JP2009256753A - Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 - Google Patents

Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Download PDF

Info

Publication number
JP2009256753A
JP2009256753A JP2008109524A JP2008109524A JP2009256753A JP 2009256753 A JP2009256753 A JP 2009256753A JP 2008109524 A JP2008109524 A JP 2008109524A JP 2008109524 A JP2008109524 A JP 2008109524A JP 2009256753 A JP2009256753 A JP 2009256753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle powder
magnetic particle
based magnetic
iron
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008109524A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5110296B2 (ja
Inventor
Minoru Yamazaki
実 山崎
Kuniyoshi Shigeoka
都美 重岡
Nobuhiro Katayama
信宏 片山
Tsutomu Katamoto
勉 片元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP2008109524A priority Critical patent/JP5110296B2/ja
Publication of JP2009256753A publication Critical patent/JP2009256753A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5110296B2 publication Critical patent/JP5110296B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、均質性の高く、安定した特性を発揮できるSmFe17に関するものである。また、前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石を提供する。
【解決手段】 酸化サマリウムと鉄との複合体及び金属カルシウムを用いて還元拡散反応を行ってSmFe化合物を作製し、次いで、該SmFe化合物に窒化反応を行うSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法において、前記還元拡散する際の容器内に酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとを積層して設置することでSm−Fe−N系磁性粒子粉末を製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、均質性の高く、安定した特性を発揮できるSmFe17に関するものである。また、前記Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石を提供する。
ボンド磁石は、その形状自在性や高寸法精度などの利点があるため、従来から電気製品や自動車部品等の各種用途に広く使用されているが、近年、電気製品や自動車部品の小型・軽量化に伴って、これに使用されるボンド磁石自体の高性能化が強く要求されている。
ボンド磁石は、一般に、ゴム又はプラスチック材料等の結合剤樹脂と磁性粉末とを混練した後、成形することによって製造されているため、ボンド磁石の高性能化のためには、磁性粉末の高性能化、即ち、大きな残留磁束密度Bと高い保磁力とを有し、その結果、最大磁気エネルギー積(BH)maxが大きな磁性粉末が強く要求されている。
磁性粉末としては、バリウムフェライトやストロンチウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトやSm−Fe−N系磁性粒子粉末及び希土類−鉄−ホウ素系磁石が知られている。特に、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末は、飽和磁化値と異方性磁界がともに高く、さらに、高いキュリー温度を有することから、近年、特に注目されている。
これまで、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法として、酸化鉄粒子粉末と酸化サマリウム粒子粉末とを混合した後、当該混合物を還元反応を行って鉄粒子と酸化サマリウム粒子との混合物とし、次いで、30〜150℃の温度範囲、酸素含有雰囲気下で安定化処理を行って前記鉄粒子の粒子表面に酸化被膜を形成した後、金属カルシウムを混合して800〜1200℃の温度範囲、不活性ガス雰囲気下で還元拡散反応を行い、次いで、不活性ガス雰囲気下で300℃未満に冷却した後、窒素雰囲気に切り替え、300〜600℃の温度範囲の所定の温度になるまで昇温し、引き続き、300〜600℃の温度範囲で窒化反応を行う方法(特許文献1)、酸化鉄粒子を含有する水懸濁液に、サマリウムを含む水溶液を添加した後、懸濁液のpHを調整し50℃〜100℃に加熱して前記酸化鉄粒子の粒子表面にサマリウム化合物を被覆し、サマリウム化合物被覆酸化鉄粒子粉末に対して水素気流中500℃〜1000℃の温度範囲で還元反応を行い、次いで、還元後の粉末に金属カルシウムを混合して不活性ガス雰囲気下で還元拡散反応を行ってSm−Fe合金粒子とした後、窒素ガス雰囲気下で窒化反応を行ってSm−Fe−N系磁性粒子を得る方法(特許文献2)等が知られている。
特開2004−303821号公報 特開2006−307342号公報
これまでは、特許文献1及び2等に記載されているように還元拡散反応の際には、Sm混合Fe粉末原料と粒状金属カルシウムを混合してFe製の容器に入れ炉の中に充填し、Arガス雰囲気中1000〜1100℃に加熱することで行っていた。
しかし、それぞれの原料を計算どおり秤量しても、金属カルシウムは取り扱い上、数ミリ以上の粒状であるため均一に混合して充填したつもりでも、容器の中で偏りができ、還元拡散および還元拡散後の不均一さの原因となる。
そこで、本発明は、偏りを防ぎ、均一なSmFe17を作製でき、該SmFe17を用いて均一、且つ、安定した高い特性を発揮できるSmFe17粉末を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、酸化サマリウムと鉄との複合体及び金属カルシウムを用いて還元拡散反応を行ってSmFe化合物を作製し、次いで、該SmFe化合物に窒化反応を行うSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法において、前記還元拡散する際の容器内に酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとを積層して設置することを特徴とするSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、Smと鉄化合物との複合体及び金属カルシウムを充填した容器に、前記充填物に密着するように移動可能な蓋を設置するSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、試料を充填する容器の少なくとも底面内側の材質がTi又はMo、Ta、W、Nb、Zr、Hfを含む金属又は合金であるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、試料を充填する容器の内側全面の材質がTi又はMoを含む金属又は合金であるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1乃至4のいずれかに記載の製造法によって得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物である(本発明5)。
また、本発明は、本発明5記載のボンド磁石のHk/Hcjが55〜70%であって、r/sが0.95〜0.99であるボンド磁石である(本発明6)。
本発明は、均一、且つ、安定した高い特性を発揮できるSm−Fe−N系磁性粒子粉末であるので、ボンド磁石用として好適である。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法は、還元拡散反応において容器内に酸化サマリウムと鉄との複合体及び金属カルシウムの設置方法を制御することによって、各原料の偏りを抑制し、均一なSmFe17を作製できるので、該SmFe17を用いて製造するSm−Fe−N系磁性粒子粉末も、均一、且つ、安定した高い特性を発揮できるので、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
まず、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法について述べる。
酸化サマリウムと鉄との複合体を、金属カルシウムを用いて還元拡散してSmFe化合物を作製し、次いで、窒化してSm−Fe−N系磁性粒子粉末を作製するにあたり、前記還元拡散する際に容器内に酸化サマリウムと鉄との複合体と金属カルシウムとを積層して設置するものである。
酸化サマリウムと鉄との複合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、酸化鉄と酸化サマリウム、水酸化サマリウム等のサマリウム化合物との混合物又は酸化鉄粒子に酸化サマリウム、水酸化サマリウム等のサマリウム化合物を被覆した複合物に対し、還元反応を行って得ることができる。
酸化サマリウムと鉄との複合体の大きさは、金属カルシウムとの均一な反応を考慮すると、平均粒径が0.1〜1.0μm程度が好ましい。
酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとを積層する状態は、酸化サマリウム及び鉄の複合体の層厚を1cm以下にし、積層した上下両面から金属カルシウムが浸透することで、酸化サマリウム及び鉄の複合体は十分に還元拡散反応を受けながら、異常な焼結を起こすことなくSmFe17合金粒子を生成・成長させることができる。
例えば、全体を5層にして酸化サマリウム及び鉄の複合体と粒状金属カルシウムを容器内に設置する場合、それぞれの必要重量を、酸化サマリウム及び鉄の複合体をX、金属カルシウムをYとすると、まず粒状金属カルシウムを重量Y/3だけ底面に層になるように敷き詰め、酸化サマリウム及び鉄の複合体を重量X/2だけ第2層として第1層の金属カルシウム層の上に敷き詰め、以後交互に、金属カルシウムの量Y/3による第3層、酸化サマリウム及び鉄の複合体の量X/2による第4層、金属カルシウムの量Y/3による第5層と層状に敷き詰める。このとき詰める純鉄製トレーの底面積は、酸化サマリウム及び鉄の複合体の重量X/2によって詰めた層の厚みが1cm以下となるようにすることが好ましい。そうすることで、原料にとって金属カルシウムによる還元作用の影響はいずれもほぼ等しくなり、均一な還元拡散反応をすることができる。
なお、容器の底面および最上面に酸化サマリウム及び鉄の複合体が置かれた場合、その部分に金属カルシウムが十分浸透することが困難になるため、結果その部分は還元拡散反応も不十分になったり、異常な焼結を起こしたりすることで、組成が不均一な部分となる傾向にある。そこで、底面と最上面は金属カルシウムの層となるようにすると、全体が均一な還元拡散反応が進行し、容器内において組成の偏りがないSmFe17合金粒子を生成・成長させることができる。
酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとを単に混合した場合、酸化サマリウム及び鉄の複合体の大きさに対して金属カルシウムが大きいので、金属カルシウムの存在状態を均一にすることが困難であり、還元拡散後の充填物の組成が不均一となる。
また、本発明においては、還元拡散する際の容器に酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムと積層し、さらに、容器中の内容物の高さ(量)に応じて上下する蓋(落し蓋)をすることが好ましい。
還元拡散する際の容器には、金属カルシウムおよび金属Smが炉内空間に逃げないように蓋をしているが、還元拡散反応までの昇温過程において、金属カルシウムは融点に達し、酸化サマリウム及び鉄の複合体中に浸透するため、その形は消失してしまう。また、酸化サマリウム及び鉄の複合体自体も還元拡散反応および粒子成長において全体として収縮する。そのため、トレー内の上部は反応前と比較してかなりの空隙ができることになり、その部分に金属カルシウムおよび金属Smのミストもしくは蒸気が無駄に存在することになる。
金属カルシウムの融点は839℃で沸点は1494℃、金属Smの融点は1072℃で沸点は1800℃であるが、どちらも蒸気圧が高いため、Ar雰囲気中に曝されている部分が空間として存在していると、その空間中のCa分圧およびSm分圧を平衡点に達するまで蒸散させることになる。中には蓋の内壁に凝結し反応物内に戻らない金属カルシウムなどが発生し、SmFe17粒子成長中のCa融体が不足することで、異常に焼結する不均一な部分発生の原因となる。
そこで、落し蓋をすることで、金属カルシウムおよび金属Smを無駄に蒸散させないようにし、より均一性を高めることができる。
また、本発明においては、還元拡散する際の容器には、SmFe17合金への不純物の拡散の悪影響を避けるため、かつ、1100℃までの強度を維持できる、純鉄製が望ましいが、Ti、Mo、Ta、W、Nb、Zr、Hf等の高融点金属もこの高温における還元拡散反応において反応せず、さらに金属カルシウムや金属SmおよびSmFe17合金がほとんど付着しないことが分かった。ただし、Tiの882℃にある変態点以上で変形しやすくなるため、Tiだけではトレーにすることはできない。鉄もしくは耐熱性合金の内張りとしてTiを使うことができる。
還元拡散反応中には、トレー内壁のTi内張りに、金属カルシウムなどが反応したり付着が起こらないため、より反応系内に金属カルシウム融体が使われることになり、全体の均一性を高めることにもなる。
酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとの全体の混合割合は、酸化サマリウム及び鉄の複合体中のサマリウム1モルに対して金属カルシウムが1.6〜5.0モルが好ましい。1.6モル未満の場合には、還元拡散反応が十分ではなく、サマリウムの還元が不十分となる。5.0モルを越える場合には効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。
還元拡散反応は、不活性ガス雰囲気下で800〜1200℃の温度範囲で行う。800℃未満の場合には酸化サマリウムの還元が不十分となる。1200℃を越える場合にはカルシウム及びサマリウムの蒸発が起こり始め組成比が変化しやすく、また、焼結が進行しやすくなる。
還元拡散反応を行うことによって、酸化サマリウムをサマリウム金属に還元するとともに、さらにサマリウムと鉄との合金とする。
還元拡散反応後の鉄とサマリウムとの合金に対して、300〜500℃の温度範囲で窒化反応を行う。300℃未満の場合には鉄とサマリウムとの合金に必要量の窒素を侵入させることが困難となる。500℃を越える場合にはα−FeとSmの窒化物などへの分解が始まるため好ましくない。窒化反応の時間は1〜100時間程度である。なお、窒化雰囲気に切り替える前に温度を300℃以下に下げることが望ましい。窒化反応はSmFe合金粒子だけでなく残留している金属カルシウムにも起こるが、そのとき発熱反応を伴うため、最適な温度を超えてSmFe合金が分解することがある。300℃以下になったところから窒化反応を開始して、所定の窒化温度に昇温することでSmFe合金粒子の窒化反応を安定して行うことができる。窒化反応は、SmFe合金に対して2.8〜3.5重量%の窒素を含有するように行う。
窒化反応後のSm−Fe−N系磁性粒子は、水洗、解砕により不純物を除去した後、濾過、乾燥して取り出すことができる。
乾燥後、常法によって、粉砕することができる。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の吸油量は8.0〜15.0ml/100gである。吸油量が15ml/100gを超える場合には、当該粉末が樹脂などに馴染みにくいこと及び空隙が多いことを意味し、ボンド磁石用樹脂組成物としての成形性が悪くなる。8ml/100g未満というのは、JIS K 5101−1991に準拠した吸油量の測定方法による煮あまに油が、最小限の量で粉末の表面を濡らす必要があるので、考えにくい。より好ましくは10.0〜13.0ml/100gである。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の圧縮密度(CD)は、4.10〜4.60g/ccである。圧縮密度(CD)が4.10g/cc未満の場合には、粒子粉末の形状および粒度のため粉体としての流動性および充填性が悪いことが考えられ、ボンド磁石用樹脂組成物として成形時の充填性など成形性が発揮できない。4.60g/ccを超えるものは工業的に得ることは困難である。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積は0.1〜2.0m/gが好ましい。BET比表面積が2.0m/gを超える場合には、粒子の表面が粗くなっているか、粉末の中に微粒子が混入していることが考えられ、それらによって樹脂と混練した時の流動性が著しく劣化し、十分な成形性を発揮できない。BET比表面積が0.1m/g未満の場合には、ボンド磁石用として流動性に優れるものが得られない。より好ましくは0.5〜1.5m/gである。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の平均粒径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは2.5〜4.0μmである(HELOSのd50)。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、ThZn17型構造を有することが好ましい。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は(粉末を磁場中配向させて測定したところ)、保磁力が398.1〜2387.3kA/m(5000〜30000Oe)であり、σrが110〜150Am/kg(110〜150emu/g)、最大磁気エネルギー積が158.8〜358.1kJ/m(20〜45MGOe)であり、Hk/Hcjが40〜70%であり、σ/σが0.970〜1.000である。
また、本発明においては、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を、湿式ジェットミルもしくは高圧ホモジナイザーと言われるアルティマイザー((株)スギノマシン)、ナノマイザー(吉田機械工業製)等を用いて粉砕してもよい。これらは無機粒子の水懸濁液を高圧により高速ジェット水流にして水流同士もしくは硬質板に衝突させることで、粉砕・解砕・分散させることができるものである。当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の懸濁液においては、当該Sm−Fe−N系磁性粒子の1次粒子が破壊もしくは変形することなく、個々に解れ、さらに粉体特性が良好となる。
前記解砕処理を行った後のSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、吸油量が8.0〜15ml/100g、より好ましくは8〜13ml/100g、BET比表面積が0.5〜2.0m/g、より好ましくは0.5〜1.5m/g、圧縮密度(CD)が4.10〜4.70g/cc、より好ましくは4.20〜4.70g/cc、平均粒径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは2.5〜4.0μmである。
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、混練・成形における化学的耐久性の向上のために、Sm−Fe−N系磁性粒子の解砕後もしくは粉砕後に、濾過して含水ケーキとしたものにオルトリン酸とイソプロピルアルコール(IPA)の混合液を投入し、減圧窒素気流中にて撹拌しながら加熱し乾燥してもよい。
オルトリン酸の添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子に対するオルトリン酸固形分の重量比において、0.025〜3.0wt%が好ましい。添加量が0.025wt%未満の場合には、十分な不溶性リン酸塩膜が形成されず、3.0wt%を超える場合には、単位体積当たりの磁気特性の減少を招く。
また、本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、樹脂のとのなじみ及び耐候性向上のために、シランカップリング剤による被覆処理を行ってもよい。
本発明においてシランカップリング剤とは、磁性粉表面の無機成分に対して反応性がある基を有し、しかも樹脂の有機成分との反応性が高い、珪素含有化合物のことを示す。
シランカップリング処理前の磁性粉の表面は、最終用途の必要に応じた耐候性を付与するための表面被覆を施すものとする。
本発明で用いるシランカップリグ剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシsリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシメチルシロキサン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、t−ブチルカルバメートトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のシランカップリング剤等を用いることができる。
シランカップリグ剤は、水、イソプロピルアルコール(IPA)等で希釈したものを用いてもよい。
シランカップリング剤の添加量は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末に対して0.1〜3.0wt%が好ましい。
シランカップリング剤による表面処理は、常法によって行えばよく、本発明では、混合・攪拌と同時に加熱しておくことが好ましい。
雰囲気は、大気のままでも良いが、窒素もしくはアルゴンなど不活性ガスで酸素をパージさせた雰囲気が好ましい。
加熱温度は60〜180℃、好ましくは100〜120℃である。
シランカップリングなどの表面処理を行ったSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、吸油量が7.0〜11ml/100g、より好ましくは7〜10ml/100g、BET比表面積が0.1〜1.0m/g、より好ましくは0.2〜0.9m/g、圧縮密度(CD)が4.20〜4.70g/cc、より好ましくは4.30〜4.70g/cc、平均粒径は1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは2.5〜4.0μmである。
次に、本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物について述べる。
本発明におけるボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂中に分散してなるものであって、当該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を85〜99重量%含有し、残部が結合剤樹脂とその他添加剤とからなる。
前記結合剤樹脂としては、成形法によって種々選択することができ、射出成形、押し出し成形及びカレンダー成形の場合には熱可塑性樹脂が使用でき、圧縮成形の場合には、熱硬化性樹脂が使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン(PA)系、ポリプロピレン(PP)系、エチレンビニルアセテート(EVA)系、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系、液晶樹脂(LCP)系、エラストマー系、ゴム系等の樹脂が使用でき、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、フェノール系等の樹脂を使用することができる。
なお、ボンド磁石用樹脂組成物を製造するに際して、流動性、成形性を改善し、Sm−Fe−N系磁性粉末の磁気特性を十分に引き出すために、必要により、結合剤樹脂の他に可塑剤、滑剤等周知の添加物を使用してもよい。また、フェライト磁石粉末などの他種の磁石粉末を混合することもできる。
これらの添加物は、目的に応じて適切なものを選択すればよく、可塑剤としては、それぞれの使用樹脂に応じた市販品を使用することができ、その合計量は使用する結合剤樹脂に対して0.01〜5.0重量%程度が使用できる。
前記滑剤としては、ステアリン酸とその誘導体、無機滑剤、オイル系等が使用でき、ボンド磁石全体に対して0.01〜1.0重量%程度が使用できる。
前記カップリング剤としては、使用樹脂とフィラーに応じた市販品が使用でき、使用する結合剤樹脂に対して0.01〜3.0重量%程度が使用できる。
他の磁性粉末としては、フェライト磁石粉末、アルニコ系磁石粉末、希土類系磁石粉末などが使用できる。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、後述する評価法において、150〜1000g/10min程度が望ましい。150g/10min未満の場合には、射出成型の成形性と生産性が著しく低下する。
本発明に係るボンド磁石用樹脂組成物は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を結合剤樹脂と混合、混練してボンド磁石用樹脂組成物を得る。
前記混合は、ヘンシェルミキサー、V字ミキサー、ナウター等の混合機などで行うことができ、混練は一軸混練機、二軸混練機、臼型混練機、押し出し混練機などで行うことができる。
次に、本発明に係るボンド磁石について述べる。
ボンド磁石の磁気特性は目的とする用途に応じて種々変化させることができるが、残留磁束密度Brは350〜900mT(3.5〜9.0kG)であり、保磁力iHcは238.7〜1428.5kA/m(3000〜18000Oe)であり、最大磁気エネルギー積(BH)maxは23.9〜198.9kJ/m(3〜25MGOe)であり、角形性Hk/Hcjが45〜75%であり、r/sが0.95〜0.99であることが好ましい。
ボンド磁石の成形密度は4.5〜5.5g/cmであることが好ましい。
本発明におけるボンド磁石は、前記ボンド磁石用樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、圧縮成形又はカレンダー成形等の周知の成形法で成形加工した後、常法に従って電磁石着磁やパルス着磁することにより、ボンド磁石とすることができる。
<作用>
これまで、還元拡散反応は、図1に示すとおり、酸化サマリウムと鉄との複合体と金属カルシウム粒とを混合してFe製の容器に入れ炉の中に充填し、Arガス雰囲気中1000〜1100℃の温度範囲で加熱することで行っていた。
しかし、それぞれの原料を計算どおり秤量しても、金属カルシウムは取り扱い上、数ミリ以上の粒状であるため均一に混合して充填したつもりでも、容器の中で偏りができ、還元拡散および還元拡散後の不均一さの原因となる。
よって、本発明では、図2に示すとおり、層状に積層することで、偏りを防ぎ、均一なSmFe17を作製し、該SmFe化合物(SmFe17)を用いて得られるSmFe17粉末の特性は、均一かつ安定した高い特性を発揮することができる。
また、図3に示すとおり、落し蓋をすることで、蒸発しやすいSmを蒸発しにくくすることで、Sm組成の均一さをより一層高める。
さらに、Caも蒸発しやすく、それを抑制し、Ca融体の組成を均一にかつ必要十分に確保する。
容器内および落し蓋の材料を、還元拡散反応時にFe、SmおよびCaに反応しない金属たとえばTi、Mo、Ta、W、Nb、Zr又はHf等の高融点金属元素とすることによって、より一層、均一性を高めることができる。
次に、実施例、比較例を用いて本発明についてさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の形状は走査型電子顕微鏡で観察した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の粒度分布はHELOSにて測定した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末のBET比表面積値は窒素によるBET法で求めた。
吸油量は、JIS K 5101に基づいて測定した。
圧縮密度(CD)は、試料を1t/cmの圧力で圧縮したときの密度を測定した。
本発明におけるSm−Fe−N系磁性粒子全体のCa量、Si量、P量は、X−F(蛍光X線分析)による組成分析を行って算出した。
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性は、アクリル製のカプセル中に蝋と磁性粒子粉末を入れて、配向磁場を印加しながら、加熱冷却し、磁粉を配向した上で、試料振動型磁力計VSM(東英工業株式会社製)で測定した値で示した。
ボンド磁石用樹脂組成物の流れ性(MFR)は、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末89.4重量部と12ナイロン樹脂9.1重量%、酸化防止剤0.5重量%及び表面処理剤1.0重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、得られた組成物をセミメルトインデクサ(型式2A、東洋精機(株)製)を用いて加熱温度270℃、加重10kgfの条件で測定した。
ボンド磁石の密度は、成形ボンド磁石を室温約25℃に十分冷却した後、ボンド磁石の大きさを測定し、測定値から体積を求めた。次に、当該成形ボンド磁石の重量を測定し、重量値(g)を体積値で除した値で示した。
ボンド磁石の磁気特性は、配向磁場中で成型したボンド磁石をBHトレーサー(東英工業工業株式会社)により測定した。
酸化鉄粒子粉末の粒度分布は、次式で数値化される。
粒度分布[%]=(粒子径の標準偏差)÷(平均粒子径)×100
<原料の反応>
反応容器に水、苛性ソーダ、硫酸第一鉄溶液を所定量投入し、温度を90℃に保ち、空気を吹き込みながら酸化反応を行い、マグネタイト粒子を得る。得られたマグネタイト粒子粉末は、平均粒子径が0.50μm、標準偏差0.11μm、粒度分布22%であった。
このマグネタイト粒子を含むスラリーに、スラリー中の鉄原子に対し15.30mol%のサマリウム原子を含む塩化サマリウム溶液を添加し、スラリーのpHを13に調整し、温度を90℃に保ちながら2時間熟成反応を行なった。その後、ろ過、水洗により可溶性塩を除去、次いで、乾燥することにより、サマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末を得た。
得られたサマリウム化合物被覆酸化鉄粒子粉末において、Sm/Fe比を分析したところ、反応仕込み時のSm/Fe比と差がないことから、添加したサマリウムは全量サマリウム化合物として酸化鉄粒子を被覆していると推定している。
<還元反応及び安定化処理>
次いで、得られたサマリウム化合物被覆マグネタイト粒子粉末1500gを熱処理炉に入れ、純度99.9%の水素ガスを40リットル/minで流通させながら450℃で5時間加熱して還元反応を行い、酸化サマリウム被覆鉄粒子粉末を得た。
<還元拡散反応>
ここに得た酸化サマリウム被覆鉄粒子1124gと粒状金属Ca376g(酸化サマリウム被覆鉄粒子中のサマリウム1モルに対して4.5モル)とを混合して、図1に示すように、純鉄製トレーに入れ、雰囲気炉に挿入する。炉内を真空排気した後、アルゴンガス雰囲気とする。次いで、アルゴンガス気流中で1050℃まで昇温、30min保持し還元拡散反応を行なった。反応終了後300℃まで冷却した(比較例1)。
<窒化反応>
炉内温度が300℃で安定したら、一度真空排気し、窒素ガス雰囲気とする。次いで、窒素ガス気流中で420℃まで昇温し、12時間保持して窒化反応を行う。反応終了後室温まで冷却する。
<水洗・乾燥>
窒化反応後の粉末を水中に投じスラリーとする。これにより、水中にて自然に崩壊し、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離が始まる。ここで機械的解砕を加えることにより、分離を促進する。Sm−Fe−N系磁性粒子粉末とCa成分との分離を十分行なった後、デカンテーション水洗を繰り返すことでCa成分を除去する。次いで、水洗スラリーを濾過し、得られたケーキを窒素ガス気流中で乾燥することによりSm−Fe−N系磁性粒子粉末1000gを得た。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状はほぼ球形であって粒子表面が滑らかな粒子であった。
また、得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末についてX線回折測定を行なったところ、ThZn17型構造を有していることを確認した。
実施例1
還元拡散反応の容器内の試料の状態を図2に示すように設置した。積層状態は、酸化サマリウム被覆鉄粒子が1.0cm以下、粒状金属カルシウムが1.0cm以下となるようにし、全部で5層積層し、全層厚を約4cmとした。前記容器内の設置・積層状態を変化させた以外は、前記比較例1と同様にして、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
実施例2
実施例1に対して、酸化サマリウム被覆鉄粒子と粒状金属カルシウムとを積層した試料の上部に、純鉄製の落とし蓋を設置した以外は、前記実施例1と同様にして、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
実施例3
還元拡散反応の容器内にTi製の内張を厚さ1.5mmで形成した以外は、前記実施例2と同様にして、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
実施例4
還元拡散反応の容器内にTi製の内張を厚さ1.5mmで形成し、落とし蓋の試料の接触面をTi製とした以外は、前記実施例2と同様にして、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
実施例5
還元拡散反応を、アルゴンガス気流中で1080℃まで昇温、30min保持して行った以外は、前記実施例4と同様にして、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を得た。
各実施例及び比較例について、還元拡散反応の容器(縦20cm、横11cm、深さ6cm)を縦に3等分、横に2等分して6つの区域に分割した。それぞれの区域に存在する試料を別々に取り出し、磁気特性を評価し、平均値、標準偏差値を算出した。
得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の磁気特性の平均値及び標準偏差値を表1に示す。表1に示すとおり、本発明に係る製造法によって得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、各磁気特性の標準偏差を小さくすることができ、より均一な磁気特性を有するSm−Fe−N系磁性粒子粉末であることが確認された。
Figure 2009256753
実施例及び比較例で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末の粉体特性を表2に示す。なお、実施例では、還元拡散反応の容器を6つの区域に分割して存在しているSm−Fe−N系磁性粒子粉末の全てを混合・解砕した後、各種粉体特性を測定した。
Figure 2009256753
実施例6
<ボンド磁石用樹脂組成物の製造>
実施例1で得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を1.0wt%のシランカップリング剤で処理した後、シランカップリング剤で処理したSm−Fe−N系磁性粒子粉末92.6重量部と12ナイロン樹脂6.7重量%、酸化防止剤0.5重量%及び滑剤0.2重量%とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出混練機により混練(混練温度190℃)を行い、ボンド磁石用樹脂組成物を得た。
得られたボンド磁石用樹脂組成物の流動性を示すMFRは加熱温度270℃、加圧10kgの条件で345g/10minであった。
<ボンド磁石の製造>
得られたボンド磁石用樹脂組成物を用いて射出成形し、ボンド磁石を作製した。
得られた射出成形ボンド磁石の室温磁気特性は残留磁束密度Brが742mT(7.42kG)、保磁力iHcが615.9kA/m(7739Oe)、最大磁気エネルギー積(BH)maxが100.9kJ/m(12.68MGOe)、角形性H/HcJは64.04%、r/sは96.58%であり、密度は4.80g/ccであった。
実施例7〜10、比較例2:
Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を種々変化させた以外は、前記実施例6と同様にしてボンド磁石を得た。得られたボンド磁石の諸特性を表3に示す。
Figure 2009256753
本発明に係るSm−Fe−N系磁性粒子粉末は、流動性が良く、射出成形での配向性に優れるとともに、角形性が良く、とともにが高いボンド磁石を得ることができるので、ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末として好適である。
還元拡散反応において、Smと鉄化合物との複合体と金属カルシウムとの単純な混合物を容器内に設置した状態を示す図である。 還元拡散反応において、Smと鉄化合物との複合体及び金属カルシウムを容器内に交互に積層した状態を示す図である。 還元拡散反応において、容器に、Ti製の内張、落とし蓋を設置した図である。

Claims (7)

  1. 酸化サマリウムと鉄との複合体及び金属カルシウムを用いて還元拡散反応を行ってSmFe化合物を作製し、次いで、該SmFe化合物に窒化反応を行うSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造方法において、前記還元拡散する際の容器内に酸化サマリウム及び鉄の複合体と金属カルシウムとを積層して設置することを特徴とするSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法。
  2. 請求項1記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、Smと鉄化合物との複合体及び金属カルシウムを充填した容器に、前記充填物に密着するように移動可能な蓋を設置するSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法。
  3. 請求項1又は2記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、試料を充填する容器の少なくとも底面内側の材質がTi、Mo、Ta、W、Nb、Zr又はHfを含む金属又は合金であるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法において、試料を充填する容器の内側全面の材質がTi、Mo、Ta、W、Nb、Zr又はHfを含む金属又は合金であるSm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造法によって得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末と樹脂とからなるボンド磁石用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造法によって得られたSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石。
  7. 請求項6記載のボンド磁石のHk/Hcjが55〜70%であって、r/sが0.95〜0.99であるボンド磁石。
JP2008109524A 2008-04-18 2008-04-18 Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石 Active JP5110296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109524A JP5110296B2 (ja) 2008-04-18 2008-04-18 Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109524A JP5110296B2 (ja) 2008-04-18 2008-04-18 Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009256753A true JP2009256753A (ja) 2009-11-05
JP5110296B2 JP5110296B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=41384531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008109524A Active JP5110296B2 (ja) 2008-04-18 2008-04-18 Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5110296B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104384493A (zh) * 2014-10-22 2015-03-04 浙江工业大学 一种以碳酸铵为氮源正压氮化钐铁合金制备Sm2Fe17Nx磁粉的方法
CN113770355A (zh) * 2021-08-31 2021-12-10 浙江英洛华磁业有限公司 一种用于稀土合金烧结热处理的烧结容器及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110538993A (zh) * 2019-10-18 2019-12-06 洛阳高新四丰电子材料有限公司 一种高致密度钼钽合金溅射靶材的制备工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009074A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその製造方法、および得られるボンド磁石
JP2007270303A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Toda Kogyo Corp ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009074A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類−遷移金属−窒素系磁石粉末とその製造方法、および得られるボンド磁石
JP2007270303A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Toda Kogyo Corp ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104384493A (zh) * 2014-10-22 2015-03-04 浙江工业大学 一种以碳酸铵为氮源正压氮化钐铁合金制备Sm2Fe17Nx磁粉的方法
CN113770355A (zh) * 2021-08-31 2021-12-10 浙江英洛华磁业有限公司 一种用于稀土合金烧结热处理的烧结容器及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5110296B2 (ja) 2012-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5499738B2 (ja) 表面処理された希土類系磁性粉末、該希土類系磁性粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2021057599A (ja) R−t−b系希土類磁石粉末の製造方法、r−t−b系希土類磁石粉末、及びボンド磁石
EP2983178B1 (en) Ferrite particle powder for bonded magnet, resin composition for bonded magnet, and molded body using same
JP2018090892A (ja) 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法
WO2018096733A1 (ja) 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法
JP2018127716A (ja) 希土類鉄窒素系磁性粉末とその製造方法
JP4623308B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、ボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
EP3057110B1 (en) Resin composition for bonded magnet, and molded article using the resin composition
JP5110296B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP7335515B2 (ja) ボンド磁石用コンパウンドの製造方法
JP6485066B2 (ja) 窒化鉄系磁石
JP2007277692A (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2016092262A (ja) ボンド磁石形成材料およびボンド磁石
JP5019037B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末及びその製造法、Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP2016194140A (ja) 希土類系磁性粉末及びその製造方法、並びにボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
JP4296379B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粉末の製造法及びボンド磁石
JP4662061B2 (ja) Sm−Fe−N系磁性粒子粉末の製造法及びSm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
JP5344119B2 (ja) 表面処理されたSm−Fe−N系磁性粒子粉末、該Sm−Fe−N系磁性粒子粉末を含有するボンド磁石用樹脂組成物並びにボンド磁石
JP4370555B2 (ja) ボンド磁石用Sm−Fe−N系磁性粉末の製造法及びボンド磁石
WO2015122271A1 (ja) 希土類系磁性粉末及びその製造方法、並びにボンド磁石用樹脂組成物、ボンド磁石
WO2022107461A1 (ja) リン酸塩被覆SmFeN系異方性磁性粉末の製造方法およびリン酸塩被覆SmFeN系異方性磁性粉末
JP6823323B2 (ja) 強磁性粉末、組成物、成形品、強磁性粉末の製造方法
WO2023058565A1 (ja) ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体
KR20240072992A (ko) 본드 자석용 수지 조성물 및 이를 사용한 성형체
JPH05304009A (ja) 磁性材樹脂複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120912

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120925

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5110296

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350