JP2009513441A - 輸送手段の内側における収容スペースの配置構造 - Google Patents
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Abstract
輸送手段の内側における宿泊室、特に船舶のキャビンの配置構造であって、各宿泊室が、所定の空間ユニットを有しており、隣接する宿泊室の内側空間の領域が平面図でみて互いに重畳するように、隣接する宿泊室が互いに入り組んで配置されている。
Description
本発明は、輸送手段の内側における宿泊室の配置構造であって、各宿泊室が、所定の空間ユニットを有している形式のものに関する。
公知の配置構造の宿泊室、たとえば船舶のキャビンは、輸送手段の乗組員の宿泊所として役立つ。宿泊室の省スペースな構造を実現するために、通常、輸送手段の共用室に複数の人員が宿泊するようになっている。各宿泊室は、特定の内部空間を有するか、または特定の容積を有していて、したがって組込スペースが要求される。
本発明の課題は、組込スペース要求をほとんど高めることなく、人員の個別的な宿泊を実現する宿泊室の配置構造を提供することである。
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴部に記載した宿泊室の配置構造によって解決される。本発明の有利な構成および改良形は、従属請求項に記載した。
冒頭で述べた形式の配置構造において、本発明によれば、隣接する宿泊室の各内側空間の領域が平面図でみて互いに重畳するように、隣接する宿泊室が互いに入り組んで配置されている。
互いに重畳する領域によって、有利には、人員、特に乗組員の個別収容を実現し、しかも別の目的のために失われ得る追加的な組込スペースの不都合な要求を甘受することはない。人員の個別収容は有利であり、狭い生活および作業条件にもかかわらず、個々の個性が確保される。互いに入り込んだ配置は、1平面(フロア)上に配置されていて、少なくとも1つの側壁で隣接する宿泊室で得られる。隣接する宿泊室の重畳領域は、各宿泊室の全高に対して、たとえば約半分に減らされた内法高さ寸法を有していてよい。
本発明の別の実施形態によれば、隣接する宿泊室の内側空間を画成する少なくとも1つの仕切壁が設けられている。個々の宿泊室の間に配置された分離壁によって、宿泊室の空間的かつ視覚的な分離が実現され、これによって個々の人員もしくは乗組員のプライバシーの維持が保証されている。同時に仕切壁によって、隣接する宿泊室の音響的な分離を行うことができる。分離壁を防音化することによって、音響振動の伝達を有利な形式で低減することができる。
各仕切壁は、重畳領域に配置されていて、かつ水平に方向付けされた少なくとも1つの壁区分と、垂直の少なくとも1つの壁区分とを有している。このような段状に形成された仕切壁によって、構造的に簡単に、各宿泊室の内部空間を重畳して形成することができる。各内部空間の重畳領域は、荷物スペースまたはたとえば設置機器、たとえば冷蔵庫のための取付スペースとして利用することができる。
各仕切壁は、有利には二重の仕切壁であり、二重の仕切壁は、平行に方向付けされるか、もしくは相並んで位置する少なくとも2つのプレートエレメントから形成されている。二重壁構造によって、有利には、個々の宿泊室の防音性のみならず断熱性の改善も達成される。さらに各プレートエレメントは、たとえばキャビンとして提供される宿泊室を取り囲む壁の一部であってよい。さらにまた各宿泊室は、予備製作されたユニットとして形成することもできるので、個々の宿泊室は、組立に際して、輸送手段の内側でずらして組み合わせればよい。
各宿泊室は、少なくとも1つのベッドスペースを備えており、隣接する宿泊室のベッドスペースの臥床面は、段状に形成された仕切壁の、隣接する壁区分に配設されている。ベッドスペースは、特に隣接する宿泊室の重畳領域に入り込んでいる。仕切壁の特に隣接する鉛直の区分に対するベッドスペースの臥床面の配設の利点とするところによれば、隣接する宿泊室のベッドスペースの臥床面の一部が上下に配置されていて、これによって側面図でみて階段状の配置構造が所与される。ベッドスペースおよび臥床面の有利な配置構造によって、特定の寸法、たとえば宿泊室の幅を低減することができ、このことは個別キャビンの形成にもかかわらず、達成しようとする省スペース化に寄与する。ベッドスペースの臥床面は、仕切壁の、垂直に方向付けされた区分に直に接してもよい。
各宿泊室は、船舶の甲板に形成されたキャビンとして形成されている。船舶、特に客船の甲板には、常に人員、特に乗組員の宿泊のために制限された供給スペースしか所与されていない。船舶における、本発明に従って形成された宿泊室を用いることによって、有利な個別キャビンへの特に乗組員の省スペースの収容が実現される。同様にこのように形成された宿泊室は、別の輸送手段、たとえば鉄道車両または飛行機に利用することもできる。
本発明の別の実施形態によれば、互いに入り組むように配置された少なくとも2つの宿泊は、1空間ユニットにまとめられている。互いに入り込んだ宿泊室から形成された空間ユニットの外側輪郭は、有利には直方体形状を有しているので、輸送手段、たとえば船舶の様々な甲板への個々の空間ユニットの取付は、直方体形状に基づいて、有利には容易である。有利には直方体状に形成された複数の空間ユニットは、極めて簡単に左右もしくは上下に並べることができ、これによって輸送手段の内部にコンパクトで安定した構成を達成することができる。
さらに1空間ユニットにまとめられた複数の宿泊室は、共通の水廻りを備えることができる。各空間ユニット内で単個の水廻りを配置した有利な構成によって、各宿泊室に独自の水廻りを配設する必要がなく、したがって有利には個々の空間ユニットの全体容積の低減が得られる。各水廻りは、宿泊室から分離した室を成しており、この場合両方の宿泊室からの進入は、それぞれ個別の入口を介して得られる。さらにまた1空間ユニットもしくは1空間ユニット内の宿泊室の1つを専ら水廻りとして形成してもよい。このように形成された空間ユニットは、たとえば共用の水廻りとして利用することができる。
本発明の実施例を図示し、以下に説明する。
符号1,2で、キャビンとして形成された宿泊室を示しており、宿泊室1,2は、直方体状に形成された空間ユニット3にまとめられる。各宿泊室1,2は、特定の空間容積を有している。宿泊室1,2は、仕切壁4によって互いに画成されている。各宿泊室1,2に出入りするために、両方の宿泊室1,2に、それぞれ少なくとも1つの入口ドア5,6が配設されている。空間ユニット3は、さらに水廻り7を有している。各宿泊室1,2から水廻りへの進入は、個別の2つの入口8,9を介して実現される。水廻り7は、シャワー10とトイレ11と洗面台12とを備えている。
図2には、図1のII−II線に沿って、隣接する宿泊室1,2を断面図で示した。図2には、特に各宿泊室1,2の、平面図でみて重畳する領域13,14を詳細に示しており、重畳領域13,14は、段状に形成された仕切壁4によって形成されている。仕切壁4は、二重になっていて、特に相並んで延びている2つのプレートエレメント15,16から組み合わされている。さらに各宿泊室1,2は、ベッドスペース(小間)17,18を備えており、ベッドスペース17,18の臥床面19,20に、それぞれ段状に形成された仕切壁4の、隣接する垂直の区分21,22が配設されている。同時に各宿泊室1,2は、ベッドスペース17,18の他に、様々な棚部23,24など、または荷物スペース、引出などを備えている。
図3には、本発明による、隣接する2つの宿泊室25,26の第2実施例を示した。ここでは個々の宿泊室25,26とベッドスペース27とから形成された空間ユニット28は、第1の実施例とは異なって、空間的な変更に基づいて、奥行きと幅との間の、平面図でみて変化した比を有している。変更は、とりわけ棚部29,30,31(図4および図5)の変化した配置および構成によって所与されている。図3および図4から判るように、各宿泊室25,26の内部空間の重畳領域32,33は、仕切壁34によって互いに画成されており、この場合仕切壁34は、二重に形成されていて、プレートエレメントから組み合わされている。仕切壁34は、垂直の区分37,38を有しており、垂直の区分37,38に、ベッドスペース17,18(図4)の、隣接する臥床面19,20が配設されている。同時に水廻り27には、図3および図5に示したように、個別の入口39,40を介して各宿泊室25,26から進入することができる。同じ構成部材には、同じ符号を付した。
Claims (8)
- 輸送手段の内側における宿泊室、特に船舶のキャビンの配置構造であって、
各宿泊室が、所定の空間ユニットを有している形式のものにおいて、
隣接する宿泊室(1,2,25,26)の各内側空間の領域(13,14,32,33)が平面図でみて互いに重畳するように、隣接する宿泊室(1,2,25,26)が互いに入り組んで配置されていることを特徴とする、輸送手段の内側における宿泊室の配置構造。 - 隣接する宿泊室(1,2,25,26)の内側空間を画成する少なくとも1つの仕切壁(4,34)が設けられている、請求項1記載の配置構造。
- 仕切壁(4,34)が、前記重畳領域(13,14,32,33)に配置されていて、かつ段状に形成されている、請求項2記載の配置構造。
- 仕切壁(4,34)が、二重の仕切壁である、請求項2または3記載の配置構造。
- 各宿泊室(1,2,25,26)が、少なくとも1つのベッドスペース(17,18)を備えており、隣接する宿泊室(1,2,25,26)のベッドスペース(17,18)の臥床面(19,20)が、それぞれ段状に形成された仕切壁(4,34)の、前記臥床面(19,20)に隣接する壁区分(21,22,37,38)に配設されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の配置構造。
- 各宿泊室(1,2,25,26)が、船舶の甲板に形成されたキャビンとして形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の配置構造。
- 互いに入り組むように配置された少なくとも2つの宿泊室(1,2,25,26)が、1空間ユニット(3,28)にまとめられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の配置構造。
- 1空間ユニット(3,28)にまとめられた複数の宿泊室(1,2,25,26)が、共通の水廻り(7,27)を備えている、請求項7記載の配置構造。
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