JP2009539739A5 - - Google Patents

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リチウムベースの化合物のナノ粒子組成物および該ナノ粒子組成物を形成する方法
本出願は、米国仮特許出願第60/778,029号(2007年2月28日)と、米国仮特許出願第60/877,122号(2006年12月22日)の優先権を主張し、上記の仮特許出願の両方は、本明細書中に参照により援用される。
本発明は概して、リチウムベースの化合物の粒子組成物を形成する方法、ならびに関連組成物および構造に関する。
リチウム金属リン酸塩(例えば、LiFePO)およびリチウム金属酸化物(例えば、LiMnNiO)などのリチウムベースの化合物は、バッテリなどの電気化学電池で使用することができる材料である。該材料は、加工することによって、例えば電池の電極(例えば、陰極、陽極)を形成するために使用される粉末を形成することができる。当技術分野では、充電/放電速度の増加、電力密度の増加、および稼働寿命の増加を含む、電池の電気化学的性能を向上させる要望がある。
ミリング(milling)過程は典型的に、生成物をより小さい寸法に粉砕したり叩いたりするために粉砕媒体(grinding medium)を使用する。例えば、生成物は、比較的大きい粒子を有する粉末の形で提供されてもよく、ミリング過程が粒子のサイズを小さくするために使用されてもよい。
粉砕媒体には種々のサイズおよび形状があってもよい。典型的なミリング過程では、粉砕媒体は、ミル(例えば、ボールミル、ロッドミル、磨砕ミル、撹拌媒体ミル、ペブルミル)として公知な装置で使用される。ミルは典型的に、粉砕媒体の周りに生成物を分配し、生成物をより小さい寸法に砕いて、ミリング済み粒子組成物を生産する粉砕媒体間での衝突を引き起こすように回転することによって、作動する。
小型のリチウムベースの化合物の粒子組成物を形成する方法、ならびに関連粒子組成物および構造を提供する。
一側面では、本発明は、被覆した粒子組成物を生産するための方法を提供する。該方法は、供給粒子、被膜材料前駆体、および流体担体を含む供給材料を提供するステップを含む。該方法は、被膜を含むミリング済み粒子を含む組成物を形成するように供給材料をミリングするステップをさらに含み、ミリング済み粒子は250nm未満の平均粒径を有する。
別の側面では、本発明は、リチウムベースの化合物の粒子組成物を生産するための方法を提供する。該方法は、100nm未満の平均粒径および900ppm未満の汚染レベルを有するリチウムベースの化合物ミリング済み粒子を含む組成物を形成するように、リチウムベースの化合物供給粒子をミリングするステップを含む。
別の側面では、本発明は、ミリング済み粒子組成物を提供する。ミリング済み粒子組成物は、100nm未満の平均粒径および900ppm未満の汚染レベルを有する、ミリング済みのリチウムベースの化合物の粒子を含む。
別の側面では、本発明は、粒子組成物を生産する為の方法を提供する。該方法は、リチウムベースの化合物を含む固形物を形成するようにリチウムベースの化合物の前駆体を加熱するステップを含む。該方法は、リチウムベースの化合物を含む供給粒子を形成するように固形物を加工するステップをさらに含む。該方法は、100nm未満の平均粒径を有するリチウムベースの化合物のミリング済み粒子を含む組成物を形成するように、供給粒子をミリングするステップをさらに含む。
別の側面では、該方法は、ミリング済み粒子を含む第1のミリング済み粒子組成物を形成するようにリチウムベースの化合物の前駆体を含む供給材料をミリングするステップを含む。該方法は、ミリング済み粒子を含む凝集体(aggregate)を形成するステップと、リチウムベースの化合物を含む組成物を形成するように凝集体を加工するステップとをさらに含む。該方法は、100nm未満の平均粒径を有するミリング済み粒子を含む第2のミリング済み粒子組成物を形成するように組成物をミリングするステップをさらに含む。
本発明のその他の側面、実施形態および特徴は、添付図面と併せて考慮すると、下記の詳細な説明より明白となるであろう。添付図は略図であり、一定の比率で拡大縮小するように描かれることを目的としていない。明確にする目的で、全ての部品が全図で標識化されているわけではない。また、当業者が本発明を理解することを可能とするために図示が必ずしも必要でない場合にも、本発明の各実施形態の全ての部品が示されているわけではない。参照することにより本願に援用されるあらゆる特許出願書および特許は、その全体において参照することにより援用される。不一致の場合は、定義を含む本明細書が調整する。
リチウムベースの化合物の小粒子組成物、ならびに小粒子組成物と関連する方法および構造を提供する。該粒子組成物は、場合によっては、ナノサイズ粒子を有することによって特徴付けられる。下記でさらに説明されるように、粒子組成物は、ミリング過程で生産することができる。ミリング過程は、所望の特性(例えば、小型粒径、形状、低汚染レベル)を有するミリング済み粒子組成物を形成するために、好ましい種類の粉砕媒体を使用してもよい。一部の実施形態では、粒子は、粒子組成物のある性質(例えば、電気伝導度)を高めることができる被膜で被覆してもよい。被膜材料前駆体は、所望の条件下で供給材料粒子と共にミリングし、粒子上に被膜を形成することが可能である。粒子組成物は、燃料電池、超コンデンサ、またはバッテリの電極などの電気化学的用途を含む、種々の異なる用途で使用することができる。
上記のように、粒子はリチウムベースの化合物を含み得る。本願で使用されるように、「リチウムベースの化合物(lithium−based compound)」は、リチウムおよび1つ以上の追加素を含む化合物である。適切なリチウムベースの化合物の例は、リン酸リチウムベースの化合物(つまり、リチウムおよびリン酸基(PO)を含み、1つ以上の追加素を含み得る化合物)、酸化リチウムベースの化合物(つまり、リチウムおよび酸素を含み、1つ以上の追加素を含み得る化合物)、およびチタン酸リチウムベースの化合物(つまり、リチウムおよびチタンを含み、1つ以上の追加素を含み得る化合物)を含む。例えば、適切なリン酸リチウムベースの組成物は、LiMPOという一般式を有することができ、式中、Mは、Fe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Ti、Mo、およびCuなどの遷移金属を含む1つ以上の金属を表すことができる。適切なリン酸リチウムベースの組成物の例は、LiFePO、LiMnPO、およびLiFeMnPOを含む。適切な酸化リチウムベースの組成物は、LiMOという一般式を有することができ、式中、xは適切な下付き文字(例えば2)であり、Mは、Fe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Ti、Mo、およびCuなどの遷移金属を含む1つ以上の金属を表すことができる。適切な酸化リチウムベースの組成物の例は、LiMnNiを含む。適切なチタン酸リチウムベースの組成物の例は、とりわけLiTi12を含む。粒子組成物は、例えば電気伝導度を高めることができる適切なドーパントを含んでもよいことを理解されたい。
適切なリチウムベースの化合物は、参照することにより本願に援用される、米国特許第5,871,866号、第6,136,472号、第6,153,333号、第6,203,946号、第6,387,569号、第6,387,569号、第6,447,951号、第6,528,033号、第6,645,452号、第6,667,599号、第6,702,961号、第6,716,372号、第6,720,110号、および第6,724,173号で説明されている。
一部の実施形態では、ミリング済み粒子組成物の平均粒径は500nm未満である。ある実施形態では、平均粒径はより小さくてもよい。例えば、平均粒径は、250nm未満、150nm未満、100nm未満、75nm未満、または50nm未満であってもよい。一部の実施形態では、粒子組成物が非常に小さい粒径(例えば、100nm未満の平均粒径)を有することが好ましい場合がある。場合によっては、30nm未満、20nm未満、または10nm未満の平均粒径を有する粒子組成物を生産することさえ可能である。そのような粒径は、1つには、下記でさらに説明されるような、ある好ましい特性を有する粉砕媒体を使用することによって得ることができる。
本願で説明される粒径は、被覆した、または被覆していないリチウムベースの化合物の粒子組成物に対するものであってもよいことを理解されたい。
リチウムベースの化合物の粒子組成物の好ましい平均粒径は典型的に、対象とする用途に左右される。ある用途では、平均粒径が極度に小さい(例えば、100nm未満)であることが望ましい場合がある一方で、他の用途では、平均粒径がやや大きい(例えば、100nmから500nmの間)ことが望ましい場合がある。一般に、ミリングパラメータは所望の粒径を提供するように制御することができるが、ある場合においては、ミリングを促進するように平均粒径が1nm以上であることが好ましい場合がある。例えば、ミリング済み材料の平均粒径は、粉砕媒体の特性(例えば、密度、サイズ、硬度、靱性)を含む多数の要因、ならびにミリング条件(例えば、比エネルギー入力)によって制御することができる。
本願の目的では、粒子組成物の「平均粒径」は、組成物中の代表的な数の一次粒子(非凝集)の「粒径(particle size)」の数値的平均である。一次粒子(非凝集)の「粒径」は、x、y、またはz軸に沿って取られるその最大断面積である。例えば、略球状粒子の最大断面直径は、その直径である。本願の説明および請求項における値については、粒径は、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡技術などの顕微鏡検査技術を使用して決定される。
本発明のある実施形態においては、上記の範囲外の平均粒径(例えば、500nm以上)を有する粒子組成物が、有用である得ることを理解されたい。
粒子組成物は、大型粒子を比較的含まなくてもよい。つまり、粒子組成物は、低濃度の大型粒子しか含まなくてもよい。例えば、組成物に対するD90値は、上記の平均粒径のうちのいずれでもよい。しかし、本発明はそのようなD90値に限定されないことを理解されたい。
粒子組成物には、非常に大きい平均表面積があってもよい。大きい表面積は、1つには、上記の非常に小型の粒径によるものである。粒子組成物の平均表面積は、1m/g以上、他の場合では5m/g以上、および他の場合では50m/g以上であってもよい。場合によっては、粒子には、100m/g以上、または500m/g以上もの極度に大きい平均表面積があってもよい。このような大きい平均表面積は、被覆されていない、および/または略無孔である粒子でも達成可能であるが、他の粒子には細孔表面があってもよいことを理解されたい。表面積は、BET測定を使用して測定することができる。そのような大きい表面積は、1つには、下記でさらに説明されるような、ある好ましい特性を有する粉砕媒体を使用することによって得ることができる。
粒径と同様に、粒子組成物の好ましい平均表面積は、典型的に、対象とする用途に左右される。ある用途では、平均表面積が極度に大きい(例えば、50m/g以上、または260m/g以上)ことが望ましい場合がある一方で、他の用途では、平均表面積がやや小さい(例えば、50m/gから1m/gの間)ことが好ましい場合がある。一般に、ミリングパラメータは所望の表面積を提供するように制御することができるが、ある場合においては、平均表面積が3,000m/g未満(例えば、略無孔粒子に対して)であることが好ましい場合がある。例えば、ミリング済み粒子組成物の平均表面積は、粉砕媒体の特性(例えば、密度、サイズ、硬度、靱性)を含む多数の要因、ならびにミリング条件(例えば、エネルギー、時間)によって制御することができる。
いくつかある利点の中でとりわけ、小型粒径および/または大きい表面積は、充電/放電速度の増加、容量の増加、電力密度の増加、費用節約の増加、および稼働寿命の増加(例えば、変性のない充電/放電サイクルの数)などの電気化学的性能(例えば、バッテリに対する)の向上をもたらすことができる。
本発明のある実施形態の利点は、本願で説明される粒径は非常に低い汚染レベルで達成され得るということである。そのような特性は非常に低い摩耗率につながるので、下記の粉砕媒体は、上記の組成物と共に使用すると、低汚染レベルが可能になり得る。例えば、ミリング済み組成物には、900ppm未満、500ppm未満、200ppm未満、100ppm未満とすることもできる汚染レベルがあってもよい。一部の過程では、実質的に汚染が検出されなくてもよく、それは概して10ppm未満の汚染レベルを代表する。本願で使用されるように、「汚染物質」は、ミリング中に生成物組成中に導入される粉砕媒体材料である。典型的な市販の供給生成物は、ある不純物濃度を含む場合があり(ミリング前)、そのような不純物は本願で使用されるような汚染物質の定義に含まれないことを理解されたい。また、ミリング設備からの材料など、生成物中に導入される不純物の他の源も、本願で使用されるような汚染物質の定義に含まれない。「汚染レベル」は、ミリング済み材料の重量濃度に対する、汚染物質の重量濃度を指す。汚染レベルに対する典型的な単位はppmである。組成分析技術を含む、汚染レベルを測定するための標準的な技術は、当業者にとって周知である。
本発明の方法は、上記の汚染レベルのいずれかと組み合わせた、本願で説明される粒径値(ミリング前後の粒子間の相対サイズの値を含む)のうちのいずれかを有する組成物を生産することができることを理解されたい。例えば、本発明の一方法は、100nm未満の平均最終粒径を有するミリング済み粒子組成物を形成するように平均初期粒径を有する供給粒子をミリングするステップを含み、ここで、初期粒径は最終粒径より100倍大きく、ミリング済み粒子組成物には500ppm未満の汚染レベルがある。
一部の過程では、ミリング済み粒径は、供給材料粒子(ミリング前)に、1ミクロン以上、10ミクロン以上、または50ミクロン以上もの平均粒径がある場合に達成される。一部の過程では、供給材料粒子の平均粒径は、ミリング済み材料の平均粒径より10倍、50倍、100倍、または500倍以上大きくてもよい。ミリング済み材料の具体的な粒径は、ミリング条件(例えば、エネルギー、時間)を含む多数の要因に左右されるが、1つには、ミリング済み材料が使用される用途によって決定される。一般に、ミリング条件は、所望の最終粒径を提供するように制御することができる。供給材料の粒径は、いくつかある要因の中でとりわけ、商業的入手性に左右される場合がある。
上記のように、ミリング済み組成物は、多数の性能優位性をもたらすことが可能な小型粒径で生産することができる。バルク組成形態の場合、粒子は独立性(つまり、表面に付着しない)であってもよい。下記でさらに説明されるように、そのようなミリング済み粒子は、所望の構造(例えば、電極)を形成するようにさらに加工してもよい。場合によっては、組成物中のミリング済み粒子は、凝集していてもよい。場合によっては、ミリング済み材料は、流体担体中のミリング済み粒子の懸濁として提供してもよい。本願で説明される平均粒径および平均表面積は、(一次粒子の凝集体のサイズおよび面積よりもむしろ)一次粒子の粒径および表面積を指すことを理解されたい。
下記でさらに説明するように、ミリング済み粒子組成物は、ミリング過程で生産することが可能である。よって、このような粒子組成物は、特徴的な「ミリング済み」形態/幾何を有するとして説明することができる。当業者であれば、複数の鋭い端、ファセット表面、および化学的に沈殿した粒子で典型的にみられるもののように、滑らかで丸い「角」がないといった、顕微鏡的特徴のうちの1つ以上を含み得る「ミリング済み粒子」を識別することが可能である。本願で説明されるミリング済み粒子には、上記の顕微鏡的特徴のうちの1つ以上があってもよい一方で、低倍率で見ると他の形状(例えば、小板(platelet))を有することを理解されたい。
本発明の全実施形態は、ミリング済み粒子またはミリング過程に限定されないことを理解されたい。
一部の実施形態では、粒子が小板形状を有することが好ましい場合がある。このような場合、粒子には、粒子の全長にわたって比較的均一な厚さがあってもよい。粒子は、その間に延在する厚さがある、略平面の第1の表面、および略平面の第2の表面を有してもよい。粒子の厚さは、粒子の幅および粒子の長さより小さくてもよい。一部の実施形態では、長さおよび幅は、ほぼ同等でもよいが、他の実施形態では、長さおよび幅は異なってもよい。長さおよび幅が異なる場合は、小板粒子は、長方形の箱形状を有してもよい。ある場合においては、粒子は鋭い端を有するとして特徴付けることができる。例えば、粒子の上面(例えば、第1の平面)と粒子の側面との間の角度は、75°から105°の間、または85°から95°の間(例えば、約90°)であってもよい。しかし、粒子は全ての実施形態で小板形状を有するわけではない場合があり、本発明はこの点で限定されないことを理解されたい。例えば、粒子は、とりわけ、略球状または偏球面の形状を有してもよい。ミリング済み粒子組成物内で、個々の粒子は、上記の形状のうちの1つ以上の形態であってもよいことを理解されたい。
場合によっては、粒子の形状は被覆時に変化してもよい。
一部の実施形態では、本発明の組成物は、好ましい結晶方位を有する粒子を含み得る。そのような粒子を形成する適切な方法は、参照することにより本願に援用される、2005年10月27日に出願された、「Small Particle Compositions and Associated Methods」と題された、共有の同時係属中の米国特許出願第11/318,314号で説明されている。一部の実施形態では、組成物中の大部分(つまり、50%以上)の粒子には、同じ結晶方位があってもよい。他の実施形態では、75%以上、または95%以上にも、または実質的に全ての粒子さえにも、同じ結晶方位があってもよい。
粒子の好ましい結晶方位は、1つには、粒子を形成する材料の結晶構造(例えば、斜方晶、尖晶、六方晶、正方晶、立方晶)に左右される場合がある。結晶は概して、特定面に沿って優先的に破砕し、そのような面に沿った破砕を誘発するために必要とされているエネルギーの特徴的な量がある。ミリング中、そのようなエネルギーは、粒子/粉砕媒体の衝突に起因する。ミリングパラメータ(例えば、粉砕媒体の組成、比エネルギー入力)を介してそのような衝突のエネルギーを制御することによって、ある結晶面に沿って粒子を優先的に破砕することが可能であり、このことが好ましい結晶方位を有する粒子組成物を作成することが観察される。
一部の実施形態では、好ましい結晶方位は、底面によって定義される(つまり、正方晶または六方晶構造における主軸(c軸)に垂直である面)。例えば、底面、および結晶方位は、(0001)または(001)面であってもよい。
粒子の結晶方位は、既知の技術を使用して測定することができる。適切な技術は、X線回折(XRD)である。XRDを使用して、同じ好ましい結晶方位を有する粒子の相対的割合を評価することが可能である場合がある。
上記のように、一部の実施形態では、粒子は被覆を有し得る。被膜は、粒子の表面積の少なくとも一部を覆う。場合によっては、被膜は、粒子の表面積の50%以上、75%以上、または実質的に全体(例えば、99%以上)を覆ってもよい。被膜には、50nm未満、25nm未満、または場合によっては10nm未満の厚さがあってもよい。一部の実施形態では、被膜には、粒子の表面の大部分にわたって均一な厚さがあってもよい。例えば、被膜には、粒子の表面積の50%以上で、20%未満に変動する厚さがあってもよい。
被膜は、粒子組成物の1つ以上の性質を高めるために使用することができる。例えば、被膜は、(例えば、電気化学電池の)電極における粒子の性能を向上させることができ、その場合、被覆した粒子は、被覆していない粒子と比べると、伝導度の向上を示すことができる。場合によっては、被覆した粒子は、電気化学電池内のリチウムまたはリチウムイオンの輸送を促進することができる。また、均一な被膜を有する粒子は、不均一な被膜を有する粒子よりも一貫性のある性質を示すことができる。
被膜材料、および被膜材料前駆体は、粒子の表面を被覆することが可能な任意の適切な材料であってもよい。場合によっては、被膜材料は導電性材料である。一部の実施形態では、被膜は、実質的に炭素から成っていてもよい。例えば、被膜材料前駆体は、黒鉛(例えば、上級黒鉛)、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ポリオールなどの炭素含有物質によって提供することができ、本願で説明されるような過程で粒子を被覆するために使用することができる。一部の実施形態では、被膜は、金属酸化物または金属窒化物などの無機物を含み得る。無機物の一部の具体的な例は、アルミナおよびセリアを含む。一部の実施形態では、被膜は、CuまたはSnなどの金属を含み得る。被膜材料は、例えば、シラン類などの、粒子の表面を強化する追加成分をさらに含み得る。その他の被膜組成物も可能であることを理解されたい。
被膜材料前駆体は、リチウムベースの化合物の粒子よりもサイズが小さい粒子の形態(例えば、ナノ粒子)であってもよい。被膜材料前駆体粒子は、リチウムベースの化合物の粒子の表面に付着して被膜を形成することができる。被膜(例えば、被膜材料粒子)は、共有結合性または非共有結合性相互作用(例えば、水素結合、イオン結合、静電相互作用、またはファン・デル・ワールス相互作用など)を介して、リチウムベースの化合物の粒子に付着することができる。
炭素支持材料などの、支持材料内で分散される粒子(例えば、活性物質)を含有する組成物も形成することができる。そのような組成物は、互いに離れた粒子を有することができ、それにより粒子の露出面積を増加させることができる。
上記のように、リチウムベースの化合物の粒子組成物は、電気化学的用途を含む多数の用途で使用することができる。図1は、本発明の一実施形態による電気化学電池10を、概略的に図示する。電気化学電池は、外部回路16を介して陰極14(つまり、正の電極)に接続される陽極12(つまり、負の電極)を含む。陽極および/または陰極は、本願で説明される、リチウムベースの化合物の粒子組成物を含み得る。酸化反応が、電子が失われる陽極で起こり、還元反応が、電子が得られる陰極で起こる。電解質18は、陽極から陰極へ正イオンを流す一方で、電子は電源の役割を果たすことが可能である外部回路を通って流れる。分離器は、いくつかある機能の中でもとりわけ、陽極および陰極を電気的に分離する。
図2は、本発明の別の実施形態による電池構造(battery cell structure)20を概略的に図示する。電池構造は、陽極側22、陰極側24、およびその間に位置付けられる電解質/分離器26を含む。陽極側は、活性物質層30上に形成される電流コレクタ28(例えば、銅の目の粗い網状格子で形成される)を含む。陰極側は、電流コレクタ32(例えば、アルミニウムの目の粗い網状格子で形成される)および活性物質層34を含む。保護カバー38は、電池構造を取り囲むことができる。
任意の適切な電解質/分離器を使用してもよい。例えば、電解質/分離器は、固体電解質または分離器、および液体電解質であってもよい。固体電解質は、ポリマーマトリクスを含むことが可能である。液体電解質は、イオン伝導性液を形成する、溶媒およびアルカリ金属塩を含むことが可能である。
リチウムベースの化合物の粒子組成物は、結合剤材料を含むその他の成分のマトリクス中で分散させて、陽極および陰極の活性物質層30、34を形成することができる。
本発明の電気化学電池(例えば、バッテリ)には、種々の異なる構造・構成があってもよく、本発明はこの点で限定されないことを理解されたい。適切な電気化学電池(例えば、バッテリ)は、参照することにより本願に援用される米国特許のうちのいくつかにおいて説明されている。
粒子組成物は、本願で説明されるような粉砕媒体を使用するミリング過程で生産することができる。該過程は、種々の異なる設計および能力を有する、幅広い従来のミルを利用することができる。適切な種類のミルは、とりわけ、ボールミル、ロッドミル、磨砕ミル(attritor mill)、撹拌媒体ミル(stirred media mill)、ペブルミル(pebble mill)、および振動ミルを含むが、それに限定されない。場合によっては、ミリング過程は、流体担体中の粒子を非凝集化するために使用することができる。場合によっては、ミリング過程は、本願で説明されるような被覆した粒子を生産するために使用することもできる。
場合によっては、本願で説明される粉砕媒体を使用して、粒子組成物を加工するために、従来のミリング条件(例えば、エネルギー、時間)を使用してもよい。他の場合では、本願で説明される粉砕媒体は、典型的な従来のミリング過程よりも、有意に負担が少ないミリング条件(例えば、より少ないエネルギー、より少ない時間)の使用を可能にすることができる一方で、優れたミリング性能(例えば、非常に小さい平均粒径)を達成する。場合によっては、応力エネルギーは、典型的な従来のミリング過程よりも大きい場合がある。
有利なことに、粉砕媒体は、有利なミリング条件を可能にする。例えば、本発明の粉砕媒体の高いミリング効率により、より短いミリング時間およびより低い比エネルギー入力を利用することが可能である。本願で使用されるように、「比エネルギー入力(specific energy input)」は、重量生成物あたりの消費されるミリングエネルギーである。上記の粒径および汚染レベルを有するミリング済み粒子組成物でさえも、低いミリング入力エネルギーおよび/または短いミリング時間で生産することが可能である。例えば、比エネルギー入力は、125,000kJ/kg未満、または90,000kJ/kg未満であってもよい。場合によっては、比エネルギー入力は、50,000kJ/kg未満または25,000kJ/kg未満など、さらに低くてもよい。実際の比エネルギー入力およびミリング時間は、いくつかある要因の中でもとりわけ、生成物の組成および粒径の所望の低減に強く左右される。
本発明のミリング過程は、粉砕媒体が閉じ込められているミル内の加工スペースへの、供給生成物(例えば、供給粒子)および流体担体の導入を伴うことが可能である。スラリ(slurry)の粘度は、例えば、分散剤などの添加剤をスラリに添加することによって、制御することができる。ミルは所望の速度で回転され、材料粒子は粉砕媒体と混合する。粒子と粉砕媒体との間の衝突は、粒子のサイズを減少させることが可能である。粒子は、典型的に、あるミリング時間にわたって粉砕媒体に暴露され、その後、ミリング済み材料は、洗浄およびろ過、ふるい分け、または重力分離などの従来技術を使用して、粉砕媒体から分離される。ミリング過程は、室温を含む、任意の室温で実施してもよい。場合によっては、粒子のスラリは、ミルの注入口を通して導入され、ミリング後にミルの排出口から回収される。該過程は繰り返してもよく、次のミルの注入口に流体的に接続されている1つのミルの排出口により、連続的に多数のミルを使用してもよい。
ミリング過程は、周囲条件下(例えば、空気への露出下)で実施してもよい。ミリング過程は、例えば、窒素環境、アルゴン環境、またはその他の適切な条件下といった、空気がない状態で実施してもよい。
上記のように、特定の特性を有する粉砕媒体を使用することが好ましい場合がある。しかし、本発明の全ての実施形態がこの点で限定されるわけではないことを理解されたい。一部の実施形態では、粉砕媒体は、6g/cm以上の密度を有する材料で形成され、一部の実施形態では8g/cm以上、一部の実施形態では、密度は10g/cm以上、または15g/cm以上、または18g/cm以上でさえある。しかし、ある実施形態では、粉砕媒体の密度は、1つには、より大きい密度を有する適切なミリング済み材料を生産することが困難であるため、22g/cm未満であってもよい。粉砕媒体材料の密度を測定するために、従来技術を使用してもよいことを理解されたい。
ある実施形態では、粉砕媒体が高い破壊靱性を有する材料で形成されることが好ましい場合もある。例えば、場合によっては、粉砕媒体は、6MPa/m1/2以上の破壊靱性を有する材料で形成され、場合によっては、破壊靱性は9MPa/m1/2以上である。破壊靱性は、ある実施形態では、12MPa/m1/2以上であってもよい。破壊靱性を測定するために、従来技術を使用することができる。適切な技術は、1つには、試験されている材料の種類に左右される場合があり、当業者にとって周知である。例えば、圧痕破壊靱性試験(indentation fracture toughness test)を使用することができる。また、例えば、超硬合金を試験する場合に、Palmqvist破壊靱性技術も適切である場合がある。
本願で開示される破壊靱性値は、材料のバルクサンプルで測定される破壊靱性を指すことを理解されたい。場合によっては、例えば、粉砕媒体が非常に小さい粒子(例えば、150ミクロン未満)の形態である場合、破壊靱性を測定することが困難である場合があり、実際の破壊靱性はバルクサンプルで測定されるものとは異なる場合がある。
ある実施形態では、粉砕媒体が高い硬度を有する材料で形成されることが好ましい場合もある。高い硬度を有する媒体は、衝突あたりのエネルギー伝達の増加をもたらすことが可能であり、そしてミリング効率を増加させることが可能であることが分っている。一部の実施形態では、粉砕媒体は、75kgf/mm以上の硬度を有する材料で形成され、場合によっては、硬度は200kgf/mm以上である。硬度は、ある実施形態では900kgf/mm以上であってもよい。硬度を測定するために、従来の技術を使用することができる。適切な技術は、1つには、試験されている材料の種類に左右され、当業者にとって周知である。例えば、適切な技術は、ロックウェル硬度試験またはビッカース硬度試験(ASTM 1327に従う)を含むことができる。本願で開示される硬度値は、材料のバルクサンプルで測定される硬度値を指すことを理解されたい。場合によっては、粉砕媒体が非常に小さい粒子(例えば、150ミクロン未満)の形態である場合、硬度を測定することが困難である場合があり、実際の硬度はバルクサンプルで測定されるものより大きい場合がある。
本発明の全てのミリング過程が、上記の特性のそれぞれを有する粉砕媒体を使用する訳ではないことを理解されたい。
本発明のミリング過程は、幅広い寸法を有する粉砕媒体を使用することができる。一般に、粉砕媒体の平均サイズは、約0.5ミクロンから10cmである。使用される粉砕媒体の好ましいサイズは、とりわけ、供給粒子のサイズ、ミリング済み粒子組成物の所望のサイズ、粉砕媒体の組成、および粉砕媒体の密度を含む、多数の要因に左右される。
ある実施形態では、非常に小さい粉砕媒体を使用することが有利となる場合がある。約250ミクロン未満、または約150ミクロン未満(例えば、約75から150ミクロンの間)の平均サイズを有する粉砕媒体を使用することが好ましい場合がある。場合によっては、粉砕媒体には、約100ミクロン未満、または約10ミクロン未満の平均サイズがあってもよい。サイズの小さい粉砕媒体は、非常に小さい粒径(例えば、1ミクロン未満)を有する粒子組成物を生産するのに特に効果的であることが示されている。場合によっては、粉砕媒体には、0.5ミクロン以上の平均サイズがあってもよい。
過程で使用される粉砕媒体の平均サイズは、代表的な数の粉砕媒体粒子の断面寸法(例えば、略球状粉砕媒体に対する直径)を測定することによって決定することができることを理解されたい。
粉砕媒体には、種々の形状があってもよい。一般に、粉砕媒体には、当技術分野で周知のあらゆる適切な形状があってもよい。一部の実施形態では、粉砕媒体が略球状(本願では「球状」とほとんど同じ意味で使用することができる)であることが好ましい。略球状粉砕媒体は、所望のミリング性能を得るのに特に効果的であることが分っている。
本発明の方法で使用される粉砕媒体のいずれも、本願で説明される特性(例えば、性質、サイズ、形状、組成)のうちのいずれでも互いに組み合わせて有することができることを理解されたい。例えば、本発明の方法で使用される粉砕媒体には、上記の密度および上記の平均サイズのうちのいずれがあってもよい(例えば、粉砕媒体には、約6g/cm以上の密度および約250ミクロン未満の平均サイズがあってもよい)。
上記の粉砕媒体の特性(例えば、密度、硬度、靱性)は、1つには、粉砕媒体の組成によって決定される。ある実施形態では、粉砕媒体は、合金および金属化合物を含む金属材料で形成される。一組の実施形態では、粉砕媒体はフェロタングステン(つまり、Fe−W)で形成されることが好ましい場合がある。場合によっては、組成物は、75から80重量パーセントの鉄、および20から25重量パーセントのタングステンを含み得る。場合によっては、フェロタングステン粉砕媒体を浸炭して耐摩耗性を向上してもよい。
他の実施形態では、粉砕媒体は、炭化物材料などのセラミック材料で形成してもよい。一部の実施形態では、粉砕媒体は、単一の炭化物材料(例えば、炭化鉄(FeC)、炭化クロム(Cr)、炭化モリブデン(MoC)、炭化タングステン(WC、WC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化バナジウム(VC)、および炭化チタン(TiC))で形成される。場合によっては、粉砕媒体が多炭化物材料で形成されることが好ましい場合がある。多炭化物材料は、少なくとも2つの炭化物形成元素(例えば、金属元素)および炭素を含む。
多炭化物材料は、多炭化化合物(つまり、特定の化学量論を有する炭化化合物)、または単一化合物の融合(例えば、WCおよびTiCの融合)、または多炭化化合物および単一炭化化合物の融合の両方を含み得る。多炭化物材料は、不純物として存在するものを含んでとりわけ、窒素、元素形態の(例えば、多炭化物材料の加工中に炭化物に転換されなかった)炭化物形成元素などのその他の成分も含んでもよい。必ずではないが典型的に、このような他の成分は、比較的少量(例えば、10原子パーセント未満)で存在している。
本発明の多炭化物粉砕媒体における適切な炭化物形成元素は、鉄、クロム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムを含むが、その他の元素も適切である場合がある。場合によっては、多炭化物材料は、これらの元素のうちの少なくとも2つを含む。例えば、一部の実施形態では、多炭化物材料は、タングステン、レニウム、および炭素、他の場合では、タングステン、ハフニウム、および炭素、他の場合では、モリブデン、チタン、および炭素を含む。
適切な粉砕媒体の組成は、例えば、参照することにより本願に組み込まれ、「Grinding Media Compositions and Methods Associated With the Same」と題された、2005年7月29日に出願された米国特許出願第11/193,688号に基づく、米国特許出願公開第2006−0003013号で説明されている。適切な粉砕媒体の組成は、例えば、参照することにより本願に援用される、米国特許第7,140,567号でも説明されている。
一部の実施形態では、多炭化物材料が少なくともタングステン、チタン、および炭素を含むことが好ましい場合がある。このような場合の一部では、多炭化物材料は、本質的にタングステン、チタン、および炭素から成り、性質に物質的な影響を及ぼす量の追加元素を含まない。しかし他の場合では、多炭化物材料は、性質に物質的な影響を及ぼす量の追加的な金属炭化物形成元素を含んでもよい。例えば、このような実施形態では、タングステンは、10から90原子%の量で多炭化物材料中に存在し、一部の実施形態では、30から50原子%の量で存在してもよい。多炭化物材料中のチタンの量は、1から97原子%、一部の実施形態では、2から50原子%であってもよい。炭化タングステン・チタン多炭化物材料を利用するこのような実施形態では、残りは炭素であってもよい。例えば、炭素は、10から40原子%の量で存在してもよい。上記のように、タングステン、チタン、および炭素に加えて、このような実施形態では、任意の他の適切な炭化物形成元素も、多炭化物材料中に存在し得ることを理解されたい。場合によっては、1つ以上の適切な炭化物形成元素が、多炭化物結晶構造中のある部位でチタンと置き換わってもよい。ハフニウム、ニオブ、タンタル、およびジルコニウムは、チタンと置き換わり得る元素として特に好ましい場合がある。チタンと置き換わる炭化物形成元素は、例えば、最大30原子%(多炭化物材料に基づく)の量で存在してもよい。場合によっては、適切な多炭化物元素が、多炭化物結晶構造中のある部位でタングステンと置き換わってもよい。クロム、モリブデン、バナジウム、タンタル、およびニオブは、タングステンと置き換わり得る元素として特に好ましい場合がある。タングステンと置き換わる炭化物形成元素は、例えば、最大30原子%(多炭化物材料に基づく)の量で存在してもよい。
上記の置換炭化物形成元素は、チタンおよび/またはタングステンと完全に置き換わって、タングステンおよび/またはチタンを含まない多炭化物材料を形成してもよいことも理解されたい。
本願で開示されていないが、上記の特性(例えば、高い密度)を有する粉砕媒体の組成を本発明の実施形態で使用してもよいことを理解されたい。また、本発明のミリング過程は、本願で説明される粉砕媒体の組成および/または特性に限定されないことも理解されたい。その他の適切な粉砕媒体も使用してもよい。
一般に、粉砕媒体の組成を形成するための任意の適切な過程を使用してもよい。場合によっては、過程は、組成の成分を成分の各融点よりも高い温度に加熱するステップ、その後に粉砕媒体を形成するように冷却するステップを伴う。とりわけ、熱プラズマトーチ、溶解微粒化、およびアーク溶解を含む、種々の異なる加熱技術を使用してもよい。例えば、1つの適切な過程は、粉砕媒体を適切な割合で含むことを目的とした元素の微粒子を混合するステップを伴う。混合物の安定性は、不活性結合剤(例えば、燃え尽きて研削剤の成分を形成しない)の導入によって高めることができる。混合物は、複数の凝集体(例えば、それぞれが、形成される所望の媒体粒子とほぼ同等の質量を有する)に細分することができる。凝集体は、加熱して融解し(例えば、理論密度の90%まで)、最終的に、個々の凝集体を溶解して、冷却されて粉砕媒体を形成する液滴を形成することができる。
一部の実施形態では、粉砕媒体は、2つの異なる材料で形成してもよい。例えば、粉砕媒体は、2つの異なるセラミック材料の融合(例えば、セラミックマトリックスにおける高密度セラミック粒子の融合)、またはセラミック材料および金属の融合(例えば、金属マトリクスにおける高密度セラミック材料の融合)で形成してもよい。
粉砕媒体が2つ以上の材料成分を含む一部の実施形態では、粉砕媒体は、被覆した粒子を含み得る。粒子には、コア材料およびコア材料上に形成される被膜があってもよい。被膜は、全ての場合ではないが、典型的に、コア材料を完全に覆う。コア材料および被膜材料の組成は、高い密度などの所望の性質がある粉砕媒体を提供するように選択することができる。例えば、コア材料は、高密度材料(例えば、8g/cm以上)で形成してもよい。コアは、例えば、鋼鉄または劣化ウランなどの金属、または金属炭化物などのセラミックで形成してもよい。
上記のように、リチウムベースの化合物の粒子を被覆することができる。被覆した粒子を生産するために、ミリング過程を使用することができる。これは、粒子を被覆するためにも使用されるリチウムベースの化合物の粒子のサイズを縮小するために使用される同じミリング過程に対しても、好ましい場合がある。このような実施形態では、粒径の縮小は、被膜を伴ったままで行われる。場合によっては、サイズ縮小および被覆ステップは連続して行われることが可能であり、他の場合では、サイズ縮小および被覆は、少なくともある程度(または完全に)同時に行われる。一部の実施形態では、リチウムベースの化合物の粒子および/または被膜材料前駆体粒子(存在する場合)を非凝集化するためにも、ミリング過程を使用してもよい。このような実施形態では、非凝集は、粒径縮小および被覆を伴ったままで行うことが可能である。
一部の実施形態では、供給粒子および被膜材料前駆体(例えば、被膜材料前駆体粒子)を含むリチウムベースの化合物の供給材料は、流体担体中で懸濁され、懸濁をミリングすることができる。上記のように、カーボンブラック粒子などの、任意の適切な被膜材料前駆体粒子組成物を使用してもよい。場合によっては、流体担体は水性(例えば、水、または水溶性流体)である。場合によっては、流体担体は非水性(例えば、有機溶媒)である。供給材料は、ミリングの前および/または最中に、流体担体と組み合わせることができる。一部の実施形態では、供給粒子および被膜材料前駆体は、流体担体がない状態でミリングして、特に粒子を被覆してもよく、次にそれは流体担体と組み合わせてミリングしてもよい。
流体担体は、ミリングが周囲条件下(例えば、空気への暴露)で行われ、流体担体が供給材料との化学反応を起こさないように、選択することができる。例えば、酸素の存在下で、供給材料が変化されるように、供給材料は、水などの流体担体との化学反応に関与する場合がある。場合によっては、金属酸化物(例えば、酸化鉄または酸化マンガン)を含む供給材料は、水および空気の存在下で酸化されてもよい。本発明の方法は、周囲条件へ暴露されると、供給材料に対して本質的に不活性である溶媒(例えば、NMP、またはイソプロピルアルコール)を選択することによって、そのような反応を有利に軽減または予防することができる。
場合によっては、ミリングおよび被覆過程全体が、流体担体のない状態で行われる(つまり、乾式過程)。
一部の実施形態では、被膜材料前駆体粒子を添加する前に、リチウムベースの化合物の供給粒子および流体担体を含有する懸濁をミリングして、流体担体内の供給粒子を非凝集化することができる。また、被膜材料前駆体粒子は、リチウムベースの化合物の粒子の表面に付着させる前にミリングすることによって、非凝集化することができる。
ある実施形態では、支持材料内に分散される粒子を含有する組成物を生産するためにミリング過程を使用してもよい。例えば、供給粒子および支持材料前駆体(例えば、炭素)を含む供給材料は、本願で説明されるようにミリングしてもよい。
供給材料および流体担体を含む懸濁は、流体担体中の供給材料の少なくとも10%の固体荷重(例えば、供給粒子および被膜材料前駆体)を含み得る。場合によっては、懸濁は、流体担体中の供給材料の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または場合によっては、少なくとも50%の固体荷重を含む。一組の実施形態では、懸濁は、流体担体中の供給材料の20〜25%の固体荷重を含む。場合によっては、懸濁は、流体担体中の供給材料の10〜20wt%の固体荷重を含む。
供給材料は、界面活性剤、結合剤、酸、塩基、または、本発明の方法を使用して被覆したミリング済み粒子を形成する供給材料の能力を高めることができるその他適切なドーパントなどの、追加成分を含み得ることを理解されたい。
リチウムベースの化合物の供給粒子および被膜材料前駆体は、相互作用して被覆した粒子を形成することができる。場合によっては、相互作用は、機械的相互作用であってもよい。場合によっては、ミリング時に、リチウムベースの化合物の粒子が、静電相互作用を介して被膜材料前駆体粒子で被覆され、粉砕されて被覆した粒子を生産するように、相互作用は、静電相互作用であってもよい。例えば、リチウムベースの化合物の粒子には、相対的に負に帯電した表面があってもよく、被膜材料前駆体粒子には、相対的に正に帯電した表面があってもよい。リチウムベースの化合物の粒子の様々な成分は、ミリングの前また最中のいずれかに、荷電表面を有するように処理してもよい。場合によっては、リチウムベースの化合物の成分は、酸などの化学試薬で処理してもよい。
流体担体は、被膜材料前駆体の粒子の、静電的性質などの性質を高めることによって、被覆および/またはミリング過程を促進することができてもよい。例えば、供給粒子は、流体担体と組み合わせられると、流体担体と相互作用して荷電表面を生成することができる材料を含み得る。
具体的実施形態では、供給粒子および被膜材料前駆体を含む供給材料は、水またはN−メチルピロリジノン(NMP)などの水性流体担体と組み合わせてもよい。供給粒子が水性流体担体と組み合わせられると、供給粒子が負に帯電した表面を有するように、供給粒子は、リチウムベースの化合物(例えば、リン酸リチウムベースの化合物)を含み得る。被膜材料前駆体は、被膜材料前駆体が正に帯電した表面を有するように、酸で処理してもよい。そして、本願で説明されるようなミリング過程における、負に帯電した供給粒子および正に帯電した被膜材料前駆体の組合せは、被覆したミリング済みのリチウムベースの化合物の粒子を生産することができる。
場合によっては、電極材料は、本願で説明されるように、NMPなどの流体担体を伴う方法を使用して生産してもよい。
本発明における使用に適した流体担体は、流体混合物、溶液、懸濁、または供給材料の成分(例えば、供給粒子、被膜材料前駆体)による分散を形成することが可能な任意の流体を含むことができる。流体担体は水性または非水性(例えば、有機)であってもよい。場合によっては、流体担体は疎水性である。場合によっては、流体担体は親水性である。流体担体の例は、純水、水溶液、ヘキサン、芳香族炭化水素、エーテルなどの炭化水素を含むことができる。場合によっては、溶媒は、N−メチルピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などであってもよい。
リチウムベースの化合物の供給粒子は、粒子の凝集を軽減できるように、流体担体内で均等に分散させることができる。このことは、粒子の均一な被覆を促進することができ、実質的過半数の粒子が被膜材料前駆体に接触することを可能にする。対照的に、被膜材料前駆体が凝集の外側の粒子にしか接触できないため、粒子の凝集を形成する粒子は、均一に被覆されない場合がある。
本発明の別の側面は、非常に低い比エネルギー入力(つまり、供給材料の重力あたりの、ミリング過程で消費されるエネルギー)を使用して、本発明の小粒子組成物を生産することができることである。
別の実施形態では、ミリング過程は、支持材料によって支持されるミリング済み粒子を含む組成物を形成するように供給粒子および支持材料前駆体を含む供給材料をミリングするステップを含んでもよい。この実施形態では、ミリング済み粒子は支持材料内で互いに実質的に分離される。
本発明の一部の実施形態は、リチウムベースの化合物のナノ粒子組成物を生産するために上記のミリング過程と組み合わせて使用することが可能な、溶解加工ステップを含んでもよい。溶解過程は、固形物の形成において使用してもよく、および/または化学反応を含んでもよい。場合によっては、化学反応は、リチウムベースの化合物を生産するように、追加元素の有無にかかわらず、リチウムベースの化合物の前駆体(炭酸リチウムおよびリン酸鉄)を加熱するステップを含んでもよい。リチウムベースの化合物の前駆体は、ナノ粒子の形態であってもよい。場合によっては、リチウムベースの化合物の前駆体(例えば、炭酸リチウムおよびリン酸鉄)間の固相反応(例えば、溶解過程)は、リチウムベースの化合物(例えば、リン酸鉄リチウム)を生産することができる。一部の実施形態では、方法は、リチウムベースの化合物を含む固形物を形成するようにリチウムベースの化合物の前駆体を加熱する(例えば、溶解する)ステップを含んでもよい。そして、固形物は、リチウムベースの化合物の供給粒子を生産する既知の方法を使用して、加工してもよい。例えば、固形物は、粉砕して供給粒子を生産することができる。そして供給粒子は、本願で説明されるようにミリングして、リチウムベースの化合物のナノ粒子組成物を生産することができる。
一部の実施形態では、方法は、ミリング済み粒子組成物を形成するようにリチウムベースの化合物の前駆体を含む供給粒子をミリングするステップを含むこともできる。ミリング済み粒子組成物は、リチウムベースの化合物の前駆体を含むミリング済み粒子を含んでよい。ミリング済み粒子組成物は、リチウムベースの化合物を含む組成物を形成するようにさらに加工することが可能な凝集体を形成するように処理してもよい。例えば、凝集体は、化学反応が発生してリチウムベースの化合物を含む組成物を形成するように、溶解または反応させてもよい。場合によっては、凝集体は、個々の凝集体が落とされ、飛ばされて溶解する炉の中で処理してもよい。そして、組成物は、本願で説明されるようにミリングし、リチウムベースの化合物のナノ粒子組成物を生産してもよい。場合によっては、ミリング済み粒子の成分が反応してリチウムベースの化合物を含有する粒子を生産し、それを本願で説明されるようにさらにミリングしてリチウムベースの化合物のナノ粒子組成物を生産することができるように、凝集体を反応させてもよい。
被覆したミリング済み粒子組成物を生産するために、溶解過程を含む方法を使用してもよい。被膜前駆体(上記のものを含む)は、被覆したミリング済み粒子組成物を形成するように、ミリング、加熱/溶解、反応、またはその他任意の加工ステップの最中など、いつでも導入してもよい。
粒子は、対象とする用途に対して望ましいようにさらに加工してもよい。例えば、上記のように電気化学電池(例えば、バッテリ)で使用される部品(例えば、電極)に粒子を組み込むために既知の加工技術を使用してもよい。電気化学電池(例えば、バッテリ)は、スマートカードなどの小型寸法を必要とする用途で使用してもよい。一部の実施形態では、粒子は、材料(例えば、炭素)の薄い層で被覆してもよい。リン酸リチウムベースの組成物の粒子はその他の任意の好適な用途で使用してもよく、本発明はこの点で限定されないことを理解されたい。
本願で説明される方法を使用して加工される粒子は、多くの利点を有することができる。例えば、粒子は、既知の方法を使用して被覆される粒子よりも均一に被覆することができる。このことは、向上した(例えば、より一貫性のある)性質を有する粒子を生産することができる。本発明のミリング過程は、簡便かつ能率的であってもよく、既知の方法と比較すると、付加的な加工ステップの必要性を排除することができる。場合によっては、供給粒子は、1つのミリングステップでミリングおよび被覆してもよい。場合によっては、所望の粒子組成物(所望の粒径を含む)は、噴霧乾燥、再焼成などの付加的な加工ステップの必要性なしで得ることができる。例えば、一実施形態では、ミリング済み粒子組成物は、結晶構造を提供するための追加ステップを必要とすることなく、結晶性のミリング済み粒子を含むことができる。場合によっては、ミリング過程は、ミリング済み粒子中の供給粒子(ミリング前)の結晶構造を保持する。例えば、供給粒子およびミリング済み粒子は両方とも尖晶構造を有してもよく、または、供給粒子およびミリング済み粒子は両方とも斜方晶構造を有してもよい。本発明の方法は、被覆した粒子を含む粒子を加工するための、より簡便で費用効率が高い方法を提供することができる。
次の実施例は、限定的ではないが、本発明のある特徴を例証するものと考えられるべきである。
(実施例1)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の粒子組成物の生産を解説する。
LiMnPOナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミル、および比較的高い密度および約75から125ミクロンのサイズを有する多炭化物材料粉砕媒体を使用した。約20gのLiMnPOを水中に分散して、約9重量%の固体荷重を形成した。スラリに加えられた比エネルギーは79,600kJ/kgであった。ミリング済み粒子を生産して回収した。
ミリング済み粒子はいくつかの技術を使用して特徴付けた。BET表面積は、多点BET計測装置を使用して、約37m/gと測定された。粒径分析は、TEMを使用して行った。平均粒径は、50nm未満と決定された。図3は、ミリング済みナノ粒子組成物の代表的な一部を示すTEM像のコピーである。XRD分析は、LiMnPOには、供給粒子(ミリング前)の結晶構造と同一の純斜方晶結晶構造があったことを示した。図4は、XRDデータの描画である。
(実施例2)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆された粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよび多炭化物材料粉砕媒体を使用した。約20gのLiMnPOを、ミル内で265gのHOにゆっくりと添加し、5,000kJ/kgの比エネルギーで加工し、粒子を非凝集化してスラリを形成した。導電性カーボンブラック粒子(3.5g)をミル内でスラリに直接添加し、20,000kJ/kgの比エネルギーで加工した。硝酸をミル内でスラリに添加し、LiMnPO粒子の表面上のカーボンブラック粒子の沈着を推進することによって、被膜を形成した。結果として生じた材料を、乾燥するまで(約96時間)最小加熱で真空下にて乾燥し、炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物を得た。
(実施例3)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆した粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよびZirmil(登録商標)粉砕媒体(Saint−Gobainより市販)を使用した。約15gのLiMnPOを、ミル内で200gのHOと混合して、スラリを形成した。導電性カーボンブラック粒子(2.6g)、10mLの水、および1滴の硝酸をミル内でスラリに直接添加し、スラリを26,400kJ/kgの比エネルギーで加工した。硝酸をミル内でスラリに添加し、LiMnPO粒子の表面上のカーボンブラック粒子の沈着を推進することによって、被膜を形成した。蠕動ポンプを1269rpmの撹拌速度で使用した。炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物を得た。
SEMを使用して粒径分析を行った。平均粒径は、200nm未満と決定した。図5A−Bは、ミリング済みナノ粒子組成物の代表的な一部を示すSEM像のコピーである。
(実施例4)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆した粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよびZirmil(登録商標)粉砕媒体(Saint−Gobainより市販)を使用した。約20gのLiMnPOを、ミル内で170gのNMPと混合して、スラリを形成した。導電性カーボンブラック粒子(3.5g)をミル内でスラリに直接添加し、スラリを10,500kJ/kgの比エネルギーで加工した。蠕動ポンプを1746rpmの撹拌速度で使用した。炭素被覆したLiMnPOナノ粒子組成物を得た。
(実施例5)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆した粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiΗ12ナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよび多炭化物材料の粉砕媒体を使用した。約30gのLiTi12を、ミル内で200gのHOおよび1滴のSokolan PA80Sと混合して、スラリを形成した。混合物のpHは、2滴の6M KOH溶液を添加することによって12に調整した。スラリは、50,000kJ/kgの比エネルギーで加工した。蠕動ポンプを1212rpmの撹拌速度で使用した。炭素被覆したLiTiSO12ナノ粒子組成物を得た。
ミリング済み粒子はいくつかの技術を使用して特徴付けた。BET表面積は、多点BET計測装置を使用して、約115m/gと測定された。粒径分析は、SEMを使用して行った。平均粒径は、略球状の形態を有する粒子を伴って、約30から50nmの間と決定された。図6A−Bは、ミリング済みナノ粒子組成物の代表的な一部を示すSEM像のコピーである。XRD分析は、炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物には、供給粒子(ミリング前)の結晶構造と同一の結晶構造があったことを示した。図6Cは、XRDデータの描画である。
(実施例6)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆した粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよび多炭化物材料の粉砕媒体を使用した。約30gのLiTi12を、ミル内で200gのイソプロピルアルコール(IPA)および0.2%の3,6,9−トリオキサデカン酸と混合して、スラリを形成した。スラリは、50,000kJ/kgの比エネルギーで加工した。蠕動ポンプを1212rpmの撹拌速度で使用した。炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物を得た。
ミリング済み粒子はいくつかの技術を使用して特徴付けた。粒径分析は、SEMを使用して行った。平均粒径は、小板形態を有する粒子を伴って、約30から50nmの間と決定された。図7A−Bは、ミリング済みナノ粒子組成物の代表的な一部を示すSEM像のコピーである。XRD分析は、炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物には、供給粒子(ミリング前)の結晶構造と同一の結晶構造があったことを示した。図7Cは、XRDデータの描画である。
(実施例7)
この実施例は、本発明の実施形態に従った、リチウムベースの化合物の被覆した粒子組成物の生産を解説する。
炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物をミリング過程で生産した。ミリング過程は、ミルおよび多炭化物材料の粉砕媒体を使用した。約30gのLiFePOを、ミル内で300gの無水イソプロピルアルコール(IPA)および0.2%の3,6,9−トリオキサデカン酸と混合して、スラリを形成した。スラリは、45,000kJ/kgの比エネルギーで加工した。蠕動ポンプを1320rpmの撹拌速度で使用した。炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物を得た。
ミリング済み粒子はいくつかの技術を使用して特徴付けた。BET表面積は、多点BET計測装置を使用して、約40m/gと測定された。粒径分析は、SEMを使用して行った。平均粒径は、小板形態を有する粒子を伴って、約30〜50nmの間と決定された。図8A−Bは、ミリング済みナノ粒子組成物の代表的な一部を示すSEM像のコピーである。XRD分析は、炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物には、供給粒子(ミリング前)の結晶構造と同一の結晶構造があったことを示した。図8Cは、XRDデータの描画である。
図1は、本発明の実施形態による、被覆した小粒子組成物より形成される電極を含む概略的な電気化学電池を図示する。 図2は、本発明の実施形態による、被覆した小粒子組成物より形成される電極を含むバッテリ構造を図示する。 図3は、実施例1で説明されるLiMnPOナノ粒子のTEM像のコピーである。 図4は、実施例1で説明されるLiMnPO粒子組成物より得られたXRDデータの描画である。 図5A〜図5Bは、実施例3で説明されるLiMnPO粒子組成物のSEM像のコピーである。 図5A〜図5Bは、実施例3で説明されるLiMnPO粒子組成物のSEM像のコピーである。 図6A〜図6Bは、実施例5で説明される炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物のSEM像のコピーである。 図6A〜図6Bは、実施例5で説明される炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物のSEM像のコピーである。 図6Cは、実施例5で説明される炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物より得られたXRDデータの描画である。 図7A〜図7Bは、実施例6で説明される炭素被覆したLiTi12のSEM像のコピーである。 図7A〜図7Bは、実施例6で説明される炭素被覆したLiTi12のSEM像のコピーである。 図7Cは、実施例6で説明される炭素被覆したLiTi12ナノ粒子組成物より得られたXRDデータの描画である。 図8〜図8Aは、実施例7で説明される炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物のSEM像のコピーである。 図8〜図8Aは、実施例7で説明される炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物のSEM像のコピーである。 図8Bは、実施例7で説明される炭素被覆したLiFePOナノ粒子組成物より得られたXRDデータの描画である。

Claims (14)

  1. 被覆された粒子組成物を生成する方法であって、
    負に帯電したリチウムベースの化合物の供給粒子と正に帯電した被覆材料前駆体とを含む供給材料と、流体担体とを提供することと、
    該流体担体と共に該供給材料をミリングして該供給粒子のサイズを減少させてそして該供給粒子を該被覆材料で被覆して、被覆されたリチウムベースの化合物のミリング済み粒子を含む組成物を形成することであって、該ミリング済み粒子は、250nm未満の平均粒径を有している、ことと
    を含む、方法。
  2. 前記供給材料をミリングする前に、前記リチウムベースの化合物供給粒子と前記被覆材料駆体とをミリングする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被覆されたリチウムベースの化合物のミリング済み粒子は、100nm未満の平均粒径を有している、請求項1に記載の方法。
  4. 被覆材料前駆体は、粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ミリング済み粒子は、リン酸リチウムベースの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ミリング済み粒子は、酸化リチウムベースの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ミリング済み粒子は、チタン酸リチウムベースの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記被覆は、炭素を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記流体担体は、水またはN−メチルピロリジンを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記供給材料は、酸をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記供給材料は、界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 粉砕媒体を用いて媒体ミルの中で前記供給材料をミリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記粉砕媒体は、8gm/ccよりも高い濃度を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記粉砕媒体は、約75ミクロン〜150ミクロンのサイズを有する、請求項12に記載の方法。
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