JP3752111B2 - 機上製版枚葉式印刷機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機上で版胴上に巻回された版に製版を行う機上製版枚葉式印刷機に係り、特に印刷するインキ各色毎に版胴と圧胴を含む複数の印刷機本体を具えた機上製版枚葉式印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より積層状態にある印刷用紙を一枚ずつくわえて加速しながら印刷機本体側に受け渡す給紙装置と、印刷終了後の印刷用紙を積層収納する排紙装置と、該給紙装置と排紙装置間に配設され、インキ供給装置より版胴に巻回されている刷版の絵柄部分にシアン、マゼンダ、イエロー若しくはブラックの対応するインキを転移させ、該インキを圧胴上に搬送されている印刷用紙に順次転移する枚葉式印刷機械は公知であり、かかる印刷機械には、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの各色毎に、版胴と圧胴を含む4つの印刷ステーションを具え、前記各色を順次転移するステーション型印刷機が(特表平6−507353等)が主流である。
【0003】
そしてこのような印刷機の内、特にオフセット印刷機においては、湿し水を使用するために、印刷用紙の含有水分や表面性の不均一により、一般に用紙のくわえじりの印刷画像が扇状に拡がるファンアウト現象が生じる。
然も多印刷ステーション型の印刷機においては、給紙部より供給された印刷用紙の先端を圧胴の爪で保持しながら中間胴を介して順次、次の印刷ステーションに受け渡しさせながら搬送するものであるために、各ステーション毎でファンアウト量が異なる。
【0004】
より具体的には第1印刷ステーション13C(例えばシアン)、第2印刷ステーション13M(例えばマゼンダ)、第3印刷ステーション13Y(例えばイエロー)及び第4印刷ステーション13B(例えばブラック)に進むにつれ用紙の尻が順に徐々に拡がる。(図3(B)参照)
【0005】
一方上記印刷機に用いる刷版は、従来から別の所で作成されたものを、印刷機の版胴に取り付けているが、近年刷版焼付精度向上による刷出し時間の短縮、印刷品質の向上、損紙の低減などの目的で、各印刷ステーションの版胴に夫々対面配置させた製版装置により、版胴表面に取り付けられた未露光の刷材に前記製版装置を利用して印刷機上で印刷絵柄を露光・現像する機上製版装置が存在する。
【0006】
そしてこのような製版装置は、移動軸23により版胴13と平行に移動するレーザ等のビーム書込装置を用いて画像信号を版材に記録するもので、書込装置22より出力される露光信号(ラスターデータ)の出力タイミングに合わせて版胴13の同期回転(主走査方向)と移動軸23による書込装置21の軸方向(副走査方向)の移動を行いながら、露光書込を行うものであるために、版胴13に巻き付けた版面13Aに書き込まれる絵柄(ビットデータ)はスパイラル状に斜め方向に書き込まれることになる。(図3(A)参照)
【0007】
一方、前記版面上に書き込まれる絵柄は前記ラスターデータを可能な限り忠実に再現する事を原則としているために、原稿元データと同一縮尺となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、各印刷ステーション毎にファンアウト量が異なるにも拘わらず、同一縮尺で版面が作成されるために、各印刷ステーション毎で印刷された各色の絵柄は、夫々のファンアウト分だけ色間見当がずれる結果になる。
【0009】
かかる色間見当のずれを補正するために、従来はファンアウト万力を用いて前記刷板の尻側を引き延ばし、色間見当を合せるようにしているが、前記ファンアウト量に対応する尻拡げ量は版胴左右幅が900mmの場合、その拡げ量が最大200μm前後と極めて少ないために、その調整に熟練を要す。
【0010】
本発明はかかる技術的課題に鑑み、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラック等の各色の印刷ステーション毎にファンアウト量が異なる場合にも、各印刷ステーション毎で印刷された各色の絵柄を、夫々のファンアウトに対応させて容易に色間見当を一致させることの出来る機上製版印刷機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明は、周面に版面部と非版面部とが存在する版胴に対面しながら該版胴軸と平行(副走査方向)に移動可能な製版用ビーム書込装置を備えてなる機上製版枚葉式印刷機において、
前記書込装置のビーム出力タイミングに同期させて前記版胴の回転速度と書込装置の移動速度を夫々制御可能に構成した制御手段を設け、
該制御手段により、版面上における版胴回転周期毎の各書込み開始位置を同一間隔に設定するとともに、
前記版面部における前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに増加させ且つ非版面部における前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに減少するように、
若しくは前記版面部における前記相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに減少させ且つ非版面部における前記相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに増加するように、版胴の回転速度と書込装置の副走査方向の移動速度を制御したことを特徴とする。
この場合、上記移動速度を制御するための補正量は、ファンアウトの物理量を補正するために行われるもので、必ずしも一次関数で近似できるものとは限らず、複次関数若しくはファンアウトの物理量に対応したテーブルを用いて補正量を決定しても良い。
【0012】
即ち、より具体的には、前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を版面部側で増加し、非版面部側で減少するように、版胴の回転速度と書込装置の副走査方向の移動速度を制御してもよく、その逆でも良い。更に前記相対的移動速度の版面部における減速若しくは増速量と非版面部における減速若しくは増速量は書き込み装置が版胴の中心より駆動側(主走査方向始端側)か操作端側(主走査方向終端)かによって異なる。
即ち図5に示すように、前記版胴のほぼ中心位置を基準速度(平均速度Av)としてした場合、書き込み装置位置が「駆動端+10」、「駆動端+100」「中央」「操作端+10」「操作端+100」との夫々の位置において、その増減速変化量は、版面部相対速度側においては、「Av−100」、「Av−10」、「Av±0」、「Av+10」「Av+100」のように変化し、一方非版面部相対速度側においては、「Av+250」、「Av+215」、「Av±0」、「Av−215」「Av−250」のように変化する。
請求項記載の発明は、かかる点を特定したもので前記版胴のほぼ中心位置を基準速度として該中心位置を境に、前記書込装置の版胴に対する版面部における相対的移動速度の増速若しくは減速量が、非版面部における減速若しくは増速量に対応して異ならせ、その版胴回転毎の書込み開始位置は常に版面上で同じ間隔を維持するように前記異ならせ量を制御したことを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、前記製版用ビーム書込装置を各色の印刷ステーション毎に備えてなる請求項1記載の機上製版枚葉式多色印刷機に適用させるもので、
前記各ステーション毎の書込装置の版胴に対する相対的移動速度の速度変化量を、各ステーションの上流側より下流側に向け順次異ならせた事を特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1記載の機上製版枚葉式印刷機における具体的な構成を示すもので、版胴の回転角検出手段と、製版用ビーム書込装置における副走査方向の移動速度検出手段と、版胴一回転周期毎の版面への書込みタイミングを検知するタイミング検知手段と、前記タイミング検知手段の信号に基づいて前記版胴若しくは書き込み装置の少なくとも一方の駆動速度を制御する速度制御手段を備え、前記タイミング検知手段の検知信号に基づいて、前記速度制御手段を切り替えて前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を制御したことを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、前記発明の切り替えタイミング部分を具体化したもので、前記非版面部から版面部への速度切り替え、及び前記版面部から非版面部への速度切り替えは版胴一回転周期毎の版面への書込み開始タイミング及び終期タイミングを検知するタイミング検知手段よりの検知信号若しくは、版胴の回転角検出手段よりの検知信号に基づいて行うことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図2は本発明の実施形態にかかる機上製版装置の概略構成図で、1は、インキ供給装置11より版胴13に巻回されている刷版130の絵柄部分にインキを転移させ、該インキを圧胴14上に搬送されている印刷用紙に転移する印刷機本体1で、シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの各色毎の印刷機ステーション1が直列状に並んでおり、中間胴を挟んで次の印刷機本体1の圧胴14に印刷用紙を搬送しながら4色の印刷を行うように構成されている。
【0018】
シアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの各色毎の印刷機本体1は、対応する色のインキ供給装置11、刷板130を巻装させた版胴13、版胴13に対面配置させた製版装置2、インキ供給装置11より刷版130の絵柄部分に転移させたインキをゴム胴15を介して圧胴14に転移し、供給された印刷用紙を圧胴14上でゴム胴5からインキをうけて印刷が行われる。
一方上記刷版12は、版胴13に対面配置させた製版装置2により、版胴13表面、若しくは版胴13表面に取り付けられた未露光の刷板130に前記製版装置2を利用して印刷機上で印刷絵柄を露光・現像するもので、レーザ書込装置21と、該書込装置21をコントロールする書き込み装置コントローラ22よりなる。
【0019】
版胴13に対面する書込装置21はレーザを用いてラスターデータに対応するドットパターンを刷版130に焼き付けるもので、レーザ露光装置、現像装置、定着装置などで構成され、そして上記製版モードで未露光刷板130に露光する場合、露光信号出力タイミングに合わせて版胴13の同期回転と前記書込装置21を支持している移動軸23の回転により前記書込装置21を副走査方向(版胴軸12方向と平行な方向)に移動させながら露光するものである。この時精度の良い版面13Aのドットパターンを得るために、版胴13の回転パルスと前記移動軸23の幅方向位置パルスを書込装置コントローラ22側で取り込んで、制御装置3内のデータサーバ31よりシリアルに読み出された描画データ(ラスターデータ)と同期をとってその位置補正と出力補正を行いながら前記書込装置21内の半導体レーザ発信器に出力する。
【0020】
尚、図1(A)及び図2に示すように、版胴13の回転角パルス(回転位相角)は、版胴軸12に取り付けた版胴駆動モータ25の軸端に設けた版胴エンコーダ12Bよりの回転角信号により高精度に取得され、又前記移動軸23の幅方向位置パルス(副走査方向)は前記移動軸23の軸端若しくは移動軸23を駆動するサーボモータ24等の軸端に設けたエンコーダ23Bの回転数と回転位相角により高精度に取得される。
【0021】
30は本印刷機の制御装置本体で、描画データ生成部32よりの絵柄情報に基づいてインキ供給装置11のインキキー開度調整と圧胴14や版胴13、移動軸23等の回転を行う駆動モータ25やサーボモータ24の回転制御を行う。
より具体的には、制御装置本体30は、図1(A)に示すように、版胴駆動モータ25の速度一定制御部30Bと、移動軸サーボモータ24について、版胴エンコーダ12Bよりの信号を受けて版面部と非版面部で速度切り替えを行う速度切り替え制御部30Aよりなる。そして前記速度切り替え制御部30Aの速度設定は、紙種や版材種類等に基づいて補正マップより得られる補正信号により演算回路28で設定される。
【0022】
図2に戻り、描画データ生成部32は、客先上流システムより対応する各色の画像データ(現像データ)を取り込んで、これをビットマップ状に展開してラスター状の描画データを作成する。そして前記作成された描画データは、データサーバ31に蓄えられる。
そしてデータサーバに書き込まれた描画データはデータクロックに基づいてシリアルに書き込み装置コントローラ22側に送信される。
【0023】
次にかかる構成に基づく、特に本発明の対応する部分を図2に基づいて説明する。
先ず前記版胴軸12側のエンコーダ12Bは版胴13の回転角検出手段、又製版用ビーム書込装置21における移動軸23Aのエンコーダ23Bは、副走査方向の移動速度検出手段、書き込み装置コントローラ22は版胴一回転周期毎の版面への書込みタイミングを検知するタイミング検知手段として夫々機能し、又前記タイミング検知手段の信号に基づいて前記版胴と書き込み装置の駆動速度を制御する速度制御手段は制御装置本体30、サーボモータ24及び版胴の駆動モータ25として構成される。
【0024】
そして本実施例においては、前記版胴13には版面部13A(ここで版面部とは版胴13に巻回された刷版130位置若しくは該刷版130にデータが書き込まれる版面位置のいずれか一方を指す。)と非版面部相互間に移行する際に、速度切り替えが行われるが、その速度切り替えはファンアウト量に対応して行われるために、基本的にはデータの描画ライン方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)のライン間の幅を制御すればよい。そしてこのような副走査方向の制御は、書き込み装置21が移動軸23により副走査方向に移動制御されているために、書き込み装置21よりのデータ出力クロックと版胴の回転速度を高精度に一定に維持しつつ、移動軸23に基づく書き込み装置21の移動速度を変化させればよいことが理解できる。
【0025】
そして前記非版面部13Bから版面部13Aへの速度切り替え、及び前記版面部13Aから非版面部13Bへの移動軸23の回転速度切り替えは前記制御装置本体30内の速度切り替え制御部30Aにより行われるが、この場合、版胴一回転周期毎に書き込みコントローラ22より得られる版面への書込み開始及び終期タイミングを検知する垂直同期信号等により行ってもよく、又、版胴エンコーダ12Bの回転角位相パルスのいずれから行っても良い。
特に本発明では、版面上における版胴回転周期毎の各書込み開始位置を同一間隔に設定する必要から版面部13Aへの速度切り替えは垂直同期信号に基づいて精度良く行うのがよく、一方、前記版面部13Aから非版面部13Bへの速度切り替えは、ファンアウト量に基づいて版面部13Aで遅延(増速)した遅延量を戻すための速度切り替えであるために、特別な高精度は必要なく、版胴エンコーダ12Bの回転角位相パルスにより速度切り替え行えばよい。
【0026】
次に本発明の実施形態の動作を図1及び図4に基づいて具体的に説明する。
即ち、各印刷ステーションでは、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ、前記書込装置21の版胴に対する相対的移動速度を版面部13A側で増加し、非版面部13B側で減少するように、版胴の回転速度と書込装置の副走査方向の移動速度を制御する。
例として夫々の版胴軸と平行な移動軸23を10mm/secの速度(副走査方向の速度)で移動しながらデータを書き込む書込装置21がシアン、マゼンダ、イエロー及びブラックの各色毎の印刷ステーション(13C、13M、13Y、13B)に配置されている場合、前記各ステーション毎の書込装置21の版胴に対する相対的移動速度を版面部13Aと非版面部13B間で逆比例的に速度変化させるとともに、その速度変化量を、各ステーションの上流側より下流側に向け順次異ならせることによりファンアウト万力を用いずに、色間見当を合せることができる。
【0027】
そして図1(B)に示すように、、加減速度を無視すれば、「版面部13A」と、「非版面部13B」における移動速度は、
副走査方向書き始めライン側では、
「版面部13A」=M−(αn/2)mm/sec
「非版面部13B」=M+(αn)mm/sec
副走査方向中央ライン位置では、
「版面部13A」=Mmm/sec
「非版面部13B」=Mmm/sec
副走査方向最終ライン側では、
「版面部13A」=M+(αn/2)mm/sec
「非版面部13B」=M−(αn)mm/sec
【0028】
この場合、印刷用紙毎にファンアウト量は異なると予想されるので、図1(A)に示すように、用紙毎の補正データを納めた補正マップ29より得られた補正データにより演算回路28で、印刷データ書込時に印刷条件から最適な補正量を算出することでファンアウトに起因する見当ずれを抑止することができる。
例えば版面上の絵柄は図3(B)に示すように各色の印刷ステーション(13C、13M、13Y、13B)毎にくわえ尻側だけ順次50μmずつ副走査方向に伸びた形で描画されるとすると、第1印刷ステーション13Cでは50μm、第2印刷ステーション13Mでは100μm、第3印刷ステーション13Yでは150μm、第4印刷ステーション13Bでは200μm広げる必要がある。
そして前記各ステーション(13C、13M、13Y、13B)毎の版胴周長は900mmで、そのうち版が存在するのは600mm、版胴は300msec(主走査方向)で1回転すると、版胴中の版面が存在する「版面部13A」と、版胴中の版が存在しない部分にあたる「非版面部13B」との間の主走査方向の時間比が、「200msec/100msec」=2/1であるとする。
【0029】
尚、例えば図4に示すように、前記Mが10mm/secの場合、第1ステーションではα1:0.25mm/sec、第2ステーションではα2:0.5mm/sec、第3ステーションではα3:0.75mm/sec、第4ステーションではα4:1mm/secとなるように設定する。
より具体的には、例えば第2ステーションにおける
副走査方向書き始めライン側では、
「版面部13A」=9.5mm/sec、「非版面部13B」=11mm/sec
副走査方向中央ライン位置では、
「版面部13A」=10mm/sec、「非版面部13B」=10mm/sec
副走査方向最終ライン側では、
「版面部13A」=10.5mm/sec、「非版面部13B」=9mm/sec
となるように副走査方向の速度制御を徐々に1回転毎に行う。これにより前記速度変化にも関わらず、版胴回転毎の書込み開始位置は常に版面上で同じ間隔を維持するように厳密な速度&位置制御を行う事が出来る。
【0030】
これにより図4に示すように、各印刷ステーションの版面の主走査方向始端側の各回転周期毎の副走査方向のライン間隔はmと一定になるように設定し、一方主走査方向終端側の各回転周期毎の副走査方向のライン間隔は、描画開始ラインでは、その傾き量は(n−α:第1ステーション、n−2α:第2ステーション、…)、描画中央ラインでは、その傾き量は(n:第1ステーション、n:第2ステーション、…)、描画最終ラインでは、その傾き量は(n+α:第1ステーション、n+2α:第2ステーション、…)mとなるように設定することができる。
【0031】
尚、本方式では、厳密にはくわえ頭側とくわえ尻側でドットの間隔が一部で異なるが、その量は充分にちいさい(版胴左右幅を900mm、広げ量を200μとすれば、版胴回転毎の描画絵柄の隙間は、(200μmm÷10mm/sec÷300msec)=0.7μとなる。)ために問題とならない。
【0032】
【発明の効果】
以上記載のごとく発明によれば、印刷用紙のファンアウトに対応させて容易にドット見当を一致させることの出来る刷板を得ることが出来る。
又請求項2及び3記載の発明によれば、各色の印刷ステーション毎にファンアウト量が異なる場合にも、各印刷ステーション毎で印刷された各色の絵柄を、夫々のファンアウトに対応させて容易に色間見当を一致させることの出来る。
【0033】
請求項4及び5記載の発明によれば、前記効果を一層高精度に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の要部構成に係る制御ブロック図、(B)はそのタイムチャート図である。
【図2】 図2は本発明の実施形態にかかる機上製版装置の概略構成図である。
【図3】 (A)はラスターデータ書き込み装置の概略図とその書き込み状態を示す。(B)は各印刷ステーション毎の印刷用紙のファンアウト状態を示す。
【図4】 本発明の実施例に係る版胴上における書き込み速度を示す。
【図5】 前記版胴のほぼ中心位置を基準速度(平均速度Av)とした場合、書き込み装置位置が駆動端側より操作端側の夫々の位置において、版面部相対速度側と非版面部相対速度側の増減速度変化量を示す。

Claims (5)

  1. 周面に版面部と非版面部とが存在する版胴に対面しながら該版胴軸と平行(副走査方向)に移動可能な製版用ビーム書込装置を備えてなる機上製版枚葉式印刷機において、
    前記書込装置のビーム出力タイミングに同期させて前記版胴の回転速度と書込装置の移動速度を夫々制御可能に構成した制御手段を設け、
    該制御手段により、版面上における版胴回転周期毎の各書込み開始位置を同一間隔に設定するとともに、
    前記版面部における前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに増加させ且つ非版面部における前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに減少するように、
    若しくは前記版面部における前記相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに減少させ且つ非版面部における前記相対的移動速度を、前記版胴の副走査方向始端側より終端側に進むに連れ版胴回転周期ごとに増加するように、版胴の回転速度と書込装置の副走査方向の移動速度を制御したことを特徴とする機上製版枚葉印刷機。
  2. 前記版胴のほぼ中心位置を基準速度として該中心位置を境に、前記書込装置の版胴に対する版面部における相対的移動速度の増速若しくは減速量が、非版面部における減速若しくは増速量に対応して異ならせ、その版胴回転毎の書込み開始位置は常に版面上で同じ間隔を維持するように前記異ならせ量を制御したことを特徴とする請求項1記載の機上製版枚葉式印刷機。
  3. 前記製版用ビーム書込装置を各色の印刷ステーション毎に備えてなる請求項1記載の機上製版枚葉式多色印刷機において、
    前記各ステーション毎の書込装置の版胴に対する相対的移動速度の速度変化量を、各ステーションの上流側より下流側に向け順次異ならせたことを特徴とした機上製版枚葉式印刷機。
  4. 請求項1記載の機上製版枚葉式印刷機において、
    版胴の回転角検出手段と、製版用ビーム書込装置における副走査方向の移動速度検出手段と、版胴一回転周期毎の版面への書込みタイミングを検知するタイミング検知手段と、前記タイミング検知手段の信号に基づいて前記版胴若しくは書き込み装置の少なくとも一方の駆動速度を制御する速度制御手段を備え、前記タイミング検知手段の検知信号に基づいて、前記速度制御手段を切り替えて前記書込装置の版胴に対する相対的移動速度を制御したことを特徴とする機上製版枚葉式印刷機。
  5. 前記非版面部から版面部への速度切り替え、及び前記版面部から非版面部への速度切り替えは、版胴一回転周期毎の版面への書込み開始タイミング及び終期タイミングを検知するタイミング検知手段よりの検知信号若しくは、版胴の回転角検出手段よりの検知信号に基づいて行うことを特徴とする請求項4記載の機上製版枚葉式印刷機。
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