JP2004175078A - 画像露光方法および画像露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2段のマルチビームによって記録材料上に形成される2つのビームスポット列を効率よく使用して、所望の解像度で露光記録する画像露光方法およびこの方法を実施する画像露光装置を提供する。
【解決手段】マルチビーム露光ヘッド12を記録材料Aに対して副走査方向(y方向)に逐次相対的に移動し、移動の度に主走査方向の走査ライン上に沿って露光記録し、前記移動の際、各移動の直前の2段のビームスポット列の一方によって露光記録された副走査方向の露光範囲に、移動直後の他方のビームスポット列によって露光記録される副走査方向の記録範囲が部分的に重なるように、マルチビーム露光ヘッド12を移動する。これによって、前記一方のビームスポット列で露光記録されなかった走査ライン上の露光記録を、移動直後の他方のビームスポット列のビームスポットによって行うことができる。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビームを用いて感光体や感光性材料や感熱性材料等の記録材料に結像して露光する画像露光方法および画像露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷の分野では、PS版(Presensitized Plate)を用いた平板製版が広く行われている。
例えば、カラー印刷の場合、カラー画像をスキャナでR(レッド)、G(グリーン)、およびB(ブルー)の3色に分解して読み取り、これらの3色の画像信号をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびBk(黒)の4色の色分解網点信号に変換し、得られた各色の色分解網点信号に基づいて変調された光ビームを用いて各色毎にリスフィルムと呼ばれる感光材料に露光焼き付けして各色のリス板を得る。この後、各色毎に得られたリス版を用いてPS版に各色の網点画像を露光焼き付けして、平板印刷用のC,M,Y,Bkの4色の刷版を製版する。
しかし、近年、製版工程の簡素化や製版時間の短縮化のために、リスフィルムを介在させずに、スキャナシステムで得られたC,M,Y,Bkの4色の色分解網点信号を用いてレーザビーム等の光ビームによって直接PS板に描画して刷版を製版するダイレクト製版やCTP(Computer to Plate)が注目されている。
【0003】
一方では、印刷画像の高階調化や高品質化のために、記録密度(解像度)を2400dpiさらには3600dpi、さらには、5000dpiまで高密度化することが求められている。このような高密度化が求められる中で、製版時間の短縮化が求められている。なお、高密度の描画を短時間で行う要求は、印刷分野に限られず、多くの画像記録分野にもある。
【0004】
例えば、下記特許文献1では、2段階層構造の光ファイバーアレイを平行に配列するとともに、この配列を、配列方向に互いに所定距離ずらして構成したマルチビーム露光ヘッドおよびマルチビーム露光装置が提案されている。
このマルチビーム露光ヘッドでは、光学系の結像倍率を変えることなく、マルチビーム露光ヘッドの配列方向の傾斜角度を切り換えることで、少なくとも2つのビームピッチに切り換えることができ、所望の解像度で効率よく画像を露光記録することができる。
【0005】
図6(a),(b)は、記録材料上にマルチビーム露光ヘッドによって形成されるビームスポット列の一例を示した図である。
図6(a)に示すように、2段のマルチビームによって記録材料上に形成される2つのビームスポット列(ビームスポットS,S,S,S,Sによって形成される下段の列と、ビームスポットS,S,S,S,S10によって形成される上段の列)により所定のビームピッチpで、図中走査ライン左から右にビームスポットS〜S10の順に、所望の解像度で画像を露光記録する。一方、マルチビームの配列方向をさらに傾斜させて、図6(b)に示すように、2つのビームスポット列によりビームピッチpより幅の狭いビームピッチpで、図中走査ライン左から右にビームスポットS,S,S,S,S,S,S,S,S10,Sの順に露光記録する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−169113号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報で開示するマルチビーム露光ヘッドでは、図7に示すように、2段のマルチビームの配列方法によっては、ビームスポット列の一方の端に位置するビームスポットSで露光記録される走査ラインと、この走査ラインに最も近い、ビームスポットの位置する走査ラインとの間隔が、ビームピッチpの2倍となり、走査ラインlが露光記録されないといった問題が生じる。一方、ビームスポットSと同様に、ビームスポット列の他方の端に位置するビームスポットSで露光記録される走査ラインと、この走査ラインに最も近い、ビームスポットの位置する走査ラインとの間隔が、間隔がビームピッチpの2倍となり、走査ラインlが露光記録されないといった問題が生じる。
これは、ビームスポットの配列方向の傾斜角度が急になり、図7の例では、下段のビームスポット列の左端のビームスポットSに対して、上段のビームスポット列の左端のビームスポットSが走査ライン2本分、左に移動し、ビームスポットSとビームスポットSの中間に位置する走査ライン上にビームスポットSが位置しないことによる。
このため、上記公報で開示するマルチビーム露光ヘッドでは、上記不都合が発生しないようにするには、2段のマルチビームの配列方法に制限を与えなければならず、このため、記録する画像の解像度が制限されるといった問題がある。
また、図7に示す例では、ビームスポットS,Sが生じないように、対応するビームの射出をオフとすることもできるが、マルチビームの一部分を意図的にオフとするのは、露光記録の効率の点から好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、2段のマルチビームによって記録材料上に形成される2つのビームスポット列を効率よく使用して、所望の解像度で迅速に露光記録する画像露光方法およびこの方法を実施する画像露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、記録材料を、第1の方向の走査ラインに沿って露光することで、画像を記録材料に記録する画像露光方法であって、
一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第1のビームスポット列と、前記一定の間隔で並ぶビームスポットからなる、前記第1のビームスポット列に平行な第2のビームスポット列とを記録材料上に形成する光源部(ビーム出射部)を備える露光ヘッドを、前記第1の方向と直交する第2の方向に関する位置であって、前記第1のビームスポット列の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、前記第2のビームスポット列のビームスポットが配置されるように調整し、
調整された前記露光ヘッドを記録材料に対して前記第2の方向に逐次相対的に移動し、移動の度に前記第1の方向の走査ラインに沿って露光記録し、
前記移動の際、各移動の直前の前記第1のビームスポット列によって露光される前記第2の方向の露光範囲に、移動直後の前記第2のビームスポット列によって露光される前記第2の方向の露光範囲が部分的に重なるように、前記露光ヘッドを移動することを特徴とする画像露光方法を提供する。
【0010】
ここで、前記露光ヘッドの調整は、前記第1および第2のビームスポット列の配列方向の、前記第2の方向に対する傾斜角度を調整することによって行うのが好ましい。
なお、前記露光ヘッドの各移動直前の第1のビームスポット列の露光範囲と移動直後の前記第2のビームスポット列の露光範囲とが重なる部分に位置する走査ラインのうち、移動直前の第1のビームスポット列によって露光記録されない走査ラインに対して、移動直後の前記第2のビームスポット列で露光記録するのが好ましい。
また、前記第1のビームスポット列および前記第2のビームスポット列のいずれか一方のビームスポット列の露光範囲が、移動直前と移動直後において部分的に重なる場合、重なる部分の走査ラインにおける露光記録は、移動直前のビームスポット列および移動直後のビームスポット列のいずれか一方によって行われるのが好ましい。
【0011】
また、前記第1のビームスポット列を記録材料に形成する第1のマルチビーム形成光源部のビーム射出口の数が、前記第2のビームスポット列を記録材料に形成する第2のマルチビーム形成光源部のビーム射出口の数に比べて多い場合、前記第1のマルチビーム形成光源部の端部に位置するビーム射出口からのビームの射出をオフとし、前記第1のビームスポット列のスポット数を前記第2のビームスポット列のスポット数に近づけるあるいは同じにするのが好ましい。
【0012】
また、本発明は、画像の解像度を自在に切り換えて、第1の方向の走査ラインに沿って露光することで所望の解像度の画像を記録材料に記録する画像露光装置であって、
一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第1のビームスポット列と、この第1のビームスポット列に平行な、前記一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第2のビームスポット列とを記録材料に形成し、走査ラインに沿って露光する光源部(ビーム出射部)を備える露光ヘッドと、
前記第1の方向と直交する第2の方向に関する位置であって、前記第1のビームスポット列の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、前記第2のビームスポット列のビームスポットが配置されるように、前記光源部をこの光源部のビームの射出方向に平行な回転軸の回りに回転して、所望の解像度に切り替える解像度切り換え手段と、
前記露光ヘッドを記録材料に対して前記第2の方向に逐次相対的に移動する手段であって、所望の解像度に切り換えて定められる走査ラインに沿って露光する場合、前記露光ヘッドの各移動の直前に前記第1のビームスポット列によって露光記録される前記第2の方向の露光範囲に、移動直後の前記第2のビームスポット列によって露光記録される前記第2の方向の露光範囲が部分的に重なるように、前記光源部を相対的に移動させる移動手段と、を有することを特徴とする画像露光装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像露光方法を実施する本発明の画像露光装置の一例について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0014】
図1には、本発明の画像露光装置の好適実施例であるマルチビーム露光装置(以降、単に露光装置という)10の概略が示されている。
【0015】
露光装置10は、画像信号に応じて変調されたマルチビームを射出し、光学系を用いてPS版等の記録材料A上に結像させて、画像を露光記録する装置であり、主にマルチビーム露光ヘッド12と、アウタードラム14とを有する。
マルチビーム露光ヘッド12は、基台16と、この基台16上に固定されたマルチビーム光源部18と、コリメータレンズ20と、結像レンズ22と、傾斜角度可変装置24とを主に有して構成される。
【0016】
基台16は、マルチビーム光源部18を固定載置し、傾斜角度可変装置24上に固定されている。マルチビーム光源部18はR方向に回転する構成となっている。
【0017】
マルチビーム光源部18は、一方の端面から入射されたマルチビームを、一方の端面が面一になった出射口から出射する64本の光ファイバーから形成されるファイバーアレイ方式のビーム出射部である。マルチビームは、レーザダイオード等の半導体レーザ素子(図示されず)から出力され、レーザビームのオン/オフが画像信号に応じて制御された複数のビームからなるレーザー光である。このマルチビームは、半導体レーザ素子のレーザー光発光面が、半導体レーザ素子/ファイバ結合ユニット(図示されず)によって結合された光ファイバーの端面から光ファイバーに入射される。
ここで、マルチビーム光源部18の光ファイバーアレイは、図2に示すように、固定部材18a、18bおよび18cによって所定の位置に固定されている。なお、本発明においては、光ファイバーによって形成される64個の出射口を形成するが、この数は特に限定されない。
【0018】
光ファイバーアレイは、32本の光ファイバーによって形成される光ファイバーアレイFAおよび32本の光ファイバによって形成される光ファイバーアレイFAに2段に分けられる。
光ファイバーアレイFAは、固定部材18bおよび固定部材18cによってビーム出射口30a〜30a32が一方向に形成されている。一方、光ファイバーアレイFAは、固定部材18aおよび固定部材18cによって、光ファイバーアレイFAのビーム出射口の並列配置方向に平行に、32個のビーム出射口30b〜30b32が形成されている。
【0019】
ここで、光ファイバーアレイFAのビーム出射口30a〜30a32および光ファイバーアレイFAのビーム出射口30b〜30b32は、間隔(配列間隔)D毎に設けられ、光ファイバーアレイFAの端のビーム出射口30aは、光ファイバーアレイFAの同じ側の端のビーム出射口30bに対して、並列配置方向に幅(並列配置方向ずらし幅)A離れている。また、光ファイバーアレイFAのビーム出射口30a〜30a32と光ファイバーアレイFAのビーム出射口30b〜30b32は、間隔(マルチビーム形成光源間隔)W離れている。
したがって、マルチビーム光源18は、一定の間隔で並ぶビームスポットからなる下段のビームスポット列と、このビームスポット列に平行な、一定の間隔で並ぶビームスポットからなる上段のビームスポット列とを記録材料A上に形成する。
【0020】
コリメータレンズ20と、結像レンズ22は、光学系基台17に固定され、マルチビーム光源部18の光ファイバーアレイFAおよび光ファイバーアレイFAから出射されたマルチビームを最終的に縮小して結像する縮小光学系を形成する部位である。本実施例では、コリメータレンズ20と、結像レンズ22を用いた光学系であるが、本発明においてこれに限定されず、マルチビーム光源部18から射出されたマルチビームを最終的に縮小する縮小光学系であればいずれであってもよい。例えば複数に縮小光学系を組み合わせたものであってもよい。
【0021】
アウタードラム14は、外周面にPS版等の記録材料Aを装着して主走査方向(本発明でいう第1の方向)に回転するドラムであって、図示されない駆動源に接続され、所定の回転速度で回転する部分である。
【0022】
傾斜角度可変装置24は、マルチビーム光源部18を固定載置した基台16をR方向に回転する部分であり、本発明における解像度切り換え手段に相当する。すなわち、傾斜角度可変装置24は、副走査方向(y方向)に関する位置であって、記録材料A上に形成される一方のビームスポット列中の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、他方のビームスポット列のビームスポットが配置されるように、マルチビーム光源部18を、マルチビームの射出方向に平行な回転軸の回りに回転して、所望の解像度に切り替えることができる。
傾斜角度可変装置24は、マルチビーム光源部18の光ファイバーアレイFAおよび光ファイバFAの中心位置を通り、マルチビームの射出方向に平行な回転軸の回りに回転する。
【0023】
図3は、マルチビーム光源部18の後方からアウタードラム14の方向を見た場合の傾斜角度可変装置24の概略の構成を示している。
傾斜角度可変装置24は、回動部24aと基部24bを主に有して構成される。
【0024】
回動部24aは、基部24bに対してR方向に自在に動き、回動部24aに固定された突出部材24cと接続され、駆動部24eによって図中水平方向に自在に伸縮する調整ロッド24dによって制御される。
回動部24aの回転機構は、公知のギア機構等を用いて精度良く傾斜角度を設定できるように構成されている。回動部24aを回転させて、所定の傾斜角に設定することで、マルチビーム光源部18の光ファイバーアレイFAおよび光ファイバーアレイFAの傾斜角度は変化する。
【0025】
また、傾斜角度可変装置24および光学系基台17は、移動台31に載置固定され、移動台31には、図示されない回転駆動源に接続された駆動ねじ32と螺合するめねじを有し、駆動ねじ32の回転により図1中y方向(副走査方向、本発明でいう第2の方向)に移動台31が移動する構成となっている。すなわち、上記めねじおよび駆動ねじ32は、傾斜角度可変装置24、傾斜角度可変装置24に載っているマルチビーム光源部18および光学系基台17に固定されたコリメータレンズ20、および結像レンズ22を一緒にy方向に移動する、本発明の移動手段に対応した副走査機構を形成する。
このような副走査機構は、光ファイバーアレイFAおよび光ファイバーアレイFAから射出されたマルチビームによって、アウタードラム14に装着された記録材料Aが一周分露光された後、所定の移動量、マルチビーム露光ヘッド12をy方向に移動する。こうして、マルチビーム露光ヘッド12は、アウタードラム14に装着された記録材料A上を端から端まで露光記録する。
なお、副走査機構は、本実施例の駆動ねじ32と螺合するめねじの組み合わせにより機構に限定されず、基部24bをy方向に移動させる機構であればどのようなものであってもよい。
【0026】
露光装置10は、R方向に所定の傾斜角度、マルチビーム露光ヘッド12を傾けて、光ファイバーアレイFAおよび光ファイバFAの傾斜角度を定め、記録材料A上に所望の間隔(ビームピッチ)で画像を露光記録するものであるが、光ファイバーアレイFAおよび光ファイバーアレイFAとは、所定間隔はなれているとともに、光ファイバーアレイFAの端のビーム出射口の位置が、光ファイバーアレイFAの同じ側の端のビーム出射口の位置に対して、並列配置方向にずれていることにより、上記傾斜角度を変えることで、少なくとも2つのビームピッチに効率よく切り換えることができ、記録する画像の解像度を切り換えることができる。
【0027】
このような露光装置10では、低解像度の露光記録に対応するビームピッチpから高解像度の露光記録に対応するビームピッチpに切り換えて露光記録を行う際、従来の方法では、図7に示すように、走査ラインl1 , 上の露光記録を行うことができない場合でも、以下に示す画像露光方法によって、マルチビーム露光ヘッド12の移動量を調整して、すべての走査ラインに沿って露光記録を行うことができる。
【0028】
例えば、図4に示される、記録材料A上に一定の間隔で並ぶビームスポットS,S,S,S,Sからなる下段のビームスポット列と、これに平行なビームスポットS,S,S,S,S10からなる上段のビームスポット列とを用いてわかり易く説明すると、低解像度の露光記録から高解像度の露光記録に切り換える場合、マルチビーム光源部18を、副走査方向(y方向)に対して傾斜させ、ビームスポット列の副走査方向に対する傾斜角度を付ける。すなわち、副走査方向(y方向)における、ビームスポットS,S,S,S,Sからなる下段のビームスポット列中の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、ビームスポットS,S,S,S10からなる上段のビームスポット列のビームスポットが配置されるように、傾斜角度が調整される。
この調整により、下段のビームスポット間の副走査方向(y方向)における複数の中間位置に上段のビームスポットが配置される。例えば図4に示すように下段のビームスポットS,Sの副走査方向の中間位置に、上段のビームスポットSが配置される。しかし、この場合ビームスポット列の端に位置する下段のビームスポットS,Sの副走査方向の中間位置には、上段のビームスポットが配置されない。したがって、この状態で行われる露光記録では、走査ラインlに沿った露光記録は行われない。
【0029】
この状態で露光記録した後、マルチビーム露光ヘッド12は、副走査機構により移動する。その際、移動直前の下段のビームスポット列によって露光記録される副走査方向の露光範囲に、移動直後の上段のビームスポット列によって露光記録される副走査方向(y方向)の露光範囲が部分的に重なるように、副走査機構により移動する(図4参照)。
これにより、移動直後のビームスポットS’ により、移動直前の露光記録で記録されなかった、ビームスポットS,Sの副走査方向の中間位置に定められている走査ラインlに沿って露光記録することができる。すなわち、移動直前の下段のビームスポット列の露光範囲と、移動直後の上段のビームスポット列の露光範囲とが重なる部分の走査ラインのうち、移動直前の下段のビームスポット列によって露光記録されない走査ラインlに対して、移動直後の上段のビームスポット列のビームスポットS’で露光記録する。
つまり、図4からわかるように、図中左から右方向に並ぶ走査ライン上を、ビームスポットS,S,S,S3 , ,S,S10,S,S’,S,S’,S’・・・・で主走査方向に露光記録することができる。
なお、移動直後に行われる露光記録においては、走査ラインl’に沿って露光記録が行われないが、この走査ラインl’に沿った露光記録は、さらに、この後に行われる移動直後の露光記録によって行われる。
【0030】
図5(a)には、ビームピッチpとした低解像度の露光記録において、ビームスポットS,S,S,S,Sを下段のビームスポット列とし、ビームスポットS,S,S,Sを上段のビームスポット列として露光記録する例を示している。
この場合、上段および下段のビームスポット数の合計は奇数であり、下段のビームスポットの数が上段のビームスポットの数に比べて多い。
このような場合、ビームピッチpとした高解像度の露光記録に切り換える際、図5(b)に示すように、図5(a)に示すビームスポット列に対してビームスポット列の傾斜角度(y方向に対する傾斜角度)を急傾斜にするとともに、ビームスポットSをオフ(図中、2点鎖線)とする。そして、走査ラインlに沿って、移動直後のビームスポットS’で露光記録する。すなわち、移動直前の下段のビームスポット列の露光範囲と、移動直後の上段のビームスポット列の露光範囲とが重なる部分の走査ラインのうち、移動直前の下段のビームスポット列によって露光記録されない走査ラインlに対して、移動直後の上段のビームスポット列のビームスポットS’で露光記録する。
つまり、図5(b)からわかるように、図中左から右方向に並ぶ走査ライン上を、ビームスポットS,S,S,S3 , ,S,S’,S,S’,S’,S’,・・・・で主走査方向に露光記録する。
【0031】
このように、ビームスポットS,S,S,Sからなる下段のビームスポット列の副走査方向の露光範囲と移動直後のビームスポットS’,S’,S’,S’からなる上段のビームスポット列の副走査方向の露光範囲とが部分的に重なるように移動量が調整される。
なお、従来の方法では、ビームスポットSおよびSの他、ビームスポットSおよびSをもオフとして使用しない。しかし、上記画像露光方法ではビームスポットS,SおよびSを使用することででき、効率よくビームスポット列を利用することができる。
【0032】
なお、移動直前の下段のビームスポット列のビームスポットSをオフとするのは、ビームスポットSの走査ラインと、移動直後の下段のビームスポット列のビームスポットS’の走査ラインとが重なるからであり、2重露光を防止するためである。このため、ビームスポットS’をオンとし、ビームスポットSをオフとしてもよい。すなわち、本発明では、上段あるいは下段の一方のビームスポット列の露光範囲が移動前後において重なる場合、移動直前のビームスポット列および移動直後のビームスポット列のいずれか一方のビームスポットを選択的に用いて露光記録するとよい。
【0033】
また、上段および下段のビームスポット列のうち、ビームスポット数の多い方のビームスポット列のビームスポットをオフとし、ビームスポット列のスポット数をビームスポット数の少ない方のビームスポット数に近づけるあるいは同じにするのが好ましい。
なお、上記例ではいずれも、マルチビーム露光ヘッド12を記録材料Aに対して移動するものであるが、マルチビーム12を固定し、記録材料Aをy方向に移動するように構成してもよい。すなわち、本発明は、記録材料と露光ヘッドとが相対的に移動する構成であればよい。
【0034】
以上、本発明の画像露光方法および画像露光装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明では、2段構成のビームスポット列を記録材料に形成する露光ヘッドを記録材料に対して副走査方向に逐次相対的に移動し、移動の度に主走査方向の走査ラインに沿って露光記録するとともに、2段構成のビームスポット列の一方のビームスポット列で露光記録される副走査方向の露光範囲が、移動後の他方のビームスポット列で露光記録される副走査方向の露光範囲と一部分で重なるように露光ヘッドを移動するので、移動直前の露光範囲内において露光記録されなかった走査ライン上の露光記録を、移動後の露光記録において行うことができ、2つのビームスポット列を効率よく使用して、所望の解像度で迅速に露光記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像露光方法を実施する本発明の画像露光装置の一例の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像露光装置に用いる光源部の概略の構成を示す図である。
【図3】図1に示す画像露光装置における傾斜角度可変装置の概略の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の画像露光方法の一例を説明する説明図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の画像露光方法の他の例を説明する説明図である。
【図6】(a)および(b)は、従来の画像露光方法を説明する説明図である。
【図7】従来の画像露光方法の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 マルチビーム露光装置
12 マルチビーム露光ヘッド
14 アウタードラム
16 基台
17 光学系基台
18 マルチビーム光源部
20 コリメータレンズ
22 結像レンズ
24 傾斜角度可変装置
30a・・・30a32,30b・・・30b32 ビーム出射口
32 駆動ねじ

Claims (6)

  1. 記録材料を、第1の方向の走査ラインに沿って露光することで、画像を記録材料に記録する画像露光方法であって、
    一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第1のビームスポット列と、前記一定の間隔で並ぶビームスポットからなる、前記第1のビームスポット列に平行な第2のビームスポット列とを記録材料上に形成する光源部を備える露光ヘッドを、前記第1の方向と直交する第2の方向に関する位置であって、前記第1のビームスポット列の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、前記第2のビームスポット列のビームスポットが配置されるように調整し、
    調整された前記露光ヘッドを記録材料に対して前記第2の方向に逐次相対的に移動し、移動の度に前記第1の方向の走査ラインに沿って露光記録し、
    前記移動の際、各移動の直前の前記第1のビームスポット列によって露光される前記第2の方向の露光範囲に、移動直後の前記第2のビームスポット列によって露光される前記第2の方向の露光範囲が部分的に重なるように、前記露光ヘッドを移動することを特徴とする画像露光方法。
  2. 前記露光ヘッドの調整は、前記第1および第2のビームスポット列の配列方向の、前記第2の方向に対する傾斜角度を調整することによって行う請求項1に記載の画像露光方法。
  3. 前記露光ヘッドの各移動直前の第1のビームスポット列の露光範囲と移動直後の前記第2のビームスポット列の露光範囲とが重なる部分に位置する走査ラインのうち、移動直前の第1のビームスポット列によって露光記録されない走査ラインに対して、移動直後の前記第2のビームスポット列で露光記録する請求項1または2に記載の画像露光方法。
  4. 前記第1のビームスポット列および前記第2のビームスポット列のいずれか一方のビームスポット列の露光範囲が、移動直前と移動直後において部分的に重なる場合、重なる部分の走査ラインにおける露光記録は、移動直前のビームスポット列および移動直後のビームスポット列のいずれか一方によって行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像露光方法。
  5. 前記第1のビームスポット列を記録材料に形成する第1のマルチビーム形成光源部のビーム射出口の数が、前記第2のビームスポット列を記録材料に形成する第2のマルチビーム形成光源部のビーム射出口の数に比べて多い場合、前記第1のマルチビーム形成光源部の端部に位置するビーム射出口からのビームの射出をオフとし、前記第1のビームスポット列のスポット数を前記第2のビームスポット列のスポット数に近づけるあるいは同じにする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像露光方法。
  6. 画像の解像度を自在に切り換えて、第1の方向の走査ラインに沿って露光することで所望の解像度の画像を記録材料に記録する画像露光装置であって、
    一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第1のビームスポット列と、この第1のビームスポット列に平行な、前記一定の間隔で並ぶビームスポットからなる第2のビームスポット列とを記録材料に形成し、走査ラインに沿って露光する光源部を備える露光ヘッドと、
    前記第1の方向と直交する第2の方向に関する位置であって、前記第1のビームスポット列の少なくとも一部分の隣接するビームスポット間の中間位置に、前記第2のビームスポット列のビームスポットが配置されるように、前記光源部をこの光源部のビームの射出方向に平行な回転軸の回りに回転して、所望の解像度に切り替える解像度切り換え手段と、
    前記露光ヘッドを記録材料に対して前記第2の方向に逐次相対的に移動する手段であって、所望の解像度に切り換えて定められる走査ラインに沿って露光する場合、前記露光ヘッドの各移動の直前に前記第1のビームスポット列によって露光記録される前記第2の方向の露光範囲に、移動直後の前記第2のビームスポット列によって露光記録される前記第2の方向の露光範囲が部分的に重なるように、前記光源部を相対的に移動させる移動手段と、を有することを特徴とする画像露光装置。
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