JP2009523902A - 洗剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特定のリパーゼ変異体および光漂白剤を含む組成物、並びに、このような組成物を生成および使用する方法に関するものである。このような組成物を特定の場所の洗浄および/または処理に使用することを含む。

Description

本発明は、リパーゼおよび光漂白剤を含む組成物、並びに、このような製品を製造および使用するための方法に関するものである。
洗剤用途に適しているリパーゼ酵素の出現によって、配合者は油脂の除去を向上させる新たなアプローチを得た。このような酵素は、一般的に見られる多くの脂肪質汚れ(皮脂、動物脂(例えばラード、ギー、バター)、植物油(例えばオリーブ油、ひまわり油、ピーナッツ油)など)の主構成要素を形成するトリグリセリドの加水分解を触媒する。しかしながら、これらの酵素は一般に、第1の洗浄サイクルでは性能が弱く、多くの場合、牛乳、クリーム、バター、ヨーグルトなどの乳製品の汚れに存在する脂肪の加水分解に起因すると考えられる悪臭を伴う。理論に束縛されるものではないが、このような汚れは、短鎖(例えばC)脂肪族アシル単位で官能化されているトリグリセリドを含んでおり、脂肪分解後に、前記脂肪族アシル単位が、悪臭を伴う揮発性脂肪酸を放出するため、リパーゼ誘導性の悪臭を発生させる傾向があると考えられる。このような酵素の性能を向上させたとしても、悪臭の問題は残る。従って、この技術の使用は非常に限られている。
光漂白剤とある種のリパーゼ変異体を組み合わせると、清浄性能効果が向上する一方で、許容不能な悪臭が最小限に収まることを我々は発見した。理論に束縛されるものではないが、リパーゼと光漂白剤の相乗作用によりカロチノイド、アントシアニン、ポルフィリン、タンニン、およびフラビン物質、例えばカレー、唐辛子ソース、トマト系パスタソース、コーヒー、紅茶などを含む染みの除去が向上し、更に洗濯後、例えば洗浄または処理部分の乾燥時などに光漂白剤によりリパーゼ酵素が酸化されて悪臭が減少するというメカニズムによって、このような効果が生じると考えられる。
本発明は、光漂白剤と、C末端伸張の付着がなく悪臭生成の可能性が軽減されているとともに優れた相対性能を備えるリパーゼ変異体を含む組成物に関する。このようなリパーゼ変異体は、親リパーゼ内で同定される1つ以上の領域内に突然変異体を組み入れることによって得られる。従って、得られた変異体はリパーゼ活性を備えるはずであり、相対性能として表した場合に親リパーゼの活性の80%以上である。
配列リスト
配列番号1は、サーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)由来のリパーゼをエンコードするDNA配列を示している。
配列番号2は、サーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号3は、アブシディアレフレクサ(reflexa)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号4は、アブシディアコリンビフェラ由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号5は、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号6は、リゾプスオリゼー由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号7は、アスペルギルスニガー由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号8は、アスペルギルスツビンゲンシス(tubingensis)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号9は、フザリウムオキシスポラム(oxysporrum)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号10は、フザリウムヘテロスポラム(heterosporum)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号11は、アスペルギルスオリゼー由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号12は、ペニシリウムカマンベルティ由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号13は、アスペルギルスフォエティダス由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号14は、アスペルギルスニガー由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号15は、アスペルギルスオリゼー由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
配列番号16は、ランデリナペニサポラ(Landerina penisapora)由来のリパーゼのアミノ酸配列を示している。
定義
本明細書で使用する時、「洗浄組成物」という用語は、他に指示がない限り、顆粒または粉末形態の万能または「重質」洗浄剤、特に洗濯洗剤、液体、ゲルまたはペースト形態の万能洗浄剤、特にいわゆる重質液体型、液体の高級布地用洗剤、手洗い食器洗浄剤、または軽質食器洗浄剤、特に高起泡型のもの、種々の錠剤、顆粒、液体および家庭および企業での使用のためのリンス補助型を含む機械食器洗浄剤、抗菌ハンドウォッシュ型、洗濯バー、うがい薬、義歯クリーナー、車またはカーペット用シャンプー、浴室クリーナーを含む液体洗浄剤および消毒剤、ヘアシャンプーおよびヘアリンス、シャワージェルおよび泡バスおよび金属クリーナー、並びに、漂白添加物質および「染み用スティック」、または前処理型のような洗浄補助剤を含む。
本明細書で使用する時、「独立して、〜から成る群から選択される」という言い回しは、引用されるマルクーシュ群から選択される部分または要素が同じか、異なるか、または任意の要素の混合物であってもよいことを意味する。
本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いて、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めなければならない。
特に記載のない限り、構成成分または組成物の濃度はすべて、前記構成成分または組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒または副生成物は除外されている。
百分率および比率はすべて、特に指示がない限り、重量で計算されている。百分率および比率はすべて、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算されている。
本明細書を通じての所与のあらゆる最大数値限定には、あたかもこうしたより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さいすべての数値限定が含まれると理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含まれる。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲には、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含まれる。
引用するすべての文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈すべきではない。
組成物
本発明の組成物は典型的に、約0.0001%〜約1%、約0.0002%〜約0.5%、または約0.0005%〜約0.3%の光漂白剤、および約0.001%〜約0.05%、または約0.002%〜約0.03%のリパーゼを含んでいる。
このような組成物は、いずれの形状、例えば洗浄組成物および/または処理組成物の形状などをとってよい。
前述の洗浄組成物のいずれかの態様のバランスは、1つ以上の補助剤で保たれている。
適切なリパーゼ変異体
本発明の組成物のリパーゼは、C末端伸張はないが、親リパーゼの特定領域内に突然変異体を持つことによって、悪臭生成の傾向が軽減されるリパーゼ変異体である。
親リパーゼ
親リパーゼは、「相同性とアラインメント」の項の定義に従った場合、配列番号2に示されているT.ラノギノサス(lanuginosus)の配列に対する相同性が少なくとも50%であるアミノ酸配列を有する真菌性リパーゼであってよい。
親リパーゼは、カンジダ、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア、サッカロミセス、シゾサッカロミセス、またはヤロウィア(Yarrowia)ポリペプチドなどの酵母ポリペプチド、またはより好ましくは、アクレモニウム、アスペルギルス、オーレオバシディウム、クリプトコッカス、フィロバシディウム、フザリウム、フミコラ、マグナポルテ、ムコール、マイセリオフソラ(Myceliophthora)、ネオカリマスティクス、ニューロスポラ、ペシロミセス、ペニシリウム、ピロミセス、シゾフィラム、タラロミセス、サーモアスカス(Thermoascus)、ティラビア(Thielavia)、トリポクラディウム(Tolypocladium)、またはトリコデルマポリペプチドなどの糸状菌ポリペプチドであってよい。
好ましい態様では、親リパーゼは、リパーゼ活性を有する、サッカロミセスカールスベルゲンシス、サッカロミセスセレヴィシエ、サッカロミセスジアスタティカス(diastaticus)、サッカロミセスダグラシー(douglasii)、サッカロミセスクルイベリ(kluyveri)、サッカロミセスノルベンシス(norbensis)、またはサッカロミセスオビフォーミス(oviformis)ポリペプチドである。
別の好ましい態様では、親リパーゼは、アスペルギルスアクレアタス(aculeatus)、アスペルギルスアワモリ、アスペルギルスフミガタス、アスペルギルスフォエティダス、アスペルギルスジャポニカス、アスペルギルスニダランス、アスペルギルスニガー、アスペルギスルオリゼー、アスペルギスルタービゲンシス(turbigensis)、フザリウムバクトリジオイデス(bactridioides)、フザリウムセレアリス(cerealis)、フザリウムクルークウェレンス(crookwellense)、フザリウムセルモラム、フザリウムグラミネアラム、フザリウムグラミナム(graminum)、フザリウムヘテロスポラム(heterosporum)、フザリウムネグンジ(negundi)、フザリウムオキシスポラム、フザリウムレティキュラタム(reticulatum)、フザリウムロゼウム、フザリウムサンブシウム(sambucinum)、フザリウムサルコクロウム(sarcochroum)、フザリウムスポロトリキオイデス、フザリウムサルフレウム(sulphureum)、フザリウムトルローサム(torulosum)、フザリウムトリコセシオイデス(trichothecioides)、フザリウムベネナタム(venenatum)、フミコラインソレンス、サーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)(別名:フミコララヌギノーズ(lanuginose))、ムコールミエヘイ(miehei)、マイセリオフソラサーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラクラッサ、ペニシリウムパルロゼラム、トリコデルマハルジアナム、トリコデルマコニンギ、トリコデルマロンギブラキアタム(longibrachiatum)、トリコデルマリーセイ(reesei)、またはトリコデルマビリデポリペプチドである。
別の好ましい態様では、親リパーゼはサーモミセス(Thermomyces)リパーゼである。
より好ましい態様では、親リパーゼはサーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)リパーゼである。更に好ましい実施形態では、親リパーゼは、配列番号2のリパーゼである。
領域と置換の同定
以下で領域I〜領域IVと称されている位置は、配列番号2のアミノ酸残基の位置である。異なるリパーゼの相当(または相同)位を見つけるには、「相同とアラインメント」の部分に記載されている手順を用いる。
領域Iの置換
領域Iは、N末端残基E1を取り囲んでいるアミノ酸残基から構成されている。この領域では、より正に荷電したアミノ酸で、親リパーゼのアミノ酸を置換するのが好ましい。1〜11位および223〜239位に相当するアミノ酸残基が領域Iに含まれている。1位、2位、4位、8位、11位、223位、227位、229位、231位、233位、234位、および236位が特に興味深い。とりわけ、X1N/*、X4V、X227G、X231R、およびX233Rの置換が同定されている。
好ましい実施形態では、親リパーゼの配列番号2に対する同一性は85%または90%など少なくとも80%、例えば少なくとも95%、96%、97%、98%または99%である。最も好ましい実施形態では、親リパーゼは配列番号2と同一である。
領域IIの置換
領域IIは、アシル鎖の片側とアルコール部分の片側で基質と接しているアミノ酸残基から構成されている。この領域では、より正に荷電したアミノ酸で、またはより疎水性の低いアミノ酸で、親リパーゼのアミノ酸を置換するのが好ましい。202〜211位および249〜269位に相当するアミノ酸残基が領域IIに含まれている。202位、210位、211位、253位、254位、255位、256位、259位が特に興味深い。とりわけ、X202G、X210K/W/A、X255Y/V/A、X256K/R、およびX259G/M/Q/Vの置換が同定されている。
好ましい実施形態では、親リパーゼの配列番号2に対する同一性は85%または90%など少なくとも80%、例えば少なくとも95%、96%、97%、98%または99%である。最も好ましい実施形態では、親リパーゼは配列番号2と同一である。
領域IIIの置換
領域IIIは、柔軟な構造を形成するアミノ酸残基から構成されており、このため、基質が活性部位に入り込めるようになっている。この領域では、より塩基性の高いアミノ酸、またはより疎水性の低いアミノ酸で、親リパーゼのアミノ酸を置換するのが好ましい。82〜102位に相当するアミノ酸残基が領域IIIに含まれている。83位、86位、87位、90位、91位、95位、96位、99位が特に興味深い。とりわけ、X83T、X86V、およびX90A/Rの置換が同定されている。
好ましい実施形態では、親リパーゼの配列番号2に対する同一性は85%または90%など少なくとも80%、例えば少なくとも95%、96%、97%、98%または99%である。最も好ましい実施形態では、親リパーゼは配列番号2と同一である。
領域IVの置換
領域IVは、静電気によって表面に結合しているアミノ酸残基から構成されている。この領域では、より正に荷電したアミノ酸で、親リパーゼのアミノ酸を置換するのが好ましい。27位および54〜62位に相当するアミノ酸残基が領域IVに含まれている。27位、56位、57位、58位、60位が特に興味深い。とりわけ、X27R、X58N/AG/T/P、およびX60V/S/G/N/R/K/A/Lの置換が同定されている。
好ましい実施形態では、親リパーゼの配列番号2に対する同一性は85%または90%など少なくとも80%、例えば少なくとも95%、96%、97%、98%または99%である。最も好ましい実施形態では、親リパーゼは配列番号2と同一である。
その他の位置のアミノ酸
親リパーゼは所望により、その他のアミノ酸の置換、具体的にはその他の置換を10個未満または5個未満含んでもよい。例は、親リパーゼの24位、37位、38位、46位、74位、81位、83位、115位、127位、131位、137位、143位、147位、150位、199位、200位、203位、206位、211位、263位、264位、265位、267位、および269位のうちの1つ以上に相当する置換である。ある特定の実施形態では、81位、143位、147位、150位、および249位に相当する位置の少なくとも1つに置換がある。ある好ましい実施形態では、少なくとも1つの置換は、X81Q/E、X143S/C/N/D/A、X147M/Y、X150G/K、およびX249R/I/Lから成る群から選択する。
変異体は、定義済みの領域I〜IVの外に置換を含んでよく、定義済みの領域I〜IVの外の置換の数は、6個未満、または5個未満、または4個未満、または3個未満、または2個未満、例えば、5個または4個または3個または2個または1個であるのが好ましい。あるいは、変異体は、定義済みの領域I〜IV以外では置換を全く含まない。
更に、置換は例えば、例えば、WO92/05249号、WO94/25577号、WO95/22615号、WO97/04079号、およびWO97/07202号に記載されている置換など、当該技術分野において既知の原則に従って生成させてもよい。
親リパーゼの変異体
1つの態様では、変異体は、親と比較した場合、少なくとも合計で3個の置換を含んでおり、置換は、
a)領域Iの置換の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ、
b)領域IIの置換の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ、
c)領域IIIの置換の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ、
d)および/または領域IVの置換の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ、の置換群の1つ以上から選択される。
前記変異体は、その変異体の親に比べて、後掲の表1に列挙される置換に相当する置換を含んでよい。
Figure 2009523902
さらなる特定の実施形態では、親リパーゼは配列番号2と同一であり、表1の変異体は従って以下のとおりである。
Figure 2009523902
アミノ酸修飾に関する命名法
本発明によるリパーゼ変異体について説明する際には、参照しやすくするために、元のアミノ酸:位置:置換済みアミノ酸という命名法を用いる。
この命名法に従うと、例えば、195位でグルタミン酸をグリシンに置換したものはG195Eと表示する。同じ位置でグリシンが欠失したものはG195*と表示し、追加のアミノ酸残基、例えばリジンを挿入したものはG195GKと表示する。特定のリパーゼが、他のリパーゼと比べて「欠失部分」を含み、そのような位置で挿入を行う場合、36位にアスパラギン酸を挿入した時には、*36Dと表示する。複数の突然変異体はプラス記号で区切る。すなわち、R170Y+G195Eは、チロシンをアルギニンに置換した170位の突然変異体とグルタミン酸をグリシンに置換した195位の突然変異体をそれぞれ表している。
X231は、上記のアラインメント手順を適用した場合、231位に当たる親ポリペプチド中のアミノ酸を表す。X231Rは、アミノ酸をRで置換したものを表す。配列番号2では、XはTであり、従ってX231Rは231位のTをRに置換したものを表す。ある位置(例えば231位)のアミノ酸が、アミノ酸の群、例えばRおよびPおよびYから成る群から選択される別のアミノ酸で置換されているような場合、これは、X231R/P/Yによって表されることになる。
いずれのケースでも、IUPACによる1文字または3文字の正式なアミノ酸略称を採用する。
アミノ酸のグループ化
本明細書では、アミノ酸は、pH10における電荷に応じて、負電荷アミノ酸、正電荷アミノ酸、または電気的に中性のアミノ酸に分類される。従って、負電荷アミノ酸はE、D、C(システイン)、およびY、とりわけEおよびDである。正電荷アミノ酸はR、K、およびH、とりわけRおよびKである。中性のアミノ酸は、ジスルフィド架橋の一部を形成している場合、G、A、V、L、I、P、F、W、S、T、M、N、Q、およびCである。同じグループ(負、正、または中性)の別のアミノ酸との置換は同類置換(conservative substitution)という。
中性のアミノ酸は、疎水性または非極性のもの(ジスルフィド架橋の一部としてのG、A、V、L、I、P、F、W、およびC)と親水性または極性のもの(S、T、M、N、Q)に分けてよい。
アミノ酸の同一性
2つのアミノ酸配列または2つのヌクレオチド配列の相関性は、「同一性」というパラメータによって評される。
本発明の目的上、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、エンボス(EMBOSS)パッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0内のニードル(Needle)というプログラムを用いることによって割り出す。ニードル(Needle)プログラムは、S.B.ニードルマン(Needleman)およびC.D.ワンチ(Wunsch)著(1970年)、分子生物学会誌(J. Mol. Biol.)48号、443〜453ページに記載されているグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いる置換マトリクスはBLOSUM62、ギャップオープニングペナルティは10、ギャップエクステンションペナルティは0.5である。
本発明のアミノ酸配列(「本配列」、例えば配列番号2のアミノ酸1〜269)と、異なるアミノ酸配列(「異質配列」という)の同一性の程度は、2つの配列のアライメントの完全一致数を「本配列」の長さまたは「異質配列」の長さのうち短い方で除した値として算出する。この結果をパーセント同一性として表す。
完全一致は、「本配列」と「異質配列」に、同一のアミノ酸残基が重複部分の同じ位置に備わっている場合に発生する。配列の長さは、配列内のアミノ酸残基の数である(例えば配列番号2の長さは269である)。
親リパーゼとT.ラヌギノサス(lanuginosus)リパーゼ(配列番号2)のアミノ酸同一性は少なくとも50%であり、特には、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、95%超、または98%を超える。特定の実施形態では、親リパーゼはT.ラヌギノサス(lanuginosus)リパーゼ(配列番号2)と同一である。
上記の手順は、同一性の計算に加えて相同性の計算とアラインメントでも用いてもよい。本発明の文脈においては、相同性とアラインメントは、以下に記載されているとおりに計算されている。
相同性とアラインメント
本発明の目的上、相同性の程度は、当該技術分野において既知のコンピュータープログラム、例えば、GCGプログラムパッケージに搭載されているGAP(ウィスコンシンパッケージ(Wisconsin Package)プログラムマニュアル、バージョン8、1994年8月、ジェネティックスコンピューターグループ(Genetics Computer Group)、53711米国ウィスコンシン州マジソン、サイエンスドライブ575)(S.B.ニードルスマン(Needleman)およびC.D.ワンチ(Wunsch)(1970年)、分子生物学会誌(Journal of Molecular Biology)、48号、443〜45ページ)によって適切に割り出されてもよい(GAPは、ギャップ生成ペナルティが3.0、ギャップ伸長ペナルティが0.1というギャップポリペプチド配列比較用の設定で用いる)。
本発明では、アブシディアレフレクサ(reflexa)、アブシディアコリムビフェラ、リズムコアミエヘイ(Rhizmucor miehei)、リゾープスデレマ、アスペルギルスニガー、アスペルギルスツビンゲンシス(tubigensis)、フザリウムオキシスポラム、フザリウムヘテロスポラム(heterosporum)、アスペルギルスオリゼー、ペニシリウムカマンベルディ、アスペルギルスフォエティダス、アスペルギルスニガー、サーモミセスラノギノサス(Thermomyces lanoginosus)(別名:フミコララヌギノーサ(Humicola lanuginosa))、およびランデリナペニサポラ(Landerina penisapora)のリパーゼ配列内の相当(または相同)位は、図1に示されているアラインメントによって定義されている。
アラインメントに示されていないリパーゼ配列の相同位を確認するには、当該配列を、図1に示されている配列に揃える。GAPプログラムによって見出された最も相同性の高い配列に対するGAPアラインメントを用いて、その新たな配列を、図1中の本アラインメントに揃える。GAPはGCGプログラムパッケージに搭載されている(ウィスコンシンパッケージ(Wisconsin Package)プログラムマニュアル、バージョン8、1994年8月、ジェネティックスコンピューターグループ(Genetics Computer Group)、53711米国ウィスコンシン州マジソン、サイエンスドライブ575)(S.B.ニードルスマン(Needleman)およびC.D.ワンチ(Wunsch)(1970年)、分子生物学会誌(Journal of Molecular Biology)48号、443〜45ページ)。ギャップ生成ペナルティが3.0、ギャップ伸長ペナルティが0.1というポリペプチド配列比較用の設定を用いる。
親リパーゼとT.ラヌギノサス(lanuginosus)リパーゼ(配列番号2)の相同性は少なくとも50%であり、特には、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、95%超、または98%を超える。特定の実施形態では、親リパーゼはT.ラヌギノサス(lanuginosus)リパーゼ(配列番号2)と同一である。
ハイブリダイゼーション
本発明は更に、リパーゼ活性を持つ分離ポリペプチドであって、厳密性が非常に低い条件、好ましくは厳密性が低い条件、より好ましくは厳密性が中度である条件、更に好ましくは厳密性が中の上である条件、更に好ましくは厳密性が高い条件、最も好ましくは厳密性が非常に高い条件の下で、(i)配列番号1のヌクレオチド178〜660、(ii)配列番号1のヌクレオチド178〜660に含まれているcDNA配列、(iii)(i)若しくは(ii)の部分配列、または(iv)(i)、(ii)、若しくは(iii)の相補鎖とハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドによってエンコードされている分離ポリペプチドに関するものである(J.サンブルック(Sambrook)、E.F.フリッチェ(Fritsch)、およびT.マニアタス(Maniatus)、1989年、「分子クローニング、実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」第2版、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク)。配列番号1の部分配列は、少なくとも100個の連続したヌクレオチド、または好ましくは少なくとも200個の連続したヌクレオチドを含んでいる。更には、前記部分配列は、リパーゼ活性を持つポリペプチド断片をエンコードすることがある。
鎖長が少なくとも100個のヌクレオチドの長いプローブでは、厳密性が非常に低い条件から非常に高い条件は、5X SSPE、0.3%SDS、200μg/mLの断片化変性サケ精子DNA、および厳密性が非常に低い場合と低い場合には25%のホルムアミド、厳密性が中度である場合と中の上である場合には35%のホルムアミド、厳密性が高い場合と非常に高い場合には50%のホルムアミド中、42℃でプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを行った後に、標準的なサザンブロッティング手順を最適に行うものとして定義する。
鎖長が少なくとも100個のヌクレオチドの長いプローブでは、担体物質は最後に、2X SSC、0.2%SDSを用いて、好ましくは少なくとも45℃で(厳密性が非常に低い場合)、より好ましくは少なくとも50℃で(厳密性が低い場合)、更に好ましくは少なくとも55℃で(厳密性が中度である場合)、更に好ましくは少なくとも60℃で(厳密性が中の上である場合)、更に好ましくは少なくとも65℃で(厳密性が高い場合)、最も好ましくは少なくとも70℃で(厳密性が非常に高い場合)、3回、それぞれにつき15分間洗浄する。
DNA配列、発現ベクター、宿主細胞、リパーゼの生成
本発明は、本発明のリパーゼをエンコードするDNA配列、前記DNA配列を組み入れる発現ベクター、およびDNA配列または発現ベクターを含む形質転換宿主細胞を提供する。これらは、当該技術分野において既知の方法によって得られてもよい。
本発明は、リパーゼの生成を促す条件下で前記形質転換宿主細胞を培養し、得られた培養液からリパーゼを回収することによって、リパーゼを生成させる方法も提供する。この方法は、当該技術分野において既知の原理に従って実施してよい。
リパーゼ活性
―中性のpHにおけるトリブチリンのリパーゼ活性(LU)
乳化剤としてアラビアゴムを用いてトリブチリン(グリセリントリブチレート)を乳化させることによって、リパーゼの基質を用意する。続いて、pHスタット滴定実験装置内で、トリブチリンを30℃、pH7または9で加水分解する。リパーゼ活性の1単位(1LU)は、pH7において毎分1マイクロモルの酪酸を放出できる酵素の量に匹敵する。
―ベネフィット・リスク(Benefit Risk)
悪臭リスクの低下との比較による性能を表すベネフィット・リスク係数は、BR=RPavg/Rとして定義する。本明細書に記載のリパーゼ変異体のBRは、1超、1.1超、または更には1超〜約1000であってよい。
―平均相対的パフォーマンス(Average Relative Performance)
平均相対的パフォーマンス(RPavg)を算出する手順は、本明細書の実施例5に記載されている。本明細書に記載されているリパーゼ変異体の(RPavg)は、少なくとも0.8、少なくとも1.1、少なくとも1.5、又、更には少なくとも2〜約1000であってよい。
適切な光漂白剤
適切な光漂白剤としては、触媒光漂白剤および光開始剤が挙げられる。適切な触媒光漂白剤としては、以下の式の水溶性フタロシアニンから成る群から選択される触媒光漂白剤が挙げられる。
Figure 2009523902
式中、
PCはフタロシアニン環構造であり、
MeはZn、Fe(II)、Ca、Mg、Na、K、Al−Z、Si(IV)、P(V)、Ti(IV)、Ge(IV)、Cr(VI)、Ga(III)、Zr(IV)、In(III)、Sn(IV)、またはHf(VI)であり、
はハロゲン化物、サルフェート、ニトレート、カルボキシレート、アルカノレート、またはヒドロキシルイオンであり、
qは0、1、または2であり、
rは1〜4であり、
はスルホ若しくはカルボキシル基、または以下の式のラジカルであり、
SO−R−X 、−O−R−X 、または−(CH),−Y
式中、
は分枝状または非分枝状C〜Cアルキレン、または1,3−若しくは1,4−フェニレンであり、
は−NH−、または−N−C〜Cアルキルであり、
は、以下の式の基であり、
Figure 2009523902
あるいは、RがC〜Cアルキレンの場合、以下の式の基である。
Figure 2009523902
は以下の式の基である。
Figure 2009523902
tは0または1である。
上記の式中、
およびRは互いに独立してC〜Cアルキルであり、
はC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、またはNRであり、
およびRは互いに独立してC〜Cアルキルであり、
およびRは互いに独立して水素またはC〜Cアルキルであり、
およびR10は互いに独立して非置換C〜Cアルキルであるか、またはヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、カルボ−C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシ、アルコキシ、フェニル、ナフチル、若しくは、ピリジルで置換されているC〜Cアルキルであり、
uは1〜6であり、
は芳香族5〜7員窒素複素環を完成させる単位であり、環は、適切な場合、環員として更に1つまたは2つの窒素原子を含んでもよく、
は飽和5〜7員窒素複素環を完成させる単位であり、環には、適切な場合、環員として1〜2つの窒素、酸素、および/または硫黄原子を含んでもよく、
はヒドロキシル、C〜C22アルキル、分枝C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、分枝C〜C22アルケニル、およびこれらの混合物、C〜C22アルコキシ、スルホ若しくはカルボキシルラジカル、以下の式のラジカル
Figure 2009523902
以下の式の分枝アルコキシラジカル
Figure 2009523902
以下の式のアルキルエチレンオキシ単位、
Figure 2009523902
または以下の式のエステルである。
Figure 2009523902
式中、
は水素、ヒドロキシル、C〜C30アルキル、C〜C30アルコキシ、−COH、−CHCOOH、−SO−M、−OSO−M、−PO 2−、−OPO 2−、およびこれらの混合物であり、
は水素、ヒドロキシル、−COOH、−SO−M、−OSO、またはC〜Cアルコキシであり、
は水溶性カチオンであり、
は−O−または−NH−であり、
およびXは互いに独立して−O−、−NH−、または−N−C〜Cアルキルであり、
11およびR12は互いに独立して水素、スルホ基およびその塩、カルボキシル基およびその塩、またはヒドロキシル基であり、R11およびR12ラジカルの少なくとも1つはスルホ基またはカルボキシル基またはそれらの塩であり、
は−O−、−S−、−NH−、または−N−C〜Cアルキルであり、
13およびR14は互いに独立して水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、シアノ−C〜Cアルキル、スルホ−C〜Cアルキル、カルボキシ若しくはハロゲン−C〜Cアルキル、非置換フェニル、またはハロゲン、C〜Cアルキル、若しくは、C〜Cアルコキシで置換されているフェニル、スルホ若しくはカルボキシルであり、あるいは、R13およびR14は、結合している窒素原子と共に飽和5または6員複素環を形成し、環は環員として更に1つの窒素または酸素原子を含んでもよく、
15およびR16は互いに独立してC〜Cアルキルまたはアリール−C〜Cアルキルラジカルであり、
17は水素、非置換C〜Cアルキル、またはハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、フェニル、カルボキシル、カルボ−C〜Cアルコキシ、若しくはC〜Cアルコキシで置換されているC〜Cアルキルであり、
18はC〜C22アルキル、分枝C〜C22アルキル、C〜C22アルケニル、または分枝C〜C22アルケニル、C〜C22グリコール、C〜C22アルコキシ、分枝C〜C22アルコキシ、およびこれらの混合物であり、
Mは水素、またはアルカリ金属イオン若しくはアンモニウムイオンであり、
は塩素、臭素、アルキルサルフェートまたはアリールサルフェートイオンであり、
aは0または1であり、
bは0〜6であり、
cは0〜100であり、
dは0または1であり、
eは0〜22であり、
vは2〜12の整数であり、
wは0または1であり、
は有機または無機アニオンであり、
sは、Aが一価アニオンの場合はrに等しく、多価アニオンの場合はr以下であり、A は正電荷を打ち消す必要があり、rが1でない場合、Qラジカル同士は同一でも異なっていてもよく、
フタロシアニン環構造には更に可溶化基を含んでもよい。
その他の適切な触媒光漂白剤としては、キサンテン色素およびこれらの混合物が挙げられる。別の態様では、適切な触媒光漂白剤としては、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、エオシンY、ホキシン(Phoxine)B、ローズベンガル、C.I.食用赤色14号、およびこれらの混合物から成る群から選択される触媒光漂白剤が挙げられる。別の態様では、適切な光漂白剤は、スルホン化亜鉛フタロシアニンおよびスルホン化アルミニウムフタロシアニンの混合物にしてよく、混合物のスルホン化亜鉛フタロシアニン対スルホン化アルミニウムフタロシアニンの重量比は1超、1超〜約100未満、または約1〜約4である。
適切な光開始剤としては、芳香族1,4−キノン(アントラキノンおよびナフタキノンなど)、α−アミノケトン(とりわけベンゾイル部分を含むもの、あるいはα−アミノアセトフェノンと呼ばれているもの)、α−ヒドロキシケトン(とりわけα−ヒドロキシアセトフェノン)、リン含有光開始剤(モノアシル、ビスアシル、およびトリスアシルホスフィンオキシドおよびスルフィドなど)、ジアルコキシアセトフェノン、α−ハロアセトフェノン、トリスアシルホスフィンオキシド、ベンゾインおよびベンゾイン系光開始剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択される光開始剤が挙げられる。別の態様では、適切な光開始剤としては、2−エチルアントラキノン、ビタミンK3、2−サルフェート−アントラキノン、2−メチル−1−[4−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)907)、(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)369)、(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)2959)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)184)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4(1−メチル)−フェニル]プロパノン(イーサキュア(Esacure)(登録商標)KIP150)、2−4−6−(トリメチルベンゾイル)ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド(イルガキュア(Irgacure)(登録商標)819)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸エチルエステル(ルシリン(Lucirin)(登録商標)TPO−L)、およびこれらの混合物から成る群から選択した光開始剤が挙げられる。
前記の光漂白剤は組み合わせて使用することができる(いずれかの光漂白剤混合物を使用してもよい)。適切な光漂白剤は、アルドリッチ(Aldrich)(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)、フロンティアサイエンティフィック(Frontier Scientific)(米国ユタ州ローガン)、チバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(スイス、バーゼル)、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)、ランベルティ(Lamberti S.p.A)(イタリア、ガッララーテ)、ディグローカラーコーポレーション(Dayglo Color Corporation)(インド、ムンバイ)、オーガニックダイスタフス(Organic Dyestuffs Corp.)(米国ロードアイランド州イーストプロビデンス)から購入可能であり、および/または本明細書に記載の実施例に従って生成可能である。
補助剤物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示されている補助剤の非限定的なリストは、当該組成物中で使用するのに適しており、例えば、洗浄性能を補助若しくは向上させるために、洗浄すべき基材の処理のために、または香料、着色剤、色素などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、本発明の特定の実施形態に組み込むのが望ましい。このような追加成分の明確な性質およびそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態および使用すべき洗浄作業の性質に左右される。適切な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、色素、布地色調剤、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、および/または顔料が挙げられるが、これらに限らない。下記の開示に加え、このようなその他の補助剤の適切な例および使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812B1号、および米国特許第6,326,348B1号に記載されており、これらは参照することにより本明細書に組み込まれる。
上述の如く、前記補助成分は、本出願人らの組成物に必須ではない。従って、本出願人らの組成物の特定の実施形態には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、追加の酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、色素、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、および/または顔料という補助剤物質のうちの1つ以上を含んでいない。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在する場合、その1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されているように存在してよい。
漂白剤−本発明の洗浄組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、およびこれらの混合物が挙げられる。一般的に、漂白剤を用いる場合、本発明の組成物は漂白剤を、標記洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%または更に約0.1重量%〜約25重量%含んでよい。好適な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
(1)予備形成済み過酸:適切な予備形成済み過酸としては、過カルボン酸および塩、過炭酸および塩、過イミド酸および塩、ペルオキシモノスルホン酸および塩(例えばオクシゾン(Oxzone)(登録商標)など)、並びに、これらの混合物から成る群から選択した化合物が挙げられるが、これらに限らない。適切な過カルボン酸としては、化学式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性および親水性過酸が挙げられる(前記式中、Rはアルキル基であり、所望に応じて分岐しており、前記過酸が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、または8〜12個の炭素原子を有し、前記過酸が親水性の場合には、6つ未満の炭素原子、または更には4つ未満の炭素原子を有し、Mは、対イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、または水素)である。)。
(2)アルカリ金属塩、例えばペルボレート(通常はモノまたはテトラハイドレート)、ペルカーボネート、ペルサルフェート、ペルホスフェート、ペルシリケート塩、およびこれらの混合物のナトリウム塩などの過酸化水素源(例えば無機ペルハイドレート塩)。本発明のある1つの態様では、前記無機ペルハイドレート塩は、ペルボレート、ペルカーボネート、およびこれらの混合物のナトリウム塩から成る群から選択する。無機ペルハイドレート塩(用いた場合)は、典型的には、全組成物の0.05〜40重量%、または1〜30重量%の量で存在し、典型的には、当該組成物中へ結晶固形物(コーティングされていてもよい)として組み込まれる。適切なコーティングとしては、無機塩(アルカリ金属シリケート、カーボネート若しくはボレート塩、またはこれらの混合物など)、または有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油、または脂肪石鹸など)が挙げられる。
(3)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(前記式中、Rはアルキル基であり、所望に応じて分岐しており、前記漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、または8〜12個の炭素原子を有し、前記漂白活性化剤が親水性の場合には、6つ未満の炭素原子、または更には4つ未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である。適切な脱離基の例は、安息香酸およびその誘導体(特に、ベンゼンスルホネート)である。適切な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸またはその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、およびノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。適切な漂白活性剤はWO98/17767号にも開示されている。いずれかの適切な漂白活性化剤も使用してもよいが、本発明のある1つの態様では、標記洗浄組成物は、NOBS、TAED、またはこれらの混合物を含んでよい。
過酸および/または漂白活性化剤(存在する場合)は一般に、組成物に対して約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%または更には約0.6〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。1つ以上の疎水性過酸またはその前駆体は、1つ以上の親水性過酸またはその前駆体と組み合わせて使用してよい。
過酸化水素供給源および過酸または漂白活性化剤の量は、有効酸素(過酸化物供給源より供給される)対過酸のモル比が、1:1〜35:1、または更に2:1〜10:1となるように選択してよい。
界面活性剤−本発明による洗浄組成物は、界面活性剤または界面活性剤系を含んでよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物から選択してよい。界面活性剤(存在する場合)は典型的に、標記組成物の約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%または更には約5重量%〜約40重量%の濃度で存在する。
ビルダー−本発明の洗剤組成物は、1つ以上の洗剤ビルダーまたはビルダー系を含んでよい。ビルダーを使用する場合、標記組成物には典型的に、ビルダーを標記組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%、または更に約10重量%〜約40重量%含有させる。ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属シリケート、アルカリ土類およびアルカリ金属カーボネート、アルミノシリケートビルダーおよびポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸およびカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン4酢酸およびニトリロ3酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩、並びに、例えばメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びに、これらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限らない。
キレート剤−本明細書の洗浄組成物には、キレート剤を含有させてよい。適切なキレート剤としては、銅、鉄、および/またはマンガンキレート剤、並びに、これらの混合物が挙げられる。キレート剤を使用する場合、標記組成物はキレート剤を、標記組成物の約0.005重量%〜約15重量%、または更には約3.0重量%〜約10重量%含んでよい。
移染防止剤−本発明の洗浄組成物には1つ以上の移染防止剤も含有させてもよい。適切なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾール、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。移染防止剤は、標記組成物中に存在する場合、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、または更には約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
増白剤−本発明の洗浄組成物は、洗浄する物品に色合いを付けることのできる追加成分(蛍光増白剤など)も含むことができる。適切な蛍光増白剤の濃度としては、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、更には約0.2重量%という低い濃度から、0.5重量%、または更には0.75重量%という高い濃度までが挙げられる。
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。適切な水溶性有機物質としては、ホモポリマーまたはコポリマーの酸またはそれらの塩が挙げられ、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2つを超えない程度に離れている少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含んでいる。
追加の酵素−洗浄組成物は、洗浄性能および/または布地ケア効果を提供する1つ以上の酵素を含むことができる。適切な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼおよびリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素反応混液である。上述の追加酵素は、洗浄組成物に存在する場合、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又、更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の濃度で存在してよい。
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤で使用する酵素を安定化させることができる。本発明で用いる酵素は、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンを酵素に供給する最終組成物中カルシウムおよび/またはマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を向上させるために、可逆性蛋白質分解酵素抑制剤(ホウ素化合物など)を添加することができる。
触媒金属錯体−本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことができる。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、またはマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛またはアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんどまたは全く持たない補助金属陽イオン、並びに触媒金属および補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒作用され得る。このような化合物および使用濃度は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
本明細書で有用なコバルト漂白剤触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号および米国特許第5,595,967号に教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
本明細書の組成物は、又、配位子の遷移金属錯体(例えば、ビスピドン(bispidone)(PCT国際公開特許WO05/042532A1)および/または大多環状剛性配位子(「MRL」と略される)を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本発明の組成物および工程は、水性洗浄媒体において、少なくとも約1億分の1の活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、または更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
本遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄およびクロムが挙げられる。適切なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
適した遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許WO00/32601および米国特許第6,225,464号で教示されている手順によって容易に調製される。
溶媒−好適な溶媒としては、水および他の溶媒(例えば、親油性流体)が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン類、その他のシリコーン類、炭化水素類、グリコールエーテル類、例えばグリセリンエーテル類などのグリセリン誘導体類、ペルフルオロ化アミン類、ペルフルオロ化およびハイドロフルオロエーテル溶媒類、低揮発性の非フッ素化有機溶媒類、ジオール溶媒類、環境に優しいその他の溶媒類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
組成物の生成方法
本発明の組成物は、いずれかの適切な形状で配合可能であり、配合者が選択したいずれかのプロセスによって調製可能であり、それらの非限定例は、本出願者の実施例、および米国特許第4,990,280号、米国特許第20030087791A1号、米国特許第20030087790A1号、米国特許第20050003983A1号、米国特許第20040048764A1号、米国特許第4,762,636号、米国特許第6,291,412号、米国特許第20050227891A1号、欧州特許第1070115A2号、米国特許第5,879,584号、米国特許第5,691,297号、米国特許第5,574,005号、米国特許第5,569,645号、米国特許第5,565,422号、米国特許第5,516,448号、米国特許第5,489,392号、米国特許第5,486,303号に記載されており、これらはすべて参照することによって本明細書に組み込まれる。
使用方法
本発明は、ある場所、とりわけ表面または布地を洗浄および/または処理する方法を含む。これらの方法は、本出願人の洗浄組成物の実施形態を、希釈していない形状で、または洗浄溶液中で希釈して、表面または布地の少なくとも一部に接触させてから、所望に応じて表面または布地をすすぐ工程を含む。表面または布地は前述のすすぎ工程の前に洗浄工程にさらされてもよい。本発明の目的上、洗浄は、擦ることおよび機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。当業者に理解されるように、本発明の洗浄組成物は理想的には洗濯用途に用いるのに適している。それ故に、本発明は布地を洗濯するための方法を含む。この方法は、洗濯されるべき布地を本出願の洗浄組成物の少なくとも1つの実施形態、洗浄添加物、またはこれらの混合物を含む前記洗浄洗濯溶液と接触させる工程を含む。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯され得る大部分の任意の布地を含んでもよい。溶液は、好ましくは、約8〜約10.5のpHを有する。5.組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用してよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は、典型的には約1:1〜約30:1である。
リパーゼ変異体の実施例
緩衝剤および基質として使用する化学薬品は、少なくとも試薬等級の市販品である。
―媒質および溶液:LAS(サーファック(Surfac)PS(商標))およびゼオライトA(ウェサリス(Wessalith)P(商標))。用いるその他の成分は、標準的な実験用試薬である。
―材料:EMPA St.ガレン(スイス、St.ガレン、CH−9014レールヒェンフェルトシュトラーセ5)製のEMPA221
(実施例1):酵素の生成
遺伝子エンコード型リパーゼを含むプラスミドを構築させ、当業界の標準的な方法を用いて適切な宿主細胞に移動させる。
34℃という一定の媒質温度と1.2リットルという開始容量を用いて、フェッドバッチ発酵として発酵を行う。媒質の初期pHは6.5に設定する。pHが7.0まで上昇したら、10%H3PO4を加えることによって、この値を維持させる。媒質中の溶存酸素の濃度は、攪拌速度を変えるとともに、毎分1リットルの媒質あたり1.0リットルの空気という一定の通気速度を用いることによって制御する。フィード添加速度は、フェッドバッチ局面全体にわたって一定濃度に維持する。バッチ媒質には、炭素源としてのマルトースシロップ、窒素源としての尿素と酵母エキス、および微量金属と塩の混合物を含有させた。フェッドバッチ局面中に連続的に添加させるフィード物には炭素源としてのマルトースシロップを含む、その一方で、窒素の十分な供給を確保する目的で、酵母エキスと尿素を添加させる。
リパーゼの精製は、当該技術分野において既知の標準的な方法を用いることによって、例えば、発酵上澄みをろ過してから疎水性クロマトグラフィーとアニオン交換を、例えば欧州特許0 851 913号に記載されているとおりに実施することによって、行ってよい。
(実施例2):相対性能(RP)を算出するためのAMSA(機械的応力自動測定装置)
本出願の酵素変異体は、機械的応力自動測定装置(AMSA)を用いて試験する。AMSAによる試験によって、大量の少容量酵素洗剤溶液の洗浄性能を調べることができる。AMSAのプレートには、試験溶液用の数多くのスロットと、洗浄する布地見本をすべてのスロット開口部にしっかり押し込む蓋が備わっている。洗浄時間中、前記プレート、試験溶液、布地、および蓋を力強く振り動かし、試験溶液を布地と接触させるとともに、機械的応力を加えるようにする。さらなる説明は、WO02/42740号、特に23〜24ページの「特殊な方法の実施形態(Special method embodiments)」の項を参照されたい。洗剤試験溶液が入っている容器には、金属プレート内に円筒形の穴(直径6mm、奥行き10mm)が備わっている。汚れの付いた布地(試験材)は、前記金属プレートの上に置き、蓋として用いて、前記容器の上を密封させる。各容器からのあらゆる流出を防ぐために、別の金属プレートを、汚れの付いた前記布地の上に置く。汚れの付いた前記布地とともに前記2つの金属プレートを、30Hzの周波数と2mmの振幅で上下に揺り動かす。
この測定は、以下に定めた実験条件の下で行う。
Figure 2009523902
クリームウコン見本は、ウコン(デンマークのサンタマリア(Santa Maria))5gをクリーム(脂肪38%、デンマークのアルラ(Arla))100gと50℃で混合させ、その混合物を前記温度で約20分間置き、(50℃で)ろ過して非溶解粒子をすべて除去することによって、調製する。前記混合物を20℃まで冷却し、綿布地見本のEMPA221をクリーム−ウコン混合物に浸し、その後、一晩かけて室温で乾燥させ、使用時まで冷凍する。クリーム−ウコン見本の調製については、特許出願PA2005 00775号(2005年5月27日申請)に開示されている。
酵素変異体の性能は、規定の酵素変異体を用いて洗浄した布地サンプルの色の輝度として測定する。輝度は、白色光を照射した時に布地サンプルから反射される光の強度として表すこともできる。布地が汚れている場合、反射光の強度は、汚れていない布地の強度よりも低い。従って、反射光の強度を用いて、酵素変異体の洗浄性能を測定することができる。
色測定は、専門的なフラットベットスキャナー(PFU DL2400pro)によって行う。前記スキャナーを用いて、洗浄済み布地サンプルの画像をキャプチャする。スキャンは、解像度200dpi、出力色深度24ビットで行う。正確な結果を得るために、スキャナーは、反射ターゲットのコダック(Kodak)IT8によって頻繁に較正する。
スキャン済み画像から光強度の値を抽出するために、特別設計のソフトウェアアプリケーション(ノボザイムズカラーベクターアナライザー(Novozymes Color Vector Analyzer)を用いる。このプログラムは、画像から24ビットピクセルの値を読み出し、その値を赤・緑・青(RGB)の値に変換する。強度値(Int)は、ベクトルとしてRGBの値を合計してから、得られたベクトルの長さを以下に従って計算することによって割り出す。
Figure 2009523902
酵素変異体の洗浄性能(P)は、以下の式に従って算出する。P=Int(v)−Int(r)、
式中、Int(v)は、試験酵素で洗浄した布地の表面の光強度の値であり、Int(r)は、試験酵素なしで洗浄した布地の表面の光強度の値である。
相対性能スコアは、「相対性能スコア(RP)は、基準酵素に対する試験酵素変異体の性能(P)の合計、つまり、RP=P(試験酵素)/P(基準酵素)である」という定義によるAMSA洗浄の結果として得られる。
RPavgは、基準酵素と比較した場合の、4つのすべての酵素濃度(0.125、0.25、0.5、1.0mg ep/l)の平均相対的パフォーマンスを表す。
RPavg=avg(RP(0.125),RP(0.25),RP(0.5),RP(1.0))
変酵素変異体は、基準酵素よりも優れた性能を発揮する場合、洗浄性能の向上をもたらすと考えられる。本発明の文脈においては、基準酵素は置換T231R+N233Rを有する配列番号2のリパーゼである。
(実施例3):リスク係数を割り出すためのGC(ガスクロマトグラフ)
以下の方法を用いて、固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフ(SPME−GC)によって、リパーゼによって洗浄した見本から放出される酪酸を測定する。リパーゼを1mg/L含んでいる表3の規定溶液中で洗浄した4つの布地断片(直径5mm)をガスクロマトグラフ(GC)用バイアル瓶に移す。スタビルワックス(Stabilwax)−DA w/インテグラ−ガード(Integra-Guard)というカラム(30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)とカーボクセン(Carboxen)PDMS SPMEというファイバーが備わっているバリアン(Varian)3800GC上で前記サンプルを分析する。各サンプルは予め、10分間、40℃でインキュベートしてから、SPMEファイバーによって、布地断片の上のヘッドスペース内で20分サンプリングした。続いて、このサンプルをカラムに注入した(注入温度=250℃)。カラム流量は2ml ヘリウム/分にした。カラムのオーブン温度勾配は、0分=40℃、2分=40℃、22分=240℃、32分=240℃にした。酪酸をFID検出によって検出し、酪酸の検量線に基づき酪酸の量を算出した。
リパーゼ変異体のリスク性能悪臭Rは、リパーゼ変異体によって洗浄した見本から放出される酪酸の量と、置換T231R+N233Rを有する配列番号2のリパーゼ(基準酵素)で洗浄した見本から放出される酪酸の量(いずれの値も、リパーゼなしで洗浄した見本から放出される酪酸の量に対して補正した後のもの)の比率である。変異体のリスク(R)は、以下の式に従って計算する。
悪臭=1mgの酵素タンパク質で発現した酪酸(μg単位で測定)/L(空試験値に対して補正済み)
α試験酵素=悪臭試験酵素−空試験値
α基準酵素=悪臭基準酵素−空試験値
R=α試験酵素/α基準酵素
R係数が1未満である場合、変異体では基準酵素よりも悪臭が少ないと考えられる。
(実施例4):280nmの吸光度に対する活性(LU)
280nmの吸光度に対するリパーゼの活性は、以下の測定LU/A280によって割り出す。
リパーゼの活性は、上記のリパーゼ活性の項に記載されているとおりに割り出す。280nmにおけるリパーゼの吸光度(A280)を測定し、LU/A280の比率を計算する。相対LU/A280は、変異体のLU/A280を基準酵素のLU/A280で除した値として計算する。本発明の文脈においては、基準酵素は置換T231R+N233Rを有する配列番号2のリパーゼである。
(実施例5):BR(ベネフィット・リスク)
悪臭リスクの低下との比較における性能を表すベネフィット・リスク係数は、つまりBR=RPavg/Rとして定義する。
BR係数が1を超える場合、変異体は、洗浄性能の向上と悪臭の減少を呈すると考えられる。
上記の方法を適用すると、以下の結果を得られる。
Figure 2009523902
基準リパーゼと表4の7および8の変異体は、WO2000/060063号に記載されている。
(実施例6)
BR(ベネフィット・リスク)
ベネフィット・リスクは、表5に列挙されている変異体について測定した。ベネフィット・リスク係数は、実施例5に記載されているものと同じ方法で測定し、列挙されているすべての変異体で、ベネフィット・リスク係数が1を超えることが分かった。
Figure 2009523902
Figure 2009523902
Figure 2009523902
基準リパーゼはWO2000/060063号に記載されている。
組成物の実施例
別段の指示がない限り、材料はアルドリッチ(Aldrich)(米国53201ウィスコンシン州ミルウォーキー私書箱2060)から入手することができる。
(実施例1〜6)
手洗い用またはトップローディング式洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物
Figure 2009523902
上記の組成物のいずれかを用いて、水中濃度600〜10000ppm(典型的な中央条件は2500ppmである)、25℃、および水:布の比率25:1によって、布地を洗濯する。
(実施例7〜10)
フロントローディング式自動洗濯機用に設計されている顆粒状洗濯洗剤組成物
Figure 2009523902
上記の組成物のいずれかを用いて、水中濃度10,000ppm、20〜90℃、水:布の比率5:1で布地を洗濯する。典型的なpHは約10である。
(実施例11〜16)
Figure 2009523902
組成物の実施例1〜16の原料および注記
平均脂肪族炭素鎖長がC11〜C12である直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、ステパン(Stepan)(米国イリノイ州ノースフィールド)から供給されている。
12〜14ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドは、クラリアント(Clariant GmbH)(ドイツ、シュルツバッハ)から供給されている。
AE3Sは、ステパン(Stepan)(米国イリノイ州ノースフィールド)から供給されているC12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
AE7は、ハンツマン(Huntsman)(米国ユタ州ソルトレークシティ)から供給されている、平均エトキシル化度が7のC12〜15アルコールエトキシレートである。
ナトリウムトリポリホスフェートは、ローディア(Rhodia)(フランス、パリ)から供給されている。
ゼオライトAは、インダストリアルゼオライト(UK)(Industrial Zeolite (UK) Ltd)(英国エセックス州グレイズ)から供給されたものである。
1.6Rシリケートは、コマ(Koma)(チェコ共和国ネステミカ(Nestemica))から供給されたものである。
ナトリウムカーボネートは、ソルベー(Solvay)(米国テキサス州ヒューストン)から供給されたものである。
ポリアクリレートMW4500は、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)から供給されている。
カルボキシメチルセルロースは、CPKelco(オランダ、アルンヘム)から供給されているフィンフィックス(Finnfix)(登録商標)BDAである。
サビナーゼ(Savinase)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、ターマミル(Termamyl)(登録商標)、マンナウェイ(Mannaway)(登録商標)は、ノボザイムズ(Novozymes)(デンマーク、バグスバード(Bagsvaerd))から供給されている。
リパーゼ変異体1〜5は、実施例5の表4に記載されているもの、およびこれらの混合物である。
蛍光増白剤1はチノパル(Tinopal)(登録商標)AMS、蛍光増白剤2はチノパル(Tinopal)(登録商標)CBS−Xであり、これらはスルホン化亜鉛フタロシアニンと共にチバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)(スイス、バーゼル)から供給されている。
ジエチレントリアミンペンタ酢酸は、ダウケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給されたものである。
ナトリウムペルカーボネートは、ソルベー(Solvay)(米国テキサス州ヒューストン)から供給されている。
ナトリウムペルボレートは、デガッサ(Degussa)(ドイツ、ハーナウ)から供給されたものである。
NOBSは、イーストマン(Eastman)(米国アーカンソー州ベーツビル)から供給されているナトリウムノナノイルオキシベンゼンスルホネートである。
TAEDは、クラリアント(Clariant GmbH)(ドイツ、シュルツバッハ)からパーアクティブ(Peractive)(登録商標)のブランド名で供給されているテトラアセチルエチレンジアミンである。
汚れ放出剤は、ローディア(Rhodia)(フランス、パリ)から供給されているリペロテックス(Repel-o-tex)(登録商標)PFである。
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量が70,000、アクリレート:マリエートの比率が70:30であり、BASF(ドイツ、ルートウィヒスハーフェン)から供給されている。
プロテアーゼは、ジェネンコアインターナショナル(Genencor International)(米国カリフォルニア州パロアルト)から供給されているFN3であった。
エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸、(S,S)異性体(EDDS)のNa塩は、オクテル(Octel)(英国エルズミアポート)から供給されたものである。
ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)は、ダウケミカル(Dow Chemical)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給されたものである。
泡抑制剤疑集体は、ダウコーニング(Dow Corning)(米国ミシガン州ミッドランド)から供給されたものである。
HSASは、米国特許第6,020,303号および米国特許第6,060,443号で開示されているような中鎖分枝状アルキルサルフェートである。
12〜14ジメチルアミンオキシドは、プロクター&ギャンブルケミカルズ(Procter & Gamble Chemicals)(米国オハイオ州シンシナティ)から供給されたものである。
非イオン性物質は、好ましくは平均エトキシル化度が9のC12〜C13エトキシレートであるのが好ましい。
プロテアーゼは、ジェネンコアインターナショナル(Genencor International)(米国カリフォルニア州パロアルト)から供給されたものである。
*引用数字は100gあたりの酵素量(mg)
米国特許第4,597,898号に記載されているようなもの
BASFから商標名ルテンシット(LUTENSIT)(登録商標)およびPCT国際公開特許WO01/05874に記載されているものが利用可能である
†本明細書に記載されているリパーゼ
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
リパーゼのアラインメントを示している。

Claims (35)

  1. 光漂白剤および親リパーゼの変異体を含む組成物であって、前記変異体が、前記親と比較した場合、少なくとも合わせて3つの置換を含み、前記置換が、
    a)領域Iの少なくとも2つの置換、
    b)領域IIの少なくとも1つの置換、
    c)領域IIIの少なくとも1つの置換、および/または
    d)領域IVの少なくとも1つの置換という置換の群の1つ以上から選択される、組成物。
  2. 領域Iの前記置換が、231位および233位に相当する位置の置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  3. 231位および233位の前記置換がRで置換される、請求項2に記載の洗剤組成物。
  4. 前記変異体が、配列番号2の4位に相当する位置の置換を含む、請求項2に記載の洗剤組成物。
  5. 前記の配列番号2の4位に相当する位置の置換がVである、請求項4に記載の洗剤組成物。
  6. 前記変異体が、配列番号2の227位に相当する位置の置換を含む、請求項2に記載の洗剤組成物。
  7. 前記の配列番号2の227位に相当する位置の置換がGである、請求項6に記載の洗剤組成物。
  8. 前記の領域IIの少なくとも1つの置換が、202位、211位、255位、および256位に相当する位置の置換から成る群から選択される置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  9. 前記の領域IIの少なくとも1つの置換が、X202G、X211L、X255Y/V、およびX256Kから成る群から選択される置換を含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
  10. 前記の領域IIの少なくとも1つの置換が、210位に相当する位置の置換を含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記の210位に相当する位置の置換がX210Kを含む、請求項10に記載の洗剤組成物。
  12. 前記の領域IIIの少なくとも1つの置換が、86位および90位に相当する位置の置換から成る群から選択される置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  13. 前記の領域IIIの少なくとも1つの置換が、X86VおよびX90A/Rから成る群から選択される置換を含む、請求項12に記載の洗剤組成物。
  14. 前記の領域IIIの少なくとも1つの置換が、83位に相当する位置の置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  15. 前記の83位に相当する位置の置換がX83Tを含む、請求項14に記載の洗剤組成物。
  16. 前記の領域IVの少なくとも1つの置換が、27位、58位、および60位に相当する位置の置換から成る群から選択される置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  17. 前記の領域IVの少なくとも1つの置換が、X27R、X58N/A/G/P/T、およびX60S/V/G/N/R/K/A/Lから成る群から選択される置換を含む、請求項15に記載の洗剤組成物。
  18. 27位、58位、および60位に相当する領域IVの少なくとも2つの置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  19. X27R、X58N/A/G/P/T、およびX60S/V/G/N/R/K/A/Lから成る群から選択される領域IVの少なくとも2つの置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  20. 前記変異体が、規定領域I〜IV外の少なくとも1つの置換を含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  21. 前記の規定領域I〜IV外の少なくとも1つの置換が、81位、147位、150位、および249位に相当する位置の置換から成る群から選択される、請求項20に記載の洗剤組成物。
  22. 前記の規定領域I〜IV外の少なくとも1つの置換が、X81Q/E、X147M/Y、X150G、およびX249R/I/Lから成る群から選択される、請求項20に記載の洗剤組成物。
  23. 前記親リパーゼの配列番号2に対する同一性が少なくとも90%である、請求項2に記載の洗剤組成物。
  24. 前記親リパーゼが配列番号2と同一であり、前記変異体が、
    a)T231R+N233R+I255Y、
    b)I202G+T231R+N233R、
    c)I86V+L227G+T231R+N233R+P256K、
    d)Q4V+S58N+V60S+T231R+N233R、
    e)S58N+V60S+I90R+T231R+N233R、
    f)I90A+T231R+N233R+I255V、
    g)S58N+V60S+I86V+A150G+L227G+T231R+N233R+P256K、
    h)S58N+V60S+L147M+F211L+T231R+N233R、
    i)Q4V+S58A+V60S+S83T+I86V+A150G+E210K+L227G+T231R+N233R+P256K、
    j)S58N+V60S+I86V+A150G+L227G+T231R+N233R+P256Kの置換の群のうちの1つを含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  25. 前記親リパーゼが配列番号2と同一であり、前記変異体が、
    a)Q4V+S58A+V60S+S83T+I86V+A150G+E210K+L227G+T231R+N233R+P256K、
    b)S58N+V60S+I86V+A150G+L227G+T231R+N233R+P256Kの置換の群のうちの1つを含む、請求項1に記載の洗剤組成物。
  26. 前記リパーゼ変異体が、本明細書で定めるとおりに測定した場合のベネフィット・リスク(Benefit Risk)が1を超えることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄組成物。
  27. 光漂白剤、およびリパーゼ活性を有するポリペプチドを含み、前記ポリペプチドがさらに本明細書に定められる試験条件において、少なくとも0.8の平均相対的パフォーマンス(Average Relative Performance)、および少なくとも1.1のベネフィット・リスク(Benefit Risk)を有する、洗剤組成物。
  28. 前記組成物が0.1%〜40%のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  29. 前記組成物が洗浄および/または処理組成物である、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記組成物がスルホン化亜鉛フタロシアニンを含む、請求項1に記載の組成物。
  31. スルホン化亜鉛フタロシアニンおよびスルホン化アルミニウムフタロシアニンの混合物を含み、前記混合物のスルホン化亜鉛フタロシアニン対スルホン化アルミニウムフタロシアニンの重量比が1:1を超える、請求項25に記載の組成物。
  32. スルホン化アルミニウムフタロシアニンを含む、請求項1に記載の組成物。
  33. 前記光漂白剤がキサンテン染料、アントラキノン、またはナフタキノンを含む、請求項1に記載のいずれかの組成物。
  34. 表面または布地を請求項1の組成物に接触させてから、所望に応じて前記表面または布地を洗浄する、および/またはすすぐ工程を含む、表面または布地を洗浄および/または処理する方法。
  35. 前記リパーゼ変異体が、突然変異体Q4V、S58N/A/G/P/T、190R、またはQ249I/Lの少なくとも1つを含む、配列番号2の変異体である、請求項1に記載の組成物。
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