JP2009152496A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面基板を出発材料として、層間接続の信頼性向上を図ることが可能なプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】両面に回路を有する両面基板5の一方の面側の回路6上に、接着剤層11を介してマスクフィルム12を貼付する工程と、マスクフィルム12の側からレーザでマスクフィルム12および接着剤層11を貫通して一方の面側の回路6(詳しくは符号8aの部分)を露出させる開口部13を形成した後、開口部13より径が小さいビアホール14を、開口部13内から両面基板5の他方の面側の回路7(詳しくは符号9の部分)に達するまでレーザで形成する工程と、ビアホール14および開口部13に導電性ペースト15を充填する工程と、マスクフィルム12を剥離除去することで接着剤層11上に突出する導電性ペースト突起16を形成する工程と、を有するプリント配線板の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】両面に回路を有する両面基板5の一方の面側の回路6上に、接着剤層11を介してマスクフィルム12を貼付する工程と、マスクフィルム12の側からレーザでマスクフィルム12および接着剤層11を貫通して一方の面側の回路6(詳しくは符号8aの部分)を露出させる開口部13を形成した後、開口部13より径が小さいビアホール14を、開口部13内から両面基板5の他方の面側の回路7(詳しくは符号9の部分)に達するまでレーザで形成する工程と、ビアホール14および開口部13に導電性ペースト15を充填する工程と、マスクフィルム12を剥離除去することで接着剤層11上に突出する導電性ペースト突起16を形成する工程と、を有するプリント配線板の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、層間接続を有するプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板において層間接続を得る方法として、基板にビアホール(貫通孔)を形成し、導電性ペーストを充填する方法が提案されている(特許文献1〜4参照)。
特許文献1に記載の技術は、絶縁層の厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む基板を用いて、導電性ペーストを充填する際のエア抜け性を確保するものである。しかしこの文献には、出発材料が片面CCL(片面銅張り積層材)の例のみが記載され、両面CCL(両面銅張り積層材)を出発材料とした例は記載されていない。また、基板に樹脂無孔質層として熱接着性層を設けて金属箔を貼り付けるため、熱接着性層の厚さだけ基板が厚くなるとともに、製造工程において金属箔の貼り付け工程が増えてしまう。
特許文献2に記載の技術は、開孔部を形成したフレキシブル配線基板の表面に貼着した接着性樹脂フィルムをレーザ加工により開孔し、この接着性樹脂フィルムを充填用マスクとしてフレキシブル配線基板の開孔部に導電性ペーストを充填した後、接着性樹脂フィルムを剥離して層間導通を得るものである。この技術では、デスミア工程で接着性樹脂フィルムの剥離が生じたり、熱膨張率の異なる接着性樹脂の一部が残留し、この残留樹脂を起点として導電性ペーストの突起とランドとの接触が不完全となり、電気的接続の信頼性が失われるおそれがある。
特許文献1に記載の技術は、絶縁層の厚み方向の少なくとも一部に樹脂多孔質層を含む基板を用いて、導電性ペーストを充填する際のエア抜け性を確保するものである。しかしこの文献には、出発材料が片面CCL(片面銅張り積層材)の例のみが記載され、両面CCL(両面銅張り積層材)を出発材料とした例は記載されていない。また、基板に樹脂無孔質層として熱接着性層を設けて金属箔を貼り付けるため、熱接着性層の厚さだけ基板が厚くなるとともに、製造工程において金属箔の貼り付け工程が増えてしまう。
特許文献2に記載の技術は、開孔部を形成したフレキシブル配線基板の表面に貼着した接着性樹脂フィルムをレーザ加工により開孔し、この接着性樹脂フィルムを充填用マスクとしてフレキシブル配線基板の開孔部に導電性ペーストを充填した後、接着性樹脂フィルムを剥離して層間導通を得るものである。この技術では、デスミア工程で接着性樹脂フィルムの剥離が生じたり、熱膨張率の異なる接着性樹脂の一部が残留し、この残留樹脂を起点として導電性ペーストの突起とランドとの接触が不完全となり、電気的接続の信頼性が失われるおそれがある。
特許文献3に記載の技術は、離型性フィルムを両面に備えた有機質多孔質基材で構成され、導電性樹脂組成物が離型性フィルム表面まで充填された貫通孔を所望の位置に有する回路基板接続材である。しかし、基板作製に使用できる材料が制限されること、印刷後に銅箔を張り合わせる工程を有し工数が多くなりコストが高いことという問題がある。
特許文献4に記載の技術は、熱可塑性樹脂層の主面に形成された導体箔を選択エッチングして所要の導体パターンを形成した後、熱可塑性樹脂層の厚さ方向に貫通孔を穿設し、該貫通孔内に導電性組成物を充填・埋設するものである。しかし、この技術は片面板のみへの適用が可能で、原理的に両面板には適用することができない。
特開2005−116660号公報
特開2004−55777号公報
特開平7−147464号公報
特開平6−252551号公報
特許文献4に記載の技術は、熱可塑性樹脂層の主面に形成された導体箔を選択エッチングして所要の導体パターンを形成した後、熱可塑性樹脂層の厚さ方向に貫通孔を穿設し、該貫通孔内に導電性組成物を充填・埋設するものである。しかし、この技術は片面板のみへの適用が可能で、原理的に両面板には適用することができない。
従来技術では、基板の厚み(特許文献1)や層数(特許文献4)の増大、基材の制限(特許文献3)や銅箔を貼り合わせる工程の増加(特許文献1,3)、歩留まり及び接続信頼性の低下(特許文献2)といった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、両面基板を出発材料として、層間接続の信頼性向上を図ることが可能なプリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、両面に回路を有する両面基板の一方の面側の回路上に、接着剤層を介してマスクフィルムを貼付する工程と、前記マスクフィルムの側からレーザで前記マスクフィルムおよび接着剤層を貫通して前記一方の面側の回路を露出させる開口部を形成した後、前記開口部より径が小さいビアホールを、前記開口部内から前記両面基板の他方の面側の回路に達するまでレーザで形成する工程と、前記ビアホールおよび開口部に導電性ペーストを充填する工程と、前記マスクフィルムを剥離除去することで前記接着剤層上に突出する導電性ペースト突起を形成する工程と、を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法を提供する。
本発明の製造方法においては、前記導電性ペーストを充填する工程の後に、前記導電性ペーストを硬化させる工程を有することが好ましい。
前記両面基板が、両面銅張り積層材を出発材料として作製されたものであることが好ましい。
前記両面基板が、両面銅張り積層材を出発材料として作製されたものであることが好ましい。
また、本発明は、上述の製造方法で作製され、前記一方の面側の回路と前記他方の面側の回路との間の層間接続が前記ビアホールに充填された導電性ペーストにより実現されたものであることを特徴とする両面プリント配線板を提供する。
また、本発明は、上述の両面プリント配線板を含み、すべての層間接続が導電性ペーストにより実現されたものであることを特徴とする多層プリント配線板を提供する。
また、本発明は、上述の両面プリント配線板を含み、すべての層間接続が導電性ペーストにより実現されたものであることを特徴とする多層プリント配線板を提供する。
本発明によれば、導電性ペーストと一方の面側の回路との間にマスクフィルムの一部が残留することがないので、その残留物を起点とした層間接続の破壊を防止することができる。導電性ペースト突起を形成するときに接着剤層を剥がさないので、一方の面側の回路上に接着剤が残って接触不良になることがない。導電性ペーストを充填するときに、開口部に一方の面側の回路の一部を露出されているので、回路と導電性ペーストとの接触面積を増やし、接続信頼性を向上させることができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1(a)〜(g)は、本発明の製造方法の一形態例を示す断面工程図である。
図1(a)は、絶縁性基材1の両面に銅箔2,3を有する両面銅張り積層材(両面CCL)4を示す。両面CCL4の両面の銅箔2,3を回路形成することにより、図1(b)に示すように、両面に回路6,7を有する両面基板5を作製することができる。このように、両面CCL4を出発材料として両面基板5を作製すると、銅箔の貼り合せなどの工程が増えることがなく、工程が削減でき、コストも上がらないので好ましい。また、両面CCL4は、銅箔2,3が接着剤を介することなく絶縁性基材1の両面1a,1bに積層されたものを用いると、基板は厚くならず、好ましい。絶縁性基材1はフレキシブル基材でもリジッド基材でも良く、特に限定されるものではない。フレキシブル基材としては、例えばポリイミドや液晶ポリマーなどの樹脂フィルム基材が挙げられる。また、リジッド基材としては、紙やガラス布等の基材にポリイミド、エポキシ、フェノール樹脂等の樹脂を含浸したプリプレグを用いたものが挙げられる。
図1(a)〜(g)は、本発明の製造方法の一形態例を示す断面工程図である。
図1(a)は、絶縁性基材1の両面に銅箔2,3を有する両面銅張り積層材(両面CCL)4を示す。両面CCL4の両面の銅箔2,3を回路形成することにより、図1(b)に示すように、両面に回路6,7を有する両面基板5を作製することができる。このように、両面CCL4を出発材料として両面基板5を作製すると、銅箔の貼り合せなどの工程が増えることがなく、工程が削減でき、コストも上がらないので好ましい。また、両面CCL4は、銅箔2,3が接着剤を介することなく絶縁性基材1の両面1a,1bに積層されたものを用いると、基板は厚くならず、好ましい。絶縁性基材1はフレキシブル基材でもリジッド基材でも良く、特に限定されるものではない。フレキシブル基材としては、例えばポリイミドや液晶ポリマーなどの樹脂フィルム基材が挙げられる。また、リジッド基材としては、紙やガラス布等の基材にポリイミド、エポキシ、フェノール樹脂等の樹脂を含浸したプリプレグを用いたものが挙げられる。
なお、本発明において出発材料となる両面基板5は、両面に回路6,7を有するものであれば特に限定されるものではない。回路6,7は、導電性金属などを用いた導体層から構成することができる。例えば、片面に回路を有する片面基板を出発材料とし、その回路の反対側に銅箔を貼り合せて回路形成することで、両面基板とするのでも良い。また、銅箔以外の金属箔が積層された積層材を出発材料に用いて回路形成したものや、印刷回路などを用いるのでも構わない。銅箔等の回路形成は、例えばフォトリソグラフィー技術等によりパターニングしたエッチングレジストを用いる方法などにより行うことができる。
次に、図1(c)および図1(d)に示すように、両面基板5の一方の面側の回路6上に、接着剤層11を介してマスクフィルム12を貼付する。このとき、図1(c)に示すように、まず接着剤層11を回路6上に形成した後で、図1(d)に示すようにマスクフィルム12を貼付するのでも良く、あるいは、マスクフィルム12に接着剤層11が積層されたものを用意して、回路6上に貼着するのでも良い。
接着剤層の形成方法としては、接着剤の塗布や接着性樹脂フィルムの貼付等が挙げられる。としては例えばエポキシ系熱硬化樹脂やアクリル系の樹脂シート等が挙げられる。
接着剤層の形成方法としては、接着剤の塗布や接着性樹脂フィルムの貼付等が挙げられる。としては例えばエポキシ系熱硬化樹脂やアクリル系の樹脂シート等が挙げられる。
次に、図1(e)に示すように、マスクフィルム12の側からレーザでマスクフィルム12および接着剤層11を貫通して一方の面側の回路6を露出させる開口部13を形成した後、この開口部13より径が小さいビアホール14を、開口部13内から両面基板5の他方の面側の回路7に達するまでレーザで形成する。この例では、回路形成の際に、一方の面側の回路6がランド8を含み、他方の面側の回路7がビアホール14の裏側の導体層9を含み、開口部13にはランド8の一部8aが露出されるものとしている。本発明においては、マスクフィルム12のみを剥離除去し、接着剤層11を剥離することがないので、レーザ加工の際にランド8等の導体の温度が局所的に上昇してマスクフィルムの接着剤が硬化しても、回路6の上への接着剤残留による接続不良等の問題が、原理的に発生することがない。
レーザは、開口部13を形成する際に絶縁性基材1が加工されたり、ビアホール14を形成する際にレーザが基板の裏側に漏洩するのを防ぐため、例えば種類や照射条件等を適宜選択して、導体層を加工しないか加工しにくいものを用いることが好ましい。
レーザは、開口部13を形成する際に絶縁性基材1が加工されたり、ビアホール14を形成する際にレーザが基板の裏側に漏洩するのを防ぐため、例えば種類や照射条件等を適宜選択して、導体層を加工しないか加工しにくいものを用いることが好ましい。
開口部13およびビアホール14をレーザ照射により形成した後、生じたスミアを例えばプラズマデスミア処理などにより除去しておくと、電気的接続の信頼性向上の点から好ましい。このような方法によれば、ランド8が開口部13内に露出した部分8a上の異物を、レーザ照射、デスミア処理、またはこれらの併用などにより、確実に除去することができる。本発明によれば、マスクフィルム12が接着剤層11により強く密着しているので、デスミア処理の際にマスクフィルム12の剥離を防ぐことができる。
次に、図1(f)に示すように、ビアホール14および開口部13に導電性ペースト15を充填する。導電性ペーストは、例えば錫(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などの金属、2種以上の金属の合金、あるいはこれらの1種または2種以上の混合物を含有するものを用いることができる。
導電性ペーストとして、熱硬化型の樹脂に金属フィラーが混入されてなる熱硬化型導電性樹脂組成物を用いた場合、導電性ペーストを充填した後に、圧力をかけながら加熱することにより、回路と金属フィラー、および金属フィラー同士が接触して金属が焼結・接続されることで電気的導通をとることができる。さらに樹脂が加熱硬化することで、ペーストビアとして完全硬化する。
また、導電性ペーストとして、金属粉(銅粉、銀粉等)が熱硬化性樹脂に混入されてなる粉体接触型導電性ペーストを用いた場合、特に加圧しなくても、加熱により樹脂が硬化し、回路と金属粉、および金属粉同士が接触することで電気的導通をとることができる。この場合は、図1(f)に示すように導電性ペースト15を充填し、さらに図1(g)に示すようにマスクフィルム12を剥離除去して導電性ペースト突起16を形成した段階で加熱・乾燥することにより、導電性ペーストをペーストビアとして硬化させるという手順によることもできる。
導電性ペーストとして、熱硬化型の樹脂に金属フィラーが混入されてなる熱硬化型導電性樹脂組成物を用いた場合、導電性ペーストを充填した後に、圧力をかけながら加熱することにより、回路と金属フィラー、および金属フィラー同士が接触して金属が焼結・接続されることで電気的導通をとることができる。さらに樹脂が加熱硬化することで、ペーストビアとして完全硬化する。
また、導電性ペーストとして、金属粉(銅粉、銀粉等)が熱硬化性樹脂に混入されてなる粉体接触型導電性ペーストを用いた場合、特に加圧しなくても、加熱により樹脂が硬化し、回路と金属粉、および金属粉同士が接触することで電気的導通をとることができる。この場合は、図1(f)に示すように導電性ペースト15を充填し、さらに図1(g)に示すようにマスクフィルム12を剥離除去して導電性ペースト突起16を形成した段階で加熱・乾燥することにより、導電性ペーストをペーストビアとして硬化させるという手順によることもできる。
本発明においては、導電性ペースト15を硬化させる加熱工程において、接着剤層11と導電性ペースト15とを共に硬化させるようにすることもできる。本発明においては、マスクフィルム12のみを剥離除去し、接着剤層11を剥離することがないので、接着剤層11の加熱硬化によって回路6に対する接着剤層11の接着力が上昇したとしても、回路6の上への接着剤残留による接続不良等の問題が、原理的に発生しないという利点を有する。
次に、図1(g)に示すように、マスクフィルム12を剥離除去することで、接着剤層11上に突出する導電性ペースト突起16を形成する。本発明によれば、開口部13に導電性ペースト15を充填する際に、マスクフィルム12の上面程度まで満杯状態に穴埋め充填することにより、導電性ペースト15を突起状に変形させる工程を設ける必要が無く、マスクフィルム12を剥離除去するだけで、外方に突出した導電性ペースト突起16を形成することができる。このようにして得られたプリント配線板10は、両面に回路6,7を有する両面プリント配線板であり、一方の面側の回路6と他方の面側の回路7との層間接続が、ビアホール14に充填された導電性ペースト15により実現される。
本発明のプリント配線板10によれば、図4に示すように、接着剤層11の面と回路6の面とが明確に区別され、開口部内に露出された部分8aと導電性ペースト15との接触が確保されるので、接着剤層11と回路6や導電性ペースト15との熱膨張率の違いも影響せず、結果として層間接続の信頼性が向上する。
本発明のプリント配線板10によれば、図4に示すように、接着剤層11の面と回路6の面とが明確に区別され、開口部内に露出された部分8aと導電性ペースト15との接触が確保されるので、接着剤層11と回路6や導電性ペースト15との熱膨張率の違いも影響せず、結果として層間接続の信頼性が向上する。
本発明のプリント配線板10を両面プリント配線板として用いる場合には、カバーレイなどの絶縁保護材を用いて回路を保護することが好ましい。カバーレイとしては、図2に示すように、絶縁樹脂フィルムからなるカバーレイフィルム21、図3に示すように、絶縁樹脂フィルム22に接着材23を積層してなる接着材付きカバーレイ24等が挙げられる。
また、本発明のプリント配線板10を多層プリント配線板の材料として用いる場合には、プリント配線板10の片面または両面に、他のプリント配線板(片面基板でも両面基板でも可)を1枚または複数枚積層することで、多層プリント配線板を得ることができる。このような多層プリント配線板においては、上述のプリント配線板10を1枚または複数枚含み、かつ、すべての層間接続が導電性ペーストにより実現されたものであることが好ましい。
すべての層間接続を導電性ペーストにより実現した多層プリント配線板において、プリント配線板10の一方の面側の回路6と他のプリント配線板の回路との層間接続を実現する方法としては、プリント配線板10の導電性ペースト突起16を他のプリント配線板の回路または導電性ペースト突起と接触させて導通させる方法、プリント配線板10の一方の面側の回路6を他のプリント配線板の導電性ペースト突起と接触させて導通させる方法が挙げられる。また、プリント配線板10の他方の面側の回路7と他のプリント配線板の回路との層間接続を実現する方法としては、プリント配線板10の他方の面側の回路7(導体層9の部分でも他の部分でも構わない。)を他のプリント配線板の導電性ペースト突起と接触させて導通させる方法が挙げられる。この場合、プリント配線板10の他方の面側の回路7の上には接着剤やマスクフィルムを貼り付けないので、回路7の上に残留物が存在することがなく、残留物による接続不良等の問題が原理的に発生しない。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
絶縁性基材の両面に導電性金属層を有する出発材料として、図1(a)に示すように、ポリイミドフィルムからなる絶縁樹脂層の両面に、導電層をなす銅箔2,3を有する汎用の両面CCL4を用意する。ここでは、基材の耐熱性、誘電特性を考慮し、絶縁性基材1としてポリイミドフィルムを用いた両面銅張りポリイミド基材を選んだ。本実施例においては、以降、上記の「両面CCL」を「両面銅張りポリイミド基材」と称する。
まず、両面銅張りポリイミド基材4の銅箔面にエッチングレジストをラミネートし、配線パターンを露光、現像し、その後、表面に露出している銅箔2を、塩化第2銅浴によってエッチングする。次いで、エッチングレジストを除去し、図1(b)に示されているように、導体ランド部8を含む導電性パターン6,7,9が形成された両面回路基板5を得る。導体ランド部8は、層間接続を行う任意の位置に設けることができる。
次に、図1(c)に示されているように、両面回路基板5の導電性パターン6側に、絶縁性接着層として熱可塑性エポキシフィルム11を熱プレス機によって貼り合わせる。
次に、図1(d)に示されているように、熱可塑性エポキシフィルム11側にマスクフィルム12を熱プレス機によって貼り合わせる。
次に、図1(d)に示されているように、熱可塑性エポキシフィルム11側にマスクフィルム12を熱プレス機によって貼り合わせる。
次に、図1(e)に示されているように、層間接続を行う任意の位置(具体的には、ランド部8を設けた位置)に、マスクフィルム12側からレーザを照射し、ポリイミドフィルム1と熱可塑性エポキシフィルム11とマスクフィルム12を貫通して銅箔(具体的には導電性パターン9)の裏面に接する孔、すなわちビアホール14を形成する。このとき、ポリイミドフィルム1のビアホール14の穴径よりも、熱可塑性エポキシフィルム11とマスクフィルム12の開口部13の穴径を大きくし、導電性パターン6(具体的にはランド部8)の上面8aを露出させる。
次に、図1(f)に示されているように、熱硬化性導電性樹脂組成物として、熱硬化性の錫ペースト15を、ポリイミドフィルム1のビアホール14から熱可塑性エポキシフィルム11およびマスクフィルム12の開口部13まで満杯状態となるように、印刷法によって穴埋め充填する。
次に、マスクフィルム12を除去することにより、図1(g)に示されているように、突起部16が形成される。この突起部16は、導電層(導電性パターン6)とは反対側の層間接着面(熱可塑性エポキシフィルム11の上面)より外方に突出したペースト突起部をなす。
次に、図2に示されるように絶縁樹脂フィルム21、または図3に示されるように絶縁樹脂フィルム22に接着材23が貼られたカバーレイ24を熱可塑性エポキシフィルム11側に貼り付けて、熱プレス機によって加熱・加圧(キュア)する。加熱加圧は、接着層をなす熱可塑性エポキシフィルム11の軟化温度以上の温度で行われる。
また、このとき用いる熱硬化性導電性樹脂組成物としては、熱硬化性の樹脂に金属フィラーが混入されており、圧力をかけながら加熱することで、導電性パターンと金属フィラー、および金属フィラー同士が接触して金属が焼結・接続されることで、電気的導通をとることができる。このとき樹脂が加熱硬化することで、ペーストビアとして完全硬化する。
これにより、図2および図3に示されているような、導電性パターン8,9が導電性ペースト15で接合された両面配線板が得られる。
また、このとき用いる熱硬化性導電性樹脂組成物としては、熱硬化性の樹脂に金属フィラーが混入されており、圧力をかけながら加熱することで、導電性パターンと金属フィラー、および金属フィラー同士が接触して金属が焼結・接続されることで、電気的導通をとることができる。このとき樹脂が加熱硬化することで、ペーストビアとして完全硬化する。
これにより、図2および図3に示されているような、導電性パターン8,9が導電性ペースト15で接合された両面配線板が得られる。
本発明は、導電性ペーストにより層間接続が実現された両面プリント配線板や多層プリント配線板の製造に利用することができる。
1,51…絶縁性基材、5…両面基板、6,52…一方の面側の回路、7,53…他方の面側の回路、8,55…ランド、8a…露出部、9,56…ビアホール裏側の導体層、10…プリント配線板、11…接着剤層(熱可塑性エポキシフィルム)、12…マスクフィルム、13…開口部、14,54…ビアホール、15,57…導電性ペースト、16…導電性ペースト突起、58…残留物。
Claims (5)
- 両面に回路を有する両面基板の一方の面側の回路上に、接着剤層を介してマスクフィルムを貼付する工程と、
前記マスクフィルムの側からレーザで前記マスクフィルムおよび接着剤層を貫通して前記一方の面側の回路を露出させる開口部を形成した後、前記開口部より径が小さいビアホールを、前記開口部内から前記両面基板の他方の面側の回路に達するまでレーザで形成する工程と、
前記ビアホールおよび開口部に導電性ペーストを充填する工程と、
前記マスクフィルムを剥離除去することで前記接着剤層上に突出する導電性ペースト突起を形成する工程と、を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 前記導電性ペーストを充填する工程の後に、前記導電性ペーストを硬化させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記両面基板が、両面銅張り積層材を出発材料として作製されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法で作製され、前記一方の面側の回路と前記他方の面側の回路との間の層間接続が前記ビアホールに充填された導電性ペーストにより実現されたものであることを特徴とする両面プリント配線板。
- 請求項4に記載の両面プリント配線板を含み、すべての層間接続が導電性ペーストにより実現されたものであることを特徴とする多層プリント配線板。
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