JP6146561B2 - 円筒状媒体露光装置 - Google Patents

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本発明は、円筒状の金型に微細なパターンを形成する円筒状媒体露光装置に関するものである。
インプリントと称される技術は、所定の微細パターンを有する金型を予め紫外線硬化或いは熱硬化樹脂を塗布した基板上に押し当て、各々紫外線照射或いは加熱することにより樹脂を硬化させ、金型のパターンを基板上に形成するものである。
特許文献1及び2に同技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術は、基板上に形成したい凹凸パターンを反転させた反転凹凸パターンを有する金型を用い、この金型を基板の表面に形成されたレジスト膜層に対して型押しすることにより、所定の凹凸パターンを転写するものである。
また特許文献2に記載の技術は、シリコンウエハーを金型として用いて、この金型を型押し転写することにより、レジスト層に25nm以下の微細パターンを形成するものである。
またインプリント技術は、解像力とパターン品質の高さを確保することができ、そしてその製造設備は低コストである。即ち、ナノオーダからマイクロオーダまでその加工精度及び加工面積の適応範囲が広いという特徴をも持つため、半導体、バイオ、MEMS、ストレージ分野、或いは有機ELや液晶に代表されるディスプレイ及び照明、太陽電池に代表されるエネルギー分野等、デバイスの面積、パターンサイズを問わず様々な分野への応用が期待されている。
一方、電子デバイスを効率よく量産する手法の一つとしてロール・ツー・ロール方式がある。ロール・ツー・ロール方式はロール状に巻いた基材を送り出して、表面に目的物質をパターニング、成膜等を施し、再び別のロールに巻き取って回収する生産方法であり、一つの装置で連続的に生産が可能であるため、製造コストが大幅に削減できるという特徴を持つ。
近年、前記インプリント技術とロール・ツー・ロール技術を組合せ、加工精度の高精度化及び加工面積の大面積化と、製造コストの低さを兼ね備えた手法が注目されている。即ち、直接或いは予めパターンを作成した平面板を円筒基材に巻き付けることにより円筒金型上にパターンを形成し、それを連続的に回転させながら前記インプリントを行うことにより大面積のパターン形成を生産性良く行うことが可能となっていた。また前記円筒の表面に直接パターンを形成させる方法は、前記予め平面板を巻き付ける方式と比較して、継ぎ目の無いシームレスな金型の提供が可能なため、精密な機械加工により円筒上にパターンを形成する方法、或いは特許文献3のように円筒上に予め記録層を形成し、それをレーザで直接描画する方法が用いられてきた。但しパターンが非常に微細、即ちナノメータサイズのパターンの場合、そのパターン形成が非常に難しいため、特許文献4のようなロールモールド作成用電子線描画(EB描画)装置を、特許文献5のような陽極酸化処理装置を、又は特許文献6のようにマスター原盤から円環マスター及び電鋳マスターを経て円筒状媒体を作成する方法、或いは特許文献7のようなサブミクロンパターンの描画が可能な円筒表面レーザ描画装置を用いて前記円筒状媒体を作成する必要があった。
図9及び図10に従来の円筒状媒体露光装置の概略構成図を示す。
図9において、原盤として機能する被露光物である円筒状媒体106は、予め円筒状媒体106の端面に取り付けられたハウジング306aによりアタッチメント132を介し、回転駆動用エアースピンドル131に固定されている。また図10において、被露光物である円筒状媒体106は、予め円筒状媒体106の端面に取り付けられたハウジング306aによりアタッチメント132を介し、回転駆動用エアースピンドル131と固定され、反対側のハウジング306bをベアリング等の比較的偏芯自由度の大きな回転保持部134で挟み込んで固定されている。
図9及び図10において、光源100から出射したコヒーレントなビームは、ミラー111で反射し、パワーコントロール部101を通り、信号変調部102で入力電気信号に対し信号変調され、ビーム偏向部103で光軸に対し垂直な左右或いは上下方向に周波数偏向して出力される。この信号偏向部103を出たビームは、ミラー112で反射した後、ビーム成形部104で適当な大きさのビームに成形され、ミラー113、一部透過ミラー114及びミラー115、116で反射、一部透過ミラー117を透過及びダイクロイックミラー118で反射後、アクチュエータ105に固定された対物レンズ105aに入射する。
この対物レンズ105aに入射した光は、レジスト層(有機レジスト或いは無機レジストの層)が形成された円筒状媒体106上に集光して照射される。このとき円筒状媒体106は光学台107の移動方向と平行な軸上で回転している。また対物レンズ105aを介して円筒状媒体106上に照射されるレーザビームは、円筒状媒体106上で焦点を結んでおり、このレーザビームにより原盤である円筒状媒体106に露光が施される。ここで、有機レジストの場合はフォトリソグラフィー方式により露光が施され、無機レジストの場合は熱記録方式により露光が施される。尚、光源100から照射されるレーザビームの波長は、フォトリソグラフィー方式において有機レジストが感光する波長、或いは熱記録方式により無機レジストに十分な熱エネルギーを与える波長、例えば266nm、375nm或いは405nmのレーザビームが用いられる。尚、信号変調部102及びビーム成形部104は、省略されることもある。
円筒状媒体106から反射したビームは再び対物レンズ105aを通過し、ダイクロイックミラー118で反射、一部透過ミラー117を透過及び反射する。一部透過ミラー117を透過したビームはミラー115で再び反射する。ミラー115で反射したビームはミラー114を透過後、ビームモニター系124に入射し凸レンズ124aを透過し、CCDディテクタ124b上に集光される。尚、この凸レンズ124aとCCDディテクタ124bは、対物レンズ105aへ入射するビームが平行光で対物レンズ105aに入射した光が円筒状媒体106面上に集光される場合に、凸レンズ124aのフォーカス点に集光される位置関係に予め調整されている。すなわち、CCDディテクタ124b上で集光ビームが最小になるときに対物レンズ105aを透過したビームも最適フォーカスとなり、このような状態を保持しながら露光を行うことにより、所望のピット幅、長さ及び連続溝幅を満足する円筒状媒体106を得ることができる。
尚、最適フォーカス状態を保持するためには、図9又は図10における補助フォーカスサーボ光学系121により、斜めビームフォーカスサーボ系或いは非点収差フォーカスサーボ系のみを用いてフォーカス制御を行う方式や、前記補助フォーカスサーボ光学系121と、記録ビームを直接用いた非点収差フォーカスサーボ光学系122両者を組み合わせてフォーカス制御を行う方法がある。
米国特許第5259926号明細書 米国特許第5772905号明細書 特開平8−300600号公報 特開2013−12682号公報 特開2012−197504号公報 特開2013−961号公報 特開2010−152253号公報
1um以下の微細パターンの加工を円筒状媒体に施すためには、一般的に下記4種類の方式がある。
(1)ロールモールド作成用電子線描画装置を用いて円筒状媒体を作成する方法
(2)陽極酸化処理装置を用いて円筒状アルミナ表面にパターンを形成し、円筒状媒体を作成する方法
(3)マスター原盤から樹脂製円環マスター及び電鋳マスターを経て円筒状媒体を作成する方法
(4)サブミクロンパターンの描画が可能な円筒表面レーザ描画装置を用いて円筒状媒体を作成する方法
このうち、前記(1)を用いた方法は、描画に長時間を要し、スループットが低いという課題を有している。また、装置が高価であり生産コストが過大となり、さらに、真空装置であるため精密な回転機構やスライド機構の使用が制限され、十分な位置偏差精度で描画が出来ないという課題を有している。
また、前記(2)を用いた方法は、化学反応を用いるため、パターン形状及びパターン位置精度の自由度が無く、円筒状媒体の材料もアルミナに限定されるため、インプリント時の離形性に課題を有している。
また、前記(3)を用いた方法は、小さなマスター原盤を樹脂製円環マスターに押し付け、さらに移動させてパターンを生成するため、継ぎ目が発生してしまうという課題を有している。
また、前記(4)を用いた方法は、前記(1)〜(3)のスループット、生産コスト、パターン形状、パターン位置精度、インプリント時の離形性、継ぎ目の発生の課題を解決することができるが、図9に示す従来の円筒状媒体露光装置の如く、円筒状媒体106及びそのハウジング306aを、アタッチメント132を介しエアースピンドル131に片持ちで固定した状態で回転させた場合、エアースピンドル131の固定側と反対側で円筒状媒体106表面の偏芯量が異なるため、円筒状媒体106表面に描画されたパターンのトラックピッチ偏差に差が発生するという課題を有する。
上記課題を解決するために、NRRO(非同期ブレ)の少ない、即ちエアーギャップが小さい超高精度なエアースピンドルを用いた場合は、円筒状媒体106の長さが制限され、長尺化が困難であるという課題を有する。
更に上記課題を解決するために、図10に示す従来の円筒状媒体露光装置の如く、被露光物である円筒状媒体106を、予め円筒状媒体106の端面に取り付けられたハウジング306aによりアタッチメント132を介し、回転駆動用エアースピンドル131と固定し、かつ反対側のハウジング306bを回転保持部134で挟み込んで固定した場合は、長尺化は可能になるが、回転保持部134の偏芯に対する自由度の小さい、例えばエアースピンドル等で固定した場合は、円筒状媒体106、ハウジング306a及び306b、アタッチメント132、回転保持部134及び回転駆動用エアースピンドル131の各々加工精度及び/又は相互の組立て精度の調整が著しく困難となるという課題が発生する。
また、ハウジング306bをベアリング等の比較的偏芯自由度の大きな回転保持部134で固定した場合は、円筒状媒体106表面の偏芯量が大きくなり、円筒状媒体106表面に描画されたパターンのトラックピッチ偏差が大きくなるという課題を有する。
上記課題を解決するために、本発明の円筒状媒体露光装置は、円筒原盤にレーザビームを照射して前記円筒原盤の表面に塗布されたエッチング層を露光する円筒状媒体露光装置であって、前記レーザビームを出射する光源と、対物レンズを前記円筒原盤の長手方向に移動させるとともに前記レーザビームが前記円筒原盤上で焦点を結ぶように前記対物レンズを前記長手方向と直交する方向に移動させるアクチュエータを駆動するレーザ制御部を有する光学台と、前記円筒原盤を回転させる回転駆動用エアースピンドルと、前記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルとで挟み込んで保持する回転保持用エアースピンドルと、前記回転駆動用エアースピンドルに設けられる駆動側アタッチメントと、前記回転保持用エアースピンドルに設けられる保持側アタッチメントと、前記駆動側アタッチメントと接して設けられて前記円筒原盤の一端面に取り付けられる駆動側ハウジングと、前記保持側アタッチメントと接して設けられて前記円筒原盤の前記一端面の裏面である他端面に取り付けられる保持側ハウジングと、前記駆動側アタッチメントの前記駆動側ハウジングと対向する位置に設けられる円錐状の突起である駆動側突起アタッチメントクランプ部と、前記保持側アタッチメントの前記保持側ハウジングと対向する位置に設けられる円錐状の突起である保持側突起アタッチメントクランプ部と、前記駆動側ハウジングの前記駆動側アタッチメントと対向する位置に設けられる円錐状の窪みである駆動側窪みアタッチメントクランプ部と、前記保持側ハウジングの前記保持側アタッチメントと対向する位置に設けられる円錐状の窪みである保持側窪みアタッチメントクランプ部と、を有し、前記円筒原盤は両端面に前記駆動側ハウジング及び前記保持側ハウジングが取り付けられた状態で、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部を前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部に挿入し、かつ、前記保持側突起アタッチメントクランプ部を前記保持側窪みアタッチメントクランプ部に挿入するように、前記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルと前記回転保持用エアースピンドルとで挟み込んで保持され、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の高さが前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部の窪みの深さよりも大きく、かつ、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の頂角が前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部の窪みの頂角よりも小さいことを特徴とする。
また、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の頂角が、前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部の窪みの頂角に対し、0.996倍よりも小さいことが好ましい。
また、回転駆動伝達部として、前記駆動側ハウジングに設けられる円柱状の突起である突起回転駆動伝達部と、前記駆動側アタッチメントに設けられる円柱状の窪みである窪み回転駆動伝達部と、前記窪み回転駆動伝達部の回転方向の長さを調整する調整部とをさらに有し、前記窪み回転駆動伝達部の回転方向の長さに対する前記突起回転駆動伝達部の回転方向長さが0.993〜0.996倍であることが好ましい。
また、前記回転保持用エアースピンドルを前記光学台の前記円筒原盤が搭載される面に平行な方向及び鉛直方向に移動させて、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部を前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部に挿入し、かつ、前記保持側突起アタッチメントクランプ部を前記保持側窪みアタッチメントクランプ部に挿入するように、前記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルと前記回転保持用エアースピンドルとで挟み込むエアーシリンダーをさらに有しても良い。
また、前記円筒原盤で反射した前記レーザビームを受光する4分割ディテクタと、前記4分割ディテクタでの前記レーザビームの受光位置からビーム位置偏差を検出して前記レーザ制御部を制御することにより前記円筒原盤に照射する前記レーザビームの偏向を補正するビーム位置偏差制御部とをさらに有しても良い。
以上のように、アタッチメントに設けられる円錐突起状のアタッチメントクランプ部をハウジングに設けられる円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部に挿入するようにして、回転駆動用エアースピンドル及び回転保持用エアースピンドルで挟みこんで保持した状態で円筒状媒体を製造することにより、容易に円筒状媒体の偏芯量を抑制し、ナノメートルオーダのパターンのトラックピッチ偏差を抑制することができる。
本発明の実施の形態1の円筒状媒体露光装置の概略構成図 円筒状媒体を回転駆動部に固定するアタッチメントの概略図 円筒状媒体及びハウジングの概略図 本発明の実施の形態1における円筒状媒体のクランプ状態概略図 本発明の円筒状金型製造プロセス説明図 本発明の実施の形態2の円筒状媒体露光装置の概略模式図 ビーム位置偏差発生時のディテクタ上のビーム位置説明図 ビーム位置偏差を解消するための制御系の説明図 従来の円筒状媒体露光装置の概略構成図 従来の円筒状媒体露光装置の概略構成図 比較例の円筒状媒体のクランプ状態概略図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明において、同一構成には同一符号を付して、適宜説明を省略している。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1の円筒状媒体露光装置を光学定盤垂直上方から見た概略構成図を、図2に円筒状媒体を回転駆動部に固定するアタッチメントの概略図を、図3に円筒状媒体及びハウジングの概略図を、図4に本発明の実施の形態1における円筒状媒体のクランプ状態概略図を示す。ここで、円筒状媒体露光装置は光学定盤(図示せず)上に設置され、光学定盤は精密防振機構を有し、光学系及び精密機構系組立ての基準となる平坦な面を持つ。本実施の形態において、円筒原盤は被露光物の一例であり、エアースピンドルは回転機構デバイスの一例であり、CCDカメラは撮像素子の一例であり、凸レンズやミラーや変調素子及び偏向素子は光学素子の一例である。尚、図1にディメンションX、Y及びZが示されているが、各々ディメンションXはスライド式光学台107の移動方向を、ディメンションYは光学定盤及び前記スライド式光学台107に対して直角な直角方向を、ディメンションZはディメンジョンX及びYに対して直角な方向、即ち光学定盤と鉛直方向を示す。よって、ディメンションX,Zは光学台107の円筒状媒体載置面と平行な方向、ディメンションYは光学台107の円筒状媒体載置面と鉛直な方向を示す。なお、円筒状媒体は円筒原盤を露光することにより製造されるが、以下で円筒状媒体露光装置の構成を説明する際には、露光の前後に係わらず、円筒状媒体や円筒原盤を区別せずに円筒状媒体と称する。
図1において、実施の形態1における円筒状媒体露光装置の光学台107の上方位置の平行基準バー230には回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233が固定される。回転駆動用エアースピンドル231には、円錐突起状のアタッチメントクランプ部232aを備えるアタッチメント232が設けられる。回転保持用エアースピンドル233には、円錐突起状のアタッチメントクランプ部234aを備えるアタッチメント234が設けられる。被露光物である円筒状媒体106は、パターンが形成される曲面に直交する2つの端面それぞれに、センター部分に円錐窪みを有するハウジング106a及び106bが固定される。この状態で、ハウジング106aの円錐窪みにアタッチメントクランプ部232aの少なくとも先端部分が挿入され、ハウジング106bの円錐窪みにアタッチメントクランプ部234aの少なくとも先端部分が挿入されるように、回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233で円筒状媒体106をディメンションX方向に挟み込んで保持する。尚、回転駆動伝達部106cは円筒状媒体106へ回転駆動を伝達するための部品である。
図2は円筒状媒体を回転駆動部に固定するアタッチメントの概略図、即ち円筒状媒体106を回転駆動エアースピンドル231へクランプするための、アタッチメント部232及びアタッチメントクランプ部232a、又は円筒状媒体106を回転保持用エアースピンドル233へクランプするための、アタッチメント部234及びアタッチメントクランプ部234a、並びに円筒状媒体106へ回転駆動を伝達するための、回転伝達部235及びその調整機構235aの説明図である。
図2において、アタッチメント232及び234は、その中心に各々頂角θの円錐突起状のアタッチメントクランプ部232a及び234aを有する。また回転駆動伝達部235は円筒状媒体、アタッチメント232及び234の回転方向、即ち円周接線方向の径を調整する調整機構235aを持つ。調整機構235aにより、後述の回転駆動伝達部106c(図3参照)を回転駆動伝達部235内に確実に保持することができ、円筒状媒体に確実に回転を伝達することができる。
図3は円筒状媒体及びハウジングの概略図、即ち円筒状媒体106を各々回転駆動エアースピンドル及び回転保持エアースピンドルへクランプするための、ハウジング106a及び106bに設けられたアタッチメントクランプ部106d、並びに円筒状媒体106へ回転駆動を伝達するための、回転駆動伝達部106cの説明図である。
図3において、円筒状媒体106両端には、各々ハウジング106a及び106bが正確に調整された状態で取り付けられている。ハウジング106a及び106bには頂角Φの円錐窪み状のアタッチメントクランプ部106dを有し、円柱突起状の回転駆動伝達部106cを備える。尚、回転駆動伝達部106cは回転駆動エアースピンドル231(図1参照)側のハウジング106aには必項であるが、回転保持エアースピンドル233(図1参照)側のハウジング106bには必ずしも必要ではない。
図1において、回転駆動エアースピンドル231と回転保持エアースピンドル233の位置関係は、スライド式光学台107と正確に平行調整された平行基準バー230を介して平行に、即ちディメンションX方向に並ぶように調整されている。また円筒状媒体106のクランプは、ディメンションX方向に稼動するエアーシリンダー240、ディメンションY方向に稼動するエアーシリンダー241及びディメンションZ方向に稼動するエアーシリンダー242によりクランプされる。尚、前記エアーシリンダー240のみ回転保持エアースピンドル233に固定されており、エアーシリンダー241及び242は回転保持エアースピンドル233を各々平行基準バー230及び光学定盤へ押し込むのみである。即ち、エアーシリンダー241及び242を各々ディメンションYのY1→Y0方向及びディメンションZのZ1→Z0方向へ稼動させた状態で、エアーシリンダー240をディメンションXのX1→X0方向へ稼動することにより、円筒状媒体106のクランプは開放される。また前記とは逆に各々X0→X1方向、Y0→Y1方向及びZ0→Z1方向に稼動することにより、円筒状媒体106は回転駆動エアースピンドル231及び回転保持エアースピンドル233間に挟みこまれてクランプされる。
また、前記円筒状媒体106を取り付けた直後は、ディメンションX方向のエアーシリンダー240及び/又はディメンションY方向のエアーシリンダー241及び/又はディメンションZ方向のエアーシリンダー242に、回転駆動用エアースピンドル231又は回転保持用エアースピンドル233のアキシャル方向の負荷重量の3倍程度の負荷を2〜3Hz程度の周期で加えてやることにより、エアースピンドルのエアーギャップを一旦接触させた後に、ディメンションX方向のエアーシリンダー240の圧力を調整し、エアーギャップの接触を解除及びアキシャル方向の負荷未満にて保持することにより、正確にクランプすることができる。
次に、照射するレーザビームを制御する構成について説明する。レーザビームはレーザ制御部でその形態や強度,焦点,照射角度等が調整されて、円筒状媒体106に照射される。レーザ制御部はこのような機能を備えれば構成は任意であるが、例えば、以下のような構成とすることができる。
図1において、光源100から出射したコヒーレントなレーザビームは、ミラー111で反射し、パワーコントロール部101を通り、信号変調部102で入力電気信号に対し信号変調され、ビーム偏向部103で光軸に対し垂直な左右或いは上下方向に周波数偏向して出力される。この信号偏向部103を出たビームは、ミラー112で反射した後、ビーム成形部104で適当な大きさのレーザビームに成形され、ミラー113、一部透過ミラー114及びミラー115、116で反射し、一部透過ミラー117を透過した後ダイクロイックミラー118で反射し、アクチュエータ105に固定された対物レンズ105aに入射する。
この対物レンズ105aに入射した光は、レジスト層(有機レジスト或いは無機レジストの層)が形成された円筒状媒体106上に集光して照射される。このとき円筒状媒体106は光学台107の移動方向と平行な軸上で回転している。また対物レンズ105aを介して円筒状媒体106上に照射されるレーザビームは、円筒状媒体106上で焦点を結んでおり、このレーザビームにより円筒状媒体106が露光され、凹凸パターンが形成される。ここで、有機レジストの場合はフォトリソグラフィー方式により露光が施され、無機レジストの場合は熱記録方式により露光が施される。尚、光源100から照射されるレーザビームの波長は、フォトリソグラフィー方式において有機レジストが感光する波長、或いは熱記録方式により無機レジストに十分な熱エネルギーを与える波長であり、例えば266nm、375nm或いは405nmのレーザビームが用いられる。尚、信号変調部102及びビーム成形部104は、省略されることもある。尚、円筒状媒体106は前記の通り、ハウジング106a及び106b、並びに各々アタッチメントクランプ部232a及び233aを有するアタッチメント232及び233を介し、各々回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持エアースピンドル233からなる被露光物保持部に保持されており、アクチュエータ105は被露光物保持物の一部である。
円筒状媒体106から反射したレーザビームは再び対物レンズ105aを通過し、ダイクロイックミラー118で反射、一部透過ミラー117を透過及び反射する。一部透過ミラー117を透過したレーザビームはミラー115で再び反射する。ミラー115で反射したレーザビームはミラー114を透過後、ビームモニター系124に入射し凸レンズ124aを透過し、CCDディテクタ124b上に集光される。尚、この凸レンズ124aとCCDディテクタ124bは、対物レンズ105aへ入射するレーザビームが平行光で対物レンズ105aに入射した光が円筒状媒体106面上に集光される場合に、凸レンズ124aのフォーカス点に集光される位置関係に予め調整されている。すなわち、CCDディテクタ124b上で集光ビームが最小になるときに対物レンズ105aを透過したビームも最適フォーカスとなり、このような状態を保持しながら露光を行うことにより、所望のピット幅、長さ及び連続溝幅を満足するパターンが形成された円筒状媒体106を得ることができる。
最適フォーカス状態を保持するためには、図1における補助フォーカスサーボ光学系121により、斜めビームフォーカスサーボ系或いは非点収差フォーカスサーボ系のみを用いてフォーカス制御を行う方式や、補助フォーカスサーボ光学系121と、記録ビームを直接用いた非点収差フォーカスサーボ光学系122両者を組み合わせてフォーカス制御を行う方法がある。一部透過ミラー117で反射した反射光を非点収差フォーカスサーボ光学系122へ入力させることができ、記録ビームの反射光によりフォーカス制御を行うことができる。
続いて円筒状の金型である円筒状媒体を作成するための製造プロセスについて、図5(a)〜図5(f)の本発明の円筒状金型製造プロセス説明図を用いて説明する。図5における左側には工程概念図、右側には円筒状媒体表面の断面状態図を示す。
まず、図5(a)に示すように、金属或いはセラミックス等の表面を精密研磨した円筒状原盤501を用意し、この円筒状原盤501表面にエッチング層511を形成する。エッチング層511の材料は後工程であるエッチング条件により異なるが、シリコン、シリコン酸化物、水晶、金属、金属酸化物等が用いられる。エッチング層511の厚みは円筒状媒体の使用目的により異なるが、10nm〜1um程度である。またエッチング層511は複数層形成されることもある。
続いて図5(b)に示すように、エッチング層511上にレジスト層512を形成する。レジスト層512はフォトレジスト、或いはフォトレジストに代えて無機系の記録材料を形成してもよい。レジスト層512の厚みは、後工程であるエッチング条件により異なるが、10〜500nm程度である。
続いて図5(c)に示すように、円筒原盤501上のレジスト層512にレーザビームを照射して信号ピット及び案内溝を露光して描画する。図1などを用いて説明している円筒状媒体露光装置は、この図5(c)に示す工程で用いられるものである。
その後図5(d)に示すように、現像液により露光部を現像する。ポジ型フォトレジスト又は無機系記録材料を用いた場合は、露光部を現像することにより、露光された部分のみが溶出し、所望のピット形状としての凹凸パターン及び溝が形成される。
その後図5(e)に示すように、エッチング処理を行う。エッチングは材料により異なるが、ドライエッチング或いはウエットエッチング何れでもよい。エッチングを行うことにより、前記で形成したエッチング層511に所望のピット形状としての凹凸パターン及び溝が形成される。
その後、残ったレジスト層512を除去することにより図5(f)に示す円筒状媒体106が出来上がる。尚、図5(b)でネガ型レジスト又はネガ型無機材料を用いた場合は、図5(a)及び図5(e)に示す工程は省略される場合もある。
図1において円筒状媒体106は、例えば、円筒部の直径は200Φmm、長さは300mmのものを用い、フランジの径は105Φmm、長さは58mmのものを用いることができる。また円筒状媒体106は、例えば、SUS304表面を鏡面研磨したものにSiOのエッチング層及びポジ型フォトレジストを塗布したものを用いることができる。
図4に本発明の実施の形態1における円筒状媒体のクランプ状態概略図を示す。図4における円筒状媒体106はフランジ106a又は106bを介し、アタッチメントクランプ部106dの円錐状窪みにて、アタッチメント部232又は234に設けられたアタッチメントクランプ部232a又は234aと接触してクランプされている。またフランジ106a又は106bに設けられた円柱状の回転駆動伝達部106cにて、回転駆動の伝達が成されている。フランジ106a及び106bにはその中心に円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部106dをそれぞれ設ける。アタッチメントクランプ部106dである円錐状の窪みは、例えば、深さは4mm、頂角Φは60.3度とする。また、フランジ106a及び106bに隣接して配置され、対向する2つのスピンドルに各々取り付けられているアタッチメント232及び234はスピンドルの回転軸に対し、例えば、1um以下の偏芯量で調整する。アタッチメント232及び234に各々に設けられる円錐状の突起であるアタッチメントクランプ部232a及び234aの高さは例えば、5.6mm、頂角θは60度とする。即ち、円錐状の突起であるアタッチメントクランプ部232a及び234a,円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部106dの各々の頂角θ及びΦの関係がθ<0.996×Φとなるようにした。
また、例えば、ハウジング部106aに取り付けられている円柱状の突起である回転駆動伝達部106cの直径Lを6mmとし、アタッチメント部232に備えられた回転駆動伝達部235の窪みの円周接線方向の直径Kを、調整機構235a(図2参照)により6.03mmとすることができる。即ち、回転駆動伝達部235,回転駆動伝達部106c各々の直径K及びLの関係が0.993L≦K<0.996Lとなるようにした。尚、K<0.993Lの場合は、回転駆動伝達部106cと回転駆動伝達部235の窪みの保持部の隙間の影響で、図1における円筒状媒体106の回転が不安定になる。またK≧0.996Lの場合は、回転駆動伝達部106cと回転駆動伝達部235の窪みのクランプ力が大きくなり、図1における回転駆動エアースピンドル231の回転が不安定になる結果、円筒状媒体106の回転が不安定になる。
図1において、回転駆動エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233は、エアーギャップが5umのものを用いることが出来る。ハウジング106a及び106bが設けられた円筒状媒体106を対向する2つの回転駆動エアーススピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233にクランプする際、エアーシリンダー241及び242を各々ディメンションYのY1→Y0方向及びディメンションZのZ1→Z0方向へ稼動させた状態で、エアーシリンダー240をディメンションXのX1→X0方向へ稼動し、円筒状媒体106を所定の位置、即ち前記各々のアタッチメント232及び234の円錐状突起であるアタッチメントクランプ部232aと234aと円筒状媒体106に取り付いている両端のハウジング106a及び106bの中心に設けられている円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部106dの位置、即ちスライド式光学台107に対して直角方向と鉛直方向の位置を各々合わせた位置、及び前記ハウジング106aに取り付けられている円柱状の突起である106cが、アタッチメント232に備えられている回転駆動伝達部235(図4参照)の窪みに入り込む位置に固定した後、再びエアーシリンダー240をスライド式光学台107と平行な方向、即ちディメンションXのX0→X1方向に移動することにより、円筒状媒体106を回転駆動エアースピンドル231及び回転保持エアースピンドル233間に挟みこみクランプし、シリンダー241及び242を各々平行基準バー230及び光学定盤面、即ちディメンションY及びZのY0→Y1方向及びZ0→Z1方向に移動させることにより、正確な位置を定めることができる。
図1において、光源100としては、例えば、波長266nmで連続に発振するレーザビームを用いることが出来る。また、パワーコントロール部101としては、EOモジュレータを用いることが出来る。また、信号変調部102としては、AOモジュレータを用いることが出来る。また、信号偏向部103としては、EOディフレクターを用いることが出来る。
ビーム成形部104は、例えば、ケプラー式のエキスパンダ、即ち2枚のレンズを用い出射ビームが平行になるように調整する。一部透過ミラー114及び117は、例えば、95%反射ミラーを用いることが出来る。
補助フォーカスサーボ光学系121の光源としては、例えば、635nmのレーザビームを用いることが出来る。ダイクロイックミラー118としては、透過が635nm、反射が266nmのものを用いることが出来る。対物レンズ105aとしては、NA=0.9の無限焦点系のレンズを用いることが出来る。
このように製造した円筒状媒体106を金型として用いてインプリントを行い、円筒状媒体106の表面に形成された凹凸パターンを基板に転写する。
以上説明した、本実施の形態1における円筒状媒体のクランプ方法を用いた場合、円筒状媒体の全ての位置の偏芯量が5um以下になった。また、ハウジング部106aに取り付けられている円柱状の突起である回転駆動伝達部106cの直径L、及びアタッチメント部232に備えられた回転駆動伝達部235の窪みの円周接線方向の直径Kの関係が0.993L≦K<0.996Lの場合は、円筒状媒体106を取り付けた状態で回転駆動エアースピンドル231の回転偏差は1800rpmにて20nsec以下となった。
この円筒原盤を実際にトラックピッチ300nmで露光し、円筒状媒体である金型を製造後、この金型をローラに取り付け、紫外線硬化樹脂を介してシート状の基板に押し付け、紫外線を照射させながら回転させ、樹脂層にパターンを転写させ、この樹脂層の溝幅変動をAFM(原子間力顕微鏡)により、統計的に評価したところ、本実施の形態1の原盤の溝幅は130〜135nm及びトラックピッチ変動は約5%であった。
以上説明したように、アタッチメント232,234及びハウジング106a、106bを介して、回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233で円筒状の原盤を挟み込んで保持した状態で円筒状媒体106を製造することにより、スループットを向上させ、パターン形状精度及びパターン位置精度を高め、インプリント時の離形性を向上させ、継ぎ目の発生を抑制しながら、容易に長尺の円筒状媒体を製造することができる。さらに、アタッチメント232,234に円錐突起状のアタッチメントクランプ部232a,234a及び窪み状の回転駆動伝達部235を設け、ハウジング106a,106bに円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部106d及び突起状の回転駆動伝達部106cを設け、円錐突起状のアタッチメントクランプ部232a,234aを円錐状の窪みであるアタッチメントクランプ部106dに挿入すると共に、突起状の回転駆動伝達部106cを窪み状の回転駆動伝達部235に挿入することにより、正確に位置決めをしながら円筒状媒体106を回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233にクランプすることができる。また、アタッチメントクランプ部232a,234a及びアタッチメントクランプ部106dが円錐形状であるため、回転駆動用エアースピンドル231及び回転保持用エアースピンドル233が偏芯した場合であっても、円錐形状の斜面の範囲内で回転中心が補正され、容易に円筒状媒体106表面の偏芯量を抑制し、ナノメートルオーダのパターンのトラックピッチ偏差を抑制することが出来る。
(実施の形態2)
図6に、本発明の実施の形態2の円筒状媒体露光装置の概略模式図を示し、図7に、ビーム位置偏差発生時のディテクタ上のビーム位置説明図、図8に、ビーム位置偏差を解消するための制御系の説明図を示す。
本実施の形態2において、円筒状媒体のクランプ方法については、前述の実施の形態1と同様の方法を用い、ミラー115(図1)を一部透過ミラー215に変更し、円筒状媒体表面に照射されて反射したビームを分岐し、分岐した一方のレーザビームをビーム位置モニター部223に入射させる。具体的には、円筒状媒体106表面を反射し、一部透過ミラー215を透過したレーザビームを、ビームモニター部223内部に設けられたビーム成形部223aでディテクタの径よりも小さなビーム径に成形し、スライド式光学台107と平行な方向及び鉛直な方向、即ち図6におけるディメンションX及びZ方向に受光面を持つ4分割ディテクタ223b上に照射する。円筒状媒体106の偏芯、及び/又はスライド式光学台107と円筒状媒体106との設置上の位置偏差により、ディテクタ223b上のビーム位置は変動する。この変動により発生する4分割ディテクタ223bからの出力信号をビーム位置偏差信号制御部224において処理し、ビーム偏向部103にフィードバックした後、ビーム偏向部103から出射するレーザビームの角度を変化させることにより、円筒状媒体106表面上に照射露光するレーザビームの角度を制御し、円筒状媒体106の偏芯、及び/又はスライド式光学台107と円筒媒体106との設置上の位置偏差による影響を解消する。
図7はビーム位置偏差発生時のディテクタ上のビーム位置説明図、即ち円筒状媒体106(図6参照)の偏芯、又はスライド式光学台107(図6参照)と円筒状媒体106との設置上の位置偏差により、4分割ディテクタ223b上のビーム位置が変動した場合の状態を示した図である。初期状態で図7(a)のようにディテクタ223bの中心にビームが有った場合、円筒状媒体106(図6参照)の偏芯、又はスライド式光学台107(図6参照)と円筒状媒体106(図6参照)との設置上の位置偏差が、縦方向、即ち前記ディメンションZ方向に発生した場合は図7(b)及び/又は図7(c)のように、横方向、即ち前記ディメンションX方向に発生した場合は図7(d)及び/又は図7(e)のようにレーザビームの位置が変動する。
図8は前記のビーム位置偏差を解消するための制御系の説明図であり、4分割ディテクタ223bからの出力信号をビーム位置偏差信号制御部224において処理、即ち縦方向に偏差が発生した場合は、ディテクタ223bのA及びC間に電位差が発生し、横方向に発生した場合はディテクタ223bのB及びD間に電位差が発生するため、差動アンプ224a及び224bから各々の差動信号を各々224c及び224dのビーム偏向機ドライバーを介し、ビーム偏向部103にフィードバックする。
以上説明した、本実施の形態2のビーム位置制御方法を用い、実施の形態1と同様円筒原盤を実際にトラックピッチ300nmで露光し、円筒状媒体である金型を製造後、この金型をローラに取り付け、紫外線硬化樹脂を介してシート状の基板に押し付けて紫外線を照射させながら回転させ、樹脂層にパターンを転写させ、この樹脂層の溝幅変動をAFM(原子間力顕微鏡)により、統計的に評価したところ、本実施の形態2の原盤の溝幅は130〜135nm及びトラックピッチ変動は約2%であった。
以上説明したように、実施の形態1の円筒状媒体露光装置において、さらに、ビーム位置偏差制御部224を用いて、円筒状媒体106(図6参照)の偏芯や円筒状媒体106(図6参照)の位置偏差を検出し、ビーム偏向部103にフィードバックしてビームの角度を変化させることにより、ナノメートルオーダのパターン幅で円筒の長さ方向のトラックピッチ変動を更に小さくすることが出来る。
(比較例1)
本発明の各実施の形態との比較として、本発明を使用せず、図9に示す従来のサブミクロンパターンの描画が可能な円筒表面レーザ描画装置を用いて、即ち回転駆動部をエアーギャップ量40umのスピンドルに片持ちで固定したところ、比較例1である円筒状媒体の偏芯量は回転駆動部側で5um、回転保持部側では60umになった。またこの円筒状媒体を実際にトラックピッチ300nmで露光して製造した後、この金型である円筒状媒体をローラに取り付け、紫外線硬化樹脂を介してシート状の基板に押し付けて紫外線を照射させながら回転させ、樹脂層にパターンを転写させ、この樹脂層の溝幅変動をAFM(原子間力顕微鏡)により、統計的に評価したところ、本比較例1の円筒状媒体の溝幅は130〜135nmとなり、トラックピッチ変動は約30%であった。
(比較例2)
本発明の各実施の形態との比較として、本発明を使用せず、図10に示す従来のサブミクロンパターンの描画が可能な円筒表面レーザ描画装置を用いて、即ち回転駆動部をエアーギャップ量5umエアースピンドルに固定し、回転保持部にベアリングを用いたところ、比較例2である円筒状媒体の偏芯量は回転駆動部側で5um、回転保持部側では40umになった。またこの円筒状媒体を実際にトラックピッチ300nmで露光して製造した後、この金型である円筒状媒体をローラに取り付け、紫外線硬化樹脂を介してシート状の基板に押し付けて紫外線を照射させながら回転させ、樹脂層にパターンを転写させ、この樹脂層の溝幅変動をAFM(原子間力顕微鏡)により、統計的に評価したところ、比較例2のである円筒状媒体の溝幅は130〜135nmとなり、トラックピッチ変動は約20%であった。
(比較例3)
本発明の各実施の形態との比較として、図1に示す本発明の全体構成及び図11に示す比較例3の円筒状媒体のクランプ方法を用いて比較した。図11と図4との違いは、アタッチメントクランプ部106dとアタッチメントクランプ部232a,234aとの頂角の大小が逆になっていることである。即ち、図11における円筒状媒体106はフランジ106a又は106bを介し、アタッチメントクランプ部106dの円錐状窪みにて、アタッチメント部232又は234に設けられたアタッチメントクランプ部232a又は234aと接触してクランプされている。また、フランジ106a又は106bに設けられた円柱状の回転駆動伝達部106cにて、回転駆動の伝達が成されている。106a及び106bにはその中心に円錐状の窪みを設け、深さは4mm、頂角Φは60度とした。また対向する2つのスピンドルに各々取り付けられているアタッチメント232及び234はスピンドルの回転軸に対し、1um以下の偏芯量で調整し、各々の円錐状の突起232a及び234aの高さは5.6mm、頂角θは60.3度とした。即ち各々の頂角θ及びΦの関係がθ≧0.996×Φとなるようにした。またハウジング部106aに取り付けられている円柱状の突起106dの直径Lは6mmとし、アタッチメント部232に備えられた回転駆動伝達部235の窪みの円周接線方向の直径Kは、調整機構235aにより6.1mmとした。即ち各々の直径K及びLの関係がK≧0.996Lとなるようにした。
この状態で円筒状媒体106の偏芯量を評価したところ、15umになった。またこの円筒状媒体106を実際にトラックピッチ300nmで露光して製造した後、この金型である円筒状媒体106をローラに取り付け、紫外線硬化樹脂を介してシート状の基板に押し付けて紫外線を照射させながら回転させ、樹脂層にパターンを転写させ、この樹脂層の溝幅変動をAFM(原子間力顕微鏡)により、統計的に評価したところ、比較例3の原盤の溝幅は130〜135nm及びトラックピッチ変動は約18%であった。
以上のように各比較例のトラックピッチ変動は、本発明のトラックピッチ変動である約2%より大きくなる。従って本発明を用いることにより、機械精度の偏差が著しく少ない、及び/又は適切に修正できることが確認できた。
ここで、アタッチメントクランプ部106dの頂角Φがアタッチメントクランプ部232a,234aの頂角θより大きい場合に、比較例3のようにアタッチメントクランプ部106dの頂角Φがアタッチメントクランプ部232a,234aの頂角θより小さい場合に比べてトラックピッチ変動が小さくなるのは、アタッチメントクランプ部106dと232a及び/又は234aとの接触面積が大きくなるために、各々のクランプ力が大きくなり、図1における回転駆動エアースピンドル231の回転が安定して伝達され、円筒状媒体106の回転が不安定となることを抑制できるためである。
本発明は、容易に円筒状媒体の偏芯量を抑制し、ナノメートルオーダのパターンのトラックピッチ偏差を抑制することができ、円筒状の金型に微細なパターンを形成する円筒状媒体露光装置等に有用である。
100 光源
101 パワーコントロール部
102 信号変調部
103 ビーム偏向部
104 ビーム成形部
105 アクチュエータ
105a 対物レンズ
106 円筒状媒体
106a,106b ハウジング
106c 回転駆動伝達部
106d アタッチメントクランプ部
107 光学台
111,112,113,115,116 ミラー
114,117,215 一部透過ミラー
118 ダイクロイックミラー
121 補助フォーカスサーボ光学系
122 非点収差フォーカスサーボ光学系
124 ビームモニター系
124a 凸レンズ
124b CCDディテクタ
131 回転駆動用エアースピンドル
132 アタッチメント
134 回転保持部
223 ビーム位置モニター部
223a ビーム成形部
223b 4分割ディテクタ
224 ビーム位置偏差制御部
224a,224b 差動アンプ
224c,224d ビーム偏向機ドライバー
230 平行基準バー
231 回転駆動用エアースピンドル
232,234 アタッチメント
232a,234a アタッチメントクランプ部
233 回転保持用エアースピンドル
235 回転駆動伝達部
235a 調整機構
240,241,242 エアーシリンダー
306a,306b ハウジング
501 円筒状原盤501
511 エッチング層
512 レジスト層

Claims (5)

  1. 円筒原盤にレーザビームを照射して前記円筒原盤の表面に塗布されたエッチング層を露光する円筒状媒体露光装置であって、
    前記レーザビームを出射する光源と、
    対物レンズを前記円筒原盤の長手方向に移動させるとともに前記レーザビームが前記円筒原盤上で焦点を結ぶように前記対物レンズを前記長手方向と直交する方向に移動させるアクチュエータを駆動するレーザ制御部を有する光学台と
    記円筒原盤を回転させる回転駆動用エアースピンドルと
    記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルとで挟み込んで保持する回転保持用エアースピンドルと、
    前記回転駆動用エアースピンドルに設けられる駆動側アタッチメントと、
    前記回転保持用エアースピンドルに設けられる保持側アタッチメントと、
    前記駆動側アタッチメントと接して設けられて前記円筒原盤の一端面に取り付けられる駆動側ハウジングと、
    前記保持側アタッチメントと接して設けられて前記円筒原盤の前記一端面の裏面である他端面に取り付けられる保持側ハウジングと、
    前記駆動側アタッチメントの前記駆動側ハウジングと対向する位置に設けられる円錐状の突起である駆動側突起アタッチメントクランプ部と、
    前記保持側アタッチメントの前記保持側ハウジングと対向する位置に設けられる円錐状の突起である保持側突起アタッチメントクランプ部と、
    前記駆動側ハウジングの前記駆動側アタッチメントと対向する位置に設けられる円錐状の窪みである駆動側窪みアタッチメントクランプ部と、
    前記保持側ハウジングの前記保持側アタッチメントと対向する位置に設けられる円錐状の窪みである保持側窪みアタッチメントクランプ部と
    有し、
    前記円筒原盤は両端面に前記駆動側ハウジング及び前記保持側ハウジングが取り付けられた状態で、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部を前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部に挿入し、かつ、前記保持側突起アタッチメントクランプ部を前記保持側窪みアタッチメントクランプ部に挿入するように、前記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルと前記回転保持用エアースピンドルとで挟み込んで保持され、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の高さが前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部窪みの深さよりも大きく、かつ、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の頂角が前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部の窪みの頂角よりも小さいことを特徴とする
    円筒状媒体露光装置。
  2. 前記駆動側突起アタッチメントクランプ部及び前記保持側突起アタッチメントクランプ部の突起の頂角が、前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部及び前記保持側窪みアタッチメントクランプ部の窪みの頂角に対し、0.996倍よりも小さいことを特徴とする
    請求項1記載の円筒状媒体露光装置。
  3. 回転駆動伝達部として、
    前記駆動側ハウジングに設けられる円柱状の突起である突起回転駆動伝達部と、
    前記駆動側アタッチメントに設けられる円柱状の窪みである窪み回転駆動伝達部と、
    前記窪み回転駆動伝達部の回転方向の長さを調整する調整部と
    をさらに有し、前記窪み回転駆動伝達部の回転方向の長さに対する前記突起回転駆動伝達部の回転方向長さが0.993〜0.996倍であることを特徴とする
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の円筒状媒体露光装置。
  4. 前記回転保持用エアースピンドルを前記光学台の前記円筒原盤が搭載される面に平行な方向及び鉛直方向に移動させて、前記駆動側突起アタッチメントクランプ部を前記駆動側窪みアタッチメントクランプ部に挿入し、かつ、前記保持側突起アタッチメントクランプ部を前記保持側窪みアタッチメントクランプ部に挿入するように、前記円筒原盤を前記回転駆動用エアースピンドルと前記回転保持用エアースピンドルとで挟み込むエアーシリンダーをさらに有することを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の円筒状媒体露光装置。
  5. 前記円筒原盤で反射した前記レーザビームを受光する4分割ディテクタと、
    前記4分割ディテクタでの前記レーザビームの受光位置からビーム位置偏差を検出して前記レーザ制御部を制御することにより前記円筒原盤に照射する前記レーザビームの偏向を補正するビーム位置偏差制御部とをさらに有することを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の円筒状媒体露光装置。
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