JP4277726B2 - 溶接部の耐食性に優れたCr含有合金 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接部の耐食性が優れた、特に自動車排気系部材として好適なCr含有合金に関する。
フェライト系Cr含有合金はSUS304のようなオーステナイト系ステンレス鋼に比べ、熱膨張係数が小さく、繰り返し加熱と冷却を繰り返す環境では有利であることに加え、Niを含まないことから安価である。したがって自動車の排気系部材には、SUH409LなどのCr含有合金が広く用いられている。たとえば、自動車のエンジンから排出されたガスを処理する触媒コンバータのハウジングやマフラー等の排気系部材がその一例である。
Cr含有合金は、TIG溶接、MIG溶接、レーザー溶接、プラズマ溶接、電縫溶接等の方法で鋼板の端部を溶接し造管される。造管したのち、自動車のデザインに合わせて、曲げ加工、絞り加工、拡管加工などの種々の加工が施される。このようなCr含有合金パイプでは、排気ガスの濃縮溶液による粒界腐食や全面腐食が特に溶接部で顕著となり、穴空きや孔食が発生するといった問題があった。
Cr含有合金あるいはフェライト系ステンレス鋼の溶接部の耐食性向上に対しては種々の方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1は、鋼のC、N、Si、Mn、P、S、Cr、Ni、AlおよびTi量を、C:0.005〜0.012%、N:0.005〜0.010%、C+N≦0.019%、Si:0.3〜0.7%、Mn≦0.5%、P:0.025%、S≦0.005%、Cr:10〜12%、Ni<0.5%、Al≦0.03%、Ti≦0.1−0.3%と規制することで、電縫管の溶接部耐食性を向上させる技術を開示している。
しかし、この方法では溶接部の初期発錆は抑制されるが、実際の使用環境である低pH溶液による腐食に弱いといった問題があった。
また、特許文献2は、鋼のC、N、Si、Mn、P、S、Cr、Ni量を、C≦0.03%、N≦0.02%、Si≦1%、Mn≦2%、P≦0.02%、S≦0.03%、Cr:7−18%、Ni:0.2−3.4%と規制し、かつ、TiまたはNbの含有量を関係式、Ti:2×(C+N)乃至20×(C+N)、又はNb:4×(C+N)乃至20×(C+N)で制限して含有することで、溶接部の粒界腐食を抑制し、低温靱性を確保する技術が開示されている。また、Mo:0.1−5%,Cu:0.1−4%含むことにより、低pH溶液による耐腐食性を改善することが記載されている。
しかし、この方法においては、Mnを多量に含むため、溶接部にマルテンサイト相が生成し、耐食性が十分に確保できないといった問題があった。
また、特許文献3には、フェライト系ステンレス鋼において、C≦0.03%、N≦0.02%,C+N≦0.04%,Si≦1.0%,Mn<0.5%,Cr:11−21%,Ni:0.5−2.0%,Al:0.005−0.30%,Ti:0.1−0.7%(但し,(C+N)量に対して5倍以上)と規制し、溶接性特に溶接部の加工性に優れかつ溶接部の耐発銹性を改善することが記載されている。
しかし、この方法では高価なNiを多く添加する必要があり、製造コストが高いといった問題があった。
いずれにしても、特許文献1乃至3に開示されたCr含有合金あるいはフェライト系ステンレス鋼は、何れも溶接部の耐食性が十分とはいえず、更なる改善が求められていた。
特開平3−287744号公報、特許請求の範囲、2頁右上欄6行乃至3頁左上欄2行など 特開2002−327251号公報、特許請求の範囲、段落[0022]等 特公昭55−47103号公報、特許請求の範囲、2頁3欄16−27行など
本発明者は、鋼成分に関し、C、N、C+N、Si、Mn、P、S、Cr、Ni、Al、Mo、BおよびTi含有量を規制し、Oを適宜含有させることで、溶接部の耐食性が飛躍的に向上するとの知見を得た。すなわち、溶接部は急激な加熱−冷却プロセスが行われ、特許文献1−3に記載された各添加元素に関する知見をそのまま採用することはできず、より厳しい組成管理が必要となる。また、コスト面からNiの添加量を極力少なくした要請がある。
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、溶接部の耐食性を画期的に改善したCr含有合金を安価で提供することを目的としている。
本発明は、この目的を達成するためになされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.002%以上0.012%以下、N:0.003%以上0.012%以下、C+N:0.005%以上0.020%以下、Si:0.05%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上0.5%以下、P:0.04%以下、S:0.005%以下、Cr:9.0%超え12.0%未満、Ni:0.5%未満、Mo:0.02%以上0.2%以下、Al:0.005%以上0.05%以下、B:0.0001%以上0.0010%以下、Ti:0.05%以上0.40%以下、O:0.0030%超え0.0100%以下、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
Figure 0004277726
であることを特徴とする、溶接部の耐粒界腐食性に優れたCr含有合金。
なお、[%X]は、鋼中成分Xの質量%を表わす。
(2)(1)の組成に加えて、質量%でさらに、V:0.01%以上0.3%以下、W:0.001%以上0.1%、Co:0.01%以上0.2%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有するCr含有合金。
(3)(1)あるいは(2)に加えて、Cu:0.05%以上1.0%以下を含有するCr含有合金である。
本発明のCr含有合金は、C、N、C+N、Si、Mn、P、S、Cr、Ni、Al、Mo、BおよびTi含有量を規制し、Oを適宜含有させることにより、溶接部の耐食性を向上させることを目的としており、産業上格段の効果を有する。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.002%以上0.012%以下
Cは靭性を低下させるだけでなく、加工性も低下させるので、含有量は低いほうが望ましい。ただし、結晶粒の粗大化を招き、かえって靭性を低下させるばかりでなく、過剰な低減は製鋼コストが増加する。そこで本発明では、C量はC:0.002%以上0.012%以下とした。好ましくは、0.0025%以上0.010%以下とする。
N:0.003%以上0.012%以下
NはCと同様に靭性を低下させるだけでなく、加工性も低下させるので、含有量は低いほうが望ましい。ただし、過剰な低減は製鋼コストの増加を招くばかりでなく、結晶粒の粗大化を招き、かえって靭性を低下させる。そこで本発明では、N量は0.003%以上0.012%以下とする。
C+N:0.005%以上0.020%以下
C+Nの合計は、C,Nの添加量の制御と同じ理由により、0.005%以上0.020%以下とする。好ましくは0.008%以上0.018%以下とする。
Si:0.05%以上1.0%以下
Siは、耐酸化性ならびに耐食性高めるのに有効な元素であるので、0.05%以上添加する。一方で、1.0%を超える添加は硬質化による伸びの低下、または加工割れが問題となるため、1.0%以下添加する。好ましくは、0.10%以上0.8%以下とする。
Mn:0.1%以上0.5%以下
Mnは強度の向上に有効な元素であるが、多量に含有させると靭性を低下させるばかりでなく、耐食性を劣化させる。したがってMnは0.1%以上0.5%以下に規定した。好ましくは0.1%以上0.4%以下とする。
P:0.04%以下
Pは強度の向上に有効な元素であるが、多量に含有させると靭性を低下させるので0.04%以下に限定した。なお、好ましくは0.03%以下とする。
S:0.005%以下
Sは多量の含まれるとTiやMn等と析出物や介在物を形成することで、耐食性を劣化させるばかりででなく、加工時の破断の起点となりやすい。したがって、Sは0.005%以下とした。好ましくは0.004%以下とする。
Cr:9.0%超え12.0%未満
Crは耐食性の向上ならびに耐酸化性の向上に不可欠な元素であり、含有量が9.0%以下では十分な効果が得られない。ただし12.0%以上の添加は加工による割れや靭性の低下を招くので、Crは9.0%超え12.0%未満とする。
Ni:0.5%未満
Niは靭性ならびに耐食性の向上に寄与するが、0.5%以上添加すると製造コストが増加するばかりでなく、溶接部にマルテンサイト相が生成し伸びを低下させる。そのためNi量は0.5%未満とした。好ましくは0.4%以下とする。
Mo:0.02%以上0.2%以下
溶接後の凝固過程において、P,Bといった半金属元素は粒界に拡散し、Crと結合することでP化物やB化物として析出する。その結果、Cr欠乏層が形成され、耐食性が劣化する。MoはP,Bとの化学的な結合力が強く、溶接により接合部分が溶解し液体状態になった場合にMo−P,Mo−Bの原子対を形成することでP化物やB化物としての析出を抑制する効果を持つ。この効果は0.02%以上の添加によって有効となるが、0.2%を超える過剰な添加は、母材並びに溶接部の伸びを低下させ、加工時の割れの原因となる。従って、Moの添加量は0.02%以上0.2%以下とした。好ましくは0.05%以上0.15%以下とする。
Al:0.005%以上0.05%以下
Alは脱酸材として非常に有効な元素であり、鋼の清浄度を保つ意味でも0.005%程度の添加が望ましい。但し、0.05%を超えて添加するとAl23系酸化物のクラスター起因の表面欠陥が発生しやすくなるため、Alは0.005%以上0.05%以下とした。好ましくは0.01%以上0.04%以下とする。
B:0.0001%以上0.0010%以下
Bは原子半径が小さく拡散速度が大きいため、溶接後の凝固過程で結晶粒界に拡散する。その結果、結晶粒同士の結合を強め、2次加工脆性を改善する効果を持つ。この効果は0.0001%以上のB添加により有効となるが、0.0010%を超える過剰な添加は溶接部の伸びを低下させるばかりでなく、溶接部の粒界腐食を促進させる。したがって、Bの添加量は0.0001%以上0.0010%以下とした。好ましくは0.0002%以上0.0008%以下とする。
O:0.0030%超え0.0100%以下
Oは溶接時に主にAlやTiといった元素と微細な酸化物やケイ酸塩などの非金属介在物を生成し、一般には耐食性を劣化させるものとされている。しかし、これら非金属介在物が適当量存在すると、溶融後の再結晶において結晶粒の成長を抑制する効果を持つ。この場合、同時にCr炭窒化物の粒界析出が抑制され、鋭敏化を防止することができる。この効果は、Oの含有量が0.0030%を超えると期待できる。しかし、0.0100%を超えると溶融金属の粘性が下がり過ぎて凝固後の溶接ビード形状が悪くなることに加え、介在物があまりに多量に生成し耐食性が劣化する。したがって、本発明では0.0030%超え0.0100%以下とする。好ましくは0.0035%以上0.0090%以下とする。
Ti:0.05%以上0.40%以下
Tiは優先的に炭窒化物を形成して固溶C,Nを低減させ、Crの炭窒化物の形成を抑制することで、延性、靭性、溶接性および耐食性を高める効果がある。しかしながら、含有量が0.05%に満たないとその添加効果に乏しく、一方、0.40%を超えての添加はかえって靭性を低下させるばかりでなく、TiNが析出し表面疵の原因となる。したがってTiは0.05%以上0.40%以下とした。好ましくは0.10%以上0.30%以下とする。
上記した成分以外の残部については、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては例えば、Mg:0.0015%以下、Ca:0.0020%以下、等の元素が挙げられる。
以上、基本成分の適正範囲について説明したが、本発明では各成分が上記の組成範囲を単に満足しているだけでは不十分で、次式の関係も併せて満足する必要がある。
Figure 0004277726
なお、[%X]は、鋼中成分Xの質量%を表わす。
上掲式(1)はTiによって固溶C,Nを優先的に固着するために必要な条件で、上式を満足させることで、Cr炭窒化物の析出に伴う、脱Cr層の形成を抑制することができる。本発明が問題としている溶接のような急激な加熱−冷却プロセスではTiが十分に添加されている、すなわち[%Ti]/([%C]+[%N])が15に満たないと、この効果は十分得られない。
また、上掲式(2)および(3)を満足することは溶接部耐食性を飛躍的に向上させるうえで非常に重要である。
まず、本発明の基礎となった実験結果について説明する。0.004%C-(0.05〜1.0)%Si-0.32%Mn-0.02%P-0.003%S-(10.0〜12.0)%Cr-0.10%Ni-(0.001〜0.1)%Mo-0.25%Ti-0.0070%N-(0.0001〜0.0035)%B-0.018%Alの成分の鋼を真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(50kg)とした。これら小型鋼塊から175mm厚の試験片を切り出し、1050〜1150℃で加熱後に熱間圧延し、3.5mm厚の熱延板とした。ついで、これら熱延板に箱型焼鈍に相当する750〜800℃で8hの焼鈍を施し、酸洗後、冷間圧延し1.5mm厚の冷延板とした。さらに、750〜880℃で40sの仕上げ焼鈍を施し、冷延焼鈍板とした。
溶接は上記冷延焼鈍板の表面を#500のエメリー研磨後、圧延方向と平行にTIG溶接を行った。TIG溶接は電流140〜150A、電圧10V、溶接速度0.01m/s、ガスシールドは99.99%のArを用い、鋼板の表ビード側が20l/min、裏ビード側が10l/minの流量で行った。
溶接部の耐食性試験としては2%硫酸−3%硫酸銅溶液中での浸漬試験を行った。試験片サイズは幅60mm×長さ15mmであり、溶接ビードを幅方向中央にくるように採取し、端部を#500のエメリー紙で研磨仕上げとした。試験片とCu片を接触させた状態で60℃の上記溶液中で20h浸漬保持し、その後HAZ部を頂点として0.5t曲げを行い、曲げ部の割れの程度を評価した。この際、割れの発生しなかった耐食性の良好の試料は0点、割れは発生していないが肌荒れがあるものを1点、毛割れが発生しているものを2点、さらに割れの程度によって大きな割れが発生した耐食性の劣るものを3〜5点と6段階に指数付けし定量評価を行った。
図1に溶接部耐食性におよぼすP値の影響を示す。
図1から明らかなように、本発明によってP≧15.0の範囲にあるときには耐食性試験評点が1以下であり、溶接部の耐食性が良好であることが分かる。
また、上掲式(3)のN値は溶接部に生成するマルテンサイト量と密接な関係があるもので、N値が正の値を持つ時には、溶接部にマルテンサイトが生成し、耐食性ならびに靭性を劣化させる。このため、N≦0とした。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下の元素を適宜含有させることができる。
V:0.01%以上0.3%以下、W:0.001%以上0.1%以下、Co:0.01%以上0.2%以下
V、WおよびCoはいずれも溶接による熱影響部の割れ感受性を改善するのに有効な元素であるが、それぞれの添加量が下限に満たないとその効果が得られず、一方、上限を超えての添加は母材および溶接部の靭性を低下するので、上記の範囲に規定する。好ましくはV:0.02%以上0.25%以下、W:0.001%以上0.08%以下、Co:0.01%以上0.15%以下とする。
Cu:0.05%以上2.0%以下
Cuは耐食性を向上させる元素であり、より高耐食を志向する場合には必要に応じて添加することが望ましい。この効果は0.05%以上の添加で現れるが、2.0%を超えての添加は、熱間加工性の劣化ならびに溶接部の靭性の劣化を招く。したがって、Cuの添加量は0.05%以上2.0%以下とする。好ましくは0.1〜1.8%とする。
次に、本発明鋼の好適製造方法について説明する。
上記した成分組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空熔解炉等の公知の方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法によりスラブとする。このスラブをその後加熱するか、あるいは加熱することなく直接、熱間圧延して熱延鋼帯とする。熱延鋼帯には、通常は連続焼鈍炉あるいは箱型炉による焼鈍が施されるが、用途によっては焼鈍を省略してもよい。ついで、酸洗後,冷間圧延により冷延鋼帯とし、再結晶焼鈍、酸洗を施して製品とする。なお、鋼組成を本発明の成分組成に調製することは、式(1),(2),(3)の範囲内に調製することを含めて、常套的な手段を用いて当業者が容易におこなうことができる。
<実施例>
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳しく説明する。
表1−1、表1−2に示す成分の鋼を真空溶解炉で溶製し、小型鋼塊(50kg)とした。これら小型鋼塊から175mm厚の試験片を切り出し、1100℃で加熱後に熱間圧延し、3.5mm厚の熱延板とした。ついで、これら熱延板に箱型焼鈍に相当する700〜800℃で8hの焼鈍を施し、酸洗したのち冷間圧延し1.5mm厚の冷延板とした。さらに、750〜880℃で40sの仕上げ焼鈍を施し、冷延焼鈍板とした。
溶接部の耐食性試験としては2%硫酸−3%硫酸銅溶液中での浸漬試験を行った。試験片サイズは幅60mm×長さ15mmであり、溶接ビードを幅方向中央にくるように採取し、端部を#500のエメリー紙で研磨仕上げとした。試験片とCu片を接触させた状態で60℃の上記溶液中で20h浸漬保持し、その後HAZ部を頂点として0.5t曲げを行い、曲げ部の割れの程度を評価した。この際、割れの発生しなかった耐食性の良好の試料は0点、割れは発生していないが肌荒れがあるものを1点、毛割れが発生しているものを2点、さらに割れの程度によって大きな割れが発生した耐食性の劣るものを3〜5点と6段階に指数付けし定量評価を行った。
表1−2に各鋼のP値、N値および溶接部の耐食性試験結果を示す。
本発明による鋼(A乃至H)は評価が0又は1であり、評価が2乃至5である比較例(I乃至O)と比べて優れた溶接部耐食性を有していることがわかる。
Figure 0004277726
Figure 0004277726
なお、比較例Mは、特許文献1の第1表に記載された「本発明鋼11」の組成であるが、特許文献1の第1表に記載された残りの「本発明鋼12,13」についてもその組成が本発明の範囲外である。同様に、比較例Nは、第1表に記載された「本発明鋼2」の組成であるが、特許文献2の第1表に記載された残りの「本発明鋼1,3−7」についてもその組成が本発明の範囲外である。さらに、特許文献3の第1表に記載されている「本発明鋼7−11」についてもその組成が本発明の範囲外である。これをまとめて記載すると以下のとおりである。
相違する組成
特許文献1
本発明鋼12 Mo:0%,B:0%
本発明鋼13 Mo:0%,B:0%
特許文献2
本発明鋼1 Mn:0.85%
本発明鋼3 Mn:1.51%
本発明鋼4 Mn:1.51%
本発明鋼5 Mn:1.2%
本発明鋼6 Mn:1.25%
本発明鋼7 Mn:0.88%
特許文献3
本発明鋼7 Ni:0.66%
本発明鋼8 Ni:1.01%
本発明鋼9 Ni:1.44%
本発明鋼10 Ni:0.66%
本発明鋼11 Ni:0.63%
溶接部耐食性におよぼすP値の影響を示す図。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.002%以上0.012%以下、N:0.003%以上0.012%以下、C+N:0.005%以上0.020%以下、Si:0.05%以上1.0%以下、Mn:0.1%以上0.5%以下、P:0.04%以下、S:0.005%以下、Cr:9.0%超え12.0%未満、Ni:0.5%未満、Mo:0.02%以上0.2%以下、Al:0.005%以上0.05%以下、B:0.0001%以上0.0010%以下、O:0.0030%超え0.0100%以下、Ti:0.05%以上0.40%以下、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
    Figure 0004277726
    であることを特徴とする溶接部の耐食性に優れたCr含有合金。
    なお、[%X]は、鋼中成分Xの質量%を表わす。
  2. 質量%で、さらに、V:0.01%以上0.3%以下、W:0.001%以上0.1%以下、Co:0.01%以上0.2%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のCr含有合金。
  3. 質量%でさらに、Cu:0.05%以上2.0%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のCr含有合金。
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