JP6575650B2 - フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents
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Description
0.30≦Ti+Nb+V≦0.60% (1)
(1)式における元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
[2]前記成分組成は、さらに、質量%で、Zr:0.5%以下、W:1.0%以下、REM:0.1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載のフェライト系ステンレス鋼。
0.30%≦Ti+Nb+V≦0.60% (1)
(1)式における元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
Cの含有量が多いと強度が向上し、少ないと加工性が向上する。適度な強度を得るためには0.001%以上の含有が適当である。しかし、C含有量が0.020%を超えると加工性の低下が顕著となり、深絞り加工に適さない。よって、C含有量は0.001〜0.020%とした。より好ましくは、0.002〜0.018%である。なお、不可避的に含まれるCのみでC含有量が上記範囲になる場合には、Cを積極的に添加する必要はない。
Siは脱酸に有用な元素である。その効果は0.01%以上の含有で得られる。しかし、Si含有量が0.30%を超えると、加工性の低下が顕著となり、深絞り加工には適さない。よって、Siの含有量は0.01%〜0.30%とした。より好ましくは、0.05%〜0.20%である。
Mnには強度を高める効果がある。その効果は0.01%以上の含有で得られる。一方、Mnを過剰に含有すると加工性が顕著に低下し、深絞り加工には適さなくなる。したがって、Mn含有量は0.50%以下が適当である。よって、Mnの含有量は0.01〜0.50%とした。より好ましくは、0.03%〜0.40%である。なお、Mnは鋼に不可避的に含まれるため、不可避的に含まれるMn含有量が上記範囲にあれば、Mnを添加する必要はない。
Pは鋼に不可避的に含まれる元素であり、深絞り加工後の結晶粒界に偏析して、結晶粒界の強度を低下させ、粒界割れを発生しやすくする元素である。よって、P含有量は少ないほど好ましく、0.04%以下とした。より好ましくは0.03%以下である。
Sは鋼に不可避的に含まれる元素である。S含有量が0.01%を超えるとCaSやMnSなどの水溶性硫化物の形成が促進され耐食性が低下する。よって、S含有量は0.01%以下とした。
Crはステンレス鋼の耐食性を決定付ける最も重要な元素である。Cr含有量が18.0%未満ではステンレス鋼として十分な耐食性が得られない。特に溶接部での耐食性が不十分となる。一方で、過剰にCrを含有すると、加工性が低下し、深絞り加工に適さない。そこで、Cr含有量は22.0%以下が適当である。よって、Cr含有量は18.0〜22.0%とした。より好ましくは、18.5〜21.5%である。
Niはステンレス鋼の耐食性を向上させる元素であり、不動態皮膜が形成できず活性溶解が起こる腐食環境において腐食の進行を抑制する元素である。その効果はNi含有量を0.01%以上にすることで得られる。しかし、Ni含有量が0.40%以上になると、加工性が低下するため、深絞り加工には適さない。よって、Niの含有量は0.01〜0.40%とした。より好ましくは、0.03〜0.18%である。
Moは不動態皮膜の再不動態化を促進し、ステンレス鋼の耐食性を向上する元素である。Crとともに含有することによってその効果はより顕著となる。Moによる耐食性向上効果は0.30%以上の含有で得られる。しかし、Mo含有量が3.0%を超えると高温強度が増加し、圧延負荷が大きくなるため製造性が低下する。よって、Mo含有量は0.30〜3.0%とした。より好ましくは、0.40〜2.0%である。
Alは脱酸に有用な元素であり、その効果は、Alの含有量が0.01%以上で得られる。しかし、Alの含有量が0.15%を超えるとフェライト結晶粒径が増大しやすくなり、溶接部近傍の割れが起こりやすくなる。よって、Al含有量は0.01〜0.15%とした。より好ましくは、0.02〜0.10%である。
TiはC、Nと優先的に結合してCr炭窒化物の析出による耐食性の低下を抑制する元素である。その効果は、Ti含有量が0.01%以上で得られる。しかし、Ti含有量が0.50%を超えると固溶したC、Nが過度に減少し、深絞り後の結晶粒界の強度が不十分となり、溶接部近傍で割れが発生しやすくなる。よって、Ti含有量は0.01〜0.50%とした。より好ましくは、0.15〜0.40%である。なお、本明細書において、炭窒化物には、炭化物、窒化物も含む。
NbはC、Nと優先的に結合してCr炭窒化物の析出による耐食性の低下を抑制する元素である。その効果は、Nb含有量が0.01%以上で得られる。しかし、Nb含有量が0.50%を超えると固溶したC、Nが過度に減少し、深絞り後の結晶粒界の強度が不十分となり、溶接部近傍で割れが発生しやすくなる。よって、Nbの含有量は0.01〜0.50%とした。より好ましくは、0.05〜0.40%である。
Vは、Cr炭窒化物の析出による耐食性の低下を抑制する元素である。その効果は、V含有量が0.01%以上で得られる。しかし、0.50%を超える過剰な含有は加工性を低下させ、深絞り加工には適さない。よって、V含有量は0.01〜0.50%とした。より好ましくは、0.02〜0.30%である。
上述のようにTi、Nb、VはいずれもCr炭窒化物の生成を抑制し、溶接部の耐食性を向上させる元素である。Cr炭窒化物析出による鋭敏化を抑制し、溶接部の耐食性を十分なものとするためにはTi含有量、Nb含有量、V含有量の合計が0.30%以上になることが必要である。より好ましくは0.35%以上である。加えて、溶接部の冷却速度は通常、非常に速いため、Ti、Nb、Vのいずれか単独あるいは2種のみの添加では、それぞれの元素の炭窒化物の析出しやすい温度域を急速に通過してしまい、C、Nを完全には無害化しきれない場合がある。そのため、Ti、Nb、Vのいずれの元素も0.01%以上の含有が必要である。
Coは本発明にとって重要な元素である。Coの添加はフェライト系ステンレス鋼の電子状態を変化させ、熱膨張係数を低下させる。この熱膨張係数の低下は溶接の熱によって引き起こされる溶接部の膨張および変形を緩和する。深絞り加工後の溶接部近傍では、溶接による熱膨張および変形によって生じる応力によって割れが発生する場合がある。Coの添加による熱膨張係数の低下は、溶接の熱影響および変形によって溶接部近傍にかかる応力負荷を緩和し、割れの発生を抑制する。その効果はCo含有量が0.01%以上で得られる。一方で、Co含有量が6.00%を超えると加工性が低下するため、深絞り加工には適さない。よってCo含有量は0.01〜6.00%とした。より好ましくは、0.03〜3.00%である。
Bは本発明にとって重要な元素である。高純度のフェライト系ステンレス鋼では深絞り加工によって、深絞り加工の壁面部分の結晶粒界にPが偏析し、結晶粒界が脆くなる。そのため、過度の深絞り加工を行った後に、深絞り方向に沿って割れが発生する場合がある。特にTiやNbによって固溶したC、Nを低減した成分でその傾向が顕著である。深絞り加工によって割れが発生しやすくなった結晶粒界では、溶接の熱影響による応力負荷が割れを発生させる場合がある。Bの添加は深絞り加工によるPの偏析を抑制し結晶粒界を強化して、こういった割れの発生を抑制する。この効果はBを0.0003%以上含有することで得られる。一方で、B含有量が0.0050%を超えると加工性が低下するため、深絞り加工には適さない。よって、B含有量は0.0003〜0.0050%とした。より好ましくは0.0004〜0.0020%である。
Nは、固溶強化により鋼の強度を上昇させる効果がある。その効果はN含有量が0.001%以上で得られる。しかし、N含有量が0.020%を超えると加工性の低下が顕著となり、深絞り加工に適さない。よって、N含有量は0.001〜0.020%とした。より好ましくは、0.002〜0.018%である。
ZrはC、Nと結合して、鋭敏化を抑制する効果がある。その効果は、Zr含有量を0.01%以上にすることで得られる(Zr含有量が0.01%未満の場合、上記効果は大きくないが、本発明の効果を害さないため、Zr含有量が0.01%未満でも問題が無い)。しかし、過剰のZrの含有は加工性を低下させる。また、Zrは価格が非常に高い元素であるため、過剰のZr含有はコストの増大を招く。よって、Zrの含有量は0.5%以下とした。
WはMoと同様に耐食性を向上させる効果がある。その効果はW含有量を0.01%以上にすることで得られる(W含有量が0.01%未満の場合、上記効果は大きくないが、本発明の効果を害さないため、W含有量が0.01%未満でも問題が無い)。しかし、過剰のWの含有は強度を上昇させ、製造性を低下させる。よって、W含有量は1.0%以下とする。
REMは耐酸化性を向上して、酸化スケールの形成を抑制し、溶接部の耐食性を向上する。その効果はREM含有量を0.0001%以上にすることで得られる(REM含有量が0.0001%未満の場合、上記効果は大きくないが、本発明の効果を害さないため、REM含有量が0.0001%未満でも問題が無い)。しかし、過剰にREMを含有すると、酸洗性などの製造性を低下させるうえ、コストの増大を招く。よってREMの含有量は0.1%以下とした。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.001〜0.020%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.01〜0.50%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:18.0〜22.0%、Ni:0.01〜0.40%、Mo:0.30〜3.0%、Al:0.01〜0.15%、Ti:0.01〜0.50%、Nb:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、Co:0.01〜6.00%、B:0.0003〜0.0050%、N:0.001〜0.020%を含有し、さらに、質量%で、Zr:0.5%以下、W:1.0%以下、REM:0.1%以下のいずれか1種または2種以上を含有し、下記(1)式を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を有することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
0.30%≦Ti+Nb+V≦0.60% (1)
(1)式における元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
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