JP2006324574A - 多層プリント配線基板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シールド層が転写して剥ぎ取られることがなく、シールド特性の良好な多層プリント配線板を製造可能な多層プリント配線基板とその製造方法の提供。
【解決手段】 ケーブル部および多層部を有し、多層部は、ケーブル部を構成する内層基板のケーブル部を除く領域の少なくとも片面に外層基板が積層されてなり、ケーブル部は内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板の製造方法であって、内層基板上にシールドインクを塗布してシールド層を形成し、次いでシールド層の周囲の内層基板上に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサーを形成し、次いで内層基板の少なくとも片面に外層基板を積層し、次いで外層基板のケーブル部の領域をスペーサーとともに除去してシールド層を露出させ、内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板を得る方法。
【選択図】 図4
【解決手段】 ケーブル部および多層部を有し、多層部は、ケーブル部を構成する内層基板のケーブル部を除く領域の少なくとも片面に外層基板が積層されてなり、ケーブル部は内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板の製造方法であって、内層基板上にシールドインクを塗布してシールド層を形成し、次いでシールド層の周囲の内層基板上に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサーを形成し、次いで内層基板の少なくとも片面に外層基板を積層し、次いで外層基板のケーブル部の領域をスペーサーとともに除去してシールド層を露出させ、内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板を得る方法。
【選択図】 図4
Description
本発明は、多層部とケーブル部とを有し、該ケーブル部にシールド層が設けられた多層プリント配線基板とその製造方法に関し、ケーブル部にシールド層を形成する際に隣接層へのシールド層の転写を防ぎ、良好なシールド特性を有する多層プリント配線板の製造が可能となる多層プリント配線基板とその製造方法に関する。
従来、図7に示すように、複数の基板を積層してなる多層部11とケーブル部12とを有し、該ケーブル部12にシールド層13が設けられた多層プリント配線基板10が知られている。
図6,図7及び図9は、この従来の多層プリント配線基板10の製造方法を説明する図であり、図6は積層工程後の積層基板の平面図、図7は完成した多層プリント配線基板10の平面図、図9は従来プロセスにおける各工程のフロー断面図である。なお、本例示は多層プリント配線基板10としてリジッド−フレックス(R−F)6層基板の製造プロセスを示している。この多層プリント配線基板10は、図9に示すように下記の各工程を経て製造される。
(1)ポリイミドシート17の両面に銅箔18を貼り付けた両面銅張積層板16(以下、CCLと記す。)を用意し、その回路形成を行い、さらにCCL16の両面に、ポリイミド層20の片面に接着層21が設けられたカバーレイ19(以下、CLと記す。)を接着する(絶縁層形成工程)。このCCL16の両面にCL19を接着してなる基板を、以下内層基板と記す。
(2)この内層基板の所定の位置にシールドインクを塗布し、シールド層13を形成する(シールド形成工程)。
(3)ガラスエポキシ板23の両面に銅箔24を貼り付けてなるリジッド銅張積層板(以下、RPCと記す。)からなる外層基板22を用意し、この外層基板22にスリット加工を施し、基板完成時に多層部11とケーブル部12の境界部14となるスリット25を形成する。スリット25を形成した2枚の外層基板22を、接着シート26を介して前記内層基板の両面に重ね合わせ、プレス加工を施して積層する(積層工程)。
(4)外層基板22に層間導通のための穴(図示略)を開け、外層基板22表面及び穴に銅めっきをつける。
(5)外層基板22の最外層の回路形成を行い、さらにレジスト27を積層する。
(6)外形加工し、シールド層13上の外層基板片22Aを剥がし、図7に示す多層プリント配線板10を製造する。
図6,図7及び図9は、この従来の多層プリント配線基板10の製造方法を説明する図であり、図6は積層工程後の積層基板の平面図、図7は完成した多層プリント配線基板10の平面図、図9は従来プロセスにおける各工程のフロー断面図である。なお、本例示は多層プリント配線基板10としてリジッド−フレックス(R−F)6層基板の製造プロセスを示している。この多層プリント配線基板10は、図9に示すように下記の各工程を経て製造される。
(1)ポリイミドシート17の両面に銅箔18を貼り付けた両面銅張積層板16(以下、CCLと記す。)を用意し、その回路形成を行い、さらにCCL16の両面に、ポリイミド層20の片面に接着層21が設けられたカバーレイ19(以下、CLと記す。)を接着する(絶縁層形成工程)。このCCL16の両面にCL19を接着してなる基板を、以下内層基板と記す。
(2)この内層基板の所定の位置にシールドインクを塗布し、シールド層13を形成する(シールド形成工程)。
(3)ガラスエポキシ板23の両面に銅箔24を貼り付けてなるリジッド銅張積層板(以下、RPCと記す。)からなる外層基板22を用意し、この外層基板22にスリット加工を施し、基板完成時に多層部11とケーブル部12の境界部14となるスリット25を形成する。スリット25を形成した2枚の外層基板22を、接着シート26を介して前記内層基板の両面に重ね合わせ、プレス加工を施して積層する(積層工程)。
(4)外層基板22に層間導通のための穴(図示略)を開け、外層基板22表面及び穴に銅めっきをつける。
(5)外層基板22の最外層の回路形成を行い、さらにレジスト27を積層する。
(6)外形加工し、シールド層13上の外層基板片22Aを剥がし、図7に示す多層プリント配線板10を製造する。
図9に示す従来の製造プロセスによってケーブル部12を形成した場合、積層工程のプレス時に、シールド層13が外層基板22に加熱状態で押圧されることによって、シールド層13上の外層基板片22Aを剥がす際に、シールド層13の一部28が外層基板片22Aに転写してしまい、その結果、完成基板上のシールド特性が低下してしまうという問題があった。
シールド層を有する配線基板の製造方法に関する従来例として、特許文献1〜9に記載のものが提案されている。
特許文献1には、厚さ5μm以下のシールド層の上に、接着剤層と固定絶縁層を設けることにより、屈曲性を損なわずに良好なシールド特性が得られることが開示されている。
特許文献2には、可撓性が必要なフレキ回路において、アース回路の上面に導通用孔を設け、その導通用孔に導電性接着剤を充填し、アース回路パターンとシールド電極層を電気的に接続することが開示されている。
特許文献3には、回路の上に第1カバーレイ・シールド層・第2カバーレイを順に設けた構造が開示されている。
特許文献4には、絶縁フィルム・接着剤・回路パターン・接着剤・金属被膜・絶縁フィルムの順に積層され、回路パターンの任意の箇所から導電性ペーストで金属皮膜に繋がっている構造が開示されている。
特許文献5には、回路上部に開口部を持つ絶縁樹脂層があり、その開口部に金属メッキを行い、銀ペーストなどの導電性被膜を施し、その上に絶縁樹脂層を有した構造が開示されている。
特許文献6には、シールド層を両面板の上面と下面に分け、必要な箇所にのみシールド層を設けることによって、総厚を薄くできることが開示されている。
特許文献7には、回路配線パターンの露出面の上部を絶縁被覆で覆い、更にその上にシールド層を設けた構造が示されている。
これらの特許文献1〜7に開示されている従来技術は、すべて単層板(片面板や両面板)構造に関するものである。単層板は、すべての加工が終わった後に、シールド層の加工ができるため、製造工程中にシールド層の保護等を考慮しなくてもよい。一方、本発明に係る多層部を有する基板では、シールド層の形成が製造工程中に必ず存在するものである。すなわち、特許文献1〜7に開示されている従来技術の中には、多層板を製造する工程中にシールド層を形成し、その転写を防ぐ製法に言及しているものは見られない。
特許文献8には、リジッド−フレックス構造の多層板が開示されているが、この従来技術では、単にスルーホールの箇所にシールド層を設けない構造を規定しただけである。
特許文献9には、リジッド・フレックス構造の基板が開示されているが、この従来技術では、ヒンジ部の厚さを多層部の回路の厚さより薄くすることを規定しただけである。
これら特許文献8,9の従来技術は全て構造に関するものであり、多層板に関係するものであるが、シールド層の転写を防ぐ製法等の記述は見られない。
特許文献1には、厚さ5μm以下のシールド層の上に、接着剤層と固定絶縁層を設けることにより、屈曲性を損なわずに良好なシールド特性が得られることが開示されている。
特許文献2には、可撓性が必要なフレキ回路において、アース回路の上面に導通用孔を設け、その導通用孔に導電性接着剤を充填し、アース回路パターンとシールド電極層を電気的に接続することが開示されている。
特許文献3には、回路の上に第1カバーレイ・シールド層・第2カバーレイを順に設けた構造が開示されている。
特許文献4には、絶縁フィルム・接着剤・回路パターン・接着剤・金属被膜・絶縁フィルムの順に積層され、回路パターンの任意の箇所から導電性ペーストで金属皮膜に繋がっている構造が開示されている。
特許文献5には、回路上部に開口部を持つ絶縁樹脂層があり、その開口部に金属メッキを行い、銀ペーストなどの導電性被膜を施し、その上に絶縁樹脂層を有した構造が開示されている。
特許文献6には、シールド層を両面板の上面と下面に分け、必要な箇所にのみシールド層を設けることによって、総厚を薄くできることが開示されている。
特許文献7には、回路配線パターンの露出面の上部を絶縁被覆で覆い、更にその上にシールド層を設けた構造が示されている。
これらの特許文献1〜7に開示されている従来技術は、すべて単層板(片面板や両面板)構造に関するものである。単層板は、すべての加工が終わった後に、シールド層の加工ができるため、製造工程中にシールド層の保護等を考慮しなくてもよい。一方、本発明に係る多層部を有する基板では、シールド層の形成が製造工程中に必ず存在するものである。すなわち、特許文献1〜7に開示されている従来技術の中には、多層板を製造する工程中にシールド層を形成し、その転写を防ぐ製法に言及しているものは見られない。
特許文献8には、リジッド−フレックス構造の多層板が開示されているが、この従来技術では、単にスルーホールの箇所にシールド層を設けない構造を規定しただけである。
特許文献9には、リジッド・フレックス構造の基板が開示されているが、この従来技術では、ヒンジ部の厚さを多層部の回路の厚さより薄くすることを規定しただけである。
これら特許文献8,9の従来技術は全て構造に関するものであり、多層板に関係するものであるが、シールド層の転写を防ぐ製法等の記述は見られない。
また、本出願人は、前述したシールド特性の劣化を低減するため、図10に示すように、シールド層13を形成する際に完成基板上よりもシールド層13の周囲の方が中央部よりも高くなるように塗布し、シールド層13に段差を設けることで、完成基板上のシールド層13が外層基板22との接触によって転写することを防ぐ方法を提案し、特許出願している。
しかしながら、この方法は比較的柔軟なケーブル部を有する多層プリント配線板に適用させる場合、そのシールド層の転写防止効果が十分に得られない可能性がある。すなわち、ケーブル部に用いるシールド材料は可撓性が要求されることから、シールド材料は積層工程のプレス温度における弾性率が小さく、圧力のかかった際に、空間をもつヒンジ部分で外層がへこみ、図10中の積層工程後の基板の符号Xで示す通り、段差が完成基板高さまで押さえ込まれ、シールド層13の周囲のみならず中央部も外層基板22に接触し、外層基板22側に一部28が転写してしまうおそれがある。
しかしながら、この方法は比較的柔軟なケーブル部を有する多層プリント配線板に適用させる場合、そのシールド層の転写防止効果が十分に得られない可能性がある。すなわち、ケーブル部に用いるシールド材料は可撓性が要求されることから、シールド材料は積層工程のプレス温度における弾性率が小さく、圧力のかかった際に、空間をもつヒンジ部分で外層がへこみ、図10中の積層工程後の基板の符号Xで示す通り、段差が完成基板高さまで押さえ込まれ、シールド層13の周囲のみならず中央部も外層基板22に接触し、外層基板22側に一部28が転写してしまうおそれがある。
さらに、本出願人は、図8及び図11に示すように、スペーサー29を外層基板22とシールド層13の間に設置しておくことによって、シールド層13が外層基板22側に転写するのを防ぐ方法を提案し、特許出願している。
しかしながら、この方法は、図11中の符号Yで示した領域において、スペーサー29がシールド層13と接触するため、積層工程でのプレス時にシールド層13がスペーサー29のより押圧され、シールド層13の外観が変化してしまうおそれがある。
特開平5−3395号公報
特開平6−224587号公報
特開平7−122882号公報
特開平7−283579号公報
特開平11−177192号公報
特開2002−176231号公報
特開2004−119604号公報
特開平7−79089号公報
特開平7−106766号公報
しかしながら、この方法は、図11中の符号Yで示した領域において、スペーサー29がシールド層13と接触するため、積層工程でのプレス時にシールド層13がスペーサー29のより押圧され、シールド層13の外観が変化してしまうおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、シールド層が転写して剥ぎ取られることがなく、シールド特性の良好な多層プリント配線板を製造可能な多層プリント配線基板とその製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、ケーブル部および多層部を有し、前記多層部は、前記ケーブル部を構成する内層基板の前記ケーブル部を除く領域の少なくとも片面に外層基板が積層されてなり、前記ケーブル部は前記内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板の製造方法であって、前記内層基板上にシールドインクを塗布してシールド層を形成し、次いで前記シールド層の周囲の前記内層基板上に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサーを形成し、次いで前記内層基板の少なくとも片面に前記外層基板を積層し、次いで前記外層基板の前記ケーブル部の領域を前記スペーサーとともに除去してシールド層を露出させ、前記内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板を得ることを特徴とする多層プリント配線基板の製造方法を提供する。
本発明の多層プリント配線基板の製造方法において、前記スペーサーと前記外層基板との間に第2スペーサーを設けることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明の多層プリント配線基板の製造方法により得られた多層プリント配線基板を提供する。
本発明によれば、内層基板上に設けたシールド層の周囲に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサーを形成することによって、外層基板を積層してシールド層上の外層基板を剥離除去する際に、シールド層が外層基板側に転写して剥ぎ取られることがなく、シールド特性の良好な多層プリント配線基板を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、図2及び図4は、本発明に係る多層プリント配線基板10の製造方法の第1実施形態を説明する図であり、図1は積層工程後の積層基板の平面図、図2は完成した多層プリント配線基板10の平面図、図4は本実施形態における各製造工程のフロー断面図である。
図1、図2及び図4は、本発明に係る多層プリント配線基板10の製造方法の第1実施形態を説明する図であり、図1は積層工程後の積層基板の平面図、図2は完成した多層プリント配線基板10の平面図、図4は本実施形態における各製造工程のフロー断面図である。
この多層プリント配線基板10は、図2に示すように、複数の基板を積層してなる多層部11と、屈曲可能なケーブル部12とを有し、該ケーブル部12にシールド層13が設けられた構造になっている。
以下、図4を参照して本実施形態による製造方法を説明する。
まず、ポリイミドシート17の両面に銅箔18を貼り付けたCCL16を用意し、これに回路(図示略)を形成する。
次に、回路形成後のCCL16の両面に、CL19を接着し、屈曲可能な内層基板を作製する(絶縁層形成工程)。
まず、ポリイミドシート17の両面に銅箔18を貼り付けたCCL16を用意し、これに回路(図示略)を形成する。
次に、回路形成後のCCL16の両面に、CL19を接着し、屈曲可能な内層基板を作製する(絶縁層形成工程)。
このCL19としては、ポリイミド層20の片面に接着層21を設けたものを用い、前記CCLの銅箔18と接着層21とを重ね合わせて熱プレス等によって貼り合わせる。これによりフレキシブルな内層基板が得られる。
次に、前記内層基板のケーブル部領域にシールドインクを塗布し、シールド層13を形成する(シールド形成工程)。
シールド層13の構成としては特に限定されるものではないが、例えば、内層基板の直上に銀ペースト層を設け、その上にカーボンブラック層をコーティングした二層構造のものが好適に用いられる。シールド層13の形成方法としては、塗布、スパッタ、エアーブロー(吹き付け)等が挙げられる。なお、本実施形態では、図1に示すように、ケーブル部12領域の中央部にシールド層13を設けているが、シールド層13の形成領域は本例示に限定されず、例えば、多層部11領域側に若干はみ出してシールド部13を設けてもよい。
次に、シールド層13の周囲の内層基板上に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層13より厚くなるように塗布し、乾燥或いは適当な硬化処理を行ってスペーサー30を形成する(スペーサー形成工程)。
このスペーサー30の材料は、塗布乾燥後、180℃での弾性率が100MPa以上である合成樹脂材料を含むインクが使用される。このスペーサー30形成用のインクとしては、前記合成樹脂を溶媒に溶解又は分散させた液状樹脂組成物や熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂の未硬化樹脂液などが挙げられる。
このスペーサー30の塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上であり、かつシールド層13よりも厚く形成することで、内層基板に外層基板22を重ね合わせ、熱プレスによって積層する際に、外層基板22表面がスペーサー30によって支持され、シールド層13と外層基板22が接触するのを防ぎ、これによってシールド層13の外層基板22への転写を防いでいる。一方、スペーサー30の塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPaより低いと、熱プレスによって外層基板22を積層する際に、スペーサー30が潰れ、外層基板22がシールド層13に接触して熱プレスされることで、シールド層13の転写が生じ易くなる。
なお、積層プレス温度は130℃〜180℃が一般的である。積層プレス温度は接着シートの材質、硬化速度やフロー量などを勘案して適宜決められる。前述したスペーサー30の弾性率は、前記積層プレス温度範囲の最高温度である180℃における弾性率を規定した。
次に、スペーサー30を設けた内層基板の両面に、接着層26を介して、予めスリット25を設けてある外層基板22を重ね合わせ、これらを熱プレスして積層し、積層基板を作製する(積層工程)。
この外層基板22としては、例えば、ガラスエポキシ板23の両面に銅箔24を貼り合わせた両面の銅張リジッド基板(RPC)などが用いられる。また、接着層26は、熱硬化性樹脂接着剤シートを外層基板22にあわせて裁断したものなどが用いられ、この接着剤シートは予め外層基板22側に接着しておいてもよい。また、外層基板22のスリット25は、ケーブル部12に相当する部分を他部から分離できるように形成されている。
この積層工程において、シールド層13の周囲には、前述したスペーサー30を設けてあるので、積層工程を経て得られた積層基板は、図4中の符号Zの領域に示すように、シールド層13領域に被せられる外層基板22は、シールド層13よりも厚く形成されているスペーサー30によって支持され、外層基板22とシールド層13が接触することが防がれる。その結果、熱プレス後、外層基板22へのシールド層13の転写を実質的になくすことができる。
次に、外層基板22に層間導通のための穴(図示略)を開け、外層基板22表面及び穴に銅めっきをつける。次に、前記積層基板の最外層となる外層基板22の銅箔24を加工し、所望の回路を形成する。さらに、この最外層の回路の絶縁層となる樹脂を塗布、硬化させてレジスト27を形成する(レジスト形成工程)。
次に、ケーブル部12の不要な領域を切断するなど、積層基板の一部を外形加工し(外形加工工程)、その後、スリット25によって多層部11と分割されている、シールド層13上の外層基板片22Aを剥がす(RPC剥がし工程)。
これによって、多層プリント配線基板10が得られる。
これによって、多層プリント配線基板10が得られる。
本実施形態の製造方法によれば、内層基板上に設けたシールド層13の周囲に、塗布乾燥後の弾性率がシールド層13よりも大きいインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサー30を形成することによって、外層基板22を積層してシールド層13上の外層基板片22Aを剥離除去する際に、シールド層13が外層基板片22A側に転写して剥ぎ取られることがなく、シールド特性の良好な多層プリント配線基板10を製造することができる。
図3及び図5は、本発明に係る多層プリント配線基板10の製造方法の第2実施形態を説明する図であり、図3は積層工程後の積層基板の平面図、図5は本実施形態における各製造工程のフロー断面図である。
本実施形態では、前述した第1実施形態と同様の製造工程を備え、さらにスペーサー形成工程において、前記スペーサー30(以下、第1スペーサーと記す。)を形成した後、シールド層13を覆うようにして第2スペーサー31を形成し、その後、第1実施形態と同様に、積層工程において外層基板22を積層し、さらに回路形成工程、レジスト形成工程、外形加工工程、RPC剥がし工程の各工程を経て多層プリント配線基板10を製造することを特徴としている。
この第2スペーサー31の材料は、特に制限は無く、金属、高分子材料、無機材料等をはじめ、それ以外の組成の材料であってもよく、また、それらの複合材料であってもよい。
本実施形態では、第1スペーサー30と外層基板22との間に第2スペーサー31を配置することによって、積層工程の際、外層基板22が積層プレス時の圧力によって変形してへこんだ場合でも、第2スペーサー31によってシールド層13が外層基板22に接触するのを防ぎ、シールド層13の転写を防ぐことができる。
なお、前述した各実施例は、本発明に係る製造方法をリジッド−フレックス(R−F)6層基板の製造に適用した場合を示しているが、本発明の方法はこれに限定されない。
すなわち、本発明において内層基板は、フレキシブル配線板でもリジッド配線板でもよい。
また、外層基板22は、フレキシブル配線板でもリジッド配線板でもよい。
さらに、多層プリント配線基板10の層数や各層の厚み、構成等も、特に限定されるものではない。
内層基板にフレキシブル配線板を用いた場合、フレキシブルなケーブル部12を構成できるので好ましい。
さらに、外層基板22にリジッド配線板を用いた場合、ケーブル部12がフレキシブルで、多層部11がリジッドであるリジッド−フレックス多層基板を構成することができる。
すなわち、本発明において内層基板は、フレキシブル配線板でもリジッド配線板でもよい。
また、外層基板22は、フレキシブル配線板でもリジッド配線板でもよい。
さらに、多層プリント配線基板10の層数や各層の厚み、構成等も、特に限定されるものではない。
内層基板にフレキシブル配線板を用いた場合、フレキシブルなケーブル部12を構成できるので好ましい。
さらに、外層基板22にリジッド配線板を用いた場合、ケーブル部12がフレキシブルで、多層部11がリジッドであるリジッド−フレックス多層基板を構成することができる。
[実施例1]
・使用材料
内層CCL:両面銅箔18μm、接着剤10μm、ポリイミド25μm。
CL:ポリイミド25μm、接着剤25μm。
外層基板(RPC):両面銅箔18μm。
接着シート:40μm。
シールド層:銀ペースト約10μm、カーボンブラック約10μm。
スペーサーインク:エポキシ系インク、弾性率2100MPa(180℃)。なお、スペーサーの弾性率の測定は、ASTM D-882に準拠して行った。
・使用材料
内層CCL:両面銅箔18μm、接着剤10μm、ポリイミド25μm。
CL:ポリイミド25μm、接着剤25μm。
外層基板(RPC):両面銅箔18μm。
接着シート:40μm。
シールド層:銀ペースト約10μm、カーボンブラック約10μm。
スペーサーインク:エポキシ系インク、弾性率2100MPa(180℃)。なお、スペーサーの弾性率の測定は、ASTM D-882に準拠して行った。
・製造プロセス(図4参照)
(1)CCL16の回路形成を行い、その両面にCL19を接着し、内層基板を作製する。
(2)所定の位置にシールドインクを塗布し、シールド層13を形成する。
(3)シールド層13の外側に、シールド層13よりも厚く、180℃での弾性率が100MPa以上(乾燥後)のインクを塗布し、スペーサー30を形成する。
(4)両面の外層基板22を接着シートを介して熱プレスすることによって積層し、積層基板を作製する。
(5)層間導通のための孔を開け、基板表面および孔に銅メッキをつける。
(6)最外層の回路形成を行い、さらに絶縁層としてのレジスト27を形成する。
(7)外形加工し、シールド層13上の外層基板片22を剥がす。
(1)CCL16の回路形成を行い、その両面にCL19を接着し、内層基板を作製する。
(2)所定の位置にシールドインクを塗布し、シールド層13を形成する。
(3)シールド層13の外側に、シールド層13よりも厚く、180℃での弾性率が100MPa以上(乾燥後)のインクを塗布し、スペーサー30を形成する。
(4)両面の外層基板22を接着シートを介して熱プレスすることによって積層し、積層基板を作製する。
(5)層間導通のための孔を開け、基板表面および孔に銅メッキをつける。
(6)最外層の回路形成を行い、さらに絶縁層としてのレジスト27を形成する。
(7)外形加工し、シールド層13上の外層基板片22を剥がす。
[実施例2]
180℃でのスペーサーの弾性率が500MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が500MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
[実施例3]
180℃でのスペーサーの弾性率が100MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が100MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
[実施例4]
180℃でのスペーサーの弾性率が100MPaであること、図5に示すように、スペーサー上に第2スペーサーとして厚さ10μmの銅箔を配置したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が100MPaであること、図5に示すように、スペーサー上に第2スペーサーとして厚さ10μmの銅箔を配置したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
[比較例1]
180℃でのスペーサーの弾性率が90MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が90MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
[比較例2]
180℃でのスペーサーの弾性率が30MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が30MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
[比較例3]
180℃でのスペーサーの弾性率が5MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が5MPaであること以外は、実施例1と同様に製造した。
[比較例4]
180℃でのスペーサーの弾性率が5MPaであること、図5に示すように、スペーサー上に第2スペーサーとして厚さ10μmの銅箔を配置したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
180℃でのスペーサーの弾性率が5MPaであること、図5に示すように、スペーサー上に第2スペーサーとして厚さ10μmの銅箔を配置したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
実施例1〜4、比較例1〜4のシールド層の転写状況は表1のようになった。
表1の結果から、弾性率の高いスペーサーをシールド層の周囲に設けたことによって、積層工程での熱プレス時にシールド層が外層基板と接触するのを防いで、シールド層が外層基板に転写されるのを防ぐことができると考えられる。
さらに、シールド層上に、スペーサーと外層基板との間に第2スペーサーを配置することによって、外層基板が積層工程の熱プレス時に圧力によってへこんだ場合においても、シールド層が外層基板側に転写されるのを防止する硬化が向上していると考えられる。
さらに、シールド層上に、スペーサーと外層基板との間に第2スペーサーを配置することによって、外層基板が積層工程の熱プレス時に圧力によってへこんだ場合においても、シールド層が外層基板側に転写されるのを防止する硬化が向上していると考えられる。
10…多層プリント配線基板、11…多層部、12…ケーブル部、13…シールド層、14…境界部、15…スペーサー、16…CCL、17…ポリイミドシート、18…銅箔、19…CL、20…ポリイミド層、21…接着層、22…外層基板、22A…外層基板片、23…ガラスエポキシ板、24…銅箔、25…スリット、26…接着層、27…レジスト、28…シールド層の一部、30…スペーサー、31…第2スペーサー。
Claims (3)
- ケーブル部および多層部を有し、前記多層部は、前記ケーブル部を構成する内層基板の前記ケーブル部を除く領域の少なくとも片面に外層基板が積層されてなり、前記ケーブル部は前記内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板の製造方法であって、
前記内層基板上にシールドインクを塗布してシールド層を形成し、次いで前記シールド層の周囲の前記内層基板上に、塗布乾燥後の弾性率が180℃で100MPa以上のインクをシールド層より厚くなるように塗布してスペーサーを形成し、次いで前記内層基板の少なくとも片面に前記外層基板を積層し、次いで前記外層基板の前記ケーブル部の領域を前記スペーサーとともに除去してシールド層を露出させ、前記内層基板上にシールド層を有する多層プリント配線基板を得ることを特徴とする多層プリント配線基板の製造方法。 - 前記スペーサーと前記外層基板との間に第2スペーサーを設けることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線基板の製造方法。
- 請求項1又は2に記載した製造方法により得られた多層プリント配線基板。
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- 2005-05-20 JP JP2005147929A patent/JP2006324574A/ja not_active Withdrawn
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