JP2009513108A - 全脂肪量の低減された食品または飲料の味を酵母抽出物の添加により改善する方法およびその食品または飲料 - Google Patents

全脂肪量の低減された食品または飲料の味を酵母抽出物の添加により改善する方法およびその食品または飲料 Download PDF

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Abstract

本発明は、遊離アミノ酸と少なくとも8%w/wの5’−リボヌクレオチドとを含む酵母抽出物を食品に添加することにより脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感を改善するための方法を開示する。好ましくは、遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が多くとも3.5である酵母抽出物を使用する。好ましくは、タンパク質のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が多くとも12である酵母抽出物を使用する。本発明はまた、味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善された脂肪量低減食品を開示する。

Description

本発明は、食品に酵母抽出物を添加することにより脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感を改善するための方法に関する。さらに、本発明は、味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善された脂肪量低減食品に関する。
脂肪または脂質は、炭水化物およびタンパク質と同様に、毎日の人間の食事の主要かつ必須な成分である。食事により導入される脂肪の大部分は、脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリルエステルから構成されている。脂肪酸は、その炭化水素鎖の構造に基づいて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分けることができる。飽和脂肪酸に富んだ脂肪は、動物源の食品(クリーム、バター、ミルク、肉など)中に見いだすことができる。一方、不飽和脂肪酸は、通常、植物源の食品(油、マーガリンなど)中に見いだされる。
脂肪は、食事の中で最も凝縮されたエネルギー源を提供する(1グラムあたり9kcal)。いくつかの脂肪酸は、ホルモン様物質の産生に不可欠である。さらに、脂肪は、生体が脂溶性ビタミンA、D、E、およびKを吸着および輸送するのを助ける。脂肪はまた、食品の風味に非常に重要な役割を果たす。脂肪は、食品にいくらかの風味を直接加えるだけでなく、脂肪に可溶な風味をブレンドする。さらに、調理中におけるいくつかのタイプの脂肪の(部分)分解もまた、食品の風味形成に関与する。
しかしながら、いくつかの保健機関は、食事により脂肪を過剰摂取しないように一般の人々に注意を呼びかけている。食物脂肪の多量摂取は、肥満症、いくつかのタイプの癌、および冠動脈性心疾患による危険性の増大に関係している。これらの後者の健康問題は、人々のより裕福でより多忙なライフスタイルが加工食品の消費量増大を招いている西洋社会で大きくなりつつある。加工食品には脂肪に富んだものが多い。
したがって、食品工業における新しい傾向は、無脂肪食品、低脂肪食品、および減脂肪食品の市場導入である。米国食品医薬品局(FDA)は、米国における食品のそのような栄養素含量表示の使用に規制を加えている(米国食品医薬品局食品安全応用栄養センター「食品表示ガイド」,1994年9月(1999年6月編集改訂版))。結果的に、食品中の脂肪含量に関する栄養素含量表示は、米国連邦規制基準第21条、第2編、第101章「食品表示」、第101.62(b)節(2002年4月1日改訂)(21CFR101.62(b)と略記される)に記載されている。
本発明に関連して、脂肪とは、「全脂肪」、すなわち、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方を包含する脂肪を意味する。食品中の脂肪含量は、脂肪酸の量を測定してこの量をこの脂肪酸のトリグリセリドの量として表すことにより、決定される。食品中のこの量を測定する方法については、当業者に公知である。
食品の味の決定における脂肪の重要性を考慮すると、脂肪量低減食品の明らかな欠点は、この食品には、対応する脂肪分の多い食品のもつ風味の豊かさが欠如していることである。
「食品工業(Food Engineering)、1989年、第61巻、第9号、p.46、48」には、減脂肪ソーセージの味を改善するための自己分解酵母産物の使用についての記載がある。
DE19922362には、脂肪の低減された肉(とくにソーセージ)およびチーズの味を改善するためのビール酵母自己分解物を含む調味混合物の使用についての記載がある。
減脂肪食品における酵母自己分解物の使用に関する問題は、食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感が十分に改善されないことならびにブイヨン様スープ味が食品に付加されることである。
本発明の目的は、この問題に対する解決策を提供することである。
第1の態様において、本発明は、遊離アミノ酸と少なくとも8%w/wの5’−リボヌクレオチドとを含む酵母抽出物を食品に添加することにより脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感を改善するための方法を提供する。
酵母抽出物は、酵母細胞から抽出された水溶性成分を含む組成物として定義される。一般的には、酵母抽出物は、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ビタミン、炭水化物、およびリン酸塩のような塩を含んでいる。酵母抽出物はまた、5’−リボヌクレオチドを含んでいることもある。
自己分解酵母抽出物は、細胞の破壊および高分子酵母物質の消化(溶解)の後で酵母から得られる可溶性物質の濃縮物である。細胞破壊の後で媒体中に放出される活性酵母酵素は、溶解に関与する。一般に、これらのタイプの酵母抽出物は、5’−リボヌクレオチドを含んでいない。なぜなら、自己分解過程の間に、天然のRNAが、5’−リボヌクレオチドへの分解が不可能であるかまたはほとんど不可能である形態に分解または改変されるからである。アミノ酸に富んだこれらのタイプの酵母抽出物は、基本味付与剤として食品工業で使用される。酵母抽出物中に存在するアミノ酸は、食品にブイヨン様スープ味を付加する。
一方、加水分解酵母抽出物は、細胞の破壊、消化(溶解)、ならびに溶解中の酵母懸濁液へのプロテアーゼおよび/またはペプチダーゼおよびとくにヌクレアーゼの添加の後で酵母から得られる可溶性物質の濃縮物である。天然の酵母酵素は、溶解前に不活性化される。この過程の間に、グアニンの5’−リボヌクレオチド(5’−グアニン一リン酸;5’−GMP)、ウラシルの5’−リボヌクレオチド(5’−ウラシル一リン酸;5’−UMP)、シトシンの5’−リボヌクレオチド(5’−シトシン一リン酸;5’−CMP)、およびアデニンの5’−リボヌクレオチド(5’−アデニン一リン酸;5’−AMP)が生成される。アデニル酸デアミナーゼを混合物に添加した場合、5’−AMPは5’−イノシン一リン酸(5’−IMP)に変換される。したがって、加水分解酵母抽出物は、5’−リボヌクレオチドに富んでおり、とくに、5’−GMPおよび5’−IMPに富んでいる。
多くの場合、自己分解酵母抽出物および加水分解酵母抽出物はまた、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)にも富んでいる。5’−IMP、5’−GMP、およびMSGは、風味向上特性をもつことが知られている。それらは、特定のタイプの食品において香ばしい美味な味を向上させることができる。この現象は、「口当り」または旨味として記述される。加水分解酵母抽出物の天然の5’−リボヌクレオチドは、抽出物中さらには酵母抽出物が添加される食品基材中に存在するグルタミン酸塩と相乗効果を示す。5’−リボヌクレオチドに富んだ、かつ場合によりMSGに富んだ酵母抽出物は、通常、スープ、ソース、マリネ、肉、野菜、グレービー、および風味調味料に添加される。
5’−GMPや5’−IMPなどのようなリボヌクレオチドは、上述の用途において、単離された化合物(すなわち、酵母抽出物の形態ではない)としても使用可能である。しかしながら、後者は、リボヌクレオチドを化学的にそのRNA源から単離することが必要であるという欠点を有する。
本発明に関連して、「脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感を改善する」とは、該食品に添加したときに、好ましくは、酵母抽出物自体の味や特異的食材感を最小限に抑えて、より好ましくは、酵母抽出物自体の味や特異的食材感をまったく与えることなく、脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける特異的脂肪感を向上させて、対応する脂肪分の多い食品の味および/または香りおよび/または口当りに一層類似したものにする酵母抽出物の能力を意味する。酵母抽出物自体の味や特異的食材感とは、酵母に関連するいかなるブイヨン様スープ味またはいかなる後味(酵母様の味および/または匂い)をも意味する。
本発明に関連して、「食品」という用語は、固形栄養物または飲物のいずれかを意味する。
本明細書全体にわたり、「脂肪量低減食品」という表現を用いる。これは、一定量の食品あたり対応する脂肪分の多い食品よりも少なくとも25%w/w少ない脂肪を含む食品を表す。該脂肪量低減食品は、対応する脂肪分の多い食品よりも少なくとも50%w/w少ない脂肪を含むこともある。脂肪量低減食品は、対応する脂肪分の多い食品よりも95%w/w程度少ないまたは約100%w/w程度少ない脂肪を含むこともある。
一般的には、脂肪分の多い食品は1〜100%w/wの脂肪を含み、かつ/またはこの食品のカロリー値の少なくとも10〜100%は脂肪に由来する。
脂肪分の多い食品は、一般的には、その脂肪含量を低減させるための改変も加工も配合も行われていない食品であろう。対応する脂肪分の多い食品は、典型的には、減脂肪食品と同一タイプの食品である(たとえば、脂肪量低減スプレッドチーズの場合にはスプレッドチーズ)。対応する脂肪分の多い食品中の脂肪の量は、典型的には、平均でそのタイプの食品中に存在する脂肪の量であり、その量は、公認の食品データベースならびに/または一般名および/もしくはブランド名の食品の栄養情報を報告した便覧に与えられている。多くの場合、脂肪分の多い食品は、減脂肪食品を販売しているのと同一の製造業者により販売されているかまたは減脂肪食品と同一の商品名で販売されている定番製品(すなわち、食品中の脂肪含量が低減されることが示されていない製品)である。対応する脂肪分の多い食品とは、好ましくは、上述の21CFR101.62(b)に定義されているような、より特定的には21CFR101.13(j)(1)(i)(B)および101.13(j)(1)(ii)(A)(B)に定義されているような「適切な基準食品」を意味する。本発明の場合、「適切な基準食品」および脂肪量低減食品は、「低脂肪食品」(これ以降で定義される)であってもよい。「適切な基準食品」は、「無脂肪食品」(すなわち、約0%の脂肪を有する食品または上述のFDA食品表示ガイドおよび21CFR101.62(b)(1)に定義されているような食品)であってはならない。いくつかのタイプの野菜もしくは果実またはそれらのジュース、炭酸飲料、およびアルコール飲料は、無脂肪である。
より好ましくは、「適切な基準食品」は、低脂肪食品ではない。低脂肪食品の定義は、上述のFDA食品表示ガイドおよび21CFR101.62(b)(2)に与えられている。したがって、「低脂肪食品」とは、通常消費される基準量が30g超または大匙2杯超である場合、該基準量あたり3g以下の脂肪を含有する食品であり、通常消費される基準量が30g以下または大匙2杯以下である場合、該基準量あたりかつ食品50gあたり3g以下の脂肪を含有する食品である。これに関連して、基準量とは、1回の食事で通常消費されるその特定の食品類の量を意味する。特定の食品類あたりの通常消費される基準量を示す表は、上述の21CFR101.12(b)に与えられている。
脂肪量低減食品は、典型的には、食品のタイプに依存して約0〜75%w/wの量の脂肪を含有するであろう。
一般的には、脂肪量低減食品は加工食品である。それは、そこに含まれる脂肪の減少および/または脂肪代替物による該脂肪の置換えをもたらすいかなる加工、改変、配合、または再配合によっても、対応する脂肪分の多い食品から得ることが可能である。該方法および該脂肪代替物は、当技術分野で公知である。他の選択肢として、脂肪量低減食品は、対応する脂肪分の多い食品から得られるのではなく、食品中の脂肪含量を最小限に抑えるために脂肪および/または脂肪代替物を含むいくつかの出発材料から加工される。
本発明に使用される酵母抽出物は、一般的には、高いRNA含量を有する酵母株から得られる。この方法により、多量の5’−リボヌクレオチドが加水分解過程の間に生成される。一般的には、サッカロミセス(Saccharomyces)属、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属、およびカンジダ(Candida)属に属する酵母株が使用される。サッカロミセス(Saccharomyces)属(たとえば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)種)に属する酵母株が好ましい。カンジダ属(たとえば、カンジダ・ユチリス(Candida utilis)またはトルラ酵母)に属する株に由来する酵母抽出物は、後味または甘味により特徴付けられうる。好ましくは、酵母から調製された酵母抽出物により酵母抽出物自体の味や特異的食材感が最小限度で食品に付与されるように、好ましくは、そうした味や特異的食材感が存在しないように、酵母を選択する。
本発明に関連して、「5’−リボヌクレオチド」という用語は、少なくとも5’−GMPと場合により5’−IMPとを含む、より好ましくは少なくとも5’−GMPと5’−IMPの両方を含む、典型的には5’−CMPと5’−UMPと場合により5’−AMPとをも含む、5’−リボヌクレオチドを意味する。典型的には、「5’−リボヌクレオチド」は、5’−GMPと5’−CMPと5’−UMPとさらなる5’−AMPおよび/または5’−IMPとの混合物であろう。ここで、5’−IMPは、5’−AMPから5’−IMPへの転化により得られる。「5’−リボヌクレオチド」は、一般的には、先に述べたように、酵母抽出物の調製および場合により5’−AMPから5’−IMPへの変換の間に酵母中に存在するRNAの加水分解により得られる。5’−リボヌクレオチドという用語は、遊離の5’−リボヌクレオチドまたはその塩のいずれかを意味するものとする。酵母抽出物中の5’−リボヌクレオチドの全重量パーセントは、対応する二ナトリウム塩七水和物(2Na.7Aq)を基準にして算出される。酵母抽出物中の5’−リボヌクレオチドの量は、当業者に公知の標準的なHPLC法を用いて測定される。
酵母抽出物中の全重量パーセントは、塩化ナトリウムフリーの酵母抽出物乾物を基準にしたものであるが、ただし、酵母抽出物中の塩化ナトリウムの重量パーセントは、酵母抽出物乾物を基準にしたものである。塩化ナトリウムフリーとは、酵母抽出物が塩化ナトリウムを含有しないことを意味するものではない。それは、重量パーセントの算出のために塩化ナトリウムが酵母抽出物から除かれることを意味する。この算出および酵母抽出物中の塩化ナトリウムの測定は、当業者に公知の方法により行いうる。
酵母抽出物中の5’−リボヌクレオチドの含量は、脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りを改善するのに重要である。
好ましくは、本発明に係る方法に使用される酵母抽出物は、10〜50%w/w、好ましくは10〜40%w/w、より好ましくは10〜30%w/wの範囲内で5’−リボヌクレオチドを含む。
本発明に係る方法に使用される酵母抽出物中のリボヌクレオチドは、5’−GMPと場合により5’−IMPとを含む。酵母抽出物中の5’−GMPおよび場合により5’−IMPの存在は、それが添加される脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または脂肪感における脂肪感を改善するうえで有益な作用を有する。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、酵母抽出物は、少なくとも4%w/w、好ましくは5〜25%w/w、より好ましくは5〜20%w/w、最も好ましくは5〜15%w/wの全量で、5’−GMPと場合により5’−IMPとを含む。好ましくは、本発明に係る方法に使用される酵母抽出物は、5’−GMPと5’−IMPの両方を含む。
好ましくは、本発明に使用される酵母抽出物は、低含量の遊離アミノ酸および/または低いタンパク質加水分解度を有する。酵母抽出物中の低含量の遊離アミノ酸および/または低いタンパク質加水分解度は、該酵母抽出物が添加される脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りに対してプラスの効果を有する。酵母抽出物のタンパク質加水分解度は、ケルダール窒素法により測定される窒素のパーセントと比較して、酵母抽出物中の第一級アミノ基に属する窒素のパーセントとして測定される。
好ましくは、本発明に係る方法に使用される酵母抽出物は、多くとも50%、好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜45%、さらにより好ましくは20〜45%、最も好ましくは30〜45%のタンパク質加水分解度を有する。
我々は、驚くべきことに、遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が多くとも3.5である酵母抽出物が、酵母抽出物の添加された脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感に対して最適の改善効果を提供することを見いだした。該酵母抽出物は、酵母に関連したブイヨン様のスープ味または後味(酵母様の味および/または匂い)を与えないかまたは最小限度で与える。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、酵母抽出物中の遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が多くとも3.5、好ましくは多くとも3、さらにより好ましくは多くとも2.5、最も好ましくは多くとも2である酵母抽出物を使用する。この範囲の下限は、それほど重要ではなく、典型的には少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも0.5、最も好ましくは少なくとも1である。
酵母抽出物中のアミノ酸の量は、当業者に公知の標準的なHPLC法を用いて測定される。
酵母抽出物中の「タンパク質のパーセント(w/w)」は、測定量の酵母抽出物でケルダール法により測定される全窒素のパーセントに6.25を掛けることにより算出される。この係数6.25は、一般に認められている窒素からタンパク質への換算係数である。
驚くべきことに、酵母抽出物中のタンパク質のパーセント(w/w)と酵母抽出物中の5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比もまた、脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りに対する酵母抽出物の改善効果を決定するのに重要であることが判明した。
上述の比を低くした場合、食品の味および/または香りおよび/または口当りに与える酵母抽出物自体の寄与が最小になるので、食品の味および/または香りおよび/または口当りは、最も改善される。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、酵母抽出物中のタンパク質のパーセント(w/w)と酵母抽出物中の5’−GMPおよび5’−IMPの量のパーセント(w/w)との比は、多くとも12、好ましくは多くとも8、より好ましくは多くとも6.5である。一般的には、この比は、少なくとも0.1、典型的には少なくとも0.5である。
本発明に係る方法に使用される酵母抽出物は、好ましくは、少ない塩化ナトリウム含量により特徴付けられる。食事に含まれる高含量の塩化ナトリウムは健康に有害であるので、これは有利である。酵母抽出物中の塩化ナトリウムの量は、酵母抽出物乾物を基準にして、好ましくは多くとも8%w/w、好ましくは多くとも7%w/w、好ましくは多くとも5%w/w、より好ましくは多くとも3%w/w、さらにより好ましくは多くとも1.5%w/w、最も好ましくは多くとも1%である。上述の範囲の下限は、0%程度に低くしうる。
本発明に係る方法に使用される酵母抽出物は、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)をさらに含みうる。
本発明に係る方法においてとくに好ましい酵母抽出物は、10〜30%w/wの量のリボヌクレオチドを含む。
好ましくは、該酵母抽出物は、5〜15%w/wの全量の5’−GMPおよび5’−IMPを含む。
好ましくは、該酵母抽出物は、遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が、多くとも2かつ一般的には少なくとも1である。
好ましくは、該酵母抽出物は、酵母抽出物中のタンパク質のパーセント(w/w)と酵母抽出物中の5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が、多くとも12である。
上述の範疇に属する酵母抽出物は、たとえば、酵母抽出物マキサロム・プラスLS(Maxarome Plus LS)(登録商標)(オランダ国デルフトのディーエスエム(DSM−Delft−The Netherlands))およびマキサロム・プレミアムLS(Maxarome Premium LS)(登録商標)(オランダ国デルフトのディーエスエム(DSM−Delft−The Netherlands))である。
本発明に係る方法に使用される酵母抽出物の量は、主に、食品用途および酵母抽出物中の5’−リボヌクレオチドの量に依存するであろう。当業者であれば、この量を決定しうる。一般的には、食品に対して0.0001%w/w〜5%w/wの量の酵母抽出物が使用されるであろう。好ましくは0.001〜1%w/w、より好ましくは0.001〜0.1%w/w、最も好ましくは0.001〜0.01%w/wの量の酵母抽出物が使用される。
本発明の他の目的は、味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善された脂肪量低減食品を提供することである。
したがって、第2の態様において、本発明は、本発明に係る第1の態様に記載されているような酵母抽出物を脂肪量低減食品に添加することにより得られる、味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善された脂肪量低減食品を提供する。
本発明は、酪農製品、ベーカリー製品、サラダドレッシング、菓子製品の範疇に属する脂肪量低減食品、または脂肪もしくは油に富んだ産物から得られる脂肪量低減食品に、非常に好適な用途を見いだす。
本発明を適用しうる脂肪量低減酪農製品の例は、ミルク、チョコレートミルクなどのようなフレーバーミルク、ヨーグルト、クリーム、サワークリーム、サワーミルク、チーズ、アイスクリーム、冷菓である。
脂肪もしくは油に富んだ食品から得られる製品の例は、脂肪量の低減されたバター、マーガリン、マヨネーズである。
菓子製品の例は、脂肪量の低減されたチョコレート、キャンディーである。
次に、いくつかの実施例により本発明について具体的に説明するが、これらの実施例に限定しようとするものではない。
以下の実施例では、脂肪量低減食品でいくつかの酵母抽出物を試験する。これらの酵母抽出物の組成を以下の表に与える。
Figure 2009513108
実施例1
この実施例では、脂肪量低減チョコレートミルクに及ぼす酵母抽出物添加の影響を比較する。該酵母抽出物は、それぞれ、少なくとも8%w/wの5’−リボヌクレオチドと、5’−IMP+5’−GMPと、遊離アミノ酸と、を含み、遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比ならびに酵母抽出物中のタンパク質のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が異なる。5’−リボヌクレオチドを含まない酵母抽出物をも試験する。
材料
マキサロム・プラスLS(Maxarome Plus LS)(登録商標)パウダー(オランダ国デルフトのディーエスエム(DSM−Delft−The Netherlands))
マキサロム・プレミアムLS(Maxarome Premium LS)(登録商標)パウダー(オランダ国デルフトのディーエスエム(DSM−Delft−The Netherlands))
クリート(KRIT)(登録商標)(ドイツ国マールのオーリ(Ohly,Marl,Germany))
カート(KAT)(登録商標)(ドイツ国マールのオーリ(Ohly,Marl,Germany))
ハルフフォレ・チョコメル(Halfvolle Chocomel)(登録商標)(オランダ国ズーテルメールのニュートリシア・ドリンクス(Nutricia drinks,Zoetermeer−The Netherlands))(脂肪量低減チョコレートミルク飲料、脂肪1.8g/100ml)
チョコメル(Chocomel)(登録商標)(オランダ国ズーテルメールのニュートリシア・ドリンクス(Nutricia drinks,Zoetermeer−The Netherlands))(脂肪分の多いチョコレートミルク飲料、脂肪2.7g/100ml、全カロリー値:90kcal)
100gの脂肪量低減チョコレートミルクに適正量の酵母抽出物の濃厚水溶液を添加することにより、表1に報告されているサンプルを調製した。必要な場合には水を添加することにより、すべてのサンプルで同一の希釈液を得た。ブランク1(脂肪量低減チョコレートミルク)およびブランク2(脂肪分の多いチョコレートミルク)は、それぞれ、酵母抽出物を含むサンプルのときと同一の希釈液を得るために100gのサンプルに水を添加することにより調製したものである。
マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)、およびクリート(KRIT)(登録商標)を含むサンプル中の5’−リボヌクレオチドの量は、実質的に同一である。
4人の食品鑑定専門家の一団により、ブランクサンプルと酵母抽出物を含有するサンプルとを試験した。
結果を表1に報告する
Figure 2009513108
脂肪量低減チョコレートミルクに対する味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善ならびに対応する脂肪分の多い製品の味および/または香りおよび/または口当りとの類似性に関して、本適用における最良の結果が、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)、次に、マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)およびクリート(KRIT)(登録商標)を用いて得られることが、表1からわかる。食品の味全体への酵母抽出物自体の味および/または食材感の寄与は、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)およびマキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)では、存在しなかった。クリート(KRIT)(登録商標)では、弱いブイヨン様/酵母様の味を認められ、カート(KAT)(登録商標)では、より強いブイヨン様/酵母様の味が認められた。カート(KAT)(登録商標)は、対応するサンプルの味の改善に影響を及ぼさなかった。
実施例2
この実験では、実施例1で使用した酵母抽出物を、それぞれ、脂肪分の多いフレーバーミルク飲料および脂肪量低減フレーバーミルク飲料で試験した。
材料
実施例1のときと同様の酵母抽出物
ミルク・アンド・フルーツ(Milk & Fruit)(登録商標)ライト、オレンジ味(オランダ国エーデのフリースヘ・フラフ(Friesche vlag−Ede−The Netherlands))(脂肪量低減フレーバーミルク、脂肪約0g/100ml)
ミルク・アンド・フルーツ(Milk & Fruit)(登録商標)、オレンジ味(オランダ国エーデのフリースヘ・フラフ(Friesche vlag−Ede−The Netherlands))(脂肪分の多いフレーバーミルク、脂肪1g/100ml、全カロリー値:70kcal)
マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)、およびクリート(KRIT)(登録商標)を含むサンプル中の5’−リボヌクレオチドの量は、実質的に同一である。
実験1に記載したのと類似の方法で、実施例1の酵母抽出物を含むサンプルとブランクサンプル(ブランク1:ミルク・アンド・フルーツ(Milk & Fruit)(登録商標)、ライト;ブランク2:ミルク・アンド・フルーツ(Milk & Fruit)(登録商標)、脂肪分の多い))とを調製した。サンプルの濃度を表2に報告する。
4人の食品鑑定専門家の一団により、ブランクサンプルと酵母抽出物を含有するサンプルとを試験した。結果を表2に報告する。
Figure 2009513108
実施例1のときと同様にかつ表2に報告されるように、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)を含むサンプルの味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感は、減脂肪ブランク1に対して最も大きく改善され、その味および/または香りおよび/または口当りは、脂肪分の多いブランク2の物と最もよく類似し、次に、マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)およびクリート(KRIT)(登録商標)を含むサンプルが、この順に類似していた。食品の全体的な味および/または香りおよび/または口当りへの酵母抽出物自体の味および/または食材感の寄与は、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)では存在せず、マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)ではほとんど存在しなかった。クリート(KRIT)では、わずかな酵母様の味が認められ、カート(KAT)(登録商標)では、より強い酵母様の味が認められた。カート(KAT)(登録商標)は、対応するサンプルの味の改善に影響を及ぼさなかった。
実施例3
この実験では、実施例1で使用した酵母抽出物マキサロム・プラスLS(Maxarome Plus LS)(登録商標)、マキサロム・プレミアムLS(Maxarome Premium LS)(登録商標)、およびカート(KAT)(登録商標)を、それぞれ、脂肪分の多いのマヨネーズおよびスプレッドチーズならびに脂肪量の低減されたマヨネーズおよびスプレッドチーズで試験した。
材料
実施例1のときと同様のマキサロム・プラスLS(Maxarome Plus LS)(登録商標)、マキサロム・プレミアムLS(Maxarome Premium LS)(登録商標)、およびカート(KAT)(登録商標)。
カルヴェ・マヨネーズ(Calve Mayonaise)(登録商標)(オランダ国のユニレバー・ベストフーズ(Unilever Bestfoods Nederland)/オランダ国ロッテルダムのカルヴェ(Calve Rotterdam−The Netherlands))(脂肪分の多いマヨネーズ、製品の分析:タンパク質1g/100g、炭水化物:5g/100g(そのうち糖質4g/100g)、脂肪71g/100g)
カルヴェ・ハルフフォレ・マヨ(Calve Halfvolle Mayo)(登録商標)(オランダ国のユニレバー・ベストフーズ(Unilever Bestfoods Nederland)/オランダ国ロッテルダムのカルヴェ(Calve Rotterdam−The Netherlands))(脂肪量低減マヨネーズ、製品の分析:タンパク質0.6g/100g、炭水化物:11g/100g(そのうち糖質7.5g/100g)、脂肪36g/100g)
ハウトカイプエ(Goudkuipje)(登録商標)(オランダ国ウールデンのコニンクレイケ・エル・カースファブリーク・ベー・フェー(Koninklijke Eru Kaasfabriek B.V.,Woerden−The Netherlands))(脂肪分の多いスプレッドチーズ、製品の分析:タンパク質12g/100g、炭水化物:2g/100g、脂肪21g/100g)
スリムカイプエ(Slimkuipje)(登録商標)(オランダ国ウールデンのコニンクレイケ・エル・カースファブリーク・ベー・フェー(Koninklijke Eru Kaasfabriek B.V.,Woerden−The Netherlands))(脂肪量低減スプレッドチーズ、製品の分析:タンパク質14g/100g、炭水化物:4g/100g、脂肪5g/100g)
マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)およびマキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)を含むサンプル中の5’−リボヌクレオチドの量は、実質的に同一である。
所望の濃度を得るために脂肪量低減食品に酵母抽出物をそのまま直接添加することにより、上述の酵母抽出物を含むサンプルを調製した。ブランクサンプルは、脂肪分の多い食品(ブランク2)および脂肪量低減食品(ブランク1)であった。サンプルの濃度をそれぞれ表3(マヨネーズ)および表4(スプレッドチーズ)に報告する。
4人の食品鑑定専門家の一団により、ブランクサンプルと酵母抽出物を含有するサンプルとを試験した。それらの結果もまた表3および表4に報告する。
Figure 2009513108
Figure 2009513108
実施例1のときと同様に、マキサロム・プレミアムLS(Maxarome Premium LS)(登録商標)を含むサンプルの味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感は、減脂肪ブランク1に対して最も大きく改善され、その味および/または香りおよび/または口当りは、脂肪分の多いブランク2の物と最もよく類似し、次に、マキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)を含むサンプルが類似していた。食品の全体的な味および/または香りおよび/または口当りへの酵母抽出物自体の味および/または食材感の寄与は、マキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)およびマキサロム・プラス(Maxarome Plus)(登録商標)では存在しなかった。カート(KAT)では、かなり強い酵母様の味が認められた。カート(KAT)は、対応するサンプルの味の改善に影響を及ぼさなかった。
実施例4
この実験では、実施例2の脂肪量低減フレーバーミルクに及ぼすマキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)酵母抽出物の濃度の影響を試験した。
実施例1に記載したのと類似の方法で、ミルク・アンド・フルーツ(Milk & Fruit)(登録商標)ライト中にさまざまな濃度のマキサロム・プレミアム(Maxarome Premium)(登録商標)を含むサンプルを調製し、4人の食品鑑定専門家の一団により実施例2のブランクサンプル1および2との比較試験を行った。結果を表5に報告する。
サンプル(1)〜(3)では、酵母抽出物を含むフレーバーミルク飲料の味および/または香りおよび/または口当りが、減脂肪ブランク1に対して改善され、脂肪分の多いブランク2の味に一段と近くなることが観測された。より良好な味改善がサンプル(3)で観測される。サンプル(4)は甘い(後)味を有し、味に及ぼす酵母抽出物の影響は少し過剰になり、味全体のバランスがあまりよくない。サンプル(5)は、バランスの崩れた味を有することから、このサンプル中の酵母抽出物の適用量が多すぎることが示唆される。
Figure 2009513108
この場合には脂肪量低減フレーバー飲料において、または一般的には脂肪量低減食品に対して、当業者であれば本発明により必要とされる酵母抽出物の有効量を容易に決定しうることも、この実施例からわかる。

Claims (11)

  1. 遊離アミノ酸と少なくとも8%w/wの5’−リボヌクレオチドとを含む酵母抽出物を食品に添加することにより脂肪量低減食品の味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感を改善するための方法。
  2. 前記酵母抽出物が、10〜50%w/w、好ましくは10〜40%w/w、より好ましくは10〜30%w/wの範囲内で5’−リボヌクレオチド含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酵母抽出物が、少なくとも4%w/w、好ましくは5〜25%w/w、より好ましくは5〜20%w/w、最も好ましくは5〜15%w/wの全量で5’−GMPおよび場合により5’−IMPを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酵母抽出物のタンパク質加水分解度が、多くとも50%、好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜45%、さらにより好ましくは20〜45%、最も好ましくは30〜45%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記酵母抽出物中の遊離アミノ酸のパーセント(w/w)と5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が、多くとも3.5、好ましくは多くとも3、より好ましくは多くとも2.5、最も好ましくは多くとも2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記酵母抽出物中のタンパク質のパーセント(w/w)と前記酵母抽出物中の5’−GMPおよび5’−IMPの全量のパーセント(w/w)との比が、多くとも12、好ましくは多くとも8、より好ましくは多くとも6.5である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記酵母抽出物が、酵母抽出物乾物を基準にして多くとも8%w/wの量の塩化ナトリウムを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 遊離アミノ酸と少なくとも8%w/wの5’−リボヌクレオチドとを含む酵母抽出物を脂肪量低減食品に添加することにより得られる、味および/または香りおよび/または口当りにおける脂肪感の改善された脂肪量低減食品。
  9. 酪農製品である、請求項8に記載の食品。
  10. ベーカリー製品である、請求項8に記載の食品。
  11. 脂肪製品または油製品から得られる、請求項8に記載の食品。
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