JP2009288703A - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ、及び、固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも(A)着色剤、(B)(D)シラン化合物とは構造の異なるエチレン性重合性化合物、(C)重合開始剤、及び、(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物、を含有する着色硬化性組成物である。(D)シラン化合物は、分子内に重合性基を6以上有し、2級又は3級アミノ基構造を有する化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
また、硬化性組成物中に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を添加した場合、形成された硬化皮膜と基板との密着性はある程度向上しうるものの、シラン化合物の添加量に制限があり、密着性向上硬化は不十分である。
このように、着色硬化性組成物においては、カラーフィルタ、特に固体撮像素子用のカラーフィルタにおける着色領域の形成に有用な、硬化感度に優れ、基板との密着性が良好な硬化皮膜を形成しうる特性を有するものが熱望されている。
高い場合であっても、高感度で硬化しうるとともに密着性に優れた硬化皮膜を形成しうる着色硬化性組成物、特には、カラーフィルタの着色領域形成に有用な着色硬化性組成物を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、顔料の含有量が高く、保存安定性が良好で、且つ、基板との密着性に優れた高解像度の着色領域を有するカラーフィルタ、及び、色特性に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することにある。
即ち、本発明の着色硬化性組成物は、少なくとも(A)着色剤、(B)(D)シラン化合物とは構造の異なるエチレン性重合性化合物、(C)重合開始剤、及び、(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物、を含有することを特徴とする。
また、本発明の着色硬化性組成物に用いられる(C)重合開始剤としては、オキシム基含有化合物であることが好ましい態様である。
また、本発明の固体撮像素子は、前記本発明のカラーフィルタを備えるものである。
また、本発明によれば、顔料の含有量が高く、保存安定性が良好で、且つ、基板との密着性に優れた高解像度の着色領域を有するカラーフィルタ、及び、色特性に優れたカラーフィルタを備える固体撮像素子を提供することができる。
≪着色硬化性組成物≫
本発明の硬化性組成物は、少なくとも(A)着色剤、(B)(D)シラン化合物とは構造の異なるエチレン性重合性化合物、(C)重合開始剤、及び、(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物(以下、適宜、特定シラン化合物と称する)、を含有する。
以下、本発明の着色硬化性組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
本発明における特定シラン化合物は、分子内に少なくともケイ素原子と窒素原子と重合性基とを有する化合物である。
本発明に係る特定シラン化合物は、分子内に少なくとも1つのケイ素原子を有すればよく、ケイ素原子は、以下の原子、置換基と結合できる。それらは同じ原子、置換基であっても異なっていてもよい。結合しうる原子、置換基は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1から20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル基及び/又はアリール基で置換可能なアミノ基、シリル基、炭素数1から20のアルコキシ基、アリーロキシ基などが挙げられる。これらの置換基はさらに、シリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、アルキル基及び/又はアリール基で置換可能なアミノ基、ハロゲン原子、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、アミド基、ウレア基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、カルボキシル基、又はその塩、スルホ基、又はその塩などで置換されていてもよい。
ここで、有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基などが挙げられる。これらはさらに置換基を有してもよく、導入可能な置換基としては、シリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、アミド基、ウレア基、アルキレンオキシ基アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、カルボキシル基、又はその塩、スルホ基などが挙げられる。
また、窒素原子は、任意の有機連結基を介して重合性基と結合していることが好ましい。
好ましい有機連結基としては、上述の窒素原子及びそれに結合する有機基に導入可能な置換基を挙げることができる。
重合性基としては、感度及び安定性の観点からメタアクリル基、アクリル基であることが好ましい。
本発明における(D)特定シラン化合物には、重合性基は一分子中に少なくとも一つ以上有していればよいが、重合性基を2以上有する多官能重合性シラン化合物の態様をとることも可能であり、感度、安定性の観点からは、重合性基を2から20有することが好ましく、4から15有することがさらに好ましく、最も好ましくは分子内に重合性基を6から10有する態様である。
以下に本願の具体的な化合物を示すが、本発明は以下に限られるものではない。
前記の如く本発明に用いられる(D)特定シラン化合物は、分子内にケイ素原子、好ましくは、シリル基を含むために、このような部分構造と親和性を有するSiを含有する基板、具体的には、ガラス基板、或いはシリコンウエハー上に適用して硬化皮膜を形成す留場合に特に有効である。また、これらガラス基板上、或いはシリコンウエハー表面がシリル基を含有する化合物で表面処理などされている場合などにも好適である。
本願の硬化性組成物を適用しうる、その他の基板として、該ガラス基板、シリコーンウエハー上に更に有機材料を下塗りした基板を挙げることができる。好ましい有機材料としては、重合性基を有する下塗り材料、及び/又は水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基などの極性基を有する下塗り材料などが挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は着色剤を含有する。着色剤を含有することにより、有色の硬化体(硬化被膜)を形成することができ、例えば、画像形成材料やカラーフィルタの着色パターン形成に適用することができる。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。
また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
acid alizarin violet N;
acid black 1,2,24,48;
acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,42,45,51,62,70,74,80,83,86,87,90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,256,259,267,278,280,285,290,296,315,324:1,335,340;
acid chrome violet K;
acid Fuchsin;
acid green 1,3,5,9,16,25,27,50,58,63,65,80,104,105,106,109;
acid orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62,63,64,74,75,94,95107,108,169,173;
acid violet 6B,7,9,17,19;
acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40,42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150,155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Orange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Direct Violet 47,52,54,59,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
Direct Green 25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82;
Mordant Yellow 5,8,10,16,20,26,30,31,33,42,43,45,56,50,61,62,65;
Mordant Orange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Violet 2,4,5,7,14,22,24,30,31,32,37,40,41,44,45,47,48,53,58;
Mordant Blue 2,3,7,8,9,12,13,15,16,19,20,21,22,23,24,26,30,31,32,39,40,41,43,44,48,49,53,61,74,77,83,84;
Mordant Green 1,3,4,5,10,15,19,26,29,33,34,35,41,43,53;
Food Yellow 3;
及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;
acid orange 8,51,56,74,63;
acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
acid violet 7;
acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;
Acid Green 25等の染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
本発明において、(A)着色剤として顔料を使用する場合、公知の分散剤を併用するこができる。分散剤の添加により、顔料の分散性を一層向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
本発明における(A)着色剤に顔料を用いる場合には、必要に応じて、顔料誘導体を添加することができる。
顔料誘導体を用いることで、分散剤と親和性のある部分、あるいは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させて分散剤の吸着点として用いうるため、顔料を微細な粒子として光硬化性組成物中に分散させ、その再凝集を防止することができ、分散安定性に優れたカラーフィルタを構成するのに有効である。
顔料を着色硬化性組成物に用いる場合には、予め顔料分散液を調整して、分散液の形態で添加することが顔料の分散性、分散安定性の観点から好ましい。
顔料分散液は、顔料と分散剤、必要に応じ顔料誘導体を予め混合して、ホモジナイザー等で分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機(例えばGETZMANN社製のディスパーマット)等を用いて微分散させることによって調製することができる。分散時間としては、3〜6時間程度が好適である。特定顔料誘導体の添加は、顔料分散液形成する為のどの工程でも添加可能であるが、微細化工程及び/或いは微分散時に添加することが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物に含まれる(A)着色剤の量としては、5〜90質量%の範囲であることが好ましく、25〜85質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の着色硬化性組成物においては、(D)特定シラン化合物が重合性基を有する重合性化合物として機能するため、硬化性を有するが、形成される硬化膜の物性の観点からは、(D)特定シラン化合物に加え、この重合性化合物とは構造の異なる、公知の重合性化合物を用いることを要する。このような重合性化合物を以下、適宜「他の重合性化合物」と称する。本発明における他の重合性化合物とは、「分子内にケイ素原子及び窒素原子のいずれか、或いは、双方を含まない重合性化合物」を指す。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
本発明の着色硬化性組成物における(B)他の重合性化合物の含有量は、固形分換算で、4〜80質量%の範囲であることが好ましく、7〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。
特に膜厚が0.8μm以下の場合には、添加量は、全固形分中7〜40質量%であることが好ましく、特に6〜25質量%の範囲であることが有効である。
本発明の硬化性組成物は、(C)重合開始剤を含有する。
本発明における重合開始剤は、光により分解し、特定重合性化合物の重合を開始、促進する光重合開始剤であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
本発明を特に固体撮像素子に使用する場合、i線ステッパーを使用して露光する際に塩酸ガス等の発生は好ましくないため、このような条件で使用する場合には、露光による塩素ガスの発生がなく、且つ、感度に優れたオキシム系化合物が好ましい。
経時安定性、感度、生産性の面から最も好ましくは一般式(3)において、R4がアルキル基、又はアリール基で表される化合物が好ましい。
感度の観点から、前記一般式(1)及び一般式(2)におけるR3はアリール基又は、ヘテロ環基であることが好ましく、アリール基である場合は窒素原子、硫黄原子を有する置換基で置換されていることが好ましく、又、ヘテロ環である場合、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むことが好ましい。
以下、本発明の着色硬化性組成物に含まれうる任意成分について説明する。
本発明の硬化性組成物においては、皮膜特性向上、現像性の調整などの目的で、必要に応じて、さらにバインダーポリマーを使用することができる。
バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明において用いうるバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
このような目的で使用されるバインダーポリマーが有する好ましい酸基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール基であり、現像性と感度の観点から好ましい酸価は0.1mmol/g〜10mmol/gであり、より好ましくは0.2mmol/g〜5mmol/g、最も好ましくは0.3mmol/g〜3mmol/gである。
バインダーポリマーの添加量は、着色硬化性組成物の全固形分中、好ましくは0重量%〜50重量%、より好ましくは2重量%〜30重量%であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物等が挙げられ、更に欧州特許第568,993号明細書、米国特許第4,508,811号明細書、同5,227,227号明細書、特開2001−125255号公報、特開平11−271969号公報等に記載の化合物等などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、共増感剤を含有することも好ましい。本発明において共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物には、熱重合成分を含有させることも有効である。必要によっては、塗膜の強度を上げるために、エポキシ化合物を添加することができる。エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
本発明の顔料分散組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、前述のフッソ系界面活性剤の他にノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、前記のフッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
上記以外に、光硬化性組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂などがある。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、既述の(A)着色剤、(B)(D)シラン化合物とは構造の異なる重合性化合物、(C)重合開始剤、(D)特定シラン化合物及び、所望により併用されるアルカリ可溶性樹脂(バンダーポリマー)を。好ましくは溶剤と共に含有させ、これに必要に応じて界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行なう微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色硬化性組成物を用いてガラスなどの基板上に形成されるものであり、本発明の着色硬化性組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に例えばスリット塗布によって塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させ、パターン露光し、現像液を用いた現像処理を順次行なうことによって好適に作製することができる。これにより、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の着色硬化性組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作成することができる。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
なお、本発明の着色硬化性組成物を高解像度の固体撮像素子用カラーフィルタの形成に適用する場合には、膜厚は最も好ましくは0.4〜2.0μmの範囲である。
本発明の着色硬化性組成物は、特に0.4〜1.0μm、0.45〜0.8μmのごとき薄層の着色膜を形成する際に有効である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。<露光工程>
露光工程では、前記硬化性組成物層形成工程において形成された硬化性組成物層を、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光する。
本工程における露光は、塗布膜のパターン露光は、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で現像して、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成することにより行うことができる。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。照射量は5〜1500mJ/cm2が好ましく10〜1000mJ/cm2がより好ましく、10〜500mJ/cm2が最も好ましい。
固体撮像素子用のカラーフィルタを作製する場合には、高精細のパターン形成が必要とされるため、ステッパー露光機で主としてi線を使用することが好ましい。
現像処理では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の光硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
固体撮像素子用カラーフィルタを作製する場合にはパドル現像を用いてもよい。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
前記ブラックマトリックスは、顔料としてカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料を用いた本発明の顔料分散組成物を露光、現像し、その後必要に応じて更にポストベークして膜の硬化を促進させることで形成できる。
なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
(合成例1:アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン 70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート 13.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 4.6部、メタクリル酸 4.1部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.5部の混合物を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量24000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
重量平均分子量10,000、酸価6.9mmol/gのポリアクリル酸/メタクリル酸メチル(重量比:50/50)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液に、グリシジルメタクリレートを50質量部、テトラエチルアンモニウムブロミド1質量部を加え、90℃で3時間攪拌し、側鎖に二重結合性基を導入した、重量平均分子量12,000、酸価1.95mmol/gの特定分散樹脂3の溶液を得た。
特定分散樹脂3の溶液に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒:以下、適宜「PGMEA」と表記する)を添加して、不揮発分が20質量%の特定分散樹脂溶液2を調整した。
<顔料分散組成物の調製1>
下記組成(1)の成分を混合し、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、顔料を含む混合溶液(I)を調製した。
〔組成(1)〕
・C.I.ピグメントレッド254… 80部
・C.I.ピグメントイエロー139… 20部
・アクリル樹脂溶液1〔前記合成例1で得たもの〕 280部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート… 630部
・下記に示す特定顔料誘導体 Y 5部
前記分散処理して得た顔料分散液に、更に下記成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・(A)顔料分散液(I) 100重量部
・(B)DPHA(日本化薬社製) 4.0重量部
・(C)重合開始剤〔表に記載の化合物〕 0.5重量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸 〔mol比、75/25、
重量平均分子量 57,000〕 1.0重量部
・(D)特定シラン化合物〔表に記載の化合物〕 0.4重量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 0.2重量部
・溶剤:PGMEA 100重量部
−パターンの形成と感度の評価−
前述のように調製した実施例1〜6、比較例1、2の着色硬化性組成物を、8inchシリコン基板上に塗布し、硬化性組成物層(塗布膜)を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が0.9μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
前記プリベーク処理された塗布膜を有する基板に、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが1.4μm四方のIslandパターンマスクを通し、1.4μm四方のIslandパターンが得られるように50〜1600mJ/cm2の種々の露光量で露光した。ここで、光照度計により露光エネルギー50mJ/cm2における露光量を測定してそれを基準とし、照射時間を変更させ、以下の条件で現像を行った場合の1.4μm四方の画像形成に必要な露光量を求め、これを感度とした。この数値が小さいほど高感度であると評価する。結果を上記表1に併記した。
その後、露光後の塗布膜が形成されているシリコンウエハー基板を、スピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、未硬化部を除去してシリコンウエハー基板に着色パターンを形成した。
前記プリベーク処理された塗布膜を有する基板に、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが1.2μm四方のIslandパターンマスクを通し、250mJ/cm2で露光を行い、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて25℃、60秒にてパドル現像を実施した。その後、同じ現像方法にて繰り返し現像を行い、現像処理によって形成されたパターンのハガレが発生する現像処理の回数を計測した。この回数が多いほど、形成された硬化膜と基板との密着性に優れると評価する。結果を上記表1に併記した。
5回でハガレがないもの:◎
3回でハガレがでるもの:○
2回でハガレがでるもの:△
1回でハガレがでるもの:×
<経時安定性>
前記、<感度>の評価において用いたプリベーク処理された塗布膜を有する基板を、湿度50%、45℃の雰囲気下に3日放置した後、同様にして1.4μm四方の画像形成の感度を測定した。これを先に実施した感度の評価結果と比較し、露光量の変化、即ち、感度の低下が10%以内であるものを経時安定性が良好であると評価した。
<顔料分散組成物の調製2>
下記組成(2)の成分を混合し、2本ロールで混練分散処理し、顔料を含む混合溶液(F〜I)を調製した。
〔組成(2)〕
まず、下記各成分を顔料混合物を得た。
・C.I.ピグメントグリーン36 50質量部
・C.I.ピグメントイエロー150 50質量部
・アクリル樹脂溶液2〔前記合成例2で得たもの〕 200質量部
・ソルスパース32000GR(日本ルーブリゾール社製;ポリエステル系分散剤)
20質量部
・溶剤:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 520質量部
・下記銅フタロシアニンスルホン酸変性体 5重量部
Cu−pc−(SO3H)4 (Cu−pc:銅フタロシアニン)
更に上記で得られた顔料混合物に下記成分を加えサンドミルで一昼夜微分散処理し、顔料分散液(II)を得た。
・溶剤〔PGMEA〕 350質量部
下記組成(3)の成分を混合して溶解し、下塗り層用のレジスト液を調製した。
〈組成(3)〉
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶剤) 19.20部
・乳酸エチル 36.67部
・バインダーポリマー 30.51部
〔メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸ヒドロキシエチル/メタクリル酸
(モル比=40/40/20)の40%PGMEA溶液〕
・(B)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.0065部
・フッ素系界面活性剤 0.80部
(F−475、大日本インキ化学工業(株)製)
・(C)光重合開始剤 0.586部
(TAZ−107:トリハロメチルトリアジン系光重合開始剤、みどり化学社製)
前記分散処理して得た顔料分散液に、更に下記成分を添加し、撹拌混合して硬化性組成物溶液を調製した。
・(A)顔料分散液(II) 100重量部
・(B)ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.8重量部
・(C)重合開始剤〔表2記載の化合物〕 0.5重量部
・アクリル樹脂溶液2〔前記合成例2で得たもの〕 3.5重量部
・界面活性剤(商品名:テトラニック150R1、BASF社) 0.2重量部
・溶剤:PGMEA 100重量部
Claims (6)
- 少なくとも(A)着色剤、(B)(D)シラン化合物とは構造の異なるエチレン性重合性化合物、(C)重合開始剤、及び、(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物、を含有する着色硬化性組成物。
- 前記(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物における窒素原子が置換基として有機基を有する請求項1記載の着色硬化性組成物。
- 前記(D)分子内にケイ素原子と窒素原子と重合性基とを含むシラン化合物が分子内に少なくとも6つの重合性基を有する化合物である請求項1又は請求項2記載の着色硬化性組成物。
- 前記(C)重合開始剤がオキシム基含有化合物である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 基板上に、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物からなる着色領域を有するカラーフィルタ。
- 請求項5記載のカラーフィルタを備える固体撮像素子。
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