JP4286055B2 - 溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の構造材料、特に足廻り部品などに使用される耐食性、特に溶接部の耐粒界腐食性および穴広げ性に優れた自動車用クロム含有鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車産業においては、省エネルギー化や地球環境汚染防止のために車体軽量化により燃費を向上させることが求められているため、あらゆる部材について軽量化を図ろうとしている。
【0003】
自動車の足廻り部材についても同様の検討が進められている。足廻り部材は錆びやすい環境に置かれるため、高強度に加えて高耐食性が要求される。そのため、必要強度を満たす以上の板厚の鋼材を使用して耐食性の要求水準を満たすことが行われている。したがって、材料の耐食性を向上させることにより板厚を減少させることができ、軽量化が達成できる。例えば特許文献1において、Cu,P,Moを添加することによって、ベイナイト基本とした組織を有する高耐食性鋼板が開示されている。
高耐食性を示す鋼板としては、SUS304に代表されるステンレス鋼板があるが、Cr,Ni等の合金元素を多量に含有するため高価であり、足廻り部材への適用はコスト的に難しい。これに対し、鋼中のクロム含有量が低く、かつニッケル含有量が低いクロム含有鋼は、普通鋼に比べて高耐食性を示し、また合金元素含有量が少ないためSUS304に比べて低コストである。
【0004】
このようなニッケル含有量が低いクロム含有鋼として、特許文献2には、溶接性と加工性に優れた構造用マルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。しかしこの成分系では、溶接熱影響部の耐食性が充分でなく、塗装を必要としていた。
さらに特許文献3には、V添加による溶接熱影響部の耐食性を改善した自動車足回り用クロム含有鋼が開示されている。しかしこの鋼では、一般腐食に対する耐食性は優れているものの、自動車足回り部品に適用する際に、より重要である溶接部の粒界腐食に対する耐食性が不十分であった。
また、自動車の足廻り材料は、穴広げを伴う加工が行われることが多く、穴広げ性も必要である。しかし、従来のCr含有鋼は穴広げ性が充分でなく、この点も改善の余地が残されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−76756号公報
【特許文献2】
特開昭55−21566号公報
【特許文献3】
特開2000−121652号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自動車の軽量化に貢献する自動車足廻り用部材として用いられる低コストかつ耐食性、特に耐粒界腐食性に優れ、また穴広げ性にも優れた自動車用クロム鋼含有鋼を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記課題の解決のために、クロム含有鋼の耐粒界腐食性に関して鋭意検討を行った。
クロム含有鋼は、その成分組成によってフェライト組織あるいはマルテンサイト組織を有するが、一般的にフェライト系あるいはマルテンサイト系ステンレス鋼は溶接部の耐食性に劣る。この場合、一般腐食より粒界腐食の方が問題となる。
【0008】
溶接部およびその近傍での粒界腐食の発生を防止するには、粒界腐食の発生原因となる炭素および窒素を安定化するTiおよび/またはNbを添加することによって達成することができる。しかし、炭素および窒素を安定化すると溶接熱影響部の靭性が低下する傾向が見られる。これは溶接熱影響部のマルテンサイト相の量および強度が低下することによるものと考えている。
【0009】
発明者らは、耐粒界腐食性を高めるために、Ti、Nbを添加し、かつ、溶接熱影響部の靭性をなるべく低下させないよう検討した結果、下記(1)および (2)式を満足することにより、目的を達成でき、さらに穴広げ性にも優れることを見出した。
18×Cr%+35×Si%+15×Mo%+100×Ti%+50×
Nb%−20×Mn%−40×Ni%−30×Cu%−540×C%−
460×N%≦220% ・・・・・(1)
420×C%+470×N%+23×Ni%+9×Cu%+7×Mn%
−11.5×Cr%−11.5×Si%−12×Mo%+189≧80%
・・・・・(2)
【0010】
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(a)質量%で、
C :0.03%以下、 N :0.02%以下、
Si:1%以下、 Mn:2%以下、
P :0.02%以下、 S :0.03%以下、
Cr:7〜15%、 Ni:0.2〜3.4%
を含有し、さらに、
Ti:2×(C%+N%)〜20×(C%+N%)、
Nb:4×(C%+N%)〜20×(C%+N%)
の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ、各元素の含有量が下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。
18×Cr%+35×Si%+15×Mo%+100×Ti%+50×Nb%−20×Mn%−40×Ni%−30×Cu%−540×C%−460×N%
≦220% ・・・・・・・・(1)
420×C%+470×N%+23×Ni%+9×Cu%+7×Mn%
−11.5×Cr%−11.5×Si%−12×Mo%+189≧80%
・・・・・・・・(2)
(b)質量%でさらに、Mo:0.1〜5%、Cu:0.1〜4%の1種または2種を含有することを特徴とする、上記(a)に記載の溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。
(c)質量%でさらに、Mg:0.0005〜0.01%を含有することを特徴とする、上記(a)または(b)に記載の溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。
(d)穴広げ率が90%以上であることを特徴とする上記(a)〜(c)のいずれか1項に記載の自動車用クロム含有鋼。
ただし、λ=100×(d−d0 )/d0
ここで、d0 [mm]は穴広げ前の穴径であり、d[mm]は穴広げ後の穴径である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明についてさらに詳細に説明する。先ず、成分の限定理由を説明する。
Cは、溶接部のマルテンサイト組織の靭性を低下すると共に、耐粒界腐食性の低下原因となるため、その含有量は0.03%以下とする。また、Cの含有量を0.001%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.001%を下限とすることが好ましい。
【0012】
Nは、窒化物として析出し耐粒界腐食性を劣化させるため、その含有量は0.02%以下とする。また、Nの含有量を0.005%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.005%を下限とすることが好ましい。
【0013】
Siは、通常は脱酸材として用いられる元素であり、また耐酸化性を向上させる目的で積極的に添加される場合もあるが、その含有量が1%を超えると材料の製造性を劣化させるため、その含有量は1%以下にする必要がある。また、Siの含有量を0.05%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.05%を下限とすることが好ましい。
【0014】
Mnは、鋼材の耐食性を劣化させる硫化物系介在物を形成し、材料の耐食性を劣化させるので、その含有量は2%以下にする必要がある。また、Mnの含有量を0.05%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.05%を下限とすることが好ましい。
【0015】
Pは、粒界偏析しやすい元素であり、鋼材の熱間加工性を劣化させるため、その含有量の上限は0.02%にする必要がある。また、Pの含有量を0.001%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.001%を下限とすることが好ましい。
【0016】
Sは、硫化物系介在物を形成し、鋼材の耐食性を劣化させる元素であり、その含有量の上限は0.03%にする必要がある。また、Sの含有量を0.01%未満にするには製鋼コストが増加するため、0.01%を下限とすることが好ましい。
【0017】
Crは、耐食性の向上に不可欠な元素であり、その含有量は少なくとも7%以上必要となる。一方、その含有量が15%を超えると、溶接部でのマルテンサイト組織を得にくくなることから、7〜15%の添加とする。
【0018】
Niは、耐食性の向上および溶接部のマルテンサイトを形成し、溶接部靭性向上に不可欠な元素であり、その含有量は少なくとも0.2%以上必要となる。ただし、その含有量が3.4%を超えると溶接部でのマルテンサイトの生成量が著しく増加するため、0.2〜3.4%の含有とする。
【0019】
TiとNbは、溶接部での耐粒界腐食性の防止に不可欠な元素であり、さらには穴広げ性の向上にも有効であり、一方もしくは両方を添加する。
Tiの含有量は、CとNの含有量の和に対して、少なくとも2倍の含有量が必要となるが、一方で20倍を超えて添加しても耐粒界腐食性の改善効果は飽和し、加工性など他の特性を劣化させる原因になる。したがって、Tiの含有量は2×(C%+N%)〜20×(C%+N%)の範囲とする。
【0020】
Nbの含有量は、CとNの含有量の和に対して、少なくとも4倍の含有量が必要となるが、一方で20倍を超えて添加しても耐粒界腐食性の改善効果は飽和し、加工性など他の特性を劣化させる原因になる。したがって、Nbの含有量は4×(C%+N%)〜20×(C%+N%)の範囲とする。
【0021】
さらに、以上の成分濃度範囲に加えて下記(1)式を満足するように成分濃度を規定する。かかる規定によって溶接部の粒界腐食性に優れたクロム含有鋼を得ることができる。
18×Cr%+35×Si%+15×Mo%+100×Ti%+50×
Nb%−20×Mn%−40×Ni%−30×Cu%−540×C%−
460×N%≦220% ・・・・・(1)
【0022】
加えて、下記(2)式を満足するように成分濃度を規定する。かかる規定によって、熱延工程で組織の微細化が達成でき、自動車構造用部材、特に足廻り部材として充分な強度(TS:400MPa以上)を確保できることのみならず、溶接部の粒界腐食性に優れたクロム含有鋼を得ることができる。
420×C%+470×N%+23×Ni%+9×Cu%+7×Mn%
−11.5×Cr%−11.5×Si%−12×Mo%+189≧80%
・・・・・(2)
【0023】
以上説明したクロム含有鋼は、溶接部の耐粒界腐食性に優れるが、さらにpHの低い溶液中での耐食性を向上させるには、鋼中へのMoあるいはCuの添加が有効に働く。
【0024】
Mo,Cuとも耐食性を向上させるには、少なくともそれぞれ0.1%以上添加することが好ましいが、Moは5%、Cuは4%を超えて添加すると、耐食性の向上効果が飽和し加工性などを劣化させる原因となることから、Moは5%、Cuは4%をその上限とすることが好ましい。
【0025】
Mgは、結晶粒径の微細化に伴う低温靭性の改善に極めて有効であり、少なくとも0.0005%以上の添加でその効果がある。一方0.01%を超えて添加すると、介在物の粗大化により逆に靭性を低下させる。
【0026】
なお、式(1)、(2)において、C%、N%、Si%、Mn%、Cr%、Ni%、Ti%、Nb%、Mo%、Cu%は、それぞれ、質量%で表したC、N、Si、Mn、Cr、Ni、Ti、Nb、Mo、Cuの含有量である。
式(1)、(2)において、選択的に添加されるTi、Nb、Mo、Cuの含有量が検出限界未満である場合には、Ti%、Nb%、Mo%、Cu%は0%として計算する。
【0027】
上述してきたような本発明のクロム含有鋼は、優れた耐食性を有し、さらに従来のクロム含有鋼より優れた穴広げ性を有する。自動車足回り部品の成形は、穴広げ加工、伸びフランジ加工を伴うことが多く、穴広げ性は高い方が好ましいが、従来のクロム含有鋼では充分ではなく、SUS410では穴広げ率が60〜80%程度であった。
本発明のクロム含有鋼は、穴広げ率が従来のクロム含有鋼よりも著しく向上している。この原因として、Ti,Nbの1種または2種以上の添加により鋼中のクロム炭窒化物が減少し、極限変形能が向上した可能性が考えられる。
【0028】
本発明の鋼は、自動車足回り部品に適用するものであり、穴広げ率λ[%]は90%以上であることが好ましい。さらに好ましい穴広げ率λ[%]の下限は、100%以上である。穴広げ率λ[%]の上限は規定しないが、150%を超えることは技術的に困難である。
穴広げ性は代表的には穴広げ試験で評価できる。穴広げ試験は、機械加工、剪断加工などにより形成した穴を、円錐形または円筒形のポンチを押し込むことによって広げ、穴に亀裂が生じた際に停止し、穴径の変化率として穴広げ率を求める試験である。穴広げ率は、機械加工、剪断加工などにより形成した穴の径、すなわち穴広げ前の穴径d0 [mm]に対する、穴広げ後の穴径d[mm]の変化として下記のように計算する。
λ=100×(d−d0 )/d0
【0029】
なお、本発明のクロム含有鋼は構造材料として低コストであることが求められるため、最終製品は専ら熱延焼鈍材である。しかしながら、冷延焼鈍材においても同等の性能を有することは言うまでもない。さらには造管し、電縫管、溶接鋼管として使用しても良い。溶接はレーザー溶接、アーク溶接のいずれでも良く、溶接材料は共金系のもの使用すれば良い。溶接材料を用いなくても構わない。
【0030】
本発明のクロム含有鋼の製造方法は特に限定せず、一般的なステンレス鋼等のクロム含有鋼の製造方法を用いることができる。一例を示すと、転炉または電炉等で溶解し、鋳造した鋳塊または鋳片を、所定の温度に加熱し、熱延を行い、所望の板厚の熱延板にし、この熱延板を必要に応じて600〜1000℃での焼鈍を行った後、そのまま、または酸洗して使用に供する。あるいは、さらに冷延した後、600〜1000℃での焼鈍を行い、そのまま、または酸洗して使用に供する。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
表1は、本発明鋼及び比較鋼の鋼中成分において、板厚は4mmの試験材からJIS13号B試験片を圧延方向に並行に採取して引張試験を行うと共に、試験材をMIG溶接した試験片の、粒界腐食試験結果を示したものである。溶接材料は共金系を用い、電圧20〜30V、電流:150〜250A、シールドガス:CO2 の条件で行った。
【0032】
粒界腐食試験としては、基本的にJISに規格された硫酸−硫酸銅試験(JIS G 0575)を用いたが、鋼中のクロム含有量が低い(12%以下)ものは腐食性が厳しすぎるため、硫酸濃度を0.5%まで低減した溶液中で試験を行った。硫酸濃度を低減した以外はJISに準拠して試験を行った。
表1に示したように、本発明鋼は自動車構造用部材として充分な強度を持つと共に、優れた溶接部の耐粒界腐食性を有している。
【0033】
(実施例2)
表2に示した本発明鋼及び比較鋼の成分を高周波溶解炉で50kg鋼塊に溶製、鋳造した後、鋼塊を1150〜1250℃に加熱し、熱延開始温度が1150〜1250℃、熱延終了温度が800〜1000℃、巻取り温度が600〜800℃という条件で熱延し、板厚5mmの鋼板とした。さらに600〜1000℃で焼鈍を行い、酸洗で脱スケールを行って供試材とした。
得られた鋼板からJIS Z 2201に準拠してJIS13号B試験片を圧延方向に並行に採取して、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。また、試験材をMIG溶接した試験片を作製した。溶接は共金系の溶接材料を用い、電圧は20〜30V、電流は150〜250Aとし、シールドガスとしてCO2 を用いて行った。
【0034】
この試験材から、溶接方向に垂直な方向を長手とし、溶接熱影響部にノッチを入れたシャルピ−試験片を採取した。シャルピ−試験はJIS Z 2202に準拠して、5mm厚サブサイズVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242に準拠して、試験温度20℃で行い、吸収エネルギーを求めて評価した。
【0035】
また、溶接熱影響部から粒界腐食試験片を採取し、粒界腐食試験を行った。粒界腐食試験は、基本的にJIS G 0575に準拠した硫酸−硫酸銅試験としたが、鋼中のクロム含有量が12%以下の鋼に適用するには腐食条件が厳しすぎるため、硫酸濃度を0.5%まで低減した溶液中で試験を行った。硫酸濃度を低減した以外はJISに準拠して試験を行い、試験結果は目視による粒界腐食割れの有無で評価した。
【0036】
さらに、穴広げ試験を以下のようにして行った。まず、80mm角に大きさに切断した試験材の中心に、直径10mmのポンチを用いて打ち抜き加工により穴を形成して穴径を測定し、穴広げ前の穴径d0 [mm]を求めた。次に、60°の円錐ポンチによって穴の端面に亀裂が生じるまで穴広げを行い、亀裂が生じた際の穴径を測定し、穴広げ後の穴径d[mm]を求めた。穴広げ率λ[%]は下記の式によって評価した。
λ=100×(d−d0 )/d0
【0037】
表3に結果を示すが、A鋼からE鋼まではTi量を変えた例であり、Tiを添加しないと粒界腐食割れを生じるが、Ti添加による粒界割れが抑制される。穴広げ性もTi添加により向上している。しかし、Ti量の多いE鋼では、穴広げ性が劣化している。その他、F鋼からM鋼までの本発明鋼は自動車構造用部材として充分な強度および溶接熱影響部の靭性を有するとともに、溶接部の耐粒界腐食性および穴広げ性も優れている。これに対して、N鋼からR鋼までの比較鋼では、靭性、耐粒界腐食性、穴広げ性のいずれかが不十分である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】
以上示したように、本発明は必要以上に高価元素を含有することなく、自動車構造用、特に足廻り用として使用できる、溶接部の耐粒界腐食性および穴広げ性に優れたクロム含有鋼を提供でき、産業上極めて価値の高い発明である。
Claims (4)
- 質量%で、
C :0.03%以下、
N :0.02%以下、
Si:1%以下、
Mn:2%以下、
P :0.02%以下、
S :0.03%以下、
Cr:7〜15%、
Ni:0.2〜3.4%
を含有し、さらに、
Ti:2×(C%+N%)〜20×(C%+N%)、
Nb:4×(C%+N%)〜20×(C%+N%)
の1種または2種を含有し、
残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ、各元素の含有量が下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。
18×Cr%+35×Si%+15×Mo%+100×Ti%+50×Nb%−20×Mn%−40×Ni%−30×Cu%−540×C%−460×N%
≦220% ・・・・・・・(1)
420×C%+470×N%+23×Ni%+9×Cu%+7×Mn%
−11.5×Cr%−11.5×Si%−12×Mo%+189≧80%
・・・・・・・(2) - 質量%でさらに、
Mo:0.1〜5%、
Cu:0.1〜4%
の1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。 - 質量%でさらに、
Mg:0.0005〜0.01%
を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の溶接部の耐粒界腐食性に優れた自動車用クロム含有鋼。 - 穴広げ率λ[%]が90%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車用クロム含有鋼。
ただし、λ=100×(d−d0 )/d0
ここで、d0 [mm]は穴広げ前の穴径であり、d[mm]は穴広げ後の穴
径である。
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