本発明は、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法であって、治療効果量のEGFRキナーゼ阻害剤およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤の組み合わせを、患者に同時または連続投与することを含み、該薬剤は、mTOR阻害剤であり、その他の抗癌剤または放射線治療などのさらなる薬剤または治療との併用、あるいは非併用による、方法を提供する。
また本発明は、治療効果量のEGFRキナーゼ阻害剤およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤の組み合わせを、患者に同時または連続投与することを含む、患者における腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法であって、該薬剤は、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害するmTORである、方法も提供する。
また本発明は、mTOR阻害剤が使用されることを特徴とする、EGFRキナーゼ阻害剤との併用による、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療を目的とした薬剤を製造するための方法であって、該阻害剤は、その他の抗癌剤または放射線治療などのさらなる薬剤の投与もしくは治療との併用、あるいは非併用により、同時または連続投与のいずれかを目的とする、方法も提供する。
また本発明は、mTORC1およびnTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤が使用されることを特徴とする、EGFRキナーゼ阻害剤との併用によって、患者における腫瘍または腫瘍転移の治療を目的とした薬剤を製造するための方法であって、該阻害剤は、その他の抗癌剤または放射線治療などのさらなる薬剤の投与または治療との併用、あるいは非併用により、同時または連続投与のいずれかを目的とする、方法も提供する。
また本発明は、薬学的に許容される担体中に、EGFRキナーゼ阻害剤、およびmTORC1ならびにmTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤を含む、医薬組成物も提供する。
本発明に使用可能なEGRFキナーゼ阻害剤の、ある望ましい例は、化合物エルロチニブHC1(RARCEVA(登録商標)としても知られる)である。
図面の簡単な説明
図1:エルロチニブによって4つの腫瘍種類から生成された22個の細胞系の成長阻害に対する感受性。データは、DMSO単独で処理された細胞と比較した際の、10μMのエルロニチブの存在下における72時間後の最大細胞成長を示す。敏感な細胞系と比較的鈍感な細胞系を区別するために、最大細胞成長における50%阻害は、限界基準として使用された。
図2:3つの敏感な細胞系および3つの比較的鈍感な細胞系のパネル内のpEGFR、pERK、およびpS6に対するエルロチニブの効果を示す免疫ブロット。細胞は、エルロチニブまたはDMSO賦形剤単独で2時間処理され、溶解物が調合され、ウエスタンブロットのゲル上で実施された。
図3:A.細胞系のラパマイシンに対する感受性。データは、DMSO単独で処理された細胞と比較した際の、30nMのラパマイシンの存在下における72時間後の最大細胞成長を示す。B.エルロチニブおよびラパマイシンに対する、細胞系の感受性。正のブリス値に示されるように、相乗効果は、22個中13個の細胞系に認められた。ブリス値の計算は、物質および方法のセクションで記載される。
図4:ラパマイシンが細胞系内のpS6(235/236)を下方調節することを示す免疫ブロットは、エラロニチブに対して、敏感または比較的鈍感である。細胞は、ラパマイシン、エルロチニブ、またはその併用にて2時間処理された。細胞溶解前に、2ng/mlのEGFリガンドが8分間加えられたことを示す。
図5:エラロニチブの存在下または非存在下における、3つの敏感な細胞系(H358、H292、およびBxPC3)および3つの比較的鈍感な細胞系(H460、Calu6、およびHCT−116)の増殖に対するラパマイシンの濃度変化による影響。破線は、ブリス加法曲線を示し、エラロニチブとラパマイシンの併用効果がまさに付加的である場合の理論的予想を示す。示される結果は、3つ以上の独立した実験の代表的なものである。
図6:Calu6異種移植片モデルにおける、相乗的な成長阻害に対する、エルロチニブとラパマイシンの併用効果。左パネルの併用の腫瘍量に対する相乗効果は、19日間に渡って認められる。右パネルの19日目分のデータは、別途表示される。
図7:上皮および間葉NSCLCの両方ならびに膵臓細胞、および卵巣ならびに頭頸部へん平上皮癌細胞の増殖は、単剤としてのmTOR阻害剤化合物Aに対して敏感である。4つの腫瘍種類から生成された23個の細胞系の化合物Aによる成長阻害に対する感受性。データは、DMSO単独で処理された細胞と比較した際の、20μMの化合物Aの存在下における72時間後の最大細胞成長を示す。敏感な細胞系と比較的鈍感な細胞系を区別するために、最大細胞成長における50%阻害は、限界基準として使用可能である。
図8:mTOR阻害剤化合物AおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、間葉NSCLCおよび膵臓腫瘍細胞に対して相乗的である。非小細胞肺癌(NSCLC)および膵臓癌細胞系のパネルに対する、化合物Aおよびエルロチニブの併用の効果。表は、各細胞系の細胞系が生成された腫瘍種類、および上皮または間葉タンパク質指標を示すEMT状態を要約する。該併用は、ブリス加法モデル、化合物AのEC50、20μMの化合物Aの存在下で培養され、DMSO単独で処理された細胞の割合として表示された細胞の72時間後の最大成長阻害、化合物Aおよび10μMエルロチニブの併用のEC50、および20μMの化合物Aと10μMのエルロチニブの存在下で培養された細胞の72時間後の最大成長阻害により評価され、付加的または相乗的として記載される。
図9:mTOR阻害剤化合物AおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、複数の腫瘍細胞種類に対して相乗効果がある。卵巣癌、頭頸部へん平上皮癌(HNSCC)および乳癌細胞系のパネルに対する、化合物Aおよびエルロチニブの併用の効果。表は、各細胞系の細胞系が生成された腫瘍種類、および上皮または間葉タンパク質指標を示するEMT状態を要約する。該併用は、ブリス加法モデル、化合物AのEC50、20μMの化合物Aの存在下で培養され、DMSO単独で処理された細胞の割合として表示された細胞の72時間後の最大成長阻害、化合物Aおよび10μMエルロチニブの併用のEC50、および20μMの化合物Aと10μMのエルロチニブの存在下で培養された細胞の72時間後の最大成長阻害により評価され、付加的または相乗的として記載される。
図10:EGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブおよびmTOR阻害剤化合物Aの併用は、間葉NSCLC細胞に対して相乗的であり、上皮NSCLC細胞に対して付加的である。エラロニチブの存在下または非存在下における、(A)4つの間葉NSCL細胞系(Hl703、Calu6、SW1573、およびH460)および(B)4つの上皮NSCL細胞系(H322、H441、H358、およびH292)の増殖に対する、化合物Aの濃度変化による影響。点線は、ブリス加法曲線を示し、エラロニチブと化合物Aの併用効果がまさに付加的である場合の理論的予想を示す。示される結果は、3つ以上の独立した実験の代表的なものである。
図11:エルロチニブおよびmTOR阻害剤化合物Aの併用は、膵臓癌細胞に対して付加的または相乗的である。エラロニチブの存在下または非存在下における、3つの膵臓細胞系(BxPC3、Al165、およびMiaPaCa2)の増殖に対する、化合物Aの濃度変化による影響。点線は、ブリス加法曲線を示し、エラロニチブと化合物Aの併用効果がまさに付加的である場合の理論的予想を示す。示される結果は、3つ以上の独立した実験の代表的なものである。
図12:mTOR阻害剤化合物AおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、複数の腫瘍細胞種類に対して相乗効果がある。エラロニチブの存在下または非存在下における、代表的な卵巣(Igrovl、CA−OV−3、およびOvcar−3)およびHNSCC(1483)細胞系の増殖における、化合物Aの濃度変化による影響。点線は、ブリス加法曲線を示し、エラロニチブと化合物Aの併用効果がまさに付加的である場合の理論的予想を示す。示される結果は、3つ以上の独立した実験の代表的なものである。
図13:mTOR阻害剤化合物AおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、膵臓癌およびNSCLC細胞のアポトーシスを増進する。NSCLおよび膵臓細胞系におけるアポトーシスの誘導に対する、エルロチニブと化合物Aの併用による影響。各細胞系に対して、20μMの化合物A(薄灰色線)、10μMのエルロチニブ(暗灰色線)、および20μMの化合物Aと10μMのエルロチニブの併用(黒線)にて処理された細胞に対するDMSO制御(白線)にDMSO制御(白線)に関係するカスパーゼ3/7活性の発光量は、エラーバーは、最小2つの複製の標準偏差を示す。データは、3つの独立した実験の代表的なものである。各細胞系のEMT状態は、上皮(E)または間葉(M)で示される。各細胞系が生成された腫瘍種類が示される。
図14:mTOR阻害剤化合物AおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、卵巣癌細胞のアポトーシスを増進する。卵巣細胞系におけるアポトーシスの誘導に対する、エルロチニブと化合物Aの併用による影響。各細胞系に対する、20μMの化合物A(薄灰色線)、10μMのエルロチニブ(暗灰色線)、および20μMの化合物Aと10μMのエルロチニブの併用(黒線)にて処理された細胞に対するDMSO制御(白線)にDMSO制御(白線)に関係するカスパーゼ3/7活性の発光量が示される。エラーバーは、最小2つの複製の標準偏差を示す。データは、2つの独立した実験の代表的なものである。
図15:mTOR阻害剤化合物Bは、卵巣癌およびHNSCC細胞においてシグナル剤活性を有する。2つの腫瘍種類(卵巣、白色バー、HNSCC、灰色バー)から生成された16個の細胞系の化合物Bによる成長阻害に対する感受性。データは、DMSO単独で処理された細胞と比較した際の、10μMの化合物Bの存在下における72時間後の最大細胞成長を示す。敏感な細胞系と比較的鈍感な細胞系を区別するために、最大細胞成長における50%阻害は、限界基準として使用された。
図16:mTOR阻害剤化合物BおよびEGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用は、複数の腫瘍細胞種類に対して相乗効果がある。エラロニチブの存在下または非存在下における、代表的なHNSCC(MSK922および1186)および卵巣(SKOV−3およびIgrovl)細胞系の増殖における、化合物Bの濃度変化による影響。点線は、ブリス加法曲線を示し、エラロニチブと化合物Bの併用効果がまさに付加的である場合の理論的予想を示す。示される結果は、3つ以上の独立した実験の代表的なものである。
図17:EGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブ、およびmTOR阻害剤化合物Bの併用は、卵巣癌細胞のアポトーシスを増進する。代表的な卵巣およびHNSCC細胞系におけるアポトーシスの誘導に対する、エルロチニブと化合物Aの併用による影響。各細胞系に対する、20μMの化合物A(薄灰色線)、10μMのエルロチニブ(暗灰色線)、および20μMの化合物Aと10μMのエルロチニブの併用(黒線)にて処理された細胞に対するDMSO制御(白線)にDMSO制御(白線)に関係するカスパーゼ3/7活性の発光量が示される。エラーバーは、最小2つの複製の標準偏差を示す。データは、2つの独立した実験の代表的なものである。
(発明の詳細な説明)
動物における「癌」という用語は、無制御増殖、不死滅性、転移可能性、急速な成長および増殖率、および特定の形態機能などの癌を誘発する細胞に特有の特徴を有する、細胞の存在を示す。多くの場合、癌細胞は、腫瘍の形態であるが、そのような細胞は、動物体内に単独で存在する場合、または白血病細胞などのように、独立細胞として血流中を循環している場合がある。
例えば、「腫瘍細胞成長」の文脈内など、本明細書で使用される「細胞成長」は、指示がない限り、一般的に腫瘍学で使用されるように使用され、該用語は、主に細胞数の成長に関連し、それらの少量の成分の成長は、特定の状況下において、個々の細胞の細胞の大きさ、または細胞質体積の増加による場合もあるものの、細胞集団の規模を増大するための、細胞の繁殖(いわゆる、増殖)により、後者の率が、細胞の死亡率(例えば、アポトーシスまたは壊死による)より高い場合に生じる。細胞成長を阻害する薬剤は、従って、増殖を阻害する、または細胞死を刺激するのいずれか一方、あるいは両方を行うことによってそうすることが可能であり、それら2つの対立するプロセス間の平衡は変化される。
本明細書で使用される「腫瘍成長」または「腫瘍転移成長」は、指示がない限り、一般的に腫瘍学で使用されるように使用され、該用語は、主に、腫瘍または腫瘍転移の質量または体積の増加と関連し、主として、腫瘍細胞成長の結果である。
本明細書で使用される「異常な細胞成長」は、指示がない限り、通常の調節機構(例えば、接触阻害の喪失)から独立した細胞成長を示す。これは、(1)突然変異型のチロシンキナーゼの発現または受容体チロシンキナーゼの過剰発現により増殖する腫瘍細胞(腫瘍)、(2)異常チロシンキナーゼ活性が発現するその他の増殖性疾患の良性および悪性細胞、(4)受容体チロシンキナーゼにより増殖するいずれの腫瘍、(5)異常セリン/トレオニン活性により増殖するいずれの腫瘍、および(6)異常セリン/トレオニンキナーゼ活性が発現するその他の増殖性疾患の良性ならびに悪性細胞の異常成長を含む。
本明細書で使用される「治療する」は、指示がない限り、患者の腫瘍、腫瘍転移、またはその他の癌を誘発する、あるいは腫瘍細胞の成長を部分的に、または完全に逆転、軽減、進行の阻害、または予防することを意味する。本明細書で使用される用語「治療」は、指示がない限り、治療行為を意味する。
語句「治療法」またはそれに相当する語句は、例えば、癌に適用される際、動物体内の多数の癌細胞減少または排除すること、または癌の症状を緩和することを目的とする手順または一連の行為を示す。癌または別の増殖性疾患の「治療法」は、必ずしも癌細胞またはその他の疾患が、事実上排除されること、多数の細胞または疾患が、事実上減少すること、または癌あるいはそのほかの疾患の症状が、事実上緩和されることを必ずしも意味する必要はない。多くの場合、癌治療法は、成功の可能性は低いが、動物の病歴および生存の見込みを考慮し、それでも全般的に有益な一連の行為と見なされた場合、実行される。
表現「EGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤」が、該薬剤の性質に関する、さらなる制限なく本明細書で使用される場合、mTOR阻害剤を示す。
語句「mTORC1およびmTORC2キナーゼに結合し、直接阻害するmTOR阻害剤」は、本明細書で使用される際、mTORC1およびmTORC2複合体のキナーゼ活性と相互作用し、減少するmTOR阻害剤を示す。
用語「治療効果のある薬剤」は、研究者、獣医、医師、またはその他の臨床家組織により模索されている組織、体系、動物、またはヒトの生物学的または医療的反応を誘発する組成物を意味する。
用語「効果のある治療量」または「有効量」は、研究者、獣医、医師、またはその他の臨床家組織により模索されている組織、体系、動物、またはヒトの生物学的または医療的反応を誘発する対象化合物または併用の量を意味する。生物学的または医療的反応を誘発する組成物を意味する。
用語「薬剤を製造するための方法」または「薬剤を製造への使用」は、本明細書で指定される兆候に対して使用するための薬剤の製造、および特に腫瘍、腫瘍転移、または一般的な癌に関する。該用語は、指定された兆候における、いわゆる「スイス型」クレーム形式に関する。
本発明は、腫瘍細胞で上皮間葉転換(「EMT」、Thiery,J.P.(2002)Nat.Rev.Cancer2:442−454;Savagner,P.(2001)Bioessays23:912−923、Kang Y.and Massague,J.(2004)Cell 118:277−279、Julien−Grille,S.,et al. Cancer Research 63:2172−2178、Bates,R.C.et al.(2003)Current Biology13:1721−1727、Lu Z.,et al.(2003)Cancer Cell.4(6):499−515)が行われているかどうかに基づき、どの腫瘍がもっとも効率的にEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に反応するかを決定するための方法を提供する研究(Thompson,S.et al.(2005)Cancer Res.65(20):9455−9462)から得られる。この研究は、上皮細胞は、EGFRキナーゼ阻害剤によく反応するが、EMT後、細胞は、そのような阻害剤に対して、非常に鈍感になることを呈した。細胞特性のそのような知識は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する感受性に関係し、EMTまたは逆転プロセス、間葉上皮転換(MET)を調節する生化学的プロセスは、腫瘍細胞をEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して腫瘍細胞を感作する本明細書に記載されるmTOR阻害剤のような薬剤を設計することを可能にし、比較的鈍感な細胞を敏感に、または敏感な細胞が向上した感受性を有することができるようにする。バイオマーカーは、腫瘍細胞がEMT(Thomson,S.et al.(2005)Cancer Res.65(20):9455−9462)を行っているかどうかを決定するために使用することができる。
本明細書の以下の実施例に記載のデータは、mTOR阻害剤は、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対してNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍細胞を感作できる薬剤であることを呈する。従って、EGFRキナーゼ阻害剤およびそのような薬剤の併用による抗癌作用は、いずれかの阻害剤に自身による抗癌効果より優れており、mTOR阻害剤とEGFRキナーゼ阻害剤の同時投与は、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌などの進行癌を有する患者の治療に対して有効になりえる。mTOR阻害剤の効果を感作することは、EMTを生じている、またはEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的鈍感な腫瘍細胞内において非常に頻繁に見られる。そのような細胞において、相乗効果は、腫瘍細胞成長を阻害するために、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤が併用して使用される際に、頻繁に認められる。
従って、本発明は、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法を提供する。また本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。また本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法であり、該薬剤は、mTOR阻害剤である、方法も提供する。上記方法の1つの一実施形態において、いかなる形態のEMTも行っていない上皮細胞(例えば、H292、H358、またはBxPC3腫瘍細胞)などのNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の細胞は、高い感受性を有する、または単剤としてのエルロチニブ(いわゆる、EGFRキナーゼ阻害剤の高価に対して腫瘍細胞を感作するいずれの薬剤も有さない)などのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して非常に敏感である。上記方法の1つの別の実施形態において、EMTを行い、間葉特性を得た上皮細胞(例えば、H460またはCalu6腫瘍細胞)などのNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の細胞は、低い感受性を有する、または単剤としてのエルロチニブ(いわゆる、EGFRキナーゼ阻害剤の高価に対して腫瘍細胞を感作するいずれの薬剤も有さない)などのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して比較的鈍感あるいは不応性である。
上記方法のさらに別の実施形態において、治療を受ける患者は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する腫瘍細胞の感受性を決定するために、診断分析を使用する治療の前に、試験される。EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の腫瘍細胞の感受性を決定できる当業者に公知であるいずれかの方法は、用いることができる。 例えば、患者のEGFRキナーゼ阻害剤に対する考えられる感受性を決定するための方法は、例えば、1つ異常の腫瘍細胞上皮および/または間葉バイオマーカー発現レベルを決定することにより、腫瘍細胞が上皮間葉転換(EMT)が行われているかを評価し、患者の腫瘍細胞がEMT(例えば、両方ともその全体を参照として本明細書に取り込まれている、Thompson,S.et al.(2005)Cancer Res.65(20):9455−9462および米国公開特許出願番号第US−2006−0211060−A1を参照)を行っている場合、患者は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して有効な反応を呈する可能性が低い、または呈さない可能性が高い患者であることを特定することを備えうる。例えば、1つ以上の腫瘍細胞上皮バイオマーカーE−カドヘリン、Brk、γ−カテニン、αl−カテニン、α2−カテニン、α3−カテニン、ケラチン8、ケラチン18、コネキシン31、プラコフィリン3、ストラチフィン1、ラミニンアルファ−5、またはST1.4の発現レベルが評価可能であり、高レベルは、該腫瘍細胞は、EMTを行っていないであろうということを示す。同様に、1つ以上の腫瘍細胞の間葉バイオマーカーであるビメンチン、フィブロネクチン1、フィブリリン−1、フィブリリン−2、コラーゲンアルファ2(VI)、コラーゲンアルファ2(V)、LOXL1、ニドジェン、Cllorf9、N−カドヘリン、チューブリンアルファ−3、またはエピモルフィンが評価可能であり、高レベルは、腫瘍細胞がおそらくEMTを行っていることを示す。患者のEGFRキナーゼ阻害剤に対する腫瘍細胞の感受性を評価するために利用可能であるその他の方法は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する感受性を向上するとして公知の突然変異型のEGFRが存在するかを決定すること、または腫瘍細胞の生検によりEGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の腫瘍細胞の感受性を直接決定することを含む。
上記の実施形態において、患者は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する腫瘍細胞の感受性を決定するための診断分析を用いる治療の前に試験され、一実施形態において、該患者の腫瘍細胞が、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して低い感受性を有すると予測され、従って、本明細書に記載される結果に基づき、mTOR阻害剤の存在下において強化された感受性を示す可能性の高い患者であると特定された場合、患者は、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用が、同時または連続投与される。別の実施形態において、該患者の腫瘍は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して高い感受性を有すが、また、本明細書に記載される結果に基づき、mTOR阻害剤の存在下において強化された感受性を示すことが予測される患者であると特定された場合、患者は、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用が、同時または連続投与される。これらの方法における、EGFRキナーゼ阻害剤の望ましい実施形態は、薬理学的に許容できる塩またはその多形体を含むエルロチニブであろう。これらの方法において、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用に対する患者の考えられる感受性の予測を与えた施行医師により、患者個人に関連するいずれの付加状況との組み合わせにより、適切だと判断された1つ以上のさらなる抗癌剤または治療は、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤と共に、同時または連続で併用して施すことが可能である。
従って、本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法を提供する。
また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、該患者の腫瘍または腫瘍転移細胞は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的鈍感であり、従って、mTOR阻害剤の存在下において、強化された反応を示す可能性が高い患者であることの特定、および患者に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤ならびにmTOR阻害剤を同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、および該患者の腫瘍または腫瘍転移細胞は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的敏感であり、従って、mTOR阻害剤の存在下において、強化された反応を示す可能性がある患者であることの特定、および患者に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤ならびにmTOR阻害剤を同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、腫瘍細胞が上皮間葉転換を行っているかどうかを評価し、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、および効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤ならびにmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、腫瘍細部が上皮間葉転換を行っているかどうかを評価し、患者の腫または腫瘍転移細胞は、上皮間葉転換を行っており、および、従って、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的鈍感であることが予想され、従って、mTOR阻害剤の存在下において強化された反応を示す可能性が高い患者であることを特定することによって、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、および患者に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤ならびにmTOR阻害剤を同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、腫瘍細部が上皮間葉転換を行っているかどうかを評価し、患者の腫または腫瘍転移細胞は、上皮間葉転換を行っておらず、および、従って、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的敏感であることが予想され、従って、mTOR阻害剤の存在下において強化された反応を示す可能性がある患者であることを特定することによって、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、および患者に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤ならびにmTOR阻害剤を同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
上記方法のさらに別の実施形態において、治療を受ける患者は、単剤としてのEGFRキナーゼを用いる治療に対して不応性である。従って、例えば、一実施形態において、本発明は、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して不応性である患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して不応性である患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法を提供する。単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して、なぜ患者が不応性であるかの理由は、たくさんあり、その1つは、患者の腫瘍細胞は、試験されたEGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対して比較的鈍感であるということは、医術に精通する者に、高く評価されるであろう。患者は、ある種類のEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して不応性だが、別の種類のEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して敏感である可能性がある。
また本発明は、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者における肺、膵臓、結腸、または乳癌細胞の異常細胞成長の治療の為の、方法も提供する。
EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性の診断に従って、効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用を、患者に投与する的確な方法は、担当医の判断で行われるということは、医術に精通する者に、高く評価されるであろう。投薬量、その他の抗癌剤との併用、タイミング、および投与頻度などを含む投与形態は、該患者の病状および病歴はもちろん、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性の診断により影響を受ける場合がある。従って、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的敏感だと予測される腫瘍を有すると診断された患者であっても、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用、特にその他の抗癌剤との併用、またはEGFRキナーゼ阻害剤に対する腫瘍の感受性を変える可能性のある、その他の薬剤との併用を用いる治療が有効である場合がある。
本発明の方法の一実施形態においては、mTOR阻害剤はEGFRキナーゼ阻害剤と同時に投与される。本発明の方法の別の実施形態においては、mTOR阻害剤はEGFRキナーゼ阻害剤の前に投与される。本発明の方法の別の実施形態においては、mTOR阻害剤はEGFRキナーゼ阻害剤の後に投与される。本発明の方法の別の実施形態においては、mTOR阻害剤は、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用の前に投与される。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上のその他の細胞障害性、化学療法薬、または抗癌剤、もしくはそのような薬剤の効果を向上する化合物の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法を提供する。
本発明の文脈において、その他の細胞障害性、化学療法薬、または抗癌剤、あるいはそれらの薬剤の効果を向上する化合物は、例えば、アルキル化する薬剤、またはシクロホスファミド(CTX、例えば、CYTOXAN(登録商標))、クロラムブシル(CHL、例えば、LEUKERAN(登録商標))、シスプラチン(CisP、例えば、PLATINOL(登録商標))、ブルスファン(例えば、MYLERAN(登録商標))、メルファラン、カルムスチン(BCNU)、ストレプトゾトシン、トリエチレンメラミン(TEM)、マイトマイシンCなど、メトトレキサート(MTX)、エトポシド(VP16、例えば、VEPESID(登録商標))、6−メルカプトプリン(6MP)、シタラビン(Ara−C)、5−フルオロウラシル(5−FU)、カペシタビン(例えば、XELODA(登録商標))、ダカルバジン(DTIC)などの代謝拮抗薬、アクチノマイシンD、ドキソルビシン(例えば、ADRIAMYCIN(登録商標)などのDXR)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンなどの抗生物質、およびパクリタキセル(例えば、TAXOL(登録商標))ならびにパクリタキセルの派生物などのその他の抗癌剤、細胞増殖抑制剤、デキサメタゾン(DEX、例えば、DECADRON(登録商標))などのグルココルチコイド、プレドニゾンなどのコルチコステロイド、ヒドロキシウレアなどのヌクレオシド酵素阻害剤、アスパラギナーゼなどのアミノ酸枯渇酵素、ロイコボリンおよびその他の葉酸誘導体、および同様の様々な抗癌剤を含む。以下の薬品、アミフォスティン(例えば、ETHYOL(登録商標))、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾトシン、シクロホスファミド、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシンリポ(例えば、DOXIL(登録商標))、ゲムシタビン(例えば、GEMZAR(登録商標))、ダウノルビシンリポ(例えば、DAUNOXOME(登録商標))、プロカルバジン、マイトマイシン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE(登録商標))、アルデスロイキン、カルボプラチン、オキサリプラチン、クラドリビン、カンプトセシン、CPT11(イリノテカン)、10−ヒルドキシ7−エチル−カンプトセシン(SN38)、フロクスウリジン、フルダラビン、イホスファミド、イダルビシン、メスナ、インターフェロンベータ、インターフェロンアルファ、ミトキサントロン、トポテカン、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシルも、さらなる薬剤として使用される可能性がある。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上の抗ホルモン剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。本明細書に記載される用語「抗ホルモン剤」は、天然、または合成有機、あるいは腫瘍におけるホルモン活性を調節もしくは阻害する役割をするペプチド化合物を含む。
抗ホルモン剤は、例えば、ステロイド受容体拮抗薬、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、その他のアロマターゼ阻害剤、42−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(例えば、FARESTON(登録商標))などの抗エストロゲン薬、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン薬、ならびに上記いずれかの薬学的に許容される塩、酸、または派生物、あるいは拮抗薬、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)ならびにLHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)などの糖タンパク質ホルモン作用薬および/または拮抗薬、LHRH作用薬であり、ZOLADEX(登録商標)として販売されている酢酸ゴセレリン、LHRH拮抗薬であるD−アラニンアミドN−アセチル−3−(2−ナフタレニル)−D−アラニル−4−クロロ−D−フェニルアラニル−3−(3−ピリジニル)−D−アラニル−L−セリル−N6−(3−ビルジニルカルボニル)−D−リシル−L−ロイシル−N6−(l−メチルエチル)−L−リシル−L−プロリン(例えば、Ares−Serono社製ANTIDE(登録商標))、LHRH拮抗薬であるガニレリクス酢酸塩、ステロイド抗アンドロゲン酢酸シプロテロン(CPA)、およびMEGACE(登録商標)(Bristol−Myers Oncology社製)として販売されている酢酸メゲストロール、EULEXIN(登録商標)(Schering Corp.社製)として販売されている非ステロイド抗アンドロゲンフルタミド(2−メチル−N−[4,20−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)]プロパンアミド)、非ステロイド抗アンドロゲンニルタミド(5,5−ジメチル−3−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル−4’−ニトロフェニル)]−4,4−ジメチル−イミダゾリジン−ジオン)、およびRAR、RXR、TR、VDRなどに対する拮抗薬などのその他の非許容性拮抗薬を含む。
本明細書の上記化学療法レジメンに記載の細胞障害性およびその他の抗癌剤の使用は、一般的に、癌治療技術において、はっきりと特徴付けられ、いくつかの調整を含む本明細書におけるそれらの使用は、耐性および効果の監視、ならびに投与経路および投薬量の制御するための同一の注意事項に分類される。例えば、細胞障害性薬の実際の投薬量は、器官培養法を用いて決定される患者の培養細胞反応により変わる可能性がある。一般的に、投薬量は、さらなる他の薬剤がない場合に使用される量と比較し、少なくなる。
有効な細胞障害性薬の標準的な投与量は、製造会社により推奨される範囲、および生体外反応または動物モデルにおける反応により示される範囲内となり、約10分の1の濃度または量まで低減することが可能である。従って、実際の投薬量は、医師の判断、患者の病状、および事前に培養された悪性細胞または器官培養された組織サンプル、あるいは適切な動物モデルにおいて認められる反応に基づく生体外反応治療法の効果に依存する。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上の血管形成阻害剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
抗血管形成剤は、例えば、SU−5416およびSU−6668(Sugen Inc.of South San Francisco,Calif.,USA)などのVEGFR阻害剤、または本明細書に記載の、例えば国際特許出願番号第WO99/24440号、第WO99/62890号、第WO95/21613号、第WO99/61422号、第WO98/50356号、第WO99/10349号、第WO97/32856号、第WO97/22596号、第WO98/54093号、第WO98/02438号、第WO99/16755号、および第WO98/02437号、ならびに米国特許番号第5,883,113号、第5,886,020号、第5,792,783号、第5,834,504号、および第6,235,764号、IM862(Cytran Inc.of Kirkland,Wash.,USA)などのVEGF阻害剤、血管新生阻害剤、リボザイムからの合成リボザイム(Boulder,Colo.)、およびChiron(Emeryville,Calif.)、ならびにベバシズマブ(例えば、AVASTINTM,Genentech,South San Francisco,CA)などのVEGFに対する抗体、VEGFに対する組み換えヒト化抗体、αvβ3、αvβs、およびαvβ6インテグリン、ならびにその特殊型に対する、例えば、cilengitide(EMD121974)などのインテグリン受容体拮抗薬およびインテグリン拮抗薬、または、例えば、αvβ3特定特定ヒト化抗体(例えば、VITAXIN(登録商標))などの抗インテグリン抗体、IFN−アルファ(米国特許番号第41530,901号、4,503,035号、および5,231,176号)などの要素、血管新生阻害剤およびフラスミノゲン断片(例えば、クリングル1−4、クリングル5、クリングル1−3(O’Reilly,M.S.et al.(1994)Cell 79:315−328;Cao et al.(1996)J.Biol.Chem.271:29461−29467;Cao et al.(1997)J.Biol.Chem.272:22924−22928)、エンドスタチン(O’Reilly,M.S.et al.(1997)Cell88:277;and International Patent Publication No.国際特許公開番号第WO97/15666)、トロンボスポンジン(TSP−1;Frazier,(1991)Curr.Opin.Cell Biol.3:792)、血小板因子4(PF4)、プラスミノゲン活性化因子/ウロキナーゼ阻害剤、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、へパリナーゼ、TNP−4701などのフマギリン類似物、スラミンおよびスラミン類似物、新脈管形成抑制ステロイド、bFGF拮抗薬、flk−1およびflt−1拮抗薬、MMP−2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤などの抗血管形成剤およびMMP−9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)阻害剤を含む。マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の有益な例は、国際特許公開番号第WO96/33172号、第WO96/27583号、第WO98/07697号、第WO98/03516号、第WO98/34918号、第WO98/34915号、第WO98/33768号、第WO98/30566号、第WO90/05719号、第WO99/52910号、第WO99/52889号、第WO99/29667号、および第WO99/07675号、欧州特許公開番号第818,442号、第780,386号、第1,004,578号、第606,046号、および第931,788号、英国特許公開番号第9912961号、および米国特許番号第5,863,949号および第5,861,510号に記載されている。望ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−Iを阻害する活性をわずかに有する、または有さない。より望ましくは、MMP−2および/またはその他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(いわゆるMMP−1、MMP−2、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)に関係するMMP−9を選択的に阻害する。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上のアポトーシス促進剤またはアポトーシス刺激剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上のシグナル伝達阻害剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
シグナル伝達阻害剤は、例えば、有機分子などのerbB2受容体阻害剤、または、例えば、トラスツズマブ(例えば、HERCEPTIN(登録商標))などのerbB2と結合する抗体、例えば、イマチニブ(例えば、GLEEVEC(登録商標))などのその他のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、ras阻害剤、raf阻害剤、MEK阻害剤、mTOR阻害剤、サイクリン依存キナーゼ阻害剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、およびPDK−I阻害剤(それらの阻害剤のいくつかの例、および癌治療のための臨床試験におけるそれらの使用の詳細に関しては、Dancey,J.and Sausville,E.A.(2003)Nature Rev.Drug Discovery2:92−313を参照)を含む。
ErbB2受容体阻害剤は、例えば、GW−282974(Glaxo Wellcome pic)などのErbB2阻害剤、AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.of The Woodlands,Tex.,USA)および2B−1(Chiron)などの単クローン抗体、および国際特許公開番号第WO98/02434号、第WO99/35146号、第WO99/35132号、第WO98/02437号、第WO97/13760号、および第WO95/19970号、ならびに米国特許番号第5,587,458号、第5,877,305号、第6,465,449号、および第6,541,481号に記載されているようなErbB2阻害剤を含む。
本発明は、従って、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、抗HER2抗体またはその免疫療法的に活性な断片との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上の抗増殖剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
追加抗増殖剤は、例えば、酵素ファルネシルタンパク質トランスファーゼ阻害剤、および米国特許番号第6,080,769号、第6,194,438号、第6,258,824号、第6,586,447号、第6,071,935号、第6,495,564号、第6,150,377号、第6,596,735号、および第6,479,513号、ならびに国際特許公開第WO01/40217号に開示および請求されている化合物を含む受容体チロシンキナーゼPDGFR阻害剤を含む。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、COXII(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。有益なCOX−II阻害剤の例は、アレコキシブ(例えば、CELEBREXTM)、バルデコキシブ、およびロフェコキシブを含む。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、放射線または放射性医薬品を用いる治療との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
放射線の発信源は、治療を受けている患者の外部または内部になりえる。発信源が患者の外部の場合の治療は、外照射療法(EBRT)として公知である。放射線の発信源が患者の内部の場合の治療は、近接照射療法(BT)と呼ばれる。本発明の文脈に使用するための放射性原子は、ラジウム、セシウム−137、イリジウム−192、アメリシウム−241、金−198、コバルト−57、銅−67、テクネチウム−99、ヨウ素−123、ヨウ素−131、およびインジウム−111を含むが、それらに限定されない基から選択可能である。本発明のEGFRキナーゼ阻害剤が抗体の場合、抗体をそのような放射性同位体で標識をつけることも可能である。
放射線治療は、切除不能または手術不可能な腫瘍および/または腫瘍転移を制御するために、標準的に用いる治療である。放射線治療が化学療法と併用される際、結果の向上が見られる。放射線治療は、高線量の放射線が標的領域に送達される場合、腫瘍および通常組織内の両方の生殖細胞の死を招くという原理に基づく。線量レジメンは、一般的に、放射線吸収線量(Gy)、時間および分割により定義され、さらに癌専門医により慎重に定義されなければいけない。患者が受ける放射線の量は、様々な考慮に依存するが、最も重要な2つは、体のその他の重要な構造または器官に関する腫瘍の位置、および腫瘍が広がっている範囲である。放射線治療を行っている患者に対する一般的な一連の治療は、1から6週間に渡り、1日当たり約1.8から2.0Gyで週5日間の合計10から80Gyの放射線が患者に投与される治療計画となる。本発明の望ましい実施形態において、ヒト患者における腫瘍が、本発明および放射線の併用治療により治療される際、相乗効果が生じる。つまり、本発明の併用を含む薬剤による腫瘍成長の阻害は、放射線、任意にさらなる化学療法または抗癌剤と併用される際、向上する。補助放射線療法のパラメータは、例えば、国際特許公開番号第WO99/60023号に含まれている。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤、および、さらに、1つ以上の抗腫瘍免疫反応を向上することができる薬剤を用いる治療との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法を、さらに提供する。
抗腫瘍免疫反応を向上することができる薬剤は、例えば、CTLA4(細胞傷害性リンパ球抗原4)抗体(例えば、MDX−CTLA4)、およびCTLA4を遮断することができるその他の薬剤を含む。本発明に使用される具体的なCTLA4抗体は、米国特許番号第6,682,736号に記載のものを含む。
本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、および追加または超加成性、あるいは相乗的な抗癌効果を生成するために効果的な量であり、腫瘍の成長を阻害するために効果的な量のEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤(いわゆる、mTOR阻害剤)との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移のEGFRキナーゼ阻害剤またはmTOR阻害剤を用いる、治療による副作用を減少するための方法を、さらに提供する。
本発明は、(i)有効第1量のEGFRキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、および(ii)有効第2量のEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌の治療のための方法を、さらに提供する。
また本発明は、(i)治療量以下の第1量のEGFRキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、および(ii)治療量以下の第2量のEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌の治療のための方法も、さらに提供する。
また本発明は、(i)有効第1量のEGFRキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、および(ii)治療量以下の第2量のEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌の治療のための方法も、さらに提供する。
また本発明は、(i)治療量以下の第1量のEGFRキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、および(ii)有効第2量のEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌の治療のための方法も、さらに提供する。
先行方法において、第1および第2量の投与順序は、同時または連続が可能、すなわち、EGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤は、EGFRキナーゼ阻害剤の前に、EGFR阻害剤の後に、あるいはEGFRキナーゼ阻害剤と同時に投与することが可能である。これらの各方法の他の実施形態において、NSCL、膵臓、結腸、または乳癌は、単剤としてのエルロチニブなどのEGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対して、低い感受性を有する、または比較的鈍感あるいは不応性である。
本発明の文脈において、薬剤または治療の「有効量」は上記に定義される通りである。薬剤または治療の「治療量以下の量」は、薬剤または治療の有効量より少ない量であるが、有効または治療量以下の量のその他の薬剤または治療と併用される際、例えば、結果として生じる有効な効果における相乗効果、または副作用の減少により、医師の望む結果を生み出すことが可能な量である。
さらに、本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤、および薬学的に許容される担体中で、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の併用を含む、医薬組成物を提供する。
本明細書で使用される「患者」という用語は、望ましくは、いずれの目的に対してEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療を必要とするヒトを、さらに望ましくは、癌または前癌症状あるいは病変を治療するために、そのような治療を必要とするヒトを示す。また一方、用語「患者」は、EGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療を必要とするヒトではない動物、望ましくは、特に、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、羊、およびヒトではない霊長類も示す。
望ましい一実施形態において、患者は、癌、または前癌症状あるいは病変のための治療を必要とするヒトであり、癌は、望ましくはNSCL、乳、結腸、または膵臓癌である。さらに、本明細書の方法で治療されるその他の癌は、EGFRキナーゼ阻害剤の投与により治療可能である、以下の癌の例、肺癌、細気管支肺胞癌、骨肉腫、皮膚癌、頭部または頚部癌、皮膚または眼球メラノーマ、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門癌、腹部癌、胃癌、子宮癌、卵管癌、大腸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、膀胱癌、尿管癌、腎盂癌、中皮腫、肝細胞癌、胆嚢癌、慢性または急性白血病、リンパ球性リンパ腫、中枢神経系腫瘍(CNS)、脊髄軸癌、脳幹膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、神経鞘腫、上衣腫、不応性型のいずれの上記の癌、または1つ以上の上記癌の組み合わせを含む。前癌症状または病変は、例えば、口腔白板症、光線性角化症(日光性角化症)、結腸または直腸の前癌状態のポリープ、胃上皮異形成症、腺腫性異形成症、遺伝性非腺腫性大腸癌症候群(HNPCC)、バレット食道、膀胱異形成症、および子宮頚部の前癌症状を含む。さらに、本明細書の方法により治療される可能性のあるその他の癌は、EGFRキナーゼ阻害剤エルロチニブの投与により治療可能な腎臓または腎細胞癌を含む。
本明細書で使用される「不応性」という用語は、治療(例えば、化学療法の薬剤、生物剤、および/または放射線治療)は、効果がないと証明されている癌を定義するために使用される。不応性の癌腫瘍は、縮小する場合はあるが、該治療が効果的であると確定される程ではない。しかし一般的には、腫瘍は、治療前と同じ大きさで存在する(安定した疾患)か、または成長する(進行性疾患)。
本発明の目的のために、EGFRキナーゼ阻害剤、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して腫瘍細胞を感作する薬剤「の同時投与」および「を同時投与する」(両方の成分は、以下、「2つの活性剤」という)は、独立または一緒のいずれかの2つの活性剤のいずれかの投与を示し、該2つの活性剤は、併用治療の利益を得るための適切な用法の一部として投与される。従って、該2つの活性剤は、同一医薬組成物の一部としてか、または独立した医薬組成物として、投与することが可能である。EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、EGFRキナーゼ阻害剤の投与に先立って、同時に、または連続して、あるいはいくつかのその併用で投与することが可能である。EGFRキナーゼ阻害剤が、例えば、標準的な一連の治療中などに、患者に繰り返し投与される際、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、EGFRキナーゼ阻害剤の各投与の前に、同時に、または続けて、あるいはそのいくつかの組み合わせにて、もしくはEGFRキナーゼ阻害剤治療とは異なる間隔にて、ないしはEGFRキナーゼ阻害剤を用いる一連の治療の前、いずれの時点、または後に単回投与として投与することが可能である。
EGFRキナーゼ阻害剤は、一般的に、当業者に公知であり、例えば、国際特許公開番号第WO01/34574に記載されるように、患者が治療を受けている癌にとって最も有効な癌治療(有効性および安全性の両方の観点から)を提供するための用法にて患者に投与される。本発明の治療法の実施において、EGFRキナーゼ阻害剤は、治療する癌の種類、使用されるEGFRキナーゼ抗癌剤の種類(例えば、小分子、抗体、RNAi、リボザイム、またはアンチセンスコンストラクト)、および例えば、公開された臨床研究結果などに基づく処方医師の医療判断により、経口、局所、静脈注射、腹膜内部、筋肉、関節内注射、皮下、経鼻、眼球内部、膣筋、直腸、皮内経路などの当業者に公知のいずれの有効な方法にて投与可能である。
EGFRキナーゼ阻害剤の投与量、およびEGFRキナーゼ阻害剤の投与タイミングは、タイプ(生物種、性別、年齢、体重など)および治療を受けている該患者の病状、治療を受けている疾患または症状の重症度、および投与経路による。例えば、小分子EGFRキナーゼ阻害剤は、患者に対して、1日当たりまたは週当たり、体重の0.001から100mg/kgを単回または分割、あるいは持続注入にて投与することが可能である(例に関しては、国際特許公開番号第WO01/34574を参照)。特に、エルロチニブHC1は、患者に対して、1日当たり5−200mg、または週当たり100−1600mgを単回または分割、あるいは持続注入にて投与可能である。望ましい投与量は、150mg/日である。抗体ベースのEGFRキナーゼ阻害剤、またはアンチセンス、RNAi、あるいはリボザイムコンストラクトは、患者に対して、1日当たりまたは週当たり、体重の0.1から100mg/kgの範囲の投与量を、単回または分割、あるいは持続注入にて投与可能である。場合によっては、上記の範囲の加減を下回る投薬量であっても、十分な場合もあり、一方、その他の場合では、有害な副作用を引き起こすことなく、より大きな投与量が使用される場合もあり、そのような大投薬量は、1日を通した投与のために、最初にいくつかの小投薬量に分割される。
EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、別々にまたは一緒に、同一または異なる経路で、多種多様な異なる投薬形態にて投与可能である。例えば、EGFRキナーゼ阻害剤は、望ましくは、経口または非経口にて投与される。EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、望ましくは、経口または非経口にて投与される。EGFRキナーゼ阻害剤がエルロチニブHC1(TARCEVA(登録商標))の際、経口投与が望ましい。EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の両方は、単回または複数回にて投与することが可能である。一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、最初に前治療として投与され、続いて両方の薬剤(EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤)の併用が、別々に、もしくは1つの剤形に組み合わされて一緒に投与される。
EGFRキナーゼ阻害剤は、様々な薬学的に許容される不活性の担体と共に、錠剤、カプセル、薬用キャンディー、トローチ剤、あめ、粉末、スプレー、クリーム、香油、坐薬、ゼリー状、ジェル、ペースト、水薬、軟膏、エリキシル剤、シロップなどの形態で投与することが可能である。それらの投薬形態による投与は、単回または複数回の投与により実施される。担体は、固形賦形剤または充填剤、無菌水性媒体、および様々な毒性のない有機溶媒などを含む。経口医薬組成物を、適切に甘味付けおよび/または風味付けを行うことが可能である。
EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、様々な薬学的に許容される不活性な担体と一緒に組み合わせ、スプレー、クリーム、香油、坐薬、ゼリー状、ジェル、ペースト、水薬、軟膏などの形態にすることが可能である。それらの投薬形態による投与は、単回または複数回の投与により実施される。担体は、固形賦形剤または充填剤、無菌水性媒体、および様々な毒性のない有機溶媒などを含む。
タンパク性のEGFFキナーゼ阻害剤を含むすべての剤形は、変性および/または阻害剤の生物活性の低下ならび喪失を避けるよう選択されなければならない。
EGFRキナーゼ阻害剤を含む医薬組成物の調合方法は、当業者に公知であり、例えば、国際特許公開番号第WO01/34574に記載されている。mTOR阻害剤を含む医薬組成物の調合方法もまた、当業者に公知である(例えば、国際特許公開番号第WO2004/004644、またはそこに参照されている、ラパマイシンマクロライドに関する特許文献)本発明を教えることを考慮し、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の両方を含む医薬組成物の調合方法は、上記広報およびRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,18th edition(1990)などのその他の公知の参考文献から明らかになる。
EGFRキナーゼ阻害剤の経口投与のために、1つまたは両方の活性剤を含む錠剤は、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、およびアカシアのような造粒結合剤と共に、スターチ(および望ましくは、コーン、ポテト、またはタピオカスターチ)、アルギン酸、および複合ケイ酸塩などの様々な錠剤分解物質に加え、様々な、例えば、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、およびグリシンなどのいずれの賦形剤と組み合わせられる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、および滑石などの平滑剤は、多くの場合、錠剤を作る上で、非常に有用である。類似種類の固体組成物は、ゼラチンカプセルの充填剤として使用される場合もあり、これに関する望ましい材料は、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールを含む。経口投与のために、水性懸濁液および/またはエリキシル剤が要望される際、EGFRキナーゼ阻害剤は、様々な甘味剤または風味剤、着色剤または染料、および、強く要望される場合は、乳化剤および/または懸濁化剤も、希釈剤としての水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびさまざまなそれらのようなものの組み合わせと共に組み合わせることができる。
片方または両方の活性剤の非経口投与のために、活性剤、またはその対応する水溶性塩を含む無菌水溶液はもちろん、ゴマまたはピーナッツ油、あるいは水性プロピレングリコール内の溶液が使用される場合がある。そのような無菌水溶液は、望ましくは、適切に中和され、また、望ましくは、例えば、十分な生理食塩水またはブドウ糖を用いて等張化される。これらの特定の水溶液は、特に静脈注射、筋肉投与、皮下および腹腔内注射目的に適している。油性溶液は、関節内注射、筋肉および皮下注射目的に適している。無菌状態でのこれらすべての溶液の生成は、当技術分野に精通する者に公知の標準医薬技術を用いて容易に達成される。タンパク性のEGFFキナーゼ阻害剤の投与に選択されるいずれの非経口製剤は、変性および/または阻害剤の生物活性の低下ならび喪失を避けるよう選択されなければならない。
さらに、標準的な製薬法に従って、例えば、クリーム、水薬、ゼリー状、ジェル、ペースト、軟膏、香油などの方法により、片方または両方の活性剤を局所的に投与することが可能である。例えば、濃度が約0.1%(w/v)から約5%(w/v)のEGFRキナーゼ阻害剤、またはEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤のいずれかを含む局所剤形が調合される。
動物目的としては、活性剤は、動物に、上記に記載のいずれの形態を使用し、いずれの経路により、個別または一緒に投与することが可能である。望ましい一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、カプセル、丸薬、錠剤、液体薬の形態で、注射または注入により投与される。別の方法としては、EGFRキナーゼ阻害剤は、動物の飼料と共に投与され、この目的のために、濃厚飼料添加剤、または前もって混合したものが、通常の動物の飼料のために用意される。EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤は、望ましくは、液体薬の形態にて、注射または注入により投与される。そのような剤形は、標準獣医業務に従う、従来の方法により調合される。
本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の両方を含む、1つの容器を含むキットを、さらに提供する。本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤を含む第1容器、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤を含む第2容器を含むキットを、さらに提供する。望ましい一実施形態において、キットの容器は、薬学的に許容できる担体をさらに含む場合もある。該キットは、無菌希釈液をさらに含んでいる場合があり、望ましくは、それは別の追加容器に保管されている。該キットは、癌を治療するための方法としての併用治療の使用方法を説明する印刷された取扱説明書を含む添付文書を、さらに含む場合がある。また該キットは、追加抗癌剤、それらの薬剤の効果を強化する薬剤、または治療の有効性または体制を向上するその他の化合物を含む、さらなる容器を備えている場合もある。
本明細書で使用される「EGFRキナーゼ阻害剤」という用語は、現在、当業者に公知の、または将来特定されるいずれのEGFRキナーゼ阻害剤を示し、患者への投与において、天然リガンドのEGFRへの結合に起因するその他のいずれの下流生物活性効果を含む、患者のEGF受容体の活性に関係する生物活性を阻害するいずれの化学物質を含む。そのようなEGFRキナーゼ阻害剤は、EGFR活性を遮断可能ないずれの薬剤、または患者の癌の治療に関係するEGFR活性のいずれの下流生物学的作用を含む。そのような阻害剤は、受容体の細胞内ドメインに直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害することで、役割を果たす。あるいは、そのような阻害剤は、EGF受容体のリガンド結合部位、またはその一部を占領し、通常の生物活性が予防または減少されるよう、受容体を、その天然リガンドに近づけないようにすることで、役割を果たす。あるいは、そのような阻害剤は、EGFRポリペプチドの二量化、またはEGFRポリペプチドとその他のタンパク質との相互作用を調節することで役割を果たす、あるいはEGFRのユビキチン化およびエンドサイトーシスの減少を増進する。EGFRキナーゼ阻害剤は、低分子量阻害剤、抗体または抗体断片、ペプチドまたはRNAアプタマー、アンチセンスコンストラクト、低分子の抑制性RNA(いわゆる、dsRNA、RNAiによるRNA干渉)、およびリボザイムを含むが、それらに限定されない。望ましい一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、特にヒトEGFRと結合する、小有機分子または抗体である。
EGFRキナーゼ阻害剤は、以下の特許公報、国際特許公開番号第WO96/33980号、第WO96/30347号、第WO97/30034号、第WO97/30044号、第WO97/38994号、第WO97/49688号、第WO98/02434号、第WO97/38983号、第WO95/19774号、第WO95/19970号、第WO97/13771号、第WO98/02437号、第WO98/02438号、第WO97/32881号、第WO98/33798号、第WO97/32880号、第WO97/3288号、第WO97/02266号、第WO97/27199号、第WO98/07726号、第WO97/34895号、第WO96/31510号、第WO98/14449号、第WO98/14450号、第WO98/14451号、第WO95/09847号、第WO97/19065号、第WO98/17662号、第WO99/35146号、第WO99/35132号、第WO99/07701号、および第WO92/20642号、欧州特許出願番号第EP520722号、第EP566226号、第EP787772号、第EP837063号、および第EP682027号、米国特許番号第5,747,498号、第5,789,427号、第5,650,415号、および第5,656,643号、独国特許出願番号DE19629652号に記載の例えば、キナゾリンEGFRキナーゼ阻害剤、ピリドピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピリミドピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピロロピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、ピラゾロピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、フェニルアミノピリミジンEGFRキナーゼ阻害剤、オキシインドールEGFRキナーゼ阻害剤、インドロカルバゾールEGFRキナーゼ阻害剤、フタラジンEGFRキナーゼ阻害剤、イソフラボンEGFRキナーゼ阻害剤、quinaloneEGFRキナーゼ阻害剤、およびチロフォスチンEGFRキナーゼ阻害剤など、ならびにEGFRキナーゼ阻害剤のすべての薬学的に許容できる塩および溶媒和物を含む。低分子量EGFRキナーゼ阻害剤のさらなる限定されない例は、Traxler,P.,1998,Exp.Opin.Ther.Patents8(12):1599−1625に記載のいずれのEGFRキナーゼ阻害剤も含む。
本発明に準じて使用可能な低分子量EGFRキナーゼ阻害剤の具体的な望ましい例は、[6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリン−4−yl]−(3−エチニルフェニル)アミン(OSI−774、エルロチニブ、またはTARCEVA(登録商標)(エルロチニブHCl)としても知られている、OSI Pharmaceuticals/Genentech/Roche)(米国特許番号第5,747,498号、国際特許公開番号第WO01/34574号、およびMoyer,J.D.et al.(1997)Cancer Res.57:4838−4848)、CI−1033(以前はPD183805として知られていた、Pfizer)、AG−1478(University of California)、CGP−59326(Novartis)、PKI−166(Novartis)、EKB−569(Wyeth)、GW−2016(GW−572016またはラパチニブジトシレートとしても知られている、GSK)、およびゲフィチニブ(ZD1839またはIRESSATMとしても知られている、Astrazeneca)(Woodburn et al.,1997,Proc.Am.Assoc.Cancer Res.38:633)を含む。本発明に準じて使用可能な特に望ましい低分子量EGFRキナーゼ阻害剤は、[6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリン−4−yl]−(3−エチニルフェニル)アミン(いわゆる、エルロチニブ)、その塩酸塩、(いわゆる、エルロチニブHCl、TARCEA(登録商標))、またはその他の塩形態(例えば、エルロチニブメシラート)である。
またEGFRキナーゼ阻害剤は、例えば、EGFRキナーゼに対する活性を有する多キナーゼ阻害剤、すなわち、EGFRキナーゼおよび1つ以上の追加キナーゼを阻害する阻害剤も含む。そのような化合物の例は、EGFRおよびHER2阻害剤CI−1033(以前は、PD183805として知られていた、Pfizer)、EGFRおよびHER2阻害剤GW−2016(GW−572016またはラパチニブジトシレートとしても知られる、GSK)、EGFRおよびJAK2/3阻害剤AG490(チロフォスチン)、EGFRおよびHER2阻害剤ARRY−334543(Array BioPharma)、BIBW−2992、不可逆的なデュアルEGFR/HER2キナーゼ阻害剤(Boehringer Ingelheim Corp.)、EGFRおよびHER2阻害剤EKB−569(Wyeth)、VEGF−R2およびEGFR阻害剤ZD6474(ZACTIMATMとしても知られる、AstraZeneca Pharmaceuticals)、ならびにEGFRおよびHER2阻害剤BMS−599626(Bristol−Myers Squibb)を含む。
抗体ベースのEGFRキナーゼ阻害剤は、その天然リガンドにより、局所的または完全にEGFR活性を遮断できる、いずれの抗EGFR抗体あるいは抗体断片を含む。抗体ベースのEGFRキナーゼ阻害剤の限定されない例は、これらModjtahedi,H.,et al.,1993,Br.J.Cancer 67:247−253、Teramoto,T.,et al.,1996,Cancer77:639−645、Goldstein et al.,1995,Clin.Cancer Res.1:1311−1318;Huang,S.M.,et al.,1999,Cancer Res.15:59(8):1935−40、およびYang,X.,et al.,1999,Cancer Res.59:1236−1243に記載のものを含む。従って、EGFRキナーゼ阻害剤は、単クローン抗体Mab E7.6.3(Yang,X.D.et al.(1999)Cancer Res.59:1236−43)、またはMab C225(ATCCアクセッション番号HB−8508)、あるいはその特異性との結合を有する抗体もしくは抗体断片になりうる。適合する単クローン抗体EGFRキナーゼ阻害剤は、IMC−C225(セテュキマブまたはERBITUXTMとしても知られる、Imclone Systems)、ABX−EGF(Abgenix)、EMD72000(Merck KgaA,Darmstadt)、RH3(York Medical Bioscience Inc.)、およびMDX−447(Medarex/Merck KgaA)を含むが、それらに限定されない。
さらなる抗体ベースのEGFRキナーゼ阻害剤は、公知の方法に従い、適切な抗原またはエピトープを、とりわけ例えば、ブタ、ウシ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、およびマウスなどの選択された宿主動物に投与することによって、作ることができる。当業者に公知の様々な佐剤は、抗体産生を増進するために使用可能である。
本発明の実施に有益な抗体は、多クローン性でも可能だが、単クローン抗体が望ましい。EGFRに対する単クローン抗体は、培養液中の連続継代細胞系により、抗体分子産生を提供するためのいずれの技術を使用し、調合および分離される。産生および分離のための技術は、最初にKohlerおよびMilsteinにより記載されたハイブリドーマ技術(Nature,1975,256:495−497)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al.,1983,Immunology Today4:72;Cote et al.,1983,Proc.Nati.Acad.Sci.USA80:2026−2030)、およびEBV−ハイブリドーマ技術(Cole et al,1985,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96)を含むが、それらに限定されない。
あるいは、一本鎖の産生のために記載の技術(例えば、米国特許番号第4,946,778参照)は、抗EGFR一本鎖抗体を生成するために適応可能である。また本発明の実施に有益な抗体ベースのEGFRキナーゼ阻害剤は、無傷抗体分子のペプシン消化により生成されるF(ab’).sub.2断片を含むが、それに限定されない抗EGFR抗体断片、およびF(ab’).sub.2断片のジスルフィド架橋を減少することにより生成されるFab断片を含む。あるいは、Fabおよび/またはscFv発現ライブラリーは、EGFRに対する望ましい特異性を有する断片の迅速な特定を可能にするために、構成することができる(例えば、Huse et al.,1989,Science246:1275−1281などを参照)。
単クローン抗体および抗体断片を産生および分離するための技術は、当業者に公知であり、Harlow and Lane,1988,Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、およびJ.W.Goding,1986,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,London内に記載されている。またヒト化抗EGFR抗体および抗体断片は、Vaughn,T.J.et al.,1998,ature Biotech.16:535−539、およびそこに引用されている参考文献に記載の技術などの公知の技術に従い、調合可能であり、またそのような抗体あるいはその断片は、本発明の実施にも有益である。
本発明にて使用するEGFRキナーゼ阻害剤は、ペプチドまたはRNAアプタマーと代用可能である。そのようなアプタマーは、例えば、細胞内のEGFRキナーゼ活性を阻害するためのEGFRの細胞外液または細胞内液ドメインと相互に作用可能である。細胞外液ドメインと相互作用するアプタマーは、標的細胞のプラズマ細胞膜を越えるためのアプタマーにとって必ずしも必要ではないことが望ましい。またアプタマーは、EGFRを活性化する能力は阻害されたEGFRのためのリガンド(例えば、EGF、TGF−α)と相互作用することも可能である。適切なアプタマーを選択するための方法は、当業者に公知である。そのような方法は、EGFR族と相互作用し、EGFRを阻害するペプチドおよびRNAアプタマーの両方を選択する方法は、既に使用されている(例えば、Buerger,C.et al.et al.(2003)J.Biol.Chem.278:37610−37621、Chen,C−H.B.et al.(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.100:9226−9231、Buerger,C.and Groner,B.(2003)J.Cancer Res.Clin.Oncol.129(12):669−675.Epub2003 Sep11を参照)。
本発明にて使用するEGFRキナーゼ阻害剤は、あるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドコンストラクトに基づくことが可能である。アンチセンスRNA分子、およびアンチセンスDNA分子を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチドコンストラクトは、EGFR mRNAに結合し、従って細胞内のEGFR mRNAの翻訳を直接遮断し、従ってタンパク質の翻訳、またはmRNA分解を増進し、従ってEGFRキナーゼタンパク質、ひいては活性のレベルを減少することで、EGFR mRNAの翻訳を直接遮断する役割を果たすだろう。例えば、少なくとも約15個の基、およびEGFRを符号化するmRNA転写配列の独自部位に対する補体のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、従来のリン酸ジエステル技術により合成、および、例えば、静脈注射または注入により投与することが可能である。既知の配列を有する遺伝子の遺伝子発現を具体的に阻害するためのアンチセンス技術を使用するための方法は、当業者に公知である(例えば、米国特許番号第6,566,135号、第6,566,131号、第6,365,354号、第6,410,323号、第6,107,091号、第6,046,321号、および第5,981,732号参照)。
また低分子の抑制性RNA(siRNA)は、本発明で使用するEGFRキナーゼ阻害剤として機能することも可能である。EGFR遺伝子発現は、腫瘍、低分子の二本鎖RNA(dsRNA)を有する対象または細胞、あるいは低分子の二本鎖RNAの産生をもたらすベクターもしくはコンストラクトへの接触によって、減少することが可能であり、そのようなEGFRの発現は、具体的に阻害されている(いわゆる、RNA干渉またはRNAi)。既知の配列を有する遺伝子の適切なdsRNAまたはdsRNA符号化ベクターを選択するための方法は、当業者に公知である(例えば、Tuschi,T.,et al.(1999)Genes Dev.13(24):3191−3197、Elbashir,S.M.et al.(2001)Nature411:494−498、Harmon,G.J.(2002)Nature418:244−251、McManus,M.T.and Sharp,P.A.(2002)Nature Reviews Genetics3:737−747、Bremmelkamp,T.R.et al.(2002)Science296:550−553、米国特許番号第6,573,099号および6,506,559号、ならびに国際特許公開番号第WO01/36646号、第WO99/32619号、および第WO01/68836号参照)。
またリボザイムは、本発明で使用するEGFRキナーゼ阻害剤として機能することも可能である。リボザイムは、RNAの具体的な分裂を触媒することができる、酵素RNA分子である。リボザイム作用の仕組みは、リボザイム分子と、相補標的RNAの配列特定ハイブリッド形成を伴い、続いてエンドヌクレアーゼ的切断が生じる。EGFR mRNA配列のエンドヌクレアーゼ的分裂を具体的および効果的に触媒するにヘアピンまたはハンマーヘッドをモチーフに設計されたリボザイム分子は、従って、本発明の範囲において有益である。いずれの潜在RNA標的内の具体的なリボザイム分裂部位は、最初に、一般的に以下の配列GUA、GUU、およびGUGを有する、標的分子のリボザイム分裂部位を探して走査することによって特定さる。1度特定されると、分裂部位を含有する標的遺伝子の部位と対応する約15から20のリボヌクレオチドの短いRNA配列は、オリゴヌクレオチド配列を不適切にすることが可能な第2構造などの予想される構造的特徴のために、評価することが可能である。候補標的の適正は、例えば、リボヌクレアーゼ保護分析を使用し、相補オリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成に対する到達性を試験することで、評価することができる。
EGFRキナーゼ阻害剤として有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムの両方は、公知の方法にて調合できる。これらは、例えば、固相phosphoramadite化学合成などによる化学合成のための技術を含む。あるいは、アンチセンスRNA分子は、RNA分子を符号化するDNA配列の体内外転写により生成可能である。そのようなDNA配列は、T7またはSP6ポリメラーゼプロモータなどの適切なRNAポリメラーゼプロモーターを組み込む様々なベクターの中に組み込まれる。本発明のオリゴヌクレオチドの様々な変形は、細胞内安定性および半減期の向上の手段として紹介される。可能な変形は、リボヌクレオチドあるいはデオキシリボヌクレオチドの側面配列を分子の5’および/または3’末端へ付加すること、またはオレゴヌクレオチド主鎖内のホスホジエステラーゼ連鎖よりは、ホスホロチオエートあるいは2’−O−メチルを使用することを含むが、それらに限定されない。
本明細書で使用される、「EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤」という表現は、該薬剤の性質に関する、さらなる制限なく使用されている場合、mTOR阻害剤を示す。mTOR阻害剤は、現在、当業者に公知の、または将来特定されるいずれのEGFRキナーゼ阻害剤でもよく、患者への投与において、患者のmTORを阻害するいずれの化学物質を含む。mTOR阻害剤は、ATP結合部位での競合、mTORキナーゼの触媒部位以外の部位での競合、非競合的な阻害、不可逆阻害(例えば、共有タンパク質変形)、またはその他のタンパク質サブユニットあるいはmTORキナーゼ活性を阻害するような形でmTORキナーゼを有する結合タンパク質の相互作用の調節(例えば、mTORと、FKBP12、GβL、(mLST8)、RAPTOR(mKOG1)、またはRICTOR(mAVO3)との相互作用の調節)を含む、いずれの生化学的機序により、mTORを阻害することが可能である。mTOR阻害剤の具体的な例は、ラパマイシン、その他のラパマイシンマクロライド、またはラパマイシン類似物、派生物あるいはプロドラッグ、RAD001(エベロリムスとしても知られるRAD001は、アルキル化ラパマイシン(40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン)であり、米国特許番号第5,665,772号に記載、Novartis)CCI−779(テムシロニムスとしても知られるCCI−779は、パラマイシン(3−ヒドロキシ−2ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオル酸を有する42−エステル)のエステルであり、米国特許番号第5,362,718号に記載、Wyeth)、AP23573またはAP23841(Ariad Pharmaceuticals)、ABT−578(40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン、Abbott Laboratories)、KU−0059475(Kudus Pharmaceuticals)、およびTAFA−93(ラパマイシンプロドラッグ、Isotechnika)を含む。当業者に公知のラパマイシン類似物および派生物の例は、その全体を参照により本明細書に組み込まれる、米国特許番号第6,329,386号、第6,200,985号、第6,117,863号、第6,015,815号、第6,015,809号、第6,004,973号、第5,985,890号、第5,955,457号、第5,922,730号、第5,912,253号、第5,780,462号、第5,665,772号、第5,637,590号、第5,567,709号、第5,563,145号、第5,559,122号、第5,559,120号、第5,559,119号、第5,559,112号、第5,550,133号、第5,541,192号、第5,541,191号、第5,532,355号、第5,530,121号、第5,530,007号、第5,525,610号、第5,521,194号、第5,519,031号、第5,516,780号、第5,508,399号、第5,508,290号、第5,508,286号、第5,508,285号、第5,504,291号、第5,504,204号、第5,491,231号、第5,489,680号、第5,489,595号、第5,488,054号、第5,486,524号、第5,486,523号、第5,486,522号、第5,484,791号、第5,484,790号、第5,480,989号、第5,480,988号、第5,463,048号、第5,446,048号、第5,434,260号、第5,411,967号、第5,391,730号、第5,389,639号、第5,385,910号、第5,385,909号、第5,385,908号、第5,378,836号、第5,378,696号、第5,373,014号、第5,362,718号、第5,358,944号、第5,346,893号、第5,344,833号、第5,302,584号、第5,262,424号、第5,262,423号、第5,260,300号、第5,260,299号、第5,233,036号、第5,221,740号、第5,221,670号、第5,202,332号、第5,194,447号、第5,177,203号、第5,169,851号、第5,164,399号、第5,162,333号、第5,151,413号、第5,138,051号、第5,130,307号、第5,120,842号、第5,120,727号、第5,120,726号、第5,120,725号、第5,118,678号、第5,118,677号、第5,100,883号、第5,023,264号、第5,023,263号、および第5,023,262号に記載の化合物を含む。またラパマイシン派生物は、参照により本明細書に組み込まれる、例えば、WO94/09010、WO95/16691、WO96/41807、またはWO99/15530にも記載されている。そのような類似物および派生物は、32−デオキソラパマイシン、16−ペンチ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペンチニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペンチニルオキシ−32−(SまたはR)−ジヒドロ−40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、32−デオキソラパマイシン、および16−ペンチニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−ラパマイシンを含む。またラパマイシンは生物は、例えば、WO98/02441およびWO01/14387(例えば、AP23573、AP23464、AP23675、またはAP23841)に記載される、いわゆるラパログを含む場合もある。ラパマイシン派生物のさらなる例は、biolimus−7またはbiolimus−9(BIOLIMUS A9TM)(Biosensors International,Singapore)という名前で記載されている。いずれの上記のラパマイシン類似物または派生物は、上記参照内に記載の手順にて容易に調合することができる。
本明細書に記載の本発明に有益なmTOR阻害剤のさらなる例は、2006年11月15日出願付、米国特許出願番号第11/599,663号に開示および主張されている、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害することによってmTORを阻害する、一連の化合物を含む。後者の出願は、その全体を本明細書に取り込まれている。そのような化合物およびそれらの合成物は、下の実験方法セクションに記載される(「薬剤」の下)。そのような2つの化合物は、化合物Aおよび化合物Bであり、本明細書の方法におけるそれらの有用性は、本明細書に含ま含まれ、記載される。これらの2つの化合物は、腫瘍細胞の種類およびEMT状態によるが、EGFRキナーゼ阻害剤と併用して使用される際、腫瘍細胞成長または増殖の阻害における、相乗効果あるいは加法性のいずれかを示す。相乗効果は、大部分の腫瘍細胞の種類において認められる(例えば、本明細書の実験の詳細を参照)。同様な結果は、本明細書で開示される構造を有する、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害することによってmTORを阻害する、いずれの化合物により得られる(実験セクションを参照)。さらなるそのような化合物は、mTORC1およびmTORC2複合体のraptorまたはrictorタンパク質のいずれかに特異的な抗体を用いる免疫沈降キナーゼ分析(そのような分析の一例は、Jacinto,E.et al.(2004)Nature Cell Biol.6(11):1122−1128を参照)を使用し、それらのmTORC1およびmTORC2キナーゼ活性の両方を阻害する能力を決定することによって、容易に特定することができる。
mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害することによってmTORを阻害する化合物は、mTORC1のみを直接阻害するラパマイシン、またはその類似物などの化合物に渡り、数多くの重要な効果を有する。それらは、(a)優れたpAkt阻害、および腫瘍細胞のアポトーシスの同時誘発、(b)より優れた増殖抑制効果を招く、4E−BP1のすべてのリン酸化反応の完全阻害、(c)しいては、より優れたアポトーシス誘発効果につながる、すべての腫瘍細胞内のpAkt(S473)の阻害(ラパマイシンは、〜20%のみの癌細胞系のpAkt(S473)を阻害する)、(d)試験されるいずれの癌細胞の種類のpAkt(S473)も増加せず、従って腫瘍細胞生存時間を向上しない治療(〜65%の細胞系のpAkt(S473)を増加するラパマイシン治療とは違う)、および(e)はるかにひろいはんいの腫瘍細胞における増殖抑制作用(注意:任意の腫瘍の種類の約50%の細胞系は、ラパマイシンに対して鈍感である)を含む。
また本明細書に記載の本発明に有益なmTOR阻害剤は、例えば、Fan,Q−W et al(2006)Cancer Cell9:341−349およびKnight,Z.A.et al.(2006)Cell125:733−747に記載の化合物PI−103などの、デュアルPBK/mTORキナーゼ阻害剤である。
mTORキナーゼを阻害するが、例えば、PI3キナーゼ阻害剤であるウォルトマンニンおよびLY294002(Brunn GJ.et al(1996)Embo J.15:5256−5267)などの通常の非腫瘍細胞に対して比較的毒性であり、従って、治療としての投与に適切ではない非特異性のキナーゼ阻害剤は、本明細書に記載のほんはつめいの方法に使用することは適切ではない。
また本発明は、必要とする患者におけるSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための薬物を製造するために、EGFRキナーゼ阻害剤、およびmTOR阻害剤の併用を使用することを含有し、併用する各阻害剤は、患者に同時または連続投与される。また本発明は、必要とする患者におけるSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための薬物を製造するために、相乗的効果のあるEGFRキナーゼ阻害剤、およびmTOR阻害剤の併用を使用することを含有し、併用する各阻害剤は、患者に同時または連続投与される。また本発明は、必要とする患者におけるSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための薬物を製造するために、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を監査する薬剤の併用を使用することを含有し、該薬剤は、mTOR阻害剤であり、併用する各阻害剤は、患者に同時または連続投与される。上記使用の1つの一実施形態において、いかなる形態のEMTも行っていない上皮細胞(例えば、H292、H358、またはBxPC3腫瘍細胞など)のNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の細胞は、高い感受性を有する、または単剤としてのエルロチニブ(いわゆる、EGFRキナーゼ阻害剤の高価に対して腫瘍細胞を感作するいずれの薬剤も有さない)などのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して非常に敏感である。上記使用の1つの別の実施形態において、EMTを行い、間葉特性を得た上皮細胞(例えば、H460またはCalu6ヘ腫瘍細胞など)のNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の細胞は、低い感受性を有する、または単剤としてのエルロチニブ(いわゆる、EGFRキナーゼ阻害剤の高価に対して腫瘍細胞を感作するいずれの薬剤も有さない)などのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して比較的鈍感あるいは不応性である。上記使用のいずれかの他の実施形態において、また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用と、その他の抗癌剤、またはそれらの薬剤の効果を高める薬剤の併用を、必要とする患者におけるNSCL、膵臓、結腸、または乳癌腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための薬剤の製造への使用を含有し、併用する核阻害剤は、患者に同時または連続投与される。本文脈において、その他の抗癌剤、またはそのような薬剤の効果を高める薬剤は、患者の治療の際に、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤の併用に追加可能な、上記に記載の薬剤のいずれでもよい。
また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤、および中で、EGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤ならびに薬学的に許容できる担体の併用との併用から構成される、医薬組成物を含有する。
望ましくは、該組成物は、薬学的に許容できる担体、および非毒性の効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用から構成される。
さらに、この望ましい実施形態において、本発明は、疾患の治療のための医薬組成物、薬学的に許容できる担体、および非毒性の効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、ならびにEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用を含む、腫瘍細胞、良性または悪性腫瘍、あるいは転移の成長を阻害するものの使用を含有する。
「薬学的に許容できる塩」という用語は、薬学的に許容できる非毒性の塩基または酸から調合される塩を示す。本発明の化合物が酸性の場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む、薬学的に許容できる非毒性の塩基から、適宜に調合される。そのような無機塩基から生成される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(酸化第2銅および酸化第1銅)、第2鉄、第1鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(マンガンの、および亜マンガンの)、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびそれらなどの塩を含む。特に望ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から生成される塩は、第1、第2、および第3アミン、および天然発生ならびに合成置換アミンなどの環状アミンの塩を含む。塩が形成可能なその他の薬学的に許容できる有機非毒性塩基は、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’.N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルヒネ、N−エチルピペリジン、グルカミン、グコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトロメタリンなどのイオン交換樹脂を含む。
本明細書の化合物が塩基性の場合、その対応する塩は、無機および有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の酸から、適宜に調合される。そのような酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特に望ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、および酒石酸である。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる担体、活性成分として、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用、薬学的に許容できる担体、および任意にその他の治療成分または佐剤を含む。その他の治療薬は、上記に記載される、これらの細胞毒性薬、化学療法薬、または抗癌剤、あるいはそのような薬剤の効果を高める薬剤を含んでいる場合がある。組成物は、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉、および静脈を含む)投与に適した組成物を含むが、任意の症例における最も適した経路は、活性成分が投与される特定の宿主、および病状の性質ならびに重症度に依存する。該医薬組成物は、投薬形態単位中に適宜に存在し、製薬学分野に精通する者に公知のいずれの方法により調合される。
実際には本発明の、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併合により代表される該化合物は、活性成分として、従来の薬剤化合技術に従い、薬学的担体と共に、よく混ざった混合物内に組み合わせることができる。該担体は、例えば、経口または非経口(静脈を含む)投与のために要求される製剤形態により、様々な形態を取りうる。従って、本発明の医薬組成物は、それぞれに所定量の活性成分を含むカプセル、薬包、または錠剤などの経口投与に適した個々の単位でありえる。さらに、該組成物は、粉末、顆粒、液剤、水溶液中の懸濁、非水溶液、水中油型乳剤、または油中水乳濁液でありうる。上記に記載の一般的な投与形態に加え、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用は、放出制御手段および/または送達装置により投与される場合もある。該併用組成物は、製薬学のいずれの方法により調合されうる。一般的に、そのような方法は、活性成分を1つ以上の必須要素を構成する担体とを関連させるステップを含む。一般的に、該組成物は、活性成分と液体担体、あるいは細かく分割された固体担体、もしくは両方を均一に密接に混合することによって調合される。生成物は、適宜に、希望する形に加工することができる。
従って、本発明の組成物は、薬学的に許容できる担体、および量EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用から構成される。またEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用は、1つ以上のその他の治療効果のある化合物との併用にも含まれうる。その他の治療効果のある化合物は、上記に記載のこれら細胞傷害薬、化学療法薬、または抗癌剤、あるいはそれらの薬剤の効果を高める薬剤を含む場合がある。
従って、本発明の一実施形態において、医薬組成物は、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の併用と、抗癌剤との併用を含むことが可能であり、該抗癌剤は、アルキル化剤、ホルモン療法、キナーゼ阻害剤、腫瘍細胞アポトーシスの活性剤、および血管新生阻害剤から構成されるグループから選択されるものである。
採用される薬学的担体は、例えば、固体、液体、または気体である。固体担体の例は、乳糖、石膏、スクロース、滑石、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸を含む。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブオイル、および水である。気体の担体の例は、二酸化炭素および窒素を含む。
経口投与形態のための組成物の調合において、いずれの適宜の薬剤媒体が採用可能である。例えば、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが、懸濁液、エリキシル剤、および液剤などの経口液体製剤の形成に使用可能であり、一方、スターチ、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体は、粉末、カプセル、および錠剤などの経口固体製剤の形成に使用可能である。それらの投与の容易性のため、錠剤およびカプセルは、望ましい経口投与単位であり、そのため、固形薬剤担体の薬学的担体が採用される。任意的に、錠剤は、標準的な水性または非水性技術により表面を覆われる。
本発明の組成物を含む錠剤は、任意的に1つ以上の補助成分または佐剤をと共に、圧縮または成型により製剤される。圧縮錠は、適切な機械にて、粉末または顆粒、などの自由流動形態内の活性成分を、任意に結合剤、滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤、または分散剤と混合し、圧縮することによって製剤される。成型錠剤は、適切な機械にて、不活性希釈液で湿らせた粉末化合物の混合物を成型することによって作ることが可能である。各錠剤は、望ましくは、約0.05mgから約5gの活性成分を備え、各薬包またはカプセルは、望ましくは、約0.05mgから約5gの活性成分を含む。
例えば、ヒトへの経口投与を目的とした剤形は、組成物全体の約5から95%まで変動する可能性のある、適切で適宜な料の担体材と調合された、約0.5gから約5gの活性剤を含んでいる場合がある。投与形態単位は、一般的に約1mgから約2gの活性成分を含み、通常は、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mgである。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の液剤または懸濁剤として調合される場合がある。適した界面活性剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどに含まれる。分散剤は、油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物内で調合することが可能である。さらに、防腐剤は、微生物の有害な成長を予防するために含まれうる。
注入用途に適した本発明の医薬組成物は、無菌水溶液または分散剤を含む。さらに、該組成物は、そのような無菌注入液または分散剤の即席調合のために、無菌粉末形態にすることができる。すべての場合において、最終注入物質形態は、必ず無菌であり、容易に注射針を通過するために効率的に流動しなければならない。該医薬組成物は、製造および保管状態において安定でなければならず、従って、望ましくは、細菌および糸状菌などの微生物による汚染作用から保護されるべきである。該担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、植物油、およびその安定した混合物を含む、溶剤または分散媒である。
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、水薬、粉剤など、局所使用に適した形態になりうる。さらに、該組成物は、経皮装置での使用に適した形態になりうる。これらの剤形は、本発明のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用を利用し、従来の処理方法を介して製剤される可能性がある。一例として、クリームまたは軟膏は、望ましい濃度のクリームまたは軟膏を作り出すために、化合物の約5wt%から約10wt%の親水性の物質と水を混ぜることによって調合される。
本発明の医薬組成物は、該担体は固体である、直腸投与に適した形態になりうる。該混合物は、1回分単位の坐薬の形態であることが望ましい。適した担体は、ココアバター、および当分野で一般的に使用されるその他の物質を含む。該坐薬は、最初に該組成物を軟化または溶解した担体と混合し、続いて冷却および型に入れて成型することによって、適宜に形成される。
当該担体成分に加え、上記に記載の医薬剤形は、必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、風味剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、滑剤、防腐剤(酸化防止剤を含む)などの1つ以上の追加担体成分を含む場合がある。さらに、対象とする受容体の血液と等張化するために、その他の佐剤を、含んでもよい。EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤(その各成分の薬学的に許容できる塩を含む)の併用を含む組成物は、粉末または液体凝縮形態にて調合することも可能である。
本発明の併用の化合物の投与レベルは、ほぼ本明細書に記載される通りなるか、またはこれらの化合物に関する技術に記載される通りになる。また一方、いずれの特定の患者に対する具体的な投与レベルは、年齢、体重、基本的な健康状態、性別、食習慣、投与時間、投与経路、排出率、薬剤併用、および治療中の該患者の疾患の重症度を含む、様々な要因に依存することが理解される。
また本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤に対して腫瘍細胞を感作する薬剤との併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者における腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための方法であって、該薬剤は、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害するmTORである、方法も提供する。本方法の一実施形態において、患者は、癌治療を受けているヒトである。本方法の一実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、単剤としてのEGFR阻害剤を用いる治療に対して、比較的鈍感または不応性である。本方法の一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤は、患者に同一の剤形で同時投与される。本方法の別の実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤は、患者に異なる剤形で同時投与される。本方法の別の実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤は、患者に同一の経路で同時投与される。本方法の別の実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤およびmTOR阻害剤は、患者に異なる経路で同時投与される。本方法の別の実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、特異的にEGRFと結合する小有機分子、抗体、または抗体断片である。本方法の別の実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、またはその塩を含む。本方法の別の実施形態において、1つ以上のその他の抗癌剤が、さらに患者に投与される場合がある。本方法の別の実施形態において、患者への投与は、同時である。本方法の別の実施形態において、患者への投与は、連続である。本方法の別の実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して高い感受性を有する。本方法の別の実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤による成長阻害に対して低い感受性を有する。本方法の別の実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、いかなる形態のEMTも行っていない(例えば、上皮細胞)。本方法の別の実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、EMTを行っている(いわゆる、間葉または間葉様細胞)。
また本発明は、ある量のEGFRキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、およびmTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害する、ある量のmTOR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を、必要とする対象に投与することを含む、癌を治療するための方法であって、少なくとも該量の1つは、治療量以下である、方法を提供する。本方法の一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、またはその塩を含む。本方法の別の実施形態において、1つ以上のその他の抗癌剤が、さらに患者に投与される場合がある。本方法の一実施形態において、癌は、単剤としてのEGFR阻害剤を用いる治療に対して、比較的鈍感または不応性である。
また本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびmTORC1およびmTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、患者における腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。本方法の一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブ、またはその塩を含む。本方法の別の実施形態において、1つ以上のその他の抗癌剤が、さらに患者に投与される場合がある。
本方法の一実施形態において、腫瘍あるいは腫瘍転移の細胞は、単剤としてのEGFR阻害剤を用いる治療に対して、比較的鈍感または不応性である。
また本発明は、腫瘍細部が上皮間葉転換を行っているかどうかを評価し、患者の腫または腫瘍転移細胞は、上皮間葉転換を行っており、および、従って、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的鈍感であることが予想され、従って、mTOR阻害剤の存在下において強化された反応を示す可能性が高い患者であることを特定することによって、EGFRキナーゼ阻害剤に対する患者の考えられる感受性を診断するステップ、および患者に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、ならびにmTORC1かつmTORC2の両方と結合し、直接阻害するmTOR阻害剤を同時または連続投与することを含む、患者における腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、相乗的に効果のある治療量のEGFRキナーゼ阻害剤、およびmTORC1およびmTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤の併用を、患者に同時または連続投与することを含む、単剤としてのEGFRキナーゼ阻害剤を用いる治療に対して難知性である患者における腫瘍、あるいは腫瘍転移の治療のための、方法も提供する。
また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤、および薬学的に許容される担体中で、mTORC1ならびにmTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤を含む、医薬組成物も提供する。該医薬組成物の一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブを含む。該医薬組成物の一実施形態において、組成物内のエルロチニブは、塩酸塩として存在する。一実施形態において、該医薬組成物は、1つ以上のその他の抗癌剤をさらに含む。
また本発明は、mTOR1およびmTOR2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤、ならびにEGFRキナーゼ阻害剤を含む容器を含む、キットも提供する。該キットの一実施形態において、EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブを含む。一実施形態において、該キットは、無菌希釈液をさらに含む。一実施形態において、キットは、患者の腫瘍、腫瘍転移、またはその他の癌の治療方法として、患者に対して、mTOR1およびmTOR2キナーゼの両方に結合し、直接阻害するmTOR阻害剤、およびエルロチニブの併用治療を使用する方法を指示する、印刷された取扱説明書を含む添付文書をさらに含む。
mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害するmTOR阻害剤を用いる患者または対象の治療の先の方法において、患者または対象は、望ましくは、本明細書の上記に記載の病状のリストから選択される癌、あるいは前癌症状もしくは病変のための治療を必要とするヒトである。これらの治療方法に特に適した癌は、例えばNSCLCおよび膵臓癌、特に相乗的な結果が得られる種類の間葉または後期癌、ならびにそのすべてにおいて高い頻度で相乗効果が確認される卵巣癌、頭頚部へん平上皮癌および乳癌を含む。
また本発明は、mTOR阻害剤(または、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害するmTOR阻害剤)が使用されることを特徴とする、本明細書に記載のいずれの「治療法」(または治療により引き起こされる副作用を低減するための方法)のために、同一の症状および特定の病状下、または治療法のために記載されるモダリティにおいて使用するための、対応する「薬剤を製造するための方法」をさらに提供し、いずれの追加薬剤、阻害剤、または症状は、治療法の他の実施形態において特定されるということは、薬剤を製造するための方法の、対応する他の実施形態にも含まれている。他の実施形態において、また本発明は、EGFRキナーゼ阻害剤、およびEGFRキナーゼ阻害剤の効果に対して、腫瘍細胞を感作する薬剤の組み合わせが使用され、該薬剤はmTOR阻害剤(または、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害するmTOR阻害剤)であることを特徴とする、本明細書に記載のいずれの「治療法」(または治療により引き起こされる副作用を低減するための方法)のために、同一の症状および特定の病状下、または治療法のために記載されるモダリティにおいて使用するための、対応する「薬剤を製造するための方法」をさらに提供し、いずれの追加薬剤、阻害剤、または症状は、治療法の他の実施形態において特定されるということは、薬剤を製造するための方法の、対応する他の実施形態にも含まれている。
上記方法のさらに別の実施形態において、mTOR阻害剤は、mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害する、本発明の組成物またはキットが使用され、mTOR阻害剤は、本明細書に記載の化学式(I)の化合物を含む。
本発明は、以下の実験の詳細により、より理解されるだろう。しかし、当業者は、検討される具体的な方法および結果は、その後に続く請求の範囲において、より完全に記載されるように、本発明の単なる実例であり、それに限定されるものではないということを、容易に理解するであろう。
実験の詳細
文献における最近の報告は、EGFR阻害剤、および下流シグナル経路を拮抗する薬剤の併用は、受容体チロシンキナーゼシグナルに冗長性を有する、あまたは下流シグナルに特定の突然変異体を含有する細胞系の感作を向上する可能性があることを示唆する。本明細書において、本発明は、エルロチニブのPI3K−PDK1−Akt−mTOR経路の活性を調節する能力、および乳、結腸、膵臓、ならびにNSCL腫瘍から生成される22細胞系群の成長阻害に対する感受性との相互関係を決定した。エルロチニブによる成長阻害に敏感な細胞系は、この経路の活性を下方調節することが発見された。より鈍感な細胞系において、エルロチニブは、mTORの基質下流であるS6リボゾームタンパク質を完全に下方調節するには無効である(基礎レベル以下)。mTOR活性は、少なくともある程度は、その他の成長因子または突然変異体を含むEGFRの独立した仕組みにより、おそらく制御されるだろう。
単剤としてのエルロチニブに対してあまり反応しない乳、結腸、膵臓、またはNSCL腫瘍細胞を感作するために、エルロチニブをその他の標的薬剤と組み合わせることが可能かどうかは、以前は確定されていなかった。多くの場合、同様の毒性を共有する細胞毒性を有する化学療法とは異なり、分子標的薬剤は、重複毒性を有さない傾向にあり、従って、癌細胞の成長を遮断するために、標的薬剤の混合物を特定することは、臨床上より便利であろう。本発明は、エルロチニブ、およびEGFRの下流が直接mTORを不活性化するよう作用する標的薬剤であるラパマイシンの併用効果を特定した。ラパマイシンは、Rapa Nui島で特定された、土俵細菌から生成される、天然生成物である高分子重量のポリケチドである。raptorおよびmTOR間のタンパク質間相互作用を妨害することによって作用する。mTORは、4EBP1およびS6Kを含む多くの基質タンパク質と相互作用するために、raptorを必要とし、従って、この相互作用を阻害することは、mTORの機能のいくつかを遮断する。腫瘍細胞の成長を遮断するための、EGFR阻害剤と併用した際のmTOR阻害剤ラパマイシンの相乗的な性質は、腎細胞癌および膠芽細胞腫のために以前に報告されているが、乳、結腸、膵臓、またはNSCL腫瘍においては検討されていなかった。
本明細書において、ラパマイシンは、単剤としてのエルロチニブに対して、比較的鈍感な乳、結腸、膵臓、またはNSCL腫瘍細胞系を再感作することができることが呈される。従って、乳、結腸、膵臓、またはNSCL腫瘍を有する患者に対して、mTOR阻害剤、およびエルロチニブなどのEGFRキナーゼ阻害剤を併用することは、臨床的に有益であろう。
物質および方法
薬剤
選択HER1/EGFRキナーゼ阻害剤であるエルロチニブは、OSI Pharmaceuticals,Uniondale,NY,USAにより、塩酸塩であるエルロチニブHC1(TARCEVA(登録商標))として合成された。
ラパマイシンは、試験管内実験のために、Sigma Aldrich Chemicals(St.Louis,MO)から、移植実験のためにLC Laboratories(Woburn,MA)から購入された。
mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方と結合し、直接阻害することによって、mTORを阻害するmTORキナーゼ阻害剤の例は、以下に記載の化学式(I)により示される化合物を含む。化合物AおよびBは、化学式(I)に準ずるmTOR阻害剤、
または、その薬学的に許容される塩であって、式中、
X1およびX2は、それぞれ独立して、NまたはC−(E1)aaであり、
X5はN、C−(E1)aa、またはN−(E1)aaであり、
X3、X4、X6、およびX7は、それぞれ独立してNまたはCであり、
X3、X4、X5、X6、およびX7の少なくとも1つは、独立してN、またはN−(E1)aaであり、
R3は、いずれも1つ以上の独立したG11置換基により任意に置換可能であるC0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、アミノメチルシクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロビシクロC5−10−アルキルであり、
Q1は、−A(R1XnB(W)nまたは−B(G11XnA(Y)mAであり、
AおよびBは、5−ベンゾ[b]フリルおよび3−インドリルを除き、ならびにX1およびX5はCH、X3、X6、X7はC、かつX2およびX4はNである場合における、2−インドリル、2−ベンゾオキサゾール、2−ベンゾチアゾール、2−ベンジミダゾール、4−アミノピロロピリミジン−5−イル、4−アミノピロロピリミジン−6−イル、および7−デアザ−7−アデノシニル派生物を除く、融合して9員へテロ芳香系を形成する、それぞれ5員または6員芳香環あるいはヘテロ芳香環であるか、
またはQ1は、−A(R1)mA(Y)mであり、それぞれのAは、同一あるいは異なる5員芳香環もしくはヘテロ芳香環であり、該2つは融合して8員ヘテロ芳香系を形成しており、
R1は、Q1は、N−メチル−2−インドリル、N−(フェニルスルホニル)−2−インドリル、またはN−tert−ブトキシカルボニルではないという条件で、独立して水素、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル),ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、ヘタリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、C1−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2R321、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2NR321R331、−C0−8アルキル−S(O)0−2NR311R321、−C0−8アルキル−NR311COR321、−C0−8アルキル−NR311CO2R321、−C0−8アルキル−NR311CONR321R331、−C0−8アルキル−CONR311R321、−C0−8アルキル−CON(R311)S(O)0−2R321、−C0−8アルキル−CO2R311、−C0−8アルキル−−S(O)0−2R311、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルヘテリール、−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−NR311R321、−C2−8アルケニル、−C2−8アルキニル、NO2、CN、CF3、OCF3、OCHF2であり、
Wは、Q1は、4−ベンジルオキシ−2−インドリルではないという条件で、独立して水素、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、ヘタリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、C1−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−NR312S(O)0−2R322、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2NR321R331、−C0−8アルキル−NR311CO2R321、−C0−8アルキル−CON(R311)S(O)0−2R321、−C0−8アルキル−S(O)0−2NR312R322、−C0−8アルキル−−NR312COR322、−C0−8アルキル−NR312CONR322R332、−C0−8アルキル−CONR3l2R322、−C0−8アルキル−CO2R312、−C0−8アルキルS(O)0−2R312、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−Oアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(R312)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(R312)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R312)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R312)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(R312)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−NR312R322、−C2−8アルケニル、−C2−8アルキニル、NO2、CN、CF3、OCF3、OCHF2であり、
Yは、Q1は、2−カルボキシ−5−ベンゾ[6]チオフェニルではないという条件で、独立して水素、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、ヘタリール(任意に、1つ以上のR31基で置換可能)、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−NR3llS(O)0−2R321、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2NR321R33I、−C0−8アルキル−NR311CO2R321、−C0−8アルキル−CON(R311)S(O)0−2R321、−C0−8アルキル−S(O)0−2NR311R321、−C0−8アルキル−NR311COR321、−C0−8アルキル−NR311CONR321R331、−C0−8アルキル−CONR311R321、−C0−8アルキル−CO2R311、−C0−8アルキルS(O)0−2R311、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C−アルキル−O−C−アルキルヘタリール、−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルヘタリール、−Co0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−NR311R321、−C2−8アルケニル、−C2−8アルキニル、NO2、CN、CF3、OCF3、OCHF2であり、
G11は、ハロ、オキソ、−CF3、−OCF3、−OR312、−NR312R322、−C(O)R312、−C(O)C3−8シクロアルキル、−CO2C3−8シクロアルキル、−CO2R312、−C(=O)NR312R322、−NO2、−CN、−S(O)0−2R312、−SO2NR312R322、NR312(C=O)R322、NR312C(=O)OR322、NR312C(=O)NR322R332、NR312S(O)0−2R322、−C(=S)OR312、−C(=O)SR312、−NR3I2C(=NR322)NR332R341、−NR312C(=NR322)OR332、−NR312C(=NR322)SR332、−OC(=O)OR312、−OC(=O)NR3I2R322、−OC(=O)SR312、−SC(=O)OR312、−SC(=O)NR312R322、−P(O)OR312OR322、C1−10アルキリデン、C0−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、−C1−10アルコキシC1−10アルキル、−C1−10アルコキシC2−10アルケニル、−C1−10アルコキシC2−10アルキニル、−C1−10アルキルチオC1−10アルキル、−C1−10アルキルチオC2−10アルケニル、−C1−10アルキルチオC2−10アルキニル、シクロC3−8アルキル、シクロC3−8アルケニル、−シクロC3−8アルキルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルキル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルキニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルキニル、−ヘテロシクリル−C0−10アルキル、ヘテロシクリル−C2−10アルケニル、または−ヘテロシクリル−C2−10アルキニルであり、いずれも任意に、1つ以上の独立したハロ、オキソ、−CF3、−OCF3、−OR313、−NR313R323、−C(O)R313、−CO2R313、−(=O)NR313R323、−NO2、−CN、−S(O)0−2R313、−SO2NR313R323、−NR313C(=O)R323、−NR313C(O)OR323、−NR313C(=O)NR323R333、−NR313S(O)0−2R323、−C(=S)OR313、−C(=O)SR313、−NR313C(=NR323)NR333R342、−NR313C(=NR323)OR333、−NR313C(=NR323)SR333、−OC(=O)OR333、−OC(=O)NR313R323、−OC(=O)SR313、−SC(=O)OR313、−P(O)OR313OR323、または−SC(=O)NR313R323置換基で置換可能であり、
またはG11は、R3が4−ピペリジルの場合に、N−CH2CO2Hでないという条件で、アリール−C0−10アルキル、アリール−C2−10アルケニル、アリール−C2−10アルキニル、ヘタリール−C0−10アルキル、ヘタリール−C2−10アルケニル、またはヘタリール−C2−10アルキニルであり、付着点は、記載されるように、左または右のいずれかからであり、いずれも任意で、1つ以上の独立したハロ、−CF3、−OCF3、−OR313、−NR313R323、−C(O)R313、−CO2R313、−C(=O)NR3I3R323、−NO2、−CN、−S(O)0−2R313、−SO2NR313R323、−NR313C(=O)R323、−NR313C(=O)OR323、−NR313C(=O)NR323R333、−NR313S(O)0−2R323、−C(=S)OR313、−C(=O)SR313−NR323C(=NR313)NR333R342、−NR313C(=NR323)OR333、−NR313C(=NR323)SR333、−OC(=O)OR313、−OC(=O)NR313R323、−OC(=O)SR313、−SC(=O)OR313、−P(O)OR313OR323、または−SC(=O)NR313R323置換基で置換可能であり、
R31、R32、R33、R311、R321、R331、R312、R322、R332、R341、R313、R323、R333、およびR342は、それぞれの場合、独立して、
任意にアリール、ヘテロシクリル、またはヘタリール置換基で置換可能なC0−8アルキル、あるいは、任意に1−6の独立したハロ、−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−CO(C0−8アルキル)、−OC0−8アルキル、−Oアリール、−Oヘタリール、−Oヘテロシクリル、−S(O)0−2アリール、−S(O)0−2ヘタリール、−S(O)0−2ヘテロシクリル、−S(O)0−2C0−8アルキル、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C1−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、−N(C0−8アルキル)CO2(C1−8アルキル)、−S(O)1−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−NR11S(O)1−2(C0−8アルキル)、−CON(C3−8シクロアルキル)(C3−8シクロアルキル)、−CON(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO2(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CO2(C3−8シクロアルキル)、S(O)1−2N(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−NR11S(O)1−2(C3−8シクロアルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、CN、CF3、OH、または任意に、置換可能なアリール置換基で置換可能なC0−8アルキルであり(上記のそれぞれのアリール、ヘテロシクリル、ヘタリール、アルキル、またはシクロアルキル基は、任意で、独立して−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−S(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C1−8アルキル−CO2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクリル、C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO2、CN、CF3、OCF3、OCHF2、
−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、
−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、
−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、
−C0−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、または
任意に、1−4独立C0−8アルキル、シクリル、または置換シルリル置換基で置換したヘテロシクリルで置換されていてもよい。)、
それぞれの場合におけるE1は、独立して、ハロ、−CF3、−OCF3、−OR2、−NR31R32、−C(=O)R31、−CO2R31、−CONR31R32、−NO2、−CN、−S(O)0−2R31、−S(O)0−2NR31R32、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR32R33、−NR31S(O)0−2R32、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR33R31、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR31)SR31、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR31R32、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、−SC(=O)NR31R32、C0−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、−C1−10アルコキシC1−10アルキル、−C1−10アルコキシC2−10アルケニル、−C1−10アルコキシC2−10−アルキニル、−C1−10アルキルチオC1−10アルキル、−C1−10アルキルチオC2−10アルケニル、−C1−10アルキルチオC2−10アルキニル、シクロC3−8アルキル、シクロC3−8アルケニル、−シクロC3−8アルキルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルケニルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルキニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルキニル、−ヘテロシクリル−C0−10アルキル、−ヘテロシクリル−C2−10アルケニル、または−ヘテロシクリル−C2−10アルキニルであり、いずれも、任意に1つ以上の独立したハロ、オキソ、−CF3、−OCF3、−OR31、−NR31R32、−C(=O)R31、−CO2R31、−C(=O)NR31R32、−NO2、−CN、−S(=O)0−2R31、−SO2NR31、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR31、−NR31C(=O)NR32R33、−NR31S(O)0−2R31、−C(=S)OR31、−C(O)SR31、−NR31C(=NR32)NR33R31、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR31R32、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、または−SC(=O)NR31R32置換基で置換され、
あるいは、それぞれの場合におけるE1は、独立してアリール−C0−10アルキル、アリール−C2−10アルケニル、アリール−C2−10アルキニル、ヘタリール−C0−10アルキル、ヘタリール−C2−10アルケニル、またはヘタリール−C2−10アルキニルであり、その付着点は、記載されるように、左または右のいずれかからであり、いずれも任意に、1つ以上の独立したハロ、−CF3、−OCF3、−OR31、−NR31R32、−C(O)R31、−CO2R31、−C(O)NR31R32、−NO2、−CN、−S(O)0−2R31、−S(O)0−2NR31R32、−NR31C(O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR32R33、−NR31S(O)0−2R32、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR33R31、−NR31C(=NR32)OR33、−NR3IC(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR31R32、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、または−SC(=O)NR31R32置換基で置換され、
−NR31R32、−NR311R321、−NR312R322、−NR332R341、−NR313R323、および−NR323R333、の場合、それぞれのR31およびR32、R311およびR321、R312およびR322、R331およびR341、R313およびR323、ならびにR323およびR333は、
任意に、それらが結合している窒素原子と一緒に3−10員の飽和または不飽和環を形成し、それぞれの場合の環は、独立して任意に、1つ以上の独立した−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−2C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON((C0−8アルキル))S(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−Oアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO2、CN、CF3、OCF3、またはOCHF2置換基で置換され、それぞれの場合の環は、独立して、任意に1つ以上の窒素以外のヘテロ原子を含み、
mは、0、1、2、または3であり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
aaは、0または1であり、および
但し、化学式Iは、トランス−4−[8−アミノ−1−(7−クロロ−4−ヒドロキシ−1H−インドル−2−イル)イミダゾ[l,5−α]ピラジン−3−イル]シクロヘキサンカルボン酸、シス−3−[8−アミノ−l−(7−クロロ−1H−インドル−2−イル)イミダゾ[l,5−α]ピラジン−3−イル]シクロブタンカルボン酸、トランス−4−{8−アミノ−1−[7−(3−イソプロピル)フェニル−lH−インドル−2−イル]イミダゾ[l,5−α]ピラジン−3−イル}シクロヘキサンカルボン酸、またはトランス−4−{8−アミノ−l−[7−(2,5−ジクロロ)フェニル−1H−インドル−2−イル]イミダゾ[l,5−α]ピラジン−3−イル}シクロヘキサンカルボン酸ではないという条件で、
式(I)に準ずるmTOR阻害剤、またはその薬学的に許容できる塩を表す。
mTORC1およびmTORC2キナーゼの両方に結合し、直接阻害することで、mTORを阻害するmTORキナーゼ阻害剤である、式Iに含まれた化合物の具体例を、以下のスキームおよび実施例に記載のとおりに調製した。
以下のスキーム、中間体および実施例は、本明細書に記載される本発明に使用することができる化合物の合成方法を示す役割を果たすが、一切、本発明を制限するものではない。また、以下の略語を使用する。Meはメチル、Etはエチル、iPrはイソプロピル、n−Buはn−ブチル、t−Buはtert−ブチル、Acはアセチル、Phはフェニル、4C1−Phまたは(4C1)Phは4−クロロフェニル、4Me−Phまたは(4Me)Phは、4−メチルフェニル、(p−CH3O)Phは、p−メトキシフェニル、(p−NO2)Phは、p−ニトロフェニル、4Br−Phまたは(4Br)Phは、4−ブロモフェニル、2−CF3−Phまたは(2CF3)Phは2−トリフルオロメチルフェニル、DMAPは4−(ジメチルアミノ)ピラジン、DCCは、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、EDCは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、HOBtは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HOAtは、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、TMPはテトラメチルピペリジン、n−BuLiは、n−ブチルリチウム、CDIは、1、1’−カルボニルジイミダゾール、DEADはジエチルアゾジカルボン酸、PS−PPh3はポリスチレントリフェニルホスフィン、DIEAは、ジイソプロピルエチルアミン、DIADはジイソプロピルアゾカルボン酸、DBADはジ−tert−ブチルアゾジカルボン酸、HPECは高性能フラッシュクロマトグラフィ、rtまたはRTは室温、minは分、hは時間、Bnはベンジル、およびLAHは水素化アルミニウムリチウムである。
したがって、以下はmTORを阻害する実施例の形成における中間体として有用な化合物である。
本発明の式Iの化合物および本発明の化合物の合成に使用した中間体を、以下の方法に従い調製した。方法Aを、以下のスキーム1に示すとおり、式I−AAの化合物を調製する際
に使用した。
方法A:
Q1、R3は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式I−AAの化合物の一般的な調製において、式IIの化合物を、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、イソプロパノールおよびTHF/イソプロパノールの混合物であった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、80℃から約120℃で実施される。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、厚壁ガラス製反応容器またはステンレス製スチールパールボンブなどを含むがそれらに限定されない密閉反応容器内で実施されることが好ましい。過剰量の反応剤であるアンモニアを使用することが望ましい。
スキーム1の式IIの化合物を、以下のスキーム2に示すとおりに調製した。
Q1、R3は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式IIの化合物の一般的な調製において、式IIIの中間体を、適切な反応温度において、POCl3または適切な溶媒中の単離「ビルスマイヤー塩」[CAS#33842−02−3]で処理した。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および同等物などのエーテル、アセトニトリル、および塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用、または溶媒を使用しなかった。望ましい溶媒には、塩化メチレンおよびアセトニトリルが含まれた。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約20℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム2の式IIIの化合物を、以下のスキーム3に示すとおりに調製した。
Q1およびR3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A1=OH、アルコキシまたはハロゲンまたはイミダゾルなどの脱離基である。
式IIIの化合物の一般的な調製において、式IVの化合物および式Vの化合物を、適切なアミド結合条件下で反応させた。適切な条件は、DMAP、HOBt、HOAtおよび類似体に関連したDCCまたはEDCなどの結合試薬での式IVおよびVの化合物の処理(A1=OHの場合)を含むがそれらに限定されない。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレンおよびDMFであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約rtで実施した。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実行することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。あるいは、式IVおよびV(A1=F、Cl、Br、I)の化合物を、DMAPおよび類似体に関連する、トリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンおよび類似体などの塩基と反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記プロセスを、約−20℃から約40℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約0℃から約25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、式IVおよびV(A1=F、Cl、Br、Iである)の化合物の実質的等モル量およびDMAPの塩基および半化学量論的な量を使用することが望ましい。さらに、式IVの化合物を式IVの化合物へ変換するための別の適切な反応条件は、Larock,R.C.のComprehensive Organic Transformations,2nd ed.;Wiley and Sons:New York,1999,pp1941−1949に見ることができる。
スキーム3の式IVの化合物を、以下のスキーム4に示すとおりに調製した。
Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A2=フタルイミドまたはN3である。
式IVの化合物の一般的な調製において、式VIの化合物は、適切な溶媒中の適切な反応条件下で反応する。A2=フタルイミドである場合、適切な条件には、適切な溶媒中のヒドラジンを用いた式VIの化合物の処理が含まれる。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒、メタノールおよびエタノールなどのアルコール溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、エタノールであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。式VIの化合物のIVへの変換において、A2=N3である場合、PPh3および水またはパラジウムなどの金属触媒の存在下における水素化を含むが、それらに限定されない一般的なアジドの還元条件が使用されることを、当事者は認識するであろう。
スキーム4の式VIの化合物を、以下のスキーム5に示すとおりに調製し、
Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A2=フタルイミドまたはN3である。
式IV(A2=フタルイミドの場合)の化合物の一般的な調製において、式VIIの化合物を、一般的な光延条件下で、適切な反応剤の存在下における適切な溶媒中のフタルイミドと反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCI3)などの塩化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。上記プロセスに使用する適切な反応剤は、トリフェニルホスフィンおよび同等物、およびアゾジカルボン酸(DIAD、DEAD、DBAD)を含むがそれらに限定されない。望ましい反応剤は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合したトリフェニルホスフィン(PS−PPh3)およびDIADであった。上記プロセスは、約−78℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。 必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。概して、1当量または僅かに過剰であるトリフェニルホスフィン、DIADおよびフタルイミドの1.1当量を、式VIIの化合物の当量ごとに使用した。また、式VIIの化合物は、ヒドロキシ基が、その関連トシレート、メシレート、トリフラート、またはクロロなどのハロゲンなどの脱離基に変換され、実質的に、NH(Boc)2、フタルイミド、ポタシウムフタルイミド、またはアジ化ナトリウムなどのアミン当量と反応する、Ts2O、Ms2O、Tf2O、TsCl、MsCl、またはSOCl2と反応することができる。スキーム4に示すとおり、酸性条件下(NH(Boc)2)でヒドラジン(フタルイミド)またはトリフェニールホスフィン/水(アジド)による処理などの、周知の方法によるアミン等価体の変換で、スキーム4に示すとおり、所望のアミンが得られる。
スキーム5の式VIIの化合物を、以下のスキーム6に示すとおり、アルデヒドQ1−CHOおよび2−クロロピラジンVIIIから調製した。
Q1は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式VIIの化合物の一般的な調製において、式VIIIの化合物を、適切な溶媒中の適切な反応条件下で、式Q1−CHOの化合物と反応させた。 適切な条件は、リチウムテトラメチルピペリジド(Li−TMP)など塩基による式VIIIの化合物の処理に続き、式Q1−CHOの化合物による処理が含まれるがそれらに限定されない。リチウムテトラメチルピペリジドは、−78℃で、テトラメチルピペラジドをn―ブチルリチウムと反応させ、0℃まで温めて調製することができる。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテルを含むがそれらに限定されない。ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、1,3−ジメチル−3、4、5、6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、および類似体などの極性溶媒を、必要に応じて添加してもよい。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。上記プロセスは、約−80℃から約20℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約−78℃から約0℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
本発明の式Iの化合物および本発明の化合物の合成に使用した中間体も、以下の方法に従い調製した。方法AAを、以下のスキーム7に示すとおり、式I−AAAの化合物から式I−AAの化合物を調製する際に使用した。
方法AA:
Q1およびR3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲンであり、B(OR)2=適切なボロン酸/エステルである。
式I−AAの化合物の一般的な調製において、式I−AAAの化合物を、一般的なスズキカップリング手順を介し、適切な溶媒中の適切なボロン酸/エステル(Q1−B(OR)2)と反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタン、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、ジメトキシエタン/水であった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約60℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
代替方法は、式I−AAから式I−AAAの化合物の調製に適用可能であることを、当業者は理解するであろう。例えば、式I−AAAの化合物は、一般的なスティル結合手順を介して、適切な溶媒中の適切な有機スズ試薬Q1−SnBu3または類似体と反応することができる。
スキーム7の式I−AAAの化合物を、以下のスキーム8に示すとおりに調製した。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式I−AAAの化合物の一般的な調製において、式II−Zの化合物を、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、イソプロパノールおよびTHF/イソプロパノールの混合物であった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約80℃から約120℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、厚壁ガラス製反応容器またはステンレス製スチールパールボンブを含むが、それらに限定されない密閉反応容器内で実施することが望ましい。望ましくは、過剰量の反応剤であるアンモニアが使用された。
スキーム8の式II−Zの化合物を、以下のスキーム9に示すとおりに調製した。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式II−Zの化合物の一般的な調製において、中間体HI−Zを、式II−Z’の化合物に変換した。式III−Zの中間体を、適切な反応温度において、適切な溶媒中のPOCI3で処理した。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および同等物などのエーテル、アセトニトリル、および塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒には、塩化メチレンおよびアセトニトリルが含まれた。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約20℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。式U1−Zの化合物のII−Z’への変換において、Br2、l2、Cl2、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、またはN−ヨードスクシンイミドを含むがそれらに限定されない適切なハロゲン化剤を使用した。望ましいハロゲン化試薬は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、DMFであった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約40℃から約75℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム9の式III−Zの化合物を、以下のスキーム10に示すとおりに調製した。
R3は式Iの化合物に規定するとおりであり、A1=OH、アルコキシ、またはクロロまたはイミダゾルなどの脱離基である。
式III−Zの化合物の一般的な調製において、式IV−Zの化合物および式Vの化合物を、適切なアミド結合条件下で反応させた。適切な条件は、DMAP、HOBt、HOAtおよび類似体に関連したDCCまたはEDCなどの結合試薬での式IV−ZおよびV(A1=OHの場合)の化合物の処理を含むがそれらに限定されない。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。また、式IV−Zの化合物が塩またはビス塩である場合、適切な塩基は、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンに必要とされ含まれる。あるいは、式IV−ZおよびV(A1=F、Cl、Br、Iである)の化合物を、DMAPおよび類似体に関連する、トリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンおよび類似体などの塩基と反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記プロセスを、約−20℃から約40℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約0℃から約25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、式IV−ZおよびV(A1=F、Cl、Br、Iである)の化合物の実質的等モル量およびDMAPの塩基および半化学量論的な量を使用することが望ましい。さらに、アミン(式IV−Zの化合物)をアミド(式III−Zの化合物)へ変換するための別の適切な反応条件は、Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations,2nd ed.;Wiley and Sons New York,1999,pp1941−1949に見ることができる。
スキーム10の式IV−Zの化合物を、以下のスキーム11に示すとおりに調製した。
A2はフタルイミドまたはN3である。
式IV−Zの化合物の一般的な調製において、式VI−Zの化合物は、適切な溶媒中の適切な反応条件下で反応する。A2=フタルイミドである場合、適切な条件には、適切な溶媒中のヒドラジンを用いた式VI―Zの化合物の処理が含まれる。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒、メタノールおよびエタノールなどのアルコール溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、エタノールであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム11の式VI−Zの化合物を、以下のスキーム12に示すとおりに調製した。
A2=フタルイミドまたはN3である。
式VI−Z(A2=フタルイミド)の化合物の一般的な調製において、式VII−Zの化合物を、一般的な光延条件下で、適切な反応剤の存在下における適切な溶媒中のフタルイミドと反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。上記プロセスに使用する適切な反応剤は、トリフェニルホスフィンおよび同等物、およびアゾジカルボン酸(DIAD、DEAD、DBAD)を含むがそれらに限定されない。望ましい反応剤は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合したトリフェニルホスフィン(PS−PPh3)およびDIADであった。上記プロセスは、約−78℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。概して、トリフェニルホスフィン、DIADおよびフタルイミドの1.0または1.1等価体は、式VII−Zの化合物の等価体ごとに使用された。また、式VII−Zの化合物は、Ts2O、Ms2O、Tf2O、TsCl、MsCl、またはSOCl2と反応することができ、ヒドロキシ基は、それぞれのとリラート、メシラート、トリフラート、クロロなどのハロゲンなどの脱離基に変換され、実質的にNH(Boc)2、フタルイミド、カリウムフタルイミド、またはアジ化ナトリウムなどのアミン等価体と反応する。スキーム4に示すとおり、酸性条件下(NH(Boc)2)でヒドラジン(フタルイミド)またはトリフェニールホスフィン/水(アジド)による処理など、周知の方法によるアミン等価体の変換により、スキーム4に示すとおり、所望のアミンが得られる。
スキーム12の式VII−Zの化合物を、以下のスキーム13に示すとおりに2−クロロピラジンVIIIから調製した。
式VII−Zの化合物の一般的な調製において、式VIIIの化合物を、適切な溶媒中の適切な反応条件下で反応させた。適切な反応条件は、式VIIIの化合物を、リチウムテトラメチルピペリジド(Li−TMP)などの塩基で処理に続き、カルボニル等価体を含む試薬で処理し、適切な還元剤で処理する条件を含むがそれらに限定されない。リチウムテトラメチルピペリジドは、−78℃で、テトラメチルピペラジドをn―ブチルリチウムと反応させ、0℃まで温めて調製することができる。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテルを含むがそれらに限定されない。ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)などの極性溶媒、1,3−ジメチルー3、4、5、6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、および類似体を、必要に応じて添加してもよい。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。適切なカルボニル等価試薬は、DMFまたはメチルまたはエチルクロロギ酸などの適切なクロロギ酸などのホルムアミドを含むがそれらの限定されない。適切なカルボニル等価試薬の添加後、反応物には、それらに限定されないがメタノールまたはエタノールなどの両極プロトン性溶媒が投入され、続いて水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤で処理された。上記プロセスは、約−80℃から約20℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約−78℃から約0℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム6の式X−Z(Q1−CHO)の化合物を、以下のスキーム14に示すとおりに調製した。
Q1は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式X−Z(Q1−CHO)の化合物の一般的な調製において、式IX−Z(Q1−CH3)の化合物を、適切な反応条件下で適切な酸化剤と反応させた。適切な酸化剤は、二酸化セレンを含むがそれらに限定されない。上記プロセスに使用する適切な反応条件は、二酸化セレンおよび式IX−Z(Q1−CH3)の化合物のみ、またはそれらに限定されない、クロロベンゼンまたはスルホレーンなどの適切な溶媒中の混合物を加熱する条件を含むがそれらに限定されない。上記プロセスは、約120℃から約180℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約150℃から約165℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、1−1.5eqの二酸化セレンを使用することが望ましい。あるいは、式IX−Z(Q1−CH3)の化合物を、まず、式Q1−CH2−Hal(Hal=ClまたはBrである)の化合物を得るために、適切な反応条件下で適切な溶媒中のハロゲン化試薬およびラジカル開始剤と反応させ、それから、式X−Z(Q1−CHO)の化合物を得るために、適切な反応条件下で、DMSOおよび塩基でさらに反応させた。適切なハロゲン化試薬は、ブロミン、N−ブロモスクシンイミド、および塩素を含むがそれらに限定されない。N−ブロモスクシンイミドを使用することが望ましい。適切なラジカル開始剤は、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および紫外線を含むがそれらに限定されない。望ましくは、AIBNを使用する。別のハロゲン化溶媒が添加されることもあるが、四塩化炭素がハロゲン化ステップ用の溶媒として使用することが望ましい。ハロゲン化は、約60℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約80℃で実施する。適切な塩基は、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ニナトリウムおよびコリジンを含むがそれらに限定されない。望ましくは、炭酸水素ナトリウムを使用する。他の溶媒が添加される場合があるが、溶媒としてDMSOを使用することが望ましい。第2ステップは、約40℃から約140℃で実施することができる。望ましくは、反応は、約90℃で実施する。また、Q1−CH3からQ1−CHOへの変換の他の適切な反応条件は、Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations,2nd ed;Wiley and Sons:New York,1999,pp1205−1207および1222−1224に見ることができる。
スキーム7の式XIV−Z(Q1−B(OR)2)の化合物を、以下のスキーム15に示すとおりに調製した。
Q1は、式Iの化合物で定義するとおりであり、A111=OTfまたはCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、B(OR)2=適切なボロン酸/エステルである。
式XIV−Z(Q1−B(OR)2)の化合物の一般的な調製において、式XIII−Z(Q1−A111)の化合物を、適切な反応条件下で適切なボロン化剤と反応させた。適切な金属触媒剤は、1,3−ビス(2、6−ジイソプロピルフェニル)塩化イミダゾリウムの存在下で、Pd(OAc)2を含むがそれらに限定されない。適切なボロン化剤は、ビス(ピナコラート)ジボロンを含むがそれらに限定されない。上記プロセスに使用する適切な反応条件は、限定されないがTHFなどの適切な溶媒中のPd(OAc)2、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)塩化イミダゾリウム、KOAc、およびビス(ピナコル)ボランの混合物を含むがそれらに限定されない。上記プロセスは、約20℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約60℃から約80℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、多量または少量が使用されたが、2−3eq.KOAc、1−1.5eq.、ビス(ピナコル)ボラン、0.03−1eq.Pd(OAc)2および0.09−3eq.1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)塩化イミダゾリウムを使用することが望ましい。また、Q1−A111からQ1−B(OR)2への変換の他の適切な反応条件は、種々のQ1−A111またはアリール/ヘテロアリールハロゲン、および種々の条件(Biooganic & Medicinal Chemistry Letters,2003,12(22)、4001;Biooganic & Medicinal Chemistry Letters,2003,13(18),3059;Chemical Communications(Cambridge、UK),2003,23,2924;Synthesis,2002,17,2503;Angewandte Chemie,International Ed.,2002,41(16),3056;Journal of the American Chemical Society,2002,124(3),390;Organic Letters,2002,4(4),541;Tetrahedron,2001,57(49),9813;Journal of Organic Chemistry,2000,65(1),164;Journal of Organic Chemistry,1997,62(19),6458;Journal of Organometallic Chemistry,1983,259(3),269)に関わる文献に見ることができる。一部の場合において、式XTII−Z(Q1−A111)およびXIV−Z(Q1−B(OR)2)の化合物は、市販、あるいは文献の手順に従って合成される。どちらも得られない場合は、式XIII−Z(Q1−A111)およびXIV−Z(Q1−B(OR)2)の化合物は、本明細書の実験の項に記載される手順を介して合成した。
一部の例において本明細書に記載の化合物の両R3およびQ1は、さらに組み換えることができる官能基を含む。官能基のかかる組み換えは、重要中間体または後期化合物で実現可能であることを、当業者は理解するであろう。かかる官能基変換を、以下のスキーム16から26ならびに実験の項に例示するが、かかる変換の範囲を限定する意味では一切ない。また、スキーム16−26に示す化学式は、I−AAA、II−ZおよびII−Z’の化合物に適用することもできる。
式I−Aの化合物(R3=Z−CONR312R322である式I−AAの化合物)を、以下のスキーム17に示すとおり調製した。
Q1、R312およびR322は、式Iの化合物について定義されたとおりであり、A3=メチルまたはエチルなどの水素またはアルキルである。
A3=アルキルであり、R312およびR322が共にHと同等である、式I−Aの化合物の一般的な調製において、適切な溶媒中のアンモニアとの式II−Aの化合物(R3=Z−CO2A3である式IIの化合物)の反応により、式I−Aの化合物を得た。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび同等物などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ミメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールおよび類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩化系溶媒を含むが、それらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、イソプロパノールおよびイソプロパノール/THFの混合物であった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約80℃から約120℃で実施される。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施されることが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。また、式I−Aの化合物の一般的な調製において、式II−A(A3=Hである場合)の化合物は、HNR312R322での反応に続き、適切な溶媒中のアンモニアで反応させた。A3=Hである場合、スキーム3に記載するとおり、一般的な結合手順(SOCl2または塩化オキサリルの処理を介しCO2HからCOClへの変換に続き、HNR312R322との反応、またはDMAP、HOBT、またはHOAtおよび類似体に関連するEDCまたはDCCによるCO2HおよびHNR312R322の処理)は、カルボン酸からアミドへの変換を得るために用いられた。A3=メチルまたはエチルなどのアルキルである場合、Al(NR312R322)のエステルの処理により、CO2A3からCO(NR312R322)への変換が得られた。アンモニアによる後続処理により式I−Aの化合物を得た。
式I−A’の化合物(R3=Z−CO2A3である式I−AAの化合物)および式I−A’’の化合物(R3=Z−CO2Hである式I−AAの化合物)を、以下のスキーム17に示すとおりに調製した。
Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、および、A3=メチルまたはエチルなどのアルキルである。
式I−A’の化合物の一般的な調製において、式II−Aの化合物を、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約100℃から約120℃で実施される。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施されることが望ましい。ほとんどの場合、反応は、密閉チューブで実施された。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量が使用されることが望ましい。
一般的に、過剰のアンモニアが使用され、確実にエステル部分へのアンモニアの追加が、相当の程度まで生じないように、反応物は監視された。また、式I−A’’の化合物の一般的な調製において、式I−A’の化合物を、THF/H2O/MeOH中のNaOHなどの一般的な鹸化条件下で反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THF/H2O/MeOHの混合物であった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、rtから約60℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
式II−Bの化合物(R3=Z−CH2OHである式IIの化合物)および式I−Bの化合物(R3=Z−CH2OHである式I−AAの化合物)を、以下のスキーム18に示すとおりに調製した。
Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、および、A3=水素またはメチルまたはエチルなどのアルキルである。
式I−Bの化合物の一般的な調製において、式II−Aの化合物は、式II−Bの化合物を得るために、THFなど適切な溶媒中の水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元剤で処理される。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、および塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒はTHFであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約0℃から約50℃で実施される。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施されることが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。前述のアンモノリシス条件下(120℃における密閉チューブ内のイソプロパノール中のアンモニア)の式II−Bの化合物の後続処理により、式I−Bの化合物を得た。
式H−C(R3=Z−CH2A4)である式IIの化合物)、II−D(R3=Z−CH2A5(R313)(R323)aaである式IIの化合物)、I−B(R3=Z−CH2OHである式I―AAの化合物)およびI−C(R3=Z−CH2A5(R313)(R323)aaである式I―AAの化合物)の化合物は、以下のスキーム19に示すとおりに調製された。
Q1、R313およびR323は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A4=OTs、OMs、OTfまたはクロロ、ブロモ、またはヨードなどのハロなどの適切な脱離基であり、d=0または1であり、A5=N、OまたはSである。
式I−Cの化合物の一般的な調整において、式II−Bの化合物のヒドロキシ基は、式II−Cの化合物を得るために、SOCl2またはTs2O、MS2O、またはTf2Oとの反応により、適切な脱離基、ClまたはOTs、OMs、またはOTfなどのA4に変換された。式II−Cの化合物のHA5(R313)(R323)aaとの反応により、式II−Dの化合物を得た。前述したアンモノリシス条件下における式II−Dの化合物の後続反応で、式I−Cの化合物を得た。また、スキーム18に前述したとおり、式II−Bの化合物は、式I−Bの化合物に変換された。式I−Bの化合物の式I−Cの化合物へのさらなる変換は、式II−Bの化合物を式II―Cの化合物へ変換、さらに式II―Cの化合物を式II−Dの化合物へ変換(As(R313)(R323)aaへOHの純変換において)するための前述の条件に従って実現された。さらに、式II−Bの化合物は、式II−Dの化合物(A5=O、aa=0、およびR313=アルキルまたはアリールである、R3=CH2−Z−A5(R313)(R323)aaである式IIの化合物)を得るために、光延反応を介し、式II−Bの化合物を、種々のアルキル剤またはフェノールで処理して、直接式II―Dの化合物に変換することができる。
式I−C’(R3=Z−CH2−A2である式I−AAの化合物)、I−C’’(R3=Z−CH2−NH2である式I−AAの化合物)、およびI−C’’’(R3=Z−CH2−N(R313)(R323)である式I−AAの化合物)は、以下のスキーム20に示すとおりに調製された。
Q1、R313、R323は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A2=フタルイミドまたはN3である。
式I−C’、I−C’’およびI−C’’’の化合物の一般的な調製において、式I−Bの化合物のヒドロキシ基は、式VIIの化合物を式VIの化合物に変換するためのスキーム5に記載する手順に従い、A2に変換された。スキーム4に記載の条件下における式I−C’の化合物の反応により、式I−C’’の化合物を得た。限定されないが、種々のアルキル化剤、還元的アミノ化条件下における種々のアルデヒド/ケトン、無水酢酸、塩化ベンゾイルなどの種々のアシル化剤、またはHOBTまたはHOATを有するEDCまたはDCCの存在下におけるカルボン酸、あるいはTs2OまたはMeSO2Clなどのスルホニル化剤との式I−C’’の化合物の反応により、式I−C’’’の化合物を得た。例えば、式I−C’’’の化合物の一般的な調製において、式I−C’’の化合物は、適切な溶媒中の適切な塩基の存在下で、適切なアシル化剤で処理される。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および同等物などのエーテル、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、クロロホルムであった。上記プロセスに使用する適切な塩基は、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、またはPS−DIEAなどのトリアルキルアミンに結合した樹脂などのトリアルキルアミンを含むがそれらに限定されない。望ましい塩基は、PS−DIEAであった。適切なアシル化剤が無水酢酸であった場合、R313=Hであり、R323=COCH3である式I−C’’への式I−C’’’の化合物の変換が実現した。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約0℃から約20℃で実施される。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施されることが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
式I−Dの化合物(R3=(CH2)n−Z2−Hであり、Z2は、Hに結合した窒素原子を含むヘテロシクリル環である式I−AAの化合物)およびI−Eの化合物(R3=(CH2)n−Z2−R31であり、Z2はR31に結合した窒素原子を含むヘテロシクリル環である式I−AAの化合物)は、以下のスキーム21に示すとおりに調製された。
Q1およびR31は、式Iの化合物に規定するとおりであり、G99aはC(=O)A6またはCO2A6であり、n=0〜5であり、A6=アルキル、アリール、またはアラルキルである。
式I−Eの化合物の一般的な調製において、式II−Eの化合物は、N−G99aをN−Hに変換できる適切な試薬で処理され、それにより式I−Dの化合物を得る。例えば、アンモノリシス条件下における式II−E(G99aはCO2Bnに一致する)の化合物の処理に続き、濃HClおよび適切な塩基処理により、式I−Dの化合物を得る。式I−Dの化合物は、アミド、尿素、グアニジン、カルバメート、チオカルバーメート、スルホンアミド、およびNR2へのNHの純変換を得るため、種々に置換された窒素付加物を得るための還元アミノ化、アルキル化およびアリール化、ならびにアシル化を含むがそれらに限定されない種々の条件にかけることができる。
式II−G(R3=Z3−OHである式IIの化合物)、II−H(R3=Z−A5(R313)(R323)である式IIの化合物)、I−F(R3=Z−OHである式I―AAの化合物)およびI−G(R3=Z−A5(R313)(R323)aaである式I―AAの化合物)の化合物は、以下のスキーム22に示すとおりに調製された。
Q1、R313およびR323は、aa=0または1、A5=N、OまたはSである式Iの化合物について定義するとおりである。
式I−FおよびI−Gの化合物の一般的な調製において、以下の変換が生じる。式II−Fの化合物は、式II−Gの化合物を得るために、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な溶媒中の適切な還元剤で還元された。式II−Gの化合物は、式I−Fの化合物を得るために、前述のアンモノリシス条件にさらされた。また、式II−Fの化合物は、d=0、A5=N、R312およびR322が式Iの化合物に定義するとおりである式II−Hの化合物を得るために、還元アミノ化条件下(d=0、A5=N、R313およびR323が式Iの化合物に定義するとおりであるHA5(R313)(R323)aaを有するNaBH3CNまたはNaBH(OAc)3)において種々のアミンと反応することができる。前述のアンモノリシス条件での式II−Hの化合物(d=0、A5=N、R313およびR323が式Iの化合物に定義するとおりである、R3=Z−A5(R313)(R323)aaである式IIの化合物)の後続反応により式I−Gの化合物を得た。さらに、式II−GからII−Hの化合物と、式I−FからのI−Gの化合物は、II−BからII−Dと、I−BからI−Cにそれぞれ変換するためのスキーム19に記載される条件に従い合成することができる。
式I−C’’’の化合物(R3=Z−CH2−N(R312)(R322)である式I−AAの化合物}は、以下のスキーム23に示すとおり調製された。
Q1、R313およびR323は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A4=Cl、OTs、OMsまたはOTfなどの適切な脱離基である。
式I−C’’’の化合物(R3=Z−CH2−N(R312)(R322)である式I−AAの化合物)の一般的な調製において、以下の変換が生じる。式II−Jの化合物(R3=Z=CH2である式IIの化合物)は、式II−Bの化合物を得るために、THFなどの適切な溶媒中のジボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)、カテコールボランおよび類似体などの適切なヒドロホウ素化剤で反応され、続いて、塩基水溶液またはNaBO3−H2O中の過酸化水素などの適切な酸化剤で処理した。前述のアンモノリシス条件における式II−Bの化合物のさらなる反応により、式I−Bの化合物を得た。次いで、式I−Hの化合物を得るために、Ts2O、Ms2OまたはTf2Oにそれぞれ反応して、式I−Bの化合物のヒドロキシ基は、OTs、OMs、またはOTfなどの適切な脱離基A4に変換された。R313およびR323が式Iの化合物に規定するとおりであるHN(R313)(R323)を有する式I−Hの化合物のさらなる反応により、式I−C’’’の化合物(R3=Z−CH2−N(R313)(R323)である式I−AAの化合物)を得た。
式I−J(R3=Z−OH(CH2OH)である式I−AAの化合物)、I−K(R3=Z=Oである式I−AAの化合物)およびI−L(R3=Z−NR313R323である式I−AAの化合物)の化合物は、以下のスキーム24に示すとおりに調製された。
Q1、R312およびR322は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式I−J(R3=Z−OH(CH2OH)である式I−AAの化合物)、I−K(R3=Z=Oである式I−AAの化合物)、およびI−L(R3=Z−NR312R322である式I−AAの化合物)の化合物の一般的な調製において、式II−Jの化合物を、(R3=Z=CH2である式IIの化合物)の条件下で処理され、シスおよびトランス異性体の混合物としての式II−Kの化合物(R3=Z−OH(CH2OH)である式IIの化合物)を得るために、THFなどの適切な溶媒中のNMOの存在下における四酸化オスミウムなどの適切なジヒドロキシル化剤で反応させた。式II−Kの化合物(R3=Z−OH(CH2OH)である式IIの化合物)は、式II−Lの化合物(R3=Z=Oである式IIの化合物)を得るために、ジオールをケトン部分に変換するNaIO4を含むが、それらに限定されない適切な酸化剤で処理した。次いで、式II−Lの化合物(R3=Z=Oである式IIの化合物)は、式II−Mの化合物(R3=Z−NR312R322である式IIの化合物)を得るために、適切なアミン、HNR312R322およびNaBH(OAc)3またはNaBH(CN)3を含むが、それらに限定されない適切な還元剤を伴う一般的な還元アミノ化条件下で処理した。式II−Mの化合物(R3=Z−NR312R322である式IIの化合物)は、式I−Lの化合物(R3=Z−NR312R322である式I−AAの化合物)を得るために、アンモノリシス条件下で、110℃のステンレススチールボンブ内のイソプロパノール中のアンモニアで処理した。また、式II−Kの化合物(R3=Z−OH(CH2OH)である式IIの化合物)は、式I−Jの化合物(異性体の混合物としての、R3=Z−OH(CH2OH)である式I―AAの化合物)を得るために、上記記載のアンモノリシス条件下で処理した。式I−Jの化合物(R3=Z−OH(CH2OH)である式I−AAの化合物)は、式I−Kの化合物(R3=Z=Oである式I−AAの化合物)を得るために、ジオールをケトン部分に変換するNaIO4に限定されない適切な酸化剤で処理され、式I−Lの化合物(R3=Z−NR312R322である式I−AAの化合物)を得るために、上記記載の一般的な還元アミノ化条件下で処理した。
式I−Nの化合物(R3=Z−OH(CH2NR313R323である式I−AAの化合物)は、以下のスキーム25に示すとおり調製された。
Q1、R313およびR323は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A4=OTs、OMsまたはOTfなどの適切な脱離基である。
式I−Nの化合物(R3=Z−OH(CH2NR313R323)である式I−AAの化合物)
の一般的な調製において、式I−Jの化合物(R3=Z−OH(CH2OH)である式I−AAの化合物)の一次ヒドロキシル基は、式I−Mの化合物(R3=Z−OH(CH2A4)である式I−AAの化合物)を得るために、ジイソプロピルアミンまたはピラジンなどの適切な塩基の存在下、およびTHFまたは塩化メチレン中のTs2O、Ms2OまたはTf2Oとの反応によりOTs、OMsまたはOTfなどの適切な脱離基A4に変換された。THFまたは塩化エチレンなどの適切な溶媒中のHN(R313)(R323)との式I−Mの化合物(R3=Z−OH(CH2A4)である式I−AAの化合物)の反応により、式I−Nの化合物(R3=Z−OH(CH2NR313R323である式Iの化合物)を得た。
式I−Oの化合物(R3=Z3−OH(G11)である式Iの化合物)は、以下のスキーム26に示すとおり調製された。
Q1、G11は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
式I−Oの化合物(R3=Z−OH(G11)である式Iの化合物)の一般的な調製において、式II−Lの化合物(R3=Z=Oである式IIの化合物)のケトン部分を、式II−Nの化合物(R3=Z−OH(G11)である式IIの化合物)を得るために、THFなどの適切な溶媒中のMeMgBrまたはMeLiなどの適切な求核剤と反応させた。式II−Nの化合物(R3=Z−OH(G11)である式IIの化合物)を、式I−Oの化合物(R3=Z−OH(G11)である式Iの化合物)を得るために、アンモノリシス条件下で、110℃のステンレススチールボンブ内のイソプロパノール中のアンモニアに反応させた。また、式I−Oの化合物(R3=Z−OH(G11)である式Iの化合物)は、式I−Kの化合物(R3=Z=Oである式I−AAの化合物)を、THFなどの適切な溶媒中のMeMgBrまたはMeLiなどの適切な求核剤と反応させて調製された。
式I−PP’およびI−P’の化合物の式I−RRおよびI−Rの化合物へのそれぞれの変換は、Organic Letters,(2002),4(6),979、またはSynlett,(2002),(3),447に記載される条件などの、「Liebeskind−Srogl」と呼ばれる条件を使用して、ボロン酸エステルと反応して実現することができる。
式I−ABの化合物と式Iの化合物は同等であり、X1=CHであり、X2、X4およびX5=Nであり、X3、X6、X7=Cであり、Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、R3は、C0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、アミノメチルシクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシシリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換され、G11は、式Iの化合物について定義されるとおりである。
方法ABは、以下のスキーム28に示すとおり、式I−ABの化合物を調製する際に使用された。
方法AB
Q1およびR3は、式I―ABの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲンであり、Q1―B(OR)2=適切なボロン酸/エステルである。
式I−ABの化合物の一般的な調製において、式I−ABAの化合物を、一般的なスズキカップリング手順を介し、適切な溶媒中の式XIV−Z(Q1−B(OR)2)の適切なボロン酸/エステルと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、THF/水およびDMF/水であった。上記プロセスは、約20℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約80℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
代替方法は、式I−ABAから式I−ABの化合物の調製に適用可能であることを、当業者は理解するであろう。例えば、式I−ABAの化合物は、一般的なスティル結合手順を介して、適切な溶媒中の適切な有機スズ試薬Q1−SnBu3または類似体と反応することができる。
R3は、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換されたスキーム28の式I−ABAの化合物は、以下のスキーム29に示すとおりに調製された。
R3は、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換され、G11は、式Iの化合物について前述の通りであり、A11は、Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式I−ABAの化合物の一般的な調製において、式I−ABBの化合物を、一般的な光延条件下で、適切な反応剤の存在下における適切な溶媒中のアルコールR3−OHと反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。上記プロセスに使用する適切な反応剤は、トリフェニルホスフィンおよび同等物、およびアゾジカルボン酸(DIAD、DEAD、DBAD)を含むがそれらに限定されない。望ましい反応剤は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合したトリフェニルホスフィンおよびDIADであった。上記プロセスは、約−78℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約0℃から約25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。概して、式I−ABBの化合物の当量ごとに、トリフェニルホスフィン、DIADおよびR3−OHの1当量が使用された。
あるいは、式I−ABAの化合物は、式I−ABBの化合物をアルキル剤R3−LGでアルキル化して調製することができ、LGは、当業者に周知の一般的なアルキル化条件下における、塩素物、臭化物、ヨウ化物、トシラート、メシラート、トリフルオロメタンスフホナートを含むがそれらに限定されない脱離基である。
好ましくは、式I−ABBの化合物において、A11はBrおよびIである。これらの化合物は公知である(A11=I:H.B.Cottam et al.,J.Med.Chem.1993,36(22),3424−3430;A11=Br:T.S.Leonova et al.,Khim.Geterotsikl.Soedin.1982,(7),982−984)。
式I−ACの化合物と式Iの化合物は同等であり、X1およびX5=CHであり、X2およびX4=Nであり、X3、X6、X7=Cであり、Q1は、式Iの化合物に規定するとおりであり、R3は、C0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換され、G11は、式Iの化合物について定義されたとおりである。
方法ACは、以下のスキーム30に示すとおり、式I−ABの化合物を調製する際に使用された。
方法AC:
Q1およびR3は、式I―ACの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲンであり、Q1―B(OR)2=適切なボロン酸/エステルである。
上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、THF/水およびDMF/水であった。上記プロセスは、約20℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約80℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
代替方法は、式I−ACAから式I−ACの化合物の調製に適用可能であることを、当業者は理解するであろう。例えば、式I−ACAの化合物は、一般的なスティル結合手順を介して、適切な溶媒中の適切な有機スズ試薬Q1−SnBu3または類似体と反応することができる。
スキーム30の式I−ACAの化合物は、以下のスキーム31に示すとおりに調製された。
R3は、式I―ACの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式I−ACAの化合物の一般的な調製において、式XVの化合物を、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約80℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、ガラス製圧力管またはステンレス製スチールリアクタで実施することが望ましい。好ましくは、過剰のアンモニアを使用する。
式XVAの化合物(R3は、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシシクル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換される。)を、以下のスキーム32に示すとおりに調製した。
R3は、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、いずれも1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換され、G11は式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式XVAの化合物の一般的な調製において、式XVIの化合物を、一般的な光延条件下で、適切な反応剤の存在下における適切な溶媒中のアルコールR3−OHと反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、THFであった。上記プロセスに使用する適切な反応剤は、トリフェニルホスフィンおよび同等物、およびアゾジカルボン酸(DIAD、DEAD、DBAD)を含むがそれらに限定されない。望ましい反応剤は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合したトリフェニルホスフィンおよびDIADであった。上記プロセスは、約−78℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約0℃から約25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。概して、式XVIの化合物の当量ごとに、トリフェニルホスフィン、DIADおよびR3−OHの1当量が使用された。
あるいは、式XVAの化合物は、式XVIの化合物をアルキル剤R3−LGでアルキル化して調製することができ、LGは、当業者に周知の一般的なアルキル化条件下における、塩素物、臭化物、ヨウ化物、トシラート、メシラート、トリフルオロメタンスフホナートを含むがそれらに限定されない脱離基である。
式XVBの化合物(=R3は、1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールである、スキーム31の式XVの化合物)は、以下のスキーム33に示す通りに調製された。
R3は、1つ以上の独立したG11置換基で任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり、G11は、式Iの化合物について前述の通りであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式XVBの化合物の一般的な調製において、式XVIの化合物は、一般的な銅(II)触媒結合手順を介し、適切な溶媒中の式R3−B(OH)2の適切なボロン酸と反応させれた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、1、4−ジオキサンなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N―メチルピロリジノン(NMP)、塩化メチレン(CH2Cl2)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレン(CH2Cl2)であった。上記プロセスに使用する適切な反応物は、酢酸(Cu(OAc)2)銅(II)、銅(II)トリフラート(Cu(OTf)2)および類似体、ならびに塩基(ピリジンなど)を含むがそれらに限定されない。望ましい反応物は、Cu(OAc)2およびピリジンであった。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧の使用が可能であるが、上記大気圧で実施することが望ましい。望ましくは、反応は、約22℃で実施された。概して、式R3−B(OH)2の1.5eqの酢酸銅(II)、2eqのピリジンおよび2eqのボロン酸は、式XVIの化合物の当量毎に使用された。
式XVIのすべての化合物は文献で公知である(A11=I:L.B.Townsend et al.,J.Med.Chem.1990、33、1984−92;A11=Br、Cl:L.B.Townsendet al.,J.Med.Chem.1988,31,2086−2092)。望ましくは、A11=BrおよびIである。
一部の例において本明細書に記載の化合物の両R3およびQ1は、さらに組み換えることができる官能基を含む。官能基のかかる組み換えは、重要中間体または後期化合物で実現可能であることを、当業者は理解するであろう。かかる官能基変換を、以下のスキーム34から35ならびに実験の項に例示するが、かかる変換の範囲を限定する意味では一切ない。
式I−ACA’の化合物(R3=Z−CONR312R322である、式I−ACAの化合物)は、以下のスキーム34に示すとおり、式VX’の化合物(R3=Z−CO2A3である、式XVの化合物)から調製された。
R312およびR322は、および式Iの化合物で前述のとおりであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲンであり、A3=水素またはメチルまたはエチルなどのアルキルである。
式I−ACA’の化合物の一般的な調製において、A3=アルキルであり、R312およびR322は共にHに相当する場合、適切な溶媒中のアンモニアとの式XV’の化合物の反応により、式I−ACA’の化合物を得た。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用するが、望ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約80℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、ガラス製圧力管またはステンレス製スチールリアクタで実施されることが望ましい。 好ましくは、過剰のアンモニアを使用する。また、式I−ACA’の化合物(R3=Z−CONR312R322である、式I−ACAの化合物)の一般的な調製において、式XVの化合物(R3=Z−CO2A3である、式XV’の化合物)を、HNR312R322に続き、適切な溶媒中のアンモニアに反応させた。A3=Hである場合、一般的な結合手順(SOCl2または塩化オキサリルの処理を介し−CO2Hから−COClへの変換に続き、HNR312R322との反応、またはDMAP、HOBT、またはHOAtおよび類似体に関連するEDCまたはDCCによる−CO2HおよびHNR312R322の処理)は、カルボン酸からアミドへの変換を提供するために用いられた。A3=メチルまたはエチルなどのアルキルである場合、Al(NR312R322)によるエステルの処理により、−CO2A3から−CO(NR312R322)への変換が提供された。アンモニアによる後続処理により式I−ACA’の化合物が提供された。
スキーム34に示す化学式は、A11の代わりにQ1を有する化合物に適用することも可能である。
式XVIII(R3=Z−CH2COである、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)、XIX(R3=Z−CH2LGである、式XVの化合物)およびXX(R3=Z−CH2A5(R313)(R323)aa)である、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の化合物は、以下のスキーム35に示すとおりに調製された。
Q1、R313およびR323は、式Iの化合物に前述のとおりであり、LG=トシレート、メシレート、トリフルオロメタンスルホネート、またはクロロ、ブロモまたはイオドなどのハロなどの適切な脱離基であり、aa=0または1であり、A3=水素またはメチルまたはエチルなどのアルキルであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンであり、A12=ClまたはNH2であり、A13=A11またはQ1であり、A5=N、O、またはSである。
以下の表は、式XVII−XX、A12、A13、式I−AC、I−ACAおよびXVの化合物、およびR3との間の関係を示す。
式XVIIIの化合物(R3=Z−CH2OHである、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の一般的な調製において、式XVIIの化合物(R3=Z−CO2A3である、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物は、式XVIIIの化合物を提供するために、THFまたは塩化メチレンなどの適切な溶媒中の水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適切な還元剤で処理される。式XXの化合物(R3=Z―CH2A5(R313)(R323)aaである、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の一般的な調製において、式XVIIIの化合物のヒドロキシ基は、式XIXの化合物(R3=Z―CH2LGである、式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)を提供するために、SOCl2またはTs2O、Ms2OまたはTF2Oとの反応により、Clまたはトシレート、メシレート、またはトリフラートなど適切な還元基(LG)に変換された。HA5(R313)(R323)aaとの式XIXの化合物の反応により、式XXの化合物が提供された。当業者は、スキーム31に記載するとおり、A12=ClからA12=NH2に変換し、必要に応じて、スキーム30に記載するとおり、A13=A11からA13=Q1に変換するためのスキーム35に示す配列中に、最も好適な段階を選択するであろう。
式I−ACの化合物の別の調製を、スキーム36に示す。
Q1およびR3は、式Iの化合物に定義したとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式XXIの化合物は、メチルリチウムまたはメチルグリニャール試薬の添加に続き、得られたアルコールの式XXIのケトンへ酸化して、アルデヒドQ1−CHO(調製についてはスキーム14を参照)から生成されてもよい。別の化合物は、市販されており、当業者に周知の方法で調製することができる。Larock、R.C.Comprehensive Organic Transformation,2nded.,Wiley and Sons: New York,1999,1197ff参照。B2、NBS、ピリジニウムペルブロミド、またはCuBr2(A11=Br)、またはNCSまたはSO2Cl2(A11=Cl)を含むがそれらに限定されない、一般的なハロゲン化試薬を使用した一般的なハロゲン化条件下での式XXIの化合物の反応により、式XXIIの化合物が得られる。式H2N−R3のアミンとのそれらの反応により、塩基性条件下においてマロノニトリルとの反応で式XXIVのアミノシアノピロールに変換される、式XXIIIのアミノケトンが得られる。最後に、一般的な還化条件下における式XXIVの化合物の反応により、式I−ACの化合物が得られる。この環化の条件は、ホルムアミドで加熱、ホルムアミドおよびアンモニアで加熱、トリアルキル・オルトギ酸塩、アンモニアおよび塩基で連続処理、ホルムアミジンおよびアンモニアで連続処理を含むがそれらに限定されない。
一部の状態において、上記プロセスのうちの1つにより修飾された官能基と同等あるいは、それと同一の反応度を有する置換基は、保護に続き、所望生成物を提供し、不要な副反応を回避するための脱保護を行う必要があることを、当業者は理解するであろう。あるいは、本発明内に記載される別のプロセスは、競合する官能基を回避するために使用されてもよい。適切な保護基の例およびそれらの添加および除去方法は、以下の参考文献に見ることができる。「Protective Groups in Organic Syntheses」,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons;1989。
式I−AQの化合物は、X=CH、X2、X3およびX5=N、X4、X6およびX7=CおよびJ=HまたはNH2である、式Iの化合物と同等である。
方法AQは、以下のスキーム37に示すとおり、式I−AQの化合物を調製する際に使用された。
方法AQ:
Q1およびR3は、式Iの化合物で前述のとおりであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲン、B(OR)2=適切なボロン酸/エステル、およびJ=HまたはNH2である。
式I−AQの化合物の一般的な調製において、式II−Qの化合物を、一般的なスズキカップリング手順を介し、適切な溶媒中の適切なボロン酸/エステル(Q1−B(OR)2)と反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、水、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、グリム/水であった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約80℃から約100℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
代替方法は、式I−AQからII−Qの化合物の調製に適用可能であることを当業者は、理解するであろう。例えば、式II−Qの化合物は、一般的なスティル結合手順を介して、適切な有機スズ試薬Q1−SnBu3または適切な溶媒中の同等物と反応することができる。
スキーム37の式II−Qの化合物は、以下のスキーム38に示すとおりに調製された。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br,またはIなどのハロゲンであり、J=HまたはNH2である。
式II−Qの化合物の一般的な調製において、式III−Qの化合物を、オキシ塩化リン(POCl3)およびトリアゾール、ならびにピリアジンに続き適切な溶媒中のアンモニア(NH3)と反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)、またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むが、それらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記プロセスは、約−20℃から約50℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約0℃から約25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム38の式III−Qの化合物を、以下のスキーム39に示すとおりに調製した。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br,またはIなどのハロゲンであり、J=HまたはNH2である。
式III−Qの化合物の一般的な調製において、中間体V−Qは、式IV−Qの化合物に変換された。式V−Qの中間体は、適切な反応温度において、適切な溶媒中のオキシ塩化リン(POCI3)で処理した。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および同等物などのエーテル、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒、およびアセトニトリルを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒はアセトニトリルであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。式III−Qの中間体を、式IV−Qの中間体を適切なハロゲン化試薬と反応して調整した。適切なハロゲン化試薬は、Br2、I2、C2l、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、またはN−ヨードスクシンイミドを含むが、それらに限定されない。望ましいハロゲン化試薬は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、DMFであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約75℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
J=NH2である式IV−QおよびIII−Qの混合物は、当業者に周知のジアゾ化手順により、J=Hである式IV−QおよびIII−Qの化合物にそれぞれ変換することができる。一般的な手順は、THFまたはDMFなどの適切な溶媒中のtert−硝酸イソブチルによる、J=NH2である式IV−QまたはIII−Qの化合物の処理を含む。
スキーム39の式V−Qの化合物を、以下のスキーム40に示すとおりに調製した。
R1は式Iの化合物に規定するとおりであり、A1=OH、アルコキシ、またはクロロまたはイミダゾルなどの脱離基であり、J=HまたはNH2である。
式V−Qの化合物の一般的な調製において、式VI−Qの化合物および式Vの化合物を、適切なアミド結合条件下で反応させた。適切な条件には、DMAP、HOBt、HOAtおよび類似体、またはEEDQのような試薬に関連した、DCCまたはEDCなどの結合試薬で、式VI−QおよびV(A1=OHの場合)の化合物を処理することを含むが、それらに限定されない。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。あるいは、式VI−QおよびV(A1=F、Cl、Br,Iである)の化合物を、DMAPおよび類似体に関連する、トリエチルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンおよび類似体などの塩基と反応させた。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ピリジン、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、DMFであった。上記プロセスは、約−20℃から約40℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、0℃から25℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、式VI−QおよびV(A1=F、Cl、Br、Iである)の化合物の実質的等モル量およびDMAPの塩基および半化学量論的量を使用することが望ましい。さらに、アミド(式V−Qの化合物)へのアミンの(式VI−Qの化合物)変換において別の適切な反応条件は、Larock、R.C.のComprehensive Organic Transformations,2nd ed.;Wiley and Sons New York,1999,pp1941−1949に見ることができる。
J=Hであるスキーム40の式VI−Qの化合物を、以下のスキーム41に示すとおりに調製した。
式VI−Qの化合物の一般的な調製において、式VII−Qの化合物は、適切な溶媒中の適切な反応条件下で反応する。 適切な条件は、適切な溶媒中のヒドラジンまたはメティルヒドラジンでの式VII−Qの化合物の処理を含む。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたは塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒、メタノールおよびエタノールなどのアルコール溶媒を含むが、それらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されるが、望ましい溶媒は、エタノールおよび塩化メチレンであった。上記プロセスを、約0℃から約80℃の温度で実施した。
好ましくは、反応は約22℃で実施された。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
J=NH2である式VI−Qの化合物は、J.Het.Chem.,(1984),21,697に記載される手順に従って調製されてもよい。
スキーム41の式VII−Qの化合物を、以下のスキーム42に示すとおりに調製した。
式VII−Qの化合物の一般的な調製において、式VIII−Qの化合物を、適切な溶媒中のラネーニッケルと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、エタノールであった。上記プロセスは、約rtから約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約80℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。さらに、式VII−Qの化合物は、式VIII−Qの化合物を、適切な溶媒中の適切な酸化剤と反応して調製することができる。適切な酸化剤は、過酸化水素(H2O2)、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)および類似体を含むがそれらに限定されない。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、THF、グリム、および類似体などのエーテル、DMF、DMSO、CH3CN、およびジメチルアセトアミド(DMA)、CH2C2またはCHCl3などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒はDMAであった。上記プロセスは、約0℃から約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約rtから約70℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム42の式VIII−Qの化合物を、以下のスキーム43に示すとおりに調製した。
式VIII−Qの化合物の一般的な調製において、式IX−Qの化合物を、適切な溶媒中の適切な塩基と反応させた。適切な塩基は、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンおよび類似体を含むが、それらに限定されない。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、エタノールであった。上記プロセスは、約rtから約100℃の温度で実施することができる。望ましくは、反応は、約40℃から約80℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。式IX−Qの化合物は、Knutsen,Lars J.S.et.al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999),1984,229−238の文献の手順に従って調製することができる。
一部の状態において、上記プロセスのうちの1つにより修飾された官能基と同等あるいは、それと同一の反応度を有する置換基は、保護に続き、所望生成物を提供し、不要な副反応を回避するための脱保護を行う必要があることを、当業者は理解するであろう。あるいは、本発明内に記載される別のプロセスは、競合する官能基を回避するために使用されてもよい。適切な保護基の例およびそれらの添加および除去方法は、以下の参考文献に見ることができる。「Protective Groups in Organic Syntheses」,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,1989。
方法AWは、以下のスキーム44に示すとおり、式II−Qの化合物を調製する際に使用された。
方法AW:
Q1およびR3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式II−Qの化合物の一般的な調製において、式III−Wの化合物を、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記プロセスを、約0℃から約50℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約0℃から約22℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム44の式III−Wの化合物は、以下のスキーム45に示すとおりに調製された。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。
式III−Wの化合物の一般的な調製において、化合物V−Wは、式IV−Wの化合物に変換された。式V−Wの化合物は、適切な反応温度において、適切な溶媒中のオキシ塩化リン(POCI3)または単離した「フィルスマイヤー塩」[CAS#33842−02−3]で処理した。上記プロセスで使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、および同等物などのエーテル、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒、およびアセトニトリル(CH3CN)を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒はアセトニトリルであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。式III−Wの化合物を、式IV−Wの化合物を適切なハロゲン化試薬と反応して調整した。適切なハロゲン化試薬は、Br2、I2、Cl2、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、またはN−ヨードスクシンイミドを含むが、それらに限定されない。望ましいハロゲン化試薬は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル・スルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノール、および類似体などのアルコール、塩化メチレン(CH2Cl2)またはクロロホルム(CHCl3)などの塩素系溶媒を含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、望ましい溶媒は、DMFであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約75℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。必要に応じて、高圧または低圧が使用されたが、反応剤の実質的等モル量を使用することが望ましい。
スキーム45の式V−Wの化合物を、以下のスキーム46に示すとおりに調製した。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、X12=アジド、またはモノまたはジ−保護アミノであり、A1=OH、アルコキシまたはクロロまたはイミダゾルなどの脱離基である。
式V−Wの化合物の一般的な調製において、化合物VI−Wを、適切なアミド結合条件下の化合物Vと反応させた。適切な条件は、スキーム10に示すとおり、化合物XIIIの化合物XIIへの変換に記載される条件を含むがそれらに限定されない。式VI−Wの化合物を、式VII−Wの化合物から調整した。式VII−Wの化合物を式VI−Wの化合物に変換する一般的な手順は、X12=アジドである式VII−Wの化合物を、適切な反応温度において適切な溶媒中の接触水素化を含むがそれらに限定されない状態に還元することを伴う。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムおよび類似体などのエーテル、メタノール、エタノール、および類似体などのアルコール、酢酸エチル、酢酸メチルおよび類似体などのエステルを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい触媒は、酢酸エチルおよびメタノールであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。あるいは、X12=アジドである場合、式VI−Wの化合物の還元は、適切な反応温度において適切な溶媒中の水の存在下のトリアリールまたはトリアルキルホスフィンで式VII−Wの化合物を処理して実現することができる。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンおよび類似体などのエーテル、メタノール、エタノール、および類似体などのアルコール、酢酸エチル、酢酸メチルおよび類似体などのエステル、DMF、アセトニトリルおよびピリジンを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒は、THFおよびアセトニトリルであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。
X12=モノ、またはジー保護アミノである場合、脱保護は、当事者に周知であり、「Protective Groups in Organic Syntheses」,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,1989に開示される手順により達成することができる。
スキーム46の式VII−Wの化合物を、以下のスキーム47に示すとおりに調製した。
R3は、式Iの化合物に規定するとおりであり、X12は、式VII−Wの化合物に規定するとおりであり、A12=ヨード、ブロモ、クロロ、トシラート、メシラートまたは他の脱離基である。
X12=アジドである式VII−Wの化合物の一般的な調整において、化合物VIII−Wを、適切な反応温度において適切な溶媒中のリチウムまたはアジ化ナトリウムなどのアジド塩で反応させた。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、エタノール、ブタノールおよび類似体などのアルコール溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルおよび類似体などのエステル、DMF、アセトニトリル、アセトンDMSOを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒は、アセトンおよびDMFであった。上記プロセスを、約−78℃から約120℃の温度で実施した。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。あるいは、X12=モノまたはジー保護アミノである場合、式VIII−Wの化合物は適切に保護されたアミンで反応させられ、窒素の求核的性質が維持される、あるいは塩基などの試薬の作用により強化されるように保護基が選択される。かかる保護基は、BOC、CBZおよびFMOCなどの、ベンジル、トリチル、アリル、およびアルキルオキシカルボニル誘導体を含むがそれらに限定されないことを、当業者は理解するであろう。
A12=ハロゲンである式VIII−Wの化合物は、式XI−Wの化合物から調整される。一般的な手順において、式XI−Wの化合物は、望ましくは、適切な反応温度において適切な溶媒中の過酸化ジベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、または光などの1つ以上のラジカル源の存在下で、N−ヨードスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、トリクロロイソシアヌル酸、N、N’−1,3−ジブロモ−5、5−ジメチルヒダントイン、臭素、およびヨードを含むがそれらに限定されないハロゲン化試薬で処理する。上記プロセスに使用する適切な溶媒は、四塩化炭素、ジクロロメタン、α、α、α−トリフロロトルエンおよび類似体などの塩素系溶媒、ギ酸メチル、酢酸メチルおよび類似体などのエステル、DMF、アセトニトリルを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒は、四塩化炭素およびα、α、α−トリフロロトルエンであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。
代替的に、A12=トシラートまたはメシラートである式VIII−Wの化合物を、スキーム48に示すとおり、式X−Wの化合物から調整した。式VIII−Wの化合物の一般的な調製において、式X−Wの化合物を、適切な反応温度において適切な溶媒中のDIPEAまたはトリエチルアミンを含むがそれらに限定されない塩基の存在下で、塩化メタンスルホニル、またはp−塩化トルエンスルホニルなどのスフホニル化試薬と反応させた。上記反応使用する適切な溶媒は、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタン、および類似体などの塩素系溶媒、TFH、ジエチルエーテルおよび類似体などのエーテル、DMFおよびアセトニトリルを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒は、THFおよびジクロロメタンであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。
式X−Wの化合物を、式XI−Wの化合物から調製した。式X−Wの化合物の一般的な調整において、式XI−Wの化合物を、適切な反応温度において適切な溶媒中の水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、または水素化アルミニウムリチウムを含むがそれらに限定されない還元剤と反応させた。上記反応に使用する適切な溶媒は、THF、ジエチルエーテル、および類似体などのエーテルおよびエタノール、メタノールイソプロパノールおよび類似体などのアルコールを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。望ましい溶媒は、THFおよびメタノールであった。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。
式XI−Wの化合物を、式XI−Wの化合物から調製した。式XI−Wの化合物の一般的な調整において、式IX−Wの化合物を、適切な反応温度において適切な溶媒中の二酸化セレン、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムおよび類似体を含むがそれらに限定されない酸化剤と反応させた。上記反応使用する適切な溶媒は、ジクロロメタン、1、2−ジクロロエタン、および類似体などの塩素系溶媒、水、酢酸およびスルホランを含むがそれらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。上記プロセスは、約−78℃から約120℃の温度で実施された。望ましくは、反応は、約40℃から約95℃で実施する。本発明の化合物を生成するための上記プロセスは、必要に応じて高圧または低圧が使用されたが、ほぼ大気圧で実施することが望ましい。
式IX−Wの化合物は、例えばBulletin de la Societe Chimique de France,(1973),(6)(PT.2)、2126の文献に開示される手段により生成することができることを、当業者は理解するであろう。
式I−AQの化合物および/またはそれらの先駆物質は、不適合化学の結果、直接導入されない場合もある一部の官能性にアクセスする手段として、多様な官能器の相互変換に左右される場合がある。式I−AQの化合物およびそれらの前駆物質に適用可能なかかる官能基操作の例は、それらに限定されないが、式I−AA、I−P、I−P’、I−Q、I−R、I−ABおよびI−ACの化合物に関連したスキーム16−27、34および35に記載する例と類似する。
実験手順
8−クロロ−3−シクロブチル−イミダゾル[1,5−a]ピラジン
この化合物を、4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸の代わりに、シクロブタンカルボン酸を使用して、トランスーメチル4−(8―クロロイミダゾ[1、5−α]ピラジン−3−yl)クロロヘキサンカルボン酸塩およびその前駆物質、トランス−メチル4−({[(3−クロロピラジン−2−yl)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキサンカルボン酸塩に記載する手順に類似する手順を使用して調製した。
8−クロロ−3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン
無水DMF(10mL)中の8−クロロ−3−チクロブチルイミダゾ[1、5−α]ピラジン(1058mg、5.1mmol)およびNIS(1146mg、5.1mmol)は、Ar下で6時間、60℃で撹拌された。反応は、DCM(約400mL)で希釈され、洗浄され(H2O、塩水)、乾燥され(Na2SO4)、減圧下で濃縮された。シリカゲル(50gカートリッジ、10:1−8:1−7:1−6:1のヘキサン:EtOAc)のフラッシュクロマトグラフィーによる粗成物の精製により、淡黄色の固体としての表題化合物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.51(d、J=4.8Hz、1H)、7.26(d、J=4.8Hz、1H)、3.75(quintetd、J=1.2Hz、8.4Hz、1H)、2.62−2.42(m、4H)、2.32−1.98(m、2H);MS(ES+):m/z 334.0(100)[MH+];HPLC:tR=3.38分(OpenLynx、polar_5min)。
3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1、5−α]ピラジン−8−アミン
IPA(100mL)中に8−クロロ−3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1、5−α]ピラジン(759mg、2.3mmol)を含むパールボンブは、0℃で5分間、HN3(g)で飽和され、次いで密閉され、115℃で38時間加熱された。次いで、反応混合物は、減圧下で濃縮され、DCM(200mL)とH2O(50mL)との間で分割され、DCM(50mL)で抽出された。結合した有機部分は、白色固体の表題化合物を提供するために、塩水で洗浄され、乾燥され(Na2SO4)減圧下で濃縮された;1H NMR(400MHz、CDCl3)δ7.13(d、J=4.8Hz、1H)、7.01(d、J=5.2Hz、1H)、5.63(br、2H)、3.73(quintetd、J=0.8Hz、8.4Hz、1H)、2.60−2.38(m、4H)、2.20−1.90(m、2H);MS(ES+):m/z315.9(100)[MH+]、HPLC:tR=1.75分(OpenLynx、polar_5min)。
7−シクロヘキシル−5−ヨードイミダゾ[5、1−f][1、2、4]トリアジン−4−アミン
アセトニトリル(23mL)中の1H−1、2、4−トリアゾル(1g、0.02mol)の懸濁液に、0℃で、塩化ホスホリル(0.6mL、0.007mol)およびトリエチルアミン(3mL、0.02mol)を滴下で添加した。この混合物に、7−シクロヘキシル−5−ヨードイミダゾ[5、1−f][1、2、4]トリアジン−4(3H)−オン(77mg、0.224mmol)を添加し、得られた混合物を、一晩還流した。次いで、冷却した混合物を、rtで30分間撹拌したiPrOH(pH8)中の過剰NHで急冷し、ろ過し、DCMで洗浄された固体を単離した。ろ過物は、真空で濃縮され、DCM中の2%MeOHで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーで精製され、7−シクロヘキシル−5−ヨードイミダゾ[5、1−f][1、2、4]トリアジン−4−アミンを得た。1H NMR(400MHz−DMSO−d6)δ1.14−1.91(m、10H)、3.11−3.18(m、1H)、6.75(br.s、1H)、7.84(s、1H)8.42(bs、1H);MS(ES+):m/z:344.01(100)[MH+]。HPLC:tR=3.10分(OpenLynz:polar_5min)。
7−シクロヘキシル−5−ヨードイミダゾ[5、1−f][1、2、4]トリアジン−4(3H)−オン
DMF(0.6mL)と7−シクロヘキシルイミダゾ[5,l−f|[l,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(130mg、0.6mmol)の溶液にN−ヨードスクシンイミド(700mg、0.003mol)を加え、反応混合物を55℃で20時間攪拌した。この後、混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(4x40mL)で抽出した。有機抽出物を水(4x40mL)で洗浄し、チオ硫酸ナトリウムおよび塩水で処理し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮し、7−シクロヘキシル−5−ヨードイミダゾ[5,l−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オンを得た。1H NMR(400MHz−DMSO−d6)δ1.34−1.37(m、3H)、1.52−1.56(m、2H)、1.76−1.88(m、5H)、3.06−3.08(m、1H)7.87(s、1H)11.78(s、1H);MS(ES+):m/z:344.95(100)[MH+]。HPLC:tr=2.95分(OpenLynx:polar_5min)。
7−シクロヘキシルイミダゾ[5,l−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
DMF(7.5mL)と6−アミノメチル−4H−[1,2,4]トリアジン−5−オン(250mg、1.98mmol)の懸濁液に2−(1H−ベンゾトリアゾール−l−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸(760mg、2.38mmol)、シクロヘキサンカルボン酸(305mg、2.38mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.6mmol)を加えた。1時間後、アセトニトリル(40mL)を混合物に加え、塩化ホスホリル(0.28mL、3.0mmol)を滴下で加え、反応混合物を55℃で1時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、DCMと3%MeOHで溶出するシリカゲルでクロマトグラフにかけ、7−シクロヘキシルイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オンを得た。1H NMR(400MHz−DMSO−d6)δ1.24−1.91(m、10H)、3.08−3.16(m、1H)、7.68(s、1H)7.88(s、1H)11.76(s、1H);MS(ES+):m/z:219.24(100)[MH+]。HPLC:tR=2.44分(OpenLynx:polar_5min)。
trans−[4−(8−アミノ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メタノール
trans−[4−(8−クロロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メタノール(26.50g、67.66mmol)を400mLのスチールボンブで充填し、イソプロパノール(300mL)および無水THFと(10mL)2MNH3で希釈した。反応混合物を−78℃まで冷却した。溶液に8分アンモニアガスを強力に泡立てた後、ボンブを硬く密閉し、120℃で20時間加熱した。粗生成物を真空で濃縮し、反応残留物をMeOH/CHCbで溶かし、シリカゲルで負荷した。混合物を[MeOH/CHCl3と1:1CH2Cl2/EtOAcから10%〜7NNH3で溶出する]シリカゲルガラスカラムクロマトグラフィーで精製し、ベージュ系クリームホワイト固体として所望の生成物を得た。MS(ES+):m/z373.01(100)[MH+]、373.98(50)[MH+2];tR(polar−5min/openlynx)1.57分。
trans−[4−(8−シクロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メタノール
無水DMF(360mL)とtrans−[4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メタノール(18.00g、67.74mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(19.81g、88.06mmol)を60℃でN2下で6時間攪拌した。反応物をDCM(〜600mL)で希釈し、水および塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した後、真空で濃縮した。粗生成物をゲルフラッシュクロマトグラフィー(1:2EtOAc/DCMから1:1EtOAc/DCMで溶出する)で精製し、淡黄色固体である所望の生成物を得た。1H NMR分析によって、生成物は0.35eq.のNIS−不純物で汚染されていた。生成物にさらなる精製を行わずに次の反応を継続した。MS(ES+):m/z391.92(100)[MH+]、393.88(50)[MH+2]、394.89(10)[MH+3];tR(polar−5min/openlynx)2.79分。
trans−[4−(8−シクロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メタノール
trans−メチル4−(8−シクロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキサンカルボキシレート(29.70g、101.1mmol)のTHF溶液(1.00L)を−78℃まで冷却し、LAH(THFの1M、25.3mmol、25.3mL)を滴下で充填した。30分後、反応混合物に付加的なLAH(25.3mmol)を−78℃で充填した後、−78℃で1.5時間攪拌した。反応物をゆっくりとrtまで温め、さらに30分攪拌した。エチルアセテート、Na2SO4−10H2O、およびシリカゲルを反応混合物に加え、真空で濃縮し、オレンジ色の固体を得た。粗生成物をシリカゲルガラスカラムクロマトグラフィーで精製し、(2:3EtOAc/DCMから100%EtOAcで溶出する)わずかに黄色い白色固体として表題化合物を得た。1HNMR(CDCl3、400MHz)δ1.14−1.30(m、2H)、1.61−1.75(mc、1H)、1.84(ddd、J=13.2、13.2、13.2、3.2Hz、2H)、1.98−2.13(m、4H)、2.19(s、br、−OH)、2.94(tt、J=11.6、3.2Hz、1H)、3.56(d、J=6.0Hz、2H)、7.31(d、J=5.2Hz、1H)、7.64(dd、J=5.2、1.2Hz、1H)、7.79(d、J=0.8Hz、1H);MS(ES+):m/z266.21/268.17(100/89)[MH+]。HPLC:tR=2.38分(OpenLynx、polar_5min)。MS(ES+):m/z266.21(100)[MH+]、268.17(80)[MH+2]、289.18(20)[MH+3];tR(polar−5min/openlynx)2.36分。
カルボキシエステルの加水分解のための一般的な手順
エタノール(200mL)とカルボキシエステルの溶液/スラリ(30.17mmol)に3.0Mの水(15.1mL)と水酸化ナトリウムを加え、混合物を40℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧下40℃で除去し、残留物に水(10mL)およびエタノール(10mL)を加え、スラリをろ過した。ろ過固形物をエタノール(2x10mL)で洗浄し、真空下で乾燥し、ナトリウム塩を得た。遊離酸の単離のため、水をこの塩に加え、スラリをギ酸で酸化し、RTで10分攪拌し、ろ過した。ろ過固形物を水、エタノールで洗浄し、カルボン酸を得た。
trans−メチル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロへキサンカルボキシレート
無水アセトニトリル(930mL)および無水DMF(9mL)とtrans−メチル4−({[(3−シクロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}カルボニル)−シクロヘキサンカルボキシレート(29.00g、93.02mmol)を溶解し、窒素下55℃で3時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮した後、固体残留物をDCMで溶かし、イソプロパノールと2MアンモニアでpH10塩基性化した。混合物を真空で濃縮し、DCMと再溶解した後、TEA−塩基性化シリカゲル上で負荷した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:3EtOAc/DCMで溶出)で精製し、黄色粉末である表題の化合物を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ1.63(ddd、J=13.2、13.2、13.2、3.2Hz、2H)、1.85(ddd、J=13.2、13.2、13.2、2.8Hz、2H)、2.10(dd、J=14.4、3.2Hz、2H)、2.19(dd、J=14.0、3.2Hz、2H)、2.46(tt、J=12.4、3.6Hz、IH)、2.96(tt、J=11.6、3.2Hz、1H)、3.70(s、3H)、7.33(dd、J=5.2、1.2Hz、1H)、7.61(d、J=4.8Hz、1H)、7.79(s、1H)。MS(ES+):m/z294.17/296.14(100/86)[MH+]。
HPLC:tR=2.85分(OpenLynx、polar_5min)。
trans−メチル4−({[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキサンカルボキシレート
4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(15.14g、81.30mmol)とCDI(13.18g、81.30mmol)のTHF(37OmL)溶液を窒素雰囲気化に置き、60℃で4時間攪拌した。反応混合物をrtまで冷却した後、(3−クロロピラジン−2−イル)メチルアミンビス−塩酸塩(16.00g、73.91mmol)およびDIPEA(31.52g、244.00mmol、42.5mL)を加えた。60℃で20時間攪拌した後、反応物を真空で濃縮した。粗反応混合物をシリカゲルガラスカラムクロマトグラフィー(3:2DCM/EtOAcで溶出)で精製し、所望のわずかに黄色みがかったクリーム状白色粉末を得た。1H NMR(CDCl3、400MHz)δ1.43−1.65(m、4H)、2.01−2.14(m、4H)、2.25(tt、J=12.0、3.6Hz、1H)、2.34(tt、J=11.6、3.2Hz、1H)、3.68(s、3H)、4.70(d、J=4.4Hz、2H)、6.81(s、br、−NH)、8.32−8.36(m、1H)、8.46(d、J=2.4Hz、1H);MS(ES+):m/z312.17/314.12(84/32)[MH+];HPLC:tR=2.44分(OpenLynx、polar_5min)。
[3−(8−アミノ−l−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−シクロブチル]メタノール
i−PrOH(200mL)と[3−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロブチル]メタノール(6.9g)をアンモニアのゆっくりとした流れを介して10分−20°でCNH3(g)で飽和した後、パールボンブで110℃で2時間加熱した。反応混合物をrtまで冷却し、焼結したガラスを介してろ過し、固形残留物およびパール容器をi−PrOHで数回洗浄した。ろ過物を減圧下で濃縮し、NH4Clをまだ含んでいるオレンジ色固体を得た。この物質を還流MeCN(250mL)で溶かし、熱い状態でろ過した。この処置を熱MeCN(200mL)の他の部分に繰り返した。合成したMeCNろ過物を減圧下で濃縮し、オレンジ色固体である表題化合物を得た。HPLC:(polar5min)0.53および1.51分;MS(ES+):345.1(100、M++1);1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ7.50(d、J=5.2Hz、1H)、7.44(d、J=5.2Hz、0.27H、マイナー異性体)、6.95(d、J=5.2Hz、1.29Hマイナー異性体と重なる)6.63(br、2H)、4.61(t、J=5.2Hz、0.27H、マイナー異性体)、4.52(t、J=5.2Hz、1H)、3.69(五重、J=5.6Hz、0.32H、マイナー異性体)、3.54(五重、J=5.6Hz、1H)、2.52−2.25(m、4H)、2.10−2.00(m、1H)。
[3−(8−クロロ−1−ヨード−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−シクロブチル]−メタノール
無水DMF(100mL)とNIS(6.31g、28.0mmol)の溶液をAr下で乾燥[3−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロブチル]メタノール(6.67g)に加え、無水DMF(30mL)と溶解した。[3−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロブチル]メタノールを含むフラスコを無水DMF(20mL)の他の部分ですすぎ、すすいだ液を反応混合物に加えた。この反応物を60℃まで(rt→60℃〜30分)加熱し、この温度で3時間攪拌した。混合物をrtまで冷却し、IMaqNa2S2O3(60mL)、塩水(60mL)およびDCM(160mL)間で分割した。aq層をDCM(3x100mL)で抽出した。合成した有機物を(Na2SO4)で乾燥し、減圧下で濃縮し、SiO2(DCMと0−8%MeOH)でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、TLCおよびHPLCの両方上でUVによって均質である、DMFをまだ含んでいる物質を得た。物質をDCM(200mL)で溶解し、水(3x40mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、淡黄色固体の表題化合物を得た。HPLC(polar5min)2.52分;MS(ES+):m/z(rel.int.)364.0(100、M++1);1HNMR(400MHz5CDCl3)δ7.59(d;J=4.8Hz、1H)、7.49(d、J=4.8Hz、0.22H、マイナー異性体)、7.29(d、J=4.8Hz、1H)、7.28(d、J=5.2Hz、0.23H、マイナー異性体)、3.83−3.80(m、0.7H)、3.72−3.62(m、3H)、2.75−2.55(m、4H)、2.42−2.32(m、1−2H)。
[3−(8−クロロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−シクロブチル]−メタノール
無水THF(255mL)と8−クロロ−3−(3−メチレンシクロブチル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン(4.48g、20.4mmol)の溶液を−78℃でAr下、9−BBN(61.2mL、THFの0.5M、30.6mmol)を8分間にわたって滴下で加えた(懸濁)。冷却槽を冷−H2Oに置換え、反応物をrtまでゆっくりと温めた。17時間攪拌した後、H2O(100mL)を加え〜5分後、NaBO3・H2O(12.2g、122.3mmol)を1ロットで加えた。反応物をrtで5時間攪拌し、セライトでろ過した。セライトおよび残留物をDCMとEtOAcで洗浄した。ろ過物を減圧下で濃縮し、aq溶液を得、溶液をNaClで飽和し、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、淡黄色油を得、SiO2(9:1DCM:MeOH)でフラッシュクロマトグラフィーで精製し、淡黄色油である表題の化合物を得た。HPLC:tR(質量分離高性能液体クロマトグラフ、polar7min)2.52分;MS(ES+):238.0.添加を0℃で行ってもよい。懸濁は冷却槽の交換の後に素早く透き通る。最終生成物は9−BBN由来の、1,5−cis−オクタンジオールを含む。1H NMRに基づき、およそ66%が対象物質であり、33%が副産物であることが推定される。粗生成物を次の段階原料に取り入れ、1HNMRのよって調整された原料の立体選択性は4−5:1である。
(8−シクロ−3−(3−メチレン−シクロブチル)−イミダゾ[1,5a]ピラジン)
3−メチレン−シクロブタンカルボン酸(3−クロロ−ピラジン−2−イルメチル)−アミド(52.1g、219.2mmol)を無水MeCNの1.0Lと溶解した。DMF(1.0mL)の添加に続き、POCl3(100mL、1.09mol)を添加した。反応物を、ゆっくりとしたN2バブリングで55℃まで30分間加熱した。反応物を真空で濃縮し、CH2Cl2でEPAと冷2.0MNH3で塩基性化した。rPA/CH2Cl2を真空で濃縮し、塩を最小限の水で溶解しCH2Cl2(4x)で抽出した。有機層を合成しsat.NaHCO3(Ix)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[2:1Hex:EtOAcで溶出]精製し、淡黄色固体である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ3.24−3.30(4H、m)、3.78−3.85(1H、m)、4.89−4.94(2H、m)、7.33(1H、d、J=4.99Hz)、7.53(1H、d、J=5.09Hz)、7.82(1H、s);MS(ES+):m/z220.28/222.30(100/80)[MH+];HPLC:tκ=2.87分(OpenLynx、polar_5min)。
3−メチレン−シクロブタンカルボン酸(3−クロロピラジン−2−イルメチル)アミド
C−(3−クロロピラジン−2−イル)−メチルアミンビス−HCl(1.0、4.62mmol)、N−エチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(1.31、6.47mmol、1.4eq.)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.141g、1.15mol、0.25eq.)、およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(2.42mL、1.79g、13.9mmol、3.0eq.)を無水CH2CI2(25mL)と溶解した。この溶液に、無水CH2CI2(25mL)と3−メチレンシクロブタンカルボン酸(0.622g、5.54mmol、1.2eq.)の溶液をN2下で加え、反応物をrtで一晩攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、結果として得られた残留物をEtOAcで溶解し、水(2x)、NaHCU3(Ix)、水(Ix)、および塩水(Ix)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、茶色油として表題粗化合物を得た。粗生成物をシリカゲルで[JonesFlashmaster、20g/70mLカートリッジ、EtOAc:Hex10%→20%→40%→70%で溶出]クロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体である表題化合物を得た。さらに、表題化合物は以下の経路によっても調製することができる。1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(0.824g、5.08mmol、l.leq.)および3−メチレンシクロブタンカルボン酸(0.570g、5.08mmol、l.leq.)を無水THF(12mL)と溶解し、60℃で2時間攪拌した。無水CH2Cl2(13mL)とC−(3−クロロピラジン−2−イル)−メチルアミンビス−HCl(1.0g、4.62mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(2.42mL、1.79g、13.9mmol、3.0eq.)の溶液を酸混合物に加え、反応物を60℃でN2下で一晩攪拌した。反応化合物を真空で濃縮し、結果として得られた残留物をEtOAcと溶解し、NaHCO3(2x)と塩水(1x)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、茶色い油として表題の粗化合物を得た。粗生成物をシリカゲルで[JonesFlashmaster、20g/70mLカートリッジ、10%→20%→40%→70%で溶出]クロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体である表題化合物を得た。1HNMR(CDCI3、400MHz)δ2.86−2.96(m、2H)、3.03−3.19(m、3H)、4.72(dd、J=4.4、0.8Hz、2H)、4.79−4.84(m、2H)、6.78(s、−NH)、8.32−8.34(m、1H)、8.46(d、J=2.8Hz、IH);MS(ES+):m/z238.19(90)[MH+]。 ;HPLC:tR=2.67分(OpenLynx、polar_7min)。
3−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノール
パール高圧リアクター内で3−(8−シクロ−l−ヨード−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−シクロブタノール(4.159g、0.0119mol)をイソプロピルアルコール(40mL)と2.0Mのアンモニアで溶解した。混合物を−20℃まで冷却しアンモニアで飽和した。反応物を110℃で63時間加熱した時点で冷却し真空で濃縮した。粗生成物をHPFCJonesで5−8%MeOH:CH2Cl2溶出する25gのシリカゲルカラムを使用して精製し、表題の化合物を得た。MS(ES+):m/z330.88(100)[MH+],331.89(10)[MH++];HPLC:tR=0.48分(OpenLynx、polar_5min);1HNMR(CDCl3、400MHz)δ2.55−2.76(m、2H)3.06−3.22(m、2H)3.32−3.50(m、1H)4.51−4.69(m、1H)6.15(br.s.、2H)7.24(d、J=5.05Hz、1H)7.39(d、J=5.05Hz、1H)。
3−(8−シクロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノール
3−(8−シクロ−l−ヨード−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−シクロブタノン(5.0g、14mmol)をメタノール(35.0mL)とCH2Cl2(35.0mL)の1:1の混合物と溶解した。この溶液混合物にテトラヒドロ・ホウ酸ナトリウム(560mg、14.0mmol)をゆっくりと加えると、ガス発生が認められた。窒素下rtで4.5時間後、反応物を真空で濃縮した。粗混合物をEtOAcで溶解し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物をHPFCJonesで50%EtOAc:Hexから100%EtOAcで溶出する50グラムシリカゲルカラムを使用して精製し、淡黄色固体である表題化合物を得た。MS(ES+):m/z349.81(100)[MH+],351.50(30)[MH++];HPLC:tR=2.49分(OpenLynx、polar_5min);1HNMR(CDCl3、400MHz)δ2.41−2.54(m、2H)2.78−3.05(m、1H)3.12−3.32(m、1H)4.08−4.75(m、1H)5.30(s、1H)7.31(d、7=5.05Hz、1H)7.57(d、J=4.80Hz、1H)
1−{4−[3−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブチル]ピペラジン−1−イル}エタノン
1−{4−[3−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロブチル]ピペラジン−1−イル}エタノン(13.2g、0.029mol)をイソプロピルアルコール(100mL)で溶解し、パール高圧リアクターの中に入れた。この容器を−78℃まで冷却し、アンモニアガスで飽和し密閉した。反応物を19時間110℃で加熱した時点で反応物を冷却し真空で濃縮した。粗生成物を5−10%MeOH(7MNH3):CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製し、オフホワイト固体である表題化合物を得た。MS(ES+):m/z440.89(100)[MH+],441.89(20)[MH++];HPLC:tR=0.46分(OpenLynx、polar_5min);1HNMR(CDCl3、400MHz)δ2.09(s、3H)2.28−2.48(m、6H)2.54−2.71(m、2H)2.80−2.99(m、1H)3.27−3.43(m、1H)3.43−3.54(m、2H)3.56−3.70(m、2H)7.02(d、J=5.05Hz、1H)7.16(d、7=5.05Hz、2H)。
1−{4−[3−(8−シクロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブチル]ピペラジン−1−イル}エタノン
RBFの中で、1,2−ジクロロエタン(65.0mL)と3−(8−シクロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン(1.00g、0.0029mol)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.30g、0.006mol)を溶解し、1,2−じクロロエタンと1−アセチルピペラジン(0.39g、0.003mol)の溶液を反応物に加えた。反応混合物をrtで2時間攪拌した。粗生成物を真空で濃縮し、CH2Cl2(25.0mL)で溶解し、飽和NaHCO3溶液(1x40mL)で洗浄した。粗生物を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、淡黄色固体を得た。MS(ES+):m/z459.84(100)[MH+]、461.80(40)[MH+++];HPLC:tR=1.81分(OpenLynx、polar_5min);1HNMR(CDCl3、400MHz)δ2.04−2.15(m、3H)2.26−2.50(m、6H)2.55−2.72(m、2H)2.83−2.99(m、1H)3.29−3.52(m、3H)3.56−3.67(m、2H)7.29(d、1H)7.58(d、1H)。
(1−ヨード−3−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−シクロブチル]−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−イルアミン)
イソプロピルアルコール(350mL)およびTHF(30mL、0.4mol)と2Nアンモニアの溶液を8−クロロ−1−ヨード−3−[3−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−シクロブチル]−イミダゾ[1,5−a]ピラジン(19.91g、0.04612mol)にパールボンブ内で加え、−78℃まで冷却した。
アンモニアを溶液に8−10分泡立てた。このボンブを密閉し、攪拌し、110℃で3日間加熱した。溶液を真空で蒸発させ、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(CHCI3で湿らせ、シリカで乾燥負荷し、CHCl3と8%(7NNH3)MeOH溶出)で精製し、表題化合物を得た。1HNMR(CDCl3、400MHz)δ7.31(1H、d、J=5.01)、7.16(1H、d、J=6.25)、5.83(2H、s)、3.49(1H、m)、3.06(1H、m)、2.76(4H、m)、2.64(8H、m)、2.46(3H、s);MS(ES+):m/z412.89/413.91(50/10)[MH+];HPLC:tκ=0.31分(OpenLynx、polar_5min.)。
(8−クロロ−1−ヨード−3−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロブチル]イミダゾ[1,5−a]ピラジン)
1,2−ジクロロへキサン(1096.7mL、13.892mol)に1−メチルピペラジン(5.75mL、0.0514mol)を3−(8−シクロロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン(17.00g、0.04892mol)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(21.8g、0.0978mol)に加えた。反応物をrtで3時間攪拌した。反応物を濃縮し、CH2Cl2に溶解し、飽和NaHCO3溶液および塩水で洗浄した。成生物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。生成物を迅速にシリカゲルプラグを介してフラッシュし、(100%CHCI3で湿らせ、CHCl3に8%(7NNH3)MeOHで溶出)、表題の化合物を得た。1HNMR(CDCl3、400MHz)δ7.63(1H、d)、7.30(1H、d)、3.42(1H、m)、2.94(1H、m)、2.65(4H、m)、2.44(8H、m)、2.32(3H、s);MS(ES+):m/z431.85/433.87(100/45)[MH+];HPLC:tR=1.82分。(OpenLynx、polar_5min)。
3−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール
無水THF(77.78mL)に3−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロブタノン(1.95g、8.80mmol)を窒素の雰囲気下−78℃でTHF(5.9mL)と塩化メチルマグネシウムの3.0M溶液でゆっくり処理した。この溶液を3時間−78℃で攪拌した後、40mLの半飽和水性NH4Cl(水と1:1混合のNH4Cl希釈)で−78℃で急冷し、rtまで温めた。この混合物をEtOAc(3x40mL)で抽出し、合成した抽出物を塩水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。粗固体を(1:1)EtOAc/DCMの1:1EtOAc/DCM4%までのMeOHで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=1.543(m、1H)、2.742.60(m、2H)、4(d、J=3.75Hz、1H)、および7.35(br.s.、1H);MS(ES+):MS(ES+):m/z238.15および240.17[MH+]。
3−(8−クロロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール
DMF(36.6mL、0.472mol)に3−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール(2.20g、9.26mmol)とNIS(2.71g、12.0mmol)を溶解し、60℃で4時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc(100mL)に再構成した。この溶液を重炭酸ナトリウム(2x20mL)で洗浄し、これらの洗浄物をEtOAc(2x20mL)で逆抽出した。有機層を合成し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。粗固体を1:1EtOAc:ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し所望の生成物を得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm1.53(s、3H)、2.72−2.59(m、4H)、3.37−3.29(m、1H)、7.32(d、J=4.91Hz、1H)および7.60(d、J=4.96Hz、1H)。MS(ES+):m/z363.95および365.91[MH+]。
3−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−l−メチルシクロブタノール
イソプロパノール(80mL)およびTHF(5mL)と2Mアンモニアとの溶液を3−(8−クロロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−l−メチルシクロブタノール(2.77g、7.62mmol)をパール高圧リアクター内で加えた。混合物を−78℃まで冷却した後、アンモニアガスを溶液に4−6分泡立てた。リアクターを密閉した後、110℃で15時間加熱した。溶媒を真空で除去し、残留物をDCMと7%MeOHとで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.44(s、3H)、2.32−2.51(m、4H)、3.33−3.52(m、1H)、6.61(br.s.、2H)、7.03(d、J=5.05Hz、1H)および7.62(d、J=5.05Hz、1H)。
(3−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン)
THF(120mL)および水(40mL)と3−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−ヒドロキシメチルシクロブタノール(4.08g、0.011mol)との溶液を過ヨウ素酸ナトリウム(2.8g、0.013mol)で0℃で充填した。反応物をrtまで温め、5時間攪拌した。反応混合物をエチルアセテートで希釈し、塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、黄色固体である表題化合物を得た。1HNMR(CDCl3、400MHz)δ7.56(1H、d、J=4.94)、7.32(1H、d、J=4.98)、3.64(5H、m);MS(ES+):m/z347.82および349.85[MH+];HPLC:tR=2.89分。(OpenLynx、polar_5min.)。
3−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−1−ヒドロキシメチルシクロブタノール
不活性雰囲気下でN−ヨードスクシンイミド(3.6g、0.016mol)と3−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)−1−ヒドロキシメチルシクロブタノール(3.16g、0.012mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、60℃で3.0時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、暗色の油を得、5%MeOH:CH2Cl2で溶出するHPFCJones20gシリカゲルカラムで精製し、淡い茶色の綿毛状固体を得、それをジエチルエーテルとヘキサンで粉末にし、表題化合物を得た。MS(ES+):m/z379.85および381.80[MH+];HPLC:tR=2.30分(OpenLynx、polar_5min)。
3−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−ヒドロキシメチルシクロブタノール
8−クロロ−3−(3−メチレンシクロブチル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン(3.1g、14mmol)のTHF溶液(170mL)に、水(18mL)、水(3.2mL)およびカリウムオスミウムと50%N−メチルモルホリン−N−オキシド、脱水カリウムオスミウム(200mg、0.70mmol)を加え、反応物をrtで4時間攪拌した。亜硫酸ナトリウム(8.0g、70.0mmol)を反応混合物に加え、30分攪拌した時点で、反応物を真空で濃縮した。粗生成物を水性物からEtOAcで抽出した。有機物を塩すりで洗浄し、合成した水成洗浄物をEtOAc(5x50mL)で逆抽出した。合成した有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、粘性のある黄褐色/オフホワイト固体として表題化合物を得た。MS(ES+):nt/z254.17(100)[MH+]、256.19(50)[MH+++];HPLC:tR=1.95分(OpenLynx、polar_5min)。
エタノール(1.00L)および水(1.00L)と3−メチレンシクロブタンカルボニトリル(100.0g、1.042mol)との溶液に水酸化カリウム(230.0g、4.2mol)を加えた。結果として得られた混合物を還流で7時間加熱した後、EtOHを真空で除去し、溶液を0℃まで冷却し、(300.0mL)のcone.HClからpH=1で酸化させた。混合物をジエチルエーテル(4x1L)で抽出し、合成した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm2.64−3.44(m、5H)、4.60−4.98(m、2H)および10.64(br.s.、1H)。
ヨードエタン(7.5mL、93.0mol)をrtで、窒素の雰囲気の下、無水N,N−ジメチルホルムアミド(500.00mL)と3−メチレンシクロブタンカルボン酸(10.0g、80.0mmol)および炭酸セシウム(56.0g、170.0mmol)とに加えた。反応物を16時間攪拌した後、ジエチルエーテル(1L)と塩水(1L)間で分割した。水性層をジエチルエーテル(3x500mL)で抽出し、合成した有機相を水(2x1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、所望の生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm1.26(t、3H)、2.71−3.27(m、5H)、4.15(q、J=7.07Hz、2H)および4.53−4.96(m、2H)。
N−[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]−3−メチレンシクロブタンカルボキサミド
1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)(8.24g、50.81mmol)および3−メチレンシクロブタンカルボン酸(5.70g、50.81mmol)を無水THF(100mL)に溶解し、60℃で4時間攪拌した。無水CH2Cl2(150mL)とC−(3−クロロピラジン−2−イル)メチルアミンビス−塩酸(10.0g、46.19mmol)およびジイソプロピリエチルアミン(DIPEA)(32.30mL、184.76mmol)とを混合物に加え、反応物をrtで24時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAcに溶解し、結果として得られた溶液を飽和NaHCO3(aq.)水H2Oと塩水で洗浄した。合成した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、粗生成物を得、それを50−70%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm2.92−2.94(2H、m)、3.05−3.14(2H、m)、4.60(2H、d、J=4.24Hz)、4.80−4.84(2H、m)、6.75(1H5brs)、8.33(1H、d、J=4.22Hz)および8.45(1H、d、J=2.54Hz)。MS(ES+):m/z238および240[MH+]。
8−クロロ−3−(3−メチレンシクロブチル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン
無水MeCN(1.0L)とN−[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]−3−メチレンシクロブタンカルボキサミド(52.1g、219.2mmol)とをDMF(1.0mL)およびPOCl3(100mL、1.09mol)で処理し、混合物をN2の緩やかな流れの下55℃で30分攪拌した。反応物を真空で濃縮し、残留物をCH2Cl2で再構成し、IPAと冷2.0MNH3で処理した。この混合物を真空で濃縮し、塩を溶解するために水を加えた後、CH2Cl2(4x60mL)で抽出した。有機層を合成し、sat.NaHCO3(1x70mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。粗物質を2:1ヘキサン:EtOAcで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz5CDCl3)δppm3.24−3.30(4H、m)、3.78−3.85(1H、m)、4.89−4.94(2H、m)、7.33(1H、d、J=4.99Hz)、7.53(1H、d、J=5.09Hz)および7.82(1H、s)。MS(ES+):m/z220.28および222.30[MH+]。
C−(3−クロロピラジン−2−イル)メチルアミンビス−塩酸
無水CH2Cl2(200mL)と2−(3−クロロピラジン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(10.0g、36.5mmol)との溶液をヒドラジン(2.87mL、2.93g、91.3mmol、2.5eq.)で、rtでN2雰囲気下で充填した。2.5時間後、MeOH(300mL)を加え、反応物を溶液が均一になるまで加熱した。反応混合物を19時間攪拌した。(2,3−ジヒドロフタラジン−1,4−ジオン副産物)を形成した白色pptをろ過で除去し、エーテルで数回洗浄した。澄んだろ過物を真空で濃縮し、濃縮物をEtOAcで溶解し、再度ろ過し、白色pptを除去した。すべての溶媒を除去し、黄色油を得、これをEtOAcとエーテルに溶解しHCl(g)で充填した。淡黄色固体である表題化合物を即時に沈殿した。表題化合物を40℃のオーブンで72時間乾燥し、暗黄色固体として表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CD3OD)δ4.55(2H、s)、8.27(1H、d、J=2.52Hz)、8.54(1H、d、J=2.56Hz);MS(ES+):m/z143.96/145.96(100/60)[MH+];HPLC:tR=0.41分(OpenLynx、polar_7min)。
1−{[(3−オキソシクロブチル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−2,5−ジオン
窒素フローを備えた5Lリアクターおよびオーバーヘッド・スターラーに、N−ヒドロキシスクシンイミド(250.0g、2.172mol)と3−オキソ−シクロブタンカルボン酸(248g、2.17mol)を加えた。エチルアセテート(3.4L)を加え、反応物を16℃まで冷却した。EtOAc(2.17mol)と25%のDCCとの溶液を、反応混合物に7分かけて添加漏斗を介してゆっくりと加えた後、混合物を45℃で加熱した。2時間後、混合物をろ過し、ろ過物を1回EtOAc(ILx1)で洗浄し、真空で乾燥するまで蒸発させ、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ2.83(bs、4H)、3.30−3.39(m、2H)、3.52−3.60(m、2H)および3.67−3.73(m、1H)。
3−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタン
丸底一首フラスコ(5L)の中に、3−オキソ−シクロブタンカルボン酸2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(217.2g、0.937mol)、C−(3−クロロ−ピラジン−2−イル)−メチルアミン塩酸塩(153.3g、0.852mol)、およびTHF(760mL)を加えた。10%NaHCO3(1.07kg)の溶液を加え、20分後、層を分離し、水性層を除去した。水性層をEtOAc(1x700mL、1x300mL)で逆抽出した。合成した有機物を塩水(350mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮し、表題化合物を得た。この固体をエチルアセテート(915mL)とDMF(132mL)で再懸濁し、溶液を窒素の雰囲気下に置き、10.5℃まで冷却した。オキシ塩化リン(159mL、1.70mol)を15分にわたって加え、反応物を45分攪拌した。反応溶液を22%の水性Na2CO3溶液に10℃でゆっくりと注いだ。水(1L)を加え、層を分離した。有機層を除去し、水性分をEtOAc(IxIL、lx0.5L)で逆抽出した。合成した有機相をMgSO4で乾燥し、ろ過し、約0.5Lの溶媒が残るまで真空で濃縮した。ヘプタンを加え、スラリをEtOAcの大部分が除去されるまで真空で濃縮した。結果として生じたスラリをろ過し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ3.59−3.68(m、2H)、3.72−3.79(m、2H)、3.86−3.94(m、1H)、7.40(d、1H、J=5.2Hz)、7.60(d、IH、J=5.2Hz)および7.85(s、1H).
3−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン
3−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン(47.7g、215mmol)をDMF(200mL)に窒素の雰囲気の下溶解し、−4℃まで冷却した。N−ブロモスクシンイミド(40.3g、226mmol)をDMF(140mL)に溶解し、ゆっくりと反応混合物に加えた。5分後、水(400mL)を加え、結果として生じた固体をろ過によって分離し、その固体を水で洗浄し、表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz):δ3.45−3.53(m、2H)、3.58−3.67(m、2H)、4.08−4.16(m、1H)、7.45(d、1H、J=5.2Hz)および8.30(d、1H、J=4.8Hz)。
3−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾール[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール
無水THF(550g,620mL)と3−(l−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロブタノン(51.988g,0.17mol)とを窒素下−78℃でTHF(130mL,0.38mol)とメチルマグネシウムクロライド3.0Mとの溶液で30分間処理した。混合物を−78℃で30分攪拌した後、冷却槽を除去し、混合物を14%NH4Cl(132g)で急冷した。EtOAcを水性相に加え、pHを20%HClで〜5に調整し、層を分離した。合成した有機相を真空で濃縮し、スラリおよび0.5Lのトルエンを混合物に加え、EtOAcが除去されるまで真空で濃縮した。スラリを均一になるまで還流で加熱し、冷却して所望の生成物を得、これをろ過によって分離し、真空で乾燥した。1HNMR(DMSO−d6、400MHz):δ1.37(s、3H)、2.35−2.49(m、4H)、3.52(dddd、1H、J=9.6、9.6、9.6、9.6Hz)、5.18(bs、1H)、7.37(d、1H、J=5.2Hz)および8.26(d、1H、J=5.2Hz)。
3−(8−アミノ−1−ブロモイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール
35%のアンモニア溶液(132ml、2.9moles)を2−ブタノール(81ml)と3−(1−ブロモ−8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)−1−メチルシクロブタノール(22.0g、0.06463mol)との懸濁に加えた。混合物を圧力容器内で90℃で15時間加熱した後、〜130mlまで濃縮し、室温まで冷却し、ろ過で固体を収集した。この物質を水(3x22mL)で洗浄し、真空下で40℃で乾燥した。所望の生成物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz):δ7.5(d、1H)、7.0(d、1H)、6.6(bs、2H)、5.1(s、1H)、3.4(pentet、1H)、2.3−2.4(m、4H)および1.4(s、3H)。
7−シクロブチル−5−ヨードイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン
無水ピリジン(10mL)と1、2、4−トリアゾール(1.28g、18.59mmol)との溶液にオキシ塩化リン(POCl3)(0.578mL、6.20mmol)を加え、rtで15分攪拌した。この混合物を滴下(3.5分)で無水ピリジン(14mL)と7−シクロブチル−5−ヨード−3Hイミダゾ[5,1f][1,2,4]トリアジン−4−オン(0.653mg、2.07mmol)とで充填し、1.5時間攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、イソプロパノール(IPA)との2MNH3で塩基まで、そしてrtまで急冷し、さらに2時間攪拌した。反応混合物をフリットブフナーろうとでろ過し、DCMで洗浄した。ろ過物を真空で濃縮し、シリカゲル上[DCMに30%EtOAcで溶出する]でクロマトグラフィーによって精製し、結果としてオフホワイト固体として表題化合物を得た。1HNMR(CDCI3、400MHz)δ1.93−2.04(m、1H)、2.05−2.18(m、1H)、2.35−2.45(m、2H)、2.49−2.62(m、2H)、4.00−4.12(m、1H)、7.82(s、1H);MS(ES+):m/z316.08(100)[MH+],HPLC:tR=2.59分(MicromassZQ、polar_5min)。
7−シクロブチル−5−ヨード−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン
無水DMF(40mL)と7−シクロブチル−3H−イミダゾ[5,1−f][l,2,4]トリアジン−4−オン(789mg、4.15mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(NIS、933mg、4.15mmol)との溶液を一晩rtで攪拌した。付加的NISの4eq.を加え、反応物を55℃で6時間加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、DCMとH2O間で分割し、分離した。水性層をDCM(3X)で洗浄し、合成した有機部分を1Mチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)(1X)で洗浄し、塩水(1X)で洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。固体をDCMとの20%EtOAcで粉末にし、フリットブフナーろうとを介してろ過し、結果としてオフホワイト固体として表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ1.84−1.96(m、1H)、1.98−2.13(m、1H)、2.25−2.43(m、4H)、3.84−3.96(m、1H)、7.87(s、1H);MS(ES+):m/z317.02(100)[MH+]、HPLC:tR=2.62分(MicromassZQ、polar_5min)。
7−シクロブチル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン
オキシ塩化リン(POCl3)(10mL)とシクロブタンカルボン酸(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)アミド(1.33g、6.39mmol)との粗溶液を55℃まで加熱した。反応物を2時間加熱し、真空で濃縮し、粗油を氷槽内で0℃まで冷却し、イソプロパノール(IP A)と2MNH3とでわずかな塩基まで急令した。この粗反応混合物を真空で濃縮し、DCMとH2O間で分割し、分離した。水性層をDCM(3X)で抽出し、合成した有機部分を硫化ナトリウム(Na2SCO4)で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。粗物質をシリカゲル[DMCと5%MeOHで溶出]でクロマトグラフィーによって精製し、オフホワイト固体である表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ1.86−1.96(m、1H)、2.00−2.13(m、1H);2.26−2.46(m、4H);3.87−4.00(m、1H);7.71(s、1H);7.87(d、J=3.6Hz、1H);11.7(brs、1H);MS(ES+):m/z191.27(100)[MH+]、HPLC:tR=2.06分(MicromassZQ、polar_5min)。
シクロブタンカルボン酸(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルエチル)アミド
無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)および無水ピリジン(2mL)と6−アミノメチル−4H−[1,2,4]トリアジン−5−オン(500mg、3.96mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.829mL、4.76mmol)との溶液に滴下でシクロブタンカルボニルクロライド(0.45ImL、3.96mmol)を0℃で充填し、rtまで温め、さらに1.5時間攪拌した。反応物をH2O(2mL)で急冷し、真空で濃縮し、シリカゲル[DCM(200mL)で5%MeOH(200mL)→DCM(800mL)で10%MeOHで溶出]でクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ1.7−1.82(m、1H)、1.70−1.92(m、1H);1.97−2.07(m、2H);2.07−2.19(m、2H);3.55−3.67(m、1H);4.19(d、2H);7.97(bit、J=5.6Hz、1H);8.67(s、1H);MS(ES+):m/z209.25(100)[MH+]、HPLC:tR=1.56分(MicromassZQ、polar_5min)。
6−アミノメチル−4H−[1,2,4]トリアジン−5−オン
DCM/EtOH(1:1)(150mL)と2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン(4g、15.6mmol)とを無水ヒドラジン(1.23mL、39.0mmol)で充填し、rtで18時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、オフホワイト固体を温CHCl3で沈殿し、フリットろうとを介してろ過した。固体を熱い沸騰したメタノール(MeOH)で沈殿し、フリットろうとでろ過し、結果としてオフホワイト固体を得た。この物質を前述同様に再度沈殿し、一晩乾燥した結果、白色固体として表題化合物を得、さらなる精製を行わずに、次の段階に採用した。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ3.88(s、2H)、8.31(2、1H);MS(ES+):m/z127.07(100)[MH+]、HPLC:tR=0.34分(MicromassZQ、polar_5min)。
2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン
EtOH(40mL)と2−(5−オキソ−3−チオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン(1.0g、3.47mmol)とのスラリを過剰ラネーNi(3スパチュラ)で充填し、還流まで2時間加熱した。反応混合物をセライトの小さいパッドを介して熱い状態でろ過し、EtOH/THF(1:1)(100mL)の熱い混合物で洗浄し、真空で濃縮した結果、オフホワイト固体として表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ4.75(s、2H)、7.84−7.98(m、4H)、8.66(s、1H);MS(ES+):m/z257.22(100)[MH+]。
2−(5−オキソ−3−チオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)インダン−ly3−ジオン
無水EtOH(300mL)と3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(20g、76.6mmol)とのスラリを一部分においてチオセミカルバジド(6.98g、76.6mmol)で充填し、80℃まで2時間加熱した。反応混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(26.7mL、76.56mmol)で充填し、40℃まで6時間加熱した後、rtでさらに10時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、固体を熱いEtOH/EtOAcで沈殿し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。固体を真空オーブン(40℃)で一晩乾燥し、結果としてオフホワイト固体である表題化合物を得た。1HNMR(DMSO−d6、400MHz)δ4.68(s、2H)、7.85−7.95(m、4H);MS(ES+):m/z289.2(100)[MH+]。
2−[(3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアジン−6−イル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
無水EtOH(85.8mL)とエチル3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−オキソプロパノエート[J.Org.Chem.,(1985),50(1),91](4.29g、16.4mmol)、アセトアミドラゾン塩酸塩(1.80g、16.4mmol)との溶液を80℃まで3時間加熱した後rtまで冷却し、さらに16時間攪拌した。反応混合物をフリット漏斗でろ過した結果、3.28g(収率73%)の白色固体である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm2.28(s、3H)、4.73(s、2H)および7.74−8.12(m、4H);MS(ES+):m/z271.08[MH+]。
6−(アミノメチル)−3−メチル−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン
DCM(10.0mL)と2−[(3−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアジン−6−イル)メチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(2.00g、7.40mmol)と、EtOH(10.0mL)との溶液をヒドラジン(0.58mL、18.5mmol)で充填し、rtで8時間攪拌した後、45℃までさらに16時間加熱した。反応物を0.5に相当する付加的なヒドラジン(0.116mL、3.70mmol)で充填し、45℃まで4時間加熱した。反応混合物をrtまで冷却した後、フリットろうとでろ過し、固形物を2回にわけて冷1:1EtOH/DCM(75mL)で洗浄し、ろ過物を濃縮した結果、622mgの淡黄色固体を得、固体をさらなる精製を行うことなく次の段階に採用した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm2.21(s、3H)、3.72(s、2H);MS(ES+):m/z141.06[MH+]。
trans−4−({[(ベンゾイルオキシ)カルボニル]アミノ}メチル)シクロヘキサンカルボン酸
NaOH(55mL中5.60g)の0%aq溶液とtrans−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(10.00g、0.06361mol)とを0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル(11mL、0.076mol)とで15分間にわたって激しい攪拌処理を行った。1時間後、溶液を酸化させ(IMHCl(aq))、結果として得られた白色沈殿をろ過によって収集し、水とヘキサンで洗浄した後、真空オーブンで一晩乾燥し、17.23gの表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ0.93−0.99(m、2H)、1.38−1.46(m、2H)、1.82−1.85(m、2H)、2.03−2.06(m、2H)、2.25(m、1H)、3.06(t、J=5.6Hz、2H)、4.83(m、1H)、5.09(s、2H)、7.31−7.36(m、5H)。MS(ES+):m/z292[MH+]。
ベンジル[(trans−4−{[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]カルバモイル}シクロヘキシル)メチル]カルバメート
DCM(1.35mL)とC−(3−クロロピラジン−2−イル)メチルアミン塩酸塩(0.100g、0.533mmol)との溶液にN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.16g、0.83mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.83mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.075g、0.56mmol)およびtrans−4−({[(ベンゾイルオキシ)カルボニル]アミノ}メチル)シクロへキサンカルボン酸(0.21g、0.70mmol)を加えた。反応物をrtで一晩攪拌し、DCMで希釈し、sat.NaHCCh(aq)および塩水で洗浄した後、Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去した。分離した残留物をEtOAc/ヘキサン(1:1)で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、0.173gの表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ1.00−1.03(m、2H)、1.45−1.51(m、2H)、1.83−1.89(m、2H)、1.99−2.03(m、2H)、2.20(m、IH)、3.05−3.12(m、3H)54.68(d、J=4.4Hz、2H)、4.79(br、IH)、5.10(s、2H)、6.79(br、1H)、7.31−7.37(m、5H)、8.33(d、J=2.8Hz、1H)、8.46(d、J=2.8Hz、IH)。MS(ES+):m/z417.14[MH+]。
ベンジル{[trans−4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メチル}カルバメート
EtOAc(0.9mL)およびDMF(0.068mL)とベンジル[(trans−4−{[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]カルバモイル}シクロヘキシル)メチル]カルバメート(0.100g、0.220mmol)との懸濁に0℃でゆっくりPOCl3(0.082inL、0.88mmol)を加えた。rtで1時間攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、固体NaHCO3を加えた。さらに0℃で10分、rtで20分後、混合物を0℃まで再冷却し、水(20mL)を加えた。反応混合物をEtOAc(3x20mL)で抽出し、抽出物を水(2x30mL)および塩水(30mL)で洗浄した後、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮し、0.096gの表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ1.15−1.19(m、2H)、1.76−1.87(m、3H)、1.93−2.00(m、2H)、2.04−2.08(m、2H)、3.07(m、1H)、3.15(t、J=6.4Hz、2H)、4.84(br、1H)、5.09(s、2H)、7.31−7.40(m、6H)、.7.61(d、J=4.8Hz、1H)、7.79(s、1H)。MS(ES+):m/z399.26[MH+]。
ベンジル{[trans−4−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メチル}カルバメート
DMF(0.6mL)とベンジル{[trαns−4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メチル}カルバメート(1.49g,0.00374mol)との溶液にNIS(1.0g,0.0045mol)を加えた。反応混合物を55℃で一晩攪拌した後、EtOAc(20mL)で希釈し、水(2x40mL)および塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した。分離した粗混合物をヘキサン→ヘキサン:EtOAc1:1で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ1.7gの表題化合物を得た。MS(ES+):m/z525.01[MH+]。
ベンジル{[trans−4−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メチル}カルバメート
IPA(30mL)とベンジル{[trαns−4−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]メチル}カルバメート(1.70g、0.00324mol)との溶液を−78℃まで冷却し、3分間にわたって、アンモニアガスの流れで処理した後、パール容器内で110℃で一晩加熱した。反応溶液を真空で濃縮し、残留物を水で洗浄し、1.37gの所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ=1.08−1.17(m、2H)、1.88(m、1H)、1.71−1.81(m、2H)、1.91−1.94(m、2H)、2.00−2.04(m、2H)、2.90(m、IH)、3.13(t、J=6.4Hz、2H)、4.86(br、1H)、5.11(s、2H)、5.76(br、2H)、7.00(d、J=5.2Hz、1H)、7.22(d、J=5.2Hz、1H)、7.31−7.37(m、5H)。MS(ES+):m/z5.7.36[MH+]。
ベンジル4−{[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボキシレート
DCM(27.0mL)と、C−(3−クロロピラジン−2−イル)メチルアミンビス−塩酸塩(2.00g、0.0107mol)とN、N−ジイソプロピルエチルアミン(2.2g、0.017mol)との溶液をN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.2g、0.017mol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.5g、0.011mol)および1−[(ベンゾイルオキシ)カルボニル]−4−ピペリジンカルボン酸(3.8g、0.014mol)で処理した。混合物をrtで一晩攪拌した後、DCM(30mL)で希釈し、sat.NaHCO3(20mL)および塩水(20mL)で洗浄した後、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した。得られた粗物質をEtOAc:ヘキサン1:1で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、3.38gの表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ1.68−1.78(m、2H)、1.91−1.94(m、2H)、2.44(m、1H)、2.89−2.92(m、2H)、4.24−4.26(m、2H)、4.70(d、J=4.8Hz、2H)、5.14(s、2H)、6.85(br、1H)、7.30−7.37(m、5H)、8.34(d、J=2.8Hz、1H)、8.45(d、J=2.8Hz、1H)。MS(ES+):m/z389.17[MH+]。
ベンジル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−l−カルボキシレート
EtOAc(0.9mL)およびDMF(0.068mL)とベンジル4−{[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]カルバモイル}ピペリジン−l−カルボキシレート(0.100g、0.220mmol)との懸濁に0℃でゆっくりPOCl3(0.082mL、0.88mmol)を加えた。rtで1時間攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、固体NaHCO3で処理した。混合物をrtで20分攪拌し、水で希釈し、EtOAc(3x2OmL)で抽出した。合成した抽出物を水(2x30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮し、2.07gの所望の生成物を得た。1HNMR、(400MHz、CDCl3):&.1.98−2.04(m、4H)、3.03−3.20(m、3H)、4.30−4.33(m、2H)、5.16(s、2H)、7.33(d、J=5.2Hz、IH)、7.35−7.38(m、5H)、7.26(d、J=4.4Hz、IH)、7.79(s、IH)。MS(ES+):m/z371.22[MH+]。
ベンジル4−(8−クロロ−l−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−l−カルボキシレート
DMF(0.6mL)とベンジル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.31g,0.00354mol)との溶液にNIS(1.6g,0.0071mol)を加えた。反応混合物を55℃で2時間攪拌放置した後、混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(2x40mL)および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空で濃縮した。粗反応混合物をヘキサン→ヘキサン:EtOAc1:1で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、1.63gの所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ1.95−2.04(m、4H)、3.02−3.15(m、3H)、4.29−4.32(m、2H)、5.15(s、2H)、7.32(d、J=5.2Hz、1H)、7.34−7.37(m、5H)、7.66(d、J=5.2Hz、IH)。MS(ES+):m/z497.03[MH+]。
ベンジル4−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
IPA(20mL)とベンジル4−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1、5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−l−カルボキシレート(0.500g、0.00101mol)との混合物を−78℃まで冷却し3分間にわたってアンモニアガスの流れで処理した。結果として得られた溶液をパール容器内で110℃で加熱し、真空で濃縮し、DCMで懸濁し、セライト床を介してろ過した。ろ過物を真空で濃縮し、0.504gの所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ1.88−2.02(m、2H)、2.99−3.10(m、3H)、4.24−4.41(m、2H)、5.15s、2H)、6.03(br、2H)、7.03(d、J=4.8Hz、1H)、7.24(d、J=5.2Hz、1H)、7.31−7.40(m、5H)。MS(ES+):m/z479.33[MH+]。
1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
DMF(57mL)と水酸化ナトリウム(934mg、0.0358mol)との懸濁に、滴下でN2下で、DMF(20mL)と1H−ピロロ[2、3−b]ピリジン(3.00g、0.0254mol)との溶液を加えた。混合物をr.t.で45分間攪拌した後、0℃まで冷却し、滴下で[2−(トリメチルシリル)エトキシ]塩化メチル(6.32mL,0.0357mol)で処理した。混合物をrtで12時間攪拌した後、水(10mL)に注ぎ、30分攪拌し、Et20(4x10L)で抽出した。合成した抽出物を塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、粗生成物を得、それをヘキサン→1:9Et2O:ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、6gの所望の生成物を得た。
N−(2−トリメチルシリル−1−エトキシメチル)−2−(トリブチルスタンニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
TΗF(5mL)とl−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(500mg,0.0020129mol)との溶液に−10℃でシクロヘキサン(1.2mL)と2.0Mのn−BuLiとを加えた。−10℃で10分後、混合物を−20℃まで冷却し、塩化トリブチルすず(0.65mL,0.0024mol)を加えた。混合物をrtで1時間攪拌し、5%水性塩化アンモニア(20mL)に注ぎ、EtOAc(3x20mL)で抽出し、合成した抽出物を無水MgSO4で乾燥し、真空で濃縮した。得られた物質を1:9EtOAc:ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、0.7gの表題化合物を得た。1HNMR(400MHzDMSO−d6)δ0.01(s、9H)、0.10(s、2H)、0.92−0.94(m、9H)、1.14−1.27(m、6H)、1.37−1.46(m、6H)、1.60−1.72(m、6H)、3.48−3.52(m、2H)、5.71(s、2H)、6.74(s、1H)、7.16−7.19(m、1H)、8.02(dd、J=1.6、7.6Hz、1H)および8.31(dd、J=1.6、4.4Hz、1H)。
3−シクロブチル−1−[1−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
エタノール(2mL)と、N−(2−トリメチルシリル−1−エトキシメチル)−2−(トリブチルスタンニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(110mg、0.20mmol)、3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン(50mg、0.1592mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(10mg、0.02mmol)との混合物を還流で48時間加熱した。混合物をrtまで冷却し、セライトパッドでろ過し、真空で濃縮した。得られた残留物をヘキサン:EtOAcで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、17.2mgの表題化合物を得た。1HNMR(400MHzCDC13)δ0.22(s、9H)、0.70(t、2H)、1.87−2.19(m、2H)、2.49−2.64(m、4H)、3.37(t、2H)、3.81−3.86(m、1H)、5.51(bs、2H)、6.07(s、2H)、6.67(s、1H)、7.10−7.16(m、3H)、7.93(dd、J=1.6、8.0Hz、1H)および8.41(dd、J=1.6、4.8Hz、1H)。MS(ES+):m/z:435.21[MH+]。
1−ブロモ−4−フルオロ−3−ニトロベンゼン(2270mg、10.01mmol)、アニリン(3ml)およびDMF(20ml)の混合物を100℃で窒素の雰囲気下で7時間加熱した。混合物を真空で濃縮し、残留物をヘプタン(30ml)で沈殿させ、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDC13)δ=7.11(d、1H、J=9.2Hz)、7.25−7.29(m、3H)、7.40−7.45(m、3H)、8.35(d、1H、J=2.4Hz)および9.45(brs、1H)。
4−ブロモ−2−ニトロ−N−フェニルアニリンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ=3.02(d、3H、J=5.2Hz)、6.76(d、1H、J=9.6Hz)、7.51−7.54(m、1H)、8.02(brs、1H)および8.32(d、1H、J=2.8Hz)。MS(ES+):m/z231.05および233.08[MH+]。
4−ブロモ−2−ニトロ−N−フェニルアニリンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDC13)δ=1.37(t、3H、J=7.2Hz)、3.31−3.37(m、2H)、6.76(d、1H、J=8.8Hz)、7.48−7.51(m、1H)、7.95(brs、1H)および8.31(d、1H、J=2.4Hz)。MS(ES+):m/z245.07および247.11[MH+]。
4−ブロモ−2−ニトロ−N−フェニルアニリンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=4.54(d、2H、J=5.6Hz)、6.72(d、1H、J=9.2Hz)、7.30−7.40(m、5H)、7.44(ddd、1H、J=0.4&2.4&9.2Hz)、8.34(d、1H、J=2.4Hz)および8.41(brs、1H)。MS(ES+):m/z245.07および247.11[MH+]。
4−ブロモ−N
1−フェニルベンゼン−1,2−ジアミン
4−ブロモ−2−ニトロ−N−フェニルアニリンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ=3.80(brs、2H)、5.07(br、s、1H)、6.70−6.75(m、2H)、6.82−6.86(m、2H)、6.93(d、1H、J=2.4Hz)、6.97(d、1H、J=8.0Hz)および7.17−7.24(m、2H)。MS(ES+):m/z263.17および265.20[MH+]。
4−ブロモ−N
1−メチルベンゼン−1,2−ジアミン
EtOH(100ml)と4−ブロモ−N−メチル−2−ニトロアニリン(5328mg、22.04mmol)との懸濁をSnCl2−2H2O(25.61g、110.2mmol)で処理し、結果として得られた混合物を70℃で窒素の雰囲気下で5時間加熱した。反応混合物をrtまで冷却し、冷水(50ml)に続いて水性NaOH(4N)でpH>8まで処理した。この基本混合物をEtOAc(3x150ml)で抽出し、合成した抽出物を塩水(3x100ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空で濃縮し、表題化合物を得た。1HNMR(400MHz,DMSO−rftf)δppm=2.68(s,3H),4.74(brs,3H),6.27(d,1H,J=8.4Hz),6.61(dd,1H,J=2.0&8.4Hz)および6.66(d,1H,J=2.0Hz)。MS(ES+):nVz201.10および203.12[MH+]。
4−ブロモ−N
l−エチルベンゼン−1,2−ジアミン
4−ブロモ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6、)δppm=1.19(t、3H、J=6.8Hz)、3.01(カルテット、2H、J=6.8Hz)、4.46(brs、1H)、4.81(brs、2H)、6.30(d、1H、J=8.4Hz)、6.58(dd、1H、J=IA&8.4Hz)および6.66(d、1H、J=2.0Hz)。MS(ES+):m/z215.07および217.16[MH+]。
N1−ベンジル−4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン
4−ブロモ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミンに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm=3.39(brs、2H)、3.61(brs、1H)、4.28(s、2H)、6.51(d、1H、J=8.4Hz)、6.85−6.89(m、2H)および7.27−7.38(m、5H)。MS(ES+):m/z277.20および279.20[MH+]。
1−ベンジル−5−ブロモ−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
p−TsOΗ−Η2O(311.7mg、1.606mmol)をN1−ベンジル−4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン(4451mg、16.06mmol)とトリメチルオルトベンゾエート(3096μl、17.66mmol)のDCM(50ml)溶液にくわえ、結果として得られた混合物をrtで窒素の雰囲気下で40分攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、黄色固体を得、それを40%MeOH/水(375mL)で沈殿させ、ろ過し、飽和NaHCO3(20ml)+H2O(80ml)で2回洗浄し、40%MeOH/H2O(2x50ml)で洗浄し、乾燥し、表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm=5.44(s、2H)、7.05−7.08(m、3H)、7.30−7.36(m、4H)、7.44−7.50(m、3H)、7.66−7.68(m、2H)および7.99(dd、1H、J=0.4&1.6Hz)。MS(ES+):m/z363.20および365.26[MH+]。
5−ブロモ−l−メチル−2−フェニル−lH−ベンゾイミダゾール
1−ベンジル−5−ブロモ−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm=3.86(s、3H)、7.26−7.29(m、1H)、7.42(dd、1H、J=2.0&8.4Hz)、7.53−7.56(m、3H)、7.74−7.76(m、2H)および7.95(dd、1H、J=0.4&1.6Hz)。MS(ES+):m/z287.18および289.14[MH+]。
5−ブロモ−1−エチル−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−ベンジル−5−ブロモ−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm=1.46(t、3H、J=7.2Hz)、4.27(カルテット、2H、J=7.2Hz)、7.27(m、1H)、7.30(dd、1H、J=0.4&8.8Hz)、7.42(dd、1H、J=1.6&8.8Hz)、7.53−7.55(m、3H)、7.70−7.72(m、2H)および7.96(dd、1H、J=0.4&1.6Hz).MS(ES+):m/z301.18および303.11[MH+]。
5−ブロモ−1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−ベンジル−5−ブロモ−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明される手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz、CDCl3):δ=7.11(dd、1H、J=0.4&8.4Hz)、7.27−7.39(m、6H)、7.48−7.56(m、5H)および8.01(dd、1H、J=0.4&1.6Hz)。MS(ES+):m/z349.20および351.22[MH+]。
l−メチル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1,4−ジオキサン(10ml)と、5−ブロモ−1−メチル−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(616mg、2.14mmol)、ジクロロメタン(1:1)(52.6mg、0.0644mmol)と[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の複合体、ビス(ピナコラト)ジボロン(667mg、2.57mmol)、l,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(36.8mg、0.0644mmol)およびAcOK(638mg、6.44mmol)との混合物をN2で5分パージし、100℃で窒素の雰囲気の下16時間加熱した。混合物を飽和NH4CI(20ml)で処理し、EtOAc(3x20ml)で抽出し、合成した抽出物を塩水(3x20ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空で濃縮し、粗生成物を得、それを30%(250ml)と40%(250ml)のEtOAc/ヘプタンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、白色固体を得、それを50%EtOAc/ヘプタン(10ml)で沈殿させ、表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm=1.38(s、12H)、3.86(s、3H)、7.39(dd、1H、J=1.2&8.0Hz)、7.50−7.55(m、3H)、7.76−7.79(m、3H)および8.29(d、1H、J=0.8Hz)。MS(ES+):m/z335.29(100)[MH+]。
1−エチル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−ベンゾイミダゾール
1−メチル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm=1.38(s,12H)、1.45(t,3H,J=7.2Hz)、4.28(カルテット,2H,J=7.2Hz)、7.42(dd,1H,J=0.8&8.0Hz)、7.51−7.54(m,3H)、7.71−7.74(m,2H)、7.77(dd,1H,J=0.8&8.0Hz)および8.31(s,1H)。MS(ES+):m/z349.33[MH+]。
l−ベンジル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−ベンゾイミダゾール
1−メチル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm=1.36(s,12H)、5.45(s,2H)、7.05−7.08(m,1H)、7.21(dd,1H,J=0.8&8.0Hz)、7.26−7.31(m,3H)、7.44−7.48(m,3H)、7.66−7.71(m,3H)および8.36(m,1H)。MS(ES+):m/z411.42[MH+]。
l,2−ジフェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−メチル−2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−ベンゾイミダゾールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm=1.38(s,12H)、7.22(dd,1H,J=0.8&8.0Hz)、7.29−7.35(m,5H)、7.47−7.50(m,3H)、7.55−7.57(m,2H)および7.71(dd,1H,J=0.8&8.0Hz)、8.38(m,1H)。MS(ES+):m/z397.43[MH+]。
7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
Ir(Ome)2(COD)2[InorganicSyntheses(1985),3,126](850mg,0.0013mol)、4,4’−ジ−タート−ブチル−[2,2’]ビピリジニル(686mg,0.00256mol)および4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−bi−1,3,2−ジオキサボロラン(15.2g,0.0600mol)を含むフラスコを真空にし、Ar(3x)を補充し、DME(10mL)内で無水DME(400mL,3mol)および7−クロロ−1H−インドール(0.086mol)を投入した。結果として得られた混合物を、Ar下で16時間攪拌し、濃縮し、10%EtOAc/ヘプタンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフにかけ、96%の収率でろう様固体として所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm1.39(s,12H)、7.04(t,J=7.71Hz,1H)、7.15(d,J=2.27Hz,1H)、7.21−7.30(m,1H)、7.58(d,J=8.08Hz,1H)および8.72(br.s.,1H)。
4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
4−メトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−ブロモ−4−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−ブロモ−4−メトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−メチル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−フルオロ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
4−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
4−メチル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
4−メトキシ−1−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
4−メトキシ−1−メチル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−エチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−ethyl−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
4,7−ジメトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
4,7−ジメトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール−4−イルアセテート
1H−インドール−4−イルアセテートを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール−4−カルボン酸,メチルエステル
1H−インドール−4−カルボン酸、メチルエステールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾフラン
7−メトキシ−ベンゾフランを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
4,4,5,5−テトラメチル2−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン
3−メチル−ベンゾ[b]チオフェンを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾフラン
3−メチル−ベンゾフランを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−ブロモ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−ブロモ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
3−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
3−メチル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゾフラン
7−メチル−ベンゾフランを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−メトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−メトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
r.t.でアセトン(10mL)に1HHHHdf−インドール−7−オル(500mg,3.75mmol)を攪拌した溶液に、ヨードエタン(0.45ml,5.63mol)に続き、炭酸カリウム(3.11g,22.5mmol)を加えた。混合物をr.t.で16時間攪拌し、減圧下で溶媒を除去した。取得した粗成成物を、シリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、7−エトキシ−1H−インドールを得た。1HNMR(400MHz,MeOD)δppm1.51(t,J=6.95Hz,3H)、4.22(q,J=6.91Hz,2H)、6.42(d,J=3.03Hz,1H)、6.63(d,J=7.58Hz,1H)、6.92(t,J=7.83Hz,1H)、7.04−7.23(m,2H);MS(ES+):m/z162.20(MH+)。
7−エトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−エトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
2−ヨードプロパンを使用し、7−エトキシ−1H−インドールに説明する手順に従って作成した。
7−イソプロポキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルl)−1H−インドール
7−イソプロポキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−トリフルオロメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
TΗF(5.00mL)内で攪拌された7−トリフルオロメチル−1H−インドール−2,3−ジオン(116mg)に、水素化ホウ素ナトリウム(71.4mg,1.88mmol)に続いて、トリフルオライドエテレート(0.205mL,1.62mmol)を加えた。結果として得られた混合物を、−20℃で2時間攪拌し、水(1mL)を加えた後、混合物を0℃で10分間攪拌した。溶液を2NHClでpΗ=1に酸化し、r.t.に温め、EtOAcで抽出する前にr.t.で20分間攪拌した。抽出物を、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で濃縮し、残留物は7−トリフルオロメチル−1H−インドールを得るために、ヘキサンで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm6.63−6.68(1H,m)、7.20(1H,t,J=7.71Hz)、7.30−7.35(1H,m)、7.47(1H,d,J=7.33Hz)、7.83(1H,d,J=8.08Hz)、および8.56(1H,br.s.)。
7−トリフルオロメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−トリフルオロメチル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
エチルN−[2(トリフルオロメトキシ)フェニル]カルバメート
エチルクロロホルメート(4.4mL,0.046mol)を、0℃で2−(トリフルオロメトキシ)アリニン(8.25g,0.0466mol)、炭酸ナトリウム(15g,0.14mol)、1,4−ジオキサン(70mL)および水(70mL)の混合物に加え、反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をエーテルで洗浄し、酸化(pH3)し、生成物をEtOAc(3x40mL)に抽出した。合成した抽出物を、水(40mL)と塩水(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去し、84%の収率で所望の生成物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ1.33(t,J=5.2Hz,3H)、4.25(q,J=6.8Hz,2H)、6.91(br,1H)、7.04(m,1H)、7.23(m,1H)、7.28(m,1H)および8.2(m,1H)。MS(ES+):m/z250.12[MH+]。
エチル[2−ヨード−6−(トリフルオロメトキシ)フェニル]カルバメート
シクロヘキサン(3.0mL)中のsec−ブチルリチウムの1.4M溶液を、−70℃で、THF(9mL)中でエチルN−[2−(トリフルオロメトキシ)フェニル]カルバメート(0.5000g,0.002006mol)に滴下で加えた。1時間攪拌の後、−70℃で、THF(1.0mL)中でヨード(0.51g,0.002mol)溶液を滴下で加えた。攪拌はさらに1時間続けられ、混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で急冷した。水(50mL)を加え、混合物をジエチルエーテル(3x40mL)で抽出した。合成した有機相を40%のメタ重亜硫酸ナトリウム溶液、水、および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を真空で除去し、73%の収率で所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ1.29−1.36(m,3H),4.21−4.28(m,2H),6.21(br,1H),7.05(t,J=8.0Hz,1H),7.30(m,1H)および7.80(dd,J=6.8,1.2Hz,1H)。MS(ES+):m/z375.78[MH+]。
エチル[2−トリフルオロメトキシ−6−(トリメチルシラニルエチニルフェニル)]カルバメート
トリエチルアミン(44mL,0.32mol)中のPd(PPh3)2Cl2(83mg,0.00012mol)および銅(I)ヨウ化物(23mg,0.00012mol)の混合物を、40℃で20分加熱し、rtに冷却し、エチル[2−ヨード−6−(トリフルオロメトキシ)フェニル]カルバメート(4.50g,0.0120mol)を一部分において加えた。混合物を室温で30分攪拌し、(トリメチルシリル)アセチレン(1.6mL,0.011mol)を加えた後、混合物をさらに2時間攪拌した。溶媒を、真空で取り除き、残留物を水とジエチルエーテル(各60mL)間で分割した。有機物を1NHC1および塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥の後、真空で溶媒を除去した。反応物質を、20%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフにかけ、80%の収率で所望の生成物を得た。MS(ES+):m/z345.99[MH+]。
ナトリウムエトキシド(0.65mL,0.0017mol,2.6M)をEtOH(5.0mL)中でエチル[2−トリフルオロメトキシ−6−(トリメチルシラニルエチニルフェニル)]マルバメートの溶液に加え、混合物を72℃で14時間攪拌した。溶媒を、減圧下で取り除き、残留物を水とジエチルエーテル(各30mL)間で分割した。エーテル相を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、59%の収率で所望の化合物を得た。1HNMR(400MHz,CDCl3):δ6.60−6.61(m,1H),7.07−7.09(m,2H),7.25(d,J=5.6Hz,1H),7.55−7.57(m,1H)および8.42(br,1H)。MS(ES+):m/z202.18[MH+]。
7−トリフルオロメトキシ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−トリフルオロメトキシ−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−yl)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
1,4−ジオキサン(4mL)および水(1mL)中での7−ブロモ−1H−インドール(196mg,0.00100mol)の懸濁液に、フェニルボロン酸(146mg,0.00120mol)、炭酸カリウム(414mg,0.00300mol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタン(1:1)(82mg,0.00010mol)との錯体を加えた。フラスコを真空にし、窒素を補充し、これを3回行い、混合物を100℃で一晩加熱した。混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、sat.aq.NaHCO3(10mL)および塩水(10mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去した。粗成物をヘキサン/EtOAcで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(180mg、収率93%)を得た。1HNMR(CDCl3,400MHz):δ6.64(dd,J=3.0,2.0Hz,1H),7.18−7.26(m,3H),7.41(t,J=7.5Hz,1H),7.48−7.57(m,2H),7.61−7.70(m,3H)および8.43(brs,1H)ppm.LC−MS(ES+.):194[MH+]。
7−フェニル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
7−フェニル−1H−インドールを使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。
7−シクロプロピル−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
フェニルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を使用し、7−クロロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールに関して説明されている手順と類似の手順に従って調製した。1HNMR(CDCl3,400MHz):δ0.75−0.82(m,2H),0.95−1.04(m,2H),2.08(m,1H),6.59(dd,J=3.0,2.0Hz,1H),6.96(d,J=7.1Hz,1H),7.06(t,J=7.6Hz,1H),7.25(m,1H),7.52(d,J=7.8Hz,1H)および8.39(brs,1H)ppm.LC−MS(ES,Pos.):158[MH+]。
−50℃でTHF(25mL)と1−ブロモ−2−フルオロ−3−ニトロベンゼン(2.5g、11.3mmol)の溶液にビニルマグネシウムブロマイド(34mL、34mmol)を加え、混合物を−40℃で1時間攪拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、粘性物質を得、それをEtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製し、純6−ブロモ−7−フルオロ−1H−インドールを得た。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=6.53−6.62(m,1H),7.16−7.25(m,2H),7.29(d,J=8.34Hz,1H)および8.36(br.s.,1H);MS(ES+):m/z214.08[MH+]。
6−ブロモ−7−フルオロ−1−メチル−1H−インドール
−10℃でTHF(7mL)と6−ブロモ−7−フルオロ−1H−インドール(470mg、2.19mmol)の溶液に水酸化ナトリウム(175mg、4.39mmol、60%分散)を加え、混合物を0℃で30分攪拌した。ヨウ化メチルを0℃で加え、反応物を10℃まで温め、2時間攪拌した。反応物を、飽和塩化アンモニウムで急冷し、DCMで抽出した。DCM抽出物を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗成物を、EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製し、6−ブロモ−7−フルオロ−1−メチル−1H−インドールを得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=3.95(d、J=2.00Hz、1H)、6.42(t、J=2.78Hz、1H)、6.94(d、J=3.03Hz、1H)、7.09−7.15(m、1H)および7.20(d、J=8.34Hz、1H);MS(ES+):m/z228.04[MH+]。
7−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール
6−ブロモ−7−フルオロ−1−メチル−1H−インドール(420mg、1.84mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−bi−l,3,2−ジオキサボロラン(514mg、2.02mmol)、酢酸カリウム(542mg、5.52mmol)、ジクロロメタン(1:1錯体、150mg、0.184mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(102mg、0.184mmol)と錯体する、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の混合物に、ジオキサン(10mL)を加え、混合物を窒素で3分間バブリングすることによって脱ガスした。反応混合物を100℃で一晩加熱し、ジオキサンを減圧下で取り除き、残留物をDCMで溶解し無機物を取り除くためにろ過した。ろ過したものを濃縮し、粗成物を、純7−フルオロ−1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドールを得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=1.41(s、12H)、4.02(d、J=2.02Hz、3H)、6.46(t、J=2.65Hz、1H)、7.03(d、J=3.03Hz、1H)および7.28−7.47(m、2H);MS(ES+):m/z276.03[MH+]。
TΗF(50.00mL)中の2−トリフルオロメチル−1H−インドール−2,3−ジオン(116mg)の攪拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(71.4mg,1.88mmol)に続いて、臭素トリフルオライドエーテル(0.205mL,1.62mmol)を加えた。結果として得られた混合物を、真空で溶媒を取り除く前、およびEtOAcにおける残留物の懸濁の前に45℃で2時間攪拌した。無機塩類をろ過で取り除き、さらに精製することなく次の段階において使用する粗成物を得るために有機相を濃縮した。この残留物をトルエン(50mL)中で溶解した後、この溶液をPPA(10g)に加え、それによって得られた混合物を95〜100℃で2時間攪拌した。混合物をrtまで冷却し、氷水に注ぎ、EtOAc(3x50mL)で抽出した。合成した抽出物を、塩水に続いて水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、油をもたらすために減圧下で蒸発させた。これをヘキサン/EtOAcで溶出するシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによって精製し、7−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チオフェンを得た。1HNMR(400MHz、MeOD)δppm7.49−7.57(m、2H)、7.70(d、J=733Hz、1H)、7.74(d、J=5.56Hz、1H)および8.10(d、J=8.08Hz、1H)。
7−トリフルオロメチルベンゾ[b]チオフェン−2−ボロン酸
−78℃でTHF(30mL)と7−トリフルオロメチル−ベンゾ[b]チオフェン(0.52g、0.0026mol)溶液にヘキサン(1.4mL)で2.5Mのn−BuLiを加えた。反応物をゆっくりと−30℃まで30分にわたって温め、−78℃まで再冷却およびホウ酸イソプロピル(0.7255g,0.0038mol)で処理する前にこの温度で10分攪拌した。反応物をゆっくりと0℃まで温め、飽和塩化アンモニウムで急冷し、真空で溶媒を除去した。水(30mL)に続いて、水性水酸化ナトリウム(10mL、2N溶液)を残留物に加えた後、混合物をDCMで抽出した。水性溶液を、希硫酸(2N溶液)を使用して酸化させ、ろ過し、残留物を真空で乾燥し、7−トリフルオロメチルベンゾ[b]チオフェン−2−ボロン酸を得た。1HNMR(400MHz、MeOD)δppm7.55(1H、t、J=7.45Hz)、7.75(1H、d、J=7.07Hz)、8.02(1H、s)および8.17(1H、d、J=7.83Hz)。
インドール−6−ボロン酸(0.100g,0.615mmol)、水素化ナトリウム(0.07g,20mmol)およびTHF(5mL,60mmol)の混合物をrtで20分攪拌し、ヨウ化メチル(100uL,20mmol)を加え、混合物をrtで3時間攪拌した。反応物をsat.NH4CI溶液で急冷し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥の後、真空で溶媒を除去した。粗成物を、1:9EtOAc/ヘキサンおよび1%MeOHで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm3.99(s、3H)、6.58(m、1H)。7.23(m、1H)、7.81(m、1H)、8.08(m、1H)および8.34(m、1H)。MS(ES+):m/z176.15[MH+]。
酢酸(40mL)に3−メチル−2−ニトロフェノール(2.0g、13.06mmol)溶液にブロミン(0.70mL、13.71mmol)を加え、混合物をRTで5時間攪拌した。反応物を氷水に注ぎ、黄色の沈殿生成物をろ過し、水で洗浄し、真空で乾燥し、4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロフェノールを得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=2.61(s、3H)、2.62(s、5H)、6.92(d、J=8.84Hz、1H)、7.66(d、J=9.09Hz、1H)および9.28(s、1H);MS(ES+):m/z215.00[M−17]。
1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロベンゼン
アセトン(35mL)中の4−ブロモ−3−メチル−2−ニトロフェノール(2.200g、9.48mmol)溶液に、炭酸カリウム(3.276g、23.70mmol)およびヨウ化メチル(1.47mL、23.70mmol)を加え、混合物を4時間還流過熱した。反応物をrtまで冷却し、ろ過し、ろ過したものを減圧下で蒸発させ、粗成物を得た。EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでカラムクロマトグラフィーによる粗成物の精製で、浅黄色固体である純粋な1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロベンゼンを生成した。1HNMR(400MHz、CDCI3)δ=2.33(s、2H)、3.87(s、3H)、6.78(d、J=8.84Hz、1H)およひ7.58(d、J=8.84Hz、1H);MS(ES+):m/z247.26[MH+]。
1−[(E)−2−(6−ブロモ−3−メトキシ−2−ニトロフェニル)ビニル]ピロリジン
DMF(10.0mL)中の1−ブロモ−4−メトキシ−2−メチル−3−ニトロベンゼン(1.400g、5.68mmol)および1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(0.884mL、6.657mmol)溶液に、ピロリジン(0.555mL、6.656mmol)を加え、混合物をまで110℃4時間加熱した。DMFを取り除き、残留物をDCM:メタノール(1:6)混合物から再結晶させ、1−[(E)−2−(6−ブロモ−3−メトキシ−2−ニトロフェニル)ビニル]ピロリジンを得た。
THF(6mL)およびメタノール(6mL)中の1−[(E)−2−(6−ブロモ−3−メトキシ−2−ニトロフェニル)ビニル]ピロリジン(1.3g、3.97mmol)溶液に、ヒドラジン(0.19mL)に続いてラネーNi(≒500mg)を加えた。激しいガス蒸発を伴う発熱反応}。ヒドラジン(0.19mL)を、30分後、1時間後の2回にわたり再度加えた。反応物を45℃で2時間攪拌し、セライトパッドでろ過した。ろ過物を真空で濃縮し、残留物をEtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、純4−ブロモ−7−メトキシ−1H−インドールを得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=3.94(s、3H)、6.52(d、J=8.08Hz、1H)、6.56(dd、J=3.16、2.40Hz、1H)、7.17(d、J=8.08Hz、1H)、7.22(t、J=2.78Hz、1H)および8.47(br.s.、1H);MS(ES+):m/z226.12[MH+]。
2−フェニル−5−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ベンゾチアゾール
無水THF(9.78mL、0.121mol)中の5−ブロモ−2−フェニルベンゾチアゾール(0.500g、0.00172mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.508g、0.00200mol)、1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾl−2−塩酸イリジン(0.044g、0.10mmol)、Pd(OAc)2(0.019g、0.086mmol)およびAcOK(0.423g、0.00431mol)の攪拌した溶液をアルゴン下、72℃で29時間加熱した。混合物を無水硫酸ナトリウム、シリカゲル、およびセライトの多層パッドでろ過し、ろ過物を真空で濃縮し、固体を複数回にわたりヘキサンで粉砕し、表題の化合物を得た。1HNMR(400MHz、クロロフォルム−d)δppm=1.39(s、12H)、7.49−7.56(m、3H)、7.83(dd、J=8.08、1.01Hz、1H)、7.92(d、J=7.33Hz、1H)、8.12−8.18(m、2H)および8.60(s、1H);MS(ES+):m/z337.91[MH+]。
4−(メトキシカルボニル)−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸
N,N−ジイソプロピルアミン(1.18mL、8.35mmol)をブチルリチウム(4.18mL、8.4mmol)の2M溶液に、窒素下、−78℃で滴下で加えた。この温度で15分後、THF(8mL)中で−78℃まで再冷却し、4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(0.62g、3.34mmol)で処理する前に、溶液温度を0℃まで高め、その状態で15分保った。30分後、ヨードメタン(0.31mL、5mmol)を滴下で加え、混合物をrtまで2時間にわたって温めた。混合物を0℃まで冷却し、2NHCl(10mL)で急冷した後、EtOAc(2x10mL)で抽出し、塩水(3x15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。合成した有機抽出物の濃縮物により黄色固体を生成した。NMR(CDCl3)は所望の粗成物と一致する。
メチルtrans−4−{[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}シクロヘキサンカルボキシラート
反応物質をrtでさらに16時間攪拌した後、45℃で1時間攪拌した。反応混合物をまだ温かいうちにフリット漏斗でろ過した。固形物を3つ以上のTHF部分で洗浄し、ろ過物を真空で濃縮し、i−PrOH(300mL)から結晶化させ、フリット漏斗でろ過した結果、11.8g(収率78%)の白色結晶である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δppm1.45−1.69(m、4H)、2.07−2.16(m、2H)、2.18−2.28(m、2H)、2.29−2.39(m、1H)、2.59−2.71(m、1H)2.84(br.s.、4H)および3.68(s、3H);MS(ES+):m/z284.09[MH+]。
メチルtrans−4−{[(3−アミノ−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアジン−6−イル)メチル]カルバモイル}シクロヘキサンカルボキシラート
H2O(60.0mL、3.33mol)中の3−アミノ−6−(アミノメチル)−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン[J.HeterocyclicChem.,(1984),21(3),697](2.00g、0.0113mol)溶液を0℃まで冷却し、H2OでNaHCO3n(22.5mL)の1.00Mを滴下投入し、rtまで温めた。この混合物に1:1THF/MeCN(40mL)中、メチルtrans−4−{[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]カルボニル}シクロヘキサンカルボキシラート(3.8g、0.012mol)を投入した。30分後、反応物内で沈殿物が形成され始めた。これによりrtでさらに16時間攪拌し、フリット漏斗でろ過し、H2O(2x)、ジエチルエーテル(2x)で洗浄したのち、真空で乾燥した結果、2.92g(収率84%)のオフホワイト固体である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.24−1.55(m、4H)、1.83(s、2H)、1.98(d、J=10.61Hz、2H)、2.27(s、2H)、3.64(s、3H)、4.10(d、J=5.81Hz、2H)、6.81(br.s.、2H)、7.91(t、J=5.56Hz、1H)および11.98(br.s.、1H);MS(ES+):m/z310.05[MH+]。
メチルtrans−4−(2−アミノ−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート
1,2−diクロロエチレン(130mL)中のメチルtrans−4−{[(3−アミノ−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアジン−6−イル)メチル]カルバモイル}シクロヘキサンカルボキシラート(2.00g、0.00646mol)溶液にPOCl3(4.2mL、0.045mol)を投入し、3時間還流過熱した。反応化合物を真空で濃縮した後、EtOAcとsat.NaHCO3間で分割し、分離した。水溶液をEtOAc(3x)で再抽出し、合成した有機部分をろ過することで乾燥し、真空で濃縮した結果、1.43g(収率76%)のオフホワイト固体である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.43(q、J=11.79Hz、2H)、1.61(q、J=12.55Hz、2H)、1.85−2.11(m、4H)、2.38(t、J=11.87Hz、1H)、2.98(t、J=11.75Hz、1H)、3.61(s、3H)、6.17(br.s.、2H)、7.49(s、1H)および10.90(br.s.、1H);MS(ES+):m/z292.25[MH+]。
メチルtrans−4−(2−アミノ−5−ヨード−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート
無水DMF(4.0mL)中のメチルtrans−4−(2−アミノ−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート(0.200g、0.000686mol)およびN−ヨードサクシニミド(0.278g、0.00124mol)溶液をrtで48時間攪拌した。反応物を真空で濃縮した後、H2OとEtOAc間で分割した。水溶物質をEtOAc(3x)で再抽出し、合成した有機部分をH2O(2x)、Na2S2O3(2x)および塩水(1x)で洗浄した。水溶液をCHCl3で再抽出し、EtOAc部分と合成し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した結果、229mg(収率79.9%)の淡オレンジ色固体として表題の化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.34−1.65(m、4H)、1.88−2.06(m、4H)、2.33−2.45(m、1H)、2.91−3.01(m、1H)、3.61(s、3H)、6.17(s、2H)および10.82(br.s.、1H);MS(ES+):m/z417.82[MH+]。
メチルtrans−4−(5−ヨード−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート
無水THF(74mL)中のメチルtrans−4−(2−アミノ−5−ヨード−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート(0.880g,0.00211mol)溶液とDMF(13.2mL)に亜硝酸tert−ブチル(1.2mL、0.010mol)を投入し、rtで2時間攪拌した。反応物を真空で濃縮し、シリカゲル[5%MeOHinCHCl3で溶出]でクロマトグラフィーによって精製した結果、570mg(収率67%)の浅オレンジ色固体である表題化合物を得た。(1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.40−1.54(m、2H)、1.56−1.69(m、2H)、1.92−2.06(m、4H)、2.36−2.46(m、1H)、3.02−3.14(m、1H)、3.61(s、3H)、7.89(d、J=3.28Hz、1H)および11.79(br.s.、1H);MS(ES+):m/z402.86[MH+]。
メチルtrans−4−(4−アミノ−5−ヨードイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシレート
ピリジン(3.00mL)中の1H−1,2,4−トリアゾール(0.881g,0.0128mol)溶液にPOCl3(0.396mL、0.00425mol)を投入し、rtで15分攪拌した。この混合物に、ピリジン(6.00mL)中、メチルtrans−4−(5−ヨード−4−オキソ−3,4−ジヒドロイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)シクロヘキサンカルボキシラート(0.570g,0.00142mol)を滴下で加え、rtでさらに2.45時間攪拌した。反応物をi−PrOH(40.00mL)中でNH3の過剰2Mで、0℃で冷却し、rtでさらに3時間攪拌した。反応物を真空で濃縮し、EtOAcとsat.NaHCO3間で分割し、分離した。水溶液をEtOAc(3x)で洗浄し、合成した有機部分を塩水(1x)で洗浄した。水溶液をCHCI3(3x)で再抽出し、有機物をEtOAc部分に加えた。合成した有機部分をNa2SO4で乾燥し、ろ過した後、真空で濃縮した。粗成茶/赤固体をシリカゲル[CHCl3中5%MeOHで溶出する]でクロマトグラフィーによって精製した結果、438mg(収率76%)の淡黄色固体である表題化合物を得た。1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δppm1.39−1.54(m、2H)、1.55−1.71(m、2H)、1.92−2.07(m、4H)、2.35−2.46(m、1H)、3.06−3.19(m、1H)、3.61(s、3H)、6.77(br.s.、1H)7.86(s、1H)および8.44(br.s.、1H);MS(ES+):m/z401.85[MH+]。
1−クロロ−2−[(2,2−ジエトキシエチル)チオ]ベンゼン
アセトン(35mL)中の2−クロロベンゼンエチオール(5.0g,34.5mmol)溶液に、炭酸カリウム(9.55g、69.1mmol)に続いて、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(7.15g、36.3mmol)を加えた。混合物を3時間還流過熱した後、rtまで冷却し、ろ過し、ろ過物を、粗成物を得るために減圧下で蒸発させた。この物質を、ヘキサン(0→2%)中のエチルアセテートで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、純1−クロロ−2−(2,2−ジエトキシエチルスルファニル)ベンゼン(7.3、80%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=1.20(t、J=7.07Hz、6H)、3.15(d、J=5.56Hz、2H)、3.51−3.61(m、2H)、3.63−3.74(m、2H)、4.69(t、J=5.56Hz、1H)、7.12(td、J=7.58、1.52Hz、1H)、7.20(td、J=7.58、1.52Hz、1H)、7.36(dd、J=7.83、1.52Hz、1H)、7.39(dd、J=8.08、1.52Hz、1H);MS(ES+):m/z187.17[M−74]。
トルエン(40mL)中の1−クロロ−2−(2,2−ジエトキシエチルスルファニル)ベンゼン(3.95g、15.14mmol)に、ポリリン酸(15g、137.5mmol)を加えた。混合物を4時間還流過熱した後、氷水に注ぎ、30分攪拌し、トルエンで抽出した。合成したトルエン抽出物を、塩水に続いて水溶重炭酸ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、粗成物を得るために減圧下で蒸発させた。この物質を、ヘキサンで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、純7−クロロベンゾ[b]チオフェン(1.72g、67.5%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=7.13−7.30(m、3H)、7.38(d、J=5.31Hz、1H)、7.62(dd、J=7.33、1.52Hz、1H);MS(ES+):m/z169.06[MH+]。
−78℃でTHF(25mL)中の7−クロロベンゾ[b]チオフェン(1.0g,5.92mmol)溶液に、nブチルリチウム(7.41mL、11.8mmol、1.6M溶液)を加えた。反応物を−30℃まで温めた後、−78℃まで再び冷却し、ホウ酸イソプロピル(2.23g、11.8mmol)を加えた。混合物を0℃まで温め、飽和塩化アンモニウムを加え、有機相を分離し、真空で濃縮した。残留物に、水(30mL)に続いて水性水酸化ナトリウム(10mL、2N溶液)を加え、混合物をDCMで洗浄した。水相を2N硫酸で酸化し、白色固体として7−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−ボロン酸(1.21g,96%)を得るために、結果として生じた沈殿物をろ過によって分離し、真空下で乾燥した。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=7.41(t、J=7.70Hz、1H)、7.50(d、J=7.70Hz、1H)、7.91(d、J=7.70Hz、1H)、8.03(s、1H)、8.63(s、2H);MS(ES+):m/z211.86[M+]。
−78℃でTHF(60mL)中の7−ブロモ−1H−インドール(3.0g,15.3mmol)溶液に1BuLi(1.7M、33.8mL、57.4mmol)を加え、混合物を0℃まで温めた。反応物を−78℃まで冷却し、ジメチルジスルフィド(2.0mL、22.9mmol)の溶液を加え、反応物を0℃まで温めた。反応物を飽和塩化アンモニウムで急冷し、エチルアセテートで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、粗成物を得るために減圧下で蒸発させた。この物質を、ヘキサン(0→2%)中のエチルアセテートで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、純7−(メチルチオ)−1H−インドール(1.4g,55%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=2.50(s、3H)、6.58(dd、J=3.03、2.02Hz、1H)、7.09(t、J=7.58Hz、1H)、7.18−7.31(m、2H)、7.56(d、J=7.83Hz、1H)、8.45(br.s.、1H);MS(ES+):m/z164.15[MH+]。
−40℃でDCM(25ml)中の7−(メチルチオ)−1H−インドール(1.1g、6.7mmol)溶液にm−クロロ安息香酸(3.02g、13.4mmol)を加え、反応物を−40℃で30分攪拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムで急冷し、DCMで抽出した。DCM抽出物を水、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、粗成物を得るために減圧下で蒸発させた。この物質を、ヘキサン(0→10%)で溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーによって精製し、純7−(メチルサルフォニル)−1H−インドール(987mg、75%)を得た。1HNMR(400MHz、CDCl3)δ=3.12(s、1H)、6.66(d、J=2.53Hz、1H)、7.24(t、J=7.71Hz、1H)、7.35(d、J=1.77Hz、1H)、7.68(d、J=7.07Hz、1H)、7.90(d、J=7.83Hz、1H)、9.68(br.s.、1H);MS(ES+):m/z196.08[MH+]。
メチルtrans−4−シアノシクロヘキサンカルボキシラート
クロロスルフォニルイソシアネート(1.0mL、0.012mol)をDCM中でtrans−4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(2.00g、0.0107mol)の溶液に加え、0℃まで冷却した。結果として生じた溶液を15分間還流過熱した後、0℃に冷却し、DMFで滴下処理した。混合物を一晩室温で攪拌した後、氷水上に注ぎ、有機相を分離し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。溶媒を真空で取り除き、粗成物をエチルアセテート内で溶かし、1NaqNaOH(10mL)で洗浄し、エチルアセテートを真空で除去した。結果として生じた粗成物はさらなる精製を行うことなく次のステップで使用された。1HNMR(400MHz、クロロFORM−d)δppm1.36−1.70(4H、m)、2.01−2.18(4H、m)、2.24−2.54(2H、m)および3.68(3H、s).
THF(37mL)中でメチルtrans−4−シアノシクロヘキサンカルボキシラート(996mg、5.96mmol)の溶液に水(20mL)中で0.5M水酸化リチウム溶液を加えた。混合物を一晩攪拌し、THFを真空で取り除き、残留水溶液をpH4に酸化させた。結果として生じた混合物をエーテル(2x30mL)、EtOAc(2x30mL)およびCHCl3(2x30mL)で抽出した後、抽出物を合成し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。この物質は、精製をすることなく次のステップにすすめられた。1HNMR(400MHz、クロロフォルム−d)δppm1.43−1.73(4H、m)、2.05−2.22(4H、m)および2.36−2.59(2H、m)。
2−[Trans−4−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロヘキシル]プロパン−2−オル
トルエン(300mL)およびTHF(70mL)中のメチルtrans−4−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン−3−イル)シクロへキサンカルボキシレート(4.0g、0.014mol)の溶液を0℃に冷却し、0℃の温度を保ちながらエーテル(14mL)中のメチルマグネシウムブロマイドの3.0M溶液で処理した。混合物をrtで1.5時間攪拌した後、0℃まで冷却し、付加的なエーテル中のメチルマグネシウムブロマイドの3.0Mの3eqを加えた。混合物をrtで15分攪拌した後、0℃まで冷却し、1:1NH4Clsat.:H2O(50mL全容積)で急冷した。有機層を分離し、水性層をEtOAc(3x30mL)で抽出した。合成した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、それによって、所望の粗成物を得、EtOAcで溶出するシリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、2−[trans−4−(8−クロロイミダゾ[1,5−a]ピラジン3−イル)シクロヘキシル]プロパン−2−オルを得た。1HNMR(400MHz、クロロFORM−d)δppm1.14−1.39(m、8H)、1.41−1.60(m、1H)、1.77−1.98(m、2H)、2.01−2.20(m、4H)、2.78−3.06(m、1H)、7.35(d、J=5.05Hz、1H)、7.64(d、J=5.05Hz、1H)および7.83(s、1H).