JP7464184B1 - 感光性着色組成物、それを用いた膜、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置 - Google Patents

感光性着色組成物、それを用いた膜、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、現像後の膜の水しみを抑制し、パターン形状、耐性に優れた膜を形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。【解決手段】上記課題は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及びシランカップリング剤(E)を含む感光性着色組成物であって、前記シランカップリング剤(E)が、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)を含む感光性着色組成物によって解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ等の作製に使用する感光性着色組成物に関する。
カラーフィルタは、例えば、感光性着色組成物をガラス等の基板に塗布し、乾燥によって感光性着色組成物層(以下、塗膜)から溶剤を除去(以下、プレベーク)する工程、この塗膜を所望するパターンを有するフォトマスクを介し、紫外線等を照射(以下、露光)して塗膜を硬化する工程、次いで、この塗膜の未露光部を洗浄・除去(以下、現像)する工程、その後、硬化膜を十分に硬化させるために加熱処理(以下、ポストベーク)する工程により1色目のパターンを得る。そして、これと同様の操作を行うことにより他の色のパターンを形成することで製造される。
画像表示装置や固体撮像素子の小型化、及び高画素化によって1画素あたりの面積が小さくなる傾向にあり、従来と比較してカラーフィルタ中の着色剤濃度が高くなり、相対的に硬化に必要な成分が少なり、パターン形状、耐性を得ることが難しくなっている。また、カラーフィルタの生産性が向上させるため、上記露光工程でパターン形成に必要な積算露光量を減らすことが求められ、パターン形状、耐性を得ることがより難しくなっている。また、上記現像工程では、現像液としてアルカリ性の現像液を用いて、未露光部分を洗浄・除去する。その際に、塗膜が変色する現象(以下、水しみという)が発生する問題もあった。
更に、近年、環境問題の観点から、上記ポストベーク工程で温度を下げることが求められている。このような中でも、カラーフィルタを使用した装置は、低温環境、高温環境、高湿環境等の様々な環境下で用いられるため、カラーフィルタには従来と同等以上の高い耐性が求められる。
例えば、特許文献1には、耐熱性、耐溶剤性が良好な着色パターンを有するカラーフィルタを得ることができるカラーフィルタ用着色組成物として、着色剤、バインダ樹脂、架橋剤、及びフェノール性水酸基とアルコキシシリル基を有する化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物が開示されている。また、特許文献2には、優れたパターン形状を有する硬化膜を得ることができる硬化性組成物として、着色剤と、光重合開始剤と、重合性化合物と、多官能チオール化合物とを含有し、硬化膜の可視光領域における膜厚1.5μmあたりの光学濃度が4.0以上である硬化性組成物が開示されている。また、特許文献3には、パターン形状が良好となるカラーフィルタを製造するのに有用な硬化性組成物として、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、前記重合性化合物が、ヘキシトールポリ(メタ)アクリレート及びポリグリセリン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む硬化性組成物が開示されている。
特許文献4には、現像しみが発生しない着色感光性樹脂組成物として、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、及び溶剤を含む着色感光性樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂が特定構造の単量体を含み、分子量が1,2000~17,000、酸価が60~120KOHmg/gであり、前記光重合開始剤がオキシムエステルフルオレン誘導体化合物を含む着色感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献5には、水しみが起こりにくい塗膜が得られるレジスト組成物として、特定構造のフッ素系界面活性剤を含むレジスト組成物が開示されている。
特許文献6には、低温環境下で硬化可能な着色感光性組成物として、着色剤と、重合性化合物と、光重合開始剤を含有し、前記光重合開始剤が、前記光重合開始剤をアセトニトリルに0.001質量%溶解させた溶液の波長340nmにおける吸光度が0.45以上である着色感光性組成物が開示されている。また、特許文献7には、低温加熱処理でも耐溶剤性、基材密着性、屈曲耐性に優れた着色層を形成可能な光硬化性着色樹脂組成物として、色材と、光重合性化合物と、光開始剤とを含有し、前記光重合性化合物が、多官能モノマーと、酸性基含有単官能モノマーとを含有し、前記光開始剤がオキシムエステル系光開始剤を含有する光硬化性着色樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2011/152277号公報 国際公開第2017/203979号 特開2022-122265号公報 特開2017-173787号公報 特開2016-102212号公報 国際公開第2017/038708号 国開公開第2022/070977号
しかし、特許文献1~7のいずれの組成物も水しみ、パターン形状、及び耐性の全てを一定以上の水準で満たすことはできなかった。
本発明は、現像後の膜の水しみを抑制し、パターン形状、耐性に優れた膜を形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。
<1>本発明は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)(ただし、下記化合物(E1)を除く)、重合開始剤(D)、及びシランカップリング剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
前記シランカップリング剤(E)が、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)を含む感光性着色組成物に関する。
<2>前記化合物(E1)中の前記(メタ)アクリロイル基数が、前記アルコキシシリル基のケイ素原子数1に対して、1~5である<1>に記載の感光性着色組成物。
<3>前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1)を含む<1>または<2>に記載の感光性着色組成物。
<4>前記ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~50モル%である<3>に記載の感光性着色組成物。<5>前記アルカリ可溶性樹脂(B1)は、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を有する樹脂であ<3>または<4>のいずれかに記載の感光性着色組成物。
<6> 前記アルカリ可溶性樹脂(B1)の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂(B)100質量%中、10~100質量%である<3>~<5>のいずれかに記載の感光性着色組成物。
<7>前記重合性化合物(C)が、水酸基を有する重合性化合物(C1)を含む<1>~<6>のいずれかに記載の感光性着色組成物。
<8>前記重合開始剤(D)が、下記一般式(1)で表される重合開始剤(D1)を含む<1>~<7>のいずれかに記載の感光性着色組成物。
一般式(1)
(一般式(1)中、Rは、脂環式炭化水素基を有する炭素数4~20のアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を表す。Rは、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、又は芳香族性を示す基を表す。)
<9><1>~<8>のいずれかに記載の感光性着色組成物から形成されてなる膜。
<10><9>に記載の膜を有するカラーフィルタ。
<11><9>に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<12><9>に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
上記の本発明によれば、現像後の膜の水しみを抑制し、パターン形状、耐性に優れた膜を形成できる感光性着色組成物を提供できる。また、本発明は、膜、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置を提供できる。
以下に、本発明の感光性着色組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本明細書において、単量体は、重合により樹脂を形成する化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体が重合後に樹脂を形成している状態である。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値、及び上限値として含む範囲を意味する。
<感光性着色組成物>
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)(ただし、下記化合物(E1)を除く)、重合開始剤(D)、及びシランカップリング剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
前記シランカップリング剤(E)が、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)を含むことを特徴とする。
上記構成の感光性着色組成物で、本発明の課題を解決できるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測している。
アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)(以下、単に化合物(E1)ともいう)は、パターンを形成する際の露光工程で(メタ)アクリロイル基によって、化合物(E1)同士や重合性化合物(C)と重合する。現像工程ではアルコキシシリル基が加水分解し、生じたシラノール基が基材表面の官能基や感光性着色組成物に含まれる他の成分の官能基と水素結合を形成する。そして、ポストベーク工程で、脱水縮合反応によってシロキサン結合を形成する。このことにより、膜が強固になると推測する。また、一部加水分解で生じたシラノール基間の自己縮合反応が起きることでも、膜が強固になると推測する。そして、化合物(E1)は、更に、ウレタン結合を有するため、ウレタン結合間や感光性着色組成物に含まれる他の成分の官能基と水素結合を形成し、強固な膜となる。また、ウレタン結合は柔軟性を有するため、強固でありながらも柔軟性を有する膜となると推測する。そのため、水しみを抑制し、パターン形状、耐性に優れる膜が形成できると推測する。
[着色剤(A)]
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)を含む。
着色剤(A)は、特に限定されるものではなく、顔料及び染料のいずれでもよく、併用できる。顔料は、有機顔料及び無機顔料があり、カラーフィルタ用途には耐性の面で顔料を含むことが好ましい。
(顔料)
顔料としては、特に限定されず、例えば、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物が挙げることができる。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が挙げられる。
また、黄色顔料としては、下記一般式(2)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、Cd、Co、Al、Cr、Sn、Pb、Zn、Fe、Ni、Cu、及びMnから選ばれる少なくとも2種の金属イオンと、下記一般式(3)で表される化合物を含む顔料が挙げられる。
一般式(2)
一般式(2)中、2つのRは、それぞれ独立して-OH、-NH、-NH-CN、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基を表し、2つのRは、それぞれ独立して-OH、又は-NHを表す。
一般式(3)
一般式(3)中、3つのRは、それぞれ独立して水素原子、又はアルキル基を表す。
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。
黒色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。
また、シリカ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等の無機顔料が挙げられる。
顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。樹脂を添加することにより、顔料が樹脂で被覆され、安定性、耐光性等が向上する。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
(染料)
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料は、これらの誘導体、又は染料をレーキ化したレーキ顔料も使用できる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。直接染料は、酸性染料の無機塩、又は酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、又は一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物を形成することが好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性着色組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸、又はその金属塩と造塩化する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。
着色剤(A)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
着色剤(A)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~70質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。
[アルカリ可溶性樹脂(B)]
本発明の感光性着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂(B)を含む。アルカリ可溶性樹脂(B)は、フォトリソグラフィー法で使用するアルカリ現像液に溶解可能な樹脂である。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(B)の分子構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、現像性の観点から、主骨格が鎖状のランダム構造が好ましい。なお、鎖状は、分岐鎖を含む。
アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、3,000~50,000が好ましく、4,000~40,000がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、30~200mgKOH/gが好ましく、40~180mgKOH/gがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
アルカリ可溶性樹脂(B)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~95質量%が好ましく、5~80質量%がより好ましい。
(ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1))
本発明の感光性着色組成物は、水しみの抑制、パターン形状の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B)としてホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1)(以下、単にアルカリ可溶性樹脂(B1)ともいう)を含むことが好ましい。後述する重合性化合物(C)が重合した剛直な部分とアルカリ可溶性樹脂(B1)の柔軟な部分が膜中に存在することになり、外部応力もしくは内部応力を効果的に緩和できる膜が形成できる。これにより、水しみが抑制され、パターン形状に優れる膜が得られると推測する。
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、特に制限がなく、公知の樹脂を使用できる。例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を形成する単量体、及び任意に共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。
ガラス転移温度(以下、Tgともいう)は、実測によって得られる測定Tgを適用できる。具体的には、測定Tgは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定された値を用いることができる。
ただし、樹脂の分解等により測定が困難な場合は、下記式で求められる計算Tgを適用する。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・・・+W/Tg
ここで、計算対象となる樹脂は、W~Wまでのn種の単量体成分が共重合しているとし、Wはn番目の単量体の重量分率、Tgはn番目の単量体の単独重合体のガラス転移温度(是絶対温度)である。なお、各単量体の単独重合体(以下、ホモポリマーともいう)のガラス転移温度の値は、Brandrup,J.Immergut,E.H.編集「Polymer Handbook,Third edition,John wiley & sons,1989」に示された値を使用する。
〔ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)〕
ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を形成する単量体は、例えば、フェノキシエチルアクリレート(Tg=-22℃)、ラウリルアクリレート(-3℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(-50℃)、ブトキシトリエチレングリコールメタクリレート(-72℃)、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(-67℃)、n-ヘキシルアクリレート(-57℃)、n-ブチルアクリレート(-48℃)、イソブチルアクリレート(-40℃)、エチルアクリレート(-24℃)、ラウリルメタクリレート(-65℃)、n-ヘキシルメタクリレート(-5℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(-10℃)、2-メトキシエチルアクリレート(-50℃)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(-12℃)、2-ヒドロキシエチルアクリレート(-15℃)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(-60℃)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(-7℃)、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸(-40℃)等が挙げられる。これらの中でも、ホモポリマーのガラス転移温度が-60~-10℃である単量体が好ましい。
ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)の含有量は、水しみの抑制、パターン形状の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~50モル%が好ましく、5~40モル%がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)以外の単量体単位を有してよい。ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)以外の単量体単位は、特に制限がなく、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体と共重合可能な単量体から形成される単量体単位が挙げられる。例えば、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)、酸性基含有単量体単位(b3)、脂肪族縮合環構造含有単量体単位(b4)、水酸基含有単量体単位(b5)、エポキシ基含有単量体単位(b6)、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)、その他単量体単位単位(b8)が挙げられる。これらの中でも、パターン形状、耐性の観点から、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を有することが好ましい。
〔重合性不飽和基含有単量体単位(b2)〕
アルカリ可溶性樹脂(B1)に、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を含有させる方法は、例えば、以下に示す(i)~(iii)の方法がある。
<方法(i)>
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を合成する。次いで、前記前駆体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体(変性化合物)を付加する。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
パターン形状の観点から、エポキシ基含有単量体単位のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させたものに、更に、酸無水物を反応させることもできる。
酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
<方法(ii)>
方法(ii)は、例えば、まず、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を合成する。次いで、前記前駆体のカルボキシル基にエポキシ基含有単量体(変性化合物)を付加する。
<方法(iii)>
方法(iii)は、例えば、まず、水酸基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を合成する。次いで、前記前駆体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体(変性化合物)のイソシアネート基を反応させる。
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、またはシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、または1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
重合性不飽和基含有単量体単位(b2)の含有量は、パターン形状、耐性の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、5~80モル%が好ましく、30~80モル%がより好ましい。
〔酸性基含有単量体単位(b3)〕
酸性基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、けい皮酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、無水マレイン酸、フマル酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-アクリロイロキシエチルフタル酸、2-アクリロイロキシエチルヘキシルヒドロフタル酸、p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。
〔脂肪族縮合環構造含有単量体単位(b4)〕
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、耐性の観点から、脂肪族縮合環構造含有単量体単位(b4)を有することがより好ましい。
脂肪族縮合環構造含有単量体は、例えば、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
脂肪族縮合環構造含有単量体単位(b4)の含有量は、耐性の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~40モル%が好ましい。
〔水酸基含有単量体単位(b5)〕
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、3-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等が挙げられる。
〔エポキシ基含有単量体単位(b6)〕
エポキシ基含有単量体は、例えば、オキシラニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-オキシラニルエチル(メタ)アクリレート、2-グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
〔ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)〕
ブロックイソシアネート基含有単量体は、イソシアネート基含有単量体中のイソシアネート基を、熱で脱離する化合物(以下、ブロック剤ともいう)で保護した化合物である。ブロック剤の脱離温度は、60~160℃が好ましく、80~140℃がより好ましい。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1,1-ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4-イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。また、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物との等モル反応生成物も使用できる。こられの中でも、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、イミド化合物、尿素化合物、イミン化合物、及び重亜硫酸塩化合物等が挙げられる。
オキシム化合物は、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が挙げられる。これらの中でも、メチルエチルケトオキシムが好ましい。
ラクタム化合物は、例えば、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。
フェノール化合物は、例えば、フェノール、クレゾール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、エチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ナフトール、p-ニトロフェノール等が挙げられる。これらの中でも、3,5-キシレノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチルが好ましい。
アルコール化合物は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコールが挙げられる。
アミン化合物は、例えば、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。
活性メチレン化合物は、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジ-tert-ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられ、マロン酸ジエチルが好ましい。
ピラゾール化合物は、例えば、ピラゾール、メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられ、3,5-ジメチルピラゾールが好ましい。
メルカプタン化合物は、例えば、ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert-ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
イミダゾール化合物は、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
イミド化合物は、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、マレイミド、フタルイミド等が挙げられる。
尿素化合物は、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
イミン化合物は、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
重亜硫酸塩化合物は、例えば、重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
ブロック剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、及びイミド化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、保護反応、脱保護反応の観点から、オキシム化合物、フェノール化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
ブロックイソシアネート基含有単量体は、例えば、以下の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
ブロックイソシアネート基含有単量体の市販品としては、昭和電工社製のカレンズMOI-DEM(ブロック剤の脱離温度:85~95℃),MOI-BP(ブロック剤の脱離温度:105~115℃),MOI-BM(125~135℃)等が挙げられる。
〔その他単量体単位単位(b8)〕
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はPO変性(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;
スチレン、α-メチルスチレン、p-ビニルトルエン、p-クロロスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4'-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N'-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N'-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
ジメチル-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(n-プロピル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(イソプロピル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(2-エチルヘキシル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
アルカリ可溶性樹脂(B1)の含有量は、水しみの抑制、パターン形状の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量%中、10~100質量%が好ましく、15~100質量%がより好ましい。
(ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)を有するアルカリ可溶性樹脂(B2))
本発明の感光性着色組成物は、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、アルカリ可溶性樹脂(B)としてブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)を有するアルカリ可溶性樹脂(B2)(以下、単にアルカリ可溶性樹脂(B2)ともいう)を含むことも好ましい。ただし、アルカリ可溶性樹脂(B2)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を含まない。ポストベークでブロック剤が脱離し、化合物(E1)のシラノール基や感光性着色組成物に含まれる他の成分と反応し、パターン形状、及び耐性が向上すると推測する。特に、低温ポストベークの場合、効果が顕著である。
アルカリ可溶性樹脂(B2)は、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)以外の単量体単位を有してよい。ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)以外の単量体単位は、上述の単量体単位(b1)以外の単量体単位が挙げられる。
ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B2)の全単量体単位中、1~50モル%が好ましく、3~40モル%がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B2)は、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)以外に、水酸基含有単量体単位(b5)を有することが好ましい。水酸基の水素結合により、樹脂同士が近接し、イソシアネート基と水酸基が反応しやすく、低温ポストベークでも、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性がより向上すると推測する。
ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)及び水酸基含有単量体単位(b5)の合計含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B2)の全構成単位中、10~60モル%が好ましく、20~50モル%がより好ましい。
ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)及び水酸基含有単量体単位(b5)のモル比は、10:90~50:50が好ましく、15:85~45:55がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)の含有量は、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量%中、5質量%以上が好ましく、10~85質量%がより好ましい。
(アルカリ可溶性樹脂(B3))
本発明の感光性着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂(B)としてアルカリ可溶性樹脂(B1)、アルカリ可溶性樹脂(B2)以外のアルカリ可溶性樹脂(B3)(以下、単にアルカリ可溶性樹脂(B3)ともいう)を含有できる。
[重合性化合物(C)]
本発明の感光性着色組成物は、重合性化合物(C)を含む。なお、重合性化合物(C)は、アルコキシシリル基を有さない。
重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。重合性化合物(C)は、例えば、水酸基を有する重合性化合物(C1)、酸性基を有する重合性化合物(C2)、ウレタン結合を有する重合性化合物(C3)、ラクトン変性された重合性化合物(C4)、3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)、デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6)、その他重合性化合物(C7)が挙げられる。なお、化合物(E1)は、重合性化合物(C)に含まれない。
(水酸基を有する重合性化合物(C1))
本発明の感光性着色組成物は、パターン形状、耐性の観点から、重合性化合物(C)として水酸基を有する重合性化合物(C1)を含むことが好ましい。水酸基を有する重合性化合物(C1)中の水酸基と化合物(E1)が反応することで、パターン形状、耐性が良好となると推測する。なお、水酸基を有する重合性化合物(C1)は、重合性不飽和基を2個以上有する化合物がより好ましい。
水酸基を有する重合性化合物(C1)は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、エポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基を有する重合性化合物(C1)の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H,R-167、東亞合成社製のアロニックスM-5700,M-920、新中村化学社製のNKエステル701A、共栄社化学社製のライトエステルHOP(N)、HOA(N),HOP-A(N),HOB(N),G-201P、エポキシエステルM-600A,40EM,70PA,200PA,80MFA,3002M(N),3002A(N),3000A、大阪ガスケミカル社製のOGSOL GA-5060P,GA-2800等が挙げられる。
水酸基を有する重合性化合物(C1)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、10~100質量%が好ましく、30~100質量%がより好ましい。
(酸性基を有する重合性化合物(C2))
酸性基を有する重合性化合物(C2)は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。なお、酸性基を有する重合性化合物(C2)は、ウレタン結合を有しない重合性化合物である。
上記多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
酸性基を有する重合性化合物(C2)の市販品は、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-510,M-520,M-521、ダイセル・オルネクス社製のβ-CEA等が挙げられる。
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C3))
ウレタン結合を有する重合性化合物(C3)は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド(PO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物(C3)は、現像性の観点から、更に、酸性基を有することが好ましい。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
ウレタン結合を有する重合性化合物(C3)に酸性基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基含有(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物(C3)の市販品は、例えば、共栄社化学社製のAH-600,UA-306H,UA-306T,UA-306I,UA-510H,UF-8001G、新中村化学社製のUA-1100H,U-6LPA,UA-33H,U-10HA,U-15HA、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL1290,KRM8452等が挙げられる。
(ラクトン変性された重合性化合物(C4))
ラクトン変性された重合性化合物(C4)は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物(C4)は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンまたはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。
ラクトン変性された重合性化合物(C4)の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCA-20,DPCA-30,DPCA-60,DPCA-120等が挙げられる。
(3級アミン構造を有する重合性化合物(C5))
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)は、例えば、トリス(アクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アミンや、(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(X)は、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジペンエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ、ペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイド変性における、アルキレンオキサイド単位は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート化合物(X)としては、酸性基を有する(メタ)アクリレート化合物も挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(X)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
アミン化合物(Y)は、例えば、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、ベンジルアミン、アミノカプロン酸、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール等の1級アミン;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モルフォリン、ピペリジン、1-メチルピペラジン、プロリン、N-メリルエタノールアミン、N-アセチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、3-アニリンフェノール、4-アニリンフェノール等の2級アミン等が挙げられる。
アミン化合物(Y)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、国際公開第2006/075754号、特表2008-545859号公報、特開2017-066347号公報等に記載の方法が挙げられる。
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)は、酸性基又は/及び水酸基を有してもよい。酸性基又は/及び水酸基を導入する方法は、例えば、(メタ)アクリレート化合物(X)やアミン化合物(Y)に、酸性基又は/及び水酸基を有する化合物を使用する方法や、マイケル付加反応後に、酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。
3級アミン構造を有する重合性化合物(C5)の市販品は、例えば、東亞合成社製のアロニックスMT-3041,3042等が挙げられる。
(デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6))
デンドリマー構造を有する化合物は、コアを構成する化学構造(以下、コア部ともいう)から、その外側へ規則的に分岐を繰り返し、その末端に重合性不飽和基が結合した化学構造を有するものであり、球状の高度に制御された化学構造及び分子量を有している。ハイパーブランチ構造は、デンドリマー構造と類似の化学構造を有する。
デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物(C6)の市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#1000LT(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数14)、Miwon Specialty Chemical社製のMiramer SP-1106(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数18),SP-1108(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数13)、SARTOMER社製のCN2301(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数9),CN2302(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16),CN2303(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数6),CN2304(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数18)、Eternal Materials社製のEtercure6361-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数8),6362-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数12),6363(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16),DR-E522(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数15)等が挙げられる。
(その他重合性化合物(C7))
その他重合性化合物(C7)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
その他重合性化合物(C7)の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD NPGDA,PEG400DA,FM-400,HX-200,HX-620,R-551,R-712,R-604,R-684,GPOD-303,TMPTA,T-1420(T),RP-1040,DPEA-12,D-310、東亞合成社製のアロニックスM-101A,M-102,M-111,M-113,M-120,M-140,M-208,M-211B,M-220,M-225,M-270,M-240,M-309,M-310,M-321,M-350,M-360,M-408,M-460、大阪有機化学工業社製のビスコート#150,#155,#160,#192,#MTG,#200,#196,#195、#230、#260、#310、#700HV、#295、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,EA-0300、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060,6100,6200、新中村化学工業社製のNKエステルA-HD-N,A-NPG,A-200,A-400,APG-200,APG-400,A-DCP,ABE-300,A-BPE-4,A-BPE-10,A-TMPT,A-TMPT-9EO,A-GLY-3E,A-GLY-9E,A-TMMT,ATM-35E,AD-TMP等が挙げられる。
重合性化合物(C)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(C)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
[重合開始剤(D)]
本発明の感光性着色組成物は、重合開始剤(D)を含む。
重合開始剤(D)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、光又は熱の作用によってラジカルを発生させて、ラジカル重合反応を開始又は促進させる化合物が挙げられる。
光によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に光重合開始剤ともいう)は、紫外線から可視領域の光線に対してラジカルを発生させる化合物が好ましい。
熱によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤ともいう)は、熱及び光の作用によってラジカルを発生させる化合物であってもよい。
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシム系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物等が挙げられる。
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad907,369E,379EG,127,184,1173,2959、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO、オキシム系化合物として、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919T,NCI-730,NCI-831E,NCI-930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,345,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOmnirad1312,1314,1316,サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,05,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306,EOX-01等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開第2015/036910号、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報、国際公開第2021/175855号等に記載の化合物も挙げられる。
熱重合開始剤は、例えば、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(tert-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-tert-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等のピナコール系化合物;
2,2'-アゾビス(4-メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス[N-(2-プロペニル)2-メチルプロピオンアミド]、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系化合物;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ブタン、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの中でも、ピナコール系化合物が好ましい。
重合開始剤(D)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
重合開始剤(D)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
(一般式(1)で表される重合開始剤(D1))
本発明の感光性着色組成物は、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、重合開始剤(D)として下記一般式(1)で表される重合開始剤(D1)を含むことが好ましい。
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、脂環式炭化水素基を有する炭素数4~20のアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を表す。Rは、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、又は芳香族性を示す基を表す。
一般式(1)中、Rは、脂環式炭化水素基を有する炭素原子数4~20のアルキル基を表す。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、水しみの抑制の観点から、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
一般式(1)中、Rは、水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。なかでも、耐性の観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(1)中、Rは、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、又は芳香族性を示す基を表す。
が芳香族性を示す基の場合、その環状部分は単環であってもよいし縮合環であってもよい。また、炭素環であってもよいし複素環であってもよい。特に、Rがカルボニル基を有し、環同士がカルボニル基を介して結合された構造となるようになっていることが好ましい。芳香族性を示す基としては、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ナフタレン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環等が挙げられる。なかでも、耐性の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1)で表される重合開始剤(D1)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2012-526185号公報に記載の方法を用いることができる。
以下、一般式(1)で表される重合開始剤(D1)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
一般式(1)で表される重合開始剤(D1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
一般式(1)で表される重合開始剤(D1)の含有量は、重合開始剤(D)100質量%中、1~100質量%が好ましく、5~100質量%がより好ましい。
(一般式(4)で表される重合開始剤(D2))
本発明の感光性着色組成物は、パターン形状の観点から、重合開始剤(D)として下記一般式(4)で表される重合開始剤(D2)を含むことも好ましい。
一般式(4)
一般式(4)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~8のアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は1価の置換基を表す。
一般式(4)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~8のアルキル基を表す。
炭素数1~8のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数3~8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数4~6の直鎖のアルキル基がより好ましい。
は、水素原子、又は任意の1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;炭素数1~20のアシル基;炭素数1~20のアルキルエステル基;炭素数1~20のアルコキシカルボニル基;炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数4~20の芳香族環基;アミノ基;炭素数1~20のアミノアルキル基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;置換基を有してよいベンゾイル基;置換基を有してよいテノイル基等が挙げられる。ベンゾイル基、又はテノイル基が有してよい置換基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。なかでも、ラジカル生成効率の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(4)で表される重合開始剤(D2)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報等に記載の方法が挙げられる。
以下、一般式(4)で表される重合開始剤(D2)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
一般式(4)で表される重合開始剤(D2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
一般式(4)で表される重合開始剤(D2)の含有量は、重合性開始剤(D)100質量%中、5~90質量%が好ましく、10~80質量%がより好ましい。
(一般式(5)で表される重合開始剤(D3))
本発明の感光性着色組成物は、水しみの抑制の観点から、重合開始剤(D)として下記一般式(5)で表される重合開始剤(D3)を含むことも好ましい。
一般式(5)
一般式(5)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、又は炭素数2~20の複素環基を表す。
炭素数1~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。なかでも、水しみの抑制の観点から、Rは炭素数1~12のアルキル基、又は炭素数7~15のアリールアルキル基が好ましく、炭素数3~8のアルキル基がより好ましい。耐性の観点から、Rはメチル基、エチル基、又はフェニル基が好ましく、メチル基、又はエチル基がより好ましい。
一般式(5)で表される重合開始剤(D3)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、国際公開第2015/152153号に記載の方法を用いることができる。
以下、一般式(5)で表される重合開始剤(D3)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
一般式(5)で表される重合開始剤(D3)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
一般式(5)で表される重合開始剤(D3)の含有量は、重合性開始剤(D)100質量%中、5~60質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましい。
[シランカップリング剤(E)]
(アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1))
本発明の感光性着色組成物は、シランカップリング剤(E)としてアルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)を含む。
本発明において、シランカップリング剤(E)は、アルコキシシリル基、及びそれ以外の官能基を有する化合物である。前記アルコキシシリル基とは、ケイ素原子にアルコキシ基が結合した基で、加水分解反応によってシラノール基を生じる基である。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
また、前記それ以外の官能基は、例えば、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、メルカプト基、オキセタニル基、スチリル基、ウレイド基等が挙げられる。
化合物(E1)は、例えば、アルコキシシリル基、及びイソシアネート基を有する化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレートとのウレタン反応により製造することができる。
前記アルコキシシリル基、及びイソシアネート基を有する化合物は、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリプロポキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジプロポキシシラン、イソシアネートプロピルジメチルプロポキシシラン、イソシアネートプロピルトリブトキシシラン、イソシアネートプロピルメチルジブトキシシラン、イソシアネートプロピルジメチルブトキシシラン等が挙げられる。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、4-ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン反応は、必要に応じて溶媒、反応触媒を使用できる。溶媒は、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤が挙げられる。反応触媒は、3級アミン、スズ化合物等のウレタン化触媒が挙げられる。
化合物(E1)は、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、化合物(E1)中の(メタ)アクリロイル基数が、アルコキシシリル基のケイ素原子数1に対して、1~5であることが好ましく、1~3がより好ましい。
化合物(E1)は、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、アルコキシシリル基がメトキシシリル基であることが好ましい。
化合物(E1)は、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)
一般式(6)中、3つのRは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を表し、Xは、下記一般式(X-1)~(X-4)で表される基であり、nは、1~10の整数を表す。
一般式(X-1)中、Rは、炭素数1~8のアルキレン基を表す。一般式(X-1)~(X-4)中、Rは、水素原子、又はメチル基を表す。*は、酸素原子との結合手である。
一般式(6)中、3つのRは、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、メチル基が好ましい。
一般式(6)中、Xは、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、一般式(X-1)~(X-3)が好ましい。
化合物(E1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
化合物(E1)の含有量は、水しみの抑制、パターン形状、及び耐性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~15質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
(化合物(E1)以外の化合物(E2))
本発明の感光性着色組成物は、シランカップリング剤(E)として化合物(E1)以外の化合物(E2)(以下、単に化合物(E2)ともいう)を含有できる。
化合物(E2)は、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
化合物(E2)の市販品は、例えば、信越化学工業社製のKBM-302、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-4803、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-9103P、KBM-573、KBM-6803、KBM-1003、KBE-1003、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5803、KBE-9007N、KBM-9659、KBM-802、KBM-803、KBM-1043、KBE-585A等が挙げられる。
また、化合物(E2)は、ポリマータイプであってもよい。ポリマータイプは、ポリシロキサンタイプ、有機ポリマータイプが挙げられる。
ポリシロキサンタイプは、主鎖にポリシロキサン骨格を有するポリマーに、前記アルコキシシリル基及び前記それ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。ポリシロキサンタイプの市販品は、信越化学工業社製のKR-513、KR-516、KR-517、X-41-1805、X-41-1810等が挙げられる。
有機ポリマータイプは、主鎖が有機構造である有機ポリマーに、前記アルコキシシリル基及び前記それ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。有機ポリマータイプの市販品は、信越化学工業社製のX-12-9815、X-12-9845、X-12-1154、X-12-972F、X-12-1159L等が挙げられる。
化合物(E2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
化合物(E2)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~15質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
[熱硬化性化合物(F)]
本発明の感光性着色組成物は、耐性の観点から、熱硬化性化合物(F)を含むことが好ましい。これにより、ポストベークで熱硬化性化合物(F)が架橋し、耐性が向上する。
熱硬化性化合物(F)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、フェノール化合物、及びブロックイソシアネート化合物が挙げられる。これらの中でも、耐性の観点から、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、ブロックイソシアネート化合物が好ましく、エポキシ化合物がより好ましい。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α',α'-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α',α'-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α'-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ化合物は、具体的には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-エポキシエチルシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
エポキシ化合物の市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、エポリードGT401、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S、DIC社製のEPICLON 830,840,850,860,1050,3050,4050,N-660、N-670,N-740,N-770,N865,HP-7200,HP-4700,HP-4770,HP-5000,HP-6000,HP-9500等が挙げられる。
エポキシ化合物は、耐性の観点から、分子内に2~50個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、10~30個のエポキシ基を有する化合物がより好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ当量は、50~400g/eqが好ましく、100~200g/eqがより好ましい。なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量で定義される。
エポキシ化合物は、耐性の観点から、下記一般式(7)で表される化合物を含むことが特に好ましい。
一般式(7)
一般式(7)中、Rはm価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表し、mは1~6、nは1~30の整数を表す。
Rは、m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表す。
m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基は、炭素原子数2~20のアルキル基が好ましく、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。炭素原子数2~20のアルキル基は、例えば、エチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、3,3-ジメチルブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数3~12の分岐のアルキル基がより好ましい。
mは1~6、nは1~30の整数を表す。
mが2以上の場合、一般式(7)中のそれぞれのカッコ内の基におけるnは同一でもよく、異なっていてもよい。
一般式(7)で表される化合物は、具体的には、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物が挙げられる。市販品としては、ダイセル社製のEHPE-3150、EHPE-3150CE等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
エポキシ化合物の含有量は、耐性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4'-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
オキセタン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
オキセタン化合物の含有量は、耐性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
(メラミン化合物)
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロール基を有する化合物が好ましい。
メラミン化合物の市販品は、例えば、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MX-45、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,300,301,303,350等が挙げられる。
メラミン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
メラミン化合物の含有量は、耐性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
熱硬化性化合物(F)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(F)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
硬化剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(F)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
[色素誘導体(G)]
本発明の感光性着色組成物は、色素誘導体(G)を含有できる。
色素誘導体(G)は、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、色素の一部が、酸性基、塩基性基、中性基等で置換された構造を有する化合物が挙げられる。具体的には、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
色素は、例えば、ジケトピロロピロール化合物、フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ジオキサジン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、チアジンインジゴ化合物、トリアジン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、ベンゾイソインドール化合物、イソインドリン化合物、イソインドリノン化合物、キノフタロン化合物、ナフトール化合物、スクアリリウム化合物、スレン化合物、ナフタロシアニン化合物等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001-220520号公報、国際公開第2009/081930号、国際公開第2011/052617号、国際公開第2012/102399号、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007-226161号公報、国際公開第2016/163351号、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、国際公開第2009/025325号、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基としては、特開2004-307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報等に記載の公知の色素誘導体が挙げられる。
色素誘導体(G)の溶解性が低い場合は、上述した着色剤(A)の微細化時に添加するか、後述する着色剤(A)の分散処理時に添加することが好ましい。色素誘導体(G)の平均一次粒子径は、5~200nmが好ましい。
色素誘導体(G)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
色素誘導体(G)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
[分散樹脂(H)]
本発明の感光性着色組成物は、分散樹脂(H)を含有できる。なお、本明細書では分散樹脂(H)は、アルカリ可溶性樹脂(B)に含まれない。
分散樹脂(H)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。分散樹脂(H)は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、及びこれらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
分散樹脂(H)の分子構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ブロック構造、又はくし型構造が好ましい。
分散樹脂(H)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
分散樹脂(H)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
(酸性基を有する分散樹脂(H1))
本発明の感光性着色組成物は、パターン形状、耐性の観点から、分散樹脂(H)として酸性基を有する分散樹脂(H1)を含むことが好ましい。なお、本明細書では、酸性基を有する分散樹脂(H1)とは、酸性基の量が塩基性基の量よりも多い分散樹脂を表す。
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
前記カルボキシル基は、分散安定性の観点から、芳香族カルボキシル基が好ましい。本明細書において、芳香族カルボキシル基は、芳香族環にカルボキシル基が1個以上結合した構造の基を表す。
酸性基を有する分散樹脂(H1)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸エスエル共重合体、リン酸エステル等が挙げられる。また、特開2007-23195号公報、国際公開第2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2009-251481号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
酸性基を有する分散樹脂(H1)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,102,103,106,110,111,118,170,171,174,2096、BYK-P104、BYK-P105、BYK-220S、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,21000,26000,36600,41000,41090,43000,45000,53095等が挙げられる。
酸性基を有する分散樹脂(H1)は、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物、及び水酸基を2個以上有する化合物の反応生成部位であるエステル結合を有する芳香族カルボン酸エステル部位に基づく主鎖、並びにビニル重合体部位に基づく側鎖を有する樹脂を含むことが好ましい。
主鎖の芳香族カルボン酸エステル部位は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物との開環反応により得られ、エステル結合が生成すると同時に芳香族カルボン酸が生成する。芳香族カルボン酸は、着色剤(A)への吸着部位として作用する。なお、芳香族カルボン酸とは、カルボキシル基と芳香環が直接結合する構造である。
側鎖のビニル重合体部位は、立体反発部位として作用し、着色剤(A)の会合・凝集を抑制する。側鎖のビニル重合体部位は、例えば、下記の2つの方法で得ることができる。
1つ目の方法は、水酸基を2つ以上有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を共重合する方法である。水酸基を2つ以上有する化合物は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物が好ましい。
2つ目の方法は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物の水酸基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を共重合する方法である。
上記2つの方法は、エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
以下、主鎖、及び側鎖について詳細に説明する。
〔主鎖〕
芳香族カルボン酸エステル部位は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物の無水物基と、水酸基を2つ以上有する化合物との開環反応によって得られる。
酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物は、例えば、下記一般式(8)、下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
一般式(8)中、nは1又は2を表す。
一般式(9)中、Qは直接結合、-O-、-CO-、-COOCHCHOCO-、-SO-、-C(CF-、下記一般式(10)で表される基、又は下記一般式(11)で表される基を表す。
酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物は、具体的には、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3',4,4'-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4'-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4'-ジフェニルメタン二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-メチル-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、ピロメリット酸二無水物がより好ましい。
水酸基を2個以上有する化合物は、上記の通り、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物が好ましい。
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物は、例えば、1-メルカプト-1,1-メタンジオール、1-メルカプト-1,1-エタンジオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(チオグリセリン)、2-メルカプト-1,2-プロパンジオール、2-メルカプト-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メルカプト-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1-メルカプト-2,2-プロパンジオール、2-メルカプトエチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は2-メルカプトエチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
芳香族カルボン酸エステル部位は、水酸基を2個以上有する化合物1モルに対して、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物0.9~1.5モルの反応生成部位であることが好ましい。理論上、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物が1モルを超える場合、末端は酸無水物基となる。
また、芳香族カルボン酸エステル部位の末端に存在する酸無水物基は、モノアルコールと反応させてもよい。すなわち、酸無水物基がモノアルコールで開環し、アルコールエステル及びカルボキシル基が生成する。これにより、現像液への溶解性が向上し、現像性が向上する。
前記モノアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、シクロペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、イソノニルアルコール、1-ノニルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のモノアルコール;
3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基を有するモノアルコール;
乳酸メチル、乳酸エチル、ダイアセトンアルコール等のカルボニル基を有するモノアルコール等が挙げられる。
これらの中でも、現像性の観点から、エーテル基又はカルボニル基を有する化合物であることが好ましく、3-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコールがより好ましい。モノアルコールは、単独又は2種類以上を使用できる。
酸無水物基に対するモノアルコールの使用量は、主鎖の酸無水物基1当量に対して1~30当量が好ましく、1.5~20当量がより好ましい。
〔側鎖〕
ビニル重合体部位は、上述したように、水酸基を2つ以上有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(以下、単に単量体ともいう)を共重合する方法、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物の水酸基との反応生成物の存在下に、単量体を共重合する方法で得られる。
前記単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、又はメトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3-メチル-3-オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート;
スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ)アクリル酸アリル等のビニル;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はN,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル;
スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等の酸性基含有単量体が挙げられる。
ビニル重合体部位は、熱硬化性基及び/又は重合性不飽和基を有することも好ましい。熱硬化性基は、例えば、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、tert-ブチル基、及びブロックイソシアネート基等が挙げられる。
熱硬化性基を導入するには、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、tert-ブチル基、及びブロックイソシアネート基等を有する単量体を使用することで導入できる。
重合性不飽和基を導入するには、例えば、ビニル重合体部位に存在する水酸基に、イソシアネート基を有する単量体のイソシアネート基を反応させることで導入できる。
合成方法は、例えば、水酸基を2個以上有する化合物である片末端に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の存在下、単量体をラジカル重合し、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体を生成させ、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物であるテトラカルボン酸二無水物(b)と反応させることで得られる。更に、反応物の末端が酸無水物基の場合、モノアルコールと反応させれば、モノアルコールに由来する封止部位を導入できる。
(c)中、Xは、テトラカルボン酸二無水物(b)が水酸基と反応した後の反応残基、Zは、2つの水酸基を持つ化合物が酸無水物基と反応した後の反応残基、Rは、モノアルコールの残基である。
ビニル重合体部位の重合温度は、40~150℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。40℃以上であれば重合が進行し易く、150℃以下であれば分子量の制御が容易になる。
ビニル重合体部位の重合の際、単量体の全単量体質量を基準として、0.001~5質量%の重合開始剤を使用できる。重合開始剤は、アゾ系化合物及び有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系化合物は、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2'-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、tert-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、又はジアセチルパーオキシド等が挙げられる。重合開始剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
ビニル重合体部位は、塊状重合又は溶液重合で合成することが好ましい。溶液重合の重合溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
芳香族カルボン酸エステル部位の合成には、反応触媒を使用できる。反応触媒は、3級アミン系化合物が好ましい。3級アミン系化合物は、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、又は1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等が挙げられる。
芳香族カルボン酸エステル部位の合成には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトニトリル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒を使用できる。
芳香族カルボン酸エステル部位の合成温度は、50~180℃が好ましく、80~140℃がより好ましい。
酸性基を有する分散樹脂(H1)の重量平均分子量は、2,000~40,000が好ましく、4,000~30,000がより好ましい。
酸性基を有する分散樹脂(H1)の酸価は、20~250mgKOH/gが好ましく、30~200mgKOH/gがより好ましい。
酸性基を有する分散樹脂(H1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
(塩基性基を有する分散樹脂(H2))
本発明の感光性着色組成物は、分散樹脂(H)として塩基性基を有する分散樹脂(H2)を含有できる。本明細書では、塩基性基を有する分散樹脂(H2)とは、塩基性基の量が酸性基の量よりも多い分散樹脂を表す。
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、ポリエステルポリアミン、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の共重合体のアミン塩、ポリエチレンイミン化合物等が挙げられる。また、特開2013-119568号公報、特開2018-203795号公報、特開2019-089953号公報、特開2019-089954号公報、国際公開第2020/031634号等に記載の樹脂が挙げられる。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)の市販品としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-108、109,161,162,164,167,168,182,184,185,2000,2008,2013,2022,2050,2055、2150,2155,2163、BYK-LPN6919,21116、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-9000,13240,13650,13940,17000,18000,24000SC,24000GR,28000,31845,32000,32500,34750,35100,35200,36600,38500、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等が挙げられる。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点から、ブロック構造が好ましい。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)のアミン価は、20~250mgKOH/gであることが好ましく、30~150mgKOH/gであることがより好ましい。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)の重量平均分子量は、2,000~60,000が好ましく、4,000~50,000がより好ましい。
塩基性基を有する分散樹脂(H2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
[増感剤(I)]
本発明の感光性着色組成物は、増感剤(I)を含有できる。
増感剤(I)は、例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
チオキサントン系化合物は、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
増感剤(I)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
増感剤(I)の含有量は、重合開始剤(D)100質量部に対して、10~400質量部が好ましく、20~300質量部がより好ましい。
[チオール系連鎖移動剤(J)]
本発明の感光性着色組成物は、チオール系連鎖移動剤(J)を含有できる。
チオール系連鎖移動剤(J)は、重合開始剤(D)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の光感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤(J)は、例えば、チオフェノール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、2-メルカプト-5-ベンゾイミダゾール、ブタンチオール、オクタンチオール、1-ドデカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸メチル、3-メルカプトプロピオン酸エチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル等の単官能チオール化合物;
2-メルカプトエタノール、1-チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプト安息香酸、3-メルカプト安息香酸、4-メルカプトニコチン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、4-メルカプトブタン酸、チオグリコール酸オクチル、メルカプトコハク酸、11-メルカプトウンデカン酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等の水酸基又は酸性基を有する単官能チオール化合物;
ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等の多官能チオール化合物が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤(J)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤(J)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。
[重合禁止剤(K)]
本発明の感光性着色組成物は、重合禁止剤(K)を含有できる。
重合禁止剤(K)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-tert-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノーン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。
重合禁止剤(K)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
重合禁止剤(K)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量%が好ましい。
[紫外線吸収剤(L)]
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤(L)を含有できる。
紫外線吸収剤(L)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB102、BASFジャパン社製のTINUVIN400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2'-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤(L)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
紫外線吸収剤(L)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1~5質量%が好ましい。
[酸化防止剤(M)]
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤(M)を含有できる。
酸化防止剤(M)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本発明で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2'-メチル-4'-ヒドロキシ-5'-tert-ブチルフェニル)-ブタン、4,4'-ブチリデン-ビス-(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-tert-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-チオジエチルビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2'-チオ-ビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-tert-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2'-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N'-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソーブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4'-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4'-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3'-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
酸化防止剤(M)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
酸化防止剤(M)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。
[レベリング剤(N)]
本発明の感光性着色組成物は、レベリング剤(N)を含有できる。
レベリング剤(N)は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコーニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミート102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75,No.90,No.95等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
レベリング剤(N)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
レベリング剤(N)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。
[貯蔵安定剤(O)]
本発明の感光性着色組成物は、貯蔵安定剤(O)を含有できる。
貯蔵安定剤(O)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、4-tert-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤(O)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
貯蔵安定剤(O)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
[有機溶剤(P)]
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(P)を含有できる。
有機溶剤(P)は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物は、環境面の観点から、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン等)である有機溶剤は、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、感光性着色組成物中、50質量ppm以下であり、30質量ppm以下にすることが好ましく、10質量ppm以下にすることがより好ましい。
有機溶剤(P)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
有機溶剤(P)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分が5~70質量%となる量であることが好ましい。
[特定金属元素の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、及びCr(以下、特定金属元素ともいう)の合計含有量が、500質量ppm以下であることが好ましい。
特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性着色組成物であると、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
[水の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性の観点から、感光性着色組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
感光性着色組成物に含まれる水の含有量は、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。また、水の含有量の下限は、特に制限はない。
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、上述した各成分について十分に乾燥等を行い、成分に含まれる水分量を減らしたもの使用する。また、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性着色組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
[感光性着色組成物の製造方法]
本発明の感光性着色組成物は、上述の各成分を混合して調整できる。調整に際しては、各成分を一括配合してもよいし、各成分を有機溶剤に溶解や分散した後に逐次配合してもよい。溶解性の低い成分、例えば、着色剤(A)として顔料を使用する場合、まずは、分散処理を行うことが好ましい。
例えば、着色剤(A)、分散樹脂(H)、及び有機溶剤(P)等を加えて分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、前記分散体に、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び化合物(E1)を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
感光性着色組成物中の着色剤(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い感光性着色組成物が得やすい。
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
<膜>
本発明の膜は、上述した感光性着色組成物を用いて形成されたものである。膜はパターンを形成した膜が好ましいが、平坦膜として用いることもできる。
[膜の製造方法]
膜の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、本発明の感光性着色組成物を基材上に塗工する工程を経て製造できる。
基材は、例えば、ガラス、樹脂、シリコン等の材質で構成された基板が挙げられる。ガラスは、無色透明であってもよく、用途によってはブルーガラスのような着色ガラスを用いてもよい。樹脂は、ポリエステルテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。基材の厚さは、0.01~10mmが好ましい。
これらの基材上には有機発光層が形成されてもよい。また、基材には、CCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基材上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
塗工方法は、公知の方法を使用できる。例えば、滴下法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、インクジェット法、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
膜の厚さは、目的に応じて適宜調節できる。膜の厚さは、0.05~20.0μmが好ましく、0.3~10.0μmがより好ましい。
次に、パターンを形成する。パターンを形成する方法は、フォトリソグラフィー法やドライエッチング法が挙げられ、フォトリソグラフィー法が好ましい。なお、平坦膜として使用する場合は、パターンを形成する工程を行わなくてよく、塗工後、必要に応じて乾燥や全面を露光する。
以下、パターンを形成する方法について詳細に説明する。
フォトリソグラフィー法でパターンを形成する場合、基板上に本発明の感光性着色組成物を塗工して形成した層を、必要に応じてプレベークした後、マスクを介してパターン状に露光(露光工程)し、未露光部分をアルカリ現像により除去(現像工程)後、パターンを加熱処理(ポストベーク工程)する。
〔露光工程〕
露光工程は、塗工で形成した層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に用いる活性エネルギー線は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。また、波長300nm以下の光を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられる。
また、露光に際しては、光を連続的に照射して露光してもよく、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光(パルス露光)してもよい。
〔現像工程〕
次に、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の膜が得られる。
アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物を含む水溶液が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上併用することができる。
アルカリ現像液は、アルカリ性化合物と水以外に、界面活性剤や有機溶剤を含有することもできる。
アルカリ現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
〔ポストベーク工程〕
現像後、加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベークにより、膜の耐性が向上する。
温度は、80~300℃が好ましく、環境面の観点からは、180℃以下が好ましい。
また、時間は、2分間~2時間程度が好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、上記膜を有する。本発明のカラーフィルタは、CCDやCMOS等の固体撮像素子や画像表示装置等に用いることができる。カラーフィルタは、着色剤(A)を適宜選択することで、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタ、マゼンタ色カラーフィルタ、シアン色カラーフィルタ、イエローカラーフィルタ、グレー色カラーフィルタ、ブラック色カラーフィルタ等を得ることができる。カラーフィルタの製造は、上述の膜と同様の方法で製造できる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上記カラーフィルタを有する。固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能すれば特に制限されないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基材上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、カラーフィルタを有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素を形成する本発明の膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は、各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。
本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、例えば、デジタルカメラ、撮像機能を有する電子機器(スマートフォン、タブレット端末等)、車載カメラ、監視カメラ、センサ等様々な用途に使用できる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、上記カラーフィルタを有する。画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
画像表示装置に用いる形態は、画像表示装置として機能すればよく、特に制限されない。例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男著、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている構成等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。また、本発明で不揮発分もしくは不揮発分濃度は、110℃のオーブンで3時間静置後の質量残分をいう。
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
(樹脂の平均分子量) 樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
(樹脂のアミン価)
樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
<着色剤(A)の製造>
(着色剤(A-11))
特開2014-12838号公報の記載に従って、Ni及びZnの金属イオンのモル比が50:50で、一般式(2)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のアニオンと、一般式(3)で表される化合物を含む着色剤(A-11)を得た。
(着色剤(A-12))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n-ブチルメタクリレート28.0部、2-エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量が、6,830であることを確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、2時間反応させ樹脂1を得た。
次に、水2,000部に不揮発分換算で30部の樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂1溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで冷却した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と樹脂1との造塩化合物である着色剤(A-12)を得た。このとき着色剤(A-12)中のC.I.アシッドレッド52に由来する成分の含有量は25質量%であった。
(着色剤(A-13))
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート18.2部、n-ブチルメタクリレート14.8部、2-エチルヘキシルメタクリレート14.8部、メタクリル酸10.0部、3-エチル-3-メタクリロキシメチルオキセタン15.0部、及びtert-ブチルメタクリレート15.0部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.1部、塩化第一銅1.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテル62.3部を仕込み、窒素気流下で、100℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.1部、第二ブロックモノマーとしてメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩12.2部を投入し、100℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し50℃へ冷却後、メタノールを加え樹脂2を得た。重量平均分子量は、7,700であった。
次に、水2,000部に不揮発分換算で30部の樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部の下記化学式(12)で表される化合物を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂2溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで冷却した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部の化学式(12)で表される化合物と樹脂2との造塩化合物である着色剤(A-13)を得た。このとき着色剤(A-13)中の化学式(12)で表される化合物に由来する成分の含有量は25質量%であった。
化学式(12)
<アルカリ可溶性樹脂(B)の製造>
(ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)262.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管より2-エチルヘキシルアクリレート(以下、2-EHA)49.7部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)99.4部、ジシクロペンタニルメタクリレート6.6部と、重合開始剤であるtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート19.0部、PGMAcの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌し前駆体を得た。その後、フラスコ内を空気に置換し、変性化合物としてアクリル酸(以下、AA)50.4部と、触媒であるトリフェニルホスフィン0.6部及びメチルハイドロキノン0.2部を投入し、110℃で10時間反応させた。これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させた単量体単位(以下、GMA+AA)を得て、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を導入した。
次いで、変性化合物としてテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)21.3部を加え、110℃で4時間反応させた。これにより、GMA+AAの水酸基の一部とTHPAを反応させた。その後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加して、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1-1)溶液を調製した。アルカリ可溶性樹脂(B1-1)は、酸価38mgKOH/g、重量平均分子量12,000であった。なお、表1で配合量はモル%で表記する。
(アルカリ可溶性樹脂(B1-2)~(B1-7)溶液)
表1に記載の構成比率、重量平均分子量になるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、アルカリ可溶性樹脂樹脂(B1-2)~(B1-7)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
表1に記載のGMA+AA+SHAは、GMA+AAの水酸基の一部と無水コハク酸(以下、SHA)を反応させた重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を表す。
(ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)を有するアルカリ可溶性樹脂(B2-1)溶液)
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計及びガス導入管を備えたフラスコに、100部のPGMAcを入れた後、窒素置換しながら攪拌し、78℃に昇温した。次に、カレンズMOI-DEM(昭和電工社製のマロン酸-2-[[[[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル]アミノ]カルボニル]-1,3-ジエチルエステル)25.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート31.2部、ジシクロペンタニルメタクリレート37.5部、メタクリル酸20.7部、及びメチルメタクリレート27.0部の混合物と、12.0部の2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)を50部のPGMAcに添加し溶解させたものをそれぞれ滴下ロートからフラスコ中に滴下した。滴下終了後、78℃で3時間攪拌した。
その後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加して、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)を有するアルカリ可溶性樹脂(B2-1)溶液を調整した。アルカリ可溶性樹脂(B2-1)は、酸価74mgKOH/g、重量平均分子量8,000であった。なお、表2で配合量はモル%で表記する。
(アルカリ可溶性樹脂(B2-2)~(B2-6)溶液)
表2に記載の構成比率、重量平均分子量になるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、アルカリ可溶性樹脂(B2-2)~(B2-6)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
表2に記載のカレンズMOI-BPは、昭和電工社製のメタクリル酸2-(3,5-ジエチルピラゾール-1-イル)カルボニルアミノエチル、カレンズMOI-BMは、昭和電工社製のメタクリル酸2-[O-(1'-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルである。
(アルカリ可溶性樹脂(B3-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート21.8部、アロニックスM-110(東亞合成社製のパラクミルフェノールEO変性アクリレート)38.9部、n-ブチルメタクリレート35.8部、ベンジルメタクリレート39.0部と、重合開始剤である2,2'-アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応させた。その後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。アルカリ可溶性樹脂(B3-1)は、酸価81mgKOH/g、重量平均分子量28,000であった。なお、表3で配合量はモル%で表記する。
(アルカリ可溶性樹脂(B3-2)、及び(B3-3)溶液)
表3に記載の構成比率、重量平均分子量になるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、アルカリ可溶性樹脂(B3-2)、及び(B3-3)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
<重合性化合物(C)の製造>
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C3-1))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2,180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させ、ウレタン結合を有する重合性化合物(C3-1)を得た。
<シランカップリング剤(E)の製造>
(アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1-1))
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ヒドロキシエチルアクリレートを116g仕込み、80℃に加熱した。その中に3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、主成分が下記化学式(13)で表される化合物(E1-1)を得た。なお、副成分として、化学式(13)の縮合物である2~10量体(一般式(6)中のnが2~10の化合物)が含まれる。
化学式(13)
(アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1-2))
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを524g仕込み、80℃に加熱した。その中に3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、主成分が下記化学式(14)で表される化合物(E1-2)を得た。なお、副成分として、化学式(14)の縮合物である2~10量体(一般式(6)中のnが2~10の化合物)が含まれる。
化学式(14)
(アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1-3))
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレートを298g仕込み、80℃に加熱した。その中に3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン205gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、主成分が下記化学式(15)で表される化合物(E1-3)を得た。なお、副成分として、化学式(15)の縮合物である2~10量体(一般式(6)中のnが2~10の化合物)が含まれる。
化学式(15)
(アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1-4))
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ヒドロキシエチルアクリレートを116g仕込み、80℃に加熱した。その中に3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン247gを滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、主成分が下記化学式(16)で表される化合物(E1-4)を得た。なお、副成分として、化学式(16)の縮合物である2~10量体(一般式(6)中のnが2~10の化合物)が含まれる。
化学式(16)
<分散樹脂(H)の製造>
(酸性基を有する分散樹脂(H1-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸4部、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール2部、PGMAc50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにターシャリーブチルアクリレート30部、メタクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(宇部興産社製の「ETERNACOLL(登録商標)OXMA」)20部、メタクリル酸5部、エチルアクリレート40部、PGMAc10部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加から1時間後に不揮発分測定を行い、95%が反応したことを確認した。不揮発分30質量%となるようPGMAcを添加し、酸性基を有する分散樹脂(H1-1)溶液を得た。酸価55mgKOH/g、重量平均分子量15,000であった。
(酸性基を有する分散樹脂(H1-2)溶液)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、iso-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。冷却後、不揮発分が30質量%となるようPGMAcを添加し、酸性基を有する分散樹脂(H1-2)溶液を得た。酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500であった。
(塩基性基を有する分散樹脂(H2-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート40部、n-ブチルメタクリレート10部、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、開始剤としてブロモイソ酪酸エチル9.3部、触媒として塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、PGMAc50部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート40部、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド10部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認した。冷却後、不揮発分が30質量%になるようにPGMAcを添加して、塩基性基を有する分散樹脂(H2-1)溶液を得た。アミン価169.8mgKOH/gであった。
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。不揮発分は20.0質量%であった。
着色剤(A-1) :9.6部
着色剤(A-2) :0.4部
着色剤(A-12) :4.5部
色素誘導体(G-1) :1.0部
酸性基を有する分散樹脂(H1-1)溶液 :15.0部
有機溶剤(P-1) :69.5部
(分散体2~13)
表4-1、表4-2に記載した成分、量を変えた以外は、分散体1と同様に行い分散体2~13を作製した。
表4-1、表4-2に記載したそれぞれの成分は、以下の通りである。
[着色剤(A)]
A-1:C.I.ピグメントブルー15:6
A-2:C.I.ピグメントバイオレット23
A-3:C.I.ピグメントグリーン58
A-4:C.I.ピグメントグリーン59
A-5:C.I.ピグメントグリーン63
A-6:C.I.ピグメントイエロー138
A-7:C.I.ピグメントイエロー139
A-8:C.I.ピグメントイエロー150
A-9:C.I.ピグメントレッド254
A-10:C.I.ピグメントレッド177
着色剤(A-1)~(A-11)は、いずれもソルトミリング処理による微細化を行い、十分に洗浄・乾燥した上で使用した。
[色素誘導体(G)]
[有機溶剤(P)]
P-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<感光性着色組成物の製造>
[実施例1]
(感光性着色組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物1を得た。不揮発分は17.0質量%であった。
分散体2 :28.0部
ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1-2)溶液 :11.5部
水酸基を有する重合性化合物(C1-1) :3.5部
その他重合性化合物(C7-1) :1.5部
一般式(1)で表される重合開始剤(D1-1) :0.15部
一般式(4)で表される重合開始剤(D2-1) :0.7部
一般式(5)で表される重合開始剤(D3-1) :0.15部
アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1-1) :0.2部
熱硬化性化合物(F-1) :0.3部
増感剤(I) :0.3部
レベリング剤(N) :1.0部
有機溶剤(P) :52.7部
[実施例2~49、及び比較例1]
(感光性着色組成物2~50)
実施例1の感光性着色組成物1を、表5-1~表5-5に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして感光性着色組成物2~50を作製した。なお、本明細書で実施例25は、参考例である。
表5-1~表5-5に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
[重合性化合物(C)]
(水酸基を有する重合性化合物(C1))
C1-1:ペンタエリスリトールトリアクリレート
C1-2:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
(酸性基を有する重合性化合物(C2))
C2-1:アロニックスM-520(東亞合成社製)
(ラクトン変性された重合性化合物(C4))
C4-1:KAYARAD DCPA-20(日本化薬社製)
(その他重合性化合物(C7))
C7-1:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
C7-2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[重合開始剤(D)]
(一般式(1)で表される重合開始剤(D1))
D1-1:上述した(D1-1)の化合物
D1-2:上述した(D1-2)の化合物
D1-3:上述した(D1-3)の化合物
D1-4:上述した(D1-4)の化合物
(一般式(4)で表される重合開始剤(D2))
D2-1:上述した(D2-1)の化合物
(一般式(5)で表される重合開始剤(D3))
D3-1:上述した(D3-1)の化合物
(重合開始剤(D4))
D4-1:Omnirad 907(IGM Resins社製)
D4-2:IRGACURE OXE-01(BASFジャパン社製)
[シランカップリング剤(E)]
(化合物(E2))
E2-1:KBM-5103(信越化学工業社製、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
[熱硬化性化合物(F)]
(エポキシ化合物)
F-1:EHPE-3150(ダイセル社製、一般式(7)で表される化合物、エポキシ基数が約15個、エポキシ当量が170~190g/eq)
[増感剤(I)]
I-1:2,4-ジエチルチオキサントン
I-2:4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
以上、(I-1)、及び(I-2)をそれぞれ1:1の質量比にて混合し、増感剤(I)とした。
[レベリング剤(N)]
BYK-330(ビックケミー社製、シリコーン系界面活性剤)2部をPGMAc98部に溶解させた溶液をレベリング剤(N)とした。
[有機溶剤(P) ]
P-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
P-2:シクロヘキサノン
P-3:3-エトキシプロピオン酸エチル
以上、(P-1)、(P-2)、及び(P-3)を8:1:1の質量比にて混合し、有機溶剤(P)とした。
<感光性着色組成物の評価1>
得られた感光性着色組成物1~50について、以下の評価を行った。評価結果を表6に示す。
[水しみ評価]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液に、23℃で40秒間浸漬して現像し、純水で洗浄した。
得られた評価基板を、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、パターンの表面を観察し、変色している部分の度合いを評価した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:水しみがなかった。
4:水しみが全体の10%未満であった。
3:水しみが全体の10%以上~20%未満であった。
2:水しみが全体の20%以上~30%未満であった。
1:水しみが全体の30%以上であった。
[パターン形状評価(1):線幅安定性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm、露光量50mJ/cm及び100mJ/cmの2水準で、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。得られた基板をクリーンオーブンで、230℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価用基板を、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、露光量50mJ/cmの線幅(CD50)及び100mJ/cmの線幅(CD100)を測定し、下記式(1)より露光量の違いによる線幅の差(ΔCD)を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能とする。
式(1):ΔCD=CD100-CD50
5:ΔCDが、2μm未満
4:ΔCDが、2μm以上、3μm未満
3:ΔCDが、3μm以上、5μm未満
2:ΔCDが、5μm以上、6μm未満
1:ΔCDが、6μm以上
[パターン形状評価(2):断面形状]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンで230℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S-3000H」)を用いて、パターンの断面形状を確認した。評価は、幅100μmのストライプ型パターンの断面のSEM画像を取り込み、基材とパターン断面の端部とのテーパー角度を測定することでパターン形状評価を行った。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:テーパー角度40度以上50度未満
4:テーパー角度50度以上60度未満
3:テーパー角度30度以上40度未満、もしくは60度以上70度未満
2:テーパー角度20度以上30度未満、もしくは70度以上90度未満
1:テーパー角度20度未満、もしくは90度以上
[耐性評価(1):高温高湿耐性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。その後、クリーンオーブンで、230℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価用基板を、温度120℃、湿度100%の条件下に3時間保管した。保管後、膜にカッターナイフで1mm四方の格子パターン(合計100マス)の切り傷を入れ、透明粘着テープ(ニチバン社製CT-24)を強く圧着させ、約180度方向に剥離した後、格子パターンの状態を観察し、剥がれた格子パターンの数を数えた。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:2個未満
4:2個以上、5個未満
3:5個以上、10個未満
2:10個以上、15個未満
1:15個以上
[耐性評価(2):溶剤耐性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンで230℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価基板を、室温で30分間N-メチルピロリドンに浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾して、幅100μmのストライプパターン部分について光学顕微鏡を用いて観察した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:外観、色に変化がない。
4:わずかにシワ等が発生するが、色に変化はない。
3:一部にシワ等が発生するが、色に変化はない。
2:全面にシワ等が発生し、少し退色する。
1:剥がれや退色が発生。
<感光性着色組成物の評価2>
得られた感光性着色組成物41~50について、ポストベーク温度を変え、以下の評価を行った。評価結果を表7に示す。
[パターン形状評価(3):線幅安定性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm、露光量50mJ/cm及び100mJ/cmの2水準で、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。得られた基板をクリーンオーブンで、180℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価用基板を、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、露光量50mJ/cmの線幅(CD50)及び100mJ/cmの線幅(CD100)を測定し、下記式(1)より露光量の違いによる線幅の差(ΔCD)を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能とする。
式(1):ΔCD=CD100-CD50
5:ΔCDが、2μm未満
4:ΔCDが、2μm以上、3μm未満
3:ΔCDが、3μm以上、5μm未満
2:ΔCDが、5μm以上、6μm未満
1:ΔCDが、6μm以上
[パターン形状評価(4):断面形状]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンで180℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製「S-3000H」)を用いて、パターンの断面形状を確認した。評価は、幅100μmのストライプ型パターンの断面のSEM画像を取り込み、基材とパターン断面の端部とのテーパー角度を測定することでパターン形状評価を行った。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:テーパー角度40度以上50度未満
4:テーパー角度50度以上60度未満
3:テーパー角度30度以上40度未満、もしくは60度以上70度未満
2:テーパー角度20度以上30度未満、もしくは70度以上90度未満
1:テーパー角度20度未満、もしくは90度以上
[耐性評価(3):高温高湿耐性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。その後、クリーンオーブンで、180℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価用基板を、温度120℃、湿度100%の条件下に3時間保管した。保管後、膜にカッターナイフで1mm四方の格子パターン(合計100マス)の切り傷を入れ、透明粘着テープ(ニチバン社製CT-24)を強く圧着させ、約180度方向に剥離した後、格子パターンの状態を観察し、剥がれた格子パターンの数を数えた。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:2個未満
4:2個以上、5個未満
3:5個以上、10個未満
2:10個以上、15個未満
1:15個以上
[耐性評価(4):耐溶剤性]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12質量%と水酸化カリウム0.04質量%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンで180℃30分間ポストベークした。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。
得られた評価基板を、室温で30分間N-メチルピロリドンに浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾して、幅100μmのストライプパターン部分について光学顕微鏡を用いて観察した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:外観、色に変化がない。
4:わずかにシワ等が発生するが、色に変化はない。
3:一部にシワ等が発生するが、色に変化はない。
2:全面にシワ等が発生し、少し退色する。
1:剥がれや退色が発生。

Claims (12)

  1. 着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、重合性化合物(C)(ただし、下記化合物(E1)を除く)、重合開始剤(D)、及びシランカップリング剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
    前記重合開始剤(D)が、下記一般式(1)で表される重合開始剤(D1)を含み、
    前記シランカップリング剤(E)が、アルコキシシリル基、(メタ)アクリロイル基、及びウレタン結合を有する化合物(E1)を含む感光性着色組成物。
    一般式(1)

    (一般式(1)中、R は、脂環式炭化水素基を有する炭素数4~20のアルキル基を表す。R は、水素原子、又は炭素数1~20のアルキル基を表す。R は、水素原子、ニトロ基、エーテル結合を有する基、又は芳香族性を示す基を表す。)
  2. 前記重合開始剤(D)が、更に、下記一般式(4)で表される重合開始剤(D2)、又は下記一般式(5)で表される重合開始剤(D3)のいずれか1種を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
    一般式(4)

    (一般式(4)中、R 及びR は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~8のアルキル基を表す。R は、水素原子、又は1価の置換基を表す。)
    一般式(5)

    (一般式(5)中、R 及びR は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、又は炭素数2~20の複素環基を表す。)
  3. 前記化合物(E1)中の前記(メタ)アクリロイル基数が、前記アルコキシシリル基のケイ素原子数1に対して、1~5である請求項1に記載の感光性着色組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)を有するアルカリ可溶性樹脂(B1)を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
  5. 前記ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下である単量体単位(b1)の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂(B1)の全構成単位中、1~50モル%である請求項に記載の感光性着色組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂(B1)は、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を有する樹脂である請求項に記載の感光性着色組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性樹脂(B1)の含有量が、前記アルカリ可溶性樹脂(B)100質量%中、10~100質量%である請求項に記載の感光性着色組成物。
  8. 前記重合性化合物(C)が、水酸基を有する重合性化合物(C1)を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
  9. 請求項1に記載の感光性着色組成物から形成されてなる膜。
  10. 請求項9に記載の膜を有するカラーフィルタ。
  11. 請求項10に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
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WO2022038948A1 (ja) 2020-08-20 2022-02-24 三菱ケミカル株式会社 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び画像表示装置
JP2023012949A (ja) 2021-07-14 2023-01-26 東洋インキScホールディングス株式会社 感光性組成物、光学フィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子

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