JP5937861B2 - 溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

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本発明は、特に高温強度や耐酸化性が必要な排気系部材などの使用に最適な溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板に関するものである。
自動車の排気マニホールド、フロントパイプおよびセンターパイプなどの排気系部材は、エンジンから排出される高温の排気ガスを通すため、排気部材を構成する材料には耐酸化性、高温強度、熱疲労特性など多様な特性が要求される。
従来、自動車排気部材には鋳鉄が使用されるのが一般的であったが、排ガス規制の強化、エンジン性能の向上、車体軽量化などの観点から、ステンレス鋼製の排気マニホールドが使用されるようになった。排ガス温度は車種やエンジン構造によって異なるが、600〜800℃程度が多く、このような温度域で長時間使用される環境において高い高温強度、耐酸化性を有する材料が要望されている。
ステンレス鋼の中でオーステナイト系ステンレス鋼は、耐熱性や加工性に優れているが、熱膨張係数が大きいために、排気マニホールドのように加熱・冷却を繰り返し受ける部材に適用した場合、熱疲労破壊が生じやすい。
一方、フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて熱膨張係数が小さいため、熱疲労特性や耐スケール剥離性に優れている。また、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて、Niを含有しないため材料コストも安く、汎用的に使用されている。但し、フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて、高温強度が低いために、高温強度を向上させる技術が開発されてきた。例えば、SUS430J1(Nb添加鋼)、Nb−Si添加鋼、SUS444(Nb−Mo添加鋼)があり、いずれもNb添加が前提となっている。これは、Nbによる固溶強化あるいは析出強化によって高温強度を高くするものであった。
しかし、Nb添加により製造コストも上昇するため、Nb以外の添加元素によって高温特性を確保できればNb添加量を抑えることができ、低コストで加工性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板を提供することが可能になる。SUS444に添加されているMoも合金コストが高いため、部品コストが著しく上昇する課題も生じる。
NbやMo以外に高温強度向上に寄与する合金として、特許文献1〜4では、Nbの他にCuを添加し、Cu析出物による析出強化を利用して600℃あるいは700〜800℃の温度域における高温強度を向上させる技術が開示されている。
国際公開WO2003/004714号公報 特許第3468156号公報 特許第3397167号公報 特開2008−240143号公報
Nb含有鋼は耐熱性に優れた鋼であるが、溶接において、ときどき、高温割れを引き起こすことがあった。また、ERW管造管時においても高温割れが発生することがあり、解決策の提案が期待されていた。
本発明は、特に高温強度や耐酸化性が必要な排気系部材などの使用に最適な、溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供するものである。
本発明では、Nb添加鋼の耐高温割れ性を改善することを目的とし、種々に検討を行った結果、高温割れは液化割れであり、粒界で割れが発生しており、その粒界部には、NbとPの偏析が見られる等の知見を得た。つまり、NbとPの影響で高温割れが発生していると考えられる。このメカニズムは明らかでないが、以下のように考えている。
鋼中にNbとPが共存すると、溶接時に高温に曝された時に、相互の粒界偏析を助長し、その結果、粒界に低融点のリン化物が生成され、このリン化物と母相の共晶融解により粒界に液相が生成し、溶接時に負荷された応力により液化割れが発生する。
また、Sがこの偏析を助長する傾向にあること、および、Bがこの偏析を抑制する方向にあることが判明した。さらには、Y、希土類元素もこの偏析を助長する傾向にあることは分かった。
しかしながら、Nbは耐熱性を向上させる重要な元素であり、単純にNb添加量を低減することは耐熱性を低下させることになる。したがって、発明者らは、Nbを出来るだけ低減しない方法を検討するとともに、耐熱性の観点から、Nbを代替できる元素として析出強化により耐熱性を向上させるCuを選択した。
そこで、発明者らは、Cuを添加し、S量を抑制し、Bを添加した種々のNb添加鋼について、高温割れ性を、その評価試験方法であるトランスバレストレイン試験で評価した。図1は、15Cr−1.2Cu−0.001S−0.001BをベースにNbとP量を変えた鋼をバレストレイン試験を行った結果をNb量とP量で整理したものである。図中の「○」「×」の評価条件は、実施例の記述で詳述するが、本実験では付加歪量を1.6%の試験で発生した割れの、最大割れ長さ1mm以下、かつ、総割れ長さ5mm以下を、耐高温割れ性が良好(○)、それ以外を不良(×)とした。Nb量とP量の総量が多いほど、耐高温割れ性は低位にあることが分かった。また、大凡であるが、P[%]が、−0.05×Nb[%]+0.04より小さければ、即ち、
P[%]≦−0.05×Nb[%]+0.04 式(1)
を満足すれば、耐高温割れ性は向上し、溶接時の高温割れがほぼ防止できることが判明した。
発明者らは、この知見をさらに発展させて、耐高温割れ性を向上させた溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼を発明した。
上記課題を解決する本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 質量%にて、
C:0.02%以下、
N:0.02%以下、
Si:2%以下、
Mn:2%以下、
P:0.005以上0.025%以下
かつ、P[%]≦−0.05×Nb[%]+0.04
S:0.002%未満
Cr:10超〜20%、
Cu:0.4〜3%、
Nb:0.30〜0.6%
Ti:0.005〜0.25%、
Al:0.2%以下
B:0.0002〜0.0030%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高温強度と溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
(2) 質量%にて、Mo:0.01〜1%、W:1%以下、V:1%以下、Co:1%以下、Ni:0.5%以下、Zr:1%以下、Sn:0.3%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)の高温強度と溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
本発明によれば、溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板が得られ、部品加工における溶接時のトラブルを回避できる。
高温割れ性に及ぼすPとNbの影響
ここで、下限の規定がないものについては、不可避的不純物レベルまで含むことを示す。
以下に本発明の限定理由について説明する。
Cは、成形性と耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほど良いため、0.02%以下とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、0.001〜0.009%が望ましい。
NはCと同様、成形性と耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほど良いため、0.02%以下とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、0.003〜0.015%が望ましい。
Siは、脱酸剤としても有用な元素であるとともに、高温強度と耐酸化性を改善する元素である。しかし、過度な添加は常温延性を低下させるためその上限を2%とする。また、耐酸化性を考慮すると0.2〜1.0%が望ましい。
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、中温域での高温強度上昇に寄与する。また、長時間使用中にMn系酸化物を表層に形成し、スケール密着性や異常酸化抑制効果に寄与する。一方、2%超の過度な添加は、常温延性を低下させる他、MnSを形成して耐食性を低下させるため、上限を2%とした。更に、高温延性やスケール密着性を考慮すると、0.1〜1.0%が望ましい。
Pは、鋼中に不可避的に0.03〜0.04%程度含まれる成分であるが、本発明では、その存在が非常に重要な元素である。鋼中にNbが含まれていると、鋼板が高温に曝されると、NbとPが粒界に偏析しやすくなる傾向にある。そのため、P量をできるだけ、低減する必要がある。従って、P量の上限を0.025%とする。好ましくは0.015%である。また、過度の低減は製鋼プロセスの過大の負荷を与えるため、0.005%を下限とするのが良い。好ましくは、0.005%〜0.015%である。また、図1から明らかなように、高温割れに関してP量とNb量には一定の相関があり、
P[%]≦−0.05×Nb[%]+0.04 式(1)
となるようにP量を調整すれば、耐高温割れ性を向上できる。
Sは、鋼中に不可避的に含まれる成分であるが、耐食性を低下させるCaSが生成しやすい。また、本発明において重要なことは、Sは粒界に偏析しやすい元素であり、耐高温割れ性を低下させる元素である。したがって、本発明ではSを極力抑制することとし、その上限を0.002%未満とする。しかし、Sを0.0005%未満とすることは製鋼コストの非常な増大を招くため、0.0005%を下限とすることが好ましい。
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。10%未満では、その効果は発現せず、20%超では加工性の低下や靭性の劣化をもたらすため、10〜20%とした。更に、製造性や高温延性を考慮すると10〜18%が望ましい。耐酸化性や耐食性向上のためには、Crは12.7%超、あるいは13.7%超が好ましい。
Cuは、高温強度向上に有効な元素である。特に、600〜800℃程度の中温度域における強化能が高い。これは、該温度域におけるCu析出物の生成による析出強化が主な要因である。本発明では、高温強度を担保するNb量を制限するため、それを補うために、Cuを積極的に添加する。その高温強化能は、0.4%以上の添加により発現する。一方、過度な添加は、常温延性および耐酸化性支障が生じる。また、3%超添加すると熱延工程での耳割れが顕著になり製造性に問題が生じるとともに、Cu添加により溶接性も低下するため上限を3%とした。製造性、スケール密着性などを考慮すると、0.5〜2.5%が望ましい。
Tiは、C,N,Sと結合して耐食性、耐粒界腐食性、常温延性や深絞り性を向上させる元素である。これらの効果は、0.005%以上から発現するが、0.25%超の添加により、固溶Ti量が増加して常温延性が低下するため、Ti添加量の上限は0.25%とした。更に、表面疵の発生や靭性を考慮すると0.05〜0.20%が望ましい。
Nbは、本発明で重要な元素である。高温強度や熱疲労特性を向上させる必須元素であり、0.05%以上の添加でその効果が発現する。下限を0.05%とした。しかし、本発明者らが明らかにしたように、Nbを過剰に添加すると耐高温割れ性を低下させるので、その上限を0.6%とする。0.1%以上のNbの添加で、効果の発現が顕著になる。好ましくは0.3%以上0.6%以下である。なお、生産性や製造性の観点からは、0.05〜0.3%が望ましい。
Alは、脱酸元素として添加される他、固溶強化元素として600〜700℃の強度向上に有用である。また、耐酸化性を向上させるために添加する。しかし、過度の添加は硬質化するほか、溶接性を低下させるため、その上限を0.2%とする。0.01%以下にするにはコスト増加を招くため、0.01〜0.2%が望ましい。
Bは、高温強度を向上させる元素であるともに、本発明における重要な効果であるNbおよびPの粒界偏析を抑制する元素である。これはBは拡散が速く、粒界偏析しやすい元素であり、特に、Cu添加鋼で顕著である。これは、Cuの微細析出を促進させるためであると考えられている。これらの効果は、0.0002%以上で発現するが、過度な添加は硬質化や粒界腐食性と耐酸化性を劣化させる他、溶接割れが生じるため、0.0002〜0.0030%とした。耐食性や製造コストを考慮すると、0.0003〜0.0015%が望ましい。
以上の元素に加えて、必要に応じて、Mo、V、W、Co、Ni、Zr、Snを添加しても良い。
Moは高温強度や熱疲労特性を向上させる元素である。その効果は0.01%以上の添加で発現する。しかしながら、多量に添加すると、Laves相等の金属間化合物の析出が起こり、高温強度向上効果が低下するため、好ましくない。そのため、添加する上限を1%とする。
Wは、Moと同じく、高温強度や熱疲労特性を向上させる元素である。その効果は0.01%以上の添加で発現する。しかしながら、多量に添加すると、やはり、Laves相等の金属間化合物の析出が起こり、高温強度向上効果が低下するため、好ましくない。そのため、添加する上限を1%とする。
Vは、微細な炭窒化物を形成し、析出強化作用が生じて高温強度向上に寄与するため必要に応じて添加する元素である。この効果は0.01%以上の添加で安定して発現するが、1%超添加すると析出物が粗大化して高温強度が低下し、熱疲労寿命は低下してしまうため、上限を1%とした。更に、製造コストや製造性を考慮すると、0.08〜0.5%が望ましい。
Coは、高温強度を向上させる元素である。その効果は0.01%以上の添加で発現する。しかしながら、多量に添加すると、加工性を低下させるため、好ましくない。そのため、添加する上限を1%とする。
Niは耐食性を向上させる元素である。その効果は0.01%以上の添加で発現する。しかしながら、多量に添加すると、相安定性を低下させるため、常温延性等が低下する。そのため、添加する上限を0.5%とする。
ZrはTiやNb同様に炭窒化物形成元素であり、固溶Ti,Nb量の増加による高温強度向上、耐酸化性の向上に寄与し、0.1%以上の添加により安定して効果を発揮するため必要に応じて添加しても良い。しかしながら、1%超の添加により製造性の劣化が著しいため、0.2〜1%とした。コストや表面品位を考慮すると、0.2〜0.6%が望ましい。
Snは、原子半径が大きく固溶強化に有効な元素であり、高温強度向上に寄与する。常温の機械的特性を大きく劣化させないため程度に、必要に応じて添加できる。高温強度への寄与は0.01%以上で安定して発現するが、0.3%超添加すると製造性や溶接性が著しく劣化するため、0.3%を上限とした。更に、耐酸化性等を考慮すると、0.05〜0.1%が望ましい。
次に製造方法について説明する。本発明の製造に関しては、特段の規定するものではなく、通常のフェライト系ステンレス鋼の製造方法である、製鋼−熱間圧延−酸洗−冷間圧延−焼鈍・酸洗の各工程を経て製造させることが好ましい。各プロセスの製造条件は適宜選択することで製造できる。
製鋼においては、前記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼を、転炉溶製し続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造)に従ってスラブとする。スラブの厚さは、特に定めないが、100〜300mmが好適である。スラブは、所定の温度に加熱され、所定の板厚に連続圧延で熱間圧延される。熱間圧延については、熱延条件、熱延板厚を適宜選択すればよい。特に条件を定めないが、スラブ加熱温度は1000〜1300℃、熱延終了温度は、600〜1000℃、巻き取り温度は、500℃以下が好適である。熱延後の板厚は、2〜10mmが好適である。冷間圧延条件について、ステンレス鋼板の冷間圧延は、通常ロール径が60〜100mm程度のゼンジミア圧延機でリバース圧延されるか、ロール径が400mm以上のタンデム式圧延機で一方向圧延されるかである。いずれも、複数パスで圧延される。
また、フェライト系ステンレス鋼板の製造において通常実施される熱延板焼鈍を施して
も良いが、省略して良い。その焼鈍条件は特に定めないが、800℃〜1100℃、1時間以内が好適である。冷延板の焼鈍条件も焼鈍温度、雰囲気などは適宜選択すれば良い。冷延板の焼鈍温度は、結晶粒度を調整し材質を整えるために適宜選択する。また、冷延・焼鈍後に調質圧延やテンションレベラーによる矯正を付与しても構わない。更に、製品板厚についても、要求部材厚に応じて選択すれば良い。
さらに、本発明について、実施例で詳しく説明する。
表1に示す成分組成の鋼を溶製してスラブに鋳造し、スラブを熱間圧延して5mm厚の熱延コイルとした。その後、熱延コイルを焼鈍せずに酸洗し、2mm厚まで冷間圧延し、焼鈍・酸洗を施して製品板とした。冷延板の焼鈍温度は、結晶粒度番号を6〜8程度にするために、1000〜1100℃とした。表中のNo.1〜15は本発明鋼、No.16〜41は比較鋼である。
このようにして得られた製品板から、高温引張試験片を採取し、800℃で引張試験を実施し、0.2%耐力を測定した(JISG0567に準拠)。800℃耐力が30MPa以上を合格とした。
常温の加工性として、JIS13号B試験片を作製して圧延方向破断伸びを測定した。常温での破断伸びは30%以上あれば、複雑な部品への加工が可能となるため、破断伸び30%以上を合格とした。
耐高温割れ性の評価は、トランスバレストレイン試験で評価した。バレストレイン試験とは、溶接割れ試験方法の一つである。溶接を行いながら歪みを強制的にかけることによって溶接高温割れを再現し、発生した割れ数・長さなどを測定して、溶接高温割れ感受性を定量的に行うものである。溶接方向と垂直に歪みをかけるものがトランス・バレストレイン試験である。本試験では、付加歪量を1.6%として評価した。試験で発生した割れの長さを測定し、その結果から最大割れ長さと総割れ長さを求め、評価項目とし、最大割れ長さ1mm以下、かつ、総割れ長さ5mm以下を合格とて○とし、さらに、最大割れ長さ0.5mm以下、かつ、総割れ長さ3mm以下を◎とた。
Figure 0005937861
表1において、成分は質量%を意味する。また本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。表1から明らかなように、No.1〜15の本発明で規定する成分組成を有する鋼は、バレストレイン試験で良好な結果を示し、溶接性が合格である。加えて、800℃における高温耐力が35MPa以上と高く、常温での機械的性質において破断延性が30%以上と良好である。
本発明鋼に対し、比較鋼では、溶接性が不合格であったり、高温耐力が小さい、常温加工性が低い等の結果となっている。
以上から、本発明鋼は、比較鋼に比べ、溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼と言える。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば溶接性に優れた耐熱ステンレス鋼を提供することができ、特に排気部材に適用することにより、部品コストの低減や製造安定性に寄与でき、社会に対して格段の貢献が可能である。

Claims (2)

  1. 質量%にて、
    C:0.02%以下、
    N:0.02%以下、
    Si:2%以下、
    Mn:2%以下、
    P:0.005以上0.025%以下
    かつ、P[%]≦−0.05×Nb[%]+0.04
    S:0.002%未満
    Cr:10〜20%、
    Cu:0.4〜3%、
    Nb:0.30〜0.6%
    Ti:0.005〜0.25%、
    Al:0.2%以下
    B:0.0002〜0.0030%
    を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高温強度と溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
  2. 質量%にて、Mo:0.01〜1%、W:1%以下、V:1%以下、Co:1%以下、Ni:0.5%以下、Zr:1%以下、Sn:0.3%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の高温強度と溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板。
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