JP2004218230A - 建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造的に必要とされる耐力壁を、効率的、経済的に配置することが可能で、また意匠的、開放的な設計が可能であり、集合住宅として用いて好適な建築物を得る。
【解決手段】2つの居住部2,3を左、右に並設することにより構成される集合住宅1において、左、右の居住部を、その間に共有スペース4が形成されるように所定間隔離間させそれぞれ独立して配置する。これら左、右の居住部は、一連に形成した基礎10上に配設されるとともに、左、右の居住部の上部には、一連に形成した屋根11が載置して設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】2つの居住部2,3を左、右に並設することにより構成される集合住宅1において、左、右の居住部を、その間に共有スペース4が形成されるように所定間隔離間させそれぞれ独立して配置する。これら左、右の居住部は、一連に形成した基礎10上に配設されるとともに、左、右の居住部の上部には、一連に形成した屋根11が載置して設けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばアパート等として用いられる複数階建ての集合住宅において、階段の左、右に住戸等の居住部を並設してなる建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アパートなどの集合住宅において、たとえば1階部と2階部とに各々左、右2つの住戸を隣接して設け、その隣接部間に2階部へ登るための外階段を設けた構造をもつものが知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
これを簡単に説明すると、上述した従来の集合住宅では、たとえば1階部および2階部の各々に左、右2つの住戸を、間仕切り壁の界壁を介して隣接して設けるとともに、その隣接部に、三方が外壁によって囲まれた凹部を形成し、この凹部に外階段を設けている。また、前記凹部を構成する外壁には、各戸の玄関部が設けられるとともに、2階部の床の高さ部分には前記外階段につながる外廊下が形成されている。そして、2階の住民は1階から外階段を登り、2階の外廊下を通って2階の各住戸の玄関部に出入りすることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−117547号公報
【特許文献2】
特開2000−144890号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の集合住宅にあっては、外階段や外廊下を設ける凹部が、三方から外壁によって囲まれていることから、採光性の面で問題で、また居住者に圧迫感を起こさせるおそれがあった。さらに、上述した従来構造では、左、右の住戸が間仕切り壁の界壁を介して隣接していることから、それぞれの居住者のプライバシーを充分に確保しにくいといった問題もあった。
【0006】
このため、集合住宅において、左、右の居住部を所定間隔離間して配置し、その間の空間に外階段や外廊下を設けることにより、上述した採光性等の問題を一掃し、また該空間を駐輪場等の共有スペースとして利用できるようにした構造を採用することが考えられている。
【0007】
しかし、上述したように左、右の居住部を単純に分離し、それぞれを独立した建築物として構成した場合には、建築基準法等の各種法令による規制で、設計上での自由度が損なわれるおそれがある。
たとえば、板状の耐力壁等で建築物を構成する壁式構造では、床面積あたり一定の壁の長さを確保する必要がある。そして、上述したような居住部を単純に独立させて構成する場合にあっては、個々の建築物たる居住部において上記の耐力壁に対する規制を満足できるように個々に構造設計を行う必要がある。
【0008】
さらに、このような耐力壁に対する規制に基づいて、上記の集合住宅においての左、右の居住部のそれぞれを設計しようとすると、個々の居住部において耐力壁として必要な長さが長くなることから、それぞれの居住部での室内レイアウト等が限定され、構造設計上での自由度が小さいという問題もあり、これらの問題点を解決し得る何らかの対策を講じることが望まれている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、左、右に居住部を有する集合住宅などにおいて、居住者にとっての暮らしやすさや快適性を確保できる共有スペース等を備えるとともに、構造的に必要とされる耐力壁を、効率的、経済的に配置することができるとともに、建物全体として意匠的、開放的な設計が可能となる建築物を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る建築物は、2つの居住部を左、右に並設することにより構成される建築物であって、前記左、右の居住部は、その間に共有スペースを形成するように所定間隔離間しそれぞれ独立して配置されるとともに、前記左、右の居住部は、一連に形成した基礎上に配設され、前記左、右の居住部の上部には、一連に形成した屋根が載置して設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、左、右の居住部を所定間隔離間しそれぞれ独立して配置することにより、その間の共有スペースを、上階への昇降用階段、駐輪場や各種の収納庫スペース等として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計することができるとともに、基礎および屋根を共用する左、右の居住部を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0012】
特に、本発明によれば、左、右の居住部全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【0013】
本発明(請求項2記載の発明)に係る建築物は、請求項1において、前記左、右の居住部間の共有スペースには、上階側への昇降用の階段が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係る建築物は、請求項2において、前記階段は、直階段であることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、左、右の居住部間に形成される共有スペースに階段を設けているから、該階段での採光性が向上し、また居住者に圧迫感を起こさせる等のおそれもない。さらに、階段を直階段とすることにより、たとえば折り返し階段や曲がり階段等に比べ、階段全体としての幅を狭くすることができるから、居住部間の共有スペースのより一層の有効利用を図ることができる。
【0015】
本発明(請求項4記載の発明)に係る建築物は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記左、右の居住部を構成する住戸には、前記共有スペースに開口する玄関が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係る建築物は、請求項4において、前記左、右の居住部における上階側の部分には、外廊下が掛け渡して設けられるとともに、それぞれの住戸の玄関が該廊下に臨んで設けられ、該外廊下に対して前記階段の上端部が連結されていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、左、右の居住部における住戸の居住者にとって暮らしやすく、しかも快適な居住性を与えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は本発明に係る建築物を適用した二階建ての集合住宅の一実施の形態を示す。
【0018】
これらの図において、符号1はパネル工法によって構築された建築物としての二階建ての集合住宅であり、この集合住宅1は、正面から見て左、右対称に構成された左側居住部2と右側居住部3とを備えている。これら左、右の居住部2,3は、互いに所定間隔をおいて離間するようにそれぞれ独立して配設され、その間に共有スペース4が設けられている。
なお、2a,2bは左側居住部2の一階部分の住戸と二階部分の住戸であり、3a,3bは右側居住部3の一階部分の住戸と二階部分の住戸である。
【0019】
前記共有スペース4は、図1、図2、さらに図4および図5に示すように、集合住宅1の中央部において背面側から正面側にかけて設けられており、前記左、右の居住部2,3はこの共有スペース4の左、右に離間して配置されている。
この共有スペース4には、2階に登るための階段5が設けられるとともに、1階部分、2階部分には、図1、図4、図5等に示すように外廊下6,7が設けられている。
【0020】
1階部分の外廊下6は、共有スペース4の奥行き方向の中央部分に設けられるとともに、この外廊下6に臨んで左、右の住戸2a,3aの玄関6a,6bが設けられている。なお、図示は省略したが、建物の外側からこの外廊下6に至る通路が設けられていることは言うまでもない。
【0021】
また、2階部分の外廊下7は、左、右の居住部2,3の二階部分を連結するように設けられるとともに、この外廊下7に臨んで左、右の住戸2b,3bの玄関7a,7bが設けられ、また前記階段5の上端部がこの外廊下7に連結されている。これによって、2階の住戸2b,3bの居住者は階段5を登ることで、住戸2b,3bから出入りすることができるのである。
【0022】
このように共有スペース4に階段5を設けることにより、該階段5での採光性が向上し、また居住者に圧迫感を起こさせる等のおそれもない。さらに、階段5を直階段とすると、たとえば折り返し階段や曲がり階段等に比べ、階段全体としての幅を狭くすることができるから、居住部間の共有スペースのより一層の有効利用が可能である。
【0023】
前記居住部2,3における各住戸2a,2b;3a,3bは、外壁パネル等からなる外壁8によって囲まれた空間内において、間仕切り壁9により適宜仕切られることにより、2LDKの住戸として必要な空間、たとえば居間、食堂、洋間、台所、浴室、トイレ等が適宜形成されている。
【0024】
本発明によれば、上述したような構造による集合住宅1において、左、右に離間しそれぞれ独立して配設した居住部2,3を支持する基礎10を、両居住部2,3を共に支持するように一連に形成するとともに、これらの居住部2,3の上部に被冠される屋根11も、両居住部2,3に跨って設けられるように一連に形成したところを特徴としている。
【0025】
ここで、この実施の形態では、基礎10としてたとえば鉄筋コンクリート製の布基礎を設け、屋根11として切妻屋根を設けているが、本発明はこれに限らず、適宜の構造をもつ基礎10と屋根11を用いてもよいことは勿論である。
【0026】
このような構成によれば、居住部2,3を左、右に離間しそれぞれ独立して設けている集合住宅1を構築するにあたって、居住部2,3間の共有スペース4を、上階への昇降用階段5、駐輪場や各種の収納庫スペース等(図示せず)として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計できるとともに、独立した左、右の居住部2,3を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0027】
特に、このような構造では、左、右の居住部2,3全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部2,3での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部2,3における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【0028】
ここで、図4、図5における外壁8、間仕切り壁9において、本発明を適用した場合に耐力壁となる部分を塗りつぶしによって例示している。この例示によって明らかな通り、本発明を採用すると、各居住部2,3での間仕切り壁9において耐力壁とする部分を必要最小限にすることができるから、各戸での室内レイアウトの設計上での自由度が増大し、建物全体の意匠的、開放的な設計を行うことができ、居住者によっての快適性を高め、居住性をより一層向上させることができる。
【0029】
以上の構造を有する集合住宅1によれば、左、右の居住部2,3が共用スペース4を介して離間するようにそれぞれ独立して配置されており、それぞれの住戸における独立性が確保できるから、居住者のプライバシーを充分に確保することができ、しかも該共有スペース4内に上階側への階段5を設けているので、すっきりとしたデザインの外観を得ることができ、意匠面で優れている。
【0030】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施の形態では、二階建ての集合住宅1を例として説明したが、本発明はこれに限らず、1階建てや三階建て以上の集合住宅などのような建築物であっても適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る建築物によれば、左、右に居住部を有する集合住宅などにおいて、居住者にとっての暮らしやすさや快適性を確保できる共有スペース等を備えるとともに、構造的に必要とされる耐力壁を、効率的、経済的に配置することができるとともに、建物全体として意匠的、開放的な設計が可能である等の種々優れた効果を奏する。
【0032】
すなわち、本発明によれば、左、右の居住部を所定間隔離間するようにそれぞれ独立して配置することにより、その間の共有スペースを、上階への昇降用階段、駐輪場や各種の収納庫スペース等として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計することができるとともに、左、右の居住部を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0033】
特に、本発明によれば、左、右の居住部全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物を二階建ての集合住宅に適用した場合の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1の集合住宅の背面図である。
【図3】図1の集合住宅の側面図である。
【図4】図1ないし図3の集合住宅の1F部分の断面図である。
【図5】図1ないし図3の集合住宅の2F部分の断面図である。
【符号の説明】
1…集合住宅(建築物)、2(2a,2b)…左側居住部、3(3a,3b)…右側居住部、4…共有スペース、5…階段、6,7…外廊下、8…外壁、9…間仕切り壁、10…基礎、11…屋根。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばアパート等として用いられる複数階建ての集合住宅において、階段の左、右に住戸等の居住部を並設してなる建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アパートなどの集合住宅において、たとえば1階部と2階部とに各々左、右2つの住戸を隣接して設け、その隣接部間に2階部へ登るための外階段を設けた構造をもつものが知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
これを簡単に説明すると、上述した従来の集合住宅では、たとえば1階部および2階部の各々に左、右2つの住戸を、間仕切り壁の界壁を介して隣接して設けるとともに、その隣接部に、三方が外壁によって囲まれた凹部を形成し、この凹部に外階段を設けている。また、前記凹部を構成する外壁には、各戸の玄関部が設けられるとともに、2階部の床の高さ部分には前記外階段につながる外廊下が形成されている。そして、2階の住民は1階から外階段を登り、2階の外廊下を通って2階の各住戸の玄関部に出入りすることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−117547号公報
【特許文献2】
特開2000−144890号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の集合住宅にあっては、外階段や外廊下を設ける凹部が、三方から外壁によって囲まれていることから、採光性の面で問題で、また居住者に圧迫感を起こさせるおそれがあった。さらに、上述した従来構造では、左、右の住戸が間仕切り壁の界壁を介して隣接していることから、それぞれの居住者のプライバシーを充分に確保しにくいといった問題もあった。
【0006】
このため、集合住宅において、左、右の居住部を所定間隔離間して配置し、その間の空間に外階段や外廊下を設けることにより、上述した採光性等の問題を一掃し、また該空間を駐輪場等の共有スペースとして利用できるようにした構造を採用することが考えられている。
【0007】
しかし、上述したように左、右の居住部を単純に分離し、それぞれを独立した建築物として構成した場合には、建築基準法等の各種法令による規制で、設計上での自由度が損なわれるおそれがある。
たとえば、板状の耐力壁等で建築物を構成する壁式構造では、床面積あたり一定の壁の長さを確保する必要がある。そして、上述したような居住部を単純に独立させて構成する場合にあっては、個々の建築物たる居住部において上記の耐力壁に対する規制を満足できるように個々に構造設計を行う必要がある。
【0008】
さらに、このような耐力壁に対する規制に基づいて、上記の集合住宅においての左、右の居住部のそれぞれを設計しようとすると、個々の居住部において耐力壁として必要な長さが長くなることから、それぞれの居住部での室内レイアウト等が限定され、構造設計上での自由度が小さいという問題もあり、これらの問題点を解決し得る何らかの対策を講じることが望まれている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、左、右に居住部を有する集合住宅などにおいて、居住者にとっての暮らしやすさや快適性を確保できる共有スペース等を備えるとともに、構造的に必要とされる耐力壁を、効率的、経済的に配置することができるとともに、建物全体として意匠的、開放的な設計が可能となる建築物を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る建築物は、2つの居住部を左、右に並設することにより構成される建築物であって、前記左、右の居住部は、その間に共有スペースを形成するように所定間隔離間しそれぞれ独立して配置されるとともに、前記左、右の居住部は、一連に形成した基礎上に配設され、前記左、右の居住部の上部には、一連に形成した屋根が載置して設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、左、右の居住部を所定間隔離間しそれぞれ独立して配置することにより、その間の共有スペースを、上階への昇降用階段、駐輪場や各種の収納庫スペース等として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計することができるとともに、基礎および屋根を共用する左、右の居住部を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0012】
特に、本発明によれば、左、右の居住部全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【0013】
本発明(請求項2記載の発明)に係る建築物は、請求項1において、前記左、右の居住部間の共有スペースには、上階側への昇降用の階段が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係る建築物は、請求項2において、前記階段は、直階段であることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、左、右の居住部間に形成される共有スペースに階段を設けているから、該階段での採光性が向上し、また居住者に圧迫感を起こさせる等のおそれもない。さらに、階段を直階段とすることにより、たとえば折り返し階段や曲がり階段等に比べ、階段全体としての幅を狭くすることができるから、居住部間の共有スペースのより一層の有効利用を図ることができる。
【0015】
本発明(請求項4記載の発明)に係る建築物は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記左、右の居住部を構成する住戸には、前記共有スペースに開口する玄関が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係る建築物は、請求項4において、前記左、右の居住部における上階側の部分には、外廊下が掛け渡して設けられるとともに、それぞれの住戸の玄関が該廊下に臨んで設けられ、該外廊下に対して前記階段の上端部が連結されていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、左、右の居住部における住戸の居住者にとって暮らしやすく、しかも快適な居住性を与えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は本発明に係る建築物を適用した二階建ての集合住宅の一実施の形態を示す。
【0018】
これらの図において、符号1はパネル工法によって構築された建築物としての二階建ての集合住宅であり、この集合住宅1は、正面から見て左、右対称に構成された左側居住部2と右側居住部3とを備えている。これら左、右の居住部2,3は、互いに所定間隔をおいて離間するようにそれぞれ独立して配設され、その間に共有スペース4が設けられている。
なお、2a,2bは左側居住部2の一階部分の住戸と二階部分の住戸であり、3a,3bは右側居住部3の一階部分の住戸と二階部分の住戸である。
【0019】
前記共有スペース4は、図1、図2、さらに図4および図5に示すように、集合住宅1の中央部において背面側から正面側にかけて設けられており、前記左、右の居住部2,3はこの共有スペース4の左、右に離間して配置されている。
この共有スペース4には、2階に登るための階段5が設けられるとともに、1階部分、2階部分には、図1、図4、図5等に示すように外廊下6,7が設けられている。
【0020】
1階部分の外廊下6は、共有スペース4の奥行き方向の中央部分に設けられるとともに、この外廊下6に臨んで左、右の住戸2a,3aの玄関6a,6bが設けられている。なお、図示は省略したが、建物の外側からこの外廊下6に至る通路が設けられていることは言うまでもない。
【0021】
また、2階部分の外廊下7は、左、右の居住部2,3の二階部分を連結するように設けられるとともに、この外廊下7に臨んで左、右の住戸2b,3bの玄関7a,7bが設けられ、また前記階段5の上端部がこの外廊下7に連結されている。これによって、2階の住戸2b,3bの居住者は階段5を登ることで、住戸2b,3bから出入りすることができるのである。
【0022】
このように共有スペース4に階段5を設けることにより、該階段5での採光性が向上し、また居住者に圧迫感を起こさせる等のおそれもない。さらに、階段5を直階段とすると、たとえば折り返し階段や曲がり階段等に比べ、階段全体としての幅を狭くすることができるから、居住部間の共有スペースのより一層の有効利用が可能である。
【0023】
前記居住部2,3における各住戸2a,2b;3a,3bは、外壁パネル等からなる外壁8によって囲まれた空間内において、間仕切り壁9により適宜仕切られることにより、2LDKの住戸として必要な空間、たとえば居間、食堂、洋間、台所、浴室、トイレ等が適宜形成されている。
【0024】
本発明によれば、上述したような構造による集合住宅1において、左、右に離間しそれぞれ独立して配設した居住部2,3を支持する基礎10を、両居住部2,3を共に支持するように一連に形成するとともに、これらの居住部2,3の上部に被冠される屋根11も、両居住部2,3に跨って設けられるように一連に形成したところを特徴としている。
【0025】
ここで、この実施の形態では、基礎10としてたとえば鉄筋コンクリート製の布基礎を設け、屋根11として切妻屋根を設けているが、本発明はこれに限らず、適宜の構造をもつ基礎10と屋根11を用いてもよいことは勿論である。
【0026】
このような構成によれば、居住部2,3を左、右に離間しそれぞれ独立して設けている集合住宅1を構築するにあたって、居住部2,3間の共有スペース4を、上階への昇降用階段5、駐輪場や各種の収納庫スペース等(図示せず)として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計できるとともに、独立した左、右の居住部2,3を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0027】
特に、このような構造では、左、右の居住部2,3全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部2,3での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部2,3における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【0028】
ここで、図4、図5における外壁8、間仕切り壁9において、本発明を適用した場合に耐力壁となる部分を塗りつぶしによって例示している。この例示によって明らかな通り、本発明を採用すると、各居住部2,3での間仕切り壁9において耐力壁とする部分を必要最小限にすることができるから、各戸での室内レイアウトの設計上での自由度が増大し、建物全体の意匠的、開放的な設計を行うことができ、居住者によっての快適性を高め、居住性をより一層向上させることができる。
【0029】
以上の構造を有する集合住宅1によれば、左、右の居住部2,3が共用スペース4を介して離間するようにそれぞれ独立して配置されており、それぞれの住戸における独立性が確保できるから、居住者のプライバシーを充分に確保することができ、しかも該共有スペース4内に上階側への階段5を設けているので、すっきりとしたデザインの外観を得ることができ、意匠面で優れている。
【0030】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施の形態では、二階建ての集合住宅1を例として説明したが、本発明はこれに限らず、1階建てや三階建て以上の集合住宅などのような建築物であっても適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る建築物によれば、左、右に居住部を有する集合住宅などにおいて、居住者にとっての暮らしやすさや快適性を確保できる共有スペース等を備えるとともに、構造的に必要とされる耐力壁を、効率的、経済的に配置することができるとともに、建物全体として意匠的、開放的な設計が可能である等の種々優れた効果を奏する。
【0032】
すなわち、本発明によれば、左、右の居住部を所定間隔離間するようにそれぞれ独立して配置することにより、その間の共有スペースを、上階への昇降用階段、駐輪場や各種の収納庫スペース等として利用でき、建物全体としての意匠的、開放的な設計を高い自由度をもって設計することができるとともに、左、右の居住部を一棟扱いとして耐力壁の配置を効率的、経済的な配置とすることができ、構造設計上での自由度を増大させることができる。
【0033】
特に、本発明によれば、左、右の居住部全体での面積に対して決定される耐力壁の配置長さを確保すればよいから、耐力壁の配置を設計する際の自由度が増し、また個々に構造設計を行う場合に比べて居住部での耐力壁の配置長さが短くてよいから、各居住部における室内レイアウトなどの設計上での自由度を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物を二階建ての集合住宅に適用した場合の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1の集合住宅の背面図である。
【図3】図1の集合住宅の側面図である。
【図4】図1ないし図3の集合住宅の1F部分の断面図である。
【図5】図1ないし図3の集合住宅の2F部分の断面図である。
【符号の説明】
1…集合住宅(建築物)、2(2a,2b)…左側居住部、3(3a,3b)…右側居住部、4…共有スペース、5…階段、6,7…外廊下、8…外壁、9…間仕切り壁、10…基礎、11…屋根。
Claims (5)
- 2つの居住部を左、右に並設することにより構成される建築物であって、
前記左、右の居住部は、その間に共有スペースを形成するように所定間隔離間しそれぞれ独立して配置されるとともに、
前記左、右の居住部は、一連に形成した基礎上に配設され、
前記左、右の居住部の上部には、一連に形成した屋根が載置して設けられていることを特徴とする建築物。 - 請求項1記載の建築物において、
前記左、右の居住部間の共有スペースには、上階側への昇降用の階段が設けられていることを特徴とする建築物。 - 請求項2記載の建築物において、
前記階段は、直階段であることを特徴とする建築物。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の建築物において、
前記左、右の居住部を構成する住戸には、前記共有スペースに開口する玄関が設けられていることを特徴とする建築物。 - 請求項4記載の建築物において、
前記左、右の居住部における上階側の部分には、外廊下が掛け渡して設けられるとともに、
それぞれの住戸の玄関が該廊下に臨んで設けられ、
該外廊下に対して前記階段の上端部が連結されていることを特徴とする建築物。
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2003
- 2003-01-10 JP JP2003004886A patent/JP2004218230A/ja active Pending
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