する。さらに、例えば、自転車等の車輪のリム材用として好適な、耐食性および溶接部の打抜き加工性に優れた高強度ステンレス鋼板に関する。
耐食性を要求される構造部材用の高強度ステンレス鋼板としては、従来から、オーステナイト系ステンレス鋼板を冷間圧延したもの、あるいはマルテンサイト系ステンレス鋼板を焼入れ焼戻したものが広く用いられてきた。
しかし、オーステナイト系ステンレス鋼板はヤング率が低く、構造設計のうえで剛性の確保に不利であり、また、オーステナイト系ステンレス鋼板は冷間圧延時に導入される歪に不均一が生じる場合があり、さらには、オーステナイト系ステンレス鋼板は高価なNiを8質量%程度含有しているため製造コストが高価となる、という問題がある。また、マルテンサイト系ステンレス鋼板は、延性が低く、加工性が著しく劣化するという問題がある。
一方、フェライト系ステンレス鋼板は、良好な延性を有しているが、強度が低いという問題がある。フェライト系ステンレス鋼板の強度を高める方法として、冷間圧延を施し、高強度化することが試みられたが、この方法では、圧延歪を導入して高強度化するため延性が低下し、成形時に破断が生じる場合があった。
このような問題に対し、組織をフェライトとマルテンサイトとの混合組織として、高強度と高延性とを両立させることが提案されている。例えば、特許文献2には、Cr:10.0〜14.0%、Ni:3.0 %以下と、さらに、Cu:3.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.12%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜3.0 を満足する鋼スラブに、熱延、中間焼鈍を挟む2回以上の冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、面内異方性の小さい高延性高強度のクロムステンレス鋼帯の製造方法が記載されている。
また、特許文献3には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下と、さらに、Cu:4.0 %以下を含有し、C+N:0.01〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:0.5 〜5.0 を満足する鋼スラブに、熱延、中間焼鈍なしの1回の冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
また、特許文献4には、Cr:10.0〜20.0%、Ni:4.0 %以下、さらに、Cu:4.0 %以下、Mo:1.0 超〜2.5 %を含有し、C+N:0.010 〜0.20%、{Ni+(Mn+Cu)/3}:5.0 以下を満足する鋼スラブに、熱延、冷延を施したのち、Ac1点以上1100℃以下のフェライト+オーステナイトの二相域温度に加熱したあと、1〜500 ℃/sの冷却速度で100 ℃まで冷却する連続仕上熱処理を施す、延性に優れた高強度クロムステンレス鋼帯の製造法が記載されている。
また、従来から、自転車リム用鋼板としては、主として耐食性の観点から、16〜18%のCrを含有するSUS430、SUS430LXなどのフェライト系ステンレス鋼板が使用されてきた。最近では、自転車の軽量化が指向され、自転車リムも薄肉化することが要望されているため、使用する鋼板の強度を、SUS430、SUS430LXなどの強度(450 〜550MPa)から、さらに高強度とする必要がある。
通常、自転車リムは、図5に示すように、鋼板を曲げ加工し、鋼板の幅中央と幅両端を重ね合わせてシーム溶接したのち、所定の長さに切断し、ついでリング状に成形し、さらに切断部をフラッシュバット溶接等で、突き合わせ溶接して製造される。このため、自転車リム用鋼板には、溶接部の強度、靱性や耐食性に優れることが要求される。
このような要求に対し、例えば、特許文献1には、二回以上溶接して自転車用ホイール(自転車リム)とする用途に用いられる高強度Cr含有ステンレス鋼が提案されている。特許文献1に記載された技術では、化学組成を、Cr:11〜17%、Ni:0.8 〜3.0 %と、さらにNb:0.05〜0.35%、Cu:0.05〜0.8 %を含有し、C+N<0.05%、Nb/(C+N):2.5 〜7、CRE 値:5 〜20に調整した組成とすることにより、二回以上溶接しても材質劣化が少なく、耐力:60kgf/mm2(588MPa)以上を有する高強度ステンレス鋼板が得られるとしている。
特公平7-51737号公報 特公平7−100822号公報 特公平7−107178号公報 特公平8− 14004号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載された鋼板(鋼帯)では、延性やプレス成形における加工性は十分であるが、構造部材の加工に頻繁に用いられる、曲げ加工に対しては十分な特性が得られていないという問題があった。また、溶接部の靭性も十分とはいえず問題を残していた。
また、特許文献1〜特許文献4に記載された鋼板(鋼帯)は、いずれも自転車の軽量化に寄与できる程度の高強度化は達成できている。しかし、自転車リムの成形工程では、図5に示すように、スポークを通すための穴をシーム溶接部に打ち抜く工程が必須工程としてあり、特許文献1〜特許文献4に記載された技術で製造された鋼板(鋼帯)を用いたリムでは、スポーク用の穴を打ち抜く際に、シーム溶接部に割れを生じる場合があり、溶接部の打抜き加工性に問題を残していた。
一方、自転車リム用として、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼を冷間圧延して高強度化することが考えられるが、オーステナイト系ステンレス鋼はヤング率が低く、リム剛性の確保に不利であり、また、高価なNiを8質量%以上含有しているため製造コストが高価になるという問題がある。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、耐食性を要求される土木建築構造部材用、あるいは耐食性を要求される、自転車、自動車、鉄道車両等の柱、梁等の車両補強用の溶接構造部材用として好適な、曲げ加工性および溶接部靭性に優れた高強度ステンレス鋼板およびその製造方法を提案することを目的とする。また、本発明は、例えば、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、車椅子等の車輪のリム材用として好適な、高強度で、かつ耐食性および溶接部の打抜き加工性に優れた高強度ステンレス鋼板およびその製造方法を提案することを目的とする。なお、本発明でいう「高強度」ステンレス鋼板とは、引張強さが730 〜1200MPa であるステンレス鋼板をいうものとする。
ステンレス鋼板の引張強さが、730MPa以上であれば従来のSUS430やSUS430LXの強度より高強度であり、自転車リム等を薄肉化するのに十分な強度となる。なお、1200MPa を超えると構造体としての強度は高くなるが、スプリングバックが大きくなり、リム成形の際の曲げ加工が著しく困難となる。自転車等のリム材用ステンレス鋼板としては、引張強さを800 MPa 以上とすることが好ましく、900〜1000MPa程度とすることがより好ましい。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、まず高強度ステンレス鋼板の強度、曲げ加工性、溶接部靭性に及ぼす、各種元素および組織の影響について鋭意検討した。その結果、
(1)Cr当量(=Cr+Mo+1.5Si )、Ni当量(=Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu))を所定範囲内に限定することにより、容易に組織をマルテンサイト+フェライトの混合組織とすることができ、延性を損なうことなく、引張強さ730MPa以上の高強度が得られること、
(2)さらにC、N含有量を調整し、(C+N)量を適正範囲内とすることにより曲げ加工性が顕著に向上すること、
(3)C、N含有量を低減し、さらにNiを含有することにより、溶接部靭性が顕著に改善されること、
を見出した。
図1に、フェライト+マルテンサイト組織を有する鋼板(板厚:1.0mm)について、(C+N)量と曲げ加工特性、延性(伸び)、マルテンサイト量との関係を示す。なお、フェライト+マルテンサイト組織を有する鋼板は、質量%で、C:0.003〜0.025%、Si:0.2%、Mn:0.2%、P:0.02%、S:0.003%、Al:0.003%、Cr:13%、Ni:0.5〜2.5%、N:0.003〜0.025%を含有する冷延鋼板(マルテンサイト体積率がおよそ50%になるようにC、N、Ni量を調整した)に、1000〜1100℃のフェライト+オーステナイトの二相域に加熱し空冷する処理を施して得たものを使用した。
曲げ加工特性は、上記した鋼板を用いて180°曲げ試験を実施し、割れが発生しなくなる最小内側半径(mm)を求めた。また、同一鋼板について、引張試験を実施して伸びを測定し、延性を評価した。図1から、(C+N)量が0.030%を超えて多くなると、延性の変化はほとんど認められないが、曲げ加工特性が顕著に低下する。図1から、(C+N)量が曲げ加工特性に大きく影響することがわかる。
また、本発明者らは、さらに、高強度ステンレス鋼板の耐食性および溶接部の打抜き加工性に及ぼす、各種元素および組織の影響について鋭意検討した。その結果、
(4)Cr当量(=Cr+Mo+1.5Si )、Ni当量(=Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu))を前記した(1)より狭い所定範囲内に限定するとともに、MoおよびBを適正量必須含有とすることにより、焼入性が顕著に改善され、容易に組織をマルテンサイト+フェライトの混合組織とすることができ、延性を損なうことなく、800MPa 以上の高強度が得られること、
(5)Cr、Ni、Mo含有量を調整して、{Cr+0.5Ni +3.3Mo }を所定値以上とすることにより、母材や打抜き穴剪断面の耐食性が顕著に改善されること、
(6)Cr含有量を15質量%未満に限定するとともに、(C+N)が前記した(3)よりさらに狭い適正範囲となるようにC、N含有量を調整することにより、溶接部の打抜き加工性が顕著に改善されること
を新たに見出した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成したものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、C:0.020%以下、Si:1.0 %以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.10 %以下、Cr:11.0%以上15.0%未満、Ni:0.5 %以上3.0 %未満、Mo:0.5 %以上2.0 %未満、B:0.0005〜0.0050%、N:0.020%以下を、次(1)〜(4)式
14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
(ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で20%以上のマルテンサイト相と残部のフェライト相との混合組織からなる組織と、を有し、耐食性と溶接部の打抜き加工性に優れることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。
(2)(1)において、前記組成が、さらに不純物としてのCuを0.04%未満に調整した組成であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記高強度ステンレス鋼板が、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、または車椅子のリム材用であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記高強度ステンレス鋼板が、熱延鋼板であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。
(5)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記高強度ステンレス鋼板が、冷延鋼板であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。
(6)質量%で、C:0.020%以下、Si:1.0 %以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.10 %以下、Cr:11.0%以上15.0%未満、Ni:0.5 %以上3.0 %未満、Mo:0.5 %以上2.0 %未満、B:0.0005〜0.0050%、N:0.020%以下を、次(1)〜(4)式
14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
(ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有するステンレス鋼板を素材として、該素材に、900 〜1200℃の温度範囲内の温度に加熱し、好ましくは該温度に15s以上保持したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施し、耐食性および溶接部の打抜き加工性に優れるステンレス鋼板とすることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(7)(6)において、前記素材であるステンレス鋼板の組成が、さらに不純物としてのCuを0.04%未満に調整した組成であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(8)(6)または(7)において、前記高強度ステンレス鋼板が、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、または車椅子のリム材用であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(9)(6)ないし(8)のいずれかにおいて、前記素材が、熱延鋼板であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
(10)(6)ないし(9)のいずれかにおいて、前記素材が、冷延鋼板であることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。
本発明によれば、引張強さ:730MPa以上の高強度を有し、耐食性、曲げ加工性および溶接部靭性に優れた高強度ステンレス鋼板、あるいはさらに溶接部の打抜き加工性に優れた高強度ステンレス鋼板を、容易にそして安価に提供することができ、産業上格段の効果を奏する。なお、本発明の高強度ステンレス鋼板は、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、車椅子等の車輪のリム材用にも適用できる。
曲げ加工性、伸びと(C+N)量との関係を示すグラフである。 鋼板(No.2-1)の光学顕微鏡組織写真である。 溶接熱影響部靭性試験片のノッチ位置を模式的に示す説明図である。 シーム溶接部の打抜き加工用試験片を模式的に示す説明図である。 自転車リムおよびその断面形状を模式的に示す説明図である。
まず、本発明高強度ステンレス鋼板の組成限定理由について説明する。以下、組成における質量%は単に%で記す。
C:0.02%以下
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、所望の強度を確保するためには0.005%以上含有することが望ましいが、0.02%を超える含有は、延性、曲げ加工性および溶接部靭性を著しく低下させ、とくに、曲げ加工性、溶接部の打抜き加工性を顕著に低下させる。このため、本発明ではCは0.02%以下に限定した。なお、曲げ加工性、溶接部の打抜き加工性の観点からは、0.020%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.015 %以下である。なお、さらに好ましくは0.010%以下である。
また、耐食性と溶接部の打ち抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途では、Cは0.020%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
Si:1.0 %以下
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼の強度を高める元素であり、このような効果は0.05%以上の含有で顕著となる。一方、1.0 %を超える含有は、鋼板を硬化させるとともに靱性を低下させる。このため、Siは1.0 %以下に限定した。なお、靱性の観点からは、0.3 %以下とすることが好ましい。
Mn:2.0%以下
Mnは、オーステナイト生成元素であり、本発明では仕上熱処理時に、フェライト−オーステナイトの二相温度域(およそ850 〜1250℃)で12〜95%のオーステナイト相を現出させるために0.1%以上含有することが望ましいが、2.0%を超えて過剰に含有すると鋼板の延性および耐食性を低下させる。このため、Mnは2.0%以下に限定した。なお、延性および耐食性の観点からは、0.5%以下とすることが好ましい。
P:0.04%以下
Pは、鋼板の延性を低下させる元素であり、本発明ではできるかぎり低減することが望ましいが、過度の低減は製鋼時の脱P処理に長時間を要し、製造コストの高騰を招く。このため、本発明ではPは0.04%を上限とした。なお、延性の観点からは、好ましくは0.03%以下である。
S:0.01%以下
Sは、鋼中では介在物として存在し鋼板の耐食性を低下させる元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、過度の低減は製鋼時の脱S処理に長時間を要し、製造コストの高騰を招く。このため、本発明ではSは0.01%を上限とした。なお、好ましくは耐食性の観点から、0.005 %以下である。
Al:0.1 %以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、0.01%以上含有することが望ましいが、0.1%を超える含有は、介在物の生成が顕著となり、耐食性および延性が低下する。このため、本発明ではAlは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.10%以下、より好ましくは延性の観点から、0.05%以下である。
Cr:11%以上17%未満
Crは、ステンレス鋼の特徴である耐食性の向上に有効な元素であり、十分な耐食性を得るためには11%以上、好ましくは11.0%以上の含有を必要とする。一方、過剰なCrの含有は鋼板の延性および靱性を低下させるうえ、17%以上の含有は曲げ加工性を顕著に低下させる。このため、本発明ではCrは11%以上17%未満に限定した。15.0%以上のCr含有は溶接部の打抜き加工性を顕著に低下させるため、15.0%未満とすることが好ましい。なお、耐食性の観点からは、Crは12%以上、より好ましくは13%以上、また、溶接部の打抜き加工性の観点から、Crは14.0%未満とすることが好ましい。また曲げ加工性の観点からは15%未満とすることが好ましく、より好ましくは14%未満である。
また、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途では、Crは11.0%以上15.0%未満とすることが望ましい。また、この用途においても、耐食性の観点からは、Crは12%以上、より好ましくは13%以上、また、溶接部の打抜き加工性の観点から、Crは14.0%未満とすることが好ましく、また曲げ加工性の観点からは15%未満とすることが好ましく、より好ましくは14%未満である。
Ni:0.5 %以上3.0 %未満
Niは、耐食性および溶接部靭性を向上させるとともに、オーステナイトを生成させる元素である。本発明では高強度化するために仕上熱処理時に、フェライト−オーステナイトの二相温度域(およそ850〜1250℃)で12〜95体積%のオーステナイト相を現出させる必要があり、Niを0.5 %以上含有させる。一方、3.0 %以上の含有は、顕著に硬化し、延性が低下する。このため、本発明ではNiは0.5 %以上3.0 %未満に限定した。なお、好ましくは1.8 %以上2.5 %以下である。2.5 %以下のNi含有でも耐食性改善効果および溶接部靭性改善効果は十分に現れる。
N:0.02%以下
Nは、Cと同様に、鋼の強度を増加させる元素であるが、多量の含有は延性、溶接部靭性および曲げ加工特性を著しく低下させる。とくに0.02%を超える含有は、曲げ加工特性を顕著に低下させる。さらには0.020%を超える含有は溶接部の打抜き加工性を顕著に低下させる。このため、本発明ではNは0.02%以下、好ましくは0.020%以下に限定した。
なお、曲げ加工性、溶接部の打抜き加工性向上の観点から、0.015 %以下とすることが好ましい。より好ましくは0.012 %以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
また、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途では、0.020%以下が好ましい。なお、この用途においてもNは、曲げ加工性、溶接部の打抜き加工性向上の観点から、0.015%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.012%以下、さらに好ましくは0.010%以下である。
上記した基本組成に加えて、本発明では、Mo、Cuのうちの1種または2種、および/または、Bを含有できる。
Mo:0.1%以上2.0 %未満、Cu:0.1%以上2.0 %未満の1種または2種
Mo、Cuは、いずれも耐食性向上に有効に寄与する元素であり、とくにMoは溶接部の打抜き穴剪断面の耐食性向上に有効に寄与する。このような効果を得るためには、Mo、Cuともに0.1%以上含有することが望ましい。一方、2.0 %以上含有しても耐食性向上効果が飽和するうえ、却って加工性が低下し、含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる。このため、Mo、Cuはいずれも0.1 %以上2.0 %未満に限定することが好ましい。なお、耐食性向上の観点からMo、Cuはいずれも1.0 %以上とすることがより好ましい。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、微量の含有で鋼の焼入れ性を高め、強度を高くする作用を有し、さらには溶接部の打抜き加工性を顕著に向上させる効果を有する。このような効果は、0.0005%以上の含有で認められる。しかし、0.0050%を超えて含有しても効果が飽和するうえ、耐食性が低下する。このようなことから、Bは0.0005〜0.0050%の範囲に限定した。なお、焼入れ性向上の観点からは、0.0010%以上とすることが好ましく、耐食性の観点からは0.0030%以下とすることが好ましい。
なお、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途では、上記した基本組成に加えて、さらにMoおよびBを含有することが好ましい。
耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途では、Moは溶接部の打抜き穴剪断面の耐食性向上のために、またBは溶接部の打抜き加工性を向上させるために、ともに重要な元素であり、Mo:0.5%以上2.0%未満、B:0.0005〜0.0050%含有することが好ましい。
なお、この使途においてもMoは耐食性向上の観点から1.0%以上とすることがより好ましく、Bは焼入れ性向上の観点から0.0010%以上とすることが、また耐食性の観点からは0.0030%以下とすることがより好ましい。
なお、Cuは溶接部の打抜き加工性を低下させるため、この用途では、不可避的不純物とし、Cu:0.04%未満とすることが好ましい。
また、本発明のステンレス鋼板の組成は、上記した各成分元素の含有量範囲を満足したうえ、さらに次(1)〜(4)式
14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
(ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%))
を満足するように、各成分元素を含有する。なお、(1)〜(4)式の計算においては、Mo、Cu含有量が0.1%未満の場合には、零として計算するものとする。
14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
本発明では、{Cr+Mo+1.5Si }をCr当量、{Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu)}をNi当量と定義し、Cr当量が14〜15、Ni当量が2 〜3 の範囲内となるように各成分の含有量を調整する。
Cr当量、Ni当量を上記した(1)、(2)式の範囲内とすることにより、高温(850℃〜1250℃) に加熱後、冷却すると、ステンレス鋼板組織が延性に優れたフェライト相と高強度のマルテンサイト相との混合組織となり、優れた延性と高強度を兼備したステンレス鋼板となる。一方、Cr当量が上記した範囲((1)式)を下回るか、あるいはNi当量が上記した範囲((2)式)を超えると、高温加熱時にオーステナイト相分率が高くなりすぎ、冷却中にオーステナイト相から変態して生じるマルテンサイト相分率が過度に多くなり、延性が低下する。また、Cr当量が上記した範囲((1)式)を超えるか、あるいはNi当量が上記した範囲((2)式)を下回ると、軟質なフェライト相分率が過度に多くなり、強度が低下する。
また、Cr当量が上記した範囲((1)式)を下回り、かつ、Ni当量が上記した範囲((2)式)を下回ると、焼入れ性が低下し、冷却中にオーステナイト相がフェライト相に変態するようになり、マルテンサイト相分率が減少し強度が低下する。また、Cr当量が上記した範囲((1)式)を超え、かつNi当量が上記した範囲((2)式)を超えると、マルテンサイト相に代わって強度の低い残留オーステナイト相が生成するようになり、高強度が得られなくなる。
Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
{Cr+0.5(Ni+Cu)+3.3Mo }は耐食性に関連する因子であり、本発明では、Cr、Ni、Cu、Mo含有量を調整して、{Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo }が16.0以上となるようにする。これにより、SUS430やSUS430LXと同等以上の耐食性が得られ、さらには溶接部の打抜き穴剪断面の耐食性が顕著に改善される。なお、耐食性の観点から、{Cr+0.5(Ni+Cu)+3.3Mo }を17.0以上とすることが好ましい。
0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
{C+N}は、強度、曲げ加工性、および溶接部靭性、さらには溶接部の打抜き加工性に影響する因子であり、本発明では、0.010〜0.02の範囲に限定する。{C+N}が0.010未満では、マルテンサイト組織の強度が低くなりすぎて、フェライト+マルテンサイトの混合組織としても、引張強さが730MPa以上の高強度とすることができなくなる。一方、{C+N}が0.02を超えると、曲げ加工性および溶接部靭性が顕著に低下する。その理由は、現在までのところ明確になっていないが、C、Nがマルテンサイト相を著しく硬化させるため、C、N含有量が多くなると軟質なフェライト相と硬質なマルテンサイト相との硬さの差が極度に大きくなり、曲げ加工時にその境界に歪が蓄積され割れやすくなるものと考えられる。なお、{C+N}は、強度の観点から好ましくは0.012%以上とする。
また、{C+N}が0.02%を超えると、溶接部の打抜き加工性が顕著に低下する。溶接部の打抜き加工性が低下する理由は、溶接後に生じるフェライト相とマルテンサイト相からなる混合組織のうち、C、Nの固溶限の大きいオーステナイト相から変態するマルテンサイト相にC、Nが多量に固溶しているため、マルテンサイト相の強度が高くなり、軟質なフェライト相との強度差が過度に大きくなるためであると推定される。したがって、{C+N}は、溶接部の打抜き加工性の観点からは0.010%以上0.02%以下、より好ましくは0.020%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.017%以下である。
なお、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途では、強度と延性のバランスからは、(1)式のCr当量は14.2〜14.6、(2)式のNi当量は2.2 〜2.8 の範囲とすることが、また、耐食性の観点から、(3)式の{Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo }を17.0以上とすることが、より好ましい。また、(4)式の{C+N}は0.020以下とすることがより好ましく、さらに好ましくは0.017以下である。
本発明のステンレス鋼板は、上記した成分以外は実質的にFeからなる。ここで、実質的にFeからなるとは、残部がFe以外に、不可避的不純物が含有されることを意味する。なお、Cuについては、原料の一部となるスクラップからの混入により、0.1%程度まで含有される場合があるが、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途の場合には、不可避的不純物としては、Cuを0.04%未満に調整することが好ましい。Cuが0.04%以上に高くなると、{C+N}が0.02%を超えた時と同様にマルテンサイト相が過度に硬化するため溶接部の打抜き加工性が低下する。Cu以外の不可避的不純物としては、少量(0.05%程度)のアルカリ金属類、アルカリ土金属類、希土類元素類および遷移金属類などが例示できる。これらの元素の少量の含有は、本発明の効果を何ら妨げるものではない。
つぎに、本発明高強度ステンレス鋼板の組織限定について説明する。
本発明の高強度ステンレス鋼板は、体積率で12%以上、95%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは20%以上80%以下のマルテンサイト相と残部フェライト相との混合組織からなる組織を有する。マルテンサイト相が体積率で12%未満では、延性には優れるが、引張強さ:730MPa以上の高強度を得ることが実質的に難しくなる。一方、体積率で95%を超えてマルテンサイト相が多くなると、引張強さ:730MPa以上の高強度は得られるが、延性に優れたフェライト相の分率が低くなり過ぎて鋼板の延性が低くなり、曲げ加工性が低下する。なお、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途の場合には、体積率で20%以上、好ましくは50%以上のマルテンサイト相を有し、より高強度化することが好ましいが、体積率で85%を超えてマルテンサイト相が多くなると、特にリム等の成形時の曲げ加工が著しく困難となる。
つぎに、本発明の高強度ステンレス鋼板の好ましい製造方法について説明する。
上記した成分組成、すなわち、質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0 %以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Al:0.1 %以下、Cr:11%以上17%未満、Ni:0.5 %以上3.0 %未満、N:0.02%以下を、次(1)〜(4)式
14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
(ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、あるいはさらに Mo:0.1%以上2.0 %未満、Cu:0.1%以上2.0 %未満の1種または2種、および/または、B:0.0005〜0.0050%、を含有し、好ましくは残部Feおよび不可避的不純物からなる組成のステンレス鋼板を素材として、該素材に、850〜1250℃の温度範囲内の温度に加熱し、好ましくは該温度で15s以上保持したのち、1℃/s以上、好ましくは5℃/s以上の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施す。なお、素材として用いるステンレス鋼板は、熱延鋼板、又は冷延鋼板のいずれでもよい。
仕上熱処理では、素材は、フェライト+オーステナイトの二相温度域である、850〜1250℃の範囲の温度に加熱されることが好ましい。本発明では、仕上熱処理の雰囲気は、還元性でも酸化性でもよく、特に限定されない。
仕上熱処理の加熱温度が、850 ℃未満では十分に再結晶が進行しないうえ、Ac1変態点を超えていたとしても、フェライトからオーステナイトへの変態速度が小さく、冷却後に十分なマルテンサイト相分率を得ることができない場合がある。一方、加熱温度が1250℃を超えて高くなると、δフェライトの比率が大きくなり、オーステナイト相の比率が十分でないため、冷却中にオーステナイト相から変態して生じるマルテンサイト相分率を12体積%以上確保できなくなる。なお、フェライト+オーステナイトの二相組織を安定して確保するには、900〜1200℃の範囲の温度に加熱することがより好ましい。また、十分に再結晶が進行した均一組織を得るという観点からは、加熱温度は950℃以上とすることがさらに好ましい。
また、本発明では、素材を、上記した加熱温度に15s以上保持することが好ましい。保持時間が15s未満では、十分に再結晶が進行せず、また、フェライトからオーステナイトへの変態が十分に進行しないため、所望のフェライト+オーステナイトの二相組織を得ることができず、高強度化が十分に達成できなくなる。なお、仕上熱処理の生産性の観点からは保持時間は180s以下とすることが好ましい。
上記した加熱温度に加熱された素材は、ついで1℃/s以上、好ましくは5℃/s以上の冷却速度で、Ms点(冷却中にオーステナイトがマルテンサイトに変態し始める温度)以下、好ましくは200℃以下の冷却停止温度まで冷却される。冷却停止温度に達した後は、そのままの冷却速度で室温まで冷却してもよいが、特に温度制御を行なう必要はなく、放冷でも良い。加熱温度から冷却停止温度までの平均の冷却速度(平均冷却速度)が1℃/s未満の遅い速度では、オーステナイトの一部が冷却中にフェライトに変態するためフェライト量が多くなり、所望の12体積%以上のマルテンサイトを含むフェライト+マルテンサイトの混合組織が得られず目標の高強度化が達成できなくなる。なお、安定した強度を確保するためには、冷却速度は、5℃/s以上とすることが好ましい。また、加熱温度からの冷却速度の上限はとくに限定されないが、概ね100℃/s以下とすることが好ましい。過度に急冷すると冷却むらが生じ、鋼板に凹凸が生じる場合がある。
また、耐食性と溶接部の打抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車等の車輪のリム材用の使途の場合には、上記した組成を有するステンレス鋼板を素材として、該素材に、900〜1200℃の温度範囲内の温度に加熱し、好ましくは該温度で15s以上保持したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施すことが好ましい。なお、素材として用いるステンレス鋼板は、熱延鋼板、又は冷延鋼板のいずれでもよい。
なお、仕上熱処理の加熱温度が900℃未満では、Ac1変態点を超えていたとしても、フェライトからオーステナイトへの変態速度が小さく、冷却中にオーステナイトから変態して生じるマルテンサイト相を20体積%以上得ることができない。一方、加熱温度が1200℃を超えて高くなると、δフェライトの比率が大きくなり、オーステナイトの比率が十分でなく、マルテンサイト相を20体積%以上確保できなくなる。なお、50体積%以上のマルテンサイト相を安定して得るためには、950℃以上に加熱することが好ましい。また、保持時間が15s未満では、十分に再結晶が進行せず、また、フェライトからオーステナイトへの変態が十分に進行しないため、所望のフェライト+オーステナイトの二相組織を得ることができず、高強度化が十分に達成できなくなる。なお、仕上熱処理の生産性の観点からは保持時間は180s以下とすることが好ましい。
また、上記した温度に加熱後の冷却を、5℃/s以上の冷却速度にしたのは、加熱温度から冷却停止温度までの平均の冷却速度(平均冷却速度)から5℃/s未満の遅い速度では、オーステナイトの一部が冷却中にフェライトに変態するためフェライト量が多くなり、所望の20体積%以上のマルテンサイト相を確保することが難しくなり、目標の高強度化を達成できなくなる。なお、加熱温度からの冷却速度の上限はとくに限定されないが、概ね100℃/s以上とすることが好ましい。
上記した仕上熱処理を施された素材は、好ましくは酸洗を施されて製品板とされる。なお、仕上熱処理は、通常、コイルの場合は、連続焼鈍炉、切り板の場合は、バッチ式焼鈍炉を用いることができる。
仕上熱処理前までの工程は通常の工程でよく、とくに限定されない。マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造に一般的に採用されている方法をそのまま適用することができる。仕上熱処理前までの好ましい工程はつぎのとおりである。
上記した成分組成を有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等による一次精錬と、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization )あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)による2次製錬とにより溶製し、通常公知の連続鋳造法等でスラブ等の鋼素材とする。ついでこれら鋼素材に、1000〜1250℃のスラブ加熱処理を施したのち、一般的に採用されている通常の熱延工程により、所望の板厚の熱延板とする。
熱延工程は、例えばリバース圧延機により厚さ20〜40mmのシートバーにした後、タンデム圧延機により所望の板厚1.5〜8.0mmの熱延板(熱延鋼板)とされる。また、リバース圧延機のみで所望の板厚1.5〜8.0mmの熱延板としてもよい。なお、熱延板を熱延ままで素材として使用してもよいが、必要に応じて、好ましくは600〜900℃のバッチ式焼鈍を施した後、酸洗等により脱スケールしてもよい。
また、用途によっては、熱延板を焼鈍、酸洗したのち、さらに冷間圧延を施し、板厚0.3〜3.0mmの冷延板(冷延鋼板)としてもよい。また、必要に応じて、この冷延板に、650〜850℃の連続あるいはバッチ式の焼鈍及び酸洗を施し冷延焼鈍板としてもよい。
本発明では、上記したような熱延板、熱延焼鈍板、冷延板、冷延焼鈍板のいずれを素材として使用してもよいが、生産性の観点からは、焼鈍、酸洗をせずに、熱延ままあるいは冷延ままで本発明の仕上げ熱処理を施すことが好ましい。
このようにして製造された本発明の製品板は、それぞれの用途に応じた曲げ加工等を受け、例えばパイプ、パネル等に成形される。そして、鉄道車両の構造部材や自転車、自動車、バスなどの構造部材、例えば柱、帯、梁、自転車のリムなどに用いられる。これらの構造部材を溶接するための溶接方法は、特に限定されるものではなく、MIG溶接、MAG溶接、TIG溶接等の通常のアーク溶接や、抵抗溶接、高周波抵抗溶接、高周波誘導溶接等が適用可能である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
表1,2に示す組成の溶鋼を高周波炉で溶解し、100kg鋼塊としたのち、これら鋼塊を1200℃に加熱し、熱間圧延して3mm厚に仕上げた、ステンレス熱延鋼板を素材とした。これら素材に表3,4に示す条件のバッチ式熱処理炉により仕上熱処理を施し、その後酸洗した。得られた鋼板について、(1)金属組織観察、(2)引張試験、(3)腐食試験、(4)曲げ試験、(5)溶接熱影響部靭性試験を実施した。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)金属組織観察
得られた鋼板から金属組織観察用試験片(t(鋼板の板厚)×10mm×10mm)を各1個採取し、圧延方向に平行な板厚断面を村上試薬(赤血塩のアルカリ溶液(赤血塩10g、カセイカリ10g、水100cc))で腐食し光学顕微鏡を用いてミクロ組織を1000倍で観察し、各5視野撮像し、組織を同定しさらに画像解析装置を用いて各視野のマルテンサイトの面積率を求め、5視野の平均値を算出した。この値をマルテンサイト組織の体積率とみなした。
(2)引張試験
得られた鋼板から引張方向が圧延方向となるようにJIS13号B引張試験片を各5個づつ採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張強さ(TS)、伸び(El)を求め、それぞれを平均した。
(3)腐食試験
得られた鋼板から腐食試験片(大きさ:t×70mm×150mm)を各2個採取し、片面を試験面として、下記に示す条件で複合サイクル腐食試験(Cyclic Corrosion Test:以下、CCTともいう)を実施した。試験後、60℃の濃硝酸に浸漬して錆を除去し、試験面の発錆点の数を目視で計測し、それを2個の試験片で平均し、各鋼板の耐食性を評価した。発錆点数(個)が9以下であれば、実用上問題のない耐食性を有しているといえる。
腐食試験条件:
塩水(5%NaCl水溶液、液温:35℃)2時間噴霧→4時間乾燥(60℃、湿度:30%以下)→2時間湿潤(50℃、湿度:95%以上)を1サイクルとして、5サイクル行う。
(4)曲げ加工性試験
得られた鋼板から長手方向が圧延方向と平行となるように曲げ試験片(t×25mm幅×70mm長さ)を各3個採取し、内側半径0.75mm、1.5mm、2.0mm、3.0mmで180°曲げを行い、曲げの外側を拡大鏡で観察し、割れの有無を調査し、割れ発生のない最小内側曲げ半径(mm)を求めた。最小内側曲げ半径が1t未満(例えば、t=3.0mmの場合、3.0mm未満)であれば、実用上十分な曲げ加工性を持っていると言える。
(5)溶接熱影響部靭性試験
得られた鋼板から継手作製用試験片(t×150mm(鋼板の幅方向)×300mm(圧延方向))を各2枚採取し、圧延方向に平行な板厚面同士を向かい合わせ、突き合せて、溶接し溶接継手を作製した。溶接は、MIG溶接とした。MIG溶接は、ワイヤをJIS Y308とし、電流:150A、電圧:19V、溶接速度:9mm/s、シールドガス:100vol%Arを20 1/min、ルートギャップ:1mmとして実施した。
得られた溶接継手から、試験片長手方向が鋼板幅方向と平行となるように機械加工により、JIS Z 2202の規定に準拠して、Vノッチシャルピー衝撃試験片(サブサイズ:10mm厚×t幅×55mm長さ)を各5本採取した。ノッチ位置は、図3に示すように、ボンド部から1mmの溶接熱影響部とした。試験は、JIS Z 2242の規定に準拠して、−50℃で行い、吸収エネルギーを求め、吸収エネルギー値をノッチ部底の原断面積で除した値vE-50(J/cm2)で溶接熱影響部靭性を評価した。試験は各5本の平均値をその鋼板の値とした。vE-50が40J/cm2以上であれば、実用上十分な溶接熱影響部靭性を有していると言える。
得られた結果を表3,4に示す。
Figure 2010001568
Figure 2010001568
Figure 2010001568
Figure 2010001568
本発明例はいずれも、引張強さ:730MPa以上の高強度を有し、優れた耐食性を有するとともに、曲げ加工性、および溶接熱影響部靭性に優れている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、引張強さが730MPa未満であるか、耐食性が低下しているか、曲げ加工性が劣化しているか、溶接熱影響部靭性が劣化している。
(実施例2)
実施例1で使用したステンレス熱延鋼板(鋼No.1K;板厚:3mm)を、700℃で10h保持後徐冷する熱延板焼鈍を施した後、酸洗により脱スケールを行った。ついで、この熱延焼鈍板に、冷間圧延を施して、板厚1.5mmの冷延板とした。この冷延板を素材とし、この素材に仕上熱処理を施した。
仕上熱処理は、1000℃に加熱し、その温度で30s間保持したのち、15℃/sの冷却速度で冷却停止温度:100℃まで冷却する処理とした。仕上熱処理後、60℃の混酸(硝酸10質量%+弗酸3質量%)に浸漬して脱スケールして、実施例1と同様の試験を実施した。
ただし、溶接部靭性を調べるための溶接はTIG溶接(電流95A、電圧11V、溶接速度400mm/min、シールドガスは100%Arを、流量が表(電極)側:20 l/min、裏側:10 l/min)で行った。なお、溶加材(ワイヤ)は使用しなかった。
その結果、金属組織はマルテンサイト体積率が73%であり、引張特性は、引張強さが975MPa、破断伸びが10%であった。CCT発錆点数が0個であり、優れた耐食性を有している。また、最小内側曲げ半径が、0.75mm(1/2t(板厚tの半分))であり、優れた曲げ加工性を有している。また、溶接熱影響部の靭性は、−50℃におけるシャルピー衝撃値(vE−50)が70J/cm2であり、優れた溶接熱影響部靭性を有している。
このように、本発明冷延鋼板は、本発明熱延鋼板とほぼ同等の特性を有していることが確認できた。
(実施例3)
表5,6に示す組成の溶鋼を高周波炉で溶解し、100kg鋼塊とし、該鋼塊を1200℃に加熱し、熱間圧延で3mm厚の熱延板に仕上げた。ついで、これら熱延板に、700℃で10時間保持後徐冷する焼鈍を施したのち、酸洗により脱スケールを行い、熱延焼鈍板とした。ついで、これら熱延焼鈍板に、冷間圧延を施し、板厚:0.7mmの冷延板(冷延鋼板)とした。
これらステンレス冷延鋼板を素材として、該素材に表7,8に示す条件のバッチ式熱処理炉により仕上熱処理を施し、酸洗した。得られた鋼板について、実施例1と同様に、(1)金属組織観察、(2)引張試験、(3)腐食試験を実施した。
(1)の金属組織観察の結果の一例として、図2に鋼板No.2−1の光学顕微鏡組織写真を示す。黒い部分がフェライト組織、白い部分がマルテンサイト組織であり、この視野のマルテンサイト組織の体積率は73%である。
得られた結果を表7,8に示す。
さらに、得られた冷延鋼板から、図5に示すような自転車リムを想定した図4に示すシーム溶接部の打抜き加工用試験片(大きさ:t×50mm幅×300長さ)をそれぞれ2枚採取し、その2枚を重ね合わせた後、自走式シーム溶接機で長さ方向にシーム溶接(溶接条件:電極幅6mm、溶接速度=120cm/min、加圧力=3kN、溶接電流=8kA)した。得られた溶接片について、シーム溶接部の中央部に自転車のスポークを通す穴を想定した直径4mm穴を板端から50mm間隔で5箇所に打抜き加工した。加工後、すべての穴の近傍で割れの有無を拡大鏡(10倍)により観察した。また、割れ観察後の試験片について、(3)腐食試験と同じ要領で、腐食試験を実施し、穴部(打抜き剪断面)の発錆の有無を目視で観察した。なお、このシーム溶接部の打抜き加工性試験は、具体的には、図5に示すような自転車リム用鋼板に適用することを想定したものであるが、その他、同様の用途にも適用できる。
得られた結果を表7,8に併記する。
Figure 2010001568
Figure 2010001568
Figure 2010001568
Figure 2010001568
耐食性と溶接部打ち抜き加工性が要求される用途、例えば、自転車、一輪車、三輪車、リヤカー、車椅子の車輪のリム材用としての好適範囲を満足する本発明例はいずれも、引張強さ:800MPa以上の高強度を有し、優れた耐食性を有するとともに、溶接部へ打抜き穴加工を施しても割れの発生は認められず、また、打抜き穴面の発錆もなく耐食性にも優れている。
(実施例4)
次に、表3に示す組成の溶鋼(鋼No.A)を高周波炉で溶解し、100kg鋼塊とし、該鋼塊を1200℃に加熱し、熱間圧延で2mm厚の熱延板に仕上げた。この熱延板(ステンレス熱延鋼板)を素材とし、この素材に、1000℃で30s保持し、冷却停止温度100℃まで30℃/sの速度で冷却する仕上熱処理を行った。なお、仕上熱処理後、60℃の混酸(硝酸15質量%+ふっ酸5質量%)に浸漬して脱スケールした。
この熱延鋼板について、実施例3と同様に、(1)金属組織観察、(2)引張試験、(3)腐食試験を実施した。
またさらに、実施例3と同様に、この熱延鋼板から、シーム溶接部の打抜き加工用試験片(大きさ:t×50mm幅×300長さ)をそれぞれ2枚採取し、その2枚を重ね合わせた後、自走式シーム溶接機で長さ方向にシーム溶接(溶接条件:電極幅6mm、溶接速度=100cm/min、加圧力=7kN、溶接電流=12kA)した。
得られた溶接片について、シーム溶接部に車輪のスポークを通す穴を想定した直径4mm穴を板端から50mm間隔で5箇所に打抜き加工した。加工後、すべての穴の近傍で割れの有無を拡大鏡(10倍)により観察した。
また、割れ観察後の試験片について、(3)と同じ要領の腐食試験を実施し、穴部(打抜き剪断面)の発錆の有無を目視で観察した。
その結果、金属組織はマルテンサイト体積率が75%であり、引張特性は、引張強さが920MPa、破断伸びが12%であった。また、CCT発錆点数が、0個であり、耐食性に優れている。また、溶接部へ打抜き加工穴を施しても割れの発生は認められず、また、打抜き穴面の発錆もなく、耐食性にも優れている。
このように、本発明熱延鋼板も、冷延鋼板とほぼ同等の特性を有していることが確認できた。
引張強さ:730MPa以上の高強度を有し、耐食性、曲げ加工性および溶接部靭性に優れた高強度ステンレス鋼板、あるいはさらに溶接部の打抜き加工性に優れた高強度ステンレス鋼板を、容易にそして安価に提供することができ、産業上格段の効果を奏する。
1 溶接金属
2 溶接熱影響部
3 ボンド部
4 シーム溶接部
5 直径4mmの打抜き穴
6 スポーク用の打抜き穴
7 フラッシュバット溶接部

Claims (10)

  1. 質量%で、
    C:0.020%以下、 Si:1.0 %以下、
    Mn:2.0%以下、 P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.10 %以下、
    Cr:11.0%以上15.0%未満、 Ni:0.5 %以上3.0 %未満、
    Mo:0.5 %以上2.0 %未満、 B:0.0005〜0.0050%、
    N:0.020%以下
    を、下記(1)〜(4)式を満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、体積率で20%以上のマルテンサイト相と残部のフェライト相とからなる組織と、を有し、耐食性と溶接部の打抜き加工性に優れることを特徴とする高強度ステンレス鋼板。

    14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
    2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
    Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
    0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
    ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記組成が、さらに不純物としてのCuを0.04%未満に調整した組成であることを特徴とする請求項1に記載の高強度ステンレス鋼板。
  3. 前記高強度ステンレス鋼板が、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、または車椅子のリム材用であることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度ステンレス鋼板。
  4. 前記高強度ステンレス鋼板が、熱延鋼板であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼板。
  5. 前記高強度ステンレス鋼板が、冷延鋼板であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼板。
  6. 質量%で、
    C:0.020%以下、 Si:1.0 %以下、
    Mn:2.0%以下、 P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、 Al:0.10 %以下、
    Cr:11.0%以上15.0%未満、 Ni:0.5 %以上3.0 %未満、
    Mo:0.5 %以上2.0 %未満、 B:0.0005〜0.0050%、
    N:0.020%以下
    を、下記(1)〜(4)式を満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有するステンレス鋼板を素材として、該素材に、900 〜1200℃の範囲内の温度に加熱したのち、5℃/s以上の冷却速度で冷却する仕上熱処理を施し、耐食性と溶接部の打抜き加工性に優れたステンレス鋼板とすることを特徴とする高強度ステンレス鋼板の製造方法。

    14.0≦ Cr +Mo+1.5Si ≦15.0 ………(1)
    2.0 ≦Ni+30(C+N)+0.5(Mn+Cu) ≦ 3.0 ………(2)
    Cr+0.5(Ni+Cu) +3.3Mo ≧16.0 ………(3)
    0.010≦C+N≦0.02 ………(4)
    ここで、C、N、Si、Mn、Cr、Mo、Ni、Cu:各元素の含有量(質量%)
  7. 前記素材であるステンレス鋼板の組成が、さらに不純物としてのCuを0.04%未満に調整した組成であることを特徴とする請求項6に記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
  8. 前記高強度ステンレス鋼板が、自転車、一輪車、リヤカー、三輪車、または車椅子のリム材用であることを特徴とする請求項6または7に記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
  9. 前記素材が、熱延鋼板であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
  10. 前記素材が、冷延鋼板であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の高強度ステンレス鋼板の製造方法。
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