JP7442004B1 - 感光性組成物、それを用いた膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、及び赤外線センサ - Google Patents

感光性組成物、それを用いた膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、及び赤外線センサ Download PDF

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美沙緒 常川
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Abstract

【課題】本発明は、異物の発生が少なく、かつ塗工性、及びリコート性に優れた感光性組成物を提供する。【解決手段】顔料(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、及び界面活性剤(D)を含む感光性組成物であって、前記界面活性剤(D)が、実質的にフッ素原子を含まず、下記式で表される単量体単位(d1)、JPEG0007442004000041.jpg2276及び下記式で表される単量体単位(d2)、TIFF0007442004000042.tif31151を有する共重合体(D1)を含む感光性組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性組成物及びその用途に関する。
近年、液晶表示装置、スマートフォン、赤外線センサ等の需要増によりこれらに使用される光学フィルタの需要も伸びている。光学フィルタの1種であるカラーフィルタは、例えば、以下の工程を経て作製される。感光性組成物を、ガラス等の基板に塗工し、乾燥によって塗膜から溶剤を除去する工程、この塗膜を、所望するパターン形状を有するフォトマスクを介して紫外線を照射・硬化(以下、露光という)する工程、次いで、この塗膜の未露光部を現像液で洗浄・除去(以下、現像という)する工程、その後、膜を十分に硬化させるために高温で加熱処理(以下、ポストベークという)する工程により1色目のパターンを得る。そして、これと同様の操作を行うことにより他の色のパターンを形成してカラーフィルタを作製する。
そのため、カラーフィルタを形成するための感光性組成物には、ピンホール、ムラ、ストリエーション等がなく塗工でき、均一な膜を形成することが求められる。そして、膜を形成した後、この膜上に2層目の感光性組成物やオーバーコート剤等が塗布されることがあり、これらがムラやハジキがなく均一に塗布できる(以下、リコート性ともいう)ことも求められる。更に、ポストベーク工程で異物等が発生しないことも求められている。
例えば、特許文献1には、塗布ムラ及びストリエーションの発生が抑制され、均一な薄膜が形成することができる感光性樹脂組成物として、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂と、少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーと、エポキシ化合物と、光重合開始剤と、界面活性剤と、特定の蒸気圧かつ沸点を有する溶剤を3種以上含む感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、乾燥時のムラ抑制に優れた感光性着色組成物として、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、色材、及び特定の沸点かつ表面張力を有する溶剤を含む感光性着色組成物が開示されている。また、特許文献3には、塗布ムラ及びストリエーションの発生が抑制された膜を製造可能な着色組成物として、着色剤と、樹脂と、硬化性化合物と、界面活性剤と、溶剤とを含む着色組成物であって、特定の測定方法による接触角が0度を超え5.5度以下の着色組成物が開示されている。また、特許文献4には、色材由来の化合物の析出を抑制して、表面粗度が低い着色層を形成することが可能な樹脂組成物として、ポリマーと、重合性化合物と、重合開始剤と、色材と、フルオロカーボン基及び架橋環式脂肪族基を有する化合物を含む樹脂組成物が開示されている。
更に、近年、環境面の点から、感光性組成物に使用される成分にフッ素系化合物の使用の抑制が求められている。
例えば、特許文献5には、他の膜形成用組成物の塗布性が良好で、かつ、波状の塗布ムラの発生が抑制された膜を形成できる組成物として、シリカ粒子と、0.01~0.30質量%のシリコーン系界面活性剤と、溶剤を含む組成物で、波長633nmの光の屈性率が1.4以下である組成物が開示されている。
特開2019-203963号公報 特開2022-63445号公報 特開2018-54918号公報 国際公開第2017/169951号 国際公開第2020/203430号
しかしながら、特許文献1~5に記載の組成物は、塗工性、リコート性、及び異物発生の抑制の全てを満足できなかった。
本発明は、異物の発生が少なく、かつ塗工性、及びリコート性に優れた感光性組成物の提供を目的とする。
本発明は、顔料(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、及び界面活性剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記界面活性剤(D)が、実質的にフッ素原子を含まず、下記一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び下記一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体(D1)を含む感光性組成物に関する。
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基、又は-OSi(Rで表わされる基(Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基)である。
は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基である。
は、炭素数1~6のアルキル基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
nは、1~70の整数である。
一般式(2)
一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の脂環式炭化水素基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
上記の本発明によれば、異物の発生が少なく、かつ塗工性、及びリコート性に優れた感光性組成物を提供できる。また、本発明は、それを用いた膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、及び赤外線センサを提供できる。
図1は、本発明の光学フィルタを有する赤外線センサの概略断面図を示す。
以下に、本発明の感光性組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
単量体は、重合により樹脂を形成する化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体が重合後に重合体を形成している状態である。
<感光性組成物>
本発明の一実施形態である感光性組成物は、顔料(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、及び界面活性剤(D)を含む感光性組成物であって、
前記界面活性剤(D)が、実質的にフッ素原子を含まず、下記一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び下記一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体(D1)を含むことを特徴とする。
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基、又は-OSi(Rで表わされる基(Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基)である。
は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基である。
は、炭素数1~6のアルキル基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
nは、1~70の整数である。
一般式(2)
一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の脂環式炭化水素基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
上記構成の感光性組成物により、本発明の課題を解決できるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測している。
感光性組成物に界面活性剤(D)を添加することによって、膜表面に界面活性剤(D)が配向し膜の表面張力が低下し、ハジキやムラの発生が抑制され平滑な膜を得ることができる。しかし、界面活性剤(D)の種類によってその能力が異なる。例えば、アセチレンジオール系界面活性剤は、表面張力低下能が低く、塗工ムラ等が発生し十分な平滑性が得にくい。また、フッ素系界面活性剤は、表面張力低下能は優れるが、感光性組成物との相溶性が悪く、ピンホール等が発生しやすい。更に、フッ素系界面活性剤は、膜表面への配向能が高い。そのため、膜を形成後、この膜上に感光性組成物やオーバーコート剤を塗布すると、上層の膜にハジキ等が発生しやすい(リコート性が悪い)。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体(D1)(以下、単に共重合体(D1)ともいう)は、実質的にフッ素原子を含まない。そのため、リコート性に優れると推測する。また、共重合体(D1)は、シロキサン鎖を主鎖ではなく、側鎖に有するため適度に塗膜表面への配向能が制御され、塗工性とリコート性を両立できると推測する。更に、脂環式炭化水素基を有する一般式(2)で表される単量体単位(d2)のガラス転移温度は高い。そのため、膜表面で耐熱性の高い膜が形成でき、ポストベーク工程での顔料(A)に由来する成分の昇華を抑制することで、異物の発生を抑制できると推測する。
以下、一実施形態の感光性組成物に含まれるか、又は含まれ得る成分を詳細に説明する。
[顔料(A)]
本発明の感光性組成物は、顔料(A)を含む。
顔料(A)は、特に限定されるものではなく、有彩色顔料、白色顔料、黒色顔料、及び近赤外線吸収顔料等が挙げられる。また、顔料(A)は、無色であってもよい。本発明において、顔料(A)は、25℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度が、2g未満であることが好ましく、1g未満であることがより好ましく、0.5g以下であることが特に好ましい。
本発明の感光性組成物をカラーフィルタに用いる場合には、顔料(A)としては有彩色顔料が好ましい。有彩色顔料は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。本発明の感光性組成物を近赤外線カットフィルタに用いる場合には、顔料としては近赤外線吸収顔料が好ましい。近赤外線吸収顔料は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。近赤外線透過フィルタに用いる場合には、黒色顔料や有彩色顔料を2種以上併用して黒色として用いることが好ましい。更に、近赤外線吸収顔料を併用してもよい。
(有彩色顔料)
有彩色顔料は、特に限定されものではなく、公知の有彩色顔料を用いることができる。例えば、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物を挙げることができる。
有彩色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等の赤色顔料が挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等の橙色顔料が挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された黄色顔料が挙げられる。
また、黄色顔料として、下記一般式(3)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選ばれる1種以上のアニオンと、Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,Ni,Cu及びMnから選ばれる少なくとも2種の金属イオンと、下記一般式(4)で表される化合物を含む金属アゾ顔料が挙げられる。
一般式(3)
一般式(3)中、2つのRは、それぞれ独立して-OH、-NH、-NH-CN、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基を表し、2つのRは、それぞれ独立して-OH、又は-NHを表す。
一般式(4)
一般式(4)中、3つのRは、それぞれ独立して水素原子、又はアルキル基を表す。
前記金属アゾ顔料は、例えば、特開2014-12838号公報、特開2017-171912号公報、特開2017-171913号公報、特開2017-171914号公報、特開2017-171915号公報、特開2022-61494号公報等に記載された金属アゾ顔料が挙げられる。
C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63,64,65,66等の緑色顔料が挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79,80,87,88等の青色顔料が挙げられる。
C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等の紫色顔料が挙げられる。
有彩色顔料は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。例えば、黒色の場合、後述する黒色顔料を使用する以外に、赤色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、及び紫色顔料からなる群から選ばれる2種以上の有彩色顔料を用いて(組み合わせて)得ることができる。前記組み合わせは、例えば、以下の態様が挙げられる。
(1)黄色顔料、及び紫色顔料を含有する。
(2)赤色顔料、黄色顔料、及び紫色顔料を含有する。
(3)赤色顔料、黄色顔料、及び青色顔料を含有する。
(4)赤色顔料、黄色顔料、及び緑色顔料を含有する。
(5)黄色顔料、青色顔料、及び紫色顔料を含有する。
(6)赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、及び紫色顔料を含有する。
(7)黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、及び紫色顔料を含有する。
上記(1)の態様は、例えば、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、紫色顔料はC.I.ピグメントバイオレット23とを含有する態様が挙げられる。
上記(2)の態様は、例えば、赤色顔料はC.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296から選ばれる1種以上と、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、紫色顔料はC.I.ピグメントバイオレット23とを含有する態様が挙げられる。
上記(3)の態様は、例えば、赤色顔料はC.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296から選ばれる1種以上と、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、青色顔料はC.I.ピグメントブルー15:3,15:4,15:6から選ばれる1種以上とを含有する態様が挙げられる。
上記(4)の態様は、例えば、赤色顔料はC.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296から選ばれる1種以上と、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、緑色顔料はC.I.ピグメントグリーン7,36,58,59,63から選ばれる1種以上とを含有する態様が挙げられる。
上記(5)の態様は、例えば、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、青色顔料はC.I.ピグメントブルー15:3,15:4,15:6から選ばれる1種以上と、紫色顔料はC.I.ピグメントバイオレット23とを含有する態様が挙げられる。
上記(6)の態様は、例えば、赤色顔料はC.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296から選ばれる1種以上と、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、青色顔料はC.I.ピグメントブルー15:3,15:4,15:6から選ばれる1種以上と、紫色顔料はC.I.ピグメントバイオレット23とを含有する態様が挙げられる。
上記(7)の態様は、例えば、黄色顔料はC.I.ピグメントイエロー139,185,231,233から選ばれる1種以上と、青色顔料はC.I.ピグメントブルー15:3,15:4,15:6から選ばれる1種以上と、緑色顔料はC.I.ピグメントグリーン7,36,58,59,63から選ばれる1種以上と紫色顔料はC.I.ピグメントバイオレット23とを含有する態様が挙げられる。
表1に、各態様の各有彩色顔料の好ましい質量比(質量%)を示す。
これらの上記(1)~(7)の有彩色顔料の組み合わせは、本発明の感光性組成物を近赤外線透過フィルタに用いる場合に好ましい。
(白色顔料)
白色顔料は、特に限定されものではなく、公知の白色顔料を用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、マイカ、タルク、カオリン、クレー、チタン酸ストロンチウム、タングステン酸バリウム、リン酸亜鉛、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、特開2011-075786号公報、国際公開第2013/061621号、特開2015-047520号公報、特開2015-164881号公報に記載の化合物等が挙げられる。
また、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物として、C.I.ピグメントホワイト1,2,3,4,5,6,6:1,7,8,10,11,12,13,14,15,16,17,18,18:1,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,30,32,33等が挙げられる。
(黒色顔料)
黒色顔料は、特に限定されものではなく、公知の黒色顔料を用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、アニリンブラック、シアニンブラック、ペリレンブラック、特開平1-170601号公報、特開平2-34664号公報、特開2007-302836号公報、特表2010-534726号公報、特表2012-515233号公報に記載に化合物等が挙げられる。
また、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物として、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。
(近赤外線吸収顔料)
近赤外線吸収顔料は、波長700~2,000nmの範囲に極大吸収を有する化合物であり、有機顔料(近赤外線吸収有機顔料ともいう)、無機顔料(近赤外線吸収無機顔料ともいう)のいずれであってもよい。また、近赤外線吸収有機顔料と近赤外線吸収無機顔料を併用してもよい。
近赤外線吸収有機顔料は、特に限定されものではなく、公知の近赤外線吸収有機顔料を用いることができる。例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、インモニウム化合物、アントラキノン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物、ポルフィリン化合物等が挙げられる。これらの中でも、近赤外線吸収性、耐熱性の観点から、ナフタロシアニン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、インジゴ化合物が好ましく、ナフタロシアニン化合物、スクアリリウム化合物、インジゴ化合物がより好ましい。
シアニン化合物は、国際公開第2006/006573号、国際公開第2010/073857号、特開2013-241598号公報、特開2016-113501号公報、特開2016-113504号公報等;フタロシアニン化合物は、特開平4-23868号公報、特開平06-192584号公報、特開2000-63691号公報、国際公開第2014/208514号、特開2022-022070号公報、特開2022-110262号公報等;ナフタロシアニン化合物は、特開平11-152414号公報、特開2000-86919号公報、特開2009-29955号公報、国際公開第2018/186490号、特開2022-123689、特開2022-091099号公報等;インジゴ化合物は、特開2013-230412号公報等;インモニウム化合物は、特開2005-336150号公報、特開2007-197492号公報、特開2008-88426号公報等;アントラキノン化合物は、特開昭62-903号公報、特開平1-172458号公報等;ピロロピロール化合物は、特開2009-263614号公報、特開2010-90313号公報、特開2011-068731号公報、国際公開第2021/039205号;スクアリリウム化合物は、特開2011-132361号公報、特開2016-142891号公報、国際公開第2017/135359号、国際公開第2018/225837号、特開2019-001987号公報、国際公開第2020/054718号、国際公開2020/189459号等;クロコニウム化合物は、国際公開第2019/021767号;ポルフィリン化合物は、特開2006-209059号公報、国際公開第2022/131191号等に記載の化合物が挙げられる。
近赤外線吸収無機顔料は、特に限定されものではなく、公知の近赤外線吸収無機顔料を用いることができる。例えば、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、酸化亜鉛、Alドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ二酸化スズ、ニオブドープ二酸化チタン、セシウム酸化タングステン、ホウ化ランタン、銅、ニッケル、銀、金等の金属酸化物粒子又は金属粒子が挙げられる。
顔料(A)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
顔料(A)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~60質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。
顔料(A)は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法が挙げられる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。樹脂を添加することにより、顔料(A)が樹脂で被覆され、安定性、耐光性等が向上する。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料(A)100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
[重合性化合物(B)]
本発明の感光性組成物は、重合性化合物(B)を含む。
重合性化合物(B)は、特に制限がなく、公知の化合物が挙げられる。例えば、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー等が挙げられる。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合のビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。
重合性化合物(B)は、例えば、ラクトン変性された重合性化合物、酸性基を有する重合性化合物、水酸基を有する重合性化合物、ウレタン結合を有する重合性化合物、アミン構造を有する重合性化合物、デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物、その他重合性化合物が挙げられる。
(ラクトン変性された重合性化合物)
ラクトン変性された重合性化合物は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンもしくはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。
ラクトン変性された重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCA-20、DPCA-30、DPCA-60等が挙げられる。
(酸性基を有する重合性化合物)
酸性基を有する重合性化合物は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。
上記多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸イタコン酸等が挙げられる。
上記多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
酸性基を有する重合性化合物の市販品は、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-510,M-520,M-521、共栄社化学社製のライトアクリレートHOA-MS(N),HOA-HH(N),HOA-MPE(N),P-1A(N)、ダイセル・オルネクス社製のβ-CEA等が挙げられる。
(水酸基を有する重合性化合物)
水酸基を有する重合性化合物は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO又はPO変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ペンタ(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル、エポキシ化合物のエポキシ基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H,R-167、日油製のブレンマーGLM,GLM-R,GMR-M,GMR-R,GAM,GAM-R,G-FA80、東亞合成社製のアロニックスM-5700,M-920、新中村化学社製のNKエステル701A、共栄社化学社製のライトエステルHOP(N)、HOA(N),HOP-A(N),HOB(N),G-201P、エポキシエステルM-600A,40EM,70PA,200PA,80MFA,3002M(N),3002A(N),3000A、大阪ガスケミカル社製のOGSOL GA-5060P,GA-2800等が挙げられる。
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
ウレタン結合を有する重合性化合物は、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド(PO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物は、現像性の観点から、更に、酸性基を有することもできる。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
ウレタン結合を有する重合性化合物に酸性基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基含有(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物の市販品は、例えば、共栄社化学社製のAH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、新中村化学社製のUA-1100H、U-6LPA、UA-33H、U-10HA、U-15HA、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL1290、KRM8452等が挙げられる。
(アミン構造を有する重合性化合物)
アミン構造を有する重合性化合物が有するアミン構造は、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれの構造でもよいが、2級又は3級アミンが好ましい。ただし、アミン構造を有する重合性化合物が有するアミン構造は、カルボニル基が窒素原子と直接結合しているアミド構造、イミド構造及びウレタン構造は含まれない。
アミン構造を有する重合性化合物は、例えば、トリス(アクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミン、トリス(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アミンや、(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(X)は、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンアルキレンオキサイド変性トリ及びテトラ(メタ)アクリレート、ジペンエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ、ペンタ及びヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイド変性における、アルキレンオキサイド単位は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリレート化合物(X)としては、酸性基を有する(メタ)アクリレート化合物も挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(X)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
アミン化合物(Y)は、例えば、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、ベンジルアミン、アミノカプロン酸、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール等の1級アミン;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モルフォリン、ピペリジン、1-メチルピペラジン、プロリン、N-メリルエタノールアミン、N-アセチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、3-アニリンフェノール、4-アニリンフェノール等の2級アミン等が挙げられる。
アミン化合物(Y)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
(メタ)アクリレート化合物(X)とアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用できる。例えば、国際公開第2006/075754号、特表2008-545859号公報、特開2017-066347号公報等に記載の方法が挙げられる。
アミン構造を有する重合性化合物は、酸性基又は/及び水酸基を有してもよい。酸性基又は/及び水酸基を導入する方法は、例えば、(メタ)アクリレート化合物(X)やアミン化合物(Y)に、酸性基又は/及び水酸基を有する化合物を使用する方法や、マイケル付加反応後に、酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。
アミン構造を有する重合性化合物の市販品は、例えば、東亞合成社製のアロニックスMT-3041,3042、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL80,7100、アルケマ社製のCN371NS,372,374,383,386等が挙げられる。
アミン構造を有する重合性化合物は、更にウレタン結合を有することもできる。これにより、重合による化学架橋構造とともにウレタン結合同士やウレタン結合と基材の官能基間での分子間水素結合による物理的架橋構造を形成する。このウレタン結合部の分子間水素結合のもつ分子凝集エネルギーは、エーテル結合など他の有機構造がもつ凝集エネルギーに比べて大きい。そのため、膜は、ウレタン結合間の相互作用により柔軟で強固となり、耐性が向上すると推測する。
ウレタン結合を導入する方法は、例えば、上述した(メタ)アクリレート化合物(X)と上述した水酸基を有するアミン化合物(Y)とのマイケル付加反応生成物(前駆体)と、ポリイソシアネート化合物(Z)とのウレタン反応により製造することができる。
ポリイソシアネート化合物(Z)は、例えば、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族構造を有するポリイソシアネート化合物;
シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキシルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式構造を有するポリイソシアネート化合物;
1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビスクロロメチルジフェニルメタンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライド、ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香族構造を有するポリイソシアネート化合物が挙げられる。
また、これら化合物のビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、アロファネート体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(Z)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
前記前駆体とポリイソシアネート化合物(Z)とのウレタン反応の方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用できる。例えば、特表2018-517797号公報等に記載の方法が挙げられる。
(デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物)
デンドリマー構造を有する重合性化合物は、コアを構成する化学構造(以下、コア部ともいう)から、その外側へ規則的に分岐を繰り返し、その末端に重合性不飽和基が結合した化学構造を有するものであり、球状の高度に制御された化学構造及び分子量を有している。ハイパーブランチ構造は、デンドリマー構造と類似の化学構造を有する。
デンドリマー構造又はハイパーブランチ構造を有する重合性化合物の市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のビスコート#1000LT(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数14)、Miwon Specialty Chemical社製のMiramer SP-1106(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数18)、Miramer SP-1108(デンドリマー構造、平均アクリロイル基数13)、SARTOMER社製のCN2301(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数9)、CN2302(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、CN2303(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数6)、CN2304(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数18)、Eternal Materials社製のEtercure6361-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数8)、Etercure6362-100(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数12)、Etercure6363(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数16)、EtercureDR-E522(ハイパーブランチ構造、平均アクリロイル基数15)等が挙げられる。
(その他重合性化合物)
その他重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性又はPO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールEO又はPO変性ヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
その他重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD NPGDA,PEG400DA,FM-400,HX-200,HX-620,R-551,R-712,R-604,R-684,GPOD-303,TMPTA,T-1420(T),RP-1040,DPEA-12,D-310、東亞合成社製のアロニックスM-101A,M-102,M-111,M-113,M-120,M-140,M-208,M-211B,M-220,M-225,M-270,M-240,M-309,M-310,M-321,M-350,M-360,M-408,M-460,M-930、大阪有機化学工業社製のビスコート#150,#155,#160,#192,#MTG,#200,#196,#195、#230、#260、#310、#700HV、#295、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,EA-0300、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060,6100,6200、新中村化学工業社製のNKエステルA-HD-N,A-NPG,A-200,A-400,APG-200,APG-400,A-DCP,ABE-300,A-BPE-4,A-BPE-10,A-TMPT,A-TMPT-9EO,A-GLY-3E,A-GLY-9E,A-TMMT,ATM-35E,AD-TMP等が挙げられる。
また、水酸基及び酸性基を有する重合性化合物、水酸基及びウレタン結合を有する重合性化合物、アミン構造及びウレタン結合を有する重合性化合物等も挙げられる。
重合性化合物(B)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(B)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~70質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。
[重合開始剤(C)]
本発明の感光性組成物は、重合開始剤(C)を含む。
重合開始剤(C)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、光又は熱の作用によってラジカルを発生させて、ラジカル重合反応を開始又は促進させる化合物が挙げられる。
光によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に光重合開始剤ともいう)は、紫外線から可視領域の光線に対してラジカルを発生させる化合物が好ましい。
熱によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤ともいう)は、熱及び光の作用によってラジカルを発生させる化合物であってもよい。
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物等が挙げられる。
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad907,369E,379EG,127,184,1173,2959、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO、オキシムエステル系化合物として、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04,05、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919,NCI-730,831E,930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,345,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOmnirad1312,1314,1316,サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,05,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306,EOX-01等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開第2015/036910号、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報、国際公開第2021/175855号、特表2022-5115524号公報等に記載の化合物も挙げられる。
(オキシムエステル系化合物(C1))
本発明の感光性組成物は、異物発生の抑制の観点から、重合開始剤(C)としてオキシムエステル系化合物(C1)を含むことが好ましい。
以下、オキシムエステル系化合物(C1)の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
オキシムエステル系化合物(C1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
オキシムエステル系化合物(C1)は、異物発生の抑制の観点から、上記(C1-1)~(C1-6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
(オキシムエステル系化合物(C1)以外の重合開始剤(C2))
本発明の感光性組成物は、オキシムエステル系化合物(C1)とオキシムエステル系化合物(C1)以外の重合開始剤(C2)(以下、単にその他重合開始剤(C2)ともいう)を併用することもできる。
その他重合開始剤(C2)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。その他重合開始剤(C2)は、下記一般式(5)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(5)
一般式(5)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~8のアルキル基を表す。Rは、水素原子、又は1価の置換基を表す。
一般式(5)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1~8のアルキル基を表す。
炭素数1~8のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数3~8の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数4~6の直鎖のアルキル基がより好ましい。
一般式(5)中、Rは、水素原子、又は任意の1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~20のアルコキシ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;炭素数1~20のアシル基;炭素数1~20のアルキルエステル基;炭素数1~20のアルコキシカルボニル基;炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数4~20の芳香族環基;アミノ基;炭素数1~20のアミノアルキル基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;置換基を有してよいベンゾイル基;置換基を有してよいテノイル基等が挙げられる。ベンゾイル基、又はテノイル基が有してよい置換基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。なかでも、ラジカル生成効率の観点から、水素原子、ニトロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(5)で表される化合物の製造方法は、例えば、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報等に記載の方法が挙げられる。
以下、一般式(5)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
その他重合開始剤(C2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
熱重合開始剤は、例えば、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(tert-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-tert-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等のピナコール系化合物;
2,2'-アゾビス(4-メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス[N-(2-プロペニル)2-メチルプロピオンアミド]、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系化合物;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ブタン、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。
重合開始剤(C)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
重合開始剤(C)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
[界面活性剤(D)]
(実質的にフッ素原子を含まず、一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体(D1))
本発明の感光性組成物は、界面活性剤(D)として実質的にフッ素原子を含まず、下記一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び下記一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体(D1)を含む。なお、本発明の「実質的にフッ素原子含まず」とは、フッ素原子の含有量が、共重合体(D1)100質量%に対して、3質量%以下を意味し、1質量%以下が好ましく、0.1質量%がより好ましい。
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基、又は-OSi(Rで表わされる基(Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基)である。
は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基である。
は、炭素数1~6のアルキル基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
nは、1~70の整数である。
一般式(2)
一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の脂環式炭化水素基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
は、2価の有機基、又は単結合である。
(一般式(1)で表される単量体単位(d1))
一般式(1)で表される単量体単位(d1)は、一般式(1)で表される単量体から形成される単量体単位である。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基、又は-OSi(Rで表わされる基(Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基)である。Rは、メチル基、トリメチルシロキシ基が好ましい。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基である。Rは、メチル基が好ましい。
一般式(1)中、Rは、炭素数1~6のアルキル基である。Rは、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
一般式(1)中、Rは、水素原子、又はメチル基である。
一般式(1)中、Lは、2価の有機基、又は単結合である。これらの中でも、Lは、2価の有機基が好ましく、炭素数1~50のアルキレン基、又は炭素数1~50のアルキレンオキシ基がより好ましい。
炭素数1~50のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピル基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-へキシレン基、n-へプチレン基、n-オクチレン基、イソプロピレン基、2-メチルプロピレン基、2-メチルへキシレン基、テトラメチルエチレン基等が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基が好ましい。
炭素数1~50のアルキレンオキシ基は、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、オキシトリメチレン基、ブチレンオキシ基、オキシテトラメチレン基、ペンチレンオキシ基、へプチレンオキシ基等が挙げられる。
前記炭素数1~50のアルキレン基、又は前記炭素数1~50のアルキレンオキシ基の-CH-の一部がカルボニル基、フェニレン基、アミド結合、ウレタン結合に置換されてもよく、更に炭素原子に水酸基等が置換されてもよい。
一般式(1)中、nは、1~70の整数である。塗工性、リコート性の観点から、nは、1~50の整数が好ましく、nは、2~30の整数がより好ましい。
一般式(1)で表される単量体は、例えば、α-(3-メタクリロイルオキシ)プロピルポリジメチルシロキサン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。市販品としては、JNC社製のサイラプレーンFM-0711,FM-0721,FM-0725,FM-0701T、信越化学工業製のX-22-174ASX、X-22-174BX、X-22-2426、X-22-2404等が挙げられる。
一般式(1)で表される単量体は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)の含有量は、塗工性、リコート性の観点から、共重合体(D1)100質量%に対して、30~95質量%であることが好ましく、40~85質量%であることがより好ましい。
(一般式(2)で表される単量体単位(d2))
一般式(2)で表される単量体単位(d2)は、一般式(2)で表される単量体から形成される単量体単位である。
一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の脂環式炭化水素基である。
炭素数3~20の脂環式炭化水素基は、置換基を有してもよい。置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
炭素数3~20の脂環式炭化水素基は、例えば、単環、又は多環脂環式炭化水素基が挙げられる。
単環脂環式炭化水素基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
多環脂環式炭化水素基は、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロペンテニル基、トリシクロペンタジエン基、ジシクロペンタジエン基等が挙げられる。
これらの中でも、異物発生の抑制の観点から、多環脂環式炭化水素基が好ましく、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
一般式(2)中、Rは、水素原子、又はメチル基である。
一般式(2)中、Lは、2価の有機基、又は単結合である。これらの中でも、Lは、単結合が好ましい。
2価の有機基は、例えば、炭素数1~50のアルキレン基、又は炭素数1~50のアルキレンオキシ基が挙げられる。
炭素数1~50のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-へキシレン基、n-へプチレン基、n-オクチレン基、イソプロピレン基、2-メチルプロピレン基、2-メチルへキシレン基、テトラメチルエチレン基等が挙げられる。
炭素数1~50のアルキレンオキシ基は、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、オキシトリメチレン基、ブチレンオキシ基、オキシテトラメチレン基、ペンチレンオキシ基、へプチレンオキシ基等が挙げられる。
一般式(2)で表される単量体は、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-イソプロピル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(2)で表される単量体は、異物発生の抑制の観点から、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃以上である単量体が好ましく、150℃以上である単量体がより好ましい。ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃以上である単量体は、例えば、イソボルニルメタアクリレート(Tg=110℃)、ジシクロペンテニルアクリレート(Tg=120℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg=120℃)、ジシクロペンタニルメタクリレート(Tg=175℃)、1-アダマンチルアクリレート(Tg=153℃)、1-アダマンチルメタクリレート(Tg=250℃)等が挙げられる。
一般式(2)で表される単量体は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
一般式(2)で表される単量体単位(d2)の含有量は、異物発生の抑制の観点から、共重合体(D1)100質量%に対して、5~70質量%であることが好ましく、15~60質量%であることがより好ましい。
共重合体(D1)は、実質的にフッ素原子を含まず、一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有する共重合体であればよく、その共重合の構造は特に制限されない。例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。これらの中でも、塗工性の観点から、ブロック共重合体が好ましい。
共重合体(D1)が一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び一般式(2)で表される単量体単位(d2)を有するブロック共重合体である場合、各ブロックの数、配置は特に制限されない。例えば、一般式(1)で表される単量体単位(d1)からなる部分をブロックA、一般式(2)で表される単量体単位(d2)からなる部分をブロックBとした場合、共重合体(D1)は、ABブロック共重合体、ABAブロック共重合体、BABブロック共重合体等の配置が挙げられる。
ブロック共重合体の製造方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、リビングラジカル重合、リビングアニオン重合等のリビング重合法が挙げられる。
リビングラジカル重合は、例えば、特開平9-62002号公報、特開2002-31713号公報や、P.Lutz,P.Masson et al,Polym.Bull.12,79 (1984),B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,Macromolecules,14,1601(1981),K.Hatada,K.Ute,et al,Polym.J.17,977(1985),18,1037(1986),右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36,366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46,189(1989),M.Kuroki,T.Aida,J.Am.Chem.Soc,109,4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43,300(1985),D.Y.Sogoh,W.R.Hertler et al,Macromolecules,20,1473(1987)等に記載された方法が挙げられる。これらの中でも、可逆的付加開裂連鎖移動重合(以下、RAFT)、原子移動ラジカル重合(以下、ATRP)、ヨウ素化合物を用いたリビングラジカル重合、有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合(以下、TERP)が好ましい。
具体的には、本発明の共重合体(D1)は、例えば、国際公開第2021/131726号、国際公開第2022/050062号、国際公開第2022/244586号等に記載の方法で合成できる。
(一般式(6)で表される単量体単位(d3))
共重合体(D1)は、一般式(1)で表される単量体単位(d1)、及び一般式(2)で表される単量体単位(d2)以外に、下記一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有してもよい。
一般式(6)
一般式(6)中、Rは、水素原子、又は炭素数1~18のアルキル基である。
は、水素原子、又はメチル基である。
nは、1~4の整数である。
mは、2~200の整数である。
一般式(6)で表される単量体単位(d3)は、一般式(6)で表される単量体から形成される単量体単位である。
一般式(6)中、Rは、水素原子、又は炭素数1~18のアルキル基である。Rは、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(6)中、Rは、水素原子、又はメチル基である。
一般式(6)中、nは、1~4の整数である。塗工性、リコート性の観点から、nは、3、又は4が好ましい。
一般式(6)中、mは、2~200の整数である。塗工性、リコート性の観点から、nは、3~50の整数が好ましい。
一般式(6)で表される単量体は、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・1,2-ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリ1,2-ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・1,2-ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリ1,2-ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラメチレングリコール・1,2-ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリ1,2-ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ1,2-ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(1,2-ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ1,2-ブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(1,2-ブチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ1,2-ブチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、上記「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリエチレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味する。市販品としては、新中村化学工業社製のNKエステルM-20G,M-40G,M-90G,M-130G,M-230G,AM-90G,AM-130G,AM-230G、日油社製のブレンマーPE-90,PE-200,PE-350,PP-500,PP-800,PP-1000,50PEP-300,55PET-800,10PPB-500B,AE-200,AE-400,AP-400等が挙げられる。
一般式(6)で表される単量体は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
(その他単量体単位(d4))
共重合体(D1)は、一般式(1)で表される単量体単位(d1)、一般式(2)で表される単量体単位(d2)、及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)以外の単量体単位(d4)(以下、その他単量体単位(d4)ともいう)を有してもよい。
その他単量体単位(d4)を形成する単量体(以下、その他単量体ともいう)は、特に制限はなく、一般式(1)で表わされる単量体、一般式(2)で表わされる単量体、及び一般式(6)で表される単量体と共重合可能な単量体が挙げられる。その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、4-ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクロイルモルフォリン、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド等が挙げられる。
その他単量体は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
また、共重合体(D1)は、熱硬化性基及び/又は重合性不飽和基を有することもできる。熱硬化性基は、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ブロックイソシアネート基等が挙げられる。重合性不飽和基は、例えば、一般式(1)で表される単量体、一般式(2)で表される単量体、及び水酸基を有するその他単量体を用いて、共重合体(D1)を合成後、その水酸基と反応する官能基及び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させることで導入することができる。前記官能基及び重合性不飽和基を有する化合物は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
共重合体(D1)の重量平均分子量は、5,000~40,000が好ましい。
共重合体(D1)の数平均分子量は、2,000~20,000が好ましい。
共重合体(D1)の平均分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0~3.0が好ましい。
共重合体(D1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
共重合体(D1)の含有量は、塗工性、リコート性、及び異物発生の抑制の観点から、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.005~2.0質量%が好ましく、0.01~1.0質量%がより好ましい。
(共重合体(D1)以外の界面活性剤(D2))
本発明の感光性組成物は、塗工性の観点から、共重合体(D1)以外の界面活性剤(D2)(以下、単にその他界面活性剤(D2)ともいう)を含むことが好ましい。
その他界面活性剤(D2)は、特に制限がなく、公知の界面活性剤を用いることができる。例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、塗工性、リコート性の観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
〔シリコーン系界面活性剤〕
シリコーン系界面活性剤は、共重合体(D1)でなければ特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖シリコーン変性アクリル等が挙げられる。前記変性基は、ポリエーテル基、アミノ基、エポキシ基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、アラルキル基、ポリエステル基等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体、ならびに変性基としてポリエーテル基を有するポリジメチルシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体としては、上述した一般式(1)で表される単量体と一般式(6)で表される単量体とを共重合したものであれば特に制限はない(但し、一般式(2)で表される単量体単位(d2)は、有しない)。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体は、その構造は特に制限されない。例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。これらの中でも、塗工性の観点から、ブロック共重合体が好ましい。
ブロック共重合体である場合、各ブロックの数、配置は特に制限されない。例えば、一般式(1)で表される単量体単位(d1)からなる部分をブロックA、一般式(6)で表される単量体単位(d3)からなる部分をブロックBとした場合、共重合体は、ABブロック共重合体、ABAブロック共重合体、BABブロック共重合体等の配置が挙げられる。
ブロック共重合体の製造方法は、上述した方法が挙げられる。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)は、nが1、Rが-OSi(R、R及びRがRと同じである下記一般式(7)で表される単量体から形成されることが好ましい。
一般式(7)
一般式(7)中、R、R、及びLは、一般式(1)のR、R、及びLと同じである。
一般式(7)で表される単量体は、例えば、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリエチルシロキシ)シラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)の含有量は、塗工性、リコート性の観点から、共重合体100質量%に対して、5~95質量%が好ましい。
一般式(6)で表される単量体単位(d3)の含有量は、塗工性、リコート性の観点から、共重合体100質量%に対して、5~95質量%が好ましい。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体は、一般式(1)で表される単量体単位(d1)、一般式(6)で表される単量体単位(d3)以外に、上述したその他単量体単位(d4)を有してもよい。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体の重量平均分子量は、2,000~40,000が好ましい。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体の数平均分子量は、2,000~40,000が好ましい。
一般式(1)で表される単量体単位(d1)及び一般式(6)で表される単量体単位(d3)を有する共重合体の平均分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.0~3.0が好ましい。
ポリエーテル基を有するポリジメチルシロキサンとしては、下記一般式(8)~(10)で表される化合物がより好ましい。
一般式(8)
一般式(8)中、Rは、下記一般式(11)で表される基である。
は、それぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基である。
p及びqは、0以上の整数で、かつp+qが1~100の整数である。
一般式(11)
一般式(11)中、Rは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、又は(メタ)アクリロイル基である。
Aは、酸素原子、又は単結合である。
mは、0~10の整数である。
n及びoは、0以上の整数で、かつn+oが1~100の整数である。
一般式(11)中、エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基の順序は問わず、ランダムでもブロックであってもよい。
一般式(9)
一般式(9)中、Rは、一般式(11)で表される基である。
rは、1~80の整数である。
一般式(10)
一般式(10)中、Rは、一般式(11)で表される基である。
xは、1~40の整数である。
シリコーン系界面活性剤の市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、ダウ・東レ社製のDOWSIL FZ-7002,2110,2122,2123,2166,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-352A、KF-353A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341、エボニック社製のTEGO WET250,260,270,280、TEGO GLIDE410,450等が挙げられる。
〔フッ素系界面活性剤〕
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロアルキル基、又はフルオロアルキレン基を有する化合物が挙げられる。また、特開2014-41318号公報、特開2011-132505号公報、特開2016-216602号公報、特開2011-89090号公報、特開2010-164965号公報、特開2015-117327号公報等に記載の化合物も挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,554,555,558,560,563,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
〔アクリル系界面活性剤〕
アクリル系界面活性剤は、例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
アクリル系界面活性剤の市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-350,352,354,355,358,380,381,392、共栄社化学製のポリフロー57,77,95等が挙げられる。
〔アセチレンジオール系界面活性剤〕
アセチレンジオール系界面活性剤は、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、ヘキサデカ-8-イン-7,10-ジオール、6,9-ジメチル-テトラデカ-7-イン-6,9-ジオール、7,10-ジメチルヘキサデカ-8-イン-7,10-ジオール、及びそのエチレンオキサイド、及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
アセチレンジオール系界面活性剤の市販品は、例えば、日信化学工業社製のサーフィノール420,440,465,485,SE,DF110D,DE85、オルフィンE1004,1010等が挙げられる。
〔カチオン系界面活性剤〕
カチオン系界面活性剤は、例えば、アルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
カチオン系界面活性剤の市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
〔アニオン系界面活性剤〕
アニオン系界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤の市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
〔両性イオン系界面活性剤〕
両性イオン系界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
両性イオン系界面活性剤の市販品は、例えば、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
〔ノニオン系界面活性剤〕
ノニオン系界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、第一工業製薬社製のノイゲンXL-40,50,60等が挙げられる。
その他界面活性剤(D2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
その他界面活性剤(D2)の含有量は、塗工性、リコート性の観点から、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.005~2.0質量%が好ましく、0.01~1.0質量%がより好ましい。
共重合体(D1)とその他界面活性剤(D2)との質量比は、塗工性、リコート性、及び異物発生の抑制の観点から、10:90~90:10が好ましく、20:80~90:10がより好ましい。
[樹脂(E)]
本発明の感光性組成物は、異物発生の抑制の観点から、樹脂(E)を含むことが好ましい。
樹脂(E)は、主に顔料(A)を分散させるために用いる樹脂(E)を分散樹脂、主に膜の耐性を付与させるために用いる樹脂(E)をバインダー樹脂ともいう。樹脂(E)は、1種の樹脂で分散樹脂、及びバインダー樹脂の両方の機能を有してもよい。ただし、樹脂(E)のこのような用途は一例であって、それ以外の目的で使用することもできる。樹脂(E)は、一般式(1)で表される単量体単位(d1)を含まない化合物である。
樹脂(E)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。
樹脂(E)の重量平均分子量は、3,000~200,000が好ましく、4,000~150,000がより好ましい。
樹脂(E)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
樹脂(E)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~60質量%が好ましく、5~60質量%がより好ましい。
(樹脂(E1))
樹脂(E)は、異物発生の抑制の観点から、分散樹脂として樹脂(E1)を含むことがより好ましい。分散樹脂として樹脂(E1)を含むことで、顔料(A)の分散性が向上し、ポストベークでの顔料(A)の凝集を抑制すると推測する。
樹脂(E1)は、顔料(A)に親和性が高い吸着基を有している樹脂が好ましい。吸着基は、塩基性基、及び酸性基のうち1種以上有していることが好ましい。
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、及びスルホン酸基等が挙げられる。
樹脂(E1)の樹脂種は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
樹脂(E1)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、異物発生の抑制の観点から、グラフト構造、ブロック構造、くし型構造が好ましい。
樹脂(E1)は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,103,107,108,110,111,116,130,140,154,161,162,163,164,165,166,167,168,170,171,174,180,181,182,183,184,185,190,2000,2001,2009,2010,2020,2025,2050,2070,2095,2150,2155,2163,2164、またはAnti-Terra-U203,204、またはBYK-P104,P104S,220S、またはLactimon、Lactimon-WS、またはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,9000,13000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,24000,26000,27000,28000,31845,32000,32500,32550,33500,32600,34750,35100,36600,38500,41000,41090,53095,55000,56000,76500等、BASFジャパンジャパン社製のEFKA-46,47,48,452,4008,4009,4010,4015,4020,4047,4050,4055,4060,4080,4400,4401,4402,4403,4406,4408,4300,4310,4320,4330,4340,450,451,453,4540,4550,4560,4800,5010,5065,5066,5070,7500,7554,1101,120,150,1501,1502,1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスーパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、国際公開第2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、特開2012-255128号公報、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報、特開2017-206689号公報、特開2019-095548号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
(樹脂(E2))
樹脂(E)は、異物発生の抑制の観点から、バインダー樹脂として多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)、及び重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を有する樹脂(E2)(以下、単に樹脂(E2)ともいう)を含むことが好ましい。多環脂環式炭化水素基は、ガラス転移温度が高い。そのため、塗膜表面に耐熱性の高い膜が形成できるため、ポストベーク工程での顔料(A)由来成分の昇華を抑制すると推測する。更に、重合性不飽和基を有することで、露光により樹脂同士や重合性化合物(B)と架橋することで、顔料(A)の凝集を抑制すると推測する。
樹脂(E2)は、例えば、多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)を形成する単量体と、重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を形成する単量体との共重合体や、多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)を形成する単量体と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体に、重合性不飽和基を有する化合物を反応させて重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を導入した共重合体や、特開2008-165059号公報に記載の方法で得られた共重合体等が挙げられる。
〔多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)〕
多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)を形成する単量体は、例えば、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)の含有量は、樹脂(E2)の全構成単位中、1~60モル%が好ましく、1~40モル%がより好ましい。
〔重合性不飽和基含有単量体単位(e2)〕
樹脂(E2)に、重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を導入する方法は、例えば、以下に示す(i)~(iii)の方法がある。
<方法(i)>
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体(変性化合物)を付加する。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有単量体単位のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させた部位に、酸無水物を反応させた部位も重合性不飽和基含有単量体単位(b2)として好ましい。
酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
<方法(ii)>
方法(ii)は、例えば、まず、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のカルボキシル基にエポキシ基含有単量体(変性化合物)を付加する。
<方法(iii)>
方法(iii)は、例えば、まず、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体(変性化合物)のイソシアネート基を反応させる。
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
重合性不飽和基含有単量体単位(e2)の含有量は、樹脂(E2)の全構成単位中、5~80モル%が好ましく、10~80モル%がより好ましい。
樹脂(E2)は、多環脂環式炭化水素基含有単量体単位(e1)、及び重合性不飽和基含有単量体単位(e2)以外の単量体単位を含有できる。例えば、水酸基含有単量体単位(e3)、酸性基含有単量体単位(e4)、エポキシ基含有単量体単位(e5)、芳香環含有単量体単位(e6)、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(e7)、及びその他単量体単位(e8)が挙げられる。これらの単量体単位は、単独又は2種類以上を含有できる。
〔水酸基含有単量体単位(e3)〕
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
〔酸性基含有単量体単位(e4)〕
酸性基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、けい皮酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、無水マレイン酸、フマル酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-アクリロイロキシエチルフタル酸、2-アクリロイロキシエチルヘキシルヒドロフタル酸、p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
〔エポキシ基含有単量体単位(e5)〕
エポキシ基含有単量体は、例えば、オキシラニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-オキシラニルエチル(メタ)アクリレート、2-グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
〔芳香環含有単量体単位(e6)〕
芳香環含有単量体は、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、フェノールEO又はPO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO又はPO変性(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
〔ブロックイソシアネート基含有単量体単位(e7)〕
ブロックイソシアネート基含有単量体は、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を、熱で脱離する化合物(以下、ブロック剤ともいう)で保護した単量体である。ブロック剤の脱離温度は、60~160℃が好ましい。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1,1-ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4-イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。また、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物との等モル反応生成物も使用できる。
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、イミド化合物、尿素化合物、イミン化合物、及び重亜硫酸塩化合物等が挙げられる。
オキシム化合物としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が挙げられる。これらの中でも、メチルエチルケトオキシムが好ましい。
ラクタム化合物としては、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、エチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ナフトール、p-ニトロフェノール等が挙げられる。これらの中でも、3,5-キシレノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチルが好ましい。
アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコールが挙げられる。
アミン化合物としては、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。
活性メチレン化合物としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられ、マロン酸ジエチルが好ましい。
ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられ、3,5-ジメチルピラゾールが好ましい。
メルカプタン化合物としては、ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert-ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
イミド化合物としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、マレイミド、フタルイミド等が挙げられる。
尿素化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
イミン化合物としては、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
重亜硫酸塩化合物としては、重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
ブロック剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、及びイミド化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、保護反応、脱保護反応の観点から、オキシム化合物、フェノール化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
ブロックイソシアネート基含有単量体は、例えば、以下の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
ブロックイソシアネート基含有単量体の市販品としては、昭和電工社製のカレンズMOI-DEM(ブロック剤の脱離温度:85~95℃),MOI-BP(ブロック剤の脱離温度:105~115℃),MOI-BM(ブロック剤の脱離温度:125~135℃)等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
〔その他単量体単位(e8)〕
その他単量体は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン等のN-置換マレイミド類;
ジメチル-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(n-プロピル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(イソプロピル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(2-エチルヘキシル)-2,2'-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
[染料(F)]
本発明の感光性組成物は、染料(F)を含有できる。
染料(F)は、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。また、酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、又は一級アミン化合物等の含窒素化合物との塩である造塩化合物が好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸又はその金属塩と塩を形成する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
染料(F)の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、ナフタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造が挙げられる。
これらの中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、ナフタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。
染料(F)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
染料(F)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~60質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。
[顔料誘導体(G)]
本発明の感光性組成物は、顔料誘導体(G)を含有できる。顔料誘導体(G)を使用すると顔料(A)を安定的に分散できる。
顔料誘導体(G)は、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、顔料の一部が、酸性基、塩基性基、中性基等で置換された構造を有する化合物が挙げられる。具体的には、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
顔料は、例えば、ジケトピロロピロール化合物、フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ジオキサジン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、チアジンインジゴ化合物、トリアジン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、ベンゾイソインドール化合物、イソインドリン化合物、イソインドリノン化合物、キノフタロン化合物、ナフトール化合物、スクアリリウム化合物、スレン化合物、ナフタロシアニン化合物等が挙げられる。
具体的には、ピロロピロール系顔料誘導体としては、特開2001-220520号公報、国際公開第2009/081930号、国際公開第2011/052617号、国際公開第2012/102399号、特開2017-156397号公報、国際公開第2018/101189号、フタロシアニン系顔料誘導体としては、特開2007-226161号公報、国際公開第2016/163351号、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系顔料誘導体としては、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、国際公開第2009/025325号、キナクリドン系顔料誘導体としては、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系顔料誘導体としては、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系顔料誘導体としては、特開2007-314785号公報、トリアジン系顔料誘導体としては、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系顔料誘導体としては、特開2009-57478号公報、キノフタロン系顔料誘導体としては、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系顔料誘導体としては、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、スクアリリウム系顔料誘導体としては、国際公開第2020/054718号、アゾ系顔料誘導体としては、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基としては、特開2004-307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報等に記載の公知の顔料誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、誘導体、色素誘導体、分散剤、分散助剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、顔料誘導体(G)と同義である。
顔料誘導体(G)は、上述した顔料(A)の微細化時に添加するか、後述する顔料(A)の分散処理時に添加することが好ましい。顔料誘導体(G)の平均一次粒子径は、5~200nmが好ましい。
顔料誘導体(G)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
顔料誘導体(G)の含有量は、顔料(A)100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、2~40質量部がより好ましい。
[増感剤(H)]
本発明の感光性組成物は、増感剤(H)を含有できる。
増感剤(H)は、例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物が好ましい。
チオキサントン系化合物は、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
増感剤(H)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
増感剤(H)の含有量は、重合開始剤(C)100質量部に対して、10~400質量部が好ましく、20~300質量部がより好ましい。
[熱硬化性化合物(I)]
本発明の感光性組成物は、熱硬化性化合物(I)を含有できる。
熱硬化性化合物(I)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、フェノール化合物、ブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α',α'-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α',α'-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α'-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ化合物は、例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-エポキシエチルシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
エポキシ化合物の市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、エポリードGT401、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S、DIC社製のEPICLON 830,840,850,860,1050,3050,4050,N-660、N-670,N-740,N-770,N865,HP-7200,HP-4700,HP-4770,HP-5000,HP-6000,HP-9500等が挙げられる。
エポキシ化合物は、分子内に2~50個のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ当量は、50~400g/eqが好ましく、100~200g/eqがより好ましい。なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量で定義される。
エポキシ化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
エポキシ化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4'-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
オキセタン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
オキセタン化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~20質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましい。
(メラミン化合物)
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロール基を有する化合物が好ましい。
市販品は、例えば、三和ケミカル社製のニカラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MS-001,MX-002,MX-730,MX-750,MX-708,MX-706,MX-042,MX-45,MX-500,MX-520,MX-43,MX-417,MX-410、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370等が挙げられる。
メラミン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
メラミン化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
(ブロックイソシアネート化合物)
ブロックイソシアネート化合物は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物にブロック剤を反応させることにより得られる化合物である。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、例えば、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族構造を有する化合物;
シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキシルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式構造を有する化合物;
1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビスクロロメチルジフェニルメタンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライド、ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香族構造を有する化合物が挙げられる。
また、これら化合物のビュレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、アロファネート体等が挙げられる。
ブロック剤は、上述した化合物が挙げられる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、及びイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
市販品は、例えば、旭化成社製のデュラネートSBN-70D,SBB-70P,SBF-70E,TPA-B80E,17B-60P,MF-B60B,E402-B80B,MF-K60B、三井化学社製のタケネートB-882,B-830,B-815N,B-846、東ソー社製のコロネートBI-301,2507,2554、Baxenden社製のBI7960,BI7961,BI7982,BI7991,BI7992,BI7950,BI7951,BI7990等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
ブロックイソシアネート化合物の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~20質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましい。
熱硬化性化合物(I)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性組成物は、熱硬化性化合物(I)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
硬化剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(I)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
[チオール系連鎖移動剤(J)]
本発明の感光性組成物は、チオール系連鎖移動剤(J)を含有できる。チオール系連鎖移動剤(J)は、重合開始剤(C)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性組成物の光感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤(J)は、例えば、チオフェノール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、2-メルカプト-5-ベンゾイミダゾール、ブタンチオール、オクタンチオール、1-ドデカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸メチル、3-メルカプトプロピオン酸エチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル等の単官能チオール化合物;
2-メルカプトエタノール、1-チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプト安息香酸、3-メルカプト安息香酸、4-メルカプトニコチン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、4-メルカプトブタン酸、チオグリコール酸オクチル、メルカプトコハク酸、11-メルカプトウンデカン酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等の水酸基又は酸性基を有する単官能チオール化合物;
ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等の多官能チオール化合物が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤(J)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤(J)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、1~10質量%が好ましい。
[重合禁止剤(K)]
本発明の感光性組成物は、重合禁止剤(K)を含有できる。
重合禁止剤(K)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。
重合禁止剤(K)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量%が好ましい。
[紫外線吸収剤(L)]
本発明の感光性組成物は、紫外線吸収剤(L)を含有できる。
紫外線吸収剤(L)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB102、BASFジャパン社製のTINUVIN 400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社製のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノーン、2,2'-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2'-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤(L)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~5質量%が好ましい。
[酸化防止剤(M)]
本発明の感光性組成物は、酸化防止剤(M)を含有できる。酸化防止剤(M)は、感光性組成物中の重合開始剤(C)や熱硬化性化合物(I)が、加熱工程やITOアニール時の熱によって酸化され、黄変することを防ぐ。
酸化防止剤(M)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系及びヒドロキシルアミン系の化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2'-メチル-4'-ヒドロキシ-5'-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4'-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2'-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2'-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2'-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2'-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N'-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソ-ブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4'-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4'-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3'-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
酸化防止剤(M)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
酸化防止剤(M)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。
[貯蔵安定剤(N)]
本発明の感光性組成物は、貯蔵安定剤(N)を含有できる。これにより、感光性組成物の経時粘度が安定化する。
貯蔵安定剤(N)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤(N)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.05~5質量%が好ましい。
[密着向上剤(O)]
本発明の感光性組成物は、密着向上剤(O)を含有できる。これにより、密着性が向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。
密着向上剤(O)は、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、加水分解性基及びそれ以外の官能基を有する化合物である。前記加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかの反応によってシロキサン結合を生じる基である。前記加水分解性基は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は、密着性の観点から、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、前記それ以外の官能基は、例えば、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、メルカプト基、オキセタニル基、スチリル基、ウレイド基等が挙げられる。
シランカップリング剤は、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の市販品は、例えば、信越シリコーン社製のKBM-302、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-4803、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-9103P、KBM-573、KBM-6803、KBM-1003、KBE-1003、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5803、X-12-1048、X-12-1050、KBE-9007N、KBM-9659、KBM-802、KBM-803、KBM-1043、KBE-585A、X-12-1048、X-12-50等が挙げられる。
また、シランカップリング剤は、ポリマータイプであってもよい。ポリマータイプは、ポリシロキサンタイプ、有機ポリマータイプが挙げられる。
ポリシロキサンタイプは、主鎖にポリシロキサン骨格を有するポリマーに、前記加水分解性基及び前記それ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。ポリシロキサンタイプの市販品は、信越シリコーン社製のKR-513、KR-516、KR-517、X-41-1805、X-41-1810等が挙げられる。
有機ポリマータイプは、主鎖が有機構造である有機ポリマーに、前記加水分解性基及び前記それ以外の官能基が結合したシランカップリング剤である。有機ポリマータイプの市販品は、信越シリコーン社製のX-12-9815、X-12-9845、X-12-1154、X-12-972F、X-12-1159L等が挙げられる。
密着向上剤(O)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
密着向上剤(O)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.05~10質量%が好ましい。
[有機溶剤(P)]
本発明の感光性組成物は、塗工性の観点から、有機溶剤(P)を含むことが好ましい。
有機溶剤(P)は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオ-ル、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、環境面の観点から、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン等)である有機溶剤は、実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、感光性組成物中、50質量ppm以下であり、30質量ppm以下にすることが好ましく、10質量ppm以下にすることがより好ましい。
有機溶剤(P)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
有機溶剤(P)の含有量は、感光性組成物の不揮発分が5~70質量%となる量であることが好ましい。
[特定金属元素の含有量]
本発明の感光性組成物は、感光性組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、及びCr(以下、特定金属元素ともいう)の合計含有量が、500質量ppm以下であることが好ましい。
特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性組成物であると、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
[水の含有量]
本発明の感光性組成物は、保存安定性の観点から、感光性組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
感光性組成物に含まれる水の含有量は、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。また、水の含有量の下限は、特に制限はない。
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、上述した各成分について十分に乾燥等を行い、成分に含まれる水分量を減らしたもの使用する。また、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
[感光性組成物の製造方法]
本発明の感光性組成物は、上述の各成分を混合して調整できる。調整に際しては、各成分を一括配合してもよいし、各成分を重合性化合物(B)や有機溶剤(P)に溶解や分散した後に逐次配合してもよい。
例えば、顔料(A)、樹脂(E)、及び有機溶剤(P)等を加えて分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、前記分散体に、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、及び界面活性剤(D)等を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
感光性組成物中の顔料(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
感光性組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
<膜>
本発明の膜は、上述した感光性組成物を用いて形成されたものである。膜はパターンを形成した膜が好ましいが、平坦膜として用いることもできる。
[膜の製造方法]
膜の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、本発明の感光性組成物を基材上に塗工する工程を経て製造できる。
基材は、例えば、ガラス、樹脂、シリコーン等の材質で構成された基板が挙げられる。ガラスは、無色透明であってもよく、用途によってはブルーガラスのような着色ガラスを用いてもよい。これらの基材上には有機発光層が形成されてもよい。また、基材には、CCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基材上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
塗工方法は、公知の方法を使用できる。例えば、滴下法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、インクジェット法、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
膜の厚さは、目的に応じて適宜調節できる。膜の厚さは、0.05~20.0μmが好ましく、0.3~10.0μmがより好ましい。
次に、パターンを形成する。パターンを形成する方法は、フォトリソグラフィー法やドライエッチング法が挙げられ、フォトリソグラフィー法が好ましい。なお、平坦膜として使用する場合は、パターンを形成する工程を行わなくてよく、塗工後、必要に応じて乾燥や全面を露光する。
以下、パターンを形成する方法について詳細に説明する。
フォトリソグラフィー法でパターンを形成する場合、基板上に本発明の感光性組成物を塗工して形成した層を、必要に応じてプレベークした後、マスクを介してパターン状に露光(露光工程)し、未露光部分をアルカリ現像により除去(現像工程)後、パターンを加熱処理(ポストベーク工程)する。
〔露光工程〕
露光工程は、塗工で形成した層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に用いる活性エネルギー線は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。また、波長300nm以下の光を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられる。
また、露光に際しては、光を連続的に照射して露光してもよく、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光(パルス露光)してもよい。
また、複数の活性エネルギー線を併用したり、複数回に分けて露光することもできる。
〔現像工程〕
次に、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の膜が得られる。
アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
アルカリ現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
〔ポストベーク工程〕
現像後、加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベークにより、膜の耐性が向上する。
温度は、80~300℃が好ましく、100~260℃がより好ましい。時間は、2分間~2時間程度が好ましい。基材に耐熱性の低い素材を用いた場合、発光層として有機エレクトロルミネッセンス素子を有する基材を用いた場合、又は環境面の観点からは、180℃以下が好ましい。
<光学フィルタ>
本発明の光学フィルタは、上記膜を有する。光学フィルタは、例えば、カラーフィルタ、ブラックマトリックス、遮光フィルタ、反射防止フィルタ、赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタ、マイクロレンズ等に用いられる。本発明の光学フィルタの製造は、上述の膜と同様の方法で製造できる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上記光学フィルタを有する。
固体撮像素子は、本発明の光学フィルタを備え、固体撮像素子として機能すれば特に制限されないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基材上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコーン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコーン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の光学フィルタ(カラーフィルタ)を有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であって光学フィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、光学フィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、フィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素を形成する硬化膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は、各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。
本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、例えば、デジタルカメラ、撮像機能を有する電子機器(携帯電話、スマートフォン等)、車載カメラ、監視カメラ等様々な用途に使用できる。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、上記光学フィルタを有する。画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。
画像表示装置に用いる形態は、画像表示装置として機能すればよく、特に制限されない。例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男著、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている構成等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
<赤外線センサ>
本発明の赤外線センサは、上記光学フィルタを有する。
赤外線センサに用いる形態は、本発明の光学フィルタを備え、赤外線センサとして機能すれば特に制限されないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコーン等からなる転送電極を有する。これらフォトダイオード及び転送電極上に、フォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有する。この遮光膜上に、デバイス保護膜を有し、更にこのデバイス保護膜上に、本発明の光学フィルタを有する。さらに、デバイス保護膜上であって光学フィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、光学フィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
図1は、本発明の光学フィルタを備えた赤外線センサの構成例を示す概略断面図である。図1に示す赤外線センサは100、固体撮像素子110を備える。
固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、赤外線カットフィルタ111とカラーフィルタ112とを組み合せて構成されている。
赤外線カットフィルタ111は、本発明の感光性組成物を用いて形成できる。赤外線カットフィルタ111は、可視光領域の光(例えば、波長400~700nmの光)を透過し、赤外領域の光(例えば、波長800~1,300nmの光)を遮蔽する。
カラーフィルタ112は、可視光領域における特定波長の光を透過及び吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタ等が用いられる。
赤外線透過フィルタ113と固体撮像素子110との間には、赤外線透過フィルタ113を透過した波長の光を透過可能な樹脂膜114が配置されている。
赤外線透過フィルタ113は、本発明の感光性組成物を用いて形成することができ、可視光遮蔽性を有し、かつ、特定波長の赤外線を透過させるフィルタである。赤外線透過フィルタ113は、例えば、波長400~830nmの光を遮光し、波長900~1,300nmの光を透過させることが好ましい。
カラーフィルタ112、および赤外線透過フィルタ113の入射光h側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化膜116が形成されている。
図1に示す形態では、樹脂膜114が配置されているが、樹脂膜114に代えて赤外線透過フィルタ113を形成してもよい。
この赤外線センサによれば、画像情報を同時に取り込めるため、動きを検知する対象を認識したモーションセンシング等が可能である。また、この赤外線センサによれば、距離情報を取得できるため、3D情報を含んだ画像の撮影等も可能である。更に、この赤外線センサは、生体認証センサとしても使用できる。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。また、本発明で不揮発分もしくは不揮発分濃度は、110℃で3時間オーブン静置後の質量残分をいう。本明細書で実施例1は参考例である。
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
(樹脂の平均分子量) 樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
(樹脂のアミン価)
樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
<顔料(A)の製造>
(顔料(A-7))
特開2014-12838号公報の記載に従って、Ni及びZnの金属イオンのモル比が65:35で、一般式(3)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のアニオンと、一般式(4)で表される化合物を含む顔料(A-7)を得た。
<重合性化合物(B)の製造>
(重合性化合物(B-4))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2,180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させ、ウレタン結合を有する重合性化合物(B-4)を得た。
<界面活性剤(D)の製造>
(共重合体(D1-1)溶液)
窒素置換したフラスコに、溶剤として酢酸ブチル133部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、下記化学式(12)で表される単量体67.6部、1-アダマンチルメタクリレート32.4部、重合開始剤であるtert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサエート6.0部を酢酸ブチル100部に溶解し滴下装置に仕込み、フラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で4時間反応させた。溶剤を減圧蒸留してランダム構造を有する共重合体(D1-1)を得た。1-アダマンチルメタクリレートの含有量は、共重合体(D1-1)100質量%に対して、32.4質量%であった。
その後、不揮発分が1質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)を添加し、共重合体(D1-1)溶液を得た。
化学式(12)
(共重合体(D1-2)~(D1-9)溶液)
表2に記載の構成・構造となるように単量体の種と量を変え、共重合体(D1-2)~共重合体(D1-9)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を1質量%とした。
表2に記載の成分は、以下の通りである。
化学式(13)
化学式(14)
(その他界面活性剤(D2-1)溶液)
窒素置換したフラスコに、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン15.0部、溶剤としてメチルエチルケトン79.0部を仕込み、窒素気流下にて撹拌しながら50℃まで昇温した。次いで、2,2'-ビピリジル4.2部、塩化第一銅1.5部を仕込み、50℃で30分撹拌した。その後、2-ブロモイソ酪酸エチル2.7部を加え、窒素気流下、50℃で3時間反応させて、3-メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランの重合体ブロックを得た。
次いで、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレングリコールの平均繰り返し数4~6)35.0部加え、50℃で18時間反応させた。その後、活性アルミナ30部を加え撹拌した。ろ過後、溶剤を減圧蒸留してブロック構造を有する共重合体を得た。
その後、不揮発分が1質量%になるようにPGMAcを添加し、その他界面活性剤(D2-1)溶液を得た。
(その他界面活性剤(D2-2)~(D2-6)溶液)
表3に記載の構成・構造となるように単量体の種と量を変え、その他界面活性剤(D2-2)~(D2-6)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を1質量%とした。
<樹脂(E)の製造>
(樹脂(E1-1)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分30%となるようPGMAcを添加して、くし形型構造の樹脂(E1-1)を得た。なお、樹脂は、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500であった。
(樹脂(E1-2)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート40部、n-ブチルメタクリレート10部、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、開始剤としてブロモイソ酪酸エチル9.3部、触媒として塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、PGMAc50部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート40部、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド10部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。室温まで冷却した後、約2gをサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が30質量%になるようにPGMAcを添加して、ブロック構造の樹脂(E1-2)を得た。なお樹脂は、アミン価が169.8mgKOH/gであった。
(樹脂(E2-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル262.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管より2-エチルヘキシルアクリレート(以下、2-EHA)49.7部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)99.4部、ジシクロペンタニルメタクリレート6.6部と、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート19.0部、PGMAcの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌し前駆体を得た。その後、フラスコ内を空気に置換し、変性化合物としてアクリル酸(以下、AA)50.4部と、触媒であるトリフェニルホスフィン0.6部及びメチルハイドロキノン0.2部を投入し、110℃で10時間反応させた。これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させた単量体単位(以下、GMA+AA)を得て、重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を導入した。
次いで、変性化合物としてテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)21.3部を加え、110℃で4時間反応させた。これにより、GMA+AAの水酸基の一部とTHPAを反応させた。その後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加して、樹脂(E2-1)溶液を調製した。樹脂(E2-1)は、酸価38mgKOH/g、重量平均分子量12,000であった。なお、表1で配合量はモル%で表記する。
(樹脂(E2-2)、(E2-3)、及び(E3-1)~(E3-4)溶液)
表4に記載の構成比率、重量平均分子量になるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、樹脂(E2-2)、(E2-3)、及び(E3-1)~(E3-4)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
表4に記載のGMA+AA+SHAは、GMA+AAの水酸基の一部と無水コハク酸(以下、SHA)を反応させた重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を表す。HEMA+MOIは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAともいう)の水酸基に、2-イソシアナトエチルメタクリレート(以下、MOIともいう)を付加させた重合性不飽和基含有単量体単位(e2)を表す。カレンズMOI-DEMは、昭和電工社製のメマロン酸-2-[[[[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル]アミノ]カルボニル]-1,3-ジエチルエステルである。
<染料(F)の製造>
(染料(F-1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n-ブチルメタクリレート28.0部、2-エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量が、6,830であることを確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、2時間反応させ樹脂1を得た。
次に、水2,000部に不揮発分換算で30部の樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂1溶液に少しずつ滴下した。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで冷却した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッドレッド52と樹脂1との造塩化合物である染料(F-1)を得た。このとき染料(F-1)中のC.I.アシッドレッド52に由来する成分の含有量は25質量%であった。
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。
顔料(A-1) :15.0部
樹脂(E1-1)溶液 : 5.0部
樹脂(E1-2)溶液 :10.0部
有機溶剤(P-1) :70.0部
(分散体2~11)
表5に記載した成分、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~11を作製した。
表5に記載したそれぞれの成分は、以下の通りである。
[顔料(A)]
A-1:C.I.ピグメントグリーン58
A-2:C.I.ピグメントグリーン59
A-3:C.I.ピグメントグリーン63
A-4:C.I.ピグメントイエロー138
A-5:C.I.ピグメントイエロー139
A-6:C.I.ピグメントイエロー150
A-8:C.I.ピグメントレッド254
A-9:C.I.ピグメントレッド177
A-10:C.I.ピグメントブルー15:6
A-11:C.I.ピグメントバイオレット23
顔料(A)は、いずれもソルトミリング処理による微細化を行い、上述した特定金属量となるように十分にイオン交換水で洗浄後、乾燥した上で使用した。
[顔料誘導体(G)]
[有機溶剤(P)]
P-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<感光性組成物の製造>
[実施例1]
(感光性組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性組成物1を得た。不揮発分は15質量%であった。
分散体1 :24.0部
分散体4 :12.0部
樹脂(E2-2)溶液 : 6.0部
樹脂(E3-2)溶液 : 2.0部
重合性化合物(B-1) : 3.8部
オキシムエステル系化合物(C1-1) : 0.8部
共重合体(D1-1)溶液 : 1.5部
その他界面活性剤(D2-7)溶液 : 0.3部
有機溶剤(P) :49.6部
[実施例2~58、及び比較例1、2]
(感光性組成物2~60)
実施例1の感光性組成物1を、表6-1~表6-6に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして感光性組成物2~60を作製した。
表6-1~表6-6に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
[重合性化合物(B)]
B-1:アロニックスM-402(東亞合成社製)
B-2:アロニックスM-510(東亞合成社製)
B-3:KAYARAD DPCA-20(日本化薬社製)
[重合開始剤(C)]
(オキシムエステル系化合物(C1))
C1-1:上述した(C1-1)の化合物
C1-2:上述した(C1-2)の化合物
C1-3:上述した(C1-3)の化合物
C1-4:上述した(C1-4)の化合物
C1-5:上述した(C1-5)の化合物
C1-6:上述した(C1-6)の化合物
C1-7:上述した(C1-7)の化合物
(その他重合開始剤(C2))
C2-1:上述した(C2-1)の化合物
C2-5:Omnirad 907(IGM Resins社製)
[界面活性剤(D)]
(その他界面活性剤(D2))
D2-7:下記構造の化合物(一般式(8)で表される化合物)の1%PGMAc溶液
D2-8:下記構造の化合物(一般式(9)で表される化合物)の1%PGMAc溶液
D2-9:下記構造の化合物(一般式(10)で表される化合物)の1%PGMAc溶液
D2-10:メガファックF-563(DIC社製のフッ素系界面活性剤)の1%PGMAc溶液
D2-11:BYK-330(ビックケミー社製、一般式(8)で表される化合物)の1%PGMAc溶液
D2-12:DOWSIL FZ-2122(ダウ・東レ社製、一般式(10)で表される化合物)の1%PGMAc溶液
[有機溶剤(P)]
P-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
P-2:シクロヘキサノン
P-3:3-エトキシプロピオン酸エチル
以上、P-1、P-2、及びP-3を8:1:1の質量比にて混合し、有機溶剤(P)とした。
<上塗り層形成用組成物の製造>
分散体10を26.0部、分散体11を10.0部、樹脂(E3-3)溶液を8.0部、アロニックスM-402を3.8部、Omnirad 907を0.8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50.1部、及びBYK-333(ビックケミー社製のシリコーン系界面活性剤)の1%PGMAc溶液1.8部を加えて、混合・攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して上塗り層形成用組成物を得た。なお、BYK-333は、共重合体(D1)に含まれない。
<感光性組成物の評価>
得られた感光性組成物1~60について、以下の評価を行った。評価結果を表7に示す。
[塗工性評価(1)]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、回転数1000rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。
ナトリウムランプを照射して、塗膜の状態を目視で観察した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:波状の塗工ムラが観察されなかった。
4:波状の塗布ムラが基板端面部のみで僅かに観察された。
3:波状の塗布ムラが僅かに観察された。
2:波状の塗布ムラが基板端面部のみではっきりと観察された。
1:波状の塗布ムラがはっきりと観察された。
[塗工性評価(2)]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mmのガラス基板(コーニング社製イーグル2000)上に、回転数200rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。
光学顕微鏡を用いてハジキの発生を観察した。なお、ハジキは、ガラス基板上に感光性組成物を塗工し乾燥した後に、塗膜表面に円形状の凹みや穴が生じる現象である。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:ハジキの個数が3個未満であった。
4:ハジキの個数が3個以上5未満であった。
3:ハジキの個数が5個以上15未満であった。
2:ハジキの個数が15個以上30未満であった。
1:ハジキの個数が30個以上であった。
[塗工性評価(3)]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、回転数200rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。
フィルメトリクス社製(F50)の光学式膜厚計を用いて、膜厚を測定した。評価は、最も薄い部分の膜厚と最も厚い部分の膜厚の差(以下、膜厚差という)を算出した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:膜厚差が0.02μm以下
4:膜厚差が0.02μmより大きく、0.03μm以下
3:膜厚差が0.03μmより大きく、0.04μm以下
2:膜厚差が0.04μmより大きく、0.05μm以下
1:膜厚差が0.05μmより大きい
[リコート性評価]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、回転数200rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。
得られた塗膜上に、上塗り層形成用組成物を回転数1000rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。
上塗り層を目視及び光学顕微鏡で観察した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:ムラ、ハジキが観察されなかった。
4:ムラ、若しくはハジキが僅かに観察された。
3:ムラ、ハジキが僅かに観察された。
2:ムラ、若しくはハジキがはっきりと観察された。
1:ムラ、ハジキがはっきりと観察された。
[異物評価]
得られた感光性組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、回転数200rpm、回転時間10秒で塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンを有するフォトマスクを介して照度30mW/cm、露光量50mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。スプレー現像は、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。得られた基板をクリーンオーブンで、230℃30分間ポストベークした後、更に230℃3時間加熱した。
金属顕微鏡「BX60」(オリンパスシステム社製)を用いて、パターン画素の間のガラス基板上の異物の数を計測した。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を積算で計測した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:異物の数が5個未満
4:異物の数が5個以上、10個未満
3:異物の数が10個以上、20個未満
2:異物の数が20個以上、50個未満
1:異物の数が50個以上

Claims (10)

  1. 顔料(A)、重合性化合物(B)、重合開始剤(C)、及び界面活性剤(D)を含む感光性組成物であって、
    前記界面活性剤(D)が、実質的にフッ素原子を含まず、下記一般式(1)で表される単量体単位(d1)を含むブロックA、及び下記一般式(2)で表される単量体単位(d2)を含むブロックBを有するブロック共重合体(D1)を含む感光性組成物。
    一般式(1)


    (一般式(1)中、Rは、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基、又は-OSi(Rで表わされる基(Rは、それぞれ独立して炭素数1~3のアルキル基)である。
    は、それぞれ独立して炭素数1~6のアルキル基である。
    は、炭素数1~6のアルキル基である。
    は、水素原子、又はメチル基である。
    は、2価の有機基、又は単結合である。
    nは、1~70の整数である。)
    一般式(2)


    (一般式(2)中、Rは、炭素数3~20の脂環式炭化水素基である。
    は、水素原子、又はメチル基である。
    は、2価の有機基、又は単結合である。)
  2. 前記一般式(2)で表される単量体単位(d2)の含有量が、前記共重合体(D1)100質量%に対して、5~70質量%である請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記一般式(2)中のRが、多環脂環式炭化水素基である請求項1に記載の感光性組成物。
  4. 前記界面活性剤(D)が、更に、前記共重合体(D1)以外の界面活性剤(D2)を含む請求項1に記載の感光性組成物。
  5. 前記重合開始剤(C)が、オキシムエステル系化合物(C1)を含む請求項1に記載の感光性組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性組成物から形成されてなる膜。
  7. 請求項6に記載の膜を有する光学フィルタ。
  8. 請求項7に記載の光学フィルタを有する固体撮像素子。
  9. 請求項7に記載の光学フィルタを有する画像表示装置。
  10. 請求項7に記載の光学フィルタを有する赤外線センサ。
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