JP2004351938A - 製版装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CTPシステムに適用される製版装置に関し、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることを可能にする。
【解決手段】 ドラム3の回転により主走査を行い、書込装置4のドラム軸方向への移動により副走査を行いながら、見本絵柄のデジタルデータに基づきドラム3の外周面に備えられた版面部3Aに絵柄のドットパターンを選択的に書込む外面ドラム式の製版装置において、ドラム3の回転速度に対する書込装置4の移動速度を印刷条件に応じて制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、見本絵柄のデジタルデータに基づき印刷用版を作成する製版装置に関し、特に、ドラムの外周面に備えられた版面に対して絵柄を書込む方式(いわゆる外面ドラム方式)の製版装置に関する。
近年では製版工程のデジタル化が進められ、見本絵柄をデジタル化したデジタルデータ(画像データ)に基づき印刷用版を直接作成するCTP(Computer to Plate)というワークフローが確立されている。このワークフローを用いたシステム(以下、CTPシステムという)によれば、版下となるフィルムを作成する必要がないためコストの削減が図れ、且つ、高い位置精度によって見本絵柄を忠実に再現できるという利点がある。
このようなCTPシステムに適用される製版装置として、図9(a)に示すようないわゆる外面ドラム方式の製版装置が知られている。この製版装置は、レーザ等の書込装置4を外周面に生版(絵柄が書込まれていない版)を装着されたドラム3に向けて配設して、ドラム3を一方向に一定速度で高速回転させ、且つ書込装置4をトラバーサ2によりドラム3の軸方向に一定速度で移動させながら、画像データに基づき書込装置4からドラム3上の外周面に向けてレーザ光線を照射することによって、ドラム3の版面部(生版が装着されている絵柄の書込み可能領域)に絵柄を書込むものである。
この製版装置では、ドラム3の回転方向が主走査方向になり、トラバーサ2による書込装置4の移動方向が副走査方向になって、図9(b)に示すように絵柄は生版5上の版面部にスパイラル状に斜め方向に書込まれる。版面部に書込まれる絵柄は見本絵柄を可能な限り忠実に再現することを原則としており、見本絵柄と同一縮尺となる。なお、この方式の製版装置には、印刷機の機上で直接製版を行う機上製版印刷機も含まれ、特にこの場合は、CTPはComputer to Pressと読まれることもある。
ところで、印刷機、例えば枚葉印刷機では、湿し水の使用による印刷用紙(枚葉紙)の含有水分や表面性の不均一により、印刷用紙の寸法が広がるファンアウト現象が生じることが知られている。このファンアウト現象は、一般に印刷用紙のくわえ尻側において著しく、印刷用紙のくわえ尻側が扇状に拡がってしまう。
しかも、多印刷ステーション型の枚葉印刷機では、印刷用紙の先端を圧胴の爪で保持しながら中間胴を介して順次、次の印刷ステーションに受け渡しさせながら搬送するため、各胴による圧迫や爪での保持状況によって各ステーション毎のファンアウト量は異なる。具体的には、図10に示すように第1ステーション1C,第2ステーション2C,第3ステーション3C,第4ステーション4Cと進むにつれ印刷用紙の尻が順に徐々に拡がっていく。これは、新聞用の輪転機でも同様であり、帯状の印刷用紙(新聞用紙)は下流にいくにしたがい左右幅方向に拡がっていく。
上述のように従来のCTPシステムにおける製版装置では、見本絵柄を可能な限り忠実に再現すること原則としているために、印刷ステーション毎にファンアウト量が異なるにも拘わらず、全て同一縮尺で絵柄が書込まれる。このため、各印刷ステーション毎で印刷された各色の絵柄は、夫々のファンアウト分だけ色間見当がずれる結果になる。
かかる色間見当のずれを補正するために、従来はファンアウト万力を用いて刷板の尻側を引き延ばし、色間見当を合わせるようにしているが、ファンアウト量に対応する尻拡げ量は左右幅が900mmの場合、その拡げ量が最大200μm前後と極めて少ないために、その調整に熟練を要するという課題がある。また、機上製版印刷機では、版胴の外周面自体に版面部が形成されて版胴の外周面に直接絵柄が書込まれる形式のものがあるが、この場合にはファンアウト万力自体を用いることができない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたものであり、CTPシステムにおいて印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることを可能にした、製版装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の製版装置は、外周面上に版面部を備えるとともに回転によって主走査を行うドラムと、該ドラムの外周面に向けて配設され見本絵柄のデジタルデータに基づき該版面部上に絵柄のドットパターンを選択的に書込む書込装置と、該書込装置を該ドラムの軸と平行方向に移動させることによって副走査を行う移動装置と、該ドラムの回転速度に対する該書込装置の移動速度を印刷条件(紙種、印圧、対応する印刷ステーションの印刷ライン上での位置等)に応じて制御する移動速度制御手段とを備えたことを特徴としている。これにより、該版面部に描画される絵柄を印刷用紙のファンアウトに対応させて見本絵柄に対して左右幅方向に任意に変形させることが可能になる。
この場合、書込装置としては感光性の版面部をレーザ光線等の光線により露光して絵柄パターンを書込むものや、版面部に版材の滴を付着させて絵柄パターンを書込むもの等、印刷用版の作成方式に応じて種々の書込み方式のものが適用される。また、該版面部は絵柄が書込まれることによって印刷用版となる領域であり、該ドラムの外周面上に生版を巻きつけ固定する他、上記の製版装置が機上製版印刷機として構成される場合には、該ドラムに該当する版胴の外周面自体を版面部として用いてもよい。
好ましくは、データベースに該移動速度制御手段による該書込装置の移動速度の制御パターンを印刷用紙の幅方向のファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶しておき、入力手段を介して入力された印刷条件に応じた制御パターンを検索手段により該データベースから検索して、検索された制御パターンに基づき該書込装置の移動速度を制御する。
また、上記の製版装置において、該書込装置が該ドラムの軸方向始端側から中央に進むにつれて該書込装置の移動速度を増加させ、該書込装置が該ドラムの軸方向中央から終端側に進むにつれて該書込装置の移動速度を減少させるように該移動速度制御手段による制御を行ってもよい。これにより、該版面部には見本絵柄に対して左右幅方向に、特に該版面部の中央付近を左右幅方向に拡大された絵柄が描画される。この場合、より好ましくは、該ドラムの軸方向中央における移動速度に対する速度偏差を軸方向始端側と終端側とで対称に設定する。これにより、該版面部には該版面部の中央から左右幅方向に対称的に変形した絵柄が描画される。
さらに、上記の製版装置において、該移動速度制御手段により、該版面部上における該ドラムの回転周期毎の各書込み開始位置が同一間隔になるように、該版面部上での該書込装置の移動速度に応じて該ドラムの非版面部(該ドラムの外周面のうち版面部以外の部分)上での該書込装置の移動速度を制御するようにしてもよい。これにより、該版面部の先端側、すなわち、ファンアウトの少ないくわえ頭側については、絵柄の左右幅を見本絵柄の左右幅に一致させることが可能になる。
この場合、好ましくは、該書込装置が該ドラムの軸方向始端側から終端側に進むにつれて該版面部上での該書込装置の移動速度を増加させるように該移動速度制御手段による制御を行う。これにより、該版面部には見本絵柄に対してくわえ尻側ほど左右幅方向に拡大された台形に変形した絵柄を描画することが可能になる。また、この場合、より好ましくは、該版面部上での該ドラムの軸方向中央における移動速度に対する速度偏差の絶対値を軸方向始端側と終端側とで対称に設定する。これにより、該版面部には該版面部の中央から左右幅方向に対称的な台形状の絵柄が描画される。
また、好ましくは、該書込装置の移動速度を基準速度よりも大きく設定し、該書込装置の移動速度を変化させることなく該設定した速度で定速移動させるように該移動速度制御手段による制御を行う。
また、上記目的を達成するため、本発明の別の製版装置(第2の製版装置)は、外周面上に版面部を備えるとともに回転によって主走査を行うドラムと、該ドラムの外周面に向けて配設され見本絵柄のデジタルデータに基づき該版面部上に絵柄のドットパターンを選択的に書込む書込装置と、該書込装置を該ドラムの軸と平行方向に移動させることによって副走査を行う移動装置と、該ドラムの回転速度に対する該書込装置の書込速度を印刷条件(紙種、印圧、対応する印刷ステーションの印刷ライン上での位置等)に応じて制御する書込速度制御手段と、該書込装置の書込速度に同期させて該ドラムの回転速度に対する該書込装置の移動速度を制御する移動速度制御手段とを備えたことを特徴としている。これにより、該版面部に描画される絵柄を印刷用紙のファンアウトに対応させて見本絵柄に対して縦方向(該ドラムの周方向)に任意に変形させることが可能になる。
好ましくは、データベースに該書込速度制御手段による該書込装置の書込速度の制御パターンを該印刷用紙の縦方向へのファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶しておき、入力手段を介して入力された印刷条件に応じた制御パターンを検索手段により該データベースから検索して、検索された制御パターンに基づき該書込装置の書込速度を制御する。
また、好ましくは、該書込装置の移動速度を基準速度よりも大きく設定し、該書込装置の移動速度を変化させることなく該設定した速度で定速移動させるように該移動速度制御手段による制御を行う。
以上詳述したように、本発明の製版装置(第1の製版装置)によればドラムの回転速度に対する書込装置の移動速度を、印刷条件に応じて制御することにより、版面部に見本絵柄に対して左右幅方向に変形させた絵柄を描画することができるので、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることが可能になる。
特に、データベースに書込装置の移動速度の制御パターンを印刷用紙の幅方向のファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶しておき、このデータベースから検索された制御パターンに基づき書込装置の移動速度を制御することにより、印刷条件に応じた印刷用版を容易に得ることが可能になる。
また、本発明の別の製版装置(第2の製版装置)によれば、ドラムの回転速度に対する書込装置の書込速度を印刷条件に応じて制御するとともに、書込装置の書込速度に同期させてドラムの回転速度に対する書込装置の移動速度を制御することにより、版面部に見本絵柄に対して縦方向に変形させた絵柄を描画することができるので、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることが可能になる。
特に、データベースに書込装置の書込速度の制御パターンを印刷用紙の縦方向のファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶しておき、このデータベースから検索された制御パターンに基づき書込装置の書込速度を制御することにより、印刷条件に応じた印刷用版を容易に得ることが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかる製版装置を示すものである。
図1に示すように、本実施形態にかかる製版装置は、外面ドラム方式の製版装置であり、従来同様に、外周面に生版5を装着されたドラム3と、ドラム3の外周面に向けて配設された書込装置4と、書込装置4をドラム3の軸方向に移動させるトラバーサ(移動手段)2とを備えている。
ドラム3の回転軸にはドラム駆動装置9とロータリエンコーダ6とが取り付けられている。ドラム駆動装置9は、ドラム3を一方向に一定速度で高速回転させるようになっている。また、ロータリエンコーダ6は、ドラム3の回転に同期してパルス信号を出力するようになっている。ロータリエンコーダ6から出力されるパルス信号のうち、A,B相信号はドラム3の回転速度(回転周波数)の検出に用いられ、Z相信号はゼロ点の検出に用いられる。また、A,B,Z相信号により、ドラム3の回転位相を正確に検出することができる。
トラバーサ2は、ドラム3の軸と平行に配設され書込装置4に螺合するネジ棒7と、ネジ棒7を回転させるトラバース駆動装置8とから構成されている。トラバース駆動装置8によるネジ棒7の回転によって、書込装置4のドラム3の軸方向への移動が実現される。トラバース駆動装置8には、図示しないロータリエンコーダが備えられており、ネジ棒7での書込装置4の位置は、このロータリエンコーダの回転数と回転位相角によって検出される。
また、書込装置4は、レーザの照射により未露光の生版5上の版面部(絵柄の書込み可能領域)3Aを選択的に露光して絵柄パターン(絵柄を構成するドットパターン)を書込む方式のレーザ書込装置として構成されている。書込装置4の内部には、複数の半導体レーザ発信器が備えられており、一度に複数点のドットパターンを得ることが可能になっている。本実施形態では、書込装置4によるレーザの照射タイミング(すなわち、版面部3Aへの絵柄の書込みタイミング)とトラバース駆動装置8による書込装置4の軸方向への移動速度を、以下に説明する制御装置10によって制御している。
制御装置10は、印刷用画像データ生成装置11,画像バッファ12,レーザドライバ13,画像開始トリガ発生装置14,エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15,トラバース速度指示装置16,検索装置17,データベース18及び変換係数指示装置19から構成されている。
まず、書込装置4によるレーザの照射タイミングの制御について説明すると、本制御は、印刷用画像データ生成装置11,画像バッファ12,レーザドライバ13,画像開始トリガ発生装置14,エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15及び変換係数指示装置19を用いて行われる。
印刷用画像データ生成装置11は、上流工程から取り込まれる各色の原稿データから印刷用の画像データ(見本絵柄のデジタルデータ)を生成する装置である。具体的には、ここでは印刷用画像データ生成装置11としてRIP(Raster Image Processor)が用いられており、このRIPによって、ページ記述言語で記述された画像、文字、図形を包括したテキストデータ(原稿データ)がビットデータ(画像データ)に変換される。印刷用画像データ生成装置11で生成された画像データは、画像バッファ12に格納される。
画像バッファ12に格納された画像データは、画像開始トリガ発生装置14からの画像開始トリガ信号をドラム3の一回転周期毎の送信開始タイミングとして、エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15による描画クロック信号に基づいてシリアルにレーザドライバ13に送信される。レーザドライバ13は、画像バッファ12から送信された画像データと同期をとって書込装置4内の各レーザ発信器にレーザ出力信号を出力する。そして、書込装置4内の各レーザ発信器は、このレーザドライバ13からのレーザ出力信号の入力を受けてレーザを生版5に向けて照射する。
なお、画像開始トリガ発生装置14は、ロータリエンコーダ6からのZ相信号からドラム3の位相のゼロ点を検出して画像開始トリガ信号を発生させている。ここでは、ドラム3上の回転周期毎の各書込み開始位置の位相をゼロ点に対応させている。また、エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15は、ロータリエンコーダ6からのA,B相信号からエンコーダ周波数(ドラム3の回転周波数)を検出し、検出したエンコーダ周波数を描画周波数に変換して、得られた描画周波数に基づき描画クロック信号を発生させている。このエンコーダ周波数−描画周波数変換装置15には、エンコーダ周波数を描画周波数に変換する際の変換係数を可変指示する変換係数指示装置19が付設されている。この変換係数指示装置19は、後述する検索装置17からの信号に基づいて変換係数を指示している。なお、エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15及び変換係数指示装置19としては、PLL(Phase-Locked Loop)回路を用いることができる。
次に、トラバース駆動装置8による書込装置4の軸方向への移動速度の制御について説明すると、本制御は、トラバース速度指示装置16,検索装置17及びデータベース18を用いて行われる。
トラバース速度指示装置16は、ロータリエンコーダ6からのA,B相信号からドラム3の回転速度を検出するとともに、同時にロータリエンコーダ6からのZ相信号からドラム3の回転位相を検出する。また、トラバース駆動装置8に備えられた図示しないロータリエンコーダからの信号(トラバース位置信号)に基づき、書込装置4の軸方向位置を検出する。そして、これらの検出情報と、検索装置17で検索された制御パターンに基づき書込装置4の軸方向への移動速度を指示する信号(トラバース速度指示信号)をトラバース駆動装置8に出力する。
上記の制御パターンは、本実施形態では、書込装置4がドラム3の軸方向始端側から終端側に進むにつれて版面部3A上での移動速度が基準速度(ファンアウトがない場合の移動速度)よりも遅い速度から基準速度よりも速い速度に次第に増加していくとともに、版面部3A上におけるドラム3の回転周期毎の各書込み開始位置が同一間隔になるように設定されている。この設定は、印刷用紙のファンアウト、特に、枚葉紙のようにくわえ頭側からくわえ尻側にかけて次第に左右幅方向に台形状に広がるようなファンアウトに対応している。
図2は、制御パターンの具体例について示すタイムチャートである。図2に示すように、本実施形態では、版面部3Aと非版面部(ドラム3の外周面から版面部3Aを除いた、絵柄が書込まれない領域)3Bとの間で書込装置4の移動速度の切り替えを行っている。これは、版面部3Aと非版面部3Bとで平均すれば基準速度になるように、版面部3Aでの基準速度に対する遅延(増速)量に応じて非版面部3Bの速度を調整するようにしたものである。
具体的には、軸方向の始端側では、版面部3Aにおける移動速度は基準速度よりも低く設定し、非版面部3Bにおける移動速度は基準速度よりも高く設定している。そして、軸方向の終端側に進むにつれ、版面部3Aにおける移動速度は次第に増加させ、非版面部3Bにおける移動速度は版面部3Aにおける移動速度と逆比例的に次第に低下させていき、軸方向の中央付近(版中央付近)において版面部3A,非版面部3Bともに基準速度に略一致させるとともに、版面部3A,非版面部3B間の速度の大小関係を逆転させている。また、版面部3Aとそれに続く非版面部3Bとの間の速度の関係は、各書込み開始位置(非版面部3Bから版面部3Aへ切替わる位置)間の距離が等しくなるように、すなわち、図2中に示す版面部3Aでの移動速度を示す線と基準速度線とで囲まれる面積A1と、非版面部3Bでの移動速度を示す線と基準速度線とで囲まれる面積A2とが等しくなるように設定されている。
なお、図2中における時間軸上での版面部3Aの長さ(時間長)T1と非版面部3Bの長さ(時間長)T2とは、ドラム3の周方向における版面部3A,非版面部3Bのそれぞれの長さとドラム3の回転周期とで決まる長さである。例えば、ドラム3の周長が900mmで、そのうち版面部3Aが600mmであり、ドラム3が300msecで1回転するものとすれば、T1は200msecとなり、T2は100msecとなる。
ドラム3の回転による主走査と書込装置4の移動による副走査とにより、生版5の版面部3Aには絵柄がスパイラル状に斜め方向に書込まれていくが、上記のような制御パターンで書込装置4の移動速度を制御することによって、版面部3A上での書込装置4の移動軌跡(絵柄の描画ライン)は図3(a)に示すようになる。なお、図中の実線で示す軌跡が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの描画ラインであり、2点鎖線で示す軌跡は、基準速度で書込装置4を移動させたときの描画ラインである。いずれのラインもドラム回転方向に対する角度は斜きをわかり易くするために誇張して示している。
図3(a)に示すように、描画ラインが主走査方向(ドラム3の回転方向)に対してなす角度αは、軸方向始端側(描画開始側)では基準速度で書込む時の角度よりも小さく、版面中央付近で基準速度による書込み時の角度と略等しくなり、軸方向終端側(描画終了側)では基準速度による書込み時の角度よりも大きくなる。これにより、描画ラインの間隔は書込開始位置では基準速度による書込み時と等しいものの、くわえ尻側にかけて次第に拡がっていく。このため、版面部3Aに描画される絵柄は、図3(b)に示すように、印刷用紙のファンアウトと同様に、くわえ頭側からくわえ尻側にかけて次第に左右幅方向に台形状に拡大されることになる。なお、図中の2点鎖線で示す領域は、基準速度で書込装置4を移動させたときの絵柄の描画領域を示し、実線で示す領域が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの絵柄の描画領域を示している。
本実施形態では、上記のような制御パターンを印刷条件毎に用意してデータベース18に記憶している。印刷条件とは、紙種や印圧その他の印刷用紙のファンアウトに影響する条件である。また、版が装着される印刷ステーションの印刷ライン上での位置もこの印刷条件に含まれる。例えば、伸びやすい紙と伸びにくい紙とでは、伸びやすい紙のほうがファンアウトは大きくいので、伸びやすい紙ほど絵柄が左右幅方向に広がるような制御パターンとする。また、印刷ステーションの位置については、下流の印刷ステーションほどファンアウトが大きくなるので、下流の印刷ステーションほど絵柄が左右幅方向に広がるような制御パターンとする。具体的には、軸方向始端側及び軸方向終端側における基準速度(版中央付近の速度)に対する書込装置4の移動速度の速度偏差を大きく設定する。
また、データベース18には、制御パターンとともに印刷条件に応じた変換係数の値も記憶されている。この変換係数は、エンコーダ周波数−描画周波数変換装置15での周波数変換に用いられる係数であり、変換係数の大きさに応じて書込装置4による描画速度が変化することになる。例えば、変換係数が小さいほど描画速度が遅くなって、図4(a)に示すように生版5上での描画ラインは縦方向(ドラム3の周方向)に拡大されることになる。なお、図中の2点鎖線で示す軌跡は、変換係数を基準値に設定した場合の描画ラインであり、実線で示す軌跡は、変換係数を基準値よりも小さく設定した場合の描画ラインである。
印刷用紙のファンアウトは左右幅方向のみならず、縦方向にも生じるので、このように印刷条件に応じて変換係数を可変設定することで、図4(b)に示すように縦方向へのファンアウトにも対応させて絵柄を変形させることが可能になる。なお、図中の2点鎖線で示す領域は、変換係数を基準値に設定した場合の絵柄の描画領域を示し、実線で示す領域が、上記のように変換係数を基準値よりも小さく設定した場合の絵柄の描画領域を示している。
絵柄が周方向に拡大されると、ドラム3の周方向における版面部3Aと非版面部3Bとの割合が変化する。そこで、本実施形態では、この版面部3Aと非版面部3Bとの割合の変化を考慮して図2中における時間軸上での版面部3Aの長さT1と非版面部3Bの長さT2との関係の設定を変換係数の大小に同期させている。すなわち、トラバーサ2による書込装置4の移動速度を、書込装置4の書込速度に同期させて制御している。具体的には、変換係数が小さくなるほど版面部3Aがドラム3の周方向に伸張されるので、版面部3Aが伸びた分だけT1を長く設定し、逆にその分だけT2を短く設定する。
検索装置17では、上記のデータベース18から印刷条件に合致した制御パターン及び変換係数を検索する。検索した制御パターンはトラバース速度指示装置16に入力され、変換係数は変換係数指示装置19に入力される。なお、印刷条件は、図示しない入力装置を介して入力される。この入力装置は、キーボード等のオペレータが手入力で入力するものでもよく、下流の印刷工程からオンラインで入力するものでもよい。
以上のように書込装置4によるレーザ照射のタイミング及びトラバーサ2による書込装置4の移動速度が制御されることにより、本実施形態にかかる製版装置によれば、ドラム3上の版面部3Aに、くわえ頭側からくわえ尻側にかけて次第に左右幅方向に台形状に拡大された絵柄を描画することができる。また、同時に縦方向にも拡大された絵柄を描画することもできる。そして、これらの拡大変形量は、制御パターンや変換係数の設定により、印刷条件に応じて任意に設定することができる。
したがって、本実施形態にかかる製版装置によれば、従来のようにファンアウト万力を用いることなく、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることが可能になる。なお、本実施形態にかかる制御方式では、厳密にはくわえ頭側とくわえ尻側とでドットの間隔が一部で異なるが、その量は充分に小さく、問題にならない程度である{例えばドラム3の左右幅を900mm、広げ量を200μとすれば、ドラム3の1回転毎の描画絵柄の隙間は、(200μmm÷10mm/sec÷300msec)=0.7μとなる}。
次に、本発明の第2実施形態について図5,図6を用いて説明する。なお、本実施形態にかかる製版装置は、図1に示す第1実施形態にかかる製版装置と同一構成であるので、以下、第1実施形態と同一の符号を用いて説明する。第2実施形態は、トラバーサ2による書込装置4の移動速度の制御方法、すなわち、制御パターンのみが第1実施形態と異なっている。ここで、図5は、本実施形態にかかる制御パターンの一例を示すタイムチャートであり、図6は図5の制御パターンによる絵柄の書込み状態を示す図である。
本実施形態は、書込装置4の移動速度の切り替えを行わないことによって、第1実施形態よりもトラバーサ2の速度制御を簡略化したものである。すなわち、図5に示すように、本実施形態では、書込装置4の移動速度を基準速度よりも大きく設定し、描画開始から描画終了まで書込装置4の移動速度を変化させることなく、設定した速度で定速移動させている。なお、書込装置4の移動速度の基準速度に対する増分は、後述するように印刷条件に応じて設定されている。また、軸方向の描画開始位置は、絵柄中央が版面部3Aの中央に一致するように移動速度に応じて設定されている。
上記のような制御パターンで書込装置4の移動速度を制御することによって、版面部3A上での書込装置4の移動軌跡(絵柄の描画ライン)は図6(a)に示すようになる。なお、図中の実線で示す軌跡が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの描画ラインであり、2点鎖線で示す軌跡は、基準速度で書込装置4を移動させたときの描画ラインである。
図6(a)に示すように、描画ラインが主走査方向(ドラム3の回転方向)に対してなす角度αは、書込装置4の移動速度が基準速度よりも大きく設定されることによって、基準速度で書込む時の角度よりも大きくなる。これにより、描画ラインの間隔は基準速度で書込む時よりも広がる。このため、版面部3Aに描画される絵柄は、図6(b)に示すように、左右幅方向に一様に拡大されることになる。なお、図中の2点鎖線で示す領域は、基準速度で書込装置4を移動させたときの絵柄の描画領域を示し、実線で示す領域が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの絵柄の描画領域を示している。
本実施形態でも、上記の制御パターンは印刷条件毎に用意されてデータベース18に記憶されている。例えば、ファンアウトが大きい印刷条件に対応する制御パターンは、ファンアウトが小さい印刷条件に対応する制御パターンよりも、左右幅方向への拡大率が大きくなるように、移動速度の基準速度に対する増分を大きく設定されている。また、軸方向の描画開始位置も、絵柄中央が版面部3Aの中央に一致するように制御パターンに応じて印刷条件毎に設定されている。
さらに、第1実施形態と同様に、データベース18には制御パターンとともに印刷条件に応じた変換係数(エンコーダ周波数の描画周波数への周波数変換に用いられる係数)の値も印刷条件毎に記憶されている。そして、トラバーサ2による書込装置4の移動速度とともに、変換係数の大きさに応じて書込装置4による描画速度も可変制御されるようになっている。なお、描画速度が遅くなるほど絵柄は縦方向(ドラム3の周方向)へ拡大されるが、本実施形態でも、絵柄の周方向への拡大による版面部3Aと非版面部3Bとの割合の変化を考慮して、トラバーサ2による書込装置4の移動速度を、書込装置4の書込速度に同期させて制御している。
以上のように、本実施形態にかかる製版装置によれば、ドラム3上の版面部3Aに、見本絵柄に対して左右幅方向に一様に拡大された絵柄を描画することができる。また、同時に縦方向にも拡大された絵柄を描画することもできる。そして、これらの拡大変形量は、制御パターンや変換係数の設定により、印刷条件に応じて任意に設定することができる。
したがって、本実施形態にかかる製版装置によっても、従来のようにファンアウト万力を用いることなく、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易に色間見当を合わせることのできる印刷用版を得ることが可能になる。また、本実施形態によれば、第1実施形態よりも簡単な制御によって印刷用紙のファンアウトに対応することができるという利点がある。特に、枚葉印刷機で印刷される枚葉紙のファンアウトのように、くわえ頭側からくわえ尻側にかけて台形状に変形するようなファンアウトに対しては、第1実施形態の制御パターンにより製版される印刷用版が好適であるが、例えば輪転機で印刷される新聞用紙のファンアウトのように、左右幅方向へ略均一に伸びるようなファンアウトに対しては、本実施形態の制御パターンにより製版される印刷用版が好適である。
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができることは言うまでもない。
上述の実施形態にかかる製版装置の構成によれば、書込装置4の移動速度をドラム3の回転位相や書込装置4の軸方向位置に応じて任意に制御することができる。したがって、書込装置4の移動速度を制御する制御パターンは、上述の各実施形態のものに限定されるものではなく、印刷用紙のファンアウトの状態に応じて任意の制御パターンを設定することが可能である。
一例を挙げると、図7に示すような制御パターンで書込装置4の移動速度を制御することも可能である。具体的には、書込装置4がドラム3の軸方向始端の描画開始位置から版面部3Aの中央付近に進むにつれて書込装置4の移動速度を次第に増加させ、版面部3Aの中央において最高移動速度とする。そして、版面部3Aの中央から軸方向終端の描画終了位置に進むにつれて書込装置4の移動速度を次第に低下させていく。ここでは、軸方向の速度分布を版面部3Aの中央に対して軸方向始端側と終端側とで対称にしており、且つ、描画開始位置付近及び描画終了位置付近における移動速度を基準速度に略一致させている。また、軸方向の描画開始位置は、絵柄中央が版面部3Aの中央に一致するように設定されている。
上記のような制御パターンで書込装置4の移動速度を制御することによって、版面部3A上での書込装置4の移動軌跡(絵柄の描画ライン)は図8(a)に示すようになる。なお、図中の実線で示す軌跡が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの描画ラインであり、2点鎖線で示す軌跡は、基準速度で書込装置4を移動させたときの描画ラインである。
図8(a)に示すように、描画ラインが主走査方向(ドラム3の回転方向)に対してなす角度αは、軸方向始端では基準速度で書込む時の角度に等しく、版面中央付近で最も大きくなり、軸方向終端において再び基準速度で書込む時の角度に等しくなる。これにより、描画ラインの間隔は軸方向始端から版面中央にかけて次第に広がっていき、版面中央から軸方向終端にかけて再び狭まっていく。また、この場合、版面部3Aの縦方向(ドラム3の周方向)における描画ラインの間隔は略等しい。
このため、版面部3Aに描画される絵柄は、図8(b)に示すように、左右幅方向に、特に絵柄中央部において左右幅方向に拡大されることになる。この場合も書込装置4の移動速度は印刷条件に対応して設定され、ファンアウトが大きい印刷条件に対しては、ファンアウトが小さい印刷条件よりも左右幅方向への拡大率が大きくなるように、版中央付近の移動速度が大きく設定される。なお、図中の2点鎖線で示す領域は、基準速度で書込装置4を移動させたときの絵柄の描画領域を示し、実線で示す領域が、上記のように書込装置4の移動速度を制御したときの絵柄の描画領域を示している。
また、上述の実施形態にかかる製版装置では、変換係数指示装置19によりエンコーダ周波数を描画周波数に変換する際の変換係数を可変設定しているが、この変換係数を書込装置4の軸方向位置に応じて可変設定できるようにしてもよい。この場合、書込装置4の軸方向位置に応じた変換係数の設定パターン(制御パターン)を印刷条件毎に予め用意してデータベース18に記憶しておくとともに、トラバース駆動装置8のロータリエンコーダからのトラバース位置信号を変換係数指示装置19に入力可能に構成する。そして、検索装置17で検索された設定パターンとトラバース位置信号とに基づき変換係数の設定値を取得してエンコーダ周波数−描画周波数変換装置15に出力する。これにより、書込装置4による描画速度をドラム3の軸方向位置に応じて変化させることが可能になる。
さらに、ロータリエンコーダ6からのA,B,Z相信号を変換係数指示装置19に入力して、ドラム3の回転位相に応じて変換係数を可変設定できるようにしてもよい。この場合も、ドラム3の回転位相に応じた変換係数の設定パターン(制御パターン)を印刷条件毎に予め用意してデータベース18に記憶しておくのが好ましい。これにより、書込装置4による描画速度をドラム3の回転位相に応じて変化させることが可能になる。
さらに、上述の実施形態のように書込装置4による描画速度を可変にするのではなく、ドラム3の回転速度を印刷条件に応じて可変制御してもよい。これによっても、絵柄を縦方向に変形させることができる。なお、この場合はドラム3の回転速度に応じて書込装置4の移動速度を制御する。さらに、書込装置4の描画速度と、ドラム3の回転速度とをともに印刷条件に応じて可変制御することも可能である。
さらに、上述の実施形態では、本発明を専用の製版装置に適用した場合について説明したが、本発明は、製版装置を内部の一機能として取り込んだ機上製版印刷機にも適用することができる。機上製版印刷機は、版胴(ドラム)の外周面上に生版を装着して絵柄を書込む形式の他、版胴の外周面に直接絵柄を書込む形式もあり、本発明はその何れにも適用することができる。また、絵柄の書込み方式は、上述の実施形態のよう感光性の版面部をレーザ光線等の光線により露光して絵柄パターンを書込む方式に限定されるものではなく、インクジェットのように版面部に版材の滴を付着させて絵柄パターンを書込む方式等、印刷用版の作成方式に応じて種々の書込み方式を用いることができる。
本発明の第1実施形態にかかる製版装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる書込装置の軸方向移動速度の制御パターンを示すタイムチャートである。 図2の制御パターンによる絵柄の書込み状態を示す図であり、(a)は生版上での描画ラインを示す図、(b)は絵柄の描画領域を示す図である。 図3においてさらに書込速度を変化させたときの絵柄の書込み状態を示す図であり、(a)は生版上での描画ラインを示す図、(b)は絵柄の描画領域を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる書込装置の軸方向移動速度の制御パターンを示すタイムチャートである。 図5の制御パターンによる絵柄の書込み状態を示す図であり、(a)は生版上での描画ラインを示す図、(b)は絵柄の描画領域を示す図である。 書込装置の軸方向移動速度の制御パターンの変形例を示すタイムチャートである。 図7の制御パターンによる絵柄の書込み状態を示す図であり、(a)は生版上での描画ラインを示す図、(b)は絵柄の描画領域を示す図である。 (a)は従来の一般的な外面ドラム方式の製版装置の概略構成を示す図であり、(b)は(a)の製版装置による絵柄の書込み状態を示す図である。 多印刷ステーション型の印刷機における印刷ステーション毎の印刷用紙のファンアウト状態を示す図である。
符号の説明
2 トラバーサ
3 ドラム
3A 版面部
3B 非版面部
4 書込装置
5 生版
6 ロータリエンコーダ
7 ネジ棒
8 トラバース駆動装置
9 ドラム駆動装置
10 制御装置
11 印刷用画像データ生成装置
12 画像バッファ
13 レーザドライバ
14 画像開始トリガ発生装置
15 エンコーダ周波数−描画周波数変換装置
16 トラバース速度指示装置
17 検索装置
18 データベース
19 変換係数指示装置

Claims (6)

  1. 印刷用紙に絵柄を印刷するための印刷用版を製版する製版装置であって、
    外周面上に版面部を備えるとともに回転によって主走査を行うドラムと、
    該ドラムの外周面に向けて配設され見本絵柄のデジタルデータに基づき該版面部に絵柄のドットパターンを選択的に書込む書込装置と、
    該書込装置を該ドラムの軸と平行方向に移動させることによって副走査を行う移動装置と、
    該ドラムの回転速度に対する該書込装置の移動速度を印刷条件に応じて制御する移動速度制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、製版装置。
  2. 印刷条件を入力する入力手段と、
    該移動速度制御手段による該書込装置の移動速度の制御パターンを該印刷用紙の幅方向へのファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶したデータベースと、
    該入力手段を介して入力された印刷条件に応じた制御パターンを該データベースから検索する検索手段とを備え、
    該移動速度制御手段は、該検索手段で検索された制御パターンに基づき該書込装置の移動速度を制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の製版装置。
  3. 該移動速度制御手段が、該書込装置の移動速度を基準速度よりも大きく設定し、該書込装置の移動速度を変化させることなく該設定した速度で定速移動させる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の製版装置。
  4. 印刷用紙に絵柄を印刷するための印刷用版を製版する製版装置であって、
    外周面上に版面部を備えるとともに回転によって主走査を行うドラムと、
    該ドラムの外周面に向けて配設され見本絵柄のデジタルデータに基づき該版面部に絵柄のドットパターンを選択的に書込む書込装置と、
    該書込装置を該ドラムの軸と平行方向に移動させることによって副走査を行う移動装置と、
    該ドラムの回転速度に対する該書込装置の書込速度を印刷条件に応じて制御する書込速度制御手段と、
    該書込装置の書込速度に同期させて該ドラムの回転速度に対する該書込装置の移動速度を制御する移動速度制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、製版装置。
  5. 印刷条件を入力する入力手段と、
    該書込速度制御手段による該書込装置の書込速度の制御パターンを該印刷用紙の縦方向へのファンアウトに応じて印刷条件毎に記憶したデータベースと、
    該入力手段を介して入力された印刷条件に応じた制御パターンを該データベースから検索する検索手段とを備え、
    該書込速度制御手段は、該検索手段で検索された制御パターンに基づき該書込装置の書込速度を制御する
    ことを特徴とする、請求項4記載の製版装置。
  6. 該移動速度制御手段が、該書込装置の移動速度を基準速度よりも大きく設定し、該書込装置の移動速度を変化させることなく該設定した速度で定速移動させる
    ことを特徴とする、請求項4又は5記載の製版装置。
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