JP7009278B2 - 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板および排気部品とその製造方法 - Google Patents

耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板および排気部品とその製造方法 Download PDF

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本発明は、耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板および排気部品とその製造方法に関するものであり、特に高温強度や耐高温塩害性が必要な排気系部材などの使用に最適な耐熱性と加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼板に関するものである。
自動車の排気マニホールド、フロントパイプおよびセンターパイプなどの排気系部材は、エンジンから排出される高温の排気ガスを通すため、排気部材を構成する材料には耐酸化性、高温強度、熱疲労特性など多様な特性が要求される。
従来、自動車排気部材には鋳鉄が使用されるのが一般的であったが、排ガス規制の強化、エンジン性能の向上、車体軽量化などの観点から、ステンレス鋼製の排気マニホールドが使用されるようになった。排ガス温度は車種やエンジン構造によって異なるが、一般のガソリン車では700~900℃程度が多く、このような温度域で長時間使用される環境において高い高温強度、耐酸化性を有する材料が要望されている。ステンレス鋼の中でオーステナイト系ステンレス鋼は、耐熱性や加工性に優れているが、熱膨張係数が大きいために、排気マニホールドのように加熱・冷却を繰り返し受ける部材に適用した場合、熱疲労破壊が生じやすい。一方、フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて熱膨張係数が小さいため、熱疲労特性や耐スケール剥離性に優れている。また、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて、Niを含有しないため材料コストも安く、エキゾーストマニホールドを代表とした排気部品に対して汎用的に使用されている。
一方、フェライト系ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて高温強度が低いために、高温強度を向上させる技術が開発されてきた。例えば、SUS430J1(Nb添加鋼)、Nb-Si添加鋼、SUS444(Nb-Mo添加鋼)があり、いずれもNb添加が前提となっている。これは、Nbによる固溶強化あるいは析出強化によって高温強度を高くするものであった。また、Moも固溶強化能が高いため温度が高い環境に使用される材料には積極的に添加されているが、コスト高になる課題がある。
NbやMo以外に高温強度向上に寄与する合金として、特許文献1~4には、CuあるいはCu-V複合添加を行う技術が開示されている。特許文献1におけるCu添加は低温靭性向上のために0.5%以下の添加が検討されており、耐熱性の観点からの添加ではない。特許文献2~4では、Cu析出物による析出硬化を利用して600℃あるいは700~800℃の温度域における高温強度を向上させる技術が開示されている。特許文献5~9には、高温特性に優れたフェライト系ステンレス鋼として、Bを含有した鋼が開示されている。更に排気ガスの高温化対策として、特許文献10~15には、Wを添加したフェライト系ステンレス鋼に関する技術が開示されている。Wは高温強度を向上させる元素として知られているが、Wの添加は加工性(伸び)が劣化し、部品加工が困難になる問題点や、コストの面で課題があった。
加えて、近年では更なる排気ガスの浄化、熱効率向上のために熱損失を極力低減する方策が種々とられており、その一つに排気管断熱がある。これは、エキゾーストマニホールドから下流の排気管に至るまでを金属あるいは断熱材で包み込み、排気管を流れる排ガスの温度低下を抑制するものである。これによって各種触媒効率や排熱回収率が向上し、排ガス浄化性能や熱効率が上がる。このようなシステムの場合には、排気管とその周囲の断熱部材(金属製インシュレーターや繊維状の断熱材も含む)との間に隙間が形成されるため、外部から塩分の侵入が生じ易くなる。排気管断熱によって排ガス温度が高温に上昇しかつ塩害環境が厳しくなり、高温強度のみならず耐高温塩害性も必要となり、海岸地域や融雪剤の散布が多い地域では特に重要となる。耐高温塩害性は一般的には全面腐食であり、板厚の全面的な腐食につながり、減肉を抑制する技術が必要となる。特許文献16や17には耐高温塩害性に優れたフェライト系ステンレス鋼が開示されており、各種元素の固溶量やSiやAl量の調整が成されている。しかしながら、多量のMo、W添加はコスト高になるとともに、高温使用環境において金属間化合物であるLaves相が固溶・析出するため固溶元素に依存した技術では十分ではなかった。
Laves相は、Fe2Nb,Fe2Ti,Fe2Mo,Fe2W等の金属間化合物であり、靭性を劣化させることがあるため、一般的には製品段階では固溶化される。一方、部品が車載されエンジンが始動することにより高温環境に曝されると析出が生じる。析出により固溶Nb、Ti、Mo、Wは減少し、固溶強化能は低下するとともに、析出状態が粗であれば析出強化も作用しない。また、Si添加フェライト系ステンレス鋼はLaves相の生成を促進することが知られており、Laves相の析出安定性が悪い場合には使用過程における高温強度や耐高温塩害性の変化が大きくなり、性能劣化が激しくなる。
特開2006-37176号公報 国際公開WO2003/004714号 特許第3468156号公報 特許第3397167号公報 特許第5208450号公報 特許第4937277号公報 特開平9-279312号公報 特開2000-169943号公報 特開平10-204590号公報 特開2009-215648号公報 特開2009-235555号公報 特開2005-206944号公報 特開2008-189974号公報 特開2009-120893号公報 特開2009-120894号公報 特許第3021656号公報 特許第2907673号公報
加藤ら:JFE技報、20(2008)、33.
本発明は、排気マニホールドやコンバーター等の自動車および二輪車の排気部品に好適な、耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼板に関するものである。本発明の解決しようとする課題の対象となる部品は、自動車および二輪車の排気部品であればいずれも対象となり、具体的にはエキゾーストマニホールド、触媒コンバーターケース、EGRクーラーケース、排熱回収機、センターパイプ、マフラー、ターボチャージャー部品である。また、先述した排気管断熱に関わる全ての部品が対応となる。
高温塩害が生じる環境では、高温強度と耐高温塩害性の両立が求められる。Moは高温強度と耐高温塩害性を向上させるが、添加量を増加させるとコスト高になる課題がある。また、Siは耐高温塩害性を向上させるが、多量に添加すると高温強度を低下させる課題がある。本発明は、コストを抑え、高温強度と耐高温塩害性を両立した、耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼板および排気部品とその製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者らはフェライト系ステンレス鋼板の析出物に着目して詳細に調査した。前記本発明が対象とする部品が使用される温度域では析出物が析出する場合があり、粗大な析出物は固溶強化に有効な元素を母相から奪い高温強度を低下させる。しかし析出物を微細に析出させることができれば、固溶元素の析出を抑えつつ析出強化による強化も期待できる。そして、かかる目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、以下の知見を得た。この特徴として、Si添加フェライト系ステンレス鋼に存在するLaves相(Fe2Nb,Fe2Ti,Fe2Mo,Fe2W等)中にSiが濃化して存在し、その濃度を適正量に制御することによって、高温強度と耐高温塩害性を向上させることを知見した。具体的には、Si、Nb、Ti、Mo、あるいはWが含有したフェライト系ステンレス鋼を焼鈍する際の冷却時の冷却過程あるいは製品が使用される際の熱履歴を制御することによって、Laves相中のSi濃度を増加させることが可能となる。このSiが濃化したLaves相が高温下で微細に析出することによって析出強化が効果的に発現するとともに、加熱と塩害が繰り返し作用する高温塩害環境において良好な耐食性を発現することが可能となる。これにより、先述した排気部品において特に断熱構造となる排気部品に適用可能な耐熱フェライト系ステンレス鋼板を提供することに成功した。
上記課題を解決する本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%にて、C:0.03%以下、N:0.03%以下、Si:0.4~3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.01~0.05%、Cr:10~20%を含有し、さらにTi:0.01~0.5%、Nb:0.01~0.8%を1種または2種含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Laves相中のSi濃度が1.5~4.5質量%であることを特徴とする耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
(2)質量%にてさらに、Cu:3.0%以下、B:0.0010%以下、Al:3.0%以下、Mo:3.0%以下、W:2.0%以下、V:1.0%以下、Sn:0.5%以下、Ni:1.0%以下、Mg:0.01%以下、Sb:0.5%以下、Zr:0.3%以下、Ta:0.3%以下、Hf:0.3%以下、Co:0.3%以下、Ca:0.01%以下、REM:0.2%以下、Ga:0.3%以下の1種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
(3)(1)又は(2)に記載のフェライト系ステンレス鋼板を用いてなる排気部品。
(4)(1)又は(2)に記載の成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板を用いて排気部品を形成し、700~890℃で1分以上の熱処理を施すことを特徴とする(3)に記載の排気部品の製造方法。
本発明によれば、耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼板の高温強度や耐高温塩害特性を向上させ、自動車や二輪車の排ガス経路部品に適した材料を提供し、環境対策や部品の低コスト化などに大きな効果が得られる。
Laves相中のSi量と鋼板の750℃耐力との関係を示す図である。 Laves相中のSi量と鋼板の板厚減少量との関係を示す図である。 冷延焼鈍の温度パターンを示す模式図である。
以下、鋼中の成分含有量、Laves相中の成分含有量を%で表示するときは、質量%を意味する。
本発明では高温強度や耐高温塩害性の観点から、鋼中における微細析出物中のSi濃度が重要であることを知見した。具体的には、製品板あるいは使用時に析出するLaves相中のSi濃度を1.5~4.5質量%とする。Laves相中のSi濃度が1.5~4.5%のとき、Laves相は微細析出をしており、これらは対応関係があると推定される。そこで、本発明においては、Laves相中のSi濃度で金属組織を規定することとした。Laves相のSi濃度を1.5~4.5%に制御することによって、Laves相が微細析出し、析出強化が効果的に発現するとともに、加熱と塩害が繰り返し作用する高温塩害環境において良好な耐食性を発現する。
図1に、鋼中Si含有量が0.93%のサンプルの750℃の耐力におよぼすLaves相中のSi濃度の影響を示す(後記実施例No.65~69および比較例No.94~96のサンプル)。Laves相中のSi濃度が1.5%以上となることで耐力が飛躍的に向上し、80MPa以上の耐力を示した。Laves相中のSi濃度を増加させることで耐力がさらに向上し、3.5%では100MPa以上となった。Laves相中のSi濃度を制御することでLaves相が微細に析出し、析出強化によって耐力が向上したと考えられる。しかし、Laves相中のシリコン濃度が4.5%を超えると耐力が急激に低下するため、上限は4.5%とした。
次に、鋼板の耐高温塩害性を評価するため、「大気中700℃で110分加熱、常温で20分冷却、5%NaCl水溶液中に25分浸漬、50℃で20分乾燥」を20cycle行う高温塩害試験を行った。試験後に腐食生成物除去後の板厚を20点測定し、片面あたりの板厚減少量の平均値を求めた。図2に、鋼中Si含有量が0.93%のサンプルの板厚減少量におよぼすLaves相中のSi濃度の影響を示す(後記実施例No.65~69および比較例No.94~96のサンプル)。Laves相中のSi濃度が1.5%以上となることで大幅に板厚減少量が低下し、板厚減少量120μm以下を達成した。
非特許文献1では、フェライト系ステンレス鋼の高温塩害腐食のメカニズムについて述べている。高温塩害腐食は鋼板の結晶粒界が酸素の拡散経路となり、粒界近傍に生成したCr23が、水溶性のNa2CrO4となり溶解することで進行する。Laves相は結晶粒内だけでなく、粒界にも析出する。粒界に微細析出したLaves相によって酸素の粒界拡散が抑制され、高温塩害腐食が抑制されたと考えられる。Laves相中のSi濃度が1.5%程度の場合、微細析出(核生成サイトの増加)により粒界の被覆が促進され、Laves相中のSi濃度の増加(析出量の増加)に伴い粒界の被覆はさらに促進されると考えられる。Laves相中のSi濃度を増加させることで、板厚減少量を60μm程度に抑えることが可能となるが、Si濃度3.5%超では、板厚減少量のさらなる低下は認められない。これは粒界の被覆が概ね完了したために、板厚減少量の低下も頭打ちとなったことが原因と推察される。耐高温塩害性の観点からはLaves相中のSi濃度は3.5%程度とするのが望ましい。一方、高温強度に関しては上記のようにLaves相中のSi濃度が4.5%超となることで急激に低下するため、Laves相中のSi濃度の上限は4.5%とした。
上記のようにLaves相中のSi濃度が1.5%未満である場合、Laves相が微細に析出せず、一方4.5%超の場合Laves相の成長・粗大化が生じ、析出強化が低下する。このため、Laves相中のSi濃度は1.5~4.5質量%とする。
以下、鋼中の成分含有量を規定した根拠について説明する。
Cは、成形性と耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほど良い。そのため、0.03%以下とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、0.001~0.009%が望ましい。さらに望ましくは0.003~0.007%とする。
NはCと同様、成形性と耐食性を劣化させ、高温強度の低下をもたらすため、その含有量は少ないほど良い。そのため、0.03%以下とした。但し、過度の低減は精錬コストの増加に繋がるため、0.003~0.020%が望ましい。さらに望ましくは0.005~0.015%とする。
Siは、脱酸剤としても有用な元素であるとともに、高温強度、耐酸化性および耐高温塩害性を改善する元素である。高温強度、耐酸化性および耐高温塩害性は、Si量の増加とともに向上する。高温強度と耐高温塩害性の向上にはLaves相(Fe2Nb,Fe2Ti,Fe2Mo,Fe2W等)析出の制御が重要であり、Laves相を微細かつ多量に析出させることで、その効果を得られる。その効果は、Laves相中にSiが濃化して存在し、その濃度を適正量に制御することで発現する。具体的には、Laves相中のSi濃度が1.5~4.5%であり、そのためには鋼中に0.4%以上のSi添加が必要である。しかしながら、過度な添加は常温延性を低下させるためその上限を3.0%とする。また、酸洗性や靭性を考慮すると0.4~2.5%が望ましい。さらに製造性を考慮すると1.0超~2.5%が望ましい。
Mnは、脱酸剤として添加される元素であるとともに、中温域での高温強度上昇に寄与するが、2.0%超の添加により高温でMn系酸化物表層に形成し、スケール密着性や異常酸化が生じ易くなる。特に、MoやWと複合添加した場合は、Mn量に対して異常酸化が生じやすくなる傾向にある。そのため、上限を2.0%とした。更に、鋼板製造における酸洗性や常温延性を考慮すると、0.01~1.5%が望ましい。さらに望ましくは0.01~1.0%とする。Mnは含有しなくても良い。
Pは、製鋼精錬時に主として原料から混入してくる不純物であり、含有量が高くなると、靭性や溶接性が低下する。このため、極力低減することが望ましいが、0.01%未満にするためには、低P原料の使用によるコストアップが生じるため、本発明では0.01%以上とする。一方、0.05%超の含有により著しく硬質化する他、耐食性、靭性および酸洗性が劣化するため、0.05%を上限とする。さらに望ましくは0.02~0.04%とする。
Crは、本発明において、耐酸化性や耐食性確保のために必須な元素である。10%未満では、特に耐酸化性が確保できず、20%超では加工性の低下や靭性の劣化をもたらすため、10~20%とした。更に、製造性やスケール剥離性を考慮すると13~18%が望ましい。
本発明は、TiとNbの1種又は2種を下記成分範囲において含有する。
Tiは、C,N,Sと結合して耐食性、耐粒界腐食性、常温延性や深絞り性を向上させる元素である。また、Nb、Moとの複合添加において、適量添加することにより、冷延焼鈍時のNb、Moの固溶量増加、高温強度の向上をもたらし、熱疲労特性を向上させる。その効果は0.01%以上から発現するため、下限を0.01%とした。一方、0.5%超の添加により、固溶Ti量が増加して常温延性が低下する他、粗大なTi系析出物を形成し、穴拡げ加工時の割れの起点になり、プレス加工性を劣化させる。また、耐酸化性も劣化するため、Ti添加量は0.5%以下とした。更に、表面疵の発生や靭性を考慮すると0.05~0.2%が望ましい。
Nbは、固溶強化および微細析出物の析出強化による高温強度向上に有効な元素である。また、CやNを炭窒化物として固定し、製品板の耐食性やr値に影響する再結晶集合組織の発達に寄与する役割もある。これらの効果は0.01%から発現するため、下限を0.01%とした。一方、0.8%超の添加は著しく硬質化する他、製造性も劣化させるため、上限を0.8%とした。また、原料コストや靭性を考慮すると、0.3~0.6%が望ましい。
本発明は、さらに必要に応じて以下の成分を含有することとしても良い。
Cuは耐食性向上に有効な元素である。また、ε-Cu析出による析出強化によって高温強度を向上させるが、過度な添加は熱間加工性を低下させるため上限は3.0%とした。更に、熱疲労特性、製造性および溶接性を考慮すると1.0~1.6%が望ましい。
Sは、耐食性や耐酸化性を劣化させる元素であるが、TiやCと結合して加工性を向上させる効果が0.0001%から発現するため、下限を0.0001%とした。一方、過度な添加によりTiやCと結合して固溶Ti量を低減させるととも析出物の粗大化をもたらし、高温強度が低下するため、上限を0.01%とした。更に、精錬コストや高温酸化特性を考慮すると0.0010~0.0090%が望ましい。
Bは、製品のプレス加工時の2次加工性や高温強度、熱疲労特性を向上させる元素である。BはLaves相などの微細析出をもたらし、これらの析出強化の長期安定性を発現させ、強度低下の抑制や熱疲労寿命の向上に寄与する。この効果は0.0001%以上で発現する。一方、過度な添加は硬質化をもたらし、粒界腐食性と耐酸化性を劣化させる他、溶接割れが生じるため、0.0010%以下とした。更に、耐食性や製造コストを考慮すると、0.0001~0.0005%が望ましい。
Alは、脱酸元素として添加される他、耐酸化性を向上させる元素である。また、固溶強化元素として高温強度向上に有用である。その作用は0.001%から安定して発現する。一方、過度の添加は硬質化して均一伸びを著しく低下させる他、靭性が著しく低下するため、上限を3.0%とした。更に、表面疵の発生や溶接性、製造性を考慮すると、0.01~2.2%が望ましい。
Moは、高温における固溶強化に有効な元素であるとともに、耐食性および耐高温塩害性を向上させるため、必要に応じて0.01%以上添加する。3.0%以上の添加で常温延性と耐酸化性が著しく劣化するため、3.0%以下とした。更に、熱疲労特性や製造性を考慮すると、0.3~0.9%が望ましい。
WもMo同様、高温における固溶強化として有効な元素であるとともに、Laves相(Fe2W)を生成して析出強化の作用をもたらす。特に、NbやMoと複合添加した場合、Fe2(Nb,Mo,W)のLaves相が析出するが、Wを添加するとこのLaves相の粗大化が抑制されて析出強化能が向上する。これは0.1%以上の添加で作用する。一方、2.0%超の添加ではコスト高になるとともに、常温延性が低下するため、上限を2.0%とした。更に、製造性、低温靭性および耐酸化性を考慮すると、W添加量は0.2~1.5%が望ましい。
Vは、耐食性を向上させる元素であり、必要に応じて添加される。この効果は0.05%以上の添加で安定して発現する。一方、1%超添加すると析出物が粗大化して高温強度が低下する他、耐酸化性が劣化するため、上限を1%とした。更に、製造コストや製造性を考慮すると、0.08~0.5%が望ましい。
Snは、耐食性を向上させる元素であり、中温域の高温強度を向上させるため、必要に応じて添加する。これらの効果は0.01%以上で発現する。一方、0.5%超添加すると製造性および靭性が著しく低下するため、0.5%以下とした。更に、耐酸化性や製造コストを考慮すると、0.1~0.5%が望ましい。
Niは耐酸性や靭性、高温強度を向上させる元素であり、必要に応じて添加する。これらの効果は0.05%以上で発現する。一方、1.0%超添加するとコスト高になるため、1.0%以下とした。更に、製造性を考慮すると、0.08~0.5%が望ましい。
Mgは、脱酸元素として添加させる場合がある他、スラブの組織を微細化させ、成形性向上に寄与する元素である。また、Mg酸化物はTi(C,N)やNb(C,N)等の炭窒化物の析出サイトになり、これらを微細分散析出させる効果がある。この作用は0.0002%以上で発現し、靭性向上に寄与する。但し、過度な添加は、溶接性、耐食性および表面品質の劣化につながるため、上限を0.01%とした。精錬コストを考慮すると、0.0003~0.0010%が望ましい。
Sbは、耐食性と高温強度の向上に寄与するため,必要に応じて0.01%以上添加する。0.5%超の添加により鋼板製造時のスラブ割れや延性低下が過度に生じる場合があるため上限を0.5%とする。更に,精錬コストや製造性を考慮すると、0.01~0.3%が望ましい。
Zrは、TiやNb同様に炭窒化物形成元素であり、耐食性、深絞り性の向上させる元素であり、必要に応じて添加する。これらの効果は0.01%以上で発現する。一方、0.3%超の添加により製造性の劣化が著しいため、0.3%以下とした。更に、コストや表面品位を考慮すると、0.1~0.2%が望ましい。
Zr、TaおよびHfは、CやNと結合して靭性の向上に寄与するため必要に応じて0.01%以上添加する。但し,0.3%超の添加によりコスト増になる他,製造性を著しく劣化させるため,上限を0.3%とする.更に,精錬コストや製造性を考慮すると、0.01~0.08%が望ましい。
Coは、高温強度の向上に寄与するため,必要に応じて0.01%以上添加する。0.3%超の添加により靭性劣化につながるため,上限を0.3%とする.更に,精錬コストや製造性を考慮すると、0.01~0.1%が望ましい。
Caは、脱硫のために添加される場合があり、この効果は0.0001%以上で発現する。しかしながら、0.01%超の添加により粗大なCaSが生成し、靭性や耐食性を劣化させるため、上限を0.01%とした。更に,精錬コストや製造性を考慮すると、0.0003~0.0020%が望ましい。
REMは、種々の析出物の微細化による靭性向上や耐酸化性の向上の観点から必要に応じて添加される場合があり、この効果は0.001%以上で発現する。しかしながら、0.2%超の添加により鋳造性が著しく悪くなる他、延性の低下をもたらすことから上限を0.2%とした。更に,精錬コストや製造性を考慮すると、0.001~0.05%が望ましい。REM(希土類元素)は、一般的な定義に従い、スカンジウム(Sc)、イットリウム (Y)の2元素と、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称を指す。単独で添加してもよいし、混合物であってもよい。
Gaは、耐食性向上や水素脆化抑制のため、0.3%以下で添加してもよい。硫化物や水素化物形成の観点から下限は0.0002%とすると好ましい。さらに、製造性やコストの観点ならびに、延性や靭性の観点から0.0020%以下が好ましい。
その他の成分について本発明では特に規定するものではないが、本発明においては、Bi等を必要に応じて、0.001~0.1%添加してもよい。なお、As、Pb等の一般的な有害な元素や不純物元素はできるだけ低減することが好ましい。
次に製造方法について説明する。本発明の鋼板の製造方法は、製鋼-熱間圧延-焼鈍-酸洗-冷間圧延-焼鈍・酸洗の各工程よりなる。製鋼においては、前記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼を、転炉溶製し続いて2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、公知の鋳造方法(連続鋳造)に従ってスラブとする。スラブは、常法により加熱され、連続圧延で熱間圧延される。熱間圧延は複数スタンドから成る熱間圧延機で圧延された後に巻き取られる。巻取温度の規定はしないが、熱延板靭性や組織微細化の観点からは400~750℃が望ましい。
熱延工程の後の焼鈍は省略しても良く、酸洗後に製品の板厚に冷延される。ここでは、タンデム式圧延機あるいはゼンジミア式圧延機のいずれも用いても構わない。また、圧下率は板厚に応じて適宜選定すれば良い。
Laves相中にSiを濃化させるために、冷延鋼板を焼鈍する際に900~1100℃に加熱後、700~890℃において1分以上10分以下滞留し、690~400℃の冷却速度が3.0~5.0℃/secとするところに特徴がある。700~890℃の滞留時間が1分未満であると、Laves相中へのSiの拡散が伴わないため、下限を1分とする。本時間が過度に長くなると、Laves相中のSi濃度が4.5%を越えるとともに、微細に析出したLaves相が成長・粗大化し析出強化量が低下する。また、著しく生産性が落ちるため、上限は10分とする。更に、Laves相の安定性や酸洗性を考慮すると、1.5分~5分が望ましい。以下、詳細に説明する。
冷間圧延後の焼鈍パターンについて、図3に基づいて説明する。冷間圧延後の焼鈍は、再結晶組織を得るために施される。本発明の鋼成分の再結晶温度は900~1100℃であるため、この温度(TH)に加熱し、冷却する。加熱温度(TH)が1100℃を超える場合、結晶粒が過度に粗大化し製品板においてオレンジピールが生じる恐れがある。また、加熱温度(TH)が900℃未満である場合、再結晶不良が生じ製品板の伸びが低下する恐れがある。このため加熱温度(TH)は900~1100℃とすると好ましい。
本発明では加熱後の冷却過程においてLaves相の析出およびSiをLaves相中に固溶させるために好ましくは、700~890℃における滞留時間(tS)を1分以上10分以下とする。ここで、700~890℃における滞留時間(tS)とは、冷却中に890℃から700℃までの所要時間を意味する。滞留時間が1分未満であるとSiの拡散が伴わないため、下限を1分とする。700~890℃における滞留時間(tS)を1分以上とするため、図3に示すように、700~890℃の温度範囲内で温度がほぼ一定に保持されるパターンを採用してもよい。ここでは、温度がほぼ一定に保たれる温度を滞留温度(TS)と呼ぶ。滞留温度は700~890℃であればよいが、Laves相の析出がより促進される温度は750℃程度である。
Laves相中のSi濃度は、鋼中のSi含有量、焼鈍後熱処理の滞留時間の両方の影響を受けて変化する。鋼中のSi含有量:0.4~3.0%、890℃から700℃までの滞留時間:1分以上10分以下の範囲内において、鋼中のSi含有量が多いほど、滞留時間が長いほど、Laves相中のSi濃度が増大する。従って、所定の条件で製造したときにLaves相中のSi濃度が1.5質量%未満であったときは、鋼中のSi含有量、焼鈍後熱処理の滞留時間のいずれかを増大することにより、Laves相中のSi濃度を1.5質量%以上とすることができる。逆に、所定の条件で製造したときにLaves相中のSi濃度が4.5質量%を超えていたときは、鋼中のSi含有量、焼鈍後熱処理の滞留時間のいずれかを減少することにより、Laves相中のSi濃度を4.5質量%以下とすることができる。また、滞留時間は1分以上10分以下であればよいが、鋼中のSi含有量が下限近く(0.4%程度)の鋼である場合はLaves相中へのSiの濃化が1分の滞留で十分に生じない場合がある。その場合は10分以下で適当な時間滞留させることで、必要なSi拡散を実現することができる。一方、鋼中のSi含有量が上限近く(3.0%程度)の鋼である場合は、滞留時間が長時間であるとLaves相中のSi濃度が4.5%を超えることがあり、一方で滞留時間が短時間でもLaves相中へのSiの濃化が十分に生じる場合があるので、適当な時間滞留させることで、Laves相中のSi濃度を本発明範囲内とすることができる。
また、滞留時間が過度に長くなると著しく生産性が落ちるため、上限は10分とする。更に、Laves相の安定性や酸洗性を考慮すると、1.5分~5分が望ましい。
700~890℃の温度帯で滞留させる方法としては、加熱後の冷却速度を水あるいはガス等で調整すれば良い。また、常法で冷間圧延後の焼鈍を行った上で、焼鈍後の酸洗前処理工程(例えば溶融塩処理)で700~890℃の滞留を行っても構わない。
滞留後の690~400℃の冷却速度は、微細に析出したLaves相を過度に成長させないため、3.0~5.0℃/secとする。冷却速度が3.0℃/sec未満である場合、冷却中にLaves相の成長が過度に生じ微細に析出したLaves相が粗大になるおそれがあるとともに、Laves相中のSi濃度が4.5%を超えることとなる。また冷却速度を5.0℃/sec超とするためには冷却用の設備を導入する必要があり、コスト高になるとともに、Laves相中のSi濃度が1.5%未満となる。690~400℃の冷却速度は、690℃から400℃までの所要時間(図3のtC)を用いて、冷却速度=(690-400)/tCとして算出される。
Laves相の成長はLaves相へのNb(Ti,Mo,W等)(以下「Nb等」という。)の拡散によって律速される。700~890℃の滞留時間が1分以上10分以下の好適時間である場合、Laves相中へSiが濃化し、Laves相へのNb等の拡散を阻害する。このため滞留中に析出するLaves相は成長しにくく微細になる。滞留時間が不十分である場合、Siの拡散が伴わずLaves相中のSi濃度が1.5%未満となり、Laves相は成長しやすい。滞留時間が10分超である場合、Laves相中のSi濃度が4.5%を超えるとともに、Lavesの成長が過度に生じるためLaves相は粗大になる。
また、冷延板焼鈍雰囲気などは適宜選択すれば良く、冷延・焼鈍後に調質圧延やテンションレベラーを付与しても構わない。更に、酸洗方法については、既存の酸洗方法を適用すれば良い。
上記本発明のフェライト系ステンレス鋼板を用いてなる排気部品は、排気部品を構成する鋼中に析出したLaves相中のSi濃度が1.5~4.5質量%であるため、優れた高温強度と耐塩害耐食性を併せ持つことができる。
本発明において、常法で冷間圧延後の焼鈍を行って冷延鋼板を形成し、さらに鋼板を加工して排気部品を形成した上で、部品作製後に、700~890℃で1分以上の熱処理を実施しても構わない。これは、本発明の効果は部品が車載された後に有効に発現すれば良いため、製品板に限定されるものではなく、部品加工-接合後、あるいは組み立て後に上記条件で熱処理が施されれば部品性能は格段に向上するためである。よって、部品組み立て段階あるいは車載された後に上記条件になるようにエンジンを稼働させることによって耐熱性を向上させることも可能である。
表1~表4に示す成分組成の鋼を溶製してスラブに鋳造し、スラブを熱間圧延して5mm厚の熱延コイルとした。その後、コイルを1.2mm厚まで冷間圧延し、焼鈍・酸洗を施して製品板とした。ここで冷間圧延後の焼鈍については、図3に示すように、加熱温度(TH)を900~1100℃範囲内の表1~4に示す焼鈍温度とした。その後、表1~4に示す滞留温度(TS)において、鋼板の冷却を一次滞留させた。鋼板温度が890℃から700℃に到達するまでの経過時間を滞留時間(tS)とし、表1~4に示した。その後、690℃~400℃までの冷却速度を表1~4に示す冷却速度とした。
表1~表3のNo.1~79は本発明鋼、表4のNo.80~102は比較鋼である。成分組成が本発明範囲から外れる数値、製造条件が好適範囲から外れる数値、品質が目標から外れる数値に下線を付している。
Figure 0007009278000001
Figure 0007009278000002
Figure 0007009278000003
Figure 0007009278000004
このようにして得られた製品板から、圧延方向が引張方向となるように高温引張試験片を採取し、750℃で引張試験を実施し、0.2%耐力を測定した(JIS G 0567に準拠、数値は小数点以下を四捨五入)。ここで、750℃における0.2%耐力が80MPa以上あれば、一般的な排気部品への適用が可能なため、80MPa以上の0.2%耐力を有するものを合格とした。また、耐高温塩害性の試験として、「大気中700℃で110分加熱、常温で20分冷却、5%NaCl水溶液中に25分浸漬、50℃で20分乾燥」を20cycle行う高温塩害試験を行った。試験後に腐食生成物除去後の板厚を20点測定し、片面あたりの板厚減少量の平均値で耐高温塩害性を評価した。板厚減少量が120μm以下であれば高温塩害用途への適用が可能となるため120μm以下の板厚減少量を有するものを合格とした。
表1~4から明らかなように、本発明で規定する成分組成を有する鋼を用い、Laves相中のSi濃度が1.5~4.5質量%となるように製造した本発明例は、比較例に比べて750℃における0.2%耐力および耐高温塩害性に優れている。750℃における0.2%耐力および板厚減少量のいずれか一方でも不合格である場合は、高温塩害が生じる環境における耐熱鋼としての適用が不適と判断した。これより、本発明で規定される鋼は高温強度および耐高温塩害性に優れていることがわかる。

Claims (4)

  1. 質量%にて、
    C:0.03%以下、
    N:0.03%以下、
    Si:0.4~3.0%、
    Mn:2.0%以下、
    P:0.01~0.05%、
    Cr:10~20%を含有し、さらに
    Ti:0.01~0.5%、Nb:0.01~0.8%
    を1種または2種含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
    Laves相中のSi濃度が1.5~4.5質量%
    であることを特徴とする耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  2. 質量%にてさらに、
    Cu:3.0%以下、
    S:0.01%以下、
    B:0.0010%以下、
    Al:3.0%以下、
    Mo:3.0%以下、
    W:2.0%、
    V:1.0%以下、
    Sn:0.5%以下、
    Ni:1.0%以下、
    Mg:0.01%以下、
    Sb:0.5%以下、
    Zr:0.3%以下、
    Ta:0.3%以下、
    Hf:0.3%以下、
    Co:0.3%以下、
    Ca:0.01%以下、
    REM:0.2%以下、
    Ga:0.3%以下の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼板を用いてなる排気部品。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の成分組成を有するフェライト系ステンレス鋼板を用いて排気部品を形成し、700~890℃で1分以上の熱処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の排気部品の製造方法。

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