JP2009302343A - 多層基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能不良を抑制できる多層基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の導体パターン層40と熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁樹脂層30とを交互に積層して形成され、実装部品50a〜50dが実装される部品実装部10、11と屈曲可能な屈曲部20とを備えた多層基板を製造する製造方法であって、導体パターン層40と絶縁樹脂層30とを積層する工程S1と、部品実装部10、11と屈曲部20との間の境界部60、61における絶縁樹脂層30を内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方から加熱して、境界部60、61に凹部70〜73を形成する工程S2とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、実装部品が実装される部品実装部と屈曲可能な屈曲部とを備えた多層基板及びその製造方法に関する。
特許文献1には、絶縁樹脂層と導体パターン層とを交互に積層して形成された従来のリジットフレキシブル基板が開示されている。このリジットフレキシブル基板は、実装部品が半田実装される2つの部品実装部(リジット基板)と、両部品実装部間を接続する屈曲可能な屈曲部(フレキシブル基板)とを有している。一般に回路規模が大きくなると、部品実装部及び屈曲部での導体パターン層及び絶縁樹脂層の層数は増加する。
特開2005−353827号公報
屈曲部を屈曲させた場合、屈曲部の外周側の層には伸びが生じ、内周側の層には縮みが生じる。これにより、部品実装部の屈曲部寄りの外周側表面には屈曲部側に引っ張られる方向の応力が生じ、部品実装部の屈曲部寄りの内周側表面には屈曲部側から押される方向の応力が生じる。特に、屈曲部での導体パターン層や絶縁樹脂層の層数が多い場合には、これらの応力が大きくなる。したがって、部品実装部の屈曲部寄りに実装されている実装部品の半田部分には、歪みにより半田クラックが形成されてしまうおそれがある。半田クラックが形成されると、実装部品への導通が不安定になるため、機能不良が生じ易くなってしまう。
本発明の目的は、機能不良を抑制できる多層基板及びその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、複数の導体パターン層(40)と熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁樹脂層(30)とを交互に積層して形成され、実装部品(50a〜50d)が実装される部品実装部(10、11)と屈曲可能な屈曲部(20)とを備えた多層基板を製造する製造方法であって、導体パターン層(40)と絶縁樹脂層(30)とを積層する第1の工程(S1)と、部品実装部(10、11)と屈曲部(20)との間の境界部(60、61)における絶縁樹脂層(30)を内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方から加熱して、境界部(60、61)に凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を形成する第2の工程(S2)とを有することを特徴とする多層基板の製造方法である。
境界部(60、61)の絶縁樹脂層(30)に凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)が形成されることによって、屈曲部(20)の外周側表面及び内周側表面に生じる応力が部品実装部(10、11)に影響を及ぼし難くなる。このため、部品実装部(10、11)の屈曲部(20)寄りの部分に生じる歪みを軽減できる。したがって、実装部品(50a〜50d)の半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できるため、機能不良を抑制できる。
また、絶縁樹脂層(30)は熱可塑性樹脂により形成されているため、加熱によって軟化させることができる。したがって、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を容易に形成できる。
請求項2に記載の発明は、第2の工程(S2)では、加熱可能な加熱用治具(80)を境界部(60、61)の内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方の絶縁樹脂層(30)に押し当てることにより、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を形成することを特徴としている。
加熱用治具(80)を絶縁樹脂層(30)に押し当てることにより、絶縁樹脂層(30)を軟化させながら変形させることができるため、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を容易に形成できる。
請求項3に記載の発明は、第2の工程(S2)では、凹部(77、78)又は貫通孔部(94、95)を屈曲部(20)にも形成することを特徴としている。
これにより、多層基板の屈曲部(20)での強度を弱めることができるため、多層基板を屈曲部(20)で屈曲させるのが容易になる。
請求項4に記載の発明は、第1の工程(S1)では、複数の導体パターン層(40)と複数の絶縁樹脂層(30)とを重ね合わせて内周側表面及び外周側表面の双方から加圧しながら加熱し、一括して積層することを特徴としている。
これにより、複数の導体パターン層(40)及び複数の絶縁樹脂層(30)の積層が容易になるため、多層基板の製造工程を簡略化でき、製造コストを削減できる。
請求項5に記載の発明は、第1の工程(S1)及び第2の工程(S2)を同時に行うことを特徴としている。
これにより、多層基板の製造工程を簡略化できるため、製造コストを削減できる。
請求項6に記載の発明は、複数の導体パターン層(40)と複数の絶縁樹脂層(30)とを交互に積層して形成され、実装部品(50a〜50d)が実装される部品実装部(10、11)と、屈曲可能な屈曲部(20)と、部品実装部(10、11)及び屈曲部(20)の間の境界部(60、61)とを備えた多層基板であって、屈曲部(20)及び境界部(60、61)のうち境界部(60、61)を少なくとも含む一部の領域における内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方の絶縁樹脂層(30)に、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)が形成されていることを特徴とする多層基板である。
境界部(60、61)の絶縁樹脂層(30)に凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)が形成されていることによって、屈曲部(20)の外周側表面及び内周側表面に生じる応力が部品実装部(10、11)に影響を及ぼし難くなる。このため、部品実装部(10、11)の屈曲部(20)寄りの部分に生じる歪みを軽減できる。したがって、実装部品(50a〜50d)の半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できるため、機能不良を抑制できる。
請求項7に記載の発明は、実装部品(50a、50d)は、部品実装部(10、11)の一方の表面のみに実装されており、凹部(70、71)は、当該一方の表面のみに形成されていることを特徴としている。
境界部(60、61)の実装面側の絶縁樹脂層(30)に凹部(70〜73)が形成されていることによって、屈曲部(20)に生じる応力が部品実装部(10、11)の実装面側に影響を及ぼし難くなる。このため、部品実装部(10、11)の実装面側に生じる歪みを軽減できる。したがって、実装部品の半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できるため、機能不良を抑制できる。また、多層基板の一方の表面のみに凹部(70〜73)を形成すればよいため、凹部(70〜73)の形成工程を簡略化でき、多層基板の製造コストを削減できる。
請求項8に記載の発明は、絶縁樹脂層(30)は熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴としている。
これにより、絶縁樹脂層(30)を加熱によって軟化させることができるため、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を容易に形成できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係の一例を示している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態における多層基板1の構成を示す模式的な断面図である。図1に示すように、多層基板1は、実装部品50a〜50d(図1では図示せず)が実装される2つの部品実装部10、11と、例えば半円筒状に屈曲可能な屈曲部20とを有している。屈曲部20の一端部は境界部60を介して部品実装部10に接続されており、屈曲部20の他端部は境界部61を介して部品実装部11に接続されている。
多層基板1は、5層の導体パターン層40(屈曲内周側(図1中の下方側)から順に40a〜40e)と4層の絶縁樹脂層30(屈曲内周側から順に30a〜30d)とが実質的に交互に積層されることにより形成されている。多層基板1は、例えば、導体パターンの形成された複数の樹脂フィルムを一度の熱プレスにより積層したPALAP(登録商標)基板である。各絶縁樹脂層30は例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系樹脂等の熱可塑性樹脂により形成され、比較的高い可撓性及び電気的絶縁性を有している。各導体パターン層40は、例えば銅等の導電性材料により形成されている。図1では各導体パターン層40の形状を簡略化して示しているが、各導体パターン層40は、エッチング処理によりパターニングされた所定の回路形状を有している。本例では、各絶縁樹脂層30a〜30dの膜厚はいずれもほぼ等しく、各導体パターン層40a〜40eの膜厚はいずれもほぼ等しくなっている。
部品実装部10、11、屈曲部20及び境界部60、61における絶縁樹脂層30は、いずれも同一の材料により同一の層数で形成されている。部品実装部10、11での導体パターン層40の層構成は、いずれも導体パターン層40a〜40eの5層構造になっている。屈曲部20での導体パターン層40の層構成は、導体パターン層40b〜40dの3層構造になっている。境界部60、61での導体パターン層40の層構成は、導体パターン層40cのみの単層構造になっている。
部品実装部10、11の各導体パターン層40a〜40eは、部品実装部10、11毎の所定位置に形成されたビアホール(図示せず)を介し、必要に応じて層間接続されている。また部品実装部10の導体パターン層40と部品実装部11の導体パターン層40との間は、屈曲部20の導体パターン層40b〜40d及び境界部60の導体パターン層40cを介して電気的に接続されている。
境界部60、61の外周側表面(図1中の上方の表面)における絶縁樹脂層30には、例えば絶縁樹脂層30dの膜厚にほぼ等しい深さを有する凹部70、71がそれぞれ形成されている。また、境界部60、61の内周側表面(図1中の下方の表面)における絶縁樹脂層30には、例えば絶縁樹脂層30aの膜厚にほぼ等しい深さを有する凹部72、73がそれぞれ形成されている。凹部70〜73は、例えば、屈曲部20と部品実装部10、11との境界に沿って各表面上を直線状に延伸している(図5(b)参照)。
図2は、本実施形態における多層基板1を屈曲部20で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。図2に示すように、多層基板1を屈曲させた状態においては、境界部60、61近傍が屈曲の起点になっている。多層基板1の部品実装部10、11の屈曲部20寄りの領域には、複数の実装部品50a〜50dが半田実装されている。実装部品50aは部品実装部10の外周側表面に実装され、実装部品50bは部品実装部10の内周側表面に実装されている。実装部品50cは部品実装部11の内周側表面に実装され、実装部品50dは部品実装部11の外周側表面に実装されている。
図3は、凹部70〜73の形成されていない多層基板101を屈曲部20で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。図3に示すように、多層基板101は、凹部70〜73が形成されていないことを除き、図2に示した本実施形態の多層基板1と同様の構成を有している。
まず、図2及び図3に示す2つの多層基板1、101において外周側表面に注目すると、屈曲部20の絶縁樹脂層30dには伸びが生じている(図2の両矢印A1及び図3の両矢印A11)。これにより、凹部70〜73の形成されていない多層基板101では、屈曲部20側に引っ張られる方向の応力が部品実装部10、11の絶縁樹脂層30dに生じる(図3の矢印A12、A13)。一方、本実施形態の多層基板1においても、屈曲部20側に引っ張られる方向の応力が境界部60、61近傍の絶縁樹脂層30dに生じ得る(図2の矢印A2、A3)。しかしながら、屈曲の起点となる境界部60、61には屈曲のきっかけとなる凹部70、71が形成されているため、屈曲部20の絶縁樹脂層30dの変形が許容され、部品実装部10、11の絶縁樹脂層30dへの応力の影響は緩和される。このため、実装部品50a、50bの半田部分に生じる歪みが軽減されるので、半田クラック等が形成され難くなっている。
次に、2つの多層基板の内周側表面に注目すると、屈曲部20の絶縁樹脂層30aには縮みが生じている(図2の矢印A4、A5及び図3の矢印A14、A15)。これにより、凹部70〜73の形成されていない多層基板101では、屈曲部20側から押される方向の応力が部品実装部10、11の絶縁樹脂層30aに生じる(図3の矢印A16、A17)。一方、本実施形態の多層基板1においても、屈曲部20側に押される方向の応力が境界部60、61近傍の絶縁樹脂層30aに生じ得る(図2の矢印A6、A7)。しかしながら、屈曲の起点となる境界部60、61には屈曲のきっかけとなる凹部72、73が形成されているため、屈曲部20の絶縁樹脂層30aの変形が許容され、部品実装部10、11の絶縁樹脂層30aへの応力の影響は緩和される。このため、実装部品50c、50dの半田部分に生じる歪みが軽減されるので、半田クラック等が形成され難くなっている。
したがって本実施形態によれば、凹部70〜73によって実装部品50a〜50dの半田部分における半田クラックが形成されるのを抑制できるため、電子部品の機能不良を抑制できる。
次に、本実施形態における多層基板の製造方法について説明する。図4は、本実施形態における多層基板の製造工程の概略の流れを示す図である。図4に示すように、まず複数の導体パターン層40と複数の絶縁樹脂層30とを交互に積層して多層基板1を形成する工程S1を行う。本実施形態では、工程S1は、所定形状の導体パターンが片面又は両面に形成された熱可塑性樹脂製の複数の樹脂フィルムを重ね合わせ、重ね合わせた樹脂フィルムを両表面から加圧しながら加熱して、各樹脂フィルムを一括して積層することにより行われる。
次に、境界部60、61の絶縁樹脂層30を加熱して、凹部70〜73を形成する工程S2を行う。
図5(a)、(b)は、凹部70〜73を形成する工程を示す模式図である。図5(a)に示すように、工程S2は、多層基板1の境界部60、61における両表面の絶縁樹脂層30a、30dに対し、加熱可能な加熱用治具80をそれぞれ押し当てることにより行われる。加熱用治具80は、例えば楕円状の断面を備えた棒状の形状を有している。加熱用治具80としては、予め加熱された金属棒や、自身が発熱する発熱体等が用いられる。熱可塑性樹脂からなる絶縁樹脂層30a、30dは、加熱用治具80を当接させることによって加熱されて軟化する。軟化した絶縁樹脂層30a、30bは、加熱用治具80により押圧されることによって、加熱用治具80の外形状に倣う形状に変形する。これにより図5(b)に示すように、境界部60、61の絶縁樹脂層30a、30dには、加熱用治具80の外形状に倣った半楕円状の断面形状を有する凹部70〜73が形成される。
これらの工程を経て、本実施形態の多層基板1が作製される。
以上説明したように、本実施形態では、境界部60、61の絶縁樹脂層30に形成された凹部70〜73によって、屈曲部20に生じた応力の部品実装部10、11への影響を軽減できる。したがって、実装部品50a〜50dの半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できるため、電子部品の機能不良を抑制できる。
また本実施形態では、絶縁樹脂層30が熱可塑性樹脂により形成されているため、加熱用治具80を押し当てることにより絶縁樹脂層30を軟化させながら変形させることができる。したがって、凹部70〜73の形成を容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、接着剤を用いずに導体パターン層40a〜40e及び絶縁樹脂層30a〜30dを一括して積層することができるため、多層基板1の製造工程を簡略化でき、製造コストを削減できる。
また本実施形態では、部品実装部10、11、屈曲部20及び境界部60、61の絶縁樹脂層30が同一材料で形成されているため、部品実装部10、11、屈曲部20及び境界部60、61の絶縁樹脂層30を共通の工程で形成できる。したがって、多層基板1の製造工程を簡略化でき、製造コストを削減できる。
さらに本実施形態では、境界部60、61及び屈曲部20の全域に凹部を形成するのではなく、凹部70、71を境界部60、61に局所的に形成しているため、凹部70、71の形成工程を簡略化できる。
図6(a)〜(d)は、多層基板における凹部の形状及び配置の変形例を示す図である。図6(a)〜(d)では、各多層基板を基板法線方向に見た構成を示している。
図6(a)に示す第1変形例では、複数の円形状の凹部75が境界部60、61の長手方向に沿ってそれぞれ直線状に配列している。本変形例によっても、屈曲部20に生じた応力の部品実装部10、11への影響を凹部75により軽減できるため、実装部品50a〜50dの半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できる。
図6(b)に示す第2変形例では、複数の長円形状の凹部76が境界部60、61の長手方向に沿ってそれぞれ直線状に配列している。本変形例によっても、屈曲部20に生じた応力の部品実装部10、11への影響を凹部75により軽減できるため、実装部品50a〜50dの半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できる。
図6(c)に示す第3変形例では、複数の円形状の凹部77が境界部60、61及び屈曲部20にマトリクス状に配置されている。屈曲部20に配置された凹部77は、境界部60、61に配置された凹部77と同工程で形成される。本変形例では、境界部60、61だけでなく屈曲部20にも凹部77が形成されている。これにより、半田クラックの形成を抑制できることに加えて、多層基板の屈曲部20での強度を弱めることができるため、多層基板を屈曲させるのが容易になる。
図6(d)に示す第4変形例では、境界部60から屈曲部20を経て境界部61まで延伸する長円状の複数の凹部78が形成されている。これにより、第3変形例と同様の効果が得られる。
図7は、多層基板における凹部の形状の他の変形例を示す図である。図7(a)は多層基板を基板法線方向に見た構成を示し、図7(b)は多層基板の断面構成を示している。図7(a)、(b)に示すように、本変形例では、凹部90〜93が三角形状の断面形状を有している。本変形例によっても、屈曲部20に生じた応力の部品実装部10、11への影響を凹部75により軽減できるため、実装部品50a〜50dの半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できる。
図8は、多層基板のさらに他の変形例を示す断面図である。図8に示すように、本変形例では、境界部60、61のうち基板法線方向に見て導体パターン層40a〜40eが存在しない部分に、多層基板の外周側表面から内周側表面に貫通する例えば円筒形状の貫通孔部94、95がそれぞれ形成されている。貫通孔部94、95は、例えば、加熱用治具80を絶縁樹脂層30a又は30dに押し当てて、絶縁樹脂層30a〜30dを順次軟化及び変形させることにより形成される。本変形例によっても、屈曲部20に生じた応力の部品実装部10、11への影響を貫通孔部94、95により軽減できるため、実装部品50a〜50dの半田部分に半田クラックが形成されるのを抑制できる。
以上のような凹部や貫通孔の形状や配置は、適宜組み合わせて用いてもよい。また、外周側表面及び内周側表面の双方に凹部を形成してもよいし、いずれか一方のみに凹部を形成してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9を用いて説明する。図9は、本実施形態における多層基板2を屈曲部20で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。図9に示すように、多層基板2は、例えば外周側表面のみに実装部品50a、50dが実装された片面実装型である。実装部品50a、50bが外周側表面のみに実装された多層基板2においては、外周側表面での歪みを軽減することによって半田クラックの形成を抑制できる。したがって多層基板2では、境界部60、61の外周側表面のみに凹部70、71が形成されており、境界部60、61の内周側表面には凹部が形成されていない。
本実施形態によれば、実装部品50a、50dの半田部分における半田クラックの形成を抑制できるとともに、凹部70、71を多層基板2の一方の表面のみに形成すればよいため、凹部70、71の形成工程を簡略化できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図10を用いて説明する。図10は、本実施形態における多層基板3の製造工程に用いる加熱加圧装置の一部を示す模式図である。図10に示すように、加熱加圧装置は、固定側の加熱加圧プレート110と、加熱加圧プレート110に対向して配置された可動側の加熱加圧プレート111とを有している。
加熱加圧プレート110は、重ね合わされた複数の樹脂フィルム(多層基板)3が位置決めされて載置されるほぼ平坦な加熱加圧面114を有している。加熱加圧面114には、多層基板3が位置決めされたときの境界部60、61に対応する位置に、所定形状の突起部112が形成されている。加熱加圧プレート111は、ほぼ平坦な加熱加圧面115を有している。加熱加圧面115には、多層基板3が位置決めされたときの境界部60、61に対応する位置に、所定形状の突起部113が形成されている。加熱加圧プレート110、111は、多層基板3を加圧しながら加熱できるようになっている。
所定形状の導体パターンが形成された熱可塑性樹脂製の複数の樹脂フィルムを重ね合わせて、加熱加圧プレート110、111により加圧しながら加熱することによって、導体パターン層40及び絶縁樹脂層30が一括して積層されるのと同時に、境界部60、61には突起部112、113に倣う形状の凹部が形成される。
本実施形態では、導体パターン層40と絶縁樹脂層30とを積層する工程(図4の工程S1)と、境界部60、61の絶縁樹脂層を加熱して凹部を形成する工程(図4の工程S2)とを同時に行うことができる。したがって本実施形態によれば、多層基板3の製造工程を簡略化できるため、製造コストを削減できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、絶縁樹脂層30を加熱により変形させて凹部を形成しているが、加熱により軟化させた絶縁樹脂層30を部分的に除去することによって凹部を形成してもよい。
また上記実施形態では、絶縁樹脂層30を加熱することにより凹部を形成しているが、レーザ光の照射、ドリルを用いた切削、又は刃具を用いた切り取り等によって絶縁樹脂層30を部分的に除去し、凹部を形成することもできる。
さらに上記実施形態では、導体パターンの形成された熱可塑性樹脂製の複数の樹脂フィルムを一度の熱プレスで積層して作製される多層基板を例に挙げたが、他の多層基板にも適用できる。
また上記実施形態では、境界部60、61及び屈曲部20のうち境界部60、61を少なくとも含む一部の領域に凹部を形成しているが、境界部60、61及び屈曲部20の全域に凹部を形成してもよい。
第1実施形態における多層基板の構成を示す模式的な断面図である。 第1実施形態における多層基板を屈曲部で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。 凹部の形成されていない多層基板を屈曲部で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。 第1実施形態における多層基板の製造工程の概略の流れを示す図である。 凹部を形成する工程を示す模式図である。 多層基板における凹部の形状及び配置の変形例を示す図である。 多層基板における凹部の形状の変形例を示す図である。 多層基板の変形例を示す断面図である。 第2実施形態における多層基板を屈曲部で屈曲させた状態を示す模式的な断面図である。 第3実施形態における多層基板の製造方法に用いられる加熱加圧装置の一部を示す模式図である。
符号の説明
1、2、3 多層基板
10、11 部品実装部
20 屈曲部
30、30a〜30d 絶縁樹脂層
40、40a〜40e 導体パターン層
50a〜50d 実装部品
60、61 境界部
70〜73、75〜78、90〜93 凹部
80 加熱用治具
94、95 貫通孔部

Claims (8)

  1. 複数の導体パターン層(40)と熱可塑性樹脂からなる複数の絶縁樹脂層(30)とを交互に積層して形成され、実装部品(50a〜50d)が実装される部品実装部(10、11)と屈曲可能な屈曲部(20)とを備えた多層基板を製造する製造方法であって、
    前記導体パターン層(40)と前記絶縁樹脂層(30)とを積層する第1の工程(S1)と、
    前記部品実装部(10、11)と前記屈曲部(20)との間の境界部(60、61)における前記絶縁樹脂層(30)を内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方から加熱して、前記境界部(60、61)に凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を形成する第2の工程(S2)とを有することを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 前記第2の工程(S2)では、加熱可能な加熱用治具(80)を前記境界部(60、61)の前記内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方の前記絶縁樹脂層(30)に押し当てることにより、前記凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)を形成することを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
  3. 前記第2の工程(S2)では、前記凹部(77、78)又は貫通孔部(94、95)を前記屈曲部(20)にも形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の多層基板の製造方法。
  4. 前記第1の工程(S1)では、前記複数の導体パターン層(40)と前記複数の絶縁樹脂層(30)とを重ね合わせて前記内周側表面及び外周側表面の双方から加圧しながら加熱し、一括して積層することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記第1の工程(S1)及び前記第2の工程(S2)を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の多層基板の製造方法。
  6. 複数の導体パターン層(40)と複数の絶縁樹脂層(30)とを交互に積層して形成され、実装部品(50a〜50d)が実装される部品実装部(10、11)と、屈曲可能な屈曲部(20)と、前記部品実装部(10、11)及び前記屈曲部(20)の間の境界部(60、61)とを備えた多層基板であって、
    前記屈曲部(20)及び前記境界部(60、61)のうち前記境界部(60、61)を少なくとも含む一部の領域における内周側表面又は外周側表面の少なくとも一方の前記絶縁樹脂層(30)に、凹部(70〜73)又は貫通孔部(94、95)が形成されていることを特徴とする多層基板。
  7. 前記実装部品(50a、50d)は、前記部品実装部(10、11)の一方の表面のみに実装されており、
    前記凹部(70、71)は、前記一方の表面のみに形成されていることを特徴とする請求項6に記載の多層基板。
  8. 前記絶縁樹脂層(30)は熱可塑性樹脂により形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の多層基板。
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