本発明の例示的な実施例は、より大きな基材を処理するプラットフォームを提供する。プラットフォームは、本発明の少なくとも1つの例示的な実施例によれば、小さな体積を有することができ、少ない機械的経費を有することができ、及び/又は、種々のプロセス・ツールとより容易に一体化されることができる。
図2Aは、例示的な実施例によるプラットフォームを示す。図2Aのプラットフォームは、フレーム202を含むことができる。フレーム202は、上部及び下部支持構造体213U及び213L並びに端部支持構造体214L及び214Rを含むことができる。支持構造体213U、213L、214L及び214Rは、例えば、金属材料の連続片(例えば、シート金属)で形成されることができ、温度制御用の、内部に形成された管207を含むことができる。支持構造体213U、213L、214L及び214Rの温度は、方向217に管207を通して流体(例えば、空気、液体、気体など)を流すことによって、制御されうる。或いは、支持構造体213U、213L、214L及び214Rは、細切れ式に形成されることができ、その場合には、支持構造体213U、213L、214L及び214Rは、それぞれ、個々に形成され、その後、組み立てられる。
それぞれの端部支持構造体214L及び214Rは、複数のツール・バー210が、その上に配置されるか、搭載されるか、又は固定される複数の搭載表面211を含むことができる。円筒体又は円筒ステージ201は、フレーム202内に配置されることができる。円筒体201は、約1mの直径と約2mの長さを有することができる。円筒体201は、軸受216を使用して回転軸212上に搭載されることができる。モータなどの駆動装置203は、円筒体軸212の一端に取り付けられることができる。駆動装置203は、回転軸212を駆動し、円筒体201を方向218に回転させることができる。円筒体201は、例えば、約500kgであることができ、軸受216は、例えば、静圧流体軸受であることができる。しかし、任意の適当な軸受が使用されてもよい。流体は、例えば、空気、液体、気体などである。静圧流体軸受は、当技術分野でよく知られており、したがって、簡潔にするために、詳細な説明は省略される。
少なくとも1つの実施例において、直径が約1mで約2.5mの長さの円筒体は、例えば、静圧軸受によって支持されることができる。軸は、ロータの延長であることができ、又は、固定されることができる。
図3A〜図3Dは、例示的な実施例に従って、静圧軸受を配置する複数の異なる態様を示す。図3A〜図3Cは、水平円筒体用の軸受配置構成を示し、図3Dは、垂直円筒体用の軸受配置構成を示す。軸受面は、図3A〜図3Dにおいて、肉厚の黒線で示されている。
図3Eは、円筒体にかかる曲げ力を除去し、回転中の遠心効果による曲げを抑制することができる軸受の配置構成を示す。水平方向において、配置構成は、一端に静圧軸受を有し、ばね力によって、静圧軸受に対して押されることができる。軸受が、圧力と真空の両方を使用する場合、ばね力は、軸受自体によって生成されることができる。このような方法では、軸受内のギャップは、軸又は円筒体の熱膨張に応じて生じない。
再び図2Aを参照すると、フレーム202及び円筒体201の温度は、強制冷却によって制御されることができる。強制冷却は、方向206に回転軸212を通して流体(例えば、液体、空気、気体など)を流すことによって行われる。フレーム202及び円筒体201の温度は、約0℃と約0.01℃を含む、約0℃と約0.01℃との間の温度に制御されることができる。例えば、円筒体は、約0.05℃又は約0.01℃に温度制御されうる。
やはり図2Aを参照すると、処理プラットフォームは、また、工作物を円筒体201に搬送するコンベア208を含むことができる。円筒体201への工作物の装填及び円筒体210からの工作物の取り外しは、図18A及び図18Bを参照して、より詳細に説明される。
少なくともいくつかの例示的な実施例による処理プラットフォームは、円筒状ステージが、その中で1つ又はいくつかのツール・バーを装備することができるモジュール式システムとして構築されることができよう。それぞれのツール・バーは、1つ又は複数のツールを有することができる。結果として、単一機能が、単一ツールだけを使用して、通常の又は従来の処理速度で実施されることができる。例示的な実施例は、また、単一ツール・バー上で複数のツールを使用して、複数のツール・バー上で複数のツールを使用してなどで、より大きい容量を処理することができる。複数の機能が、同じシステム内に構築されることができる。少なくとも1つの例示的な実施例によれば、処理ツールは、処理機能などの複数の機能、並びに、工作物のアライメント用及び処理結果の解析用の計測を有することができる。
標準化されたインタフェースを有するモジュール式プラットフォーム設計は、柔軟性を増加させることができる。標準化されたインタフェースは、例えば、機械インタフェース、電気インタフェース、通信インタフェース、座標系、診断ルーチン、ユーザ・インタフェース表現などを含む。異なるツールが、円筒ステージ上に搭載されることができるが、同じツールが、モジュール式システムに嵌合するフラットベッド・ステージ上で使用されてもよく、モジュール式システムにわたる柔軟性がさらに増加する。モジュール式システムは、異なるディスプレイ製造業者が、異なるスクリーン・サイズ、したがって、たとえ同じ生成であっても異なる基材サイズを満足する必要がないようにさせることができよう。再使用可能なインタフェース及びコンポーネントを用いるモジュール式手法は、少なくともいくつかの例示的な実施例によれば、カスタマイゼーションに関連するコストを低減することができよう。
図2Bは、例示的な実施例によるモジュール式システムを示す。図示するように、モジュール式システムは、ステージ、ツール・バー、及び/又はツールを含むことができる。インタフェースの少なくとも一部分は、モジュール間のラインで示されている。
一部のインタフェースは、モジュールが交換されるように、標準化されることができよう。これは、例えば、ツール・バー及びツール用の標準化されたキネマチックマウントなどの機械的リーツ(reats)又はソフトウェアを含む。標準化されたソフトウェア・インタフェースは、同じ動作が、モジュールによって、及び、モジュール上で実施されることを可能にすることができよう。
さらに、例えば、検査カメラ及び修理ツールが、同じ欠陥について、同じ座標を使用できるように、モジュールの少なくとも一部は、共通座標系を有することができよう。一実施例では、共通座標系は、工作物、特に、標準状態、特定の曲げ状態、特定の応力状態、及び特定の温度状態の、例えば、処理が終了した後、約22℃の温度で、前表面が平坦な状態でストレスがかからない工作物に関する座標を指すことができる。共通座標系は、同じ方向を向いていてもよく、同じ平面上に原点を有することができるが、一部の実施例では、座標系は、異なるツールと異なるツール・バーとの間で、ナノメートル・レベルまで正確に位置合わせされる必要がある。
共通座標系によって、ハードウェア及び較正の多くが抽出されることができよう。例えば、MOVE TO動作は、標準状態の工作物について共通座標系において与えられる必要があるだけであり、ステージ上の工作物の歪み、温度、及び/又はアライメント、ツールのアライメント、並びに座標変換は、下位の抽出層(例えば、機械、工作物制御及び/又は較正システム)によって補正されることができる。
戻って図2Bを参照すると、ステージ・モジュールは、円筒ステージ8301、フラットベッド・ステージ8302、並びに処理及び/又は計測が、搬送コンベア8303上で起こる「ステージレス」ステージを含むことができる。ステージは、ステージ・コントローラ8306、並びに、1つ又は複数のタイプのツール・バー、例えば、ツール移動を有するツール・バー8305又はツール移動が無いツール・バー8304に対する標準的なインタフェースを有する。多数のツール・タイプ8307、8308、8309、及び/又は8310が、ツール・バーの1つ又は複数上に搭載されることができ、また、ツール・バーは、ツール制御ハードウェア及びソフトウェア、較正ソフトウェア、診断ツールなどを含むデータ・システム8311にインタフェースすることもできる。モジュラー式システムは、同じシステム上で複数の動作を同時に実施することもできよう。
戻って図2Aを参照すると、少なくとも1つのツール・バー210は、搭載面211上に配置されるか、又は、搭載されることができる。しかし、プラットフォームは、本発明の例示的な実施例によれば、任意の数のツール及び任意のタイプのツールを含む任意の数のツール・バーを含むことができる。
図4は、別の例示的な実施例によるプラットフォームを示す。図示するように、図4のプラットフォームが、上に搭載されたツール301を含むさらなるツール・バー302を含むことを除いて、図4のプラットフォームは、図2Aのプラットフォームと同じか又は実質的に同じである。駆動装置203は、ステージ201を任意の角度に回転させることができ、また、ツール301は、ツール・バー302に沿って摺動するため、ツール301は、円筒201上に装填された工作物の表面上の任意の地点にアクセスすることができる。
やはり図4を参照すると、ツール・バー302は、工作物に関してより正確な座標系を確立するために、少なくとも1つの計測デバイス301を含むことができる。座標系は、工作物(例えば、ガラス・シート)が後で平坦状態になったときに真の座標を提供するように、例えば、ガラスの曲げを補正された状態で計算されることができる。平坦座標系の計算は、以下でより詳細に述べられる。
少なくとも1つの例示的な実施例では、計測装置301は、ガラスの表面上の基準マーク、及び/又は、工作物上の前もって形成された、及び/又は、パターニングされた層のフィーチャを読み取る光学部品(図4に示さず)を含むことができる。計測装置301の光学部品は、固定されることができ、又は、工作物上の任意の地点にアクセスするためにツール・バー302に沿って摺動することができる。計測装置301からのデータは、種々の動作及び/又は機能のために使用されることができる。例えば、計測装置301からのデータは、高温処理及び/又はコーティング/エッチングによって生成される歪みを評価するときに使用される測定値を採取するために使用されることができる。計測装置は、また、形成されたパターンに対して解析ツール、検査ツール、パターニング・ツール及び/又は処理ツールを位置合わせし、現在の動作(例えば、パターニング)と前のパターンとの間のより正確なオーバレイについての歪みマップを進行中に作成し、及び/又は、座標系又は支持構造体の歪み及び/又はドリフトを監視するのに使用されることができる。
計測装置を有するツール・バーだけを含む処理プラットフォームの例示的な実施例は、基材計測システムと呼ばれることができる。基材計測システムは、数十nmの精度を有することができる。
ツールは、ツール・バーに沿って摺動し、解析のために1つ又は複数の位置で停止することができる。例えば、顕微鏡などのツールは、ツールが停止すると、工作物に自動的に焦点を合わせ、ビデオ画像をオペレータに送ることができる。微動位置決めが、オペレータ又は画像認識によって行われることができるため、ツールが、特定の位置を突き止めなければならない精度は、ある程度正確である必要があるだけである。他の解析機器が同じプラットフォームに一体化されて、多目的解析プラットフォームが作られることができる。他の解析機器の実施例は、エリプソメータ、反射率計、散乱計、FTIR、及び、種々のタイプのカメラなどの光学機器;STM、AFM、近接場光プローブ、走査型磁気プローブ、ケルビン・プローブ、粗さ計などの走査型プローブ機器;光子、電子、イオン、原子、又はX線を使用する表面解析ツール;接触角プローブ、温度プローブ、音響顕微鏡などのような化学的及び物理的プローブ;並びに、4点プローブ及び他の機器などの電気試験機器である。
図4に示すプラットフォームは、ツール・バー用の複数の(例えば、4つの)さらなる自由位置を有し、それぞれが、ステージの全幅を走査する、複数の(例えば、5つの)別個の機器を保持することができる。本発明の例示的な実施例によるプラットフォームは、任意の数のツール・バーを含むことができ、複数のツールが各ツール・バー上に搭載されることができる。
工作物は、TFTスクリーン及び/又は類似するタイプのディスプレイ・デバイスを製造するための半導体(例えば、シリコン)基材又はガラスであることができる。使用可能なガラス・サイズは、円筒体のサイズに依存することができる。表1は、異なる円筒体について使用可能なガラス・サイズを示す。図示するように、Lは、円筒ステージの長さを表し、Dは直径を表す。
3000mmの長さと1000mmの直径を有するプラットフォーム用の最大標準サイズのガラスとして、表1にG9(2400×2800mm)が示されるが、プラットフォームは、より大きな円筒体の場合に約4m×約6mを含む、より大きなガラス・シートを処理することができる。
TFTディスプレイは、1つはトランジスタ・アレイ用、1つはカラー・フィルタ用の2つのガラス・シートを含むことができる。ガラス・シートは共に、類似する又は実質的に類似するプロセス、例えば、薄膜のブランケット析出、フォトリソグラフィとエッチングによるパターニングを使用して製造される。2つのガラス・シートはそれぞれ、約0.5mmと約0.7mmを含み、約0.5mmと約0.7mmとの間の厚さを有することができ、また、大きさが約2m×約3mであることができる。しかし、ガラスの厚さ及び/又はサイズは変わることができる。
図5は、本発明の別の例示的な実施例による、プラットフォームの例示的な実施例を示す。図5のプラットフォームが、計測ツール・バー402及び検査ツール・バー404を含むことができることを除いて、図5のプラットフォームは、図2Aに示すプラットフォームと同じか又は実質的に同じである。検査ツール・バー404は、複数の(例えば、4つの)光学検査ヘッド406を含むことができる。光学検査ヘッド406は、互いに同じであることができ、又は、異なることもできる。
図5を参照すると、矢印で示すように、円筒体201は回転し、光学ヘッド404は、ツール・バー404に沿って摺動して、円筒体上に装填された工作物の全幅をカバーすることができる。各光学ヘッド406は、工作物のストライプをカメラで読み取り、読み取ったストライプを既知の参照パターンと比較することができる。参照パターンは、同じストライプの時間遅延した部分、同じ又は別のツール・バー上の別のツールからのパターン、或いは、データベースから得られる参照パターンであることができる。読み取ったストライプを、同じストライプの時間遅延した部分又は別のツールからのパターンと比較することは、ダイ−ダイ検査と呼ばれることができ、一方、読み取ったストライプをデータベースから得られる参照パターンと比較することは、ダイ−データベース検査と呼ばれることができる。例示的な実施例は、それぞれの方法を、個々に、又は、互いに組み合わせて使用することができる。
例えば、ダイ−ダイ検査は、圧倒的に周期的であるパターンの部分について使用されることができ、一方、ダイ−データベース検査は、非周期的であるパターンの部分について使用されることができる。複数のツールを有することは、ダイ−データベース検査をより多くの状況で使用させることができる。光学検査ヘッド406は、例えば、時間遅延及び積分(TDI)カメラなどのカメラであることができる。TDIカメラは、移動物体のより鮮明な画像を提供することができる。
図6は、本発明の別の例示的な実施例によるプラットフォームを示す。図6のプラットフォームが、複数の(例えば、2つの)パターニング・ツール・バー502及び504を含むことができることを除いて、図6に示すプラットフォームは、図2Aに示すプラットフォームと同じか又は実質的に同じであることができる。パターニング・ツール・バー502及び504はそれぞれ、少なくとも1つのインクジェット書き込みヘッド506を含むことができる。例示のために、図6のツール・バー502及び504は、2つのインクジェット書き込みヘッドを含む。各インクジェット書き込みヘッド506は、円筒体201が回転するときに、ストライプに似たエリアに書き込む又はエリアを埋めることができる。インクジェット書き込みヘッドが、ツール・バー502及び504に沿って軸方向に摺動する間に、ストライプは、円筒体201の回転による同時走査のため、斜め角度を有することができる。インクジェット書き込みヘッド506は、オーバラップするストライプを書き込むことができ、パターニング、書き込み、又は印刷動作は、2つ以上のパスを含むことができる。換言すれば、インクジェット書き込みヘッド506は、工作物の同じ又は実質的に同じ部分にわたって、2回以上通過することができる。
工作物は、例えば、カラー・フィルタ生産用の基材であることができ、インクジェット書き込みヘッド506は、カラー・フィルタ・ドット及び/又はブラック・マトリクス・パターンを印刷することができる。インクジェット書き込みヘッドは、また、スペーサ、LCD液自体、レジスト、ポリイミド、有機及び/又は無機誘電体、パッシベーション及び/又は保護膜、有機LED用のアクティブ層、金属用の前駆体、並びに無機層などに印刷することができる。
図7は、本発明の例示的な実施例によるプラットフォームを含む光学書き込み器を示す。図示するように、図7の光学書き込み器は、例えば、図2Aの処理プラットフォーム及び少なくとも1つのさらなるツール・バー602を含むことができる。ツール・バー602は、少なくとも1つのツール604を含む単一パターニング・ツール・バーであることができる。この例示的な実施例では、ツール・バー602は、単一ツール604を含むことができ、ツール604は、レーザ・スキャナを含む光学書き込みヘッドであることができる。レーザ・スキャナは、ポリゴン・レーザ・スキャナ又は任意の他の適したレーザ・スキャナであることができる。しかし、例示のために、図7は、ポリゴン・レーザ・スキャナに関して説明される。ツール・バー602に固定されたレーザ608は、レーザ・ビーム606をレーザ・スキャナに供給することができる。レーザ608は、例えば、パルス・エキシマ・レーザ、連続レーザ、変調式連続レーザなどであることができる。しかし、例示のために、図7は、約100nsの周期を有するパルス・レーザに関して説明される。一実施例では、レーザ608の波長は約1.06ミクロンであることができ、パルス反復レートは約50kHzであることができる。パルス・エネルギーは約10mJであることができ、総エネルギーは約500Wであることができる。レーザ・パルスは、電子回路(図示せず)によってトリガーされることができる。電子回路は、例えば、円筒体走査、ツール走査、及び下位走査(例えば、ツール位置に対する走査)などの走査移動に基づいて工作物上の指定された、又は、特定の位置を照射するための、次のパルスの時間位置を計算することができる。
図7に示す光学書き込み器は、直接構造化と呼ばれる、レジストを使用しないパターンの形成、例えば、半導体デバイスの基材上への直接形成に適することができる。直接構造化の実施例は、レーザ・アブレーション、熱転写リソグラフィなどを含む。直接構造化プロセスに応じて、波長が異なることができる。例えば、レーザ・ビーム606の波長は、約1.06nmと約0.193nmを含み、約1.06nm〜約0.193nmの範囲であることができる。付加的に、又は、別法として、パルス・エネルギーは、高くてもよく、又は、低くてもよく、パルス反復周波数は、高くてもよく、又は、低くてもよく、及び/又は、1つ又はいくつかのスキャナ・ツールを有する複数のツール・バーが、直接構造化プロセスに応じて、使用されてもよい。
ツール604内のレーザ・スキャナは、特定の用途に応じて種々の方法で実施されることができる。例えば、レーザ・スキャナは、ガルバノメータ、ポリゴン、ホログラフィック素子又は微小機械素子、音響光学素子又は電気光学素子、或いは、円筒体及び/又はツールの機械式走査であることができる。付加的に、又は、別法として、光ビームを走査する例示的な方法は、音響光学走査、電気光学走査、回転又は振動走査、機械的又は微小機械的走査、並びにホログラフィック走査、円筒体及び/又はツールによる走査であることができる。
少なくともこの例示的な実施例による光学書き込み器は、光子エネルギー及び/又は熱を使用して潜在パターン及び/又は直接パターンを作るのに使用されうる。潜在パターン及び/又は直接パターンは、例えば、フォトレジスト、乳剤、金属又は金属合金膜、有機膜、或いは他の光感応性材料に書き込まれることができる。別の例示的な実施例では、材料は、アブレーションによって除去されることができ、或いは、パターンの形成は、レーザ誘発化学反応、レーザ誘発性の表面エネルギー変化又は化学物質変化、及び/又は、ドナー膜又は工作物からのレーザ支援物質移動に依存することができる。なお別の例示的な実施例では、光学書き込み器は、工作物にパターニングするために、帯電粒子ビーム又は原子ビームを使用することができる。
光学書き込みヘッドを使用するとき、パターンは、1つ又は複数の1次元又は2次源空間光変調器を投影するか、又は、小型レンズ・アレイから、1つ又は複数の個々に変調されたスポットのアレイを使用して、1つ又はいくつかの走査用レーザ・ビームによって形成されうる。レーザ・ビームの波長は、例えば、EUV、真空UVを越えた領域、深UV、中間UV、近UV、可視、近赤外から遠赤外、又は、2つ以上の範囲の組合せから選択されうる。ある波長を有する放射を生成する、チッ化ガリウムのバンドギャップを使用したレーザによる照射は、米国特許第7,098,993号に記載されている。或いは、レーザ・ビームの波長は、約1nmと約100ミクロンを含む、約1nmと約100ミクロンとの間から選択されうる。レーザ608は、連続式、半連続式、直接変調式、又はパルス式であることができる。レーザ書き込み機器の多くの例示的な実施例は、入力パターン仕様をベクトル又はアルゴリズム形式、例えば、GDSII、Gerber又はOASIS形式に変換して、光学書き込みハードウェア用の信号をデータ・パスによって変調する。
図8は、本発明の別の例示的な実施例による光学書き込み器を示す。図8の光学書き込み器が、複数の連続ダイオード・レーザ・チャネルを含む光学書き込みヘッド702を含むことを除いて、図8の光学書き込み器は、図7の光学書き込み器とある程度同じである。少なくともこの例示的な実施例では、レーザ・ダイオードは、例えば、約406nmの波長を有するレーザ・ビームを生成することができる。各レーザ・ダイオードは、レーザ・ビームを、工作物上の所与のスポットに向けて放出することができる。光学書き込みヘッド702は、複数の(例えば、約12,000の)レーザ・ダイオードを含むことができる。レーザ・ダイオードは、円筒体が回転するとき、工作物上に書き込まれる平行ラインの数が、レーザ・ダイオードの数と同じか、又は、実質的に同じであるように配置されうる。
約10m/sの回転速度によって、約1分の間に、約1平方ミクロンのピクセルを用いて、約6m2の工作物面積が書き込まれる又は処理されうる。レーザ・ダイオードは、約10MHzのオン−オフ・レートで直接変調されうる。
やはり図8を参照すると、光学書き込みヘッド702は、さらに、投影光学部品(図示せず)を含むことができる。図9Aは、光学書き込みヘッド702内に含まれる例示的な投影光学部品を示す。
図9A及び図9Bは、図8の光学書き込みツール内に積層される光学チャネルの例示的な実施例を示す。
図9Aを参照すると、光学チャネル800Aは、レーザ・ダイオード802Aからのレーザ・ビーム出力を成形する、及び/又は、レーザ・ビーム出力の品質を向上させる空間フィルタ806Aを含むことができる。図9Aは、光源802A(例えば、レーザ・ダイオード)が(例えば、レーザ・ダイオードへの電流を変調することによって)変調されうる単純な配置構成を示す。ビームは、レンズ808Aによって工作物上に収束されうる。現実世界のレーザ・ダイオードのビーム品質は、高品質リソグラフィについて十分ではない場合があり、図9Aは、空間フィルタ804A及び806Aによってフィルタリングされたビームを示す。別の例示的な実施例では、光源は、変調されるのではなく、外部変調器が使用されうる。
図9Bは、例示的な実施例による別の光学チャネルを示す。図9Bの光学チャネルは、複数の個々に変調されたビームを含むことができる。
図9Bを参照すると、レーザ源802Bからのレーザ・ビームは、ビーム・スプリッタ又はファンアウト素子(例えば、ファンアウト回折光学素子DOE)によって分割されることができ、複数のビームは、個々に変調され(例えば、透過装置として示される電気光学又は微小機械変調器を使用して変調されるが、例示的な実施例は、反射変調器、音響光学変調器、又は他の適したタイプに適用可能である)、工作物上に投影されることができる。この実施例では、単一レーザ源802Bが、複数の(例えば、32の)変調ビームを供給することができ、ビーム当たりのコストが低減されうる。少なくとも1つの例示的な実施例では、上述した12,000のレーザ・ビームが、それぞれが32のビームを有する、12,000/32すなわち375の光学チャネルによって生成されうる。
図9Cは、図9Bの実施例と同様の例示的な実施例を示すが、さらに、付加されたレンズ・アレイ810Cを含む。レンズ・アレイは、光学部品の残りが、比較的低い開口数(NA、例えば、比較的弱いレンズ)で構築されることを可能にし、そのため、簡略化されうる。システムの分解能は、レンズ・アレイのNAによって決定され、これは、著しく高くてもよい(例えば、NA=0.25)。レンズ・アレイ素子は、また、小さく、短い焦点距離を有し、軸上でだけ使用されうる。小さいレンズは、比較的大きなレンズに比べて、指定された波面品質に合うように作るのが容易であるが、図9Bのレンズ808Bは、約6〜10の光学素子を必要とし、レンズ・アレイ素子はそれぞれ、単一の、おそらくは球の屈折表面でありうる。図9Cの歪みは、図9Bの場合と同様に、808B内のレンズ素子のアライメントによってではなく、アレイの製造公差によって制御される。
先に説明したように、図9Cの光学チャネルは、図9Bの光学チャネルに類似する、又は、実質的に類似することができる。しかし、図9Cの光学チャネルは、さらに、小型レンズ・アレイ808Cを含むことができる。小型レンズ・アレイ808Cは、各小型レンズが軸上に単一点だけを結像するため、レンズの必要とされるエタンデュー(例えば、NAと視野の積)を軽減することができる。小型レンズ・アレイは、各ビームについて、単一の、おそらくは非球の表面を有することができる。軸上で使用される小さな又は比較的小さなレンズの場合、単一表面の光学品質は、適切であることができる。小型レンズ・アレイ808Cは、屈折表面を搭載する、又は、エッチングすることによって、或いは、回折レンズ素子を使用することによって作られることができる。各レーザ・ビームが複数のビームに分割される小型レンズ・アレイを使用することは、図9Aの場合と同様に、1チャネル当たり1つのレーザを有することに比べて、より費用効果的でありうる。
図9Dは、表面埋め処理パターンにステッチングすることができる138のビーム・レットを用いた806C内の2次元ファンアウト・パターンを示す。このファンアウト・パターンを作成する小型レンズ・アレイは、この実施例では、投影システムの画像反転を補償するために、小型レンズ・アレイが約180°回転することができることを除いて、同様に図9Eに示す、小型レンズ・アレイ808Cと同じ、又は、実質的に同じである。本明細書に説明される例示的な実施例は、小型レンズを積層する6角形パターンを有し、パターンは、ツールが、工作物上に等間隔の又は実質的に等間隔の138の平行ラインを描くように、回転することができる、及び/又は、面取りされることができる。ツールが、連続して、円筒体と同時に移動する場合、ビーム・パターンは、合成された走査角度に回転することができる。ビーム・パターンの菱形包絡線は、例えば、左ストライプから、徐々に益々少数のビームが供給され、一方、右ストライプによって、益々多くのビームが供給されるため、次のストライプへの平滑な移行を提供することができる。或いは、ラインは、ストライプの境界近くに、2回、左で1回と右で1回、書き込まれてもよいが、使用されるパワーが低減されるため、総露光量は、非オーバラップ・エリアの場合と同様に、オーバラップ・エリアにおいて、同じ、又は、実質的に同じである。
図9F、図9G、及び図9Hは、図9B及び/又は図9Cで使用されうる変調器素子を示す。図9Fは、806B又は806Cに相当する変調器素子の疎なアレイを示す。変調器素子の疎なアレイは、格子ライト・バルブに基づく変調器パッチのアレイでありうる。1つのこうしたパッチは、図9Gにより詳細に示される。反射ミラー・ストリップは、全ての反射表面エリアが同じ位相になる反射状態で、又は、ストリップの一部が、破壊的干渉を生じる位置に静電的に引っ張られ、したがって、非反射状態が生成される、非反射状態で固定されうる。図9Hでは、異なる微小機械変調器パッチが示される。この実施例では、傾斜ミラーは、レーザ・ビームを別の方向に鏡のように送出することによって(例えば、DMD型ミラー)、又は、回折によって(例えば、回折マイクロミラー)反射を消すことができ、これらはそれぞれ当技術分野でよく知られている。少なくとも1つの例示的な実施例は、電気光学変調器及び/又は液晶シャッタを使用する。
図52は、例示的な実施例による、同時印刷されたピクセルの例示的な空間配置構成を示す。図52の矢印は、走査方向を表す。
図52を参照すると、5000A〜5000Cは、ピクセルの密なマトリクス、例えば、長方形の辺に整列した、行と列のアレイを有する長方形空間光変調器の画像である。5000Aは、ピクセル格子が、その中で書き込み方向に対して、平行か、又は、実質的に平行であるSLMを示す。換言すれば、5000Aは走査方向に整列し、5000Bは45°回転し、5000Cは異なる角度に回転する。5000D、5000E、及び5000Fは、SLMの辺に対して、例えば、45°だけ、また、0°、45°、及び第3の角度だけ回転したアレイを有する密なマトリクスの画像である。5000Gは、走査中に、行が異なる位置に当たるように傾斜した、又は、回転した疎なマトリクスである。この実施例では、エリアは、1つ又はいくつかのスキャンで埋められうる。5000Hは、ピクセルの疎な行であり、こうしたエリア埋め処理が所望される場合、エリアを埋めるために、複数のパスを必要とする。5000Iは、密な行、例えば、1次元SLMの画像であり、5000J及び5000Kは、ピクセルが走査方向に変位した状態の単一行である。
図10A及び図10Cは、本発明の例示的な実施例による光学書き込みヘッドを示す。図10A及び/又は図10Cの少なくとも1つの光学書き込みヘッドは、少なくともいくつかの例示的な実施例に従って、光学書き込み器のツール・バー内に含まれうる。
図10Aは、1次元空間光変調器3902、例えば、格子ライト・ガイド(GLV)に基づく書き込みヘッドを示す。変調器素子3903の行は、波長変換が有る状態又は無い状態で、多数の光源3907、例えば、LED、レーザ・ダイオード、ファイバ結合式レーザ・ダイオード、気体レーザ、エキシマ・レーザ、個体レーザなどによって照射されうる。照射光学部品は、アナモフィック光学部品3908を有することができ、1つの光源からの光を、変調器素子の1つ又は複数(例えば、多く又は全て)にわたって分散させ、一方、全て、又は、実質的に全ての光は、変調器素子の行を横切る方向のラインで収集される。1次元SLMの各素子は、1つ又は複数の光源によって照射されることができ、及び/又は、SLMにわたって干渉パターンを生じないように、角度、偏光、及び/又は波長によって分離されうる。画像3904は、工作物3901上に集束レンズ・システムを使用して形成されることができ、光学ヘッドと工作物との間の相対移動は、ストライプ3905を生成することができる。
SLMラインの画像は、工作物の軸に平行であってもよく、又は平行でなくてもよい。
図10Bは、パターン3911、3917、3918、3915、3916、及び3914が、SLM3912、3913などの連続画像によって書き込まれうる態様を示す。SLM画像間の角度は、以下でより詳細に説明するように、モアレ(又は、「ムラ(mura)」と呼ばれる)効果の発生率を減少させうる。図10Cは、例示的な実施例による2次元SLMに基づく書き込みヘッドを示す。1つ又は複数の光源は、書き込みヘッドの照射経路内のフィールド・ストップを照射することができる。レンズ3908は、光を照射アパーチャ3907上に収束させ、照射アパーチャ3907は、SLM3902のアクティブ・エリア3903を照射する光の角度コンテンツを決定することができる。SLMは、2次元の複数の微小機械ミラー、例えば、回折ミラー又は傾斜ミラー、又は、別法として、電気光学変調器又は液晶空間光変調器を有することができる。図10Aの場合と同様に、画像3904が工作物3901上に形成され、複数の画像が一緒にステッチングされ、ストライプ3905を形成することができる。
図10Cの書き込みヘッドは、x−y対称である画像を提供することができるが、図10の書き込みヘッドAは、提供できない。図10Dは、x−y対称画像を提供する2つの1次元(1−D)SLMの配置構成を示す。2つの1次元SLM1001及び1004は、移動方向1002及び1005に対して+/−約45°だけ傾斜することができる。順次態様で使用される2つの別個のSLM又は1つのSLMが存在することができる。SLMは、ストライプ1003及び1006を書き込むことができる。2つのストライプがオーバラップする場合1007、画像は、x−y対称である。これは、図10Eに示される。図示するように、x及びyは、工作物の座標である。移動方向はyに平行であることができる。SLM(η)に垂直な方向において、画像は本質的にインコヒーレントであることができるが、SLM(ξ)に平行な方向において、画像は部分的にコヒーレントであることができる。オーバラップ・エリア1007(工作物の全て、又は、実質的に全てを覆うことができる)において、画像は、第1露光と第2露光の和であり、図10Eに示すように、ξとηは、露光1と2との間で交換される。
図10Fを参照すると、移動方向がyからxに変わる場合、システムは、+/−約45°の回転を使用して、本質的に同じ特性を用いて書き込むことができる。2つのSLMの配置に応じて、オーバラップは、2つのSLMによる単一パス1007内で、又は、現在書き込まれているもの1010、1011と、前のストライプで書き込まれたもの1012及び1013との間で起こる場合がある。図10D及び図10Fに示すように、2つのSLMを互いに対して約90°に配置し、SLMの角度から約45°で2つのSLMを移動させることは、疎なパターンを書き込むための高い柔軟性を提供することができる。ステージは、水平、垂直の、いずれにも走査することができ、書き込まれるエリアをより効率的にカバーする。
図10Gは、例示的なパターンを示す。基材1020は、8つのディスプレイ1021を有することができる。各ディスプレイは、中央の規則的アレイ・エリア及び周辺の規則的でないエリアを有することができる。2つのエリアは、異なる方法を使用して露光されうる。例えば、規則的エリアは、小さなマスクの反復を使用して露光されることができ、周辺エリアは、マスク無し露光を使用して露光されることができる。周辺エリアは、単独で走査されることができる。例えば、最初に、垂直周辺エリアが走査され、次に、水平エリアが走査されることができ、又は、その逆であることができる。図10Eに示すように、方法は、一般化され、モアレ効果及び「ムラ」効果を減少させるために、工作物の座標方向がオフセットされるときにも使用されうる。例示的な実施例は、1次元SLMに関して述べられたが、例示的な実施例は、他の書き込み方式、例えば、1つ又は複数のレーザ・ビームが、あるラインに沿って走査する書き込みに同様に適用可能である。レーザ・スキャナは、上述したように、同じx−y非対称を有し、そのため、例示的な実施例は、ストライプの方向について柔軟性が増すことができる。
図10Hは、例示的なレーザ・スキャナを示す。図示するように、少なくとも1つの光源4702(例えば、レーザ・ダイオード、気体レーザ、個体レーザ、LED、連続式又はパルス式、直接又はファンアウト素子によるなど)は、工作物4704上にスポット4703として結像されることができる。スポットは、光学スキャナ4702(例えば、ポリゴン・スキャナが示されるが、電気光学式、微小機械式、共振式、ガルバノメータ式、プリズム式、ホログラフィック式などが使用されうる)によって工作物にわたって走査されることができる。光学部品と工作物との間の相対移動が、ストライプ4705を生成する。
光学書き込みヘッドは、さらに、位置合わせ及び/又は焦点合わせのために、カメラ及び/又はセンサを含むことができる。焦点合わせは、走査の前又は後に作成されうる高さマップを使用して、フィードフォワード焦点システムによって実施されうる。高さマップは、フィードフォワード焦点補正に使用されうる。
純粋なフィードバック焦点システムと比較すると、フィードフォワード焦点システムは、雑音を抑制することができる、及び/又は、動的特性を高めることができる。フィードバック・システムは、焦点を補正するために、瞬時センサ情報を使用することができる。結果として、補正は、測定より後に適用される(サーボ・ラグとしても知られる)。サーボ・ラグを減少させるために、全サーボ・ループの速度が高められる。しかし、より高速なループは、雑音の増加をもたらす可能性がある。フィードフォワード・システムでは、測定値は、収集され、フィルタリングされ、後で、例えば、次のスキャンで適用するために、記憶されうる。この実施例では、補正は、ラグ無しで適用されることが可能であり、したがって、サーボの帯域幅は、焦点が合ったときの必要とされるスルーレートに対処するのに十分である必要があるだけであり、サーボ・ラグに無関係でありうる。焦点システムのダイナミクスは、実質的に改善された動的特性を提供することができる。
位置合わせ及び/又は焦点合わせ用のカメラは、工作物上に既に存在する基準マーク及び/又はパターンの画像を採取することができ、また、コントローラは、例えば、リアルタイムに、工作物の歪みを計算することができる。カメラは、円筒体が静止しているときに画像を取得することができ、高速で走査中に、高品質画像を取り込むために、パルス照射を用いて移動をフリーズすることができ、及び/又は、TDIセンサを使用することができる。
図10Bは、図10A又は図10Bの光学書き込みヘッドを使用して書き込まれた例示的なパターンを示す。
図10Bを参照すると、1次元SLM(又は、匹敵するレーザ・スキャナ)の画像は、データの軸に関して回転することができる。データは、データの座標系内でラスタ化され3914、書き込みハードウェア3919の格子に再マッピングされうる。少なくとも1つの例示的な実施例では、ラスタ化は、回転ハードウェアの格子内で(例えば、即座に)行われうる。例えば、ハードウェアによって書き込まれた各データ要素は、幾何学図形、例えば、基本ピクセルに割り当てられることができる。基本ピクセルは、一緒になって、オーバラップ無しでエリアを埋めることができるラスタ化ハードウェアは、パターン内の書き込まれた図形(又は、別法として、また、等価的に、書き込まれない図形)によって、各ピクセルのオーバラップ・エリアを計算することができる。
例示的な実施例では、ピクセル・マップが、重み付きオーバラップになるように、各ピクセルのエリアにわたって、重み関数が割り当てられることができる。さらに、重み付きオーバラップ計算に使用されるピクセルは、部分的にオーバラップすることができ、例えば、ピクセル用の重み関数は、基本エリアの外側をサポートすることができる。複数の露光パスが書き込まれる場合、複数の露光パスは、ピクセル・マップが、少なくとも2つのパス間で異なるように、異なる格子オフセットでラスタ化されることができ、及び/又は、書き込まれることができる。
図11は、本発明の例示的な実施例による、ハウジング内に収納された処理プラットフォームを示す。ハウジング102内に含まれた処理プラットフォームは、本発明の例示的な実施例による任意の処理プラットフォームでありうる。ハウジング102は、また、振動絶縁、温度制御、汚染制御用の他のコンポーネント及びステージを動作させる制御デバイスを収容することができる。図11のハウジングは、また、工作物を装填し、取り外すメカニズム(図示せず)を有することができる。
本発明の少なくともいくつかの例示的な実施例による円筒ステージは、種々の方向に向くことができ、及び/又は、2つ以上の方向で工作物を装填し、及び/又は、取り外す能力を有することができる。円筒ステージが、2つ以上の方向で装填される、及び/又は、取り外されることができるため、処理トラック内の材料の流れを制御することができる、及び/又は、変更するロボット・ハンドラが省略されることができる。
図12Aは、例示的な実施例による、複数の入力及び出力を有する円筒配置構成を示す。
図12Bは、工作物が捕捉されるか、又は、通過することを許されるように、円筒ステージが、処理トラック内にどのように配置されうるかを示す。図示するように、処理トラック1102上に保持された1つ又は複数の工作物1100は、円筒ステージ1104を通過することができ、又は、工作物の所望の順番に応じて、円筒ステージ1104によってはずされることができる。例えば、工作物1100は、遅延される必要がある場合、円筒ステージ1104によって処理トラック1102からはずされうる。円筒ステージ1104上にある間に、他の工作物は、円筒ステージ1104の上を通過し、工作物1100より先に処理されうる。一方、遅延が必要とされない場合、工作物1100は、円筒ステージ1104を通過し、処理トラック1102上にあり続けることができる。この配置構成は、品質制御をサンプリングするのに使用される機器などの解析機器に使用されることができる。
円筒ステージは、また、トラック上での工作物の順序を変えるために、工作物を捕捉し、工作物を保持し、ある期間後に工作物を放出するのに使用されうる。当技術分野でよく知られているように、あるシーケンスにおいて2つの要素の順序を変更することは、任意の選別を可能にするより基本的な動作であり、工作物を捕捉し、及び/又は、保持する能力は、工作物の選別を可能にする。
図12Cは、直列に配置した複数の円筒ステージを示す。図12Cは、3つの円筒ステージを示すだけであるが、同様の配置構成は、任意の数の円筒ステージを含むことができる。図12Cの各円筒ステージは、図12Bに示す円筒ステージと同じ、又は、実質的に同じであることができ、また、工作物を通過させ、捕捉する能力を有することができる。図12Cに示す配置構成を使用すると、総合スループットは、縦続接続された円筒ステージの数に関連付けられることができる。例えば、円筒ステージが多ければ多いほど、総合スループットが高い。任意の工作物が、機械のうちの任意の機械に送られ、処理され、処理トラック上の材料の流れの中に送り返されることができる。これは、機器の3つの部分の組み合わせた能力を利用するという改善された柔軟性を提供することができる。円筒ステージは、また、3つの異なるタイプの機器であることができ、又は、工作物を選別することができ、又は、工作物間の順序を変更するのに使用されうる。
円筒ステージを使用して、工作物が処理されうる、及び/又は、工作物のワークフローが変更されうるため、図13に示す処理ユニットなどのよりコンパクトな処理ユニットが実現されうる。
図13は、本発明の例示的な実施例による処理ユニットを示す。図13に示す処理ユニットは、リソグラフィ及び/又はエッチングに使用されうる。図13を参照すると、工作物は、左から入ることができる(例えば、ストッカから供給される)。工作物は、コーティング・ステーション800で、フォトレジストをコーティングされ、焼成される。コーティングされ、焼成された後、工作物は、露光ステーション802で露光され、現像器804で現像される。現像後に、工作物上の得られるレジスト・パターンは、検査ステーション808で検査される。レジスト・パターンが検査に通らない場合、工作物は、ストリップ・ステーション810で取り外され、コーティング・ステーション800に戻される。
やはり図13を参照すると、レジスト・パターンが検査に通る場合、工作物は、エッチング・ステーション806でエッチングされ、検査ステーション812で再び検査される。工作物が、検査に通るか、又は、修理可能な欠陥を有する場合、工作物は、相応して、ストッカ又は修理ステーションに出力される。工作物が検査に通らない(例えば、工作物が修理不能である)場合、工作物は、スクラップに出力され、廃棄される。
検査ステーション808で工作物を検査し、必要ならば、工作物をリスピニングさせることによって、レジスト画像の欠陥は、収量の決定から除外されうる。類似するプロセスは、従来のフラットベッド機械装置を使用して実施されうるが、フラットベッド機械装置及びロボット・ハンドラによって行われる同じ、又は、実質的に同じプロセスは、本発明の例示的な実施例によって必要とされるエリアに比べて、数倍大きなエリア(例えば、占有面積)を占めうる。
TVサイズのディスプレイ・デバイスが、欠陥による収量の損失無しでは、製造するのが難しいため、よりコンパクトな検査−及び−リスピン・ループ並びに検査−及び−修理ループを構築する能力は、産業にとって価値がある。デバイスごとの面積が大きいこと及びマザー・ガラスごとにデバイスが少数であることは、単一欠陥の経済的影響を増加させる。欠陥は、デバイスが完成した後には修理されない。それは、欠陥が、その後、薄膜積層体内に埋め込まれるからである。欠陥を補修する方法は、欠陥が生成された直後に、欠陥を検査すること、及び、欠陥をリスピニングする、又は、修理することを含む。そうすることで、欠陥は、収量損失からより効率的に除外される。生産コストの中で、約70%が材料であり、10%が給料であり、20%が機器の減価償却である。したがって、収量の増加は、生産の経済性に比較的強く影響を及ぼし、機器における追加投資は、浪費される材料が少ないこと及び/又は生産性が高いことによって迅速に回収される。
図13の処理ユニットは、複数の方向に、例えば、それぞれ、図14A及び図14Bに示すように、水平に又は垂直に向くことができる。
図14A及び図14Bは、図13の処理ユニットの例示的な向きを示す。図14Aに示すように、処理ユニットは、水平配置構成で配置され、一方、図14Bでは、処理ユニットは垂直に配置される。
図15A及び図15Bは、従来の単一フラットベッド機械装置(図15A)と、少なくともいくつかの例示的な実施例による円筒機械装置(図15B)に必要とされる床空間の比較を示す。図示するように、トラックに並んで位置決めされ、及び、ロボットを有する従来のフラットベッド機器と比較して、トラック内に埋め込まれた円筒ステージを使用すると、機器の単一部分は、数倍小さくなる。図15A及び図15Bは、また、円筒ステージに基づく機器及びオペレータの頭上を進むトラックを用いて工場を構築することが、機器についての、アクセス性及び/又は保守性の増加を提供することを示す。工場内で、天井から床へ空気が流れるため、処理トラック及び/又は処理トラック上に保持される工作物は、汚染物質の堆積からより保護される。さらに、本発明の少なくともいくつかの例示的な実施例による円筒ステージを使用すると、汚染物質の主要な供給源(例えば、人)が処理エリアより下になることを可能にする。
図16は、円筒体の例示的な実施例の断面図を示す。円筒体は、比較的剛性があり及び比較的軽量であることができる。図16に示すように、円筒体は、軸受まで延びる中央管1412を含むことができる。管1412は、円筒体がそれを中心に回転することができる軸の役目を果たす。管1412は、例えば、アルミニウム、鋼、複合合金などからなりうる。円筒体は、軸1406を中心とする大きな管であってよく、内部壁1418のウェブによって固定されてもよい。内部壁1418は、アルミニウム、例えば、アルミニウム・ストラットからなってもよい。内部壁1418は、円筒体の温度を制御するために、空気がその中を吹き付けることができる区画を形成することができる。
第2管1416は、管の外側に配置され、円筒体の表面を形成することができる。第2管1416は、例えば、アルミニウム、チタン、鋼、複合合金材料などからなってもよく、約10mm厚であってもよい。表面層1410と第2管1416との間の空間は、複数の区画に分割され、工作物を円筒体に留めるために真空を加えるのに使用されてもよい。表面層1410は、約4mm厚であってもよい。表面層は、真空用の経路を作るために穿孔されてもよい。
円筒体の表面は、異なる動作について異なるように調節される必要がある。例えば、テフロン(登録商標)・コーティング・ステージは、不活性で、清浄が容易で、かき傷がつかないものとして当技術分野でよく知られている。光学書き込み又は光学読み取りの場合、円筒体表面からの反射、透明工作物の背面からの反射、及び両者の間の干渉作用は、特に、レーザ光が使用されるときに、有害になる。不注意な設計は、完成した製品において目に見えることのあるニュートン・リングを生じる。非反射性円筒体(例えば、レーザ波長について反射率が低い陽極酸化チタンから作られた円筒体)は、これらのニュートン・リングを救済する。
或いは、円筒体表面は、位相が1つの点から次の点へ迅速に変わるように、表面粗さ又はプロファイルを有することができる。円筒体は、いくつかの地点でだけ基材に接触してもよく、これらの地点は、比較的小さい、及び/又は、ランダムに分散することができる。
別の例示的な実施例では、円筒体は、「湿潤した」外観を有する表面、例えば、液体又は粘弾性ポリマ又は粘着性ポリマで被覆されてもよい。上述した変動する反射率は、円筒体外側表面の反射に由来し、表面が平滑であり及び工作物に近い場合、ニュートン・リングによって悪化する。少なくともこの例示的な実施例では、工作物と空気との間、及び、空気と円筒体との間の別個の表面は存在しない。代わりに、工作物から円筒体への直接の単一界面だけが存在する。工作物と円筒体との間での空気のトラップを回避するために、円筒体表面材料は、薄い粘弾性層又は粘着性軟質ポリマ層などの少なくともある程度弾性がなければならない。
工作物は、円筒体上に巻かれるため、空気は、接触が起こる前に押し出される、また、気泡の無い連続光学接触が達成される。同様に、基材は、取り外されるとき、粘着性表面からよりきれいに剥離される。円筒体の表面は、粒子を採取するが、当技術分野で知られるように、例えば、より粘着性のある清浄表面に対して巻く、又は、強く押し付けることによって、汚染物質及び粒子を定期的に清浄してもよい。
図16に示す円筒体は、約2mの長さであってよく、また、曲げモードで、約500ヘルツの共振周波数を有することができる。共振周波数を使用して、円筒体の剛性が測定されてもよい。高速動作(例えば、高速のスピニング)の場合、調整可能な釣り合い錘を使用して、異なるガラス厚間の重量差が補償されてもよい。
図17は、例示的な実施例による、調整可能な釣り合い錘を含む円筒体を示す。図示するように、円筒体1500は、複数の調整可能な、及び/又は、固定の錘1502、1504、及び1506を含むことができる。図17は、例示のために、3つの調整可能な錘だけを示すが、任意の数の調整可能な錘が使用されてもよい。錘1502は、固定されてもよく、錘1504及び1506は、アクチュエータを使用して、円筒体1500の中心から近くに又は遠くに、移動されるか、又は、調整されてもよい。調整可能な錘1504及び1506は、静的及び動的釣り合いのために使用されてもよい。錘1504及び1506を調整することによって、断面における円筒体1500の重心は、回転軸1508に重なってもよい。錘が、例えば、いずれかの端と中間位置に配置される場合、円筒体は、第1曲げモードについて、静的に及び/又は動的に釣り合わされることができる。動的釣り合いは、回転機械装置、例えば、発電機の分野でよく知られているように、回転中に、軸受に作用する、及び/又は、円筒体を曲げる測定された力又は加速度に基づいて、コンピュータ制御下で行われてもよい。
図18Aは、例示的な実施例による、円筒ステージの水平向きを示す。図18Bは、例示的な実施例による、円筒ステージの垂直向きを示す。図18Aの場合と同様に、円筒体を水平に装填すると、工作物は、コンベア・ベルトから取得されうる。図18Bの場合と同様に、円筒体を垂直に装填すると、円筒体は、ガイド・レール・システムから装填されうる。水平に装填されると、工作物は、重力によって所定場所に維持されうる。重力に加えて、水平に装填された円筒体は、工作物の縁部を円筒体上で下方に押し付けて、工作物を所定場所にラッチするプッシャによって、所定場所に保持されうる。工作物は、真空によって所定場所に保持されて、表面が、円筒体の表面に密接に追従することを保証されることができる。工作物の端部では、工作物のばね力が主要な力である。したがって、工作物の端部は、円筒体によりしっかりと固定されなければならない。工作物の縁部を捕捉するか、又は、開放するように制御することができるラッチが使用されうる。縁部が、取り外しのために開放されると、プッシャは、力を引き継ぎ、回転しない間に、工作物の端部に追従する。プッシャは、接触型であってよく、又は、非接触型であってよい。
図19は、本発明の1つの例示的な実施例による、工作物に面する多孔性空気クッションを有する非接触型プッシャを示す。図示するように、非接触型プッシャ1702は、工作物が円筒体1700上に装填される場所に配置され、別の非接触型プッシャ1704は、工作物が円筒体1700から取り外される場所に配置される。
例示的な実施例は、従来の機器に比べて、小型で、軽量で、及び/又は、精密なディスプレイ及び/又はソーラ・パネルを製造するための機器を構築する方法及び装置を提供する。円筒体ステージを使用する例示的な実施例の適用性及び/又は有用性は、ガラスのサイズよりずっと小さい円筒体上に、ガラスが巻かれることができるかどうかに依存する。例示的な実施例は、約1mの直径を有する円筒体を使用することができる。体積内のガラス強度は、例えば、応力がかかった状態でガラス上を伝播するガラス表面内のランダムな微小ひび割れによって低下する。微小ひび割れがガラス強度を低下させる場合、ガラスの許容可能な応力は、ガラスの面積の関数である。ガラスが注意深くハンドリングされるほどに、ガラスが、有害なひび割れを有する可能性が小さくなる。破損の確率は、また、ガラスの特性、例えば、ひび割れを伝播させるのに必要とされるエネルギーに依存する。ディスプレイ製造に使用されるガラスは、この特性を念頭に置いて開発されており、標準的なガラスに比べて強い。破損の確率は、また、ガラスをコーティングすることによって減少する。コーティングは、微小ひび割れを埋める。ガラス・シートの破断の少なくとも一部分は、ガラス・シートの縁部で始まる。縁部は、ハンドリング中、及び/又は、ガラスを切断するときに、損傷に対して最も傷つき易い。ガラス・シートは、切込みを入れられ、所定サイズに切断されることができる。例示的なスコアリング・プロセスでは、ローラは、切込み線において微細なひび割れを作る。ガラスは、後で、切込み線に対して曲げられたとき、割れる。しかし、ローラによるスコアリングは、切断した縁部に小さなひび割れを残す可能性がある。これらのひび割れは、ガラスが応力を受けると、ガラスの中に伝播し、表面損傷と比較して低いレベルで破損を引き起こす。スコアリングは、例えば、ダイヤモンド又はレーザを使用して実施されうる。レーザ・スコアリングは、当技術分野でよく知られており、事実上、ひび割れが無い縁部を作る。レーザ・スコアリングは当技術分野でよく知られているため、詳細な説明は、簡潔にするために、省略される。
図20は、円筒体直径対ガラス厚のグラフであり、1つの軸方向に曲げたガラスの表面の応力と、ガラス厚と、円筒体の直径との間の関係を示す。ガラスは、約0.5mmと約0.7mmを含み、約0.5mmと約0.7mmとの間の厚さ(例えば、約0.5mm、約0.62mm、又は約0.7mm)を有することができる。図20の点線は、0.5mm、0.62mm、及び0.7mmのガラス厚さを示す。図20に示すように、1mの直径を有する円筒体は、0.7mm厚のガラスの場合、50MPaを、0.5mmの場合、約37MPaを提供する。ガラスは、約3095mm長までであってよい(例えば、直径が約1.0mの円筒体を必要とする)。本発明の例示的な実施例では、約1m直径に曲げられるときのガラスの破断は、装填動作当たり1/100,000の程度でなければならない。この確率を保証するために、ガラス・シートは、装填前に、わずかに高い応力にプレストレスを加えられる。有害な微小ひび割れがあるガラス・シートは、プレストレス印加中に割れ、取り除かれる。損傷無くプレストレス試験に通るガラスは、処理中に割れる可能性が少ない。
図21A及び図21Bは、例示的な実施例によるプレストレス印加デバイスを示す。
図21Aを参照すると、脆性工作物(例えば、ガラス・シート)は、ローラを使用してプレストレス印加される。例えば、工作物は、図21Aに示すようにローラを通して送られ、強制的に制御可能に曲がるようにされてもよい。図21Bは、ローラが、非接触空気クッションと置換えられる類似する装置を示す。図21A及び図21Bは、ローラ(又は、別法として、空気パッド)間の距離を変えることによって、両側に対してほぼ対称の曲げを示すが、応力は非対称であってよい。
ガラスがハンドリングされている間に、損傷に対して縁部を保護するために、縁部は、図22B〜図22Dに示すようにコーティングされてもよく、また、ガラス・シートをハンドリングするロボットは、一番縁及び縁部から数ミリメートル以内の帯状部に接触しないように設計されてもよい。ガラス・シート上のハンドリング帯状部は、例えば、20mm幅でありうる、実際の縁部は、図22Aに示すように、ハンドリング・エリアから排除されてもよい。縁部は、図22Bに示すようにハンドリング・エリアの外側でコーティングされてもよく、ハンドリング・エリアを含んでコーティングされてもよく(図22C)、又は、図22Dに示すように、全表面がコーティングされてもよい。
図23A〜図23Dは、本発明の例示的な実施例による、ガラスの内側部分と同じ水準で縁部にストレス印加することを回避する方法を示す。ガラスが曲げられると、外側表面は、拡張し、引張応力を受け、一方、内側表面は、圧縮され、複合応力を受ける。ひび割れは、引張応力の結果として伝播する。ガラス・シートの内部には、曲げによって応力が変化しない位置がある。これは、中立層と呼ばれる。中立層が外側表面に近づくようにガラス縁部が改造される場合、縁部の近くの引張応力量は、減少する。図23Aでは、応力が圧縮に由来する場合、比較的鋭い角度が作られ、応力が引張応力であるとき、鈍角が作られるような角度に、ガラスが切断される。鈍角は、割れる可能性が少なく、ガラス・シートについての許容可能な応力が増加する。縁部は、切断面と外側表面との間の角部が、ガラス切断によるひび割れと共に、取り除かれるように形成されてもよい(例えば、研削されてもよい、及び/又は、研磨されてもよい)。図23Cに示すように、縁部は、例えば、熱、レーザを使用して、又は、縁部を曲げる応力印加層をガラス上に形成することによって内側に曲げられることができる。最後に、図23Dに示すように、ガラスは、クランプ力、例えば、内側の真空又は外側の機械的圧力によって内側に強制的に押されてもよい。
図24A及び図24Bは、本発明の例示的な実施例による、ガラス縁部を切断する方法を示す。ガラスは、任意の従来の方法で切込みを入れられることができるが、切口を破断するときに、せん断力が加えられる。曲げとせん断の組合せは、傾斜した切断平面を提供する。
処理ステップ中、ガラス上に脆性膜が存在するとき、脆性膜が、曲げの結果として割れないことを保証することは、益々重要になる。図25A〜図25Cは、ひび割れがどのように脆性膜内に形成されるかを示す。図25Aに示すように、ガラスは、上部と底部の両方に膜を有し、中立膜が、中央に形成されてもよい。図25Bに示すように、ある程度の曲げ(例えば、歪み)において、ひび割れは、欠陥から膜内に伝播し始める。ガラスがさらに曲げられると、より多くのひび割れが、平行ラインに沿って伝播し、膜が破断する。これは、通常、歪みが、ITO、シリコン、二酸化シリコンなどのような膜内で1%を越えるときに起こる。短いひび割れの発生は、定量化することがより難しく、膜の特性、膜のヤング率とガラスのヤング率との整合、膜の接着性、及び膜内の欠陥の分布などに依存する。しかし、応力の安全レベルは、ガラスが曲げられないときの膜内の固有応力を、ガラスが曲げられるときの膜内の応力と比較することによって推定されうる。固有応力は、1%の十数分の1の歪みに相当することが多く、一方、ガラスの曲げは、通常、約0.08%寄与する。結果として、曲げによって生じる応力は、膜内のひび割れの形成に著しく影響を及ぼさない。この実施例では、曲げによって付加された応力は、ガラスが平坦にされる、及び/又は、圧縮されると、起こる。図25Cは、圧縮応力下のガラスの座屈故障の例を示す。
図26は、(Y.Leterrier等著「Mechanical properties of transparent functional thin films for flexible displays」46th Annual Conference Proceedings(2003)ISSN 0737−5921から入手)は、ITO膜内で、歪みと共に抵抗がどのように増加するかを示す。急峻な立上りは、長く平行なひび割れの発生を示し、急峻なニー部の前の緩い立上りは、欠陥の周りの短いひび割れの形成を示す。グラフは、脆性ITO膜が上に形成されたプラスチック基材に当てはまり、ガラス上でITO膜がどのように作用し得るかの指示としてのみ考えられることができる。
基材は、ガラス、プラスチック、鋼、紙、又は任意の他のシート材料であってよい。例えば、基材は、ディスプレイ等級のガラスである場合、約4ppm/Kの熱膨張率を有する。ITOなどの脆性膜は、高い膨張率を有する。膜が高温で堆積する場合、不整合は、冷却後に、膜に引張応力を発生させる。円筒体の外側での工作物の曲げは、曲げ状態にあるときに、引張応力を付加する。ステージは、ステージの形状及び/又はサイズを高精度で制御するために、温度制御されうる。ガラスが、円筒体上に巻かれるか、又は、フラットベッド上に置かれ、留められると、ガラスは、ステージの温度に適応し、ガラスが装填される前の温度に応じて収縮又は膨張する。この収縮又は膨張は、スケールの変化、及び、温度変化によって生じる応力を開放するための、ステージと工作物との間のクリープの変化、などの問題を引き起こす。
少なくとも1つの例示的な実施例では、温度が、工作物の表面上の点のアレイで測定され、工作物の温度変形が計算され、座標系が補正される。この例示的な実施例は、例えば、工作物が比較的高速に通過する図61、図61A及び/又は図61Bに示すように、「低占有面積の」ステージに適している。
別の例示的な実施例では、基材は、装填される前に、強制的に焼き戻され、システムのステージに留められる。工作物を焼き戻すシステムは、基材が中実構造に全く接触しないことを保証するろ過された焼き戻し空気流を有することができる。通常、約0.7mm厚以下である基材内の熱の拡散時間が短いため、強い空気流によって、基材は数秒以内で焼き戻される。
図27は、例示的な実施例による、円筒体上に装填される前に工作物(例えば、ガラス)の温度を制御するこうしたシステムを示す。工作物2518は、コンベア・ベルト2520上を移動し、所与の又は所望の温度の強制ろ過空気を用いた温度安定化デバイス2500の下を通過する。
図27を参照すると、ファン又はブロワ2502、2504は、粒子フィルタ2508及び熱交換器2506によって、それぞれ、ろ過されてもよい、及び/又は、焼き戻されてもよいかなり高い空気流量を生成することができる。装置2500は、工作物2518に接触しないが、空気は、装置に引き込まれ、装置2500と工作物2518との間のギャップ2514内に空気の正の流出を、常時又は実質的に常時生じうる。工作物2518が、円筒体2516より高温を有する場合、熱交換器2506は、工作物2518の温度を下げうる。
上述したように、機器の異なる要素は、プレート上の位置に対する基準として、共通座標系を有する必要がある。少なくともいくつかの例示的な実施例によるプラットフォームを使用すると、(例えば、計測及び/又はパターニングにおいて)例えば、約3ミクロンより高度か又は等しい総合精度及び/又は約1ミクロンより高度か又は等しい複数のツール間の差動精度を有する、より高い精度の座標系が必要とされる。
少なくとも1つの例示的な実施例では、複数のツール間の差動精度は、約100ナノメートルより高度か又は等しくてもよい。この精度のレベルは、慎重な精度アーキテクチャの結果である。標準化された共通座標系の作成は、いくつかの要素、すなわち、ステージ座標系の作成、ステージ座標系に対するツールのアライメント、ステージ上での工作物のアライメント、クランプによって生じる歪みの補正、温度の補正、及び/又は処理歪みの補正を有する。
図28A及び図28Bは、例示的な従来の円筒座標系を示す。しかし、座標系に必要とされる精度は、フラットベッド・システム内で及びトランジスタ・アレイとカラー・フィルタとの間に作られる他の層に関して小さなオーバレイ誤差を保証するために、平坦な状態のガラスの精度である。従来、座標系は、平坦な状態で定義されるが、曲げによって歪む。
図29は、例示的な実施例による円筒座標系を示す。図示するように、座標系の軸は、円筒ステージの方向に関して定義され、名付けられる。例えば、軸方向は、ツール軸と呼ばれうる。それは、この軸が、ツールがそれに沿ってツール・バー上を摺動する軸であるからである。接線方向軸はドラム軸と呼ばれることができ、半径方向軸は焦点軸と呼ばれることができる。
図30は、例示的な実施例による、円筒体上で座標系を確立する装置を示す。図示するように、角度エンコーダ・ディスク2802は、円筒体2804と共に回転し、リニア・エンコーダ2806は、ツール軸に沿って配置される。ツール・バー2808は、角度エンコーダ・ディスク2802を基準にし、ツール(これはリニア・エンコーダ2806か?)によって使用されるスケールを提供する。角度エンコーダ2802は、例えば、図31Aに示すように、回転軸の位置の不正確さ、角度コードの非線形性及び/又は雑音などの誤差を受ける。
図31Bは、例示的な実施例による、エンコーダ・ディスク用の角度測定を改善する装置を示す。エンコーダ・ディスク当たり2つ以上の読み出しヘッドが使用され、角度は、図31Bに示すように、又は、クロック位置3、4、6、及び9の読み出しヘッドについて、読みと読みとの和及び差から計算されうる。回転軸がエンコーダの軸に対して中心に置かれていない場合、誤差は、符号形状誤差である。3時と9時との差は、上及び下への軸の移動を識別する。3時と9時との間の平均が6時と比較されると、正弦曲線誤差成分が、水平方向の軸の移動を提供することができる。軸の偏心が判定されると、3時と4時との差が、短期間非線形誤差の指示として使用されうる。最後に、ランダム雑音に似た誤差は、平均によって低減され、系統誤差は、円筒体の角度に関して読み出しヘッド間で移動する同じ誤差を識別することによって低減されうる。上述した方法を使用して、市販の角度エンコーダを使用して、円筒体の表面上での誤差が、例えば、数十ナノメートルである、より信頼性の高い角度スケールが確立されうる。
図32は、例示的な実施例による軸方向測定を実施する装置を示す。装置3000は、例えば、干渉計3002を含むことができる。干渉計3004は、ツール3002とエンコーダ・ディスク3006との間の差動測定を実施することができる。
図33は、例示的な実施例による軸方向測定を実施する別の装置を示す。図33を参照すると、角度は、円筒体3100上の慣性センサ3104と固定構造3106上の慣性センサ3102によって測定される。加速度の差が、2回積分されて、センサ3102に対するセンサ3104の位置が提供される。円筒体の回転速度に応じて、図32又は図33の装置は、より良好な精度を提供する。
図34は、例示的な実施例による軸方向測定を実施する別の装置を示す。図示するように、図34の装置は、円筒体3206の両方の外周にある少なくとも1つのリニア・エンコーダ3204と組み合わせた、ツール・バー3202上の少なくとも1つのリニア・エンコーダ3200を含むことができる。図34の装置を使用すると、円筒体3206の非真円性及び非中心性から生じる一定の誤差が、補正される、及び/又は、測定から除去される。
図35は、例示的な実施例による、共通座標系を作成し、使用する装置を示す。図示するように、定規(例えば、基準マーク定規)3306が、円筒体3308に取り付けられてもよく、それにより、基準マークが各ツール・バー3302を通過するとき、定規3308の位置がカメラ(例えば、TDIカメラ)3304によって採取されてもよい。基準マークは、2次元マーク(例えば、シェブロン・マーク)であってよく、カメラ3304は、xとyの両方の位置を提供することができる。各ツール・バー3302について、同じ手順が実施された後、ツール・バー3302はそれぞれ、工作物上の座標系を基準にする。
工作物が曲げられると、外側表面が拡張し、内側表面が収縮する。中立層は、不変のまま残る中実材料の均質スラブを含む。この中立層は、スラブの中心に位置し、表面における収縮及び拡張は、符号が異なるが、大きさが同じである。
図36A及び図36Bは、例示的な実施例による、工作物が円筒体上に巻かれた、又は、円筒体上で曲げられたときに行われる測定を使用して、平坦工作物上の座標系を計算する方法を示す。少なくとも1つの例示的な実施例では、円筒体角度は、中立平面に沿う位置に変換される。そうするために、角度分解器(例えば、エンコーダ)の軸からの距離は、工作物の内側表面及び外側表面の軸方向位置及び半径方向位置のうちの既知の位置を使用して計算される。中立層の曲率の局所半径は、計算される点の近傍の外側表面及び内側表面の測定から導出される。中立層の曲率の局所半径を使用して、表面の拡張が計算される。
図36Aは、理想的な場合を示し、図36Bは、より現実的な場合を示し、ガラスの厚さが変動し、円筒体が非真球性であり、曲率中心が点ごとに変動する。誤差は、円筒体軸に垂直な断面内に示されるが、円筒体の曲率変動及び工作物の厚さ変動は、表面に拡張テンソルをもたらす2次元特性である。この拡張テンソルを積分して、円筒体上に巻かれるときのガラスの歪み場が得られることができる。
図36Cは、例示的な実施例による、ガラスの内側表面及び外側表面の位置を測定する装置を示す。図36Cの装置は、円筒体の軸を基準にし得る。膜コーティングされた円筒体を使用する実施例では、膜内の応力は、自由な状態で工作物を曲げるであろう。円筒体に留められると、曲率は、円筒体及び工作物の厚さによって決定されるが、膜応力は、工作物内に応力を生成し、中立層を変位させ、横方向歪みをもたらし得る。中立層の計算に含まれてもよい膜内の歪みは、平坦座標系の計算を補償することができる。
図36Dは、標準化された工作物座標x及びyに対する移動コマンドが、ステージ及びツールが特定のツール及びステージ座標に移動するためのコマンドにどのように変換されるかを、より詳細に示す。標準化された(又は、概念化された)工作物座標は、例えば、後で、工作物が所望の又は所定の状態(例えば、約22.00℃の一様温度で、平坦前面に関して応力印加されない)にあるときの工作物上の座標である。さらに、標準化された状態は、特定の時点、例えば、基材が(考えられる歪み、反り、及び収縮を持って)処理された後であってよく、また、別のパネル、例えば、カラー・フィルタ用トランジスタ・アレイに整合する。異なる時点における工作物が、特定の温度において、応力無しの平坦でもなく、仕上げ状態にもないとしても、工作物の表面上の点と標準化された状態にある工作物上の点との間には、1対1の関係が依然として存在する。
仕上げられ、焼き戻しされ、平坦で、応力の無い工作物上の特定のx,y座標に現れることになる十字を描こうとすると、全ての時点において、十字が描かれるべき点が存在する。十字を描く機械は、ツール及びステージ座標によって制御される。図36Dは、概念化された座標について、ステージ及びツール座標がどのように位置することができるかを示す。
図36Dを参照すると、S3600Dにて、ツールを標準工作物x,y座標点に移動した後、S3602Dにて、標準化された座標は、スケール誤差、及び、現在の時点と標準化された状態との温度差から生じるスケール誤差が補正される。S3604Dにて、高温アニーリングによる収縮などの任意の既知の系統歪みが補正される。S3606Dにて、クランプ歪み及び曲げ歪みが、さらに補正される。例えば、この文脈では、曲げ歪みは、曲げによる外側表面の拡張であり、クランプ歪みは、他の既知の歪み(例えば、保持力による圧縮)である。少なくとも1つの例示的な実施例では、適切な(例えば、完全な)アライメントで薄い工作物をステージに取り付けることは比較的難しい。そのため、工作物をステージに取り付け、その後、ステージに対するミスアライメントを測定することがより容易である。この実施例では、このシステムは、機械座標において工作物の位置を測定するアライメント・センサを有することができる。測定されたミスアライメントは、ソフトウェアで工作物の座標系に適用される。
やはり図36Dを参照すると、S3608Dにて、補正された座標は、さらに、ステージに対するミスアライメントを補正される。この時点で、S3610Dにて、工作物座標は、ステージ及びツールについての座標又は制御パラメータに変換される。円筒体ステージ及び軸上に角度エンコーダを有する実施例では、S3610Dにおける変換は、角度及び円筒体の軸に沿うツール距離を、円筒座標に変換することを含む。ツールが、マニピュレータ、カメラ、又はSLMに似た内部座標を有する場合、これらの内部座標が、計算される。
S3612Dにて、ツール・オフセットが座標に適用される。2つ以上のツール又は2つ以上のツール・バーが使用される場合、ツール・オフセットは、各ツールについて測定され、この補正に使用するため記憶される。少なくとも1つの例示的な実施例では、各ツールのオフセットは、ツールの特質に適した共通基準に対して測定される。ツールが、例えば、カメラ又は検出器である場合、共通基準は、共通基準である。ツールが、光ビームを有する露光ツールである場合、共通基準は、例えば、カメラ、検出器などである。基準が、容易に入手できない、又は、実用的でない、いくつかのタイプのツール(例えば、微小吐出器)の場合、補助アライメント・システム(例えば、補助の検出器、カメラ、光源など)が使用されてもよい。S3614Dにて、ツール及びステージは、その後、変換され、補正されたステージ及びツール座標に従って移動することができる。
図36Eは、ツール及びステージ座標を標準工作物座標に変換する方法を示す。換言すれば、図36Eに示す方法は、図36Dに示す方法の逆である。図示するように、例えば、ステージ及びツール座標の特定のセットは、記録され、概念工作物座標に変換される。図36D及び図36Eのそれぞれに示す方法は、特定の順序で示されるが、これは、例示のためだけである。これらの図に示す方法のステップ間のシーケンスは、逆にされてもよく、1つ又は複数のステップが省かれてもよく、及び/又は、2つ以上のステップが組み合わされ、1つの動作にすることができる。
図36Eを参照すると、S3614Eにて、ステージ及びツール座標が入力され、S3612Eにて、ツール・オフセットが補正される。S3610Eにて、ツール及びステージ座標が、標準工作物座標に変換される。S3608Eにて、補正された座標は、さらに、ステージに対するミスアライメントを補正される。S3606Eにて、クランプ歪み及び曲げ歪みが、さらに補正される。例えば、この文脈では、曲げ歪みは、曲げによる外側表面の拡張であり、クランプ歪みは、他の既知の歪み(例えば、保持力による圧縮)である。少なくとも1つの例示的な実施例では、適切な(例えば、完全な)アライメントで薄い工作物をステージに取り付けることは比較的難しい。そのため、工作物をステージに取り付け、その後、ステージに対するミスアライメントを測定することがより容易である。この実施例では、システムは、機械座標において工作物の位置を測定するアライメント・センサを有することができる。測定されたミスアライメントは、ソフトウェアで工作物の座標系に適用されてもよい。
S3604Eにて、高温アニーリングによる収縮などの任意の既知の系統歪みが補正される。S3602Eにて、標準化された座標は、スケール誤差、及び、現在の時点と標準化された状態との温度差から生じるスケール誤差が補正される。S3600Eにて、標準工作物x,y座標点が出力される。
図37A及び図37Bは、例示的な実施例によるマスク・アライナを示す。図38A〜図38Dは、他の例示的な実施例によるマスク・アライナを示す。工作物は、高速ステージに留められることができる。少なくとも1つの例示的な実施例では、ステージは円筒体である。本明細書で述べる他のシステムと比較して、ツール・バーは、より複雑で、長くてもよい。ツール・バーに沿って摺動するツールは、マスクの一部から画像を投影する光学投影システムである。投影ツールが走査している間に、マスクは、ツールに対して走査し得るため、工作物上に静止画像が作成され得る。
図37Aは、マスクから工作物への、拡大率を有するブラック・ボックスとしての投影光学部品を示す。拡大率は、2〜5×の範囲にあり、例えば、3×であってよく、マスク面積は、例えば、工作物に比べて9分の1であってよい。少なくとも1つの例示的な実施例では、マスクは、工作物全体のパターン画像を含み得るため、工作物が、例えば、2.4×2.8mである場合、マスクは、0.8×0.93mである。他の拡大率が使用されてもよい。小さな拡大率、例えば、2×又は2.5×は、マスクに関する要件を軽減するが、露光機器におけるマスクのハンドリング及び/又は走査を、より難しく、及び/又は高価にする。逆に、大きな拡大率、例えば、4×又は5×は、投影システムの機械的設計を容易にし、マスク・ブランクを小さくするが、同時に、投影システムの工学的複雑さ及びマスクに関するパターニング要件がより難しくなる。
図38A〜図38Cは、例示的な実施例による投影システムのより詳細な図を示す。描かれたストライプは、工作物上で約140mm幅であり、ツール軸に沿った走査速度は、約1m/sである。ストライプ間に約20mmのオーバラップが存在する。結果として、スループットは、0.1m2/秒又は60秒で6m2である。露光パターンは、工作物上に以前に作られたパターンの既知の歪みに整合するように、或いは、パターニング、応力、高温処理、又は歪んだ要素への整合のために、プロセスで発生するか、又は、後でプロセスに存在する歪みを予想して、歪んでもよい。ツール軸に沿った意図的な歪みは、投影システムの速度に対するマスクの走査速度のわずかの変化を使用して作成されてもよい。例えば、接線方向では、小さな歪みは、円筒体の小さな角度移動によって、投影システム内のコンポーネントのうちの1つの機械的オフセット又は傾斜によって、及び/又は、スキャン方向に垂直な方向のマスクのわずかの移動によって作成されてもよい。
マスクは平坦であるが、円筒体上の光学フィールドは湾曲していてもよい。湾曲フィールドは、リング・フィールド・システム内で補正され、これが適していることがある。
図38Bは、その最良光学品質が平坦リングを形成するフィールドを有するリング・フィールド・システム(オフナー型)を示す。しかし、円筒体上のフィールドは、ストライプの上部と底部でミラーから2、3ミリメートル離れて曲がってもよい。
図38Cは、例示的な実施例による、円筒体上のフィールド内の曲げを補償する方法を示す。この例示的な実施例では、円筒体の表面は、光学部品の軸に対して傾斜している。傾斜リング・フィールドは、円筒体の表面に1次と2次で一致する。フィールドを傾斜させることによって、テレセントリシティー誤差又は「着地角度」誤差が生じる。テレセントリシティー誤差は、アパーチャ位置のシフトによって補償される。
図38Bでは、これは、オフナ・システムで、システム・アパーチャの役目を果たす中央平坦ミラーのシフトとして示されている。円筒体に垂直な光学軸を有する構成は、ハッチングで示され、実線で傾斜した構成が示されている。光学部品(主に、大きい又は主要ミラー)の軸と円筒体の軸との間の角度は、円筒体の半径と主要ミラーに依存し、最適な方向で円筒体表面に追従する焦点表面を与えるレイ・トレーシングによって決定される。オフセット・アパーチャ及び傾斜した焦点面は、収差の増加をもたらし、収差は、付加的な表面及び/又は偏心によって、或いは、一部の表面を非球にすることによって補正される。
全ガラス・パターンを含むマスクの拡大率を有し、及び、円筒体ステージによって構築された、例示的な実施例による投影システムは、円筒体ステージが、フラットベッド・ステージに関して考えられるガラスに比べて、大きなガラスを使用することを可能にすること、歪みが、リアルタイム測定に基づいてパターン内部で補償され得ること、及び/又は、ガラスのレイアウトが、反復マスク・パターンによって制限され得ないことなどの利益がある。関連技術分野では、例えば、図38Eに示すように、単一マスクの4つ又は6つの画像が、1対1のスケールでガラス上に印刷される。ディスプレイは、ステッチング無しで、マスクのサイズ、通常、ガラスの4分の1より大きくされない。ステッチング(例えば、マスク内の小さなエリアからの大きな連続パターンの組み立て)は、収量の問題及び/又はスループットの損失のために、望ましくないプロセスである。例示的な実施例によれば、ガラス上のエリアは、図38Fに示すように、もっと自由に使用されてもよい。小さいディスプレイと大きなディスプレイが、出力の値及びガラス・シートの使用を最適にするように、混合されてもよい。こうして、例示的な実施例は、大きなLCDスクリーンの生産を可能にする、及び/又は、大きなスクリーンが、他のディスプレイ技術によって作られうる。
図37C〜図37Eは、別の例示的な実施例によるマスク・アライナを示す。マスク・アライナは、反射マスクを含む。マスクは、ガラス、又は、1つの表面が光学品質を有する他の材料において使用される。基板は、ガラス、セラミック、又は複合材料であってよく、またハイブリッド、例えば、炭素繊維剛性プレートに融着した薄いガラス・スラブであってよい。
例示的な実施例を使用して、炭素繊維プレート及びいくつかのセラミックの熱膨張率がゼロに近くになることができる。炭素は、比較的小さい重量と比較的高い固有剛性を有し、マスク及び/又はマスク・ハンドリング・システムにかかる重力及び慣性力を減少させる。透過マスクを使用すると、材料の厚さを通過する光学品質が比較的重要であり、比較的大きなマスクは、大量の光学品質材料(例えば、溶融シリカ)を含むため、益々高価になる。
図37Cは反射マスクを示し、図37Dでは、反射マスクは、フラットベッド・ステージ(縁部から見られる)と共に使用され、図37Eでは、円筒体ステージが使用される。反射マスクは、非反射性であり、反射膜内にパターンを有することができる。或いは、反射マスクは、反射性が比較的高く、吸収又は反射防止膜のパターンを有することができる。反射マスクは、また、反射性が比較的高く、光の回折によって、明るく、暗く、任意選択で、明るい位相シフト・エリアを生成する深さ構造を有することができる。
図38Dは、円筒ステージを有する拡大マスク・アライナを示す。図38Dにおける走査は、図38Aの走査方向に垂直な方向である。円筒体は、本質的に一定速度で回転し、マスクは、M分の1である速度を有する垂直線形移動で円筒体に追従する。ここで、Mはマスクから工作物への拡大率である。この例示的な実施例は、図38Aに示す実施例より単純である。それは、フィールドが平坦で、及び、光学部品が、よりゆっくり移動するからである。しかし、一方、マスクが円筒体上に投影されるたびごとの間に、マスクが戻りストロークを実施しなければならないため、より大きな機械的経費が存在する。1つの例示的な実施例では、円筒体は、工作物に必要とされるよりも大きくてもよく、工作物は、マスクがその間に戻る、円筒体上のギャップを有することができる。別の例示的な実施例では、マスクは、円筒体がアイドル・ターンを行う間に戻る。換言すれば、例えば、露光は、円筒体の1つおきのターンの間に起こり、マスク戻りは、露光ターンごとの間に起こる。円筒体に往復回転移動をさせることが可能であってもよいが、これは、慣性力を高くし、モータを大きくし、及び/又はエネルギー消費を高くする。
ディスプレイ用の少なくとも一部の生産プロセスは、新聞紙上への本の印刷と同様のロール印刷によって行われる。ディスプレイ上の全ての層が、サイズ誤差及び/又はアライメント誤差に等しく感度があるわけではない。本発明の例示的な実施例による円筒ステージは、種々の形態のロール印刷に適する。例示的な実施例は、高い寸法精度、例えば、座標系のより正確な作成、及び/又は、プリンタの内部座標系に対する工作物のより正確なアライメントを保証する方法を提供する。
図39は、例えば、フルフィールド・マスタ(例えば、シリコン・ゴムのパターンを使用して、インクでパターンを作成する、オフセット・マスタ又はいわゆる無水マスタ)3702から印刷するのに使用される例示的なロール・プリンタを示す。一実施例では、マスタ3702は、工作物3710を有する円筒体3708に直接押し付けられてもよく、又は、転写ロール3704を使用することができる。図39は、また、インク・パターンがインクジェット・ヘッド3714によって付着される転写ロール3716を示す。代替として、インクジェット・ヘッド3712が、工作物3710上に直接印刷してもよい。
半導体リソグラフィでは、インプリント(「ナノインプリント」)技術が、最近、より一般的になってきた。テンプレートは、基材上のポリマ膜内に機械的に押し込まれてもよく、比較的高く(例えば、著しく高く)本質的に分子の分解能が達成されてもよい。パターンは、デバイス内のある機能に役立つ、又は、後続の処理において半導体及び他のデバイスを形成するときの、マスク(例えば、エッチ・マスク、埋め込みマスク、又はフィルトオフ用)として使用されてもよい。インプリンティング・プロセスは、ディスプレイ製造について、比較的高い分解能及び/又は改善された欠陥特性を提供する。図39は、また、工作物上にインプリントするインプリンティング・テンプレート3706を示す。インプリントされるパターンの形成は、ポリマの熱エンボス、熱硬化、光硬化などによって行われてもよい。
再び図39を参照すると、マスタ3702及び転写ロール3704、3716は、工作物3710の表面上へのパターンのより正確な位置決めを可能にする精密ドライブ及び制御システムによって駆動されてもよい。
例示的な実施例によれば、円筒体を使用して、複数の動作が、1つ又は複数の工作物に関して同時に実施されてもよい。異なる動作は、フラットベッド・システムに比べて、互いから遮蔽するのがより容易であり、工作物は、異なる側から同時にアクセス可能である。
図40は、マルチ動作システムの例示的な実施例を示す。図40を参照すると、空間光変調器(SLM)3804を使用する熱転写装置3802が示されている。レーザ(例えば、パルス・レーザ)3806は、SLM(例えば、DMDデバイス又はSLM)3804を照射し、ドナー膜3808上にパターン化された光スポットを生成することができる。パターン化された光スポットは、データ経路3810によってSLM3804内にロードされたデータ画像であってよい。熱エネルギーは、転写材料がドナー膜3808を残し、工作物3800に固着するようにさせてもよい(例えば、OLED積層体全体を転写し、それにより、工作物上に半導体デバイスを形成する)。
やはり図40を参照すると、マルチ動作システムは、さらに、透過マスクを使用する別の熱転写ツール3812を含むことができる。述べた両方のツール3802及び3812は、パターンを生成するのに使用されてもよいが、それぞれは、また、ドナー膜が除去された後に、廃物及び/又は粒子を残す。複数動作システムは、また、遊離した粒子を除去するため、工作物3800の表面を清浄する湿式スクラバ3814を含むことができる。図40の複数動作システムには、エア・ナイフ又は空気バリア3816が含まれてもよい。空気バリア3816は、工作物3800の表面に接触しない物理的バリアであるが、代わりに、水小滴がはじかれ、通過しないように、工作物3800の表面上に加圧空気の平坦シートを吹き付ける。空気バリア3816は、複数動作システム内の他のツールを、スクラバ3814からのスプラッシュなどの廃物から保護する。
やはり図40を参照すると、複数動作システムは、また、熱空気ドライヤ3818、及び、遊離した粒子を除去するため、工作物3800の表面を清浄するCO2スノー・ブラスタ3820を含むことができる。
図41は、例示的な実施例による、熱転写装置(図40の熱転写装置3802)の一部分を示す。図示するように、ドナー膜3902は、工作物3904に押し付けられる。膜は、図41に示すように、円筒体の湾曲表面にわたって伸張されることによって、工作物に密着するように押し付けられる。他の例示的な実施例は、加圧気体、機械式ロールなどによって、膜を接触状態に押し付ける。ドナー膜3902は、例えば、転写材料が工作物3904に面した透明キャリア膜であってよい。レーザ・エネルギーの吸収を増加することができる1つ又は複数の界面層が、転写材料とキャリア膜との間に形成される。パルス・レーザ・ビーム3906は、ドナー膜3902を通過し、転写材料を加熱する。少なくともいくつかの例示的な実施例では、転写材料は、溶解し、工作物3904にくっつく。しかし、他の例示的な実施例では、界面層は、吸収エネルギーによって破裂し、工作物3904に接触状態になるよう転写材料を押し付ける。ドナー膜3902が、工作物3904から分離されると、転写されたエリア(エリア3908など)は、工作物3904に固着し、一方、非転写エリア(3910など)は、ドナー膜3902上に残る。別の例示的な実施例は、パターニングされる膜が、既に工作物上にある、逆転写を使用する。転写材料が除去されるエリアでは、転写材料は、ウィールディングされる、溶解される、又は、光子ビームによってキャリア膜に光化学的に結合されてもよく、また、膜が工作物から剥離されるときに、パターニングされる膜の部分が、工作物を去り、キャリア膜に追従する。
図42Aは、カラー・フィルタ内の1つのカラーが書き込まれた後の例示的なドナー膜を示す。図42Bは、転写材料を節約するために、3回、再使用された例示的なドナー膜を示す。ドナー膜が使用されるたびに、未使用エリアが使用されるように、ドナー膜が変位される。カラー・フィルタは、容易に行われる単純で規則的なパターンであり、使用される染料は比較的高価である。同じ方法は、LEDディスプレイ・パネル上に異なるカラーを有するLED積層体のパッチを付着させるのに使用されてもよい。
例示的な実施例によれば、ガラス・パネルは、円筒体上での曲げに耐えなければならない。曲げが達成されると、多くの異なるタイプの処理機器が、円筒体を使用して実施されてもよい。本出願で述べるように、工場全体が、円筒機械装置及び/又はハンドリングに基づいてもよい。工作物は、円筒体上に巻かれ、固定されてもよい。円筒体と工作物が、例えば、比較的ゆっくりと回転している間に、化学的又は物理的プロセスが、工作物に対して実施され、半導体デバイスが、表面上に形成されてもよい。監視用の機器は、プロセスがリアルタイムに監視されるように搭載されてもよい。工作物は、取り外される前に、洗浄され、乾燥されてもよい。化学的プロセスは、例えば、エッチング・プロセスであってよく、物理的プロセスは、例えば、溶剤内に溶解したポリマでコーティングすることであってよい。
図43は、例示的な実施例による現像又は処理システムを示す。図43の現像システムは、例えば、湿式処理システムである。
図43を参照すると、複数の(例えば、2つの)液体吐出器4102が、複数の空気バリア4104及び熱空気乾燥セクション4106によって隔離されている。図43の現像システムは、また、2つの一体化機器4108及び4110を含む。機器4110は、処理後又は処理中にパターンのリアル画像を形成する線幅測定機器を含む顕微鏡であってよい。機器4108は、表面から回折した光画像を形成する散乱計であってよい。1つの例示的な実施例では、両方の機器4108及び4110は、同じプロセッサ上に一体化されてもよい。しかし、或いは、各機器4108及び4110は、別個のプロセッサに一体化されてもよい。
図44は、例示的な実施例による、円筒体ステージを使用して半導体及び他のデバイスを形成するいくつかの例示的な真空又は閉じた環境プロセスを示す。円筒体5101は、密閉容器5102内に閉囲されている。容器5102は、例えば、アクセス・ポイント5105を介して導入された真空を使用して密閉されてもよい。或いは、アクセス・ポイント5105を使用して、密閉容器5102の雰囲気を制御することができる。負荷ロック5103は、真空を維持しながら、工作物5104がチャンバ内に装填されるように、差動的に圧送されてもよい。機械が装填された後、負荷ロック5103が閉じることができる。
やはり図44を参照すると、密閉容器5102内で、円筒ステージは、スパッタリング・プロセス5100A、プラズマ・エッチング・プロセス5100B、誘導プラズマ・エッチング又は堆積5100C、光子、電子、又はイオン・ビーム摩擦5100D、及び/又はレーザ・アニーリング/再結晶化5100Eにおいて使用されてもよい。これらのプロセスはそれぞれ、当技術分野でよく知られており、そのため、その詳細な説明は、簡潔にするために、省略される。さらに、本明細書で、プロセス5100A〜5100Eだけが説明されるが、示したプロセスよりさらに多くのプロセスが、類似する、又は、実質的に類似するシステムを使用して実施されてもよい。少なくともいくつかの例示的な実施例による円筒体又は円筒ステージは、検査及び/又は修理用のインフラストラクチャとして使用されてもよい。
図45は、例示的な実施例による、複数の検査ツール及び/又は修理ツールを含む例示的なシステムを示す。本明細書で説明するように、単一機械は、例えば、検査だけのための、欠陥観察だけのための、修理だけのための、或いは、これらの機能又は他の機能の任意の組合せのための、1つ又は複数のツールを有することができる。標準化されたインタフェース及びモジュール式ユニットは、タスクの異なる組合せのためのシステムを構成する、より多くの自由度を提供することができる。図45に示すように、例示のために、ツールは、組合せ式の欠陥観察及び誘導顕微鏡4302、材料の除去による暗室修理用のレーザ・ザッパ4306、異質の材料の除去用の微小機械ナイフ4304、不足している材料を充填するためのインクジェット・ヘッド4308(例えば、カラー・フィルタ)、材料を添加するためのマイクロピペット4310、材料の添加用のレーザ支援堆積ツール4312(例えば、開いた金属欠陥を閉じ、ブラック・マトリクス内の穴を充填するため)、パターンを、自分自身をシフトしたもの、又は、データベース提示物と比較するための光学検査ヘッド4314、スペクトル解析用の、フーリエ空間内で画像を形成する光学検査ツール4316、欠陥の解析、分割、及び修理用の、電子及び/又はイオン・ビームによる微小真空セル4318、金属又は半導体パターンの電気試験用の容量性プローブ4320、表面の電位を検知するためのケルビン・プローブ4322、電圧で工作物を励起し、インピーダンスを検知するための接触プローブ4324である。突出部を研磨によってすりつぶすための微小研削機は示されていない。上述したものに加え、任意の適したツールが、図43に示すインフラストラクチャに含まれてもよい。
図46A及び図46Bは、例示的な実施例によるブラック・マトリクスを形成する方法を示す。ブラック・マトリクスは、LCD−TFTディスプレイ内のカラー・フィルタの一部である。ディスプレイは、液晶材料を中間に有する2つのガラス・パネルを含む。1つのパネルが、トランジスタ・アレイを含んでよく、液晶と一緒に、ライト・バルブを形成する。カラー・フィルタは、ディスプレイが強い飽和カラーを生成することを可能にするカラー・パッチを有する他のガラス・パネルであってよい。透明カラー・パッチの周りには、ブラック・マトリクスが存在し、ブラック・マトリクスは、カラー・フィルタ・パッチの周りの光の漏れを低減し、トランジスタ・アレイのトランジスタが、その機能をバック・ライト・ユニットからの光によって乱されるのを防止することによって飽和を改善する。ブラック・マトリクスは、金属メッシュ、又は、別法として、暗い色のついた樹脂内に形成されたメッシュであってよい。
図46Aを参照すると、粗いブラック・ポリマ・パターンが、例えば、インクジェット・ヘッドによって堆積され、完成したブラック・マトリクスを含むことになる、表面の少なくとも一部分を覆う(例えば、部分的に又は完全に覆う)。インクジェット・ヘッドは十分に正確でない、また、ブラック・マトリクスは、幾何学的に重要であるため、最終のブラック・マトリクスのエリアは、縁部の周りに安全余裕度を持って印刷される。
図46Bに示すように、ブラック・マトリクスは、清浄され、穴のサイズは、例えば、レーザ・アブレーションを使用して、最終尺度に調整される。複数のパス及びストライプ間のオーバラップを使用して、見えるアーチファクト、いわゆる、ムラが低減される。図46Bに示すように、2つのパス内のフィールド(例えば、ストライプ、マスク画像、又は類似するフィールド)間の縁部がオフセットする2パス動作が使用されてもよい。2つの例示的な事例が、図46Bに示される。例1(インタレース)では、各穴は、1回だけ露光されるが、全ての穴を形成するのに、複数の(例えば、2つの)パスが必要とされる。ストライプ又はフィールド境界は、パス間で変位するため、境界の可視性が減少する。
例2(マルチ露光)では、各穴は、複数(例えば、2つの)パスで露光され、例1の場合と同様に、フィールド又はストライプ境界は、パス間で変位する。やはり、フィールド境界の可視性が減少する。文字A及びBは、いずれの穴が、パスA又はBで、また、フィールド1又は2で露光されるかを示す。例1と2の両方において、結果として、2つのパス間の有効な混合が得られ、最終ブラック・マトリクス内でフィールドの可視性が減少する。例示的な実施例は、N(Nは1より大きな任意の数である)パスに一般化されてもよい。例示的な実施例は、ブラック・マトリクス・パターンに限定されるのではなく、フィールド境界に視覚的に感度のあるいずれの類似するパターンにも適用されることができる。
図47は、フィールド間に斜め境界を有するが、図46Bと類似する、別の例示的な例を示し、完成したディスプレイにおいて、フィールドの可視性をさらに減少させる。図47は、フィールド又はストライプ境界が、異なる角度で斜めであることを除いて、上述した例1及び例2と同様である。一部には、目が、水平軸及び垂直軸に沿ってより感度があるため、及び/又は、一部には、フィールド境界が、より紛らわしくTFTパネル(又は、他のデバイス)に交差することになるため、斜めで及び異なる境界は、目がフィールド間の境界を見つけることをより難しくする。
図48は、例示的な実施例による、処理プラットフォームに含まれるツールによって覆われる円筒体のエリアを示す。図示するように、工作物は、円筒体4606上に巻かれる。ツール・バー上のツール4604によって走査されるエリア4602が示される。円筒体が回転するとき、工作物の各部分がアクセスされ、1ターン後に、再び同じ地点に達する。図48の右部分の場合と同様に、これは、平坦ガラスによって示されてもよく、各ターンは、工作物の別個の画像によって表される。左の工作物上のある地点は、右に対しては、2つの別個の地点によって(図が続く場合、多くの地点として)表される。右に対する図は、円筒体上のギャップにわたる、1つ又は複数のツールの移動を可視化するのに使用されてもよい。右のグラフ内の最も短い距離は、円筒体上の最も短い距離である。
図49Aは、例示的な実施例による、ツールの順次ランダムアクセス移動を実施する方法を示す。単一ツールがたとえ工作物の縁部を交差しなければならなくても、ツールは、次の地点に対して最短距離を移動することができる。ツール及び円筒体は、ランダムアクセスのために、互いに独立に制御される。
図49Bでは、2つのツールは、時間単位当たり2倍の地点にランダムにアクセスするように制御される。両方のツールは、同じ接線座標を有する地点に同時にアクセスしてもよく、また、地点が、ツール軸に沿って対称に又は繰り返して位置する場合、ツールは、同じ移動を実施してもよく、又は、ツールは、図示するように、他の移動の鏡像を実施することができる。
図49Cは、円筒体が一定速度で回転し、ツールが、回転移動の方向に垂直な表面又は表面の一部を走査する高速走査モードを示す。
図49Dでは、円筒体は、ゆっくり回転し、1つ又は複数のツールは、高速に走査する。図示するように、2つのツールは、円筒体のゆっくりした段階的運動に同期して走査され、その後、円筒体は、次のエリアに回転する。
図49A〜図49Dに示す走査モードは全て用途がある。さらに、これらのモードの組合せが使用されてもよい。図49A〜図49Dに示す走査モードをサポートするために、例えば、円筒体及びツールは、静止中、又は、移動中、位置制御式であってよい、DCモータ、リニア・モータ、又は類似するドライブ・システムを有することができる。こうした運動システムを持つことは、少なくともいくつかの例示的な実施例、例えば、機器プラットフォーム、欠陥観察及び修理ステーションなどに柔軟性及び/又は速度を提供する。
図50A〜図50Cは、ツール及び円筒体制御システム内への位置誤差の導入によって生成される意図的な歪みが、工作物上に既にあるか、又は、処理後に発生すると予想される歪みにどのように整合するかを示す。
図50Aは、工作物上に形成される理想的なパターンを示す。図50Bは、高温ステップによって歪んだ後であるが、図50Aの場合と同様の同じパターンを示す。図50Cは、第1層の歪みに整合するために歪んでいるが、第1層上に形成され、パターニングされた第2層を示す。歪みをリアルタイムに測定し、補正する能力は、より小さいトランジスタ公差及びより小さいブラック・マトリクス公差の使用を可能にする。これは、透過率が高い高速ディスプレイをもたらす。
図50A〜図50Cにおいてガラスを処理するときの代替法は、例えば、反りが起こることを予想して、第1層内のパターンを歪ませることである。これは、幾何学的公差が小さい完成した製品を提供することができる。例示的な実施例によれば、反りが起こる前の事前歪みと、層内の残留反り又は非系統的反りがパターニングされた後の事後歪みが使用される。これは、幾何学的精度及び/又は内部オーバレイが良好な製品を提供する。
図51は、例示的な実施例による、系統的な蓄積歪み及び層間の非系統的な残留オーバレイ誤差を補正する方法を示すフロー・チャートである。
図53では、スループットを上げるために、複数のフィールドが同時に印刷されてもよい。
光学的に書き込まれたパターン並びにインクジェット印刷されたパターンに伴う共通の問題は、「ムラ」の形成である。ムラの形成は、フィールド又はストライプの可視性による、及び/又は、パターンと書き込みメカニズムとの間のモアレ効果による、目に見える帯状部又はパターンの形成を指す。
少なくともいくつかの例示的な実施例は、x軸及びy軸に沿った反復によって、ディスプレイ・パターンに対して光学フィールドを組み立てる方法を提供する。フィールドは、SLMフィールド、ディスプレイを作るステッパ・フィールド、レーザ走査ツール内のスキャン・ブラシであってよい。ステッチング・アーチファクトは、フィールド間に存在する場合、ディスプレイ全体を通して同じ行又は列に重なり、また、線幅又はストレー・キャパシタンスに影響を及ぼす。ステッチング・アーチファクトは、完成したディスプレイにおいて目に見えるアーチファクトをもたらす。
図54A〜図54Dは、ムラの発生を抑制する方法及び/又はモアレ効果を弱める方法を示す。図示するように、例示的な実施例では、パターンは、書き込みメカニズムの軸に対して回転することができる。
図54Aを参照すると、矢印1250は、スタンプ1260を基準とする工作物の回転方向を示す。図54Aでは、回転方向は、SLMチップの辺の一方に対して、平行又は実質的に平行である。図54Bでは、工作物は、工作物保持器上に巻かれ、工作物保持器の中心軸に平行でない。SLMは、ロータ・スキャナ内に配置され、その外側辺の一方は、回転方向に平行又は実質的に平行である。
図54Cでは、SLMは、ロータ・スキャナ内に配置され、その外側辺は全て、回転方向に平行でない。工作物は、その対称軸の1つが、工作物保持器の中心軸に平行である状態で配置されてもよい。図54Dでは、工作物の辺は全て、回転方向又はSLMの辺に平行でない。
図55は、工作物5500が回転し、書き込みヘッドが回転し、意図的な歪みが導入される例示的な実施例を示す。図56及び図57は、例示的な実施例による、工作物パターンを回転する例示的な2つの方法を示す。
図56では、工作物5600全体が回転してもよく、一方、図57では、工作物5700は、真っ直ぐに搭載されてもよく、工作物上のパターン5702が、回転することができる。図56及び図57に示す例示的な方法のそれぞれにおいて、書き込みヘッドによって走査されるエリアの一部は、回転パターンによって失われる。
ムラ又はモアレ効果を低減するために、パターンの異なる軸が、互いに対して回転する。例えば、パターンがその上に存在する軸(例えば、パターンがディスプレイ又は類似するデバイスである場合、ピクセルの行及び列)、書き込み器内のピクセルの軸、書き込みメカニズムのストライプ軸、及び/又はステッチングされたフィールドの補充方向は、互いに対して回転することができる。これらの軸を互いのアライメント状態から離れるように回転させることは、ムラ効果を低減する。ムラの1つの発生源は、書き込みハードウェア内のピクセル行間、及び/又は、ピクセル列間の振る舞いの差である。パターンが整列する場合、ディスプレイ・デバイスの列内の全てのピクセルは、非典型的なハードウェア列によって印刷された左縁部を有することができる。同様に、フィールドが、パターン軸に沿って繰り返す場合、フィールド境界は、ディスプレイ全体にわたってピクセル列の縁部に対称的に重なってもよい。これらの軸を互いから比較的小さな角度だけ回転させることは、多くの異なるハードウェア・ピクセル行が、単一ディスプレイ・ピクセル行に寄与することを保証する。同様に、フィールド境界は、1つの位置において、ディスプレイ・ピクセル縁部に重なってもよいが、次のフィールドでは、他のところに重なってもよい。
ムラ効果を低減する角度は、約0.01ラジアンと約0.05ラジアンを含み、約0.01ラジアン〜約0.05ラジアン、又は、それ以上であってよく、特定の角度は、書き込みメカニズム、スケール、及びパターンのタイプに依存する。角度は、書き込みジョブごとに調整可能であってよく、又は、固定され、書き込みハードウェア内に組み込まれてもよい。
上述したように、ステージ移動、光学書き込みヘッド、及びパターンの組合せにおいて、多くの軸が存在する。整列された、又は、整列状態に近い軸が少なければ少ないほどよい。2次元SLMの2つの軸又はレーザ書き込み器内のストライプ及びスキャンの軸は、互いに垂直である必要はない。書き込みチャネルのフィールド内、パターン内、及びステージ移動(又は、フィールド補充)内に座標軸の考えられる多くの構成が存在する。一実施例では、フィールドは、パターンの軸と同じでない2つの軸に沿って繰り返されてもよい。別の実施例では、SLMフィールド内のピクセル・マトリクスの軸はパターンの軸に関してある角度を形成する。別の実施例では、2次元SLMの軸は、フィールドの繰り返し用の軸とある角度を形成する。この実施例では、レーザ・スキャナのストライプ及びスキャン軸は、2次元SLMの軸に匹敵すると考えられる。
図64A〜図64Eは、例示的な実施例による、x方向及びy方向の連続走査を使用してエリアを埋める方法を示す。
図64Aは、ツール軸に沿うx軸のピクセルのアレイを示す。アレイは、一定速度で移動し、円筒体が1ターン回転した後、アレイは、印刷されたパターンにステッチングされる。アレイが十分に密でない場合、走査速度を減少させて、例えば、アレイの幅を移動するのに2ターンが必要とされてもよい。走査速度は、また、アレイの密度に応じて多少減少されてもよい。アレイは、ツール軸に平行であってもよく、平行でなくてもよい。
図64Bは、アレイがツール軸に平行でない例示的な実施例による、別のパターニング方法を示す。図64Cでは、y軸に平行なアレイを使用して、x方向とy方向の連続走査によって表面を埋める。
図64Dは、アレイが、図64A〜図64Cに示すアレイに比べて密度が低い例示的な実施例を示す。この実施例では、密度の低いアレイのボイドを埋めるために、第2アレイが必要とされる。第2アレイは、図65Dに示す物理的アレイであってよく、又は、後のパス内の同じアレイであってよい。
図64Eは、互いの上部の2つのパスを示す。2つのパスの第1パスは右に走査し、2つのパスの第2パスは左に走査する。xとyの同時走査は、斜めの角度を提供し、2つのパスは、反対の角度を有することができる。これは、得られるストライプの可視性を減少させる。2つのパスは、同じピクセル・アレイによって順次に、又は、例えば、対向するx方向に移動する2つのピクセル・アレイによって同時に書き込まれてもよい。2つのピクセル・アレイは、2つの異なるツール・バー上に配置された2つの物理的書き込みヘッドであってよい。例えば、x方向の連続走査及びy方向の往復走査を有する、図58に示すシステムは、単一動作で2つのパスを書き込むのに使用されてもよい。
図58〜図63並びに図71A〜図71C及び図72A〜図72Cは、他の例示的な実施例による図2Bのモジュール式システム内のステージを示す。それぞれの例示的な実施例は、高い処理(例えば、特に、書き込み)速度及び/又は高い精度で、比較的大きな基材のパターニングを可能にする。円筒体ステージと同じコンポーネント並びに通信及び制御インタフェースを使用することによって、特性の多くが同じになる。精度、処理速度、床空間、サイズ、基材の柔軟性などのような細目に基づいて選択が行われてもよい。
図58は、例示的な実施例によるフラットベッド・プラットフォームを示す。図58に示すプラットフォームは、例示のためにトラスとして示される、軽量フレームである。しかし、例示的な実施例は、管内に流れる流体(例えば、空気、水、及び/又は気体)によって温度制御されてもよい薄壁の管によって構築されてもよい。フレームは、工作物5803を支持する静止ステージ上部5802用の剛性の高い支持体を提供することができる。少なくとも1つのツール・バーが、ステージ(複数のツール・バーが可能である)にわたって延在してもよく、また、標準化された台座、固定具及びコネクタ、それに加えて、共通座標系の作成用のインフラストラクチャは、1つ又は多くのツール・バー上に1つ又は多くのツールを有するステージを構成することを容易にする。図は、4つのバー5804を有する実施例を示す。ツール・バーはそれぞれ、1つ又は複数のツール5805を有することができる。ツールは、円筒ステージに関して上述した方法に類似する、又は、実質的に類似する方法で搭載される、又は、配置されてもよい。ツール・バー及び各ツール・バーに取り付けられるツールの数は、用途及び/又は容量についての必要性に従って構成されてもよい。
図58は、どのようにツール・バーが移動可能であり、工作物上の任意の地点にアクセスできるか、また、どのようにツール・バーが、装填及び取り外しのために、脇(破線)5806に移動することができるかを示す。図58は、ツール・バー組み立て品を駆動するリニア・モータ5807を示し、リニア・モータのステータは、床の上に別々に立つ2つの支持体5709と5710との間に延びるロッド5708に取り付けられる。別の例示的な実施例では、自由に移動するカウンター・マス(図示せず)が、リニア・モータのいずれの部分もグラウンドに接続されないように、ステータに接続されている。リニア・モータは、共通の静止重心を維持したままで、ツール・バー組み立て品とカウンター・マスとの間に力を加えることによって、両者を移動させる。グラウンドとカウンター・マスとの間に弱い力を加えるモータ(図示せず)を含む別個のシステムは、カウンター・マスを移動範囲内の中心に維持することができる。
図59は、別の例示的な実施例によるフラットベッド・プラットフォームを示す。図59は、図58の実施例と同じであるが、固定ツール・バー5901及びシャトルの形態の可動ステージ上部5902を有する。シャトルは、軽量設計であり、例示的な実施例では、炭素繊維から作られる。工作物5903は、真空によって保持され、シャトルは、空気クッション上に浮遊する。リニア・モータは、ステージの端から端へシャトルを押し、ツール・バーは、工作物に対してその処理を行う。
図60では、例示的な形態で、処理される工作物6001の一部6002だけがステージ上にあり、端部がコンベア6003上に載っている、「占有面積が小さい」フラットベッド・ステージがある。例示的な実施例では、工作物は、空気クッション6004上で、最も適切には、吸引と圧力の両方を有し、空気パッドの表面から規定距離、例えば、30ミクロン以内に工作物を保持することになる当技術分野で知られる空気クッション上で浮遊することができる。工作物の搬送は、十分に制御されなければならず、図60は、工作物を駆動し、工作物の移動を監視するホイール6005を示す。
図61及び図61Aは、特にxy計測に関する、図60の「占有面積が小さいステージ」のより詳細な上面図を示す。基材6101は、コンベア6102上をシステムまで移動する、又は、類似する搬送システムが工場内で使用される。システムを通した搬送は、ローラ6106及び6107によって誘導され、監視される。ローラは、基準マークが、カメラの取り込み視野から外れず、及び、基準マーク間に近似座標系を与えるのに十分に移動を安定化させる。基材は、測定される必要がある基準マーク6103のアレイを有する。いくつかのカメラ6104は、基材がシステムを通過するときに、基準マークを見るように、1つ又は複数の定規6105上に位置決めされる。基本動作モードは、基材が連続して移動し、基材が移動している間に、カメラが画像を収集することである。これは、TDI(時間遅延及び積分)カメラによって、又は、画像をフリーズさせる短いパルスによる照射によって行われることができる。モアレ・ビーティングに似た他の方式は、特別な基準マークによって可能である。カメラは、ある程度余分にあり、少なくとも1つ、おそらくは多くの基準マークが、2つ以上のカメラ上に取り込まれる。カメラは、既知の「ゴールデン」サンプル基材の測定によって較正された、正確に知られている位置を有する。余分な測定は、試験基材上の基準マークの位置が、正確に決定されることを可能にする。図61Aのシステムは、基材がシステムを通過した後に、基準マークの正確な歪みマップを与える。
図61Bは、計測用の改良された光学システム及び正確な座標系の確立を示す。1つ又は複数の連続の又は半連続の帯状部6111が、基材6110の辺に沿って、例えば、第1パターン層と共に印刷される。特別なカメラ6112の別個のセットは、基材に伴う帯状部の移動を測定する。帯状部の精度は測定精度の一部ではないことに留意されたい。精度は、特別なカメラの相対配置精度によって増大する。特別なカメラは、基材の一方の辺上に3つ、他の辺上に1つ配置されてよい(2つと2つが示される)。図61Bの計測方式は、計測のために使用することが可能であるが、パターンを露光するときに座標系を確立するためにも使用することが可能である。
図62は、例示的な実施例による工作物の高速パターニング用のフラットベッド・プラットフォームの例示的な動作を示す。例示のために、この例示的な動作は、図59に関して述べられる。しかし、例示的な実施例による他のフラットベッド・プラットフォームは、類似する、又は、実質的に類似する方法で動作することができる。プラットフォームは、同じ、又は、実質的に同じタイプの軽量ボード・フレーム、及び、以降で「シャトル」と呼ばれる浮遊式軽量ステージを有することができる。
図62を参照すると、例示的な書き込み動作では、シャトル6201は、各ストロークの端部の停止部6202と6203との間で跳ね返る。カウンター・マス6204、6205は、停止部に連結され、スライド6206、6207によって自由に移動することができるが、リニア・モータ6208、6209の力によって影響を受ける。ステージは、カウンター・マスに当たって跳ね返るとき、運動エネルギーの少なくとも一部分を失う。衝突中の力は、衝突中に圧縮されるばね6210、6211のばね定数によって制御される。ステージは、ストロークの両端で跳ね返り、リニア・モータによって個々に制御される少なくとも2つのカウンター・マス、又は、固定ロッドによって停止部に結合された少なくとも1つのカウンター・マスが存在することができる。別のリニア・モータ6212は、ステージの下に位置決めされ、ステージ移動が始まると、第1衝突部に向かってステージを加速することができる。リニア・モータは、また、ステージを任意の位置に移動させ、任意の位置で停止させ、及び/又は、走査中、一定の、又は、実質的に一定の速度を維持するのに使用されてもよい。ステージは、左へ又は右へ移動しながら一定速度で動作してもよく、又は、跳ね返りのために使用されてもよい。ばねの剛性は、最大加速度が、ステージの作動跳ね返り内にあり、工作物がステージ上を摺動することをさせず、また、ステージ内に過剰な振動を発生しないように選択される。動作のシーケンスは、以下の通りである。シャトルは、ステージの中央から静止状態で始まる。リニア・モータは、シャトル上で基材を滑らせないとわかっている加速度で、シャトルを右に打ち出す。その間に、右のリニア・モータは、右側カウンター・マス(跳ね返り錘)を左に加速させるため、カウンター・マスは、ある速度でシャトルに当たる。衝突時に、カウンター・マスからのインパルスは、シャトルに伝達され、シャトルは、左に飛び出る。リニア・モータ6212と共に制御システム(図示せず)は、シャトルを所定の速度で移動させ続ける。その間、衝突後に右に移動した右側カウンター・マスは、制動され、シャトルが戻ると、もう一度、シャトルに当たるために、速度が反転される。シャトルは、ステージに沿って左側に移動したとき、右に移動する左側カウンター・マスに当たり、衝突し、右に再び飛び出る。左側カウンター・マスは、衝突後、左に移動し、ゆっくり回転して、戻り、次に左側に来るときにシャトルに当たる。シャトルは、2つのラケット間のテニス・ボールのように移動する。システムは、シャトルがほとんどの時間を高速で移動し、衝突に費やされる時間が制限され、衝突中の力も制限されるように、設計される。運動エネルギーのほとんどは、跳ね返り中に維持され、失われるものは、カウンター・マス(跳ね返り錘)の移動及びリニア・モータ6212によって補償される。
ステージの重量を減らすために、ステージは、例えば、支持構造体上に浮遊するパッド及び工作物を保持する他のパッドを有する重ね板ばねからなってもよい。或いは、ステージの形状は、支持表面の形状によって決定されてもよい。
図63は、走査中の、ステージとカウンター・マスの位置にわたる図を示す。図63は、また、用紙に垂直な方向に一定速度で走査するツールの位置を示す。ステージが右に走査すると、斜めラインが、工作物を横切ってツールによってトレースされ、跳ね返り後、他の斜めラインが、異なる角度でトレースされる。ツール幅と、ステージ速度と、ツール速度との間の適切な関係によって、2つの隣接するパスが、互いの上部に書き込まれる。両方のパスは、図示するように、パターン内の周期的な欠陥を減少させる、ステージの走査軸に対して傾斜したストライプを有することができる。
工作物が約2.8m長であり、加速度が、跳ね返り中、約10gであり、一定速度が約6m/sである場合、跳ね返り時間を含む平均走査速度は約5m/sである。運動量は、支持構造体又は床にいずれも接続されない、カウンター・マスとステージとの間で伝達されてもよい。跳ね返りカウンター・マスが、ステージより著しく遅い速度で後退した後、リニア・モータは、速度を下げ、同じカウンター・マスとの次の跳ね返りまで、カウンター・マスの速度を反転させてもよい。2つのカウンター・マスがロッドによって接続される場合、又は、別法として、ステージの中央に配置された単一カウンター・マスが使用される場合、リニア・モータにかかる要求は減る。この実施例では、各端部における跳ね返りは、カウンター・マス(複数可)の速度を反転させ、カウンター・マスの移動は、遅く及びレンジが小さいことを除いて、ステージの移動と類似する、又は、実質的に類似する。
少なくともいくつかの例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、リングの形態である。この実施例では、複数の光学書き込みユニットはそれぞれ、少なくとも1つのレーザ・ビームの形態の電磁放射を放出するように、配置され、構成される。レーザ・ビームは、少なくとも2つの方向に放出される。少なくともいくつかの例示的な実施例では、レーザ・ビームは、少なくとも2つの平行な方向に放出される。少なくともいくつかの例示的な実施例では、レーザ・ビームは、リング形状ロータ・スキャナの内部に位置決めされた円筒保持器上に配置された工作物に向いて内側半径方向に放出される。
少なくともいくつかの例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、ディスクの形態である。この実施例では、複数の光学書き込みユニットはそれぞれ、少なくとも1つのレーザ・ビームの形態の電磁放射を、ディスク形状ロータ・スキャナを少なくとも部分的に閉囲するように配置された少なくとも1つの工作物に向いて外側半径方向に放出するように、配置され、構成されてもよい。或いは、ディスク形状ロータ・スキャナは、リング形状であってもよい。
簡潔にするために、少なくとも1つのレーザ・ビームの形態の電磁放射を、外側半径方向に放出するように、配置され、構成された光学書き込みユニットを含むロータ・スキャナは、以降で、ディスク・ロータ・スキャナと呼び、一方、少なくとも1つのレーザ・ビームの形態の電磁放射を、内側半径方向に放出するように、配置され、構成された光学書き込みユニットを含むロータ・スキャナは、本明細書で、リング・ロータ・スキャナと呼ぶ。少なくとも1つのレーザ・ビームの形態の電磁放射を、軸方向に放出するように構成されたロータ・スキャナは、本明細書で、軸方向ロータ・スキャナと呼ぶ。以降で、ディスク・ロータ・スキャナとリング・ロータ・スキャナの両方に適用可能な例示的な実施例の態様を説明するとき、ディスク・ロータ・スキャナとリング・ロータ・スキャナは、ひとまとめに、ロータ・スキャナと呼ぶ。
工作物は、柔軟性があり(例えば、非常に柔軟性があり)、所望の半径を有し、維持するために、円筒支持体を必要とする。工作物の内側部分は、より容易に円筒形状をとる。しかし、円筒体軸に平行な縁部において、適切な曲げ半径で工作物を曲げ始めるために、曲げモーメントが導入されてもよい。この曲げモーメントは、数kg・cm程度であってよく、縦方向クランプによって導入されてもよい。このクランプは、また、工作物が機械に装填されるときに工作物を支持することができる。
工作物は、約±70μmの厚さ公差と約150mmの長さにわたる約20μm未満の変動を有することができる。この変動は、焦点位置を乱し、工作物の焦点及び/又は形状において補正される。例えば、ロータ・スキャナによって形状が測定され、工作物の形状が補正される。作動中の工作物形状は、書き込みゾーン内でだけ補正されてもよい。この実施例では、補正器ハードウェアは、ロータ・スキャナ組み立て品に追従することができ、アクチュエータの数を減らす。補正器の使用は、浅い被写界深度を有する光学部品を使用することができる。
ロータ・スキャナは、ロータ・スキャナの回転軸の位置及び/又は縦方向位置を制御することができる軸受パッド(例えば、空気軸受パッド)によって支持されてもよい。回転方向の位置決めは、パターンのタイミングによって調整されてもよい。軸縦方向の動的位置決めは、設計に応じて、画像平面を移動させるために、能動コンポーネントを必要とする。
ロータ・スキャナ位置は、例示的な実施例に従って、いくつかの異なる方法によって決定されてもよい。例えば、リング・ロータ・スキャナでは、周辺上のマークは、例えば、光学的に検出されてもよく、ロータ・スキャナの位置は、これらのマーク間又はこれらの位置間で補間されてもよい。空気摩擦が(例えば、約0.1Nに)減少し、速度が上がってもよい。マーカ間の時間が短くてもよく、及び/又は、残留力による考えられる変位が、この「マーカ間の時間」が2乗されるため減少することができる。垂直軸を有する例示的な実施例では、ロータ・スキャナ内の内部加速度計は、より正確なフィードバック信号を達成すると考えられる。フィードバック信号は、速度制御に使用されてもよい。水平軸を有する例示的な実施例では、加速度計が同様に使用されてもよい。しかし、この場合、加速度計は、重力の方向がわからないように釣り合わされる必要がある。本明細書で述べられないが、干渉計又は任意の他の適した方法が使用されてもよい。
ロータ・スキャナの速度差は、例えば、内部回転加速度計によって測定され、回転精度が改善されてもよい。ロータ・スキャナの角度位置は、ロータ・スキャナの外側縁部の周りの複数のマーカ(例えば、光学マーカ)を使用して測定されてもよい。制御システムは、マーカをロータの位置の絶対測定として使用し、時間によって「中間位置」を補間することができる。補間の精度は、内部回転加速度計を使用することによって上がる。
ロータは、距離センサ、軸受パッドからの圧力信号、又は任意の他の適した測定装置を使用して釣り合わされてもよい。例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、軸受、空気軸受、空気軸受パッドなどによって支持されている。
少なくともいつくかの実施例では、データの転送は、ほとんど調整することなく、パターンがロータにストリーミングされるようにパターンを描画することによって容易にされている。この実施例では、データは、予め歪むように描画され、それぞれの弧が、メモリ内でデータの列によって表されるように記憶されている。工作物が書き込まれるにつれて、列は、メモリ・マトリクス内で左から右へ(例えば、連続して)読み取られ、ロータ・スキャナに送出される。
図65Aは、例示的な実施例による、単一点光学書き込みユニットの単一リングを有するロータ・スキャナを示す。図65Bは、工作物の縁部から縁部へ順次にラインを書き込む単一リング単一点スキャナ及び各書き込みユニットに必要とされる調整を示す。図65Cは、SLMを使用して、SLMフィールド(「スタンプ」)から画像を生成するロータ・スキャナの例示的な実施例及び各書き込みユニットに必要とされる調整を示す。
図65Aを参照すると、パターン発生装置は、ロータ・スキャナ1を含む。ロータ・スキャナ1は、ディスク形状であり、少なくとも1つの(例えば、複数の)書き込みヘッド10を含む。書き込みヘッド10はそれぞれ、半径方向に光を放出する。工作物20は、ロータ・スキャナ1を部分的に閉囲する。ロータ・スキャナ1は、回転可能であり、一定速度、又は、実質的に一定速度で回転する。電力スリップ・リングが中心に設置される。スリップ・リングは、グラファイト/銅スリップ・リング、HF変圧器無接触スリップ・リング、無摩擦スリップ・リング、又は任意の他の適したスリップ・リングであってよい。例示的な実施例では、HFスリップ・リングは、通常のスリップ・リングに関して一般的な埃を減らすることができる(例えば、なくすることができる)。
やはり図65Aを参照すると、工作物は、工作物の曲率が、ディスク・ロータ・スキャナの半径より大きい(例えば、わずかに大きい)半径を有するように、及び/又は、光学システムの焦点が一致するように、曲げられる。或いは、リング・ロータ・スキャナの例示的な実施例では、工作物は、工作物の曲率が、リング・ロータ・スキャナの半径より小さい半径を有するように、及び/又は、光学システムの焦点が一致し得るように、曲げられる。工作物が曲げられる、又は、湾曲する例示的な実施例では、工作物は、例えば、ガラス工作物、プラスチック工作物などのような所望の曲率に曲げられることが可能な工作物であってよい。
工作物が、180°に及ぶ曲率に曲げられる(又は、巻き付けられる)例示的な実施例では、ディスク・ロータ・スキャナは、例えば、約1.4mの直径を有することができる。工作物が、ディスク書き込みヘッドの周りで約180°巻き付けられるとき、約1.3mの小さな曲げ半径(例えば、最小曲げ半径)が使用されてもよい。約180°巻き付けられるガラス用の円筒支持体は、約1mと約2mを含み、約1mと約2mとの間の半径を有することができる。
1つの工作物を1回で書き込むシステムでは、工作物は、約360°、又は、ほぼ360°に曲げられる。工作物(例えば、ガラス、プラスチック、金属、セラミックなど)は、約2mと約3mを含み、約2mと約3mとの間、又は、約6mまでであってよく、単一ガラス用の対応する円筒体は、約0.35mと約0.6mを含み、約0.35mと約0.6mとの間、また、約1mまでの半径を有することができる。約1.3mの半径でガラス工作物を曲げることは、工作物厚さmm当たり約31MPaの応力を生じる可能性がある。約0.7mmの工作物厚さの場合、応力は、約22MPa、安全応力のほんの何分の1である。
別の実施例では、工作物が、約120°に及ぶ曲率に巻き付けられる場合、ディスク・ロータ・スキャナは、約2.1mの直径を有することができる。この場合、約2mと約3mを含み、約2mと約3mとの間の半径を有する円筒支持体を使用することが適している。これらの実施例では、パターン発生器の全体の幅は、従来のパターン発生器及び/又は書き込み装置の幅、例えば、約2m幅より小さくてもよい。工作物は、例えば、ディスプレイ及び/又はソーラ・パネルのロールからロールへの処理のために、組み立て式(例えば、複数のシートに切断される)であってよく、又は、連続形態であってよい。
戻って図65Aを参照すると、ロータ・スキャナは、反時計方向に回転する。しかし、或いは、ロータ・スキャナは、時計方向に回転することができる。図65Aに示すように、回転しながら、ロータ・スキャナ1は、上方垂直スキャン方向50に移動する。しかし、ロータ・スキャナが、下方向又は水平方向に(例えば、右から左に)移動することができることが理解されるであろう。工作物20上に印刷されるパターンは、書き込みヘッド10の変調によって決定されてもよい。動作(例えば、パターニング又は書き込み)中、書き込みヘッド10からの電磁放射は、工作物20上に螺旋パターン30を形成することができる。
工作物20の縦方向スキャンは、工作物20及び/又はロータ・スキャナ1を移動させることによって達成されてもよい。ロータ・スキャナ1は、工作物20及び/又は工作物保持器(図示せず)に比べて、薄い、又は、実質的に薄くてもよいため、ロータ・スキャナ1が移動し、工作物20が、付加的な長さを必要とすることなく書き込まれてもよい。ロータ・スキャナ1の非回転部分又は軸受パッドは、軸方向スキャンを実施してもよく、及び/又は、他の(例えば、全ての他の)機能を実施することができる。
ロータ・スキャナ1は、軸受パッド(例えば、空気軸受パッド)によって支持されてもよい。この実施例では、リング設計は、内部リング半径に関して軸受パッド用の付加的な空間を有することができる。
ロータ・スキャナ1は、釣り合わされることができる(例えば、非常に正確に釣り合わされることができる)。いずれの残留不平衡も、例えば、軸受圧力パッド(例えば、空気軸受圧力パッド)内の背圧変動によって、又は、他の位置センサによって、より容易に検出される。ロータ・スキャナを連続して釣り合わせることができる自動釣り合わせシステムが使用されてもよい。ロータ・スキャナ1に対する擾乱は、ロータ・スキャナ及び/又はロータ・スキャナ・シールドの間の空気流の結果である。ロータ・スキャナとロータ・スキャナ・シールドとの間の空気流が、例えば、適切に小さなギャップ(例えば、5m/sにおいて数mm)を選択することによって、強制的に層状にされる場合、動作状態の安定性が増す。層流は、力、例えば、静止力を導入する。例示的な実施例では、摩擦に対する電力損失が、(例えば、数ワットまで)減少し、ロータ・スキャナが、任意の適したモータで駆動されうる。例えば、5m/sで1mmギャップにおける摩擦は、1m2当たり0.5Wの損失を有する。軸受パッドは、小さなギャップ及び/又は大きな抗力を有し、これらは小さなエリアによってオフセットされる場合。モータは、回転する際に、均一な、又は、実質的に均一なトルクを有する駆動システムを有することができる。
ディスク・ロータ・スキャナ1に含まれる光学書き込みユニットの数は、書き込み速度に基づく。少なくとも1つの例示的な実施例では、書き込みユニットは、高い(例えば、非常に高い)データ・レート(例えば、約200、400、500、又はそれ以上のGbit/sec)でデータ・チャネルからデータを供給されてもよい。機械は生産のために使用されるため、パターンは、常に、同じ、又は、実質的に同じであってよい。パターンが、ロータ・スキャナ内部に局所的に記憶される場合、ロータ・スキャナが静止している間に、パターンは、低速で(例えば、従来の高速リンクを通して)ロードされてもよい。パターンは、その後、メモリ内に存在することができる(例えば、永久的に存在することができる)。これは、回転式データ結合を回避する。
図1A及び図1Bに示すように、光学書き込みユニットは、例えば、単一点レーザ・ダイオードであってよい。レーザ・ダイオードは、青、赤、紫などのような任意の商業的に利用可能な波長であってよい。レーザ・ダイオードのパワーは、例えば、単一モードの場合、約5mWと約65mWを含み、約5mWから約65mWまで、マルチモード・ダイオードの場合、約5mWと約300mWを含み、約5mWから約300mWまでであってよい。レーザ・ダイオードの電気光学効率は、例えば、約13%であってよい。レーザ・ダイオードは、例えば、光パワー源と変調器の役目を同時に果すことができる。或いは、図65Cに示すように、光学書き込みユニットは、SLMであってよい。
ロータ・スキャナの回転軸は、垂直、水平、又は、その間の任意の角度であってよい。垂直軸配置構成は、光学書き込みユニットの一定の、又は、実質的に一定の加速度を常に有することができる。水平軸配置構成は、より効率的に、及び/又は、重力と相互作用する必要無しでそれほど努力せずに工作物をハンドリングすることができる。
図71A〜図71Cは、例示的な実施例による、書き込み装置の異なる実施態様及び向きを示す。図71A〜図71Cに関して以下で説明されるディスク・ロータ・スキャナは、図65Aのディスク・ロータ・スキャナ1と同じ、又は、実質的に同じであってよい。したがって、詳細な説明は、簡潔にするために省略される。
図71Aを参照すると、書き込み装置700は、保持器(例えば、管状保持器)710、ディスク・ロータ・スキャナ730、及び/又は少なくとも1つの光学書き込みユニット740を含むことができる。少なくともいくつかの例示的な実施例では、ディスク・ロータ・スキャナ730は、複数の光学書き込みユニット740を含むことができる。
工作物720は、工作物保持器710内部に配置されてもよい。成形された保持器710の中心軸は、例えば、水平に配置されてもよい。保持器710は、固定位置に維持されてもよく、一方、ディスク・ロータ・スキャナ730は、中心軸に平行な、又は、実質的に平行な方向に回転する、及び/又は、移動する。光学書き込みユニット740は、ディスク・ロータ・スキャナの外側縁部上に、少なくとも1列で配置されてもよいが、図71Aでは、2列を含むものとして示される。光学書き込みユニット740は、工作物保持器710の内側表面に面することができる。或いは、光学書き込みユニット740の単一列又は3つ以上の列が使用されてもよい。
図71Bを参照すると、工作物保持器710の中心軸は、垂直に配置されてもよい。工作物720は、図71Aに関して先に説明したように、保持器710内部に配置されてもよい。工作物720は、工作物720を平坦にすることができる、又は、実質的に平坦にすることができる力によって保持器710内に固定されてもよい。或いは、工作物720は、真空ノズルによって保持器710に固定されてもよい。この実施例では、工作物720は、工作物720と保持器710との間の空気を取り除くことによって保持器710内に固定されてもよい。ディスク・ロータ・スキャナ730が、回転する、及び/又は、垂直に(例えば、上方に及び/又は下方に)移動し得る間、工作物720及び保持器710は、固定されてもよい。
図71Cを参照すると、図71Cの書き込み装置は、図71Bに関して先に説明した書き込み装置に類似する、又は、実質的に類似することができる。しかし、図71Cの書き込み装置では、工作物720及び/又は保持器710は、ディスク・ロータ・スキャナ730が、垂直方向に(例えば、上方に及び/又は下方に)移動する間、回転することができる。
図66は、なお別の例示的な実施例による書き込み装置を示す。図示するように、図66の書き込み装置を使用して、複数の工作物を、並行して又は同時にパターニングすることができる。図66の書き込み装置は3つの工作物222A、222B、及び222Cを同時にパターニングすることに関して説明されるが、任意の数の工作物が、並行してパターニングされてもよいことが理解されるであろう。図66のロータ・スキャナ220は、図65Aのロータ・スキャナ1と同じ、又は実質的に同じであってよい。
図66を参照すると、工作物222A、222B、及び222Cは、ロータ・スキャナ220を、少なくとも部分的に閉囲する、又は、囲んでいる。図示するように、開口224、226、及び228は、工作物222A、222B、及び222Cのそれぞれの間に残される。検出器及び較正センサ(図示しないが、以下でより詳細に述べられる)の少なくとも一方は、工作物間のそれぞれの空間内に位置決めされている。少なくとも1つの例示的な実施例では、検出器及び/又は較正センサは、ロータ・スキャナ220の位置、焦点、及び/又はパワーを監視することができる。所望の位置に対するロータ・スキャナ220のいずれのミスアライメントも、例えば、照射量、変調遅延、タイミング、画像歪み、又は、任意の他の適した方法を使用して補償される。
図67は、それぞれ、開口224、226、及び228内に位置決めされた複数の較正センサ310、320、及び330を示す。図67に示すように、3つの工作物は、書き込み装置によって保持され、3つの較正センサが使用される。例示的な実施例によれば、較正センサの数は、書き込み装置内に並行して配置される工作物の数に関係付けられることができる。いくつかの例示的な実施例では、較正センサの数は、工作物の数に等しい。
図68は、例示的な実施例による、較正センサ(例えば、較正アイ)を含む図66の書き込み装置の一部分の平面図である。図76は、図68の平面図に相当する側面図である。
図68及び図76を参照すると、較正センサ400は、位置、パワーを検出し、及び/又は、ロータ・スキャナ430の光学書き込みユニット(図示せず)から放出される電磁放射の特性に基づいてロータ・スキャナ430の個々のビーム410を収束させる。少なくともいくつかの例示的な実施例では、較正センサ400は、ロータ・スキャナ430の位置(パターン発生装置が垂直に向く場合、ロータ・スキャナの垂直位置)を測定する干渉計(図示せず)を含むことができる。干渉計は、当技術分野でよく知られており、したがって、詳細な説明は、簡潔にするために省略される。ロータ・スキャナ430は、ロータ・スキャナ1及び/又は220と同じ、又は、実質的に同じであり、そのため、詳細な説明は、簡潔にするために省略される。
単一工作物420が、保持器上に巻き付けられる場合、較正センサ410は、工作物420の縁部間に配置されてもよい。例示的な実施例では、工作物420は、保持器(例えば、管形状保持器)上に巻き付けられることができる。ロータ・スキャナ430は、巻き付けられた工作物420の内部で回転することができる。少なくともいくつかの例示的な実施例では、スキャナ・ベース440とロータ・スキャナ430との間の距離は、例えば、レーザ干渉測定又は任意の他の適した技法を使用して測定されてもよい。
図69は、例示的な実施例による較正センサ400の略図である。較正センサ400は、ロータ・スキャナの光学書き込みユニットから放出された電磁放射がそこを通過することができるレンズ組み立て品510を含むことができる。電磁放射は、ビーム・スプリッタ520によって部分的に反射される。電磁放射の第1の部分は、ビーム・スプリッタ520を通過し、第1象限検出器550を照射することができる。電磁放射の第2の部分は、ビーム・スプリッタ520によって反射され、円筒レンズ530によって収束され、焦点検出器550に衝当することができる。象限検出器550は、さらに、560でひとまとめに参照される複数の象限検出器A、B、C、及びDを含むことができる。焦点検出器540は、570でひとまとめに参照される複数の象限検出器E、F、G、及びHを含むことができる。
例示的な実施例では、象限検出器550は、式(A+C)−(B+D)を使用してY尺度を、式(A+B)−(C+D)を使用してロータ・スキャナのタイミングを、式(A+B+C+D)を使用してロータ・スキャナのイネーブルを決定することができる。焦点検出器540は、式(E+H)−(F+G)を使用して書き込みユニットによって放出されたビームの焦点を決定することができる。焦点検出器540は、例えば、非点収差(オン・アクシス)光学システムを使用して、焦点ずれを測定する任意の適した装置であってよい。非点収差は、円筒レンズ530を使用して付加される。円筒レンズ540は、円筒体の回転軸に垂直な軸に沿ってパワーを付加する。円筒体の軸は、例えば、検出器Eの中心と検出器Hの中心を通過するように傾斜することができる。
円筒体レンズを使用して、2つの異なるパワーを有する結像システムが実現される。1つの方向(D1)において、円筒体はそのパワーを付加し、別の方向(D2)において、円筒体はパワーを付加しない。
焦点位置がD1のパワーに一致するとき、検出器Eの中心と検出器Hの中心を通過する(例えば、円筒体の軸に沿う)ライン画像が生成される。逆に、焦点位置がD2のパワーに一致するとき、ライン画像は、検出器Fの中心と検出器Gの中心に沿って生成される。そのため、差(E+H)−(F+G)は、焦点の位置に比例する。
図69の較正センサを使用して、光学書き込みユニットの焦点、パワー、及び/又は位置が較正されてもよい。例えば、図69の焦点検出器540及び位置検出器550を使用して、それぞれの光学書き込みユニット内の焦点検出器及び位置検出器が較正されてもよい。焦点検出器及び位置検出器並びに各光学書き込みユニットは、以下の図70に関してより詳細に述べられる。
図70は、例示的な実施例による光学書き込みユニット(例えば、書き込み用レーザ・ダイオード)を示す。図70の光学書き込みユニット600は、図71A〜図71Cの光学書き込みユニット740及び/又は図72A〜図72Cの光学書き込みユニット840として使用されてもよい。
図70を参照すると、光学書き込みユニット600は、パターン・データを青色レーザ・ダイオード660用の変調信号に変換するためのデジタル−アナログ変換器(DAC、例えば、高速DAC)610を含むことができる。パターン・データは、データ・チャネル(図示せず)を介して受信されてもよい。データ・チャネルは、例えば、光ファイバ・ケーブル、HF変圧器の中心を通過する無線周波数(RF)リンク、又は、200Gbits/s、400Gbits/s、500Gbits/sなどのような高データ・レートを提供することが可能な任意の他の適したデータ・チャネルであってよい。
DAC610によって発生する変調信号は、パワー・コントローラ620に出力される。パワー・コントローラ620は、DAC610からの変調信号及びパワー検出器630によって出力されるパワー制御信号に基づいて青色レーザ660のパワーを制御する。青色レーザ660は、パワー・コントローラ620から出力されるパワー制御信号に基づいて工作物665にパターニングする電磁放射(例えば、青色レーザ・ビーム)を放出する。青色レーザ660から出力される青色レーザは、ビームをテレセントリックな状態にするレンズ組み立て品670を通過する。レンズ組み立て品670を通過した後、テレセントリックな青色レーザは、ビーム・スプリッタ680に入射する。ビーム・スプリッタ680は、一部分(例えば、比較的小さな部分)をレンズ組み立て品650の方に向けられる。残りの部分の青色レーザ・ビームは、ビーム・スプリッタ680を通過し、焦点レンズ組み立て品690によって工作物上に収束される。
青色レーザ・ビームの向け直された部分は、レンズ組み立て品650によって収束され、赤ブロック640を通過し、パワー検出器630上に入射する。パワー検出器630は、入射する青色レーザ光のパワーを検出し、検出されたレーザ・パワーを示すパワー制御信号を出力する。赤ブロック640は、入射する全て、又は、実質的に全ての赤色レーザ光を遮断する(例えば、反射する、吸収する、など)。
赤色レーザ・ダイオード655は、また、赤色レーザ・ビームの形態で電磁放射を放出する。赤色レーザ・ビームは、位置決め、焦点制御、及び/又は工作物の形状の決定に使用される。少なくとも1つの例示的な実施例では、赤色レーザ・ビームは、テレセントリック・レンズ組み立て品645を通過し、ビーム・スプリッタ615上に入射する。テレセントリック・レンズ組み立て品645は、上述したテレセントリック・レンズ組み立て品670と同じ、又は、実質的に同じである。そのため、簡潔にするために、詳細な説明は省略される。ビーム・スプリッタ615は、ビーム・スプリッタ680に赤色レーザ・ビームを送信し、ビーム・スプリッタ680は、工作物665上に赤色レーザ・ビームを向ける。赤色レーザ・ビームは、工作物665によって元に反射され、ビーム・スプリッタ680に入り、ビーム・スプリッタ680は、赤色レーザ・ビームをビーム・スプリッタ615に中継する。ビーム・スプリッタ615は、円筒レンズ635及び/又は青色レーザ・ブロック625を介して赤色レーザ光を焦点及び位置検出器685に向ける。青色レーザ・ブロック625は、入射する全て、又は、実質的に全ての青色レーザ光を遮断する(例えば、反射する、吸収する、など)。
焦点及び位置検出器685は、位置決め信号を焦点Zサーボ675に出力する。焦点Zサーボ675は、位置検出器685からの位置決め信号及び較正信号を受信し、データ接続部(例えば、1kHz帯域幅データ・ライン)を介してレンズ組み立て品690の位置を制御する。例えば、焦点Zサーボ675は、焦点及び位置検出器685からの信号の形状に応じて、レンズ組み立て品690をX方向、Y方向、及び/又はZ方向に移動させる。制御ループ信号は、制御システム(例えば、コンピュータ又はプロセッサ(図示せず))からのフィードフォワード信号によって補われて、焦点誤差などの知られているひずみが補正される。
少なくともいくつかの例示的な実施例によれば、工作物の位置及び/又は形態は、工作物の上部の電磁放射感応性層に影響を及ぼさない波長を有するレーザ・ダイオードを使用して決定される。少なくともいくつかの実施例では、青色レーザ・ダイオードは、電磁放射感応性層に影響を及ぼし、赤色レーザ・ダイオードは、工作物の位置及び形態の測定に使用される。工作物を露光するレーザ・ダイオード、及び、測定に使用され、及び、電磁放射感応性層に影響を及ぼさないレーザ・ダイオードが、書き込みヘッド(ロータ)内に配置されてもよい。
図75は、例示的な実施例による、収束及び位置(変位)決定のための、光学書き込みユニットの自動焦点配置構成のより詳細な図である。レーザ・ダイオード1310からの放出された電磁放射(例えば、レーザ・ビーム)は、ビームをテレセントリックにするレンズ組み立て品1330に入る。テレセントリック・ビームは、ビームをレンズ組み立て品1350の方に向けるビーム・スプリッタ1340上に衝当する。レンズ組み立て品1350は、ビームを工作物1370上に収束させる。カバー・ガラス1360は、レンズ組み立て品1350を保護するために、レンズ組み立て品1350と工作物1370との間に配置される。ビームは、工作物1370上に衝当すると、レンズ組み立て品1350を通して元に反射され、ビーム・スプリッタ1340に入る。ビーム・スプリッタ1340は、反射ビームを、レーザ・ビームの焦点を検出する検出器1320に向ける。検出器1320は、任意の適したよく知られている方法でレーザ・ビームの焦点を検出する。レーザの焦点を検出する方法は当技術分野でよく知られているため、詳細な説明は、簡潔にするために省略される。レンズ組み立て品1350は、検出器1320の読みに基づいて任意の方向に移動する。
やはり図70を参照すると、各光学書き込みユニット600は、パワー、位置、及び焦点パラメータのそれぞれについて設定値を有する。光学書き込みユニット600は、図69の較正センサを通過するとき、それぞれの設定パラメータ値が、較正センサによって測定されたパラメータ値(例えば、パワー、位置、及び/又は焦点の値)にどのように関係するかに関するデータを取得する。光学書き込みユニット600内に記憶された設定値と測定値との間の誤差又は差は、調整のために書き込みヘッドに送出されて、例えば、書き込みヘッドの内部スケールがオフセットされる。この調整は、例えば、各光学書き込みユニットが較正センサを通過するたびに行われてもよい。しかし、調整は、頻繁に実施されなくてもよい。
例示的な実施例によれば、パワー、焦点、及び/又は位置(xが時間遅延によって行われる、x,y)の較正は、それぞれの焦点、パワー、及び位置の較正源が共通である限り、異なる較正センサ内にあってもよい。すなわち、それぞれの書き込みヘッドが、焦点用に同じ較正センサを、パワー用に同じ較正センサを、x位置用に同じ較正センサを、また、y位置用に同じ較正センサを使用する限り、パワー、焦点、及び/又は、位置は、異なる較正センサを使用して較正されてもよい。パワーは、レジストの波長感度の変動を補償するために、波長に依存する態様で測定される。
図92は、別の例示的な実施例による較正システムを示す。図示するように、較正システムは、検出器3100、制御ユニット3102、及び書き込みヘッド3104を含む。検出器3100は、例えば、(例えば、図69に関して先に説明した)較正センサ、或いは、例えば、1つ又は複数の光学書き込みユニットの焦点、パワー、及び/又は位置を検出することが可能な任意の他の光学検出器であってよい。制御ユニット3102は、例えば、コンピュータ又はプロセッサ上で実行可能なソフトウェアの形態で実施されてもよい。書き込みヘッド3104は、複数の光学書き込みユニットを含む書き込みヘッドであってよく、光学書き込みユニットの1つ又は複数は、図70に関して上述された光学書き込みユニットであってよい。しかし、書き込みヘッドは、工作物を露光し、及び/又は、工作物上にパターンを生成することが可能な任意の書き込みヘッドであってよい。検出器3100、制御ユニット3102、及び/又は書き込みヘッド3104はそれぞれ、データ・チャネルを介して接続されてもよい。データ・チャネルは、例えば、光ファイバ・ケーブル、HF変圧器の中心を通過する無線周波数(RF)リンク、又は、任意の他の適したデータ・チャネルであってよい。図92の較正システムの例示的な動作は、図93に関して述べられる。
図93は、例示的な実施例による較正方法を示す。先に説明したように、図93の方法は、例えば、図92の較正システムによって実施されてもよい。図93の方法は、また、1つ又は複数の書き込みヘッド(例えば、図68の430)に関連して、1つ又は複数の較正センサ(例えば、図68の400)によって実施されてもよい。これらの実施例では、制御ユニット3102は、例えば、図70のパワー制御ユニット620及び焦点Zサーボ675に相当してもよく、また、検出器3100は、図69の象限検出器550、図69の焦点検出器540、及び図70のパワー検出器630に相当することができる。図30に示す例示的な実施例では、図69の象限検出器550、図69の焦点検出器540、及び図70のパワー検出器630は、検出器3100に位置してもよく、パワー制御ユニット620及び焦点Zサーボ675は、制御ユニット3102に位置することができる。しかし、或いは、他の構成が可能である。
図93を参照すると、S3110にて、書き込みヘッド3104の光学書き込みユニットが検出器3100を通過するとき、検出器3100は、光学書き込みユニットの少なくとも1つの特性を検出することができる。例えば、検出器3100は、焦点、位置、及び/又は、光学書き込みユニットから放出される電磁放射(例えば、レーザ・ビーム)のパワーを検出することができる。検出器3100は、少なくとも1つの検出特性を制御ユニット3102に送出することができる。
S3112にて、制御ユニット3102は、検出特性と、対応する設定パラメータ値との間の相関を決定する。例えば、検出された焦点特性は設定された焦点パラメータと比較され、検出されたパワー特性は、設定されたパワー値と比較され、及び/又は、検出された位置特性は設定された位置の値と比較される。設定パラメータ値は、例えば、経験データに基づいて人オペレータによって設定されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施例では、それぞれの検出特性と対応する設定パラメータ値に関連する相関は、設定値と測定される特性値との間の誤差又は差であってよい。設定パラメータ値は、制御ユニット3102のメモリ内に記憶されてもよい。メモリは、フラッシュ・メモリなどのような任意の適した記憶媒体であってよい。
S3114にて、制御ユニット3104は、決定された相関に基づいて書き込みヘッドを調整することができる。例えば、決定された相関を使用して、書き込みヘッド3104の内部スケールがオフセットされてもよい。
この方法の単一の反復だけが図93に示されるが、本明細書に述べる動作は、例えば、各光学書き込みユニットが較正センサを通過するたびに行われてもよい。しかし、調整は、頻繁に行われなくてもよい。
図72A〜図72Cは、別の例示的な実施例によるリング型書き込み装置の異なる実施態様及び向きを示す。
図72Aを参照すると、書き込み装置700は、保持器(例えば、円筒ステージ又は管成形保持器)810、ロータ・スキャナ830、及び/又は少なくとも1つの光学書き込みユニット840を含むことができる。工作物820は、保持器810の外側に配置されてもよい。工作物820は、例えば、真空ノズル850を使用して、保持器810上に固定されてもよい。ロータ・スキャナ830は、工作物保持器810の外側で回転し、光学書き込みユニット840は、保持器810の中心軸に向かって半径方向内側に放射を放出することができる。例示的な実施例では、光学書き込みユニット840は、例えば、単一点レーザ・ダイオード、多点レーザ・ダイオード、又は空間光変調器(SLM)であってよい。レーザ・ダイオードは、青、赤、紫などのような任意の商業的に利用可能な波長であってよい。レーザ・ダイオードのパワーは、例えば、単一モードの場合、約5mWと約65mWを含み、約5mWから約65mWまで、マルチモード・ダイオードの場合、約5mWと約300mWを含み、約5mWから約300mWまでであってよい。レーザ・ダイオードの電気光学効率は、例えば、13%であってよい。レーザ・ダイオードは、例えば、光パワー源と変調器の役目を同時に果たすことができる。空間光変調器(SLM)840は、少なくとも部分的に透過性のある空間光変調器であり、工作物820上にスタンプ又はパターン860を生成することができる。SLMは、当技術分野でよく知られており、そのため、詳細な説明は、簡潔にするために省略される。図72Aに示すように、工作物保持器810の中心軸は水平に向いてもよい。
やはり図72Aを参照すると、動作中、リング・ロータ・スキャナ830は、保持器810の中心軸の周りに回転し、保持器810に対して軸方向に、及び、保持器810の中心軸に平行に移動することができる。さらに、保持器810は、その中心軸の周りに、リング・ロータ・スキャナ830の方向と逆の回転方向に回転することができる。
図72Bは、巻き付けられた工作物820を保持する静止円筒保持器810及び回転式書き込みヘッド830を含む例示的な実施例を示す。図72Bを参照すると、工作物保持器は、較正センサ850がその中に配置されるスリット870を含む。較正センサ850は、可動であっても、固定であってもよい。書き込みヘッド830は、工作物820上にパターン860を生成する複数の光学書き込みユニット840を含む。アライメント・カメラ880は、書き込まれたパターンが高精度で位置合わせされ、それによりオーバラップ精度を向上させ得るように、工作物820上の既存のパターンを取り込むことができる。
図72Cは、巻き付けられた工作物820を保持する回転式円筒保持器810及び静止書き込みヘッド830を含む例示的な実施例を示す。書き込みヘッド830は、工作物820上にパターン860を生成する複数の光学書き込みユニット840を含む。図72Cの光学書き込みユニット840は、図72Aの光学書き込みユニット840と同じ、又は、実質的に同じである。図72Bの場合にそうであるように、書き込みヘッド830は、複数の書き込みユニット840を含むが、明確にするために、1つの書き込みユニット840だけが示されている。
図73は、例示的な実施例による、円筒ステージ又は保持器910の水平向きを示す。水平に装填されると、工作物920は、重力によって所定の場所に維持される。工作物920は、真空によって所定の場所に保持されて、表面が円筒体910の表面に密接に追従することが保証される。工作物920の端部は、ラッチ930によって円筒体にしっかりと固定される。ラッチ930は、工作物920の端部を捕捉する、又は、開放するように制御される。
工作物は、適切な形状をとるために、円筒支持体表面上に押し込まれる、又は、円筒支持体表面内に引き込まれる。別の実施例では、真空クランプ又は任意の他の適したクランプが使用される。円筒部に沿う縁部は、中心又は曲率から離れるように局所的に曲がってもよい(例えば、消しゴムを曲げることと同様に)。この曲げは、固定システム(例えば、真空固定システム)によって抑制される。
図83は、円筒体上で工作物を保持する真空配置構成を示す。図示するように、真空装置と圧力装置は、交互に配置されている。プッシュプル真空クランピング・システムを使用して、x−y平面内での工作物の変形を妨げてもよい。図83に示すように、システムは、密接に(例えば、ミリメートル程度に)離間された圧力穴と真空穴を有することができる。真空穴は、工作物を保持し、変形を低減し、圧力穴は、工作物を支持表面から離れて維持することができる。工作物は、支持表面に接触しなくてもよく、支持表面から離れた数μm(例えば、1、2、10、20μmなど)のところで支持されてもよい。これは、工作物が、工作物平面内で自然な形状をより自由にとることを可能にする。図83の真空配置構成、又は、それと類似する、又は、実質的に類似する配置構成は、本明細書で述べるそれぞれの例示的な実施例と共に使用されてもよい。
図74は、少なくともいくつかの例示的な実施例でパターニングし得る、平坦状態の工作物1020を示す。
図94A〜図94Kは、ガラスに対するロータ・スキャナの方向に関連する書き込みヘッドの複数の(例えば、11の)異なる位置を示す。図94A〜図94Kのそれぞれの中の矢印は、走査方向を表す。
図94A〜図94Cは、密なピクセル・マトリクス、例えば、アレイの行と列が長方形の辺に整列した状態の長方形空間光変調器の画像を示す。図94Aは、ピクセル格子が、書き込み方向に対して平行、又は、実質的に平行であるSLMを示す。図94Bは、書き込み方向に対して傾斜するSLMピクセル格子を示す。図94Cは、書き込み方向に対して傾斜するSLMピクセル格子を示し、図94Cの傾斜は、図94Bのピクセル格子軸の傾斜と比較して小さい。
図94D〜図94Fは、SLMの辺に対して、例えば、0°、45°、及び第3の角度だけ回転したアレイを有する密なマトリクスの画像を示す。第3の角度は、0°、45°、又は90°以外の角度であってよい。図94Dは、書き込み方向に対して45°傾斜したピクセル格子を有するSLMを示す。例示的な実施例では、ピクセル格子は、図94A〜図94Cの場合と同様に、SLMチップの外側縁部の縁部に平行でなくてもよい。
図94Eでは、SLMチップは、ピクセル格子内の軸のうちの1つが、書き込み方向に対して平行、又は、実質的に平行であるように傾斜して示されている。
図94Fでは、SLMチップは、SLMチップの外側縁部も、ピクセル格子軸のうちのいずれの1つも、書き込み方向に対して平行、又は、実質的に平行でないように傾斜することができる。ピクセル・マトリクス(例えば、SLM)の辺の軸及び/又はピクセル格子の軸は、書き込み中の移動軸及び/又は書き込まれたパターンの軸に関して回転してもよく、そのため、図95B〜図95Dに関して以下で述べるように、座標方向の少なくとも4つのセットが提供される。
図94Gは、走査中に、行が異なる位置になるように、傾斜した、又は、回転した比較的疎なマトリクスを示す。例示的な実施例では、エリアは、1つ又はいくつかのスキャンで埋められうる。図94Gでは、図9B、図9Cと同様のファンアウト・エレメントからの複数のレーザ・ダイオード、又は、ビーム(例えば、5ライン及び/又は5行)は、書き込み方向に対して傾斜している。
図94Hは、比較的疎なピクセルの行を示し、例えば、図9B、図9Cと同様のファンアウト・エレメントからの複数の(例えば、3つの)レーザ・ダイオード、又は、ビームは、書き込み方向に対して直交して配置されてもよい。図94Hに示す例示的な実施例を利用する場合、所望のエリアを埋めるのに、複数のパスが必要とされる。
図94Iは、比較的密なピクセルの行、例えば、複数の(例えば、17の)レーザ・ダイオード又はビームが書き込み方向に対して直交している1次元SLMの画像を示す。
図94J及び図94Kは、ピクセルが走査方向に変位した状態の単一行を示す。図94Jは、書き込み方向に対して傾斜した、行内の複数の(例えば、12の)レーザ・ダイオード又はビームを示す。図94Kは、例示的な実施例による、書き込み方向に対して傾斜した、複数の(例えば、17の)レーザ・ダイオード又はビームのラインを示す。図94A〜図94Kのピクセルは、別の例示的な実施例では、インクジェット・ノズルであってよい。
光学的に書き込まれるパターン並びにインクジェット印刷されるパターンに関する共通の問題は、「ムラ」の形成である。ムラの形成は、フィールド又はストライプの可視性による、及び/又は、パターンと書き込みメカニズムとの間のモアレ効果による、目に見える帯状部又はパターンの形成を指す。「ムラ」は、画像装置(ディスプレイ及びカメラ)にとって問題であるが、PCB及びPCBマスクなどの他のレーザ書き込み式パターンにとっては問題ではない。
少なくともいくつかの例示的な実施例は、x軸とy軸に沿う反復によって、光学フィールドをディスプレイ・パターンに組み立てる方法を提供する。フィールドは、例えば、SLMフィールド、SLMピクセル・パターン、又は、ダイオード・アレイなどの別の書き込みメカニズムによって形成されるピクセル・アレイであってよい。
図95Aに関して先に説明したように、従来技術による配置構成は、高精度パターン発生器において使用され、許容可能なレベルの「ムラ」欠陥を生成する。しかし、例示的な実施例は、従来のパターン発生器に比べて、10倍、100倍、又はさらに1000倍高いスループットを有するが、本質的に、同じ、又は、実質的に同じ「ムラ」低減要件を有する書き込みシステムを提供する。高速度、大きなピクセル、複数の書き込みユニット、及び/又は、複数の書き込みヘッドは、書き込まれるパターンのより大きな幾何学的誤差の一因となる。図95B〜図95Dに関してより詳細に述べるように、パターン及び書き込みヘッドの軸は、互いに対して回転し得るため、単一ピクセルは、隣接するピクセルの縁部上に繰り返し印刷されない。さらに、移動システムと書き込みユニットによって生成されるピクセル格子との間の軸は、互いに対して回転することができる。パターンは、移動軸に整列することができる、ピクセル格子に整列することができる、又は、いずれとも整列しなくてよい。回転は、0°、45°、及び90°と異なる角度であってよい。
図95Aに関して先に説明したように、従来技術では、回転方向は、SLMチップの辺に平行である。
図95B〜図95Eは、パターンにおいて、ムラの発生を抑制し、及び/又は、モアレ効果を弱めることができる例示的な実施例を示す。図示するように、例示的な実施例では、パターンは、書き込みメカニズム及び/又は移動システムの軸に対して回転することができる(例えば、SLMの走査方向)。
例示のために、図95B〜図95Eを、SLMパターンに関して説明する説明。しかし、類似する原理は、任意の適した書き込みユニットなどの他の例示的な実施例に適用される。
図95Bでは、工作物は、工作物保持器上に巻き付けられ、また、工作物保持器の中心軸に平行でなくてもよい。SLM、又は、より一般的には、書き込みユニットは、SLMチップの外側辺、又は、より一般的には、書き込みユニットによってパターンに形成されたピクセル間の軸が、走査方向に平行、又は、実質的に平行である状態でロータ・スキャナ内に配置されてもよい。例えば、工作物が走査方向及びSLMパターンの辺に対して回転する間に、走査方向及びSLMフィールドが整列する。工作物のこの回転によって、ステッチング・アーチファクトの作用は、デバイスの単一ラインに沿ってもはや蓄積しないが、ラインからラインに進み、多くのラインに擾乱を分散する。さらに、実際には、パターンの周波数成分と書き込みメカニズム(例えば、ディスプレイ・ピクセル及びレーザ・スキャナ・ピクセル)との相互変調積であるモアレ・パターンは、完成したディスプレイではあまり見えない高い周波数に再配置される。
図95Cでは、SLMチップ又は書き込みユニットによって形成された類似するピクセル・マップは、少なくとも座標軸が回転方向に非平行である状態でロータ・スキャナ内に配置されてもよい。工作物は、対称軸が工作物保持器の中心軸に平行な状態で配置されてもよい。
図95Dでは、3つの座標系全てが、互いに非平行である。図94A〜図94Kの任意の1つ又は複数と一緒にして、互いに対して回転することができる、4つの座標系を定義することが可能である。2つ、3つ、又は、4つの座標系は、「ムラ」効果を低減するために、互いに対して斜めにされてもよいが、平行な4つ全てが従来技術を規定する。
図95Eでは、工作物が回転し、書き込み用SLMフィールドが回転し、意図的な歪みが導入されて、前の層内の測定された歪み又は後続の処理中の予想される歪みが補正される。
ムラ効果を低減するための、SLMパターンの辺と工作物の辺との間の角度は、約0.01ラジアン以下(例えば、約0.01ラジアンと約0.05ラジアンを含み、約0.01ラジアンと約0.05ラジアンとの間)であってよい。しかし、使用される角度は、書き込みメカニズム、パターンのスケール及び/又はタイプに依存する。角度は、書き込みジョブごとに調整可能であってもよく、又は、一方、固定で、書き込みハードウェア内に構築されてもよい。
図86A〜図86Eは、例示的な実施例による、x方向とy方向の連続走査のための方法を示す。
図86Aは、ツール軸に沿うx方向のピクセル・アレイを示す。アレイは、一定速度で移動することができ、円筒体が1ターン回転した後、アレイは、印刷されたパターンに対してステッチングする。アレイが十分に密でない場合、走査速度は、例えば、アレイの幅を移動するのに、2ターンが必要とされるように半分に減少することができる。走査速度は、また、アレイの密度に応じて多かれ少なかれ減少することができる。アレイは、ツール軸に平行であってもよく、又は、非平行であってもよい。
図86Bは、アレイがツール軸に平行でない、例示的な実施例による、別のパターニング方法を示す。
図86Cでは、アレイは、工作物のy軸に平行で、及び、ツール軸に垂直である。この例示的な実施例では、工作物の表面は、x方向とy方向の連続走査によってパターニングされる。
図86Dは、アレイが、図86A〜図86Cに示すアレイに比べて密度が低い例示的な実施例を示す。この実施例では、密度の低いアレイ内のボイドを埋めるために、第2アレイが必要とされる。第2アレイは、物理的アレイであってよく、又は、後のパス内の同じアレイであってよい。
図86Eは、互いの上部の2つのパスを示す。2つのパスの第1パスは右に走査し、2つのパスの第2パスは左に走査する。xとyの同時走査は、斜めの角度を提供し、2つのパスは、反対の角度を有することができる。これは、得られるストライプの可視性を減少させる。2つのパスは、同じピクセル・アレイによって順次に、又は、例えば、対向するx方向に移動する2つのピクセル・アレイによって同時に書き込まれてもよい。2つのピクセル・アレイは、2つの異なるツール・バー上に配置された2つの物理的書き込みヘッドであってよい。例えば、x方向の連続走査及びy方向の往復走査を有する、図87に示すシステムは、単一動作で2つのパスを書き込むのに使用されうる。
上述したように、斜めの書き込みは、可能であり、実際には、円筒運動を有する書き込みシステムにとって自然である。しかし、以下でより詳細に述べるように、斜め書き込みは、フラットベッド書き込み器においても有益である。
図84は、別の例示的な実施例による書き込み装置を示す。図示するように、書き込み装置は、工作物2202上にパターンを生成するロータ・スキャナ2200を含むことができる。図84に示す例示的な実施例は、例えば、図65、図71A、図71B、及び/又は、図71Cに示す例示的な実施例に類似する、又は、実質的に類似することができるが、図84に示す例示的な実施例は、さらに、工作物形状コントローラ2204を含むことができる。工作物形状コントローラ2204は、ロータ・スキャナ2200と同じ方向に走査することができる。少なくとも1つの例示的な実施例では、工作物形状コントローラは、工作物形状コントローラ2204とロータ・スキャナが、一定水平アライメント状態に留まるように、工作物2202を走査することができる。
図77は、別の例示的な実施例による書き込み装置の斜視図である。図77のロータ・スキャナを使用して、図74に示す工作物などの平坦工作物にパターニングすることができる。
図77を参照すると、ロータ・スキャナ1520は、ロータ・スキャナ1520の平坦部分(例えば、上部表面及び/又は底部表面)上に配置された複数の光学書き込みユニット(図示せず)を含むことができる。複数の光学書き込みユニットは、ロータ・スキャナ150に対して軸方向に電磁放射を放出するように配置されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施例では、光学書き込みユニットは、ロータ・スキャナ1520の底部の外側縁部の回りに配置されてもよい。図示するように、ロータ・スキャナ1520は、工作物1510の表面に沿って回転することができる、及び/又は、移動することができる。ロータ・スキャナ1520の幅は、工作物1510の幅をカバーすることができる。例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、工作物をいろいろな方向に走査してもよく、及び/又は、弧が0℃、45°、又は90°に接しないような角度で工作物にわたって移動することができる。この幾何学的形状は、厚いマスク及び/又は曲げられないマスクと共に使用されてもよい。
図79は、図77に示す書き込み装置の平面図である。図79を参照すると、ロータ・スキャナ1520の直径Dは、工作物1710の幅より狭い。例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、工作物1710全体をカバーするために、工作物1710にわたって前後に追従するか、又は、走査することができる。例示的な実施例では、ロータ・スキャナ1520は、ロータ・スキャナがどの方向に移動するかにかかわらず、連続して書き込んでもよい。代替の例示的な実施例では、ロータ・スキャナは、単一方向に書き込んでもよい。
図80は、別の例示的な実施例による書き込み装置の一部分の平面図である。図80の例示的な実施例は、図79に関して先に説明した例示的な実施例に類似する、又は、実質的に類似することができる。しかし、図80の例示的な実施例は、少なくとも2つのロータ・スキャナ1810及び1815を含むことができる。例示的な実施例では、ロータ・スキャナ1810及び1815は、例えば、同じ工作物1820に同時にパターニングすることができる。
図81Aは、例示的な実施例によるロータ・スキャナの側面図を示し、図81Bは、図81Aに示すロータ・スキャナの上面図を示す。図81A及び81Bに示す例示的な実施例では、ロータ・スキャナ1520の直径Dは、工作物の幅より大きい。図81A及び図81Bのロータ・スキャナは、工作物の運動に平行して、工作物の辺にあるレーザ・ダイオードに追従することができる。図81A及び図81Bに示す追従又は走査は、レーザ・ダイオードの照射量が同じであると仮定すると、工作物の中央の照射量に比べて、工作物の辺において高い照射量をもたらす。これは、工作物の中心部分にパターニングするときに、ダイオード及び/又はピクセルの照射量を増加させることによって、補償されてもよい。
図78は、別の例示的な実施例による書き込み装置の斜視図である。
図78を参照すると、書き込み装置は、工作物1610がその上に固定されてもよい円形ステージ1630を含むことができる。書き込みヘッド1620は、少なくとも円形ステージ1630の直径にまたがるように配置されてもよい。書き込みヘッド1620は、光学書き込みヘッドによって放出される電磁放射が、書き込み中に工作物1610上に衝当するように、書き込みヘッドの表面部分上に配置された複数の光学書き込みユニット(図示せず)を含むことができる。例示的な動作において、円形ステージ、したがって、工作物1610は、書き込みヘッド1620が円形ステージ1610の回転軸に垂直に移動する間、回転することができる。
図85は、図78に示すパターン発生器のより詳細な図である。
図82は、例示的な実施例による、ロータ・スキャナ内の非デカルト座標系を示す。例えば、座標系は曲がってもよい。この実施例では、パターニングの前、パターニング中、又はパターニング後に、メモリ・マッピングが実施されて、デカルト格子内のピクセルが、工作物に対してピクセルを回転させることによって定義された曲がった座標系内のピクセルに変換されてもよい。書き込みヘッド内の単一ピクセルによって生成された各円について、デカルト格子から曲がった座標系への変換が行われてもよい。
図87〜図90は、例示的な実施例によるフラットベッド・プラットフォームを示す。
図87は、例示的な実施例によるフラットベッド・プラットフォームを示す。図87に示すプラットフォームは、例示のために、トラスとして示される、軽量フレームであってよい。しかし、例示的な実施例は、管内に流れる流体(例えば、空気、水、及び/又は気体)によって温度制御されてもよい薄壁の管によって構築されてもよい。フレームは、静止ステージ上部用の剛性の高い支持体を提供することができる。書き込みヘッド(例えば、書き込み光学部品を保持する機械式ユニット)は、工作物の表面の近くで、本明細書でツール・バーと呼ばれる機械的支持構造体上に配置されてもよい。少なくとも1つのツール・バーが、ステージにわたって延在することができる。ツール・バーはそれぞれ、1つ又は複数のツール(例えば、書き込みヘッド)を含むことができる。ツールは、円筒ステージに関して上述した方法に類似する、又は、実質的に類似する方法で搭載される、又は、配置されてもよい。ツール・バーは、(例えば、標準化されてもよい)固定具又はツールを有することができる。ツール・バー及び各ツール・バーに取り付けられるツールの数は、用途及び/又は容量についての必要性に従って構成されてもよい。
図87は、ツール・バー2501がどのように工作物2503上の任意の地点にアクセスするか、また、ツール・バーが、装填及び取り外しのために、どのように脇に移動することができるかを示す。図87のプラットフォームは、ツール・バー組み立て品2506を駆動するリニア・モータ2504を含むことができる。リニア・モータは、床の上に別々に立つ2つの支持体2508と2510との間に延びるロッド2502に取り付けられることができる。自由に移動するカウンター・マス(図示せず)が、リニア・モータのいずれの部分もグラウンドに接続されないように、使用されてもよい。リニア・モータは、共通の静止重心を維持したままで、ツール・バー組み立て品2506とカウンター・マスとの間に力を加えることによって、両者を移動させてもよい。
グラウンドとカウンター・マスとの間に弱い力を加えるモータを含む別個のシステムは、カウンター・マスを、移動範囲の中心になるよう維持することができる。
移動ステージは、軸受(例えば、空気軸受)上を摺動してもよく、また、例えば、真空、静電力、又は、任意の他の適したクランプメカニズムを使用して工作物を保持することができる。移動ステージは、機械の座標系に対してステージの位置を、より正確に監視する、及び/又は、制御することができる。図87のプラットフォームは、計測、パターニングなどのような多くのプロセスに適する。
図88は、別の例示的な実施例によるフラットベッド・プラットフォームを示す。図88に示す例示的な実施例は、図87のフラットベッド・プラットフォームに類似する、又は、実質的に類似することができる。しかし、図88のフラットベッド・プラットフォームは、固定位置に搭載された異なる数のツール・バー(例えば、5つのツール・バー)を含むことができる。この例示的な実施例では、工作物2601は、軽量シャトル2602上を前後に往復する。
図88を参照すると、ステージは、比較的軽量であり、支持体の形状に類似する、又は、実質的に類似することができる。ステージは、リニア・モータによって駆動され、モータからの反力は、グラウンドへの別個の接続、又は、カウンター・マスによってステージの支持体から分離される。ステージは、軸受(例えば、空気軸受)上を摺動し、また、真空、静電力、又は、任意の他の適したクランプメカニズムを使用して工作物を保持することができる。
図89は、工作物2701が、ツール・バーの下を通過し、通過中にパターニングされてもよい別の例示的な実施例を示す。工作物は、カット・シート又はロール−ロール・エンドレス・バンドの形態であってよい。先に説明したように、パターニングは、フォトレジストの露光、熱感応性レジスト膜のパターニング、表面の任意の光活性化、アブレーション、熱移動、又は、光ビームの光子エネルギー及び/又は熱に対する反応を使用した任意の類似するプロセスを含むことができる。少なくともいくつかの例示的な実施例によれば、光は、EUV(例えば、5nmより小さい)からIR(例えば、20ミクロンまで)までの波長を有する任意の電磁放射を指す。
図90は、例示的な実施例による、工作物の高速パターニング用のフラットベッド・プラットフォームの例示的な動作を示す。例示のために、この例示的な動作は、図88に関して説明される。しかし、例示的な実施例による他のフラットベッド・プラットフォームが、類似する、又は、実質的に類似する方法で動作することができる。プラットフォームは、以降で「シャトル」2804と呼ばれる、同じ、又は、実質的に同じタイプの軽量ボード・フレーム、及び、浮遊式軽量ステージを有することができる。
図90を参照すると、例示的な動作において、シャトル2804は、支持体2806の両端に位置決めされたカウンター・マス2802間で振動することができる(例えば、跳ね返ってもよい)。カウンター・マス2802は、スライド2810を介して位置AとBとの間を自由に移動することができるが、リニア・モータの力によって影響を受ける。シャトル2804は、カウンター・マス2802に衝突する、又は、当たると、運動エネルギーの少なくとも一部分を失う。衝突中の力は、衝突中に圧縮されるばね2812のばね定数によって制御されてもよい。各ストロークの端部で、シャトル2804は、カウンター・マス2802に衝突する。カウンター・マス2802は、固定ロッド2814によって結合されてもよく、又は、1つ又は複数のリニア・モータによって個々に制御されてもよい。
リニア・モータは、また、シャトル2804の下に位置決めされ、シャトル2804が移動し始めるときに、第1衝突部の方にシャトル2804を加速することができる。リニア・モータは、シャトルを任意の位置に移動し、停止させる、及び/又は、走査中に、一定の、又は、実質的に一定の速度を維持するのに使用されてもよい。シャトルは、一定速度で動作し、例えば、図90において左へ、又は、右へ移動することができる。ばね2812の剛性は、最大加速度が所望範囲内にあるように、工作物がステージ上を摺動しないように、過剰の振動がステージにおいて発生しないように選択されてもよい。
少なくともいくつかの例示的な実施例では、ステージは、例えば、支持構造体上で浮遊するパッド及び工作物を保持する他のパッドを有する重ね板ばねからなってもよい。柔軟性のある軽量シャトルによって、ステージの形状は、支持表面の形状によって決定されてもよい。
図91は、走査中の、ステージとカウンター・マスの位置にわたる図を示す。図91は、また、用紙に垂直な方向に一定速度で走査するツールの位置を示す。ステージが右に走査すると、斜めラインが、工作物を横切ってツールによってトレースされ、跳ね返り後、他の斜めラインが、異なる角度でトレースされる。ツール幅と、ステージ速度と、ツール速度との間の適切な関係によって、2つの隣接するパスが、互いの上部に書き込まれてもよい。両方のパスは、図示するように、パターン内の周期的な欠陥を減少させる、ステージの走査軸に対して傾斜したストライプを有することができる。
工作物が約2.8m長であり、跳ね返り中、約10gで加速し、そうでない場合、約6m/sの一定速度で移動する場合、跳ね返り時間を含む平均走査速度は約5m/sである。運動量は、支持構造体又は床にいずれも接続されない、カウンター・マス2802とステージとの間で伝達されてもよい。跳ね返りカウンター・マス2802が、ステージより著しく遅い速度で後退した後、リニア・モータは、速度を下げ、同じカウンター・マスとの次の衝突まで、カウンター・マスの速度を反転させてもよい。
カウンター・マス2802がロッドによって接続される場合、又は、別法として、ステージの中央に配置された単一カウンター・マスが使用される場合、リニア・モータにかかる要求は減少する。この実施例では、各端部における跳ね返りは、カウンター・マス(複数可)の速度を反転させ、カウンター・マスの移動は遅く及び範囲が小さいことを除いて、ステージの移動と類似する、又は、実質的に類似することができる。
1つ又は複数の例示的な実施例では、パターンは、例えば、LCDなどの電子ディスプレイ・デバイスにおいて使用される工作物(例えば、ガラス・シート、プラスチック・シートなど)上に書き込まれてもよい。これらの例示的な実施例では、約1500mmより大きい工作物が使用されてもよい。複数の(例えば、5つ以上の)書き込みユニットを有する光学書き込みヘッド(例えば、ロータ・スキャナ)が使用されてもよい。あるデータ・レート(例えば、100、200、400Gbits/sなど以上)を有するデータ・チャネルが、データを供給してもよく、工作物と光学書き込みヘッド(又は、ロータ・スキャナ)は、少なくとも一方向に互いに対して回転することができる。工作物と書き込みヘッドは、また、例えば、回転平面に対して45°と135°との間の平面内で互いに対して移動することができる。例えば、少なくとも1つの例示的な実施例では、回転平面は、移動平面に垂直であってよい。
工作物に関して例示的な実施例が述べられたが、複数の工作物が、工作物と交換可能に使用されてもよいことが理解されるであろう。さらに、例示的な実施例による書き込み装置は、従来のパターン発生システムと共に使用されてもよい。
少なくともいくつかの例示的な実施例によれば、書き込まれたパターンはストライプに細分されない。非干渉性ピクセルを有する少なくともいくつかの例示的な実施例(例えば、図65A及び図94G〜図94K)では、画像は、工作物の1つの辺から別の辺に延びる平行ラインから構築されてもよい。
いくつかの例示的な実施例(例えば、図65A)では、ラインは、書き込みユニットによって、縁部から縁部まで、及び、所定のシーケンスで書き込まれてもよい。2つの隣接するラインは、2つの隣接する書き込みユニットによって書き込まれ、それにより、工作物及び/又は書き込みヘッドがドリフト及び/又は機械的移動によって1つのラインから次のラインへ移動するリスクが低減される(例えば、最小にされる)。順次に書き込まれた縁部−縁部パターンの局所誤差が低減し、「ムラ」効果が低減する。
図65Aに類似するが、2つ以上のリングの書き込みユニットを含む(例えば、図71A)、或いは、例えば、図94G〜図94Kに示す書き込みユニットの配置構成又は非干渉性ピクセルを有する、例示的な実施例では、ラインは、順次に書き込まれなくてもよい。しかし、複数の書き込みユニットが円筒体の外周の周りに分散した状態で、2つの隣接するラインは、書き込みヘッドの外周上で互いに近接して(例えば、互いから90°以内で、及び、時間的に比較的近接した状態で)、書き込みユニットによって依然として書き込まれてもよい。さらに、円筒体の外周の周りに分散した複数の書き込みユニットは、ライン間のドリフト及び/又は振動についての自由度を依然として制限することができる。
SLMを使用して、隣接するピクセル・アレイ(例えば、1次元(1D)又は2次元(2D))を同時に形成する例示的な実施例では、隣接するアレイは、順次に、及び/又は、時間的に近接して書き込まれてもよく、それにより、ピクセル・アレイ(SLMスタンプ)間のステッチング・エリアが減少する。複数の書き込みユニットによる螺旋走査は、同じ較正センサに対する書き込みユニットの較正と一緒になって、画像が、単一点であれ、非干渉性のクラスタであれ、密なピクセル・エリア(SLMスタンプ)であれ、書き込みユニットからの画像間の不整合を減少させる。
図65Bに示すように、書き込みユニットによってトレースされるラインは、工作物に対して斜めであってよい。これは、工作物がその支持体上で回転する場合、補正されうる。しかし、上述したように、斜角性を使用して、「ムラ」効果を低減してもよく、そのため、トレースされるラインの斜角性の増加が望ましい場合がある。ピクセル・パターンは、スキャン・ラインによって規定され、パターン、例えば、ディスプレイ・デバイスのピクセル・パターンの軸に対して回転することができる。
第3座標系は、書き込みヘッドの移動、又は、回転/往復移動によって規定される。ピクセル格子間の斜角度が円筒支持体上での工作物の回転によって変わる場合、3つの座標系全てが、互いに対して回転する。他の例示的な実施例では、3つの座標系の2つだけが、互いに斜めである。
図65Cは、走査中にSLMによって生成される画像を示す。図示するように、図65Cの画像は、工作物に対しても回転する。例えば、図94A〜図94K、及び/又は、図95A〜図95Eに関して説明したように、この例示的な実施例では、4つの座標系が存在し、2つ、3つ、又は、4つ全てが、互いに対して回転して、書き込まれたパターンにおける「ムラ」効果を低減することができる。種々の座標系の回転による「ムラ」の低減は、円筒式に、又は、フラットベッド・ステージ上で走査する間に使用されてもよい。図77及び/又は図78に示す円形ステージでは、移動座標系は、縁部から縁部までのストローク中に回転し、そのため、座標系の間に局所的であるが一定でない回転を生成する。
螺旋走査は、工作物、書き込みヘッド、又は、両方を回転させることによって実施されてもよく、また、工作物は、書き込みヘッドの内部、又は、外部にあることができる。
本発明の例示的な実施例は、ソフトウェアで、例えば、ウェブ・ブラウザ又は任意の他の適したコンピュータ・プログラムとして実施されてもよい。例えば、本発明の1つ又は複数の例示的な実施例によるプログラムは、本明細書に述べる例示的な方法の1つ又は複数の機能を実行するようにコンピュータにさせるコンピュータ・プログラム製品であってよい。
コンピュータ・プログラム製品は、装置のプロセッサが、上述した例示的な方法の1つ又は複数に従って1つ又は複数の機能を実施することを可能にするためのコンピュータ・プログラム・ロジック又はコード部分をそこで具現化したコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。そのため、コンピュータ・プログラム・ロジックによって、プロセッサは、例示的な方法の1つ又は複数或いは本明細書に述べる所与の方法の1つ又は複数の機能を実施することができる。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータ主本体から分離されることができるように配置された、コンピュータ主本体又は取り外し可能媒体内部にインストールされる内蔵媒体であってよい。内蔵媒体の実施例は、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ、及びハード・ディスクなどの再書き込み可能不揮発性メモリを含むが、それに限定されない。取り外し可能媒体の実施例は、CD−ROM及びDVDなどの光記憶媒体、MOなどの磁気光記憶媒体、フロッピー・ディスク(登録商標)、カセット・テープ、及び取り外し可能ハード・ディスクなどの磁気記憶媒体、メモリ・カードなどの内蔵型再書き込み可能不揮発性メモリを有する媒体、並びに、ROMカセットなどの内蔵ROMを有する媒体を含んでよいが、それに限定されない。
これらのプログラムは、搬送波内で具現化された、外部から供給される伝播信号及び/又はコンピュータ・データ信号(例えば、無線又は地上)の形態で提供されてもよい。例示的な方法の1つ又は複数の命令又は機能を具現化するコンピュータ・データ信号は、例示的な方法の命令又は機能を実行するエンティティによる送信及び/又は受信のために、搬送波上で搬送されてもよい。例えば、例示的な実施例の機能又は命令は、本明細書で述べる例示的な実施例を実施するために、搬送波の1つ又は複数のコード・セグメントを処理することによって実施されてもよい。
さらに、こうしたプログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体上に記録されるとき、容易に、記憶され、分散されてもよい。記憶媒体は、コンピュータによって読み取られると、本明細書で述べる本発明の例示的な実施例の実施を可能にする。
本発明の例示的な実施例がこうして述べられるが、同じことが多くの方法で変わってもよいことが明らかであろう。例えば、本発明の例示的な実施例による方法は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実施されてもよい。ハードウェア/ソフトウェアの実施態様は、プロセッサ(複数可)と製造物品(複数可)の組合せを含むことができる。製造物品(複数可)は、さらに、記憶媒体及び実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)、例えば、ウェブ・ブラウザを含むことができる。
本発明の例示的な実施例は、ソフトウェアで実施されてもよい。例えば、本発明の例示的な実施例は、ソフトウェアで、例えば、ウェブ・ブラウザ又は任意の他の適したコンピュータ・プログラムとして実施されてもよい。例えば、本発明の1つ又は複数の例示的な実施例によるプログラムは、本明細書に述べる例示的な方法の1つ又は複数を実行するようにコンピュータにさせるコンピュータ・プログラム製品であってよい。
コンピュータ・プログラム製品は、装置のプロセッサが、上述した例示的な方法の1つ又は複数に従って1つ又は複数の機能を実施することを可能にするためのコンピュータ・プログラム・ロジック又はコード部分をそこで具現化したコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。そのため、コンピュータ・プログラム・ロジックによって、プロセッサは、例示的な方法の1つ又は複数或いは本明細書に述べる所与の方法の1つ又は複数の機能を実施することができる。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータ主本体から分離されることができるように配置された、コンピュータ主本体又は取り外し可能媒体内部にインストールされる内蔵媒体であってよい。内蔵媒体の実施例は、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ、及びハード・ディスクなどの再書き込み可能不揮発性メモリを含むが、それに限定されない。取り外し可能媒体の実施例は、CD−ROM及びDVDなどの光記憶媒体、MOなどの磁気光記憶媒体、フロッピー・ディスク(登録商標)、カセット・テープ、及び取り外し可能ハード・ディスクなどの磁気記憶媒体、メモリ・カードなどの内蔵型再書き込み可能不揮発性メモリを有する媒体、並びに、ROMカセットなどの内蔵ROMを有する媒体を含んでよいが、それに限定されない。
これらのプログラムは、搬送波内で具現化された、外部から供給される伝播信号及び/又はコンピュータ・データ信号(例えば、無線又は地上)の形態で提供されてもよい。例示的な方法の1つ又は複数の命令又は機能を具現化するコンピュータ・データ信号は、例示的な方法の命令又は機能を実行するエンティティによる送信及び/又は受信のために、搬送波で搬送されてもよい。例えば、例示的な方法の機能又は命令は、例えば、本明細書で述べる本発明の1つ又は複数の例示的な実施例を実施するための命令又は機能が実行されてもよいコンピュータにおいて、搬送波の1つ又は複数のコード・セグメントを処理することによって実施されてもよい。
さらに、こうしたプログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体上に記録されるとき、容易に、記憶され、分配されてもよい。記憶媒体は、コンピュータによって読み取られると、本明細書で述べる本発明の1つ又は複数の例示的な実施例の実施を可能にすることができる。
本発明の例示的な実施例がこうして述べられるが、同じことが多くの方法で変わってもよいことが明らかであろう。例えば、本発明の例示的な実施例による方法は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実施されてもよい。ハードウェア/ソフトウェアの実施態様は、プロセッサ(複数可)と製造物品(複数可)の組合せを含むことができる。製造物品(複数可)は、さらに、記憶媒体、並びに、実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)、例えば、実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)、外部から供給される伝播信号(複数可)の一部、又は、本発明の例示的な実施例による、動作又は機能を実施する命令を含む任意の他の適したコンピュータ・プログラムを含むことができる。
コンピュータ・プログラム製品は、装置のプロセッサが、上述した例示的な方法の1つ又は複数に従って1つ又は複数の機能を実施することを可能にするためのコンピュータ・プログラム・ロジック又はコード部分をそこで具現化したコンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。そのため、コンピュータ・プログラム・ロジックによって、プロセッサは、例示的な方法の1つ又は複数或いは本明細書に述べる所与の方法の1つ又は複数の機能を実施することができる。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータ主本体から分離されることができるように配置された、コンピュータ主本体又は取り外し可能媒体内部にインストールされる内蔵媒体であってよい。内蔵媒体の実施例は、RAM、ROM、フラッシュ・メモリ、及びハード・ディスクなどの再書き込み可能不揮発性メモリを含むが、それに限定されない。取り外し可能媒体の実施例は、CD−ROM及びDVDなどの光記憶媒体、MOなどの磁気光記憶媒体、フロッピー・ディスク(登録商標)、カセット・テープ、及び取り外し可能ハード・ディスクなどの磁気記憶媒体、メモリ・カードなどの内蔵型再書き込み可能不揮発性メモリを有する媒体、並びに、ROMカセットなどの内蔵ROMを有する媒体を含んでよいが、それに限定されない。
これらのプログラムは、搬送波内で具現化された、外部から供給される伝播信号及び/又はコンピュータ・データ信号(例えば、無線又は地上)の形態で提供されてもよい。例示的な方法の1つ又は複数の命令又は機能を具現化するコンピュータ・データ信号は、例示的な方法の命令又は機能を実行するエンティティによる送信及び/又は受信のために、搬送波で搬送されてもよい。例えば、例示的な実施例の機能又は命令は、例えば、本明細書で述べる1つ又は複数の例示的な実施例を実施するための命令又は機能が実行されてもよいコンピュータにおいて、搬送波の1つ又は複数のコード・セグメントを処理することによって実施されてもよい。
さらに、こうしたプログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体上に記録されるとき、容易に、記憶され、分配されてもよい。記憶媒体は、コンピュータによって読み取られると、本明細書で述べる本発明の1つ又は複数の例示的な実施例の実施を可能にすることができる。
本発明の例示的な実施例がこうして述べられるが、同じことが多くの方法で変わってもよいことが明らかであろう。例えば、本発明の例示的な実施例による方法は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実施されてもよい。ハードウェア/ソフトウェアの実施態様は、プロセッサ(複数可)と製造物品(複数可)の組合せを含むことができる。製造物品(複数可)は、さらに、記憶媒体及び実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)を含むことができる。
実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)は、述べた動作又は機能を実施する命令を含むことができる。実行可能コンピュータ・プログラム(複数可)は、また、外部から供給される伝播信号(複数可)の一部として提供されてもよい。こうした変形は、本発明の例示的な実施例の精神及び範囲からの逸脱と考えられず、また、当業者に明らかになるであろう全てのこうした変更は、添付請求項の範囲内に含まれることを意図される。